JPH10219380A - 流電陽極用アルミニウム合金 - Google Patents

流電陽極用アルミニウム合金

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JPH10219380A
JPH10219380A JP9026901A JP2690197A JPH10219380A JP H10219380 A JPH10219380 A JP H10219380A JP 9026901 A JP9026901 A JP 9026901A JP 2690197 A JP2690197 A JP 2690197A JP H10219380 A JPH10219380 A JP H10219380A
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JP
Japan
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alloy
anode
reinforced concrete
sacrificial anode
corrosion
Prior art date
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Pending
Application number
JP9026901A
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English (en)
Inventor
Kunio Watanabe
邦夫 渡辺
Shiro Matsuda
史朗 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食環境が鉄筋コンクリート構造物中のコン
クリートである場合に、発生電気量が1500A・hr
/kg以上、かつ陽極電位が−1000mV(vs.A
g/AgCl)以下を示す流電陽極用アルミニウム合金
を提供する。 【解決手段】 Znを6〜50重量%、およびSiを
0.02〜0.6重量%含み、残部がAlおよび不可避
不純物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
構造物中の鉄筋の防食に使用される流電陽極用アルミニ
ウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋は、コ
ンクリートが強アルカリであるため、通常、腐食があま
り進行しない。しかし、例えば海洋上や海洋中で、ある
いは凍結防止用塩化物が散布された道路施設に長期間使
用されると、鉄筋コンクリート構造物中に塩水が浸透
し、該構造物中の鉄筋に腐食が起こる。
【0003】従来、鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋を
防食する方法の一つは、該構造物中に塩水が浸透するの
を防ぐために、該構造物の表面を塗装する方法である。
【0004】上記塗装する方法は、鉄筋コンクリート構
造物を新設したときに適用すると効果がある。ただし、
この塗装の耐用年数は約5年程度で、それを超えると防
食効果が低下する。そのため、良好な防食効果を維持す
るには、耐用年数を経過した度毎に塗装を繰り返す必要
があるといわれている。一方、塗装していない既設の鉄
筋コンクリート構造物に上記塗装する方法を適用して
も、それまでに既に該構造物中に塩水が浸透してしまっ
ているので防食効果はほとんどない。従って、鉄筋コン
クリート構造物中の鉄筋を塗装によって防食する方法
は、鉄筋コンクリート構造物を新設するとき、および新
設して以後塗装が耐用年数を経過したとき以外には適用
されていない。
【0005】鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋を防食す
る他の方法に電気防食法がある。電気防食法は、鉄筋コ
ンクリート構造物中の鉄筋に防食電流を流し該鉄筋の電
位を腐食に対する安定領域に保持するものであり、外部
電源法と流電陽極法の2種類ある。
【0006】外部電源法は、白金、チタンなどの不溶性
の電極を鉄筋コンクリート構造物中に設置し、直流電源
から、該不溶性の電極を陽極、該構造物中の鉄筋を陰極
として強制的に防食電流を流す方法である。外部電源法
は、すでに実用化されているが、その設備が大規模とな
りやすく、また防食する期間中連続して通電しなければ
ならないので、コストが高くつく問題点がある。
【0007】また、流電陽極法は、陽極電位が卑なアル
ミニウム合金、亜鉛合金またはマグネシウム合金を鉄筋
コンクリート構造物中のコンクリート表面に溶射して溶
射皮膜を形成し、該溶射皮膜と該構造物中の鉄筋とを電
気的に接続する。こうすることによって上記溶射皮膜が
腐食して発生する電流を防食電流として得る方法であ
る。流電陽極法は、一度防食工事を行えば稼動のための
電力やメンテナンスが不要なので、コストが安いという
利点を有している。
【0008】流電陽極法で使用されるアルミニウム合
金、亜鉛合金またはマグネシウム合金は、鉄材を取り巻
く腐食環境が海水や土壌などでは、流電陽極として良好
な特性の合金が開発され、広く用いられている。しか
し、鉄材を取り巻く腐食環境が鉄筋コンクリート構造物
中のコンクリートのように強アルカリ(pH12〜1
3)の環境において良好な特性を発揮する流電陽極用の
合金は、現在実験段階であり、まだ未開発である。
【0009】なお、流電陽極の具体的な特性としては、
発生電気量および陽極電位が挙げられる。
【0010】発生電気量とは、単位重量あたりの防食電
気量のことであり、発生電気量の値が大きいほど優れた
陽極であることを表している。それは、同じ重量の流電
陽極であれば、発生電気量の値が大きいほど長期にわた
り防食電流が得られる、すなわち長寿命であるからであ
る。
【0011】また、陽極電位とは、合金の自然電位であ
り、鉄材の自然電位との差が大きいほど優れた陽極であ
ることを表している。それは、鉄材の自然電位との差が
大きいほど広範囲にわたり防食電流を流すことが可能で
あるからである。
【0012】ところで、流電陽極用の合金のうちアルミ
ニウム合金は、鉄筋コンクリート構造物用に一部で使用
が検討されている。しかし、提案されているアルミニウ
ム合金は、発生電気量および陽極電位が上記したような
良好な特性値を必ずしも示さず、優れた陽極であるとは
いい難い。亜鉛合金やマグネシウム合金も同様な問題点
を抱えている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記事情に鑑み、鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋
を防食するのに用いられる流電陽極用アルミニウム合金
の改良に関し、さらに詳しくは、腐食環境が鉄筋コンク
リート構造物中のコンクリートである場合に、発生電気
量が大きく、かつ陽極電位が充分卑な流電陽極用アルミ
ニウム合金を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の流電陽極用アルミニウム合金は、Znを6〜
50重量%、およびSiを0.02〜0.6重量%含
み、残部がAlおよび不可避不純物からなる。
【0015】
【発明の実施の形態】ZnおよびSiは、両成分相俟っ
て、Alの自己溶解(自己腐食)を抑制して発生電気量
を大きくする作用がある。Znの含有量が6重量%未
満、またはSiの含有量が0.02重量%未満では、上
記作用が充分でない。一方、Znの含有量が50重量%
を超えるか、Siの含有量が0.6重量%を超えると、
不動態化して陽極電位が高くなり、防食効果が低下す
る。
【0016】本発明の流電陽極用アルミニウム合金を作
製するには、まず、Al、ZnおよびSiが所望の組成
になるように原料を配合し、次に、これらの原料を電気
炉で大気溶解した後、鋳造して鋳塊を得ればよい。
【0017】
【実施例】
[実施例1〜11、比較例1〜10]アルミニウム合金
を電気炉で大気溶解した後、金型に鋳造して、直径25
mm、長さ250mmの円筒形状の鋳塊を得て試験片と
した。これら試験片の組成を分析した結果を表1に示
す。
【0018】次に、(社)腐食防食協会が制定した流電
陽極試験法(「流電陽極試験法および同解説」、防食技
術(Vol.31、p.612〜620、1982))
に準拠して、これらの試験片の性能試験を行った。
【0019】上記試験を略述すると、上記試験片は、2
0cm2 の供試面積を側面に残した他は、ビニールテー
プを用いて絶縁被覆した。
【0020】さらに、表2に示す組成のコンクリート模
擬試験液を1リットルのビーカー内に満たした。
【0021】上記ビーカーの中央に上記試験片を各1本
宛浸して陽極とした。また、中空円筒状に巻いたステン
レス鋼板を、上記陽極との距離(極間距離)が30mm
になるように上記ビーカーの側壁に沿わせて陰極とし
た。そして、上記陽極と上記陰極との間に直流安定化電
源を挾んで結線した。
【0022】通電は、陽極電流密度を1mA/cm2
する定電流条件で240時間行った。
【0023】通電終了直前に銀−塩化銀電極を用いて陽
極電位を測定した。また、通電後、試験片の重量減から
発生電気量を算出した。これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1から次の(1)、(2)のことが分か
る。
【0027】(1)実施例の流電陽極用アルミニウム合
金は、いずれも、発生電気量が1500A・hr/kg
以上で大きく、かつ陽極電位が−1000mV(vs.
Ag/AgCl)以下で充分卑な値を示しており、流電
陽極用アルミニウム合金として優れた性能を有する。
【0028】(2)これに対して、比較例の流電陽極用
アルミニウム合金は、(イ)陽極電位が−1000mV
(vs.Ag/AgCl)以下で充分卑であるが、発生
電気量が非常に小さな値を示す(比較例1、3、5、
7)、(ロ)発生電気量が1500A・hr/kgより
小さく、かつ陽極電位が−1000mV(vs.Ag/
AgCl)より貴な値を示す(比較例2)、または
(ハ)発生電気量が1500A・hr/kg以上で大き
いが、陽極電位が著しく貴な値を示し(比較例4、6、
8、9、10)ており、流電陽極用アルミニウム合金に
適さない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、鉄筋コンクリート構造
物中の鉄筋を防食するのに用いて好適な、言い換えれ
ば、腐食環境が鉄筋コンクリート構造物中のコンクリー
トである場合に、発生電気量が大きく、かつ陽極電位が
充分卑な流電陽極用アルミニウム合金を提供することが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Znを6〜50重量%、およびSiを
    0.02〜0.6重量%含み、残部がAlおよび不可避
    不純物からなる流電陽極用アルミニウム合金。
JP9026901A 1997-02-10 1997-02-10 流電陽極用アルミニウム合金 Pending JPH10219380A (ja)

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JP9026901A JPH10219380A (ja) 1997-02-10 1997-02-10 流電陽極用アルミニウム合金

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109097783A (zh) * 2017-06-21 2018-12-28 中国石油化工股份有限公司 一种油井用铝合金牺牲阳极及其制备方法
CN109852855A (zh) * 2017-11-30 2019-06-07 中国石油化工股份有限公司 一种铝合金牺牲阳极材料及其制备方法

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