JPH08311595A - 溶射用アルミニウム合金 - Google Patents
溶射用アルミニウム合金Info
- Publication number
- JPH08311595A JPH08311595A JP7117403A JP11740395A JPH08311595A JP H08311595 A JPH08311595 A JP H08311595A JP 7117403 A JP7117403 A JP 7117403A JP 11740395 A JP11740395 A JP 11740395A JP H08311595 A JPH08311595 A JP H08311595A
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- JP
- Japan
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- alloy
- thermal spraying
- aluminum alloy
- anode
- reinforced concrete
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- Pending
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- Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 線材化が容易でかつ鉄筋コンクリート構造物
の防食性能が充分なアルミニウム合金を提供する。 【構成】 組成が、Zn:2〜7重量%、In:0.0
3〜0.6重量%、残部:Al及び不可避不純物である
溶射用アルミニウム合金。
の防食性能が充分なアルミニウム合金を提供する。 【構成】 組成が、Zn:2〜7重量%、In:0.0
3〜0.6重量%、残部:Al及び不可避不純物である
溶射用アルミニウム合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート構造
物の表面に溶射して鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋を
防食するのに好適な溶射用アルミニウム合金に関する。
物の表面に溶射して鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋を
防食するのに好適な溶射用アルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋はコン
クリートが強アルカリであるため通常腐食はあまり進行
しないが、例えば海洋上または海洋中で、あるいは凍結
防止用塩化物が散布された道路施設に使用されると長期
間塩水が浸透し鉄筋の腐食が起こる。
クリートが強アルカリであるため通常腐食はあまり進行
しないが、例えば海洋上または海洋中で、あるいは凍結
防止用塩化物が散布された道路施設に使用されると長期
間塩水が浸透し鉄筋の腐食が起こる。
【0003】従来の防食法のひとつにコンクリートの表
面に塗装して内部への塩水の浸透を防ぐ方法がある(例
えば、特開平2−279851号公報、特公平6−13
164号公報等)。この方法は新設の構造物には効果が
あるが、既に塩水が浸透している既設の構造物では効果
がない。また、防食の効果を維持するために塗装を5年
間隔で繰り返し行う必要がある。
面に塗装して内部への塩水の浸透を防ぐ方法がある(例
えば、特開平2−279851号公報、特公平6−13
164号公報等)。この方法は新設の構造物には効果が
あるが、既に塩水が浸透している既設の構造物では効果
がない。また、防食の効果を維持するために塗装を5年
間隔で繰り返し行う必要がある。
【0004】また、他の防食法して、防食電流により鉄
筋の電位を腐食に対する安定領域に保持する電気防食法
がある。この電気防食法には、例えば白金、チタンなど
を不溶性の電極を陽極としてコンクリート構造物中に設
置し、被防食体を陰極としてこれを接続し、その中間に
直流電源を配置して強制的に通電させて防食電流を得る
外部電源法(特公平4−31031号公報等)と、アル
ミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金等の陽極電
位の卑な合金を陽極として用い、陽極が腐食されること
により発生する電流を防食電流として得る流電陽極法
(特公平5−72476号公報)の2種類がある。
筋の電位を腐食に対する安定領域に保持する電気防食法
がある。この電気防食法には、例えば白金、チタンなど
を不溶性の電極を陽極としてコンクリート構造物中に設
置し、被防食体を陰極としてこれを接続し、その中間に
直流電源を配置して強制的に通電させて防食電流を得る
外部電源法(特公平4−31031号公報等)と、アル
ミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金等の陽極電
位の卑な合金を陽極として用い、陽極が腐食されること
により発生する電流を防食電流として得る流電陽極法
(特公平5−72476号公報)の2種類がある。
【0005】このうち外部電源法は白金やチタンを不溶
性アノードとして使用する方法がすでに実用化されてい
るが、その設備が大規模になりやすく、また防食する期
間中は連続して通電を行わなければならず、コストが高
くつく問題がある。
性アノードとして使用する方法がすでに実用化されてい
るが、その設備が大規模になりやすく、また防食する期
間中は連続して通電を行わなければならず、コストが高
くつく問題がある。
【0006】これに対して、流電陽極法はコンクリート
表面に溶射等により流電陽極皮膜を設け、この皮膜とコ
ンクリート構造物中の鉄筋を電気的に接続するもので、
一度工事を行えばメンテナンスが不要で、高価な電源装
置も不要で、電流の流し過ぎに起因する鉄筋の水素脆化
の可能性がない等の利点を有する。
表面に溶射等により流電陽極皮膜を設け、この皮膜とコ
ンクリート構造物中の鉄筋を電気的に接続するもので、
一度工事を行えばメンテナンスが不要で、高価な電源装
置も不要で、電流の流し過ぎに起因する鉄筋の水素脆化
の可能性がない等の利点を有する。
【0007】しかし、流電陽極合金を溶射する場合、通
常、合金を線材化して溶射装置に供給するが、防食性能
がよいAl−Zn−In系の合金では加工性が悪く線材
化が難しいという問題点があった。
常、合金を線材化して溶射装置に供給するが、防食性能
がよいAl−Zn−In系の合金では加工性が悪く線材
化が難しいという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、線材化が容易でかつ鉄筋コンクリー
ト構造物の防食性能が充分なアルミニウム合金を提供す
ることにある。
の問題点を解決し、線材化が容易でかつ鉄筋コンクリー
ト構造物の防食性能が充分なアルミニウム合金を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の溶射用アルミニ
ウム合金は、上記目的を達成するものとして、組成が、
Zn:2〜7重量%、In:0.03〜0.6重量%、
残部:Al及び不可避不純物である点に特徴がある。
ウム合金は、上記目的を達成するものとして、組成が、
Zn:2〜7重量%、In:0.03〜0.6重量%、
残部:Al及び不可避不純物である点に特徴がある。
【0010】
【作用】本発明の溶射用アルミニウム合金において、Z
nおよびInはいずれも、該合金の自己溶解を抑制する
ことにより発生電気量を大きくする作用があり、Znが
2重量%未満、またはInが0.03重量%未満では該
作用が充分発揮されない。一方、Inが0.6重量%を
超えると陽極電位が貴になる問題が生じる。また、Zn
が7重量%を超えると合金の加工性が低下することがあ
る。
nおよびInはいずれも、該合金の自己溶解を抑制する
ことにより発生電気量を大きくする作用があり、Znが
2重量%未満、またはInが0.03重量%未満では該
作用が充分発揮されない。一方、Inが0.6重量%を
超えると陽極電位が貴になる問題が生じる。また、Zn
が7重量%を超えると合金の加工性が低下することがあ
る。
【0011】残部をAlとするのは、鉄より電位が卑
で、安価かつ取扱い容易だからである。Alは流電陽極
材料の基材として一般的に用いられている。
で、安価かつ取扱い容易だからである。Alは流電陽極
材料の基材として一般的に用いられている。
【0012】
【実施例】本発明の実施例及び比較例について、表1に
示す配合でAl−Zn−In合金を溶解後鋳造した直径
25mm、長さ250mmの試料を作製した。
示す配合でAl−Zn−In合金を溶解後鋳造した直径
25mm、長さ250mmの試料を作製した。
【0013】
【表1】
【0014】流電電極の性能試験は、(社)腐食防食協
会が制定した「流電陽極試験法」(「流電陽極試験法お
よび同解説」、防食技術、vol.31,p612-620,1982)を参
考に実施した。これらの試験片は、側面の面積20cm
2を残した部分の他はビニールテープを用いて絶縁被覆
した。コンクリート模擬液を1l(リットル)ビーカー
の容器内に満たし、これを試験液とした。コンクリート
模擬液の組成は、 KCl : 32.0 g/l NaOH : 24.5 g/l KOH : 10.0 g/l Ca(OH)2 : 0.1 g/l とした。
会が制定した「流電陽極試験法」(「流電陽極試験法お
よび同解説」、防食技術、vol.31,p612-620,1982)を参
考に実施した。これらの試験片は、側面の面積20cm
2を残した部分の他はビニールテープを用いて絶縁被覆
した。コンクリート模擬液を1l(リットル)ビーカー
の容器内に満たし、これを試験液とした。コンクリート
模擬液の組成は、 KCl : 32.0 g/l NaOH : 24.5 g/l KOH : 10.0 g/l Ca(OH)2 : 0.1 g/l とした。
【0015】試験片を容器内に配置してこれを陽極と
し、容器側壁に沿って配置したステンレス円筒板を極間
距離30mmに取り陰極として、間に直流安定化電源を
挟んで結線した。これを陽極電流密度0.1mA/cm
2の定電流条件で240時間通電し、試験片の重量減か
ら発生電気量を算出した。また終了直前の陽極電位を銀
−塩化銀電極を用いて測定した。
し、容器側壁に沿って配置したステンレス円筒板を極間
距離30mmに取り陰極として、間に直流安定化電源を
挟んで結線した。これを陽極電流密度0.1mA/cm
2の定電流条件で240時間通電し、試験片の重量減か
ら発生電気量を算出した。また終了直前の陽極電位を銀
−塩化銀電極を用いて測定した。
【0016】一方、加工性の評価のために以下の試験を
実施した。流電陽極性能試験と同様の組成に配合したア
ルミニウム合金の溶解鋳造を行い、丸棒状の鋳塊の表面
を削って直径90mm、長さ100mmの押出し加工用
ビレットを作製した。これらのビレットを押出し温度3
50℃、押出し比率165、押出しラム速度毎分15m
mの条件で直接押出しを行い、このときの押出しラムに
かかる荷重を測定した。これらの結果を表1に示す。
実施した。流電陽極性能試験と同様の組成に配合したア
ルミニウム合金の溶解鋳造を行い、丸棒状の鋳塊の表面
を削って直径90mm、長さ100mmの押出し加工用
ビレットを作製した。これらのビレットを押出し温度3
50℃、押出し比率165、押出しラム速度毎分15m
mの条件で直接押出しを行い、このときの押出しラムに
かかる荷重を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0017】流電陽極の性能としては、発生電気量10
00A・hr/kg以上、陽極電位1000mV以下で
あれば実用上充分である。また、加工性については実施
例の条件で400tonf以下の押出し荷重であれば押
出し加工による線材化は容易である。
00A・hr/kg以上、陽極電位1000mV以下で
あれば実用上充分である。また、加工性については実施
例の条件で400tonf以下の押出し荷重であれば押
出し加工による線材化は容易である。
【0018】表1によって明らかなように、実施例1か
ら実施例5の本発明の合金は、比較例1から比較例4に
比べて発生電気量が大きくすべて1000A・hr/k
g以上を示し、かつ陽極電位も−1000mV以下と充
分卑となっており、加工性も押出し荷重400tonf以下
と溶射用流電陽極Al−Zn−In合金として優れた性
能を有することがわかる。
ら実施例5の本発明の合金は、比較例1から比較例4に
比べて発生電気量が大きくすべて1000A・hr/k
g以上を示し、かつ陽極電位も−1000mV以下と充
分卑となっており、加工性も押出し荷重400tonf以下
と溶射用流電陽極Al−Zn−In合金として優れた性
能を有することがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明の合金は、線材化が容易でかつ鉄
筋コンクリート構造物の防食性能が充分な、溶射用流電
陽極合金として優れた特性を有するアルミニウム合金を
提供することができる。
筋コンクリート構造物の防食性能が充分な、溶射用流電
陽極合金として優れた特性を有するアルミニウム合金を
提供することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 組成が、Zn:2〜7重量%、In:
0.03〜0.6重量%、残部:Al及び不可避不純物
である溶射用アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117403A JPH08311595A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 溶射用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7117403A JPH08311595A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 溶射用アルミニウム合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311595A true JPH08311595A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14710793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7117403A Pending JPH08311595A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 溶射用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311595A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19828827C1 (de) * | 1998-06-27 | 2000-07-20 | Grillo Werke Ag | Thermisch gespritzte Korrosionsschicht für Stahlbeton und Verfahren zur Herstellung derselben |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP7117403A patent/JPH08311595A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19828827C1 (de) * | 1998-06-27 | 2000-07-20 | Grillo Werke Ag | Thermisch gespritzte Korrosionsschicht für Stahlbeton und Verfahren zur Herstellung derselben |
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