JPH10225035A - 電機子巻線 - Google Patents

電機子巻線

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JPH10225035A
JPH10225035A JP9023689A JP2368997A JPH10225035A JP H10225035 A JPH10225035 A JP H10225035A JP 9023689 A JP9023689 A JP 9023689A JP 2368997 A JP2368997 A JP 2368997A JP H10225035 A JPH10225035 A JP H10225035A
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teeth
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Shinji Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コギングトルクが小さく、コイルエンドが小
さく、起磁力がバランスした電機子巻線を得る。 【解決手段】 n極n+1スロットの電機子コアの各テ
ィース1〜5に、位相が異なる2つの相のコイルを巻線
し電流を合成することで、n+1相相当分の回転起磁力
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小形でコギング
トルクの少ないモータの電機子の巻線に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来のこの種の電機子の巻線
を示すための電機子の断面図である。図においては、4
極6スロット(ティース)の場合の従来の電機子巻線を
示しており、第1のティース11にはU相のコイルU
1、第2のティース12にはV相のコイルV2、第3の
ティース13にはW相のコイルW3、第4のティース1
4にはU相のコイルU4、第5のティース15にはV相
のコイルV5、第6のティース16にはW相のコイルW
6が各々スロットをまたがずに各ティースに巻き付けら
れ、コイルエンドが小さい小形のモータになっている。
【0003】ところが、スロットパーミアンスとロータ
の起磁力に起因するコギングトルクはロータ1回転当た
り極数とスロット数の最小公倍数だけ発生するので、こ
の場合4極6スロットであるからロータの1回転当たり
12回のコギングトルクが現れる。コギングトルクの数
が少ないと、一つのコギングトルクのピーク値は大きく
なり、したがって振動、騒音が大きく、トルクむらも大
きくなるので、これを解消するために例えば特公平5−
34897号公報に示される様に2極、15スロット
で、各スロットに巻かれるコイル数を変える方法があ
る。しかしながら、この方法では各コイルは1つ以上の
スロットをまたぎ、コイルエンドが大きく、大形のモー
タとなってしまう。
【0004】スロットをまたがない小形のモータの電機
子巻線の従来の他の例としては、特開平7−59283
号公報に示されるように、8極9スロットや4極6スロ
ットとし、かつ各ティースにはスロットをまたがないよ
うにいずれかの相のコイルが巻かれているものがある
が、空間位相と電流位相がずれているため合成された回
転起磁力には多くの高調波を含み、振動、騒音の大きい
ものとなってしまう欠点があった。
【0005】また、4極5スロットのような構成ではス
ロット数を相数(3)で割り切れないので、例えば5相
交流電源を接続することとなるが、これでは結線数が増
加してしまい、インバータが複雑になる等の欠点があ
る。
【0006】更に、4極9スロットなど、スロット数を
増やしてスロットをまたがない巻線を施すとコギングト
ルクは小さくなるが、コイルピッチが小さくなり、1コ
イルあたりの起磁力が小さくなってしまうため、多くの
巻線が必要となり、大きなモータとなってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電機子巻線は以
上のように構成されているので、コイルエンドが大き
く、大形のモータとなってしまったり、あるいはコギン
グトルクのピーク値が大きくなり、振動、騒音が大きく
なる欠点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、コイルエンドが小さく、起磁力
のバランスがとれ、なおかつコギングトルクが小さいモ
ータの電機子巻線を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る電機子巻線は、極数+1個のティースを有する電機子
コアの各ティースに、スロットをまたがないように巻か
れた電機子巻線であって、少なくとも1つのティースに
は単一の相のコイルしか巻かず、他のティースには異な
る2つの相の巻線を施したものである。
【0010】この発明の請求項2に係る電機子巻線は、
極数+1個のティースを有する電機子コアの各ティース
に、スロットをまたがないように巻かれた電機子巻線で
あって、各ティースに異なる2つの相の巻線を施したも
のである。
【0011】この発明の請求項3に係る電機子巻線は、
kn極の極数に対し、k(n+1)個のティース(nは
自然数、kは2以上の自然数)を有する電機子コアの各
ティースに、スロットをまたがないように巻かれた電機
子巻線であって、少なくとも1つのティースには単一の
相のコイルしか巻かず、他のティースには異なる2つの
相の巻線を施したものである。
【0012】この発明の請求項4に係る電機子巻線は、
kn極の極数に対し、k(n+1)個のティース(nは
自然数、kは2以上の自然数)を有する電機子コアの各
ティースに、スロットをまたがないように巻かれた電機
子巻線であって、各ティースに異なる2つの相の巻線を
施したものである。
【0013】この発明の請求項5に係る電機子巻線は、
1つのティースに巻かれたコイルに流れる電流の合成ベ
クトルが、隣のティースに巻かれたコイルに流れる電流
の合成ベクトルと、位相において、(極数)/(ティー
ス数)×πずつずれるようにコイルの巻数比を定めたも
のである。
【0014】この発明の請求項6に係る電機子巻線は、
各相のコイルの抵抗値が等しくなるように、少なくとも
1つの相のコイルの断面積が他の相のコイルの断面積と
相違するものである。
【0015】この発明の請求項7に係る電機子巻線は、
コイルの相数を3とするものである。
【0016】この発明の請求項8に係る電機子巻線は、
3相コイルをY結線にしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下この発明の一実施形態について説明
する。本実施形態においてはモータの極数を4極とし、
スロット数は極数+1である5スロット(5ティース)
とする。このような4極5スロットの場合、コギングト
ルクはロータ1回転につき極数×スロット数すなわち4
×5=20回現れ、4極6スロットの場合の12回より
多いので、コギングトルクの数が増え、ビーク値が小さ
くなるので結果としてコギングトルクの振幅は小さくな
る。
【0018】図1はこの発明の実施形態による電機子巻
線を示すための電機子の断面図である。図において、第
1のティース1にU相コイルU1を正方向にNu1回巻
く。ここで、正方向とはコイルの+側から−側に電流を
流したとき、ティースの先の方に磁界が向くような巻線
方向とする。
【0019】1つのティースに巻かれたコイルに流れる
電流の合成ベクトルが、隣のティースに巻かれたコイル
に流れる電流の合成ベクトルと、位相にして(極数)/
(ティース数)×πずつずれるように巻数比を求めるの
で、第2のティース2にはU相から4/5×π遅れた位
相が必要となる。そこで第2のティース2にはU相コイ
ルU2をNu2回逆方向に、V相コイルV2をNv2回正方
向に巻く。ここで、逆方向とはコイルの−側から+側に
電流を流したとき、ティースの先の方に磁界が向くよう
な巻線方向とする。尚、各コイルはスロットをまたがな
いように巻くものとする。
【0020】次に第2のティース2に巻くU相コイルU
2、V相コイルV2の巻き回数Nu 2,Nv2の決め方を説
明する。U相にcos(ωt)、V相にcos(ωt−2π/
3)の電流を流すので、この電流による合成起磁力は、
式(1)となる。
【0021】
【数1】
【0022】これが、式(2)になればよい。
【0023】
【数2】
【0024】複素平面上にU相電流ベクトル、V相電流
ベクトル、および第2のティースに必要な電流ベクトル
を図2のように描けば、図より幾何学的に解析すること
により、式(3)を得る。
【0025】
【数3】
【0026】すなわち、第2のティース2に巻くU相、
V相のコイル巻き数Nu2,Nv2を各々第1のティースに
巻いたU相コイルU1の巻き数Nu1の0.47倍、0.6
8倍とし、V相のコイルV2に流れる電流の位相が2π
/3遅れた3相交流電流(この場合W相は未だ使ってい
ない)を流せば第2のティース2には第1のティース1
と大きさが同じで位相が(4/5)πずれた起磁力が得
られる。
【0027】次に、第3のティース3の起磁力は第1の
ティース1の起磁力に対し(8/5)π位相を遅らせる
ために、V相のコイルV3を逆方向にNv3回、W相のコ
イルW3を正方向にNw3回巻く。起磁力の関係を式で示
すと式(4)となる。
【0028】
【数4】
【0029】同様に各巻き数を決めるために電流のベク
トル図を図3のように描けば、図より幾何学的に解析す
ることにより、式(5)を得る。
【0030】
【数5】
【0031】第4のティース4は第1のティース1を基
準に第3のティース3と対称であるから、第1のティー
ス1の起磁力に対し(8/5)π位相を進めるために、
W相のコイルW4を逆方向にNw4回、V相のコイルV4
を正方向にNv4回巻くが、各々の巻き数は、第3のティ
ースの場合と同様に幾何学的に解析して求めると式
(6)となる。
【0032】
【数6】
【0033】さらに、第5のティース5は第1のティー
ス1を基準に第2のティース2と対称であるから、第1
のティース1の起磁力に対し(4/5)π位相を進める
ために、U相のコイルU5を逆方向にNu5回、W相のコ
イルW5を正方向にNw5回巻くが、各々の巻き数は、第
2のティースの場合と同様に幾何学的に解析して求める
と、式(7)となる。
【0034】
【数7】
【0035】以上のように巻かれたコイルを図4のよう
に、U相はU相同士、V相はV相同士、W相はW相同
士、直列に接続してU相、V相、W相のコイルを得る。
この状態でU,V,W各相に3相交流電流を流せば5つ
のティースにはあたかも5相交流電流が流されているか
のようにバランスした回転起磁力が発生する。
【0036】次に、U,V,W各相のコイルの総巻き数
を調べてみる。U相のコイルは第1のティース1にNu1
回巻かれているが、簡略化のためこれを単位巻き数1と
して数える。すると、U相のコイルは第1のティース1
に1回、第2のティース2に0.47回、第5のティー
ス5に0.47回巻かれており、合計1.94回である。
また、V相のコイルは第2のティース2に0.68回、
第3のティース3に0.86回、第4のティース4に0.
24回巻かれており、合計1.78回である。同様にW
相のコイルも第3のティース3に0.24回、第4のテ
ィース4に0.86回、第5のティース5に0.68回巻
かれており、合計1.78回となる。
【0037】従って、V相とW相のコイルは巻き数が同
じでコイル抵抗も等しいが、U相のコイルはV相、W相
のコイルより0.16回多く巻かれており、約1.09倍
の線長さとなり、線径を同じとすると抵抗値にアンバラ
ンスが生じてしまう。そこで、U相のコイル断面積を他
の相のコイル断面積の1.09倍にしておけば、各相の
抵抗値をバランスさせることができる。
【0038】次に、各相に誘起される起電力について確
認する。第1から第5のティースに鎖交する磁束による
起電力をコイル1ターンあたり、それぞれ、sin(w
t)、sin(wt−4π/5)、sin(wt+2π/
5)、sin(wt−2π/5)、sin(wt+4π/5)
とすれば、U相コイルに発生する起電力は式(8)とな
る。
【0039】
【数8】
【0040】同様にV相に発生する起電力は式(9)と
なる。
【0041】
【数9】
【0042】同じくW相に発生する起電力は式(10)
となる。
【0043】
【数10】
【0044】即ち、各V,W相の起電力はU相起電力に
対し、振幅で1.624/1.76=0.922倍、位相
で±(2π/3−16π/1000)ずれた起電力とな
り、16π/1000はほとんど無視できるから、ほぼ
対称3相交流起電力を得ることが出来る。
【0045】次に、このようにして得られたU,V,W
相のコイルを図5のようにY結線した場合を考える。図
6は電機子巻線を判り易く説明した回路図である。各線
間起電力を求めると、式(11)〜(13)となり、振
幅が等しく位相が2π/3ずつずれた対称3相交流起電
力が得られる。
【0046】
【数11】
【0047】
【数12】
【0048】
【数13】
【0049】以上のようにして、5スロットの電機子コ
アに3相巻線を施してY結線すると、各ティースに発生
する起磁力は平衡した5相交流相当の起磁力が得られ、
また起電力は平衡した3相交流起電力が得られる。従っ
て、この巻線方法を例えば電動機に用いれば、電源は3
相電源でよいので、外部の結線が簡単になり、コイルエ
ンドが小さく、小形で、コギングトルクが小さく、振
動、騒音が小さい優れた電動機が得られる。
【0050】上記のように、この発明における電機子の
巻線においては、スロット数を極数+1とすると、極数
とスロット数の最小公倍数は必ず極数×スロット数とな
り、コギングトルクの数を増やしてピーク値を小さくす
ることができる。更に、この発明においては、位相の異
なる相のコイルを1つのティースに巻くことで、合成さ
れたティースの起磁力位相を所望の値にすることができ
る。
【0051】実施の形態2.上記実施の形態1では、各
ティースにコイルを巻いたあとで、U相はU相同士、V
相はV相同士、W相はW相同士を直列接続する例を示し
たが、同等の接続状態になるように各相1本のコイルで
巻線してもかまわない。この場合、巻線後の結線の数が
減るので工作が簡単になる。
【0052】実施の形態3.又、上記実施の形態ではU
相のコイル断面積を大きくして抵抗値をバランスさせる
例を示しているが、各相のコイル断面積を同じとしても
3相交流電流を流せば各ティースに5相交流起磁力が得
られることに変わりはない。
【0053】実施の形態4.更に、上記実施の形態では
3相のコイルをY結線した例を示したが、△結線として
もほぼ同等のものが得られる。ただしこの場合、若干の
3相起電力の不平衡により循環電流が生じる。
【0054】実施の形態5.また、上記実施の形態では
第1のティースにU相のコイルのみを巻いた例を示した
が、全てのティースに位相が異なる2つの相のコイルを
巻いて構成することも可能である。巻線の例を図7に示
す。正方向の巻線を+、逆方向の巻線を−で表せば、例
えば、表(1)の様に巻線をしてもよい。この場合、
U,V,W相の起電力のばらつきが小さくなる。ただ
し、同じ起磁力を得ようとすると、前記実施の形態のよ
うに、少なくとも1つのティースに1つの相のコイルの
みを巻く構成の方が、コイルの総巻き数を最も小さくす
ることができる。
【0055】
【表1】
【0056】実施の形態6.更に、上記実施の形態では
4極、5スロットの場合を示しているが、6極7スロッ
ト、8極9スロット、10極11スロットなど、n極n
+1スロットの構成であれば、1つのティースに位相の
異なる2つの相のコイルを巻いて電流ベクトルを合成す
ることにより、n+1相相当の回転起磁力を得ることが
出来る。6極7スロットの場合の各ティースの巻き数比
は例えば表(2)のようになる。
【0057】
【表2】
【0058】又、8極9スロットの場合の各ティースの
巻き数比は例えば表(3)のようになる。
【0059】
【表3】
【0060】実施の形態7.また、上記実施の形態では
各コイル巻き数を巻き数比で表しており、必要な起電力
を得る巻き数を決めたとき、丁度上記の巻き数比が得ら
れないことがあるが、この場合は上記の比に最も近い巻
き数比となる巻き数を選べばよい。
【0061】実施の形態8.上記実施の形態において
は、4極5スロット,6極7スロット等、n極n+1ス
ロットの構成を有する場合について説明したが、8極1
0スロット,12極14スロット等、kn極k(n+
1)スロット(kは2以上の自然数)とすることもでき
る。
【0062】ここでは8極10スロットの場合について
説明する。8極10スロットの場合の巻き数比は4極5
スロットの場合と同じとなり、ティース6からティース
10の巻き数比はティース1からティース5までと同じ
となる。このように構成することにより、ギャップの磁
束分布が点対称となるので、半径方向の力がバランス
し、ロータの振動が低減される効果がある。尚、この場
合でも、実施の形態1の場合と同様、1つのティースに
は単一の相のコイルしか巻かず、他のティースには異な
る2つの相の巻線を施す構成を採用することができ、更
に、各ティースに異なる2つの相の巻線を施してもよ
い。
【0063】実施の形態9.次にn極mスロットの電機
子の場合でi番目のティースにおけるU,V,W各相コ
イルの一般的巻き数を表わす式を求める。先ず、3相コ
イルの内2つの相のコイル(電流)を合成して、振幅
1,任意の位相αを得ることを考える。
【0064】(1)0<α≦π/3の場合、図8よりu
と−wを合成すると式(14)のようになる。
【0065】
【数14】
【0066】(2)次にπ/3<α≦2π/3の場合、
図9により式(15)が導かれる。
【0067】
【数15】
【0068】以下同様に−π<α<πの範囲でπ/3き
ざみに巻数が求まることとなる。ここでU相のコイル巻
数のみを求めると、 Nu=A/sin(π/3) となる。ただしAは−π<α≦−2π/3のときはA=
sin(2π/3+α)となり、−2π/3<α≦−π/
3のときはA=0となり、−π/3<α≦0のときはA
=sin(π/3+α)となり、0<α≦π/3のときは
A=sin(π/3−α)となり、π/3<α≦2π/3
のときはA=0となり、2π/3<α≦πのときはA=
sin(2π/3−α)となる。
【0069】ここでNu<0は−U(U相のコイルを逆
方向に巻いたもの)を使うことを意味する。V相,W相
コイルはU相コイルと位相が±2π/3ずれているか
ら、α±2π/3を上式のαに代入して求める。
【0070】n極mスロット集中巻の場合、1番目のテ
ィースの位相を一般的にaとすると、aを上式αに代入
して第1のティースのU相、V相、W相のそれぞれの巻
数を求める。但し、この場合、巻数0となる相がでてく
る。
【0071】次に第2のティースの位相は、第1のティ
ースの位相から(n/m)π遅れた位相が必要となるか
ら、a=(n/m)πを上式αに代入して、同様に巻数
を求めることができる。そして、第i番目のティースの
位相は、第1のティースの位相からn(i−1)π/m
遅れた位相が必要であるから、a+n(i−1)π/m
を上式αに代入して、同様に巻数を求めることができ
る。ここで基準となる位相aを任意に選ぶことができる
が、a=0の場合は第1のティースにはU相のコイルの
みを巻く構成となる。
【0072】以上の説明により、n極mスロットでi番
目のティースにおけるU,V,W各相コイルの一般的巻
き数Nは、N=A/sin(π/3)により求めることが
できることとなる。ただしAは、−π<C≦2π/3の
ときA=sin(2π/3+C)であり、−2π/3<C
≦−π/3のときA=0であり、−π/3<C≦0のと
きA=sin(π/3+C)であり、0<C≦π/3のと
きA=sin(π/3−C)であり、π/3<C≦2π/
3のときA=0であり、2π/3<C≦πのときA=si
n(2π/3−C)である。ここで、−π<C≦πであ
って、C=(n/m)π(i−1)+a+dであり、d
はU相コイルのときd=0であり、V相コイルのときd
=2π/3であり、W相コイルのときd=−2π/3で
ある。
【0073】実施の形態10.上記の実施の形態ではこ
の発明を電動機に適用する場合を示したが、発電機に適
用してもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1〜請求
項4,請求項7,請求項8の電機子巻線によれば、ステ
ータコアのティース数を極数+1かあるいはその自然数
倍とすると共に、各ティースに1つ又は位相の異なる2
つのコイルを巻いたので、コイルエンドが小さく、小形
で、コギングトルクが小さく、振動、騒音が小さい優れ
た電動機が得られる効果がある。
【0075】又、この発明の請求項5の電機子巻線によ
れば、1つのティースに巻かれたコイルに流れる電流の
合成ベクトルが、隣のティースに巻かれたコイルに流れ
る電流の合成ベクトルと、位相において、(極数)/
(ティース数)×πずつずれるように、コイルの巻き数
比を定めたので、各ティースの起磁力がバランスした巻
線が得られる効果がある。
【0076】更に、この発明の請求項6の電機子巻線に
よれば、各相のコイルの抵抗値が等しくなるように、少
なくとも1つの相のコイルの断面積が他の相のコイルの
断面積と相違するようにしたので、各相の抵抗値をバラ
ンスさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電機子を示す
断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による第2のティー
スの起磁力の合成を示すベクトル図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による第3のティー
スの起磁力の合成を示すベクトル図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるコイルの接続
図である。
【図5】 この発明の実施の形態1によるコイルの接続
図である。
【図6】 この発明の実施の形態1によるコイルの接続
図である。
【図7】 この発明の実施の形態5によるコイルの接続
図である。
【図8】 この発明の実施の形態9による電流の合成を
示すベクトル図である。
【図9】 この発明の実施の形態9による電流の合成を
示すベクトル図である。
【図10】 従来の電機子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1のティース、2 第2のティース、3 第3の
ティース、4 第4のティース、5 第5のティース。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極数+1個のティースを有する電機子コ
    アの各ティースに、スロットをまたがないように巻かれ
    た電機子巻線であって、少なくとも1つのティースには
    単一の相のコイルしか巻かず、他のティースには異なる
    2つの相の巻線を施したことを特徴とする電機子巻線。
  2. 【請求項2】 極数+1個のティースを有する電機子コ
    アの各ティースに、スロットをまたがないように巻かれ
    た電機子巻線であって、各ティースに異なる2つの相の
    巻線を施したことを特徴とする電機子巻線。
  3. 【請求項3】 kn極の極数に対し、k(n+1)個の
    ティース(nは自然数、kは2以上の自然数)を有する
    電機子コアの各ティースに、スロットをまたがないよう
    に巻かれた電機子巻線であって、少なくとも1つのティ
    ースには単一の相のコイルしか巻かず、他のティースに
    は異なる2つの相の巻線を施したことを特徴とする電機
    子巻線。
  4. 【請求項4】 kn極の極数に対し、k(n+1)個の
    ティース(nは自然数、kは2以上の自然数)を有する
    電機子コアの各ティースに、スロットをまたがないよう
    に巻かれた電機子巻線であって、各ティースに異なる2
    つの相の巻線を施したことを特徴とする電機子巻線。
  5. 【請求項5】 1つのティースに巻かれたコイルに流れ
    る電流の合成ベクトルが、隣のティースに巻かれたコイ
    ルに流れる電流の合成ベクトルと、位相において、(極
    数)/(ティース数)×πずつずれるようにコイルの巻
    数比を定めたことを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれか1項に記載の電機子巻線。
  6. 【請求項6】 各相のコイルの抵抗値が等しくなるよう
    に、少なくとも1つの相のコイルの断面積が他の相のコ
    イルの断面積と相違することを特徴とする請求項1から
    請求項5のいずれか1項に記載の電機子巻線。
  7. 【請求項7】 コイルの相数が3であることを特徴とす
    る請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電機子
    巻線。
  8. 【請求項8】 3相コイルをY結線したことを特徴とす
    る請求項7記載の電機子巻線。
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