JPH10220098A - 吊り引き戸の構造 - Google Patents

吊り引き戸の構造

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JPH10220098A
JPH10220098A JP2169097A JP2169097A JPH10220098A JP H10220098 A JPH10220098 A JP H10220098A JP 2169097 A JP2169097 A JP 2169097A JP 2169097 A JP2169097 A JP 2169097A JP H10220098 A JPH10220098 A JP H10220098A
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JP
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hanging
rail
sliding door
wheel
cross
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JP2169097A
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Takashi Tojo
峻 東條
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術による引き戸は、ランナーの一部が
レール枠に接触するので、開閉時に不快な騒音を発生す
る。 【解決手段】 左右1対のレールを、中央部から端部に
向けて上昇傾斜するようにし、それに応じて吊り車も傾
斜させて取り付ける。 【効果】 引き戸が横ずれすると、上記1対の吊り車の
反力F1 ,F2 の合力Fの大きさは、引き戸の重力Wに
等しく、方向は逆でかつ平行しているから、偶力が発生
する。この偶力は、常に、引き戸を元の中央の位置に戻
そうとする力であるから、引き戸の蛇行を防止すること
ができる。 【効果】 本発明による引き戸は、走行中にランナーの
一部がレール枠に接触することを防止できるので、吊り
車とレールとの接触音の発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の開口部に
取り付けられる引き戸に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】住宅、事務所、公共建築物等の開口部に
取り付けられる引き戸は、下部に戸車を装備し、床面に
敷設されたレールに沿って走行するものと、吊り車によ
り上枠に吊られた状態で上枠に取り付けたレールに沿っ
て走行する吊り引き戸タイプのものが最も多く使用され
ている。本発明は、吊り引き戸タイプの引き戸に関する
発明であり、特に、重量の大きな吊り引き戸を対象す
る。
【0003】吊り引き戸は、図2の断面図のように、引
き戸の上部に取り付けられたランナーの吊り車が上枠に
取り付けられた上レール上を走行することにより開閉す
る。上レールは、断面がコの字型の枠部分と吊り引き戸
の吊り車が接して走行するレール部分とからなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来タイプの吊り
引き戸は、吊り引き戸が上レール上を走行する際に、吊
り車が左右のレール枠に接触し、不快な騒音を発する。
この騒音の発生を防ぐ方法として、例えば、吊り車の上
部に、レール枠の内法寸法よりやや小さめの直径を有す
る水平ローラーを設け、引き戸をスムーズに走行させる
方法が知られている。この方法においても、引き戸は走
行中蛇行しようとするから、水平ローラーは左右のレー
ル枠に交互に接触する。水平ローラーが左側のレール枠
に接触した時の水平ローラーの回転方向を左回転とすれ
ば、右側のレール枠に接触した時は右回転である。この
ように、引き戸が蛇行する度に水平ローラーの回転方向
が逆になるから、走行中、水平ローラーがレール枠に接
触する度に、スリップ音が発生する。
【0005】この問題を解決する手段として、実開昭6
0−191669号には、引き戸上部の左右両側のそれ
ぞれに、水平ローラーを1個ずつ設ける方法が開示され
ている。この方法を引き戸に応用すれば、上記問題点を
ほぼ解決できるが、それでもなお、その水平ローラーが
レール枠に間歇的に接触するので、その衝突音又はスリ
ップ音の発生は防止できない。また、引き戸走行用の吊
り車以外に、更に2個の水平ローラーを設けなくてはな
らないため、コストが大幅に高くなってしまうばかりで
なく、ランナーの構造も複雑になる。
【0006】他の方法として、従来技術のレール面の長
手方向に、断面形状が凹型曲面の凹部を設け、吊り車の
断面形状を凸型曲面とし、吊り車をレール面の凹曲面を
走行させ、走行中の吊り車の横ずれを防ぐ方法も考えら
れる。この方法では、吊り車の断面の曲率半径をレール
凹曲面の曲率半径と等しくするか、あるいはほぼ等しく
しないと、所定の横ずれ防止効果を得られない。吊り車
の断面の曲率半径をレールの凹曲面の曲率半径より小さ
くするにしたがって、吊り車が横ずれして、レール枠に
接触しやすくなるからである。従って、吊り車の曲率半
径とレールの凹曲面の曲率半径との差をできるだけ小さ
くする必要があるが、そのようにすると、次の理由によ
り、きしみ音が発生する。
【0007】曲率半径が多少でも異なれば、吊り車とレ
ール面の接触は、理論的には点接触であるが、実際に
は、曲面の加工精度はそれほど高くなく、また、引き戸
の重力がかかると吊り車又はレール面が変形するから、
一部面接触となる。従って、吊り車の曲率半径の大きな
部分(即ち、周速の大きな部分)と小さな部分(即ち、
周速の小さな部分)が同時にレール面に接触するから、
吊り車のいずれかの箇所でスリップし、きしみ音を発生
するのである。また、上記凹部はゴミ等がたまりやすい
が、掃除が困難なため放置されがちで、それもまたきし
み音発生の原因にもなる。住宅・家具等の引き戸は、断
面凸型のレール上を断面凹型の戸車を走行させている
が、上記と似た機構であるため、走行の際にかなりの騒
音を発生していることからも、上記方法が有効な解決手
段となっていないことがわかる。
【0008】本発明は、下記手段により、上記問題点を
解決するものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、以下に記載する
手段により、上記問題点を解決した。以下図面により説
明する。図1及び4,5は、本発明による上レール、ラ
ンナー及び上レールの構造を示す断面図である。ただ
し、図5には本発明の上部構造のみを示す。下部の構造
は、他の図と同一である。
【0010】ランナーは、吊り車A、吊り車保持部B、
吊り手Q、自由回転軸P、及び引き戸Dをネジ等により
上下調整する上下調整装置Gからなり、ほぼ左右対称形
である。上レールは図に示すように、レールRとレール
枠Eからなる。図5の場合、レールRのみで十分な強度
があれば、レール枠Eは必ずしも必要でない。
【0011】レールRとレール枠Eは、多くの場合一体
成型品で、これもまたほぼ左右対称形である。引き戸D
もほぼ左右対称に取り付けられており、その重心線がラ
ンナーのほぼ中心を通るように取り付けられている。
【0012】吊り車Aが接するレール面は、中央部から
両端部に行くに従い、水平方向に対して上昇傾斜してい
る。このレールRに接する吊り車Aは、多くの場合レー
ル面とほぼ直角に接しながら走行するから、吊り車も傾
斜して吊り車保持部Bに取り付けられている。
【0013】吊り車保持部Bは、自由回転軸Pと吊り手
Qとを介してと引き戸Dに取り付けられている。回転軸
Pは、吊り手Qが、柱時計の振り子のように、左右、す
なわち、引き戸の走行方向と直交する方向に振れること
を可能とするためである。ただし、あまり大きく左右に
振れると、走行に差し支えるので、ストッパーにより、
その回転を制限しておく必要がある。引き戸Dの高さを
2mとすれば、引き戸下部において、プラス・マイナス
3cm程度までに制限しておくのが適当である。この場
合、回転半径に対して、プラス・マイナス1.5/10
0である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1及び4,5のように、引き戸
Dが、レールRの中央部を走行している間は、引き戸D
にかかる重力は、ほぼ等分されて吊り車Aにかかり、釣
り合いがとれている。ところが、図3のように、引き戸
Dが走行中に蛇行し、レール枠E又はレールRの中央の
位置から横ずれした場合、水平方向のバランスは崩れ
る。図3において、引き戸D全体の重力Wの大きさと、
レール面における法線方向の反力F1 とF2 の合力Fの
大きさとは等しいが、方向は互いに逆でかつ平行であ
る。
【0015】引き戸全体の重心線と、レール面における
法線方向の反力F1 とF2 との合力Fの方向線とが重な
るときの合力Fの方向線を中立線と名付ければ、引き戸
Wの重力線とFの中立線が重なれば、釣り合いが取れて
いることになる。図3のように、互いに平行している場
合は、吊り車保持部Bを左回転させようとする偶力が働
いている。この偶力は、吊り車保持部Bをレール枠Eの
中央部に戻そうとする回転力である。
【0016】吊り車Aとレール面との摩擦力が十分に大
きく、あるいはレール面の傾斜角度を極度に小さくし
て、偶力を十分に小さくすれば、図3の状態で、摩擦力
と偶力とを釣り合わせることもできる。ところが、レー
ルRおよび吊り車Aの材料を、それぞれ通常使用される
表面が平滑な金属又はプラスチック等で製作し、レール
の傾斜角度を15度以上にとると、たとえ静止状態で釣
り合わせることができたとしても、走行状態で釣り合わ
せることは非常に困難である。動的摩擦係数は静的摩擦
係数に比べてはるかに小さいから、たとえ静止状態で左
右が釣り合っていたとしても、それを走行させれば、摩
擦力と偶力の釣り合いが崩れ、吊り車保持部Bが左回転
して、吊り車Aがレール枠中央部に戻るのである。
【0017】上記のように、吊り車Aには、引き戸Dを
レール枠Eの中央の位置に復帰させようとする力が働く
のである。逆方向に横ずれした場合も同様であるから、
左右の吊り車Aの位置がレール枠Eの中央部ずれようと
すると、常にそれを元の中央の位置に復帰させようとす
る力が働き、引き戸Dの大きな蛇行を防止するのであ
る。
【0018】従って、ランナーの吊り車Aや吊り車保持
部Bがレール枠E等に接触し、騒音を発するのを防止す
ることができる。そして、蛇行しようとする引き戸Dが
中央の位置(即ち前記の中立線の位置)に復帰させよう
とする力が大きければ大きいほど、傾斜したレールRの
幅は小さくてすみ、レールR及びランナー全体の構造が
簡単になる。引き戸Dを中立線の位置に復帰させようと
する力は、引き戸Dの重量に比例するが、左右の吊り車
Aが重心線となす角度やレールRと吊り車Aとの摩擦力
も影響するから、机上で計算するのは困難である。
【0019】しかしながら、前記角度の適性値は、吊る
べき引き戸Dの重量に対する吊り車Aの大きさや強度、
走行中の引き戸Dの中央部への復帰のしやすさ等を考慮
すれば、およそ、15〜45度の範囲であり、特に重い
ドアの場合である等の特別の場合以外は、30度前後と
すればよいことは、実際に試作試験等を行わなくても、
経験に基づいて推測できる。
【0020】レールR及び吊り車Aの材料は、経済的に
許容できる範囲で、できるだけ摩擦係数が小さくかつ摩
擦音の小さな材料、たとえば、フッ素樹脂等を選択すれ
ば、横ずれ防止効果及び騒音防止効果が大きいが、表面
が平滑なものであれば通常使用される塩ビ樹脂、尿素樹
脂等でも十分である。レールRの材料は通常使用される
鉄、ステンレス、アルミ等の金属材料でよいが、表面が
平滑に加工されたものを用いる。
【0021】材料を選定した後、吊り車Aの断面形状、
レール面の傾斜角度等の形状は、試作試験を行わなくて
も容易に決定できるが、本発明の効果を最大にしたい場
合は、試作実験を行えばよい。
【0022】レール面は、平坦面でもよいが、その場
合、吊り車Aの断面形状は、曲面にするか、あるいは両
サイドを面とりした平坦面とする。その理由は、図3の
ように吊り車がレール枠Eの中央の位置から横ずれした
場合、吊り車Aの底面がレール面に平行に接触せずに角
部で接触する。その後、吊り車Aがレール枠Eの中央部
に戻ると、今度は両方の平坦面どうしが接触する。この
ように角部で接触したり平坦面で接触するのを交互に繰
り返すと、不快音を発生するからである。
【0023】レール面を平坦面とする代わりに、図1,
4,5のように、吊り車Aの断面形状を凸曲面とし、レ
ール面の断面形状を凹曲面とすると、一般にレールRと
吊り車Aとの摩擦抵抗が小さくなるから、吊り車Aが、
レールRの端の方に横ずれしても、元の位置に復帰しや
すくなる。この場合、レール面の断面の曲率半径は、吊
り車Aの断面の曲率半径の7倍以上と極端に大きくして
よい。その理由は、両者の曲率半径の差が小さいと、前
述のように面接触が起こり、きしみ音を発生するからで
ある。
【0024】本発明の場合、レール面の凹曲面に、吊り
車Aのガイドの役割を期待するものでなく、レール面を
凹曲面とすることにより、レールRと吊り車Aとの摩擦
抵抗をできるだけ小さくして、吊り車Aの復帰力を大き
くしようとするものであるからである。あまり大きくし
過ぎると平坦面とした場合と大差なくなるが、それでも
本発明の効果がなくなる訳ではないから、レール面の曲
率半径の大きい方の範囲に関して、制限はない。
【0025】レール面の断面形状を凹曲面とし、吊り車
Aの断面形状を平坦面とすると、吊り車Aが左右に振れ
たときに、吊り車Aの底面の両サイドの角部がレール面
に交互に接触し、不快音を発生する恐れがある。両サイ
ドを面取りした平坦面の場合も、多少の差はあっても同
様の理由で不快音を発生する恐れがあるから、レール面
の断面形状を凹曲面とした場合も、吊り車の断面形状は
凸曲面とすることが望ましい。
【0026】また、レール面の凹曲面は、円形、楕円形
に限らず、種種の曲面を組み合わせたものでもよいが、
吊り車が接する部分は、どの場所においても、その曲率
半径が、吊り車Aの凸曲面の曲率半径よりも大きくする
ことが肝要である。
【0027】引き戸Dは、人の力によって走行するの
で、引き戸Dにかかる力の方向や大きさは一定せず、時
には異常な横方向の力が加わることもある。そのような
場合でも、吊り車AがレールRから外れないよう、予防
処置は必要である。図1又は図3〜5のように、吊り車
AがレールRから外れる前に、吊り車保持部Bがレール
Rに接触するようにしておけばよい。
【0028】通常の吊り引き戸の下部には、ガイドレー
ルや戸車がない。そのため、前述のように、人が引き戸
を押して開閉するときに、押す力の方向が一定していな
いから、引き戸の下部が大きく振れやすい。自由回転軸
Pがない場合、引き戸Dの走行中の振れが直接吊り車A
に伝わり、吊り車Aがレール面上で左右に振れて、吊り
車Aがレール面から離れたり接したりすることがあり、
不規則な摩擦音が発生しやすい。自由回転軸Pがある
と、引き戸下部の小さな振れは、自由回転軸Pが吸収す
るから、上記摩擦音の発生を防止できる。上記摩擦音を
許容するならば、自由回転軸Pはなくともよい。
【0029】自由回転軸Pを設ける場合、自由回転軸P
にベアリングを入れたり、フッ素樹脂のように摩擦係数
の小さなもので自由回転軸Pを造る等の処置をしない
と、回自由回転軸Pでのきしみ音が発生する。上記に述
べた吊り車Aとレール面の摩擦音を軽減するには、両者
の材料の選定、断面形状の選択等の工夫もあるが、最良
の材料の選定、断面形状を選定する作業自体が、試作実
験等の手間を要するばかりでなく、摩擦音低減の効果に
も限度がある。この点において、自由回転軸Pにおいて
行う方法は、例えば、ベアリング等により大きな効果を
期待できる公知の方法があるから、実施が極めて容易で
ある。
【0030】自由回転軸Pを設けるにあたっては、前述
したように、回転範囲は、回転半径に対して約プラス・
マイナス1.5/100程度までが適当である。自由回
転軸Pは、図のように吊り手Qの上部に設けても良い
し、また吊り手下部でもどの位置でもよく、また引き戸
Dの方に自由回転軸Pを設けて、その軸Pを介して引き
戸Dを吊り手Qに取り付けてもよい。要は、引き戸D
が、走行方向と直交する方向に回転可能な構造であれば
よい。また、吊り車保持部Bと吊り手Qとを一体とし、
吊り車保持部Bを吊り手Qの上部構造としてもよい。こ
の場合、自由回転軸Pは、吊り手Qの下部に設けること
になる。
【0031】なお、レールRのレール面と接する吊り車
Aの底部を平坦面とした場合、その角部を面取りを施し
たものでもよいが、曲面にした方が望ましいことは言う
までない。また、吊り車Aの幅は広ければ広いほど、走
行中の引き戸は蛇行しにくくなるが、吊り車Aとレール
面との接触抵抗が大きくなり、引き戸の走行が重くなる
ので注意を要する。
【0032】実施形態として、レール枠Eの左右の側面
下部からレール枠中央部に向けてレールを張り出させる
代わりに、図5のように、逆T字型のレールを使用して
も、図1又は図3,4の場合と同様の効果を得られるこ
とは言うまでもない。
【0033】図1及び図3〜5の場合において、レール
R、吊り車A、引き戸D等は、必ずしも左右対称に配置
されていなくともよい。例えば、右側のレールRの傾斜
角度と左側のレールRの傾斜角度が異なってもよい。上
記のように左右対称でない場合、反力F1 とF2 の合力
Fの中立線は必ずしもレール枠の中心を通らず、左側又
は右側に偏る。しかしながら、両方のレールRが、端部
に向って上昇傾斜している限り、吊り車が中立線の位置
から左右に少しでも偏れば、レール面における法線方向
の反力F1 とF2 との合力Fの方向線は中立線の位置か
ら左右いずれかに偏り、それを元の位置に戻そうとする
力が働くから、本発明の効果の効果を奏することに変り
はない。
【0034】吊り車Aは、レール面にほぼ直角に接して
走行するのが通常であるが、必ずしも直角に接して走行
していなくても、本発明の効果の効果を奏する。吊り車
Aの大きさも必ずしも左右同一である必要はない。ま
た、レールR、吊り車Aの材質も必ずしも同一である必
要はない。
【0035】ただし、本発明を実施する場合、レール面
と吊り車Aとの摩擦力が、本発明の効果に影響を与える
ので、ほぼ左右対称で同質の材料にしないと、試作実験
を行って確認しない限り、中立線の位置の予測が困難で
あるばかりでなく、通常の力で引き戸を引いた場合、蛇
行の範囲がどの程度に収まるか等の予測も困難であるか
ら、上レールの幅の適性値も予測が困難で、実施が容易
でない。
【0036】また、技術面、デザイン面、経済面からも
左右同一材料で構成し、左右対称に配するのが、最良の
実施形態と言える。
【0037】
【発明の効果】上述したように、本発明による吊り引き
戸は、引き戸を吊る1対の吊り車を、幅方向に傾斜した
1対のレール上を走行させることにより、吊り車が横ず
れした場合に、常にそれを中央の位置に復帰させる力を
発生させる。
【0038】これにより、引き戸Dの蛇行を抑制するこ
とができるので、従来技術による引き戸のように走行中
にランナーがレール枠等に接触し不快音を発生するのを
防止することができる。また、本発明の実施形態とし
て、吊り車A及びレール面の断面形状を曲面とし、さら
に自由回転軸Pを介して引き戸Dを吊れば、吊り車Aと
レール面とのきしみによる不快音の発生も、なお一層低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊り引き戸の断面図
【図2】従来技術による吊り引き戸の断面図
【図3】本発明の吊り引き戸の断面図
【図4】本発明の吊り引き戸の断面図
【図5】本発明の吊り引き戸の上部を示す断面図
【符号の説明】
A 吊り車 B 吊り車保持部 D 引き戸 E レール枠 G 上下調整装置 P 自由回転軸 Q 吊り手 R レール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上レール上を走行するランナーに取り付
    けられた吊り引き戸の断面構造において、 1.コの字型のレール枠(E)を持つ上レールであっ
    て、レール面が、レール枠(E)の左右の側面下部から
    中央部に向けて15〜45度の傾斜角度で下降傾斜して
    いる2本のレール(R)と、 2.上記レール(R)のレール面に接して走行する1対
    の吊り車(A)と、該1対の吊り車(A)が取り付けら
    れている吊り車保持部(B)と、該吊り車保持部(B)
    にとりつけられた吊り手(Q)とからなるランナーと、 3.ランナーの吊り手(Q)に吊られて走行する引き戸
    Dとからなることを特徴とする吊り引き戸の構造。
  2. 【請求項2】 上レール上を走行するランナーに取り付
    けられた吊り引き戸の断面構造において、 1.逆T字型の上レールであって、レール面が、上レー
    ル中央部から左右端部に向けて15〜45度の傾斜角度
    で上昇傾斜している2本のレール(R)を有する上レー
    ルと、 2.上記レール(R)のレール面に接して走行する1対
    の吊り車(A)と、該1対の吊り車(A)が取り付けら
    れている吊り車保持部(B)と、該吊り車保持部(B)
    にとりつけられた吊り手(Q)とからなるランナーと、 3.ランナーの吊り手(Q)に吊られて走行する引き戸
    Dとからなることを特徴とする吊り引き戸の構造。
  3. 【請求項3】 吊り車保持部(B)と吊り手(Q)とが
    一体化していることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の吊り引き戸の構造。
  4. 【請求項4】 レール(R)のレール面の断面形状が平
    坦面で、且つ吊り車(A)の断面形状が、凸型曲面であ
    ることを特徴とする請求項1〜3に記載の吊り引き戸の
    構造。
  5. 【請求項5】 レール(R)のレール面の断面形状が凹
    曲面であり、吊り車(A)の断面形状がレール面の凹曲
    面の曲率半径よりも小さい曲率半径の凸型曲面であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載の吊り引き戸の構
    造。
  6. 【請求項6】 レール面の凹曲面の曲率半径が、吊り車
    (A)の断面の凸型曲面の曲率半径の7倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の吊り引き戸の構造。
  7. 【請求項7】 吊り車Aが、レール面にほぼ直角に接し
    て走行する吊り車であることを特徴とする請求項1〜6
    に記載の吊り引き戸の構造。
  8. 【請求項8】 引き戸(D)が走行方向と直交する方向
    に、引き戸(D)の高さに対してプラス・マイナス1.
    5/100以下の範囲で自由に回転可能な回転軸(P)
    を介して、引き戸(D)が吊り車保持部(B)又は吊り
    手(Q)に取り付けられていることを特徴とする請求項
    1〜7に記載の吊り引き戸の構造。
JP2169097A 1997-02-04 1997-02-04 吊り引き戸の構造 Pending JPH10220098A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257685A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Daiwa House Ind Co Ltd 吊り式引き戸の構造
JP2012092627A (ja) * 2010-10-29 2012-05-17 Lixil Corp 吊具、及び、それを用いる上吊り引戸の構造
JP2019070248A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 株式会社Skb 戸パネルの支持構造

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