JPH1022053A - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents
スパークプラグ及びその製造方法Info
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- JPH1022053A JPH1022053A JP18834896A JP18834896A JPH1022053A JP H1022053 A JPH1022053 A JP H1022053A JP 18834896 A JP18834896 A JP 18834896A JP 18834896 A JP18834896 A JP 18834896A JP H1022053 A JPH1022053 A JP H1022053A
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Abstract
起こりにくく、ひいては耐久性に優れたスパークプラグ
を提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、中心電極3
と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体2と、一方
の端部側から中心電極3を突出させた状態で、絶縁体2
の外側に設けられた主体金具1と、その主体金具1に一
端が結合され、他端側が中心電極3と対向するように配
置された接地電極4と、それら中心電極3と接地電極4
との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャップgを
形成する発火部31及び32とを備え、その発火部が、
純度が99.95重量%以上、望ましくは99.97重
量%以上のIr金属を原料としたIr含有金属からなる
チップにより構成される。
Description
るスパークプラグに関する。
スパークプラグとして、耐火花消耗性向上のために電極
の先端にPt(白金)合金のチップを溶接して発火部を
構成したものが使用されているが、白金は高価であるた
めチップ材料として安価なIr(イリジウム)を使用す
る提案がなされている。
発火部をIrで構成した場合、Irは900〜1000
℃の高温域において酸化・揮発しやすい性質を有してい
るため、そのまま電極発火部に使用すると、火花消耗よ
りも酸化・揮発による消耗が問題となる欠点がある。こ
の場合、Irの酸化・揮発を抑制するために、IrにY
2O3等の希土類酸化物を分散させた材料を、発火部を構
成するチップ材料として使用する提案もなされているが
(特開平7−37677号)、近年のエンジンの高出力
化に伴いプラグの使用温度域はさらに上昇する傾向にあ
り、上記材料のチップを使用したプラグもその耐久性は
必ずしも十分とは言えない問題がある。
有する金属を使用しつつも、高温でのIr成分の酸化・
揮発による消耗が起こりにくく、ひいては耐久性に優れ
たスパークプラグと、その製造方法を提供することにあ
る。
スパークプラグは、中心電極と、その中心電極の外側に
設けられた絶縁体と、一方の端部側から中心電極を突出
させた状態で、絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
その主体金具に一端が結合され、他端側が中心電極と対
向するように配置された接地電極と、それら中心電極と
接地電極との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャ
ップを形成する発火部とを備え、上述の課題を解決する
ためにその発火部が、純度が99.95重量%以上のI
r金属を原料とするIr含有金属からなるチップにより
構成されていることを特徴とする。また、本発明に係る
上記スパークプラグの製造方法は、該チップの原料とし
て、その純度が99.95重量%以上のIr金属を使用
することを特徴とする。
発火部をIr含有金属からなるチップで構成する場合、
意外にもその原料となるIr金属として純度が99.9
5重量%以上のものを使用することにより、従来避けが
たかったIr成分の高温での酸化・揮発を劇的に抑制で
きることを見い出したのである。
95重量%未満になると、Ir原料純度を上げることに
よるIr成分の酸化・揮発の抑制効果が十分に得られな
くなる。なお、Ir金属の純度は、より望ましくは9
9.97重量%以上とするのがよい。
全体をIrにより構成することができるほか、Nb、M
o、Rh及びPtのうちの1種又は2種以上を合金成分
として含有させることができる。これにより、Irの酸
化・揮発抑制効果をさらに高めることができる。
未満になると、当該合金成分添加によるIrの酸化・揮
発防止効果が十分に得られなくなる。それ故、合金成分
の合計含有量は0.5重量%以上とされ、望ましくは1
重量%以上の範囲内で調整するのがよい。また、上記合
金成分は、Irに対する固溶限以下の範囲で含有させる
ことが望ましい。合金成分がIrに対する固溶限を超え
て含有された場合、両成分の間で脆弱な金属間化合物が
形成され、発火部の火花に対する耐久性や耐熱衝撃性に
問題を生ずる場合がある。
使用する場合、室温におけるMoのIrに対する固溶限
は約12重量%であり、同じくNbのIrに対する固溶
限は約6重量%であることから、NbないしMoを単独
含有させる場合には、それぞれ上記値よりも小さい含有
量に設定することが望ましいといえる。ただし、上記金
属間化合物の形成量が一定以下で、発火部の耐久性等に
及ぼす影響が小さい場合には、MoないしNbの含有量
が上記固溶限を多少超えた値となっていても差しつかえ
ない。以上から、例えばMoを単独で含有させる場合、
その含有量は20重量%以下、望ましくは12重量%以
下とするのがよい。同様にNbについては、その含有量
を10重量%以下、望ましくは6重量%以下とするのが
よい。なお、上記複合材料中にMo及びNbの双方を含
有させることも可能である。この場合、その含有量は、
Ir−Mo−Nb3元系におけるIrへのMo及びNb
の固溶限以下の範囲で設定することが望ましい。
合であるが、Rhの含有量が70重量%を超えると材料
の融点が低下し、プラグの耐久性が低下するので、Rh
の含有量は70重量%以下とするのがよい。なお、Rh
の含有量は、望ましくは20〜60重量%、さらに望ま
しくは30〜40重量%の範囲で調整するのがよい。
うに各合金成分を配合・溶解することにより得られる溶
解材として製造することができる。この場合、配合に使
用されるIr金属の純度が99.95重量%以上、望ま
しくは99.97重量%以上とされる。一方、上記チッ
プは、合金粉末あるいは所定比率で配合された単体金属
粉末を成形・焼結することにより得られる焼結材として
製造することができる。そして、合金粉末を使用する場
合には、その粉末の原料となるIr金属の純度が99.
95重量%以上、望ましくは99.97重量%以上とさ
れる。また、単体金属粉末を使用する場合には、そのI
r金属粉末の純度が99.95重量%以上、望ましくは
99.97重量%以上とされる。
形態を図面を用いて説明する。図1に示す本発明の一例
たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端
部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込
まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出さ
せた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及
び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに
他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の
先端部と対向するように配置された接地電極4等を備え
ている。また、接地電極4には上記発火部31に対向す
る発火部32が形成されており、それら発火部31と、
対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップg
とされている。
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロック
に取り付けるためのねじ部7が形成されている。
3a及び4aはNi合金等で構成されている。一方、上
記発火部31及び対向する発火部32は、その全体が実
質的にIr金属で構成されたチップ、あるいはIrに対
しNb、Mo、Rh及びPtのうちの1種又は2種以上
(合金成分)を合計で0.5重量%以上、望ましくは1
重量%以上で、かつIrに対する固溶限を超えない範囲
内で含有させた合金のチップにより構成されている。
合金成分を配合・溶解することにより得られる溶解材と
して製造することができる。この場合、配合に使用され
るIr金属の純度が99.95重量%以上、望ましくは
99.97重量%以上とされる。一方、上記チップは、
合金粉末あるいは所定比率で配合された単体金属粉末を
成形・焼結することにより得られる焼結材として製造す
ることもできる。そして、合金粉末を使用する場合に
は、その粉末を製造するためのIr金属の純度が99.
95重量%以上、望ましくは99.97重量%以上とさ
れる。また、単体金属粉末を使用する場合には、そのI
r金属粉末の純度が99.95重量%以上、望ましくは
99.97重量%以上とされる。
aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構
成され、ここに円板状に形成された上記チップを重ね合
わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、
電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Wを形成して
これを固着することにより発火部31が形成される。ま
た、対向する発火部32は、発火部31に対応する位置
において接地電極4にチップを位置合わせし、その接合
面外縁部に沿って同様に溶接部Wを形成してこれを固着
することにより形成される。なお、発火部31及び対向
する発火部32のいずれか一方を省略する構成としても
よい。この場合には、発火部31又は対向する発火部3
2及び接地電極4又は中心電極3との間で火花放電ギャ
ップgが形成される。
て説明する。すなわち、スパークプラグ100は、その
ねじ部7においてエンジンブロックに取り付けられ、燃
焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
ここで、その火花放電ギャップgを形成する発火部31
及び対向する発火部32が前述の合金で構成されること
で、Irの酸化・揮発による発火部の消耗が抑制される
ので、長期に渡って火花放電ギャップgが拡大せず、プ
ラグ100の寿命を伸ばすことができる。
9.99重量%(ただし、99.92重量%は比較例)
のIr金属を用いて、直径0.7mm、厚さ0.5mmの円
板状のIrチップを溶解法により作製した。そして、そ
のチップを1050℃の大気中で20時間保持し、テス
ト後にその酸化劣化部を除去したチップの残存体積を測
定した。図3にその結果を示す。すなわち、Ir純度が
99.92%の比較例のチップについては残存体積が2
0%であるのに対し、Ir純度が99.95%以上の実
施例のチップについては残存体積がいずれも90%以上
であり、特に99.97%以上のIrを用いたチップは
99%以上が残存しており、酸化・揮発が極めて起こり
にくいことがわかる。
9重量%(ただし、99.92重量%は比較例)のIr
金属と、純度99.95重量%のMoとを所定量配合・
溶解することにより、Ir−5重量%Rhの組成を有す
る合金チップを作製した。なお、Ir金属の純度はガス
クロマトグラフィー分析により同定した。これらチップ
を用いて図1に示すスパークプラグ100の発火部31
及び対向する発火部32を形成するとともに(火花放電
ギャップgの幅1.1mm)、各プラグの性能試験を以下
のようにして行った。すなわち、ターボ機構を備えた4
気筒ガソリンエンジン(排気量1600cc)にそれらプ
ラグを取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数
5500rpmにて300時間まで連続運転し、各時間
毎のプラグの火花放電ギャップgの拡大量を測定した。
図4にその結果を示す。
rを用いた比較例のプラグについては、Irの酸化・揮
発によりチップが消耗し、火花放電ギャップgが著しく
拡大しているのに対し、純度の高いIrを使用した実施
例のプラグについては火花放電ギャップの拡大が少な
く、特に純度99.97重量%以上のIrを使用した場
合には火花放電ギャップの拡大量がさらに小さくなって
いることがわかる。
図。
積との関係を示すグラフ。
ン運転時間と火花放電ギャップの拡大量との関係を示す
グラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
られた絶縁体と、一方の端部側から前記中心電極を突出
させた状態で、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具
と、その主体金具に一端が結合され、他端側が前記中心
電極と対向するように配置された接地電極と、それら中
心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花
放電ギャップを形成する発火部とを備え、 前記発火部は、純度が99.95重量%以上のIr金属
を原料とするIr含有金属からなるチップにより構成さ
れていることを特徴とするスパークプラグ。 - 【請求項2】 前記チップは、前記Irを主成分とし、
Nb、Mo、Rh及びPtのうちの1種又は2種以上
を、Irに対する固溶限を超えない範囲内で含有するも
のである請求項1記載のスパークプラグ。 - 【請求項3】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
られた絶縁体と、一方の端部側から前記中心電極を突出
させた状態で、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具
と、その主体金具に一端が結合され、他端側が前記中心
電極と対向するように配置された接地電極と、それら中
心電極と接地電極との少なくとも一方に、Irを含有す
る金属材料で構成されたチップを固着してこれを発火部
とすることにより火花放電ギャップを形成するスパーク
プラグの製造方法であって、 前記チップの原料として、その純度が99.95重量%
以上のIr金属を使用することを特徴とするスパークプ
ラグの製造方法。 - 【請求項4】 前記チップの材質として、前記Irを主
成分とし、Nb、Mo、Rh及びPtのうちの1種又は
2種以上を、Irに対する固溶限を超えない範囲内で含
有する金属が使用される請求項3記載のスパークプラグ
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18834896A JP3268203B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18834896A JP3268203B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1022053A true JPH1022053A (ja) | 1998-01-23 |
JP3268203B2 JP3268203B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=16222057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18834896A Expired - Lifetime JP3268203B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3268203B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7550906B2 (en) | 2004-03-05 | 2009-06-23 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug having a noble-metal chip and method for manufacturing the same |
WO2010084755A1 (ja) | 2009-01-23 | 2010-07-29 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
WO2011125267A1 (ja) | 2010-04-02 | 2011-10-13 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
WO2020050392A1 (ja) | 2018-09-07 | 2020-03-12 | 田中貴金属工業株式会社 | スパークプラグ電極用材料及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP18834896A patent/JP3268203B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8415867B2 (en) | 2009-01-23 | 2013-04-09 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug |
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KR20210030398A (ko) | 2018-09-07 | 2021-03-17 | 다나카 기킨조쿠 고교 가부시키가이샤 | 스파크 플러그 전극용 재료 및 그의 제조 방법 |
US11303099B2 (en) | 2018-09-07 | 2022-04-12 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Material for spark plug electrode and method for producing same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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