JPH10217833A - 車椅子搭乗用自動車 - Google Patents

車椅子搭乗用自動車

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JPH10217833A
JPH10217833A JP9131830A JP13183097A JPH10217833A JP H10217833 A JPH10217833 A JP H10217833A JP 9131830 A JP9131830 A JP 9131830A JP 13183097 A JP13183097 A JP 13183097A JP H10217833 A JPH10217833 A JP H10217833A
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JP
Japan
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wheelchair
vehicle
chair
driving chair
driving
Prior art date
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Pending
Application number
JP9131830A
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English (en)
Inventor
Hiroo Nakayama
普雄 中山
Takehisa Yano
武久 矢野
Toshihisa Baba
俊久 馬場
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Nippon Rokaki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Rokaki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Rokaki Co Ltd filed Critical Nippon Rokaki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転用椅子に対する身体の不自由な人の乗降
の安全性及び容易性を図る。 【解決手段】 車椅子21の乗降を許容する背面扉20
と、車椅子21を折り畳むことなく格納する車椅子格納
部25と、車椅子21を固定する車椅子固定部33,3
5と、運転用椅子24を略水平方向に旋回自在に支持す
るとともに任意位置に固定する運転用椅子支持部49と
を設ける。これにより、車輌1の背面から車椅子21を
乗降し、背凭れ23を橋渡しのために車椅子21側に倒
すことに適した位置、或いは、背凭れ23が邪魔になら
ない位置に運転用椅子24を所望の方向に旋回すること
により、運転用椅子24と車椅子21との間での搭乗者
の移動を容易に行い得るようにする。これにより、運転
用椅子24に対する身体の不自由な人の乗降の安全性及
び容易性を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌に常備された
運転用椅子と車輌に乗り入れた車椅子との間を搭乗者が
容易に移動し得る車椅子搭乗用自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、身体の不自由な人の行動範囲を広
げるために、車椅子を乗り入れるようにした自動車があ
る。また、身体の不自由な人自身で運転する自動車も開
発されている。これらの自動車は、健常者仕様の操作系
に改良を加えて運転操作性の容易化を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】身体の不自由な人が運
転する自動車では、搭乗者は車椅子に乗ったまま自動車
の側面に近づいて運転席の側面の扉を開き、車椅子から
自動車の運転用椅子に身体を移動した後に外部に残る車
椅子を畳んで車内に格納し、自動車から降りる場合に
は、折り畳んだ車椅子を車外に出して広げて運転用椅子
の傍に近づく位置で車外に置き、運転用椅子から車椅子
に身体を移動している。
【0004】この場合、車椅子を畳んだり広げたりする
作業は不自然な姿勢で行わなければならず煩わしい。場
合によっては第三者の介添えを必要とする。また、自動
車の側面の扉は開放角度に制限があるため、運転用椅子
の真横に車椅子を並べることはできず、さらに、両者の
間には空間が空いてしまうため、運転席に対する乗り降
りは面倒である。身体の不自由度によっては車椅子と運
転用椅子との間に板を掛け渡す必要があり益々移動が煩
雑となり、乗降に時間も掛かる。また、地面が傾斜して
いる場合にはさらに乗降が困難となり、雨天の場合には
さらに大変である。しかも、自動車の側面の扉を開いて
乗降するため、路上での乗降に際しては他の走行車が乗
降者の脇を通過するため、極めて危険である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車
輪、エンジン、操舵装置等を有する自走可能な車輌と、
この車輌の前部に設けられた運転用椅子と、前記車輌の
背面に開閉自在に設けられて車椅子の乗降を許容する背
面扉と、前記運転用椅子と前記背面扉との間に設けられ
て前記車椅子を折り畳むことなく格納する車椅子格納部
と、この車椅子格納部に前記車椅子を固定する車椅子固
定部と、前記車椅子格納部に固定された前記車椅子と前
記運転用椅子との間で搭乗者の移動を許容するように前
記運転用椅子を略水平方向に旋回自在に支持するととも
に任意位置に固定する運転用椅子支持部とを具備する。
従って、背面扉を開放することにより、車輌内の車椅子
格納部に対する車椅子の乗降が可能となる。車椅子は車
椅子を折り畳むことなく車椅子格納部に格納されて車椅
子固定部により固定される。この状態で運転用椅子支持
部により運転用椅子を車椅子の位置に応じて所望の方向
に回動させて固定することにより、運転用椅子の背凭れ
に邪魔されることなく運転用椅子と車椅子との間での搭
乗者の移動が容易に行われる。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、運転用椅子の真後から側方にずれた位置に
車椅子を車輌の直進方向と平行に格納するようにした。
従って、車椅子格納部に車椅子を格納したときに車椅子
の前方に空間部が形成されるので、運転用椅子を旋回し
たときに、搭乗者が運転用椅子にその側方から容易に載
り移ることが可能となる。
【0007】請求項3記載の発明は、車輪、エンジン、
操舵装置等を有する自走可能な車輌と、この車輌の前部
に設けられるとともに後方に倒すことが可能な背凭れを
備えた運転用椅子と、前記車輌の背面に開閉自在に設け
られて車椅子の乗降を許容する背面扉と、前記運転用椅
子と前記背面扉との間に設けられて前記車椅子を折り畳
むことなく格納する車椅子格納部と、この車椅子格納部
に前記車椅子を固定する車椅子固定部とを具備する。従
って、背面扉を開放することにより、車輌内の車椅子格
納部に対する車椅子の乗降が可能となる。車椅子は折り
畳むことなく車椅子格納部に格納されて車椅子固定部に
より固定される。この状態で運転用椅子の背凭れを後方
に倒すことにより、搭乗者が背凭れを伝わって車椅子と
運転用椅子との間を容易に移動することが可能となる。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、運転用椅子の真後に車椅子を車輌の直進方
向と平行に格納するようにした。従って、運転用椅子と
車椅子とを背凭れにより橋渡しすることが可能となるた
め、障害度の高い搭乗者でも背凭れを伝わって車椅子と
運転用椅子との間を容易に移動することが可能となる。
【0009】請求項5の発明は、請求項1,2,3又は
4の発明において、背面扉は、車輌の背面に形成された
開口部の下部両側に回動自在に支持されて前記開口部を
閉止し、内面には開放したときに車椅子の走行を許容す
る走行面が形成されている。従って、背面扉を開くとそ
の内面の走行面の上を車椅子に乗ったまま走行すること
が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図12に基づいて説明する。図1及び図2におい
て、1は車輌である。この車輌1の下部には、それぞれ
車輪として前輪2と後輪3とが回転自在に設けられてい
る。また、車輌1には、前輪2又は後輪3の少なくとも
何れか一方を駆動するエンジン(図示せず)、前輪2の
向きを変更する操舵装置4等が設けられている。操舵装
置4のステアリングホイール5の前方に配列されたダッ
シュボード(図示せず)には、計器類や右手で操作する
エンジンスイッチ等が配置されている。ステアリングホ
イール5は右手で操作するノブ5aを有し、このステア
リングホイール5の左側には、ミッションを前進又は後
退側に切り替えるミッションレバー(図示せず)と、加
速又は制動をかけるアクセル・ブレーキコントロールレ
バー6とが配置されている。
【0011】図5に示すように、アクセル・ブレーキコ
ントロールレバー6には、このレバーを把持した手の指
で操作し得る範囲に、駐車ブレーキを操作するブレーキ
ロックスイッチ7、方向指示灯を点滅させるウインカー
スイッチ8、ブザーを鳴らすホーンスイッチ9、ライテ
ィングスイッチ(図示せず)、ワイパースイッチ(図示
せず)等が配置されている。
【0012】アクセル・ブレーキコントロールレバー6
は支点部10を中心に前後方向に回動自在に支持され、
コントロールロッド11を介してブレーキアーム12及
びアクセルロッド13に連結されている。ブレーキアー
ム12は支点部12aにより回動自在に支持され、ブレ
ーキペダル14を有するL字形のブレーキレバー15の
垂直部15aの手前側に対向されている。アクセルロッ
ド13は、具体的にはブレーキアーム12を介してコン
トロールロッド11に連結され、その先端部にはスロッ
トルロッド16を後方から抱えこむU字形のアタッチメ
ント13aを有する。スロットルロッド16は支軸17
により回動自在に支持され、端部にはアクセルペダル1
8が設けられている。
【0013】すなわち、図5において、支点部10を中
心にアクセル・ブレーキコントロールレバー6を矢印A
方向に引くと、支点部12aを中心にブレーキアーム1
2がアクセルロッド13と共に手前側に移動するので、
スロットルロッド16がアクセルベダル18を踏み込ん
だ場合と同様に回動する。これにより、スロットルが開
きエンジンの回転数が上がるように構成されている。
【0014】また、アクセル・ブレーキコントロールレ
バー6を矢印B方向に押すと、支点部12aを中心にブ
レーキアーム12が後方に回動するので、フレーキレバ
ー15は垂直部15aがブレーキアーム12に押されて
レバーブレーキペダル14を踏み込んだ場合と同様に移
動する。これにより、図示しないブレーキが前輪2及び
後輪3に制動をかけるように構成されている。
【0015】そして、図1ないし図4に示すように、車
輌1の背面には、その背面の略全面を開放する大きさの
開口部19が形成され、この開口部19の下部両側には
背面扉20が回動自在に支持されている。この背面扉2
0の内面には、この背面扉20を開放したときに車椅子
21を走行させる走行面22が形成されている。図示し
ないが、車輌1は背面扉20を開閉する開閉機構を備え
ているが、この開閉機構の開閉操作をするスイッチは車
輌1の外部にも車輌1の内部にも設けられているもので
ある。また、車輌1の内部の前方には後部に背凭れ23
を有する運転用椅子24が設けられ、その後部には車椅
子21を折り畳むことなく格納する車椅子格納部25が
設けられ、この車椅子格納部25の両側には手摺り26
が固定的に設けられている。
【0016】図6及び図8に示すように、前記車椅子2
1のフレーム27は、複数の金属パイプを溶接やボルト
等により結合することにより形成され、このフレーム2
7の前部両側には旋回輪28を有するキャスタ29が垂
直な軸心をもって旋回自在に支持され、フレーム27の
後部には、回転軸30と一体に回転する主走行車輪31
が設けられている。回転軸30の両端には、主走行車輪
31より直径がやや小さいリング32が固定されてい
る。この車椅子21は、これに乗った人が手でリング3
2を回わして主走行車輪31を駆動することにより走行
する。
【0017】図6及び図7に示すように、手摺り26に
は、車椅子21のフレーム27の前部に当接することに
よりそのフレーム27の前方への動きと上方への動きと
外側方向への動きとを規制する車椅子固定部であるスト
ッパ33が固定的に設けられ、これらのストッパ33の
内面にはフレーム27を弾性的に押圧する緩衝部材34
が接着等の手段により固定されている。
【0018】さらに、車椅子格納部25の両側には、車
椅子21を固定する車椅子固定部であるクランプ機構3
5が設けられている。このクランプ機構35は、図8に
示すように、車輌1の両側に固定的に設けた支持台36
に固定されたブラケット37と、ブラケット37に一端
がピン38により回動自在に支持されたリンク39と、
このリンク39の他端にピン40により回動自在に支持
されたクランプハンドル41と、ブラケット37にピン
42により回動自在に支持されたクランプレバー43と
を有し、このクランプレバー43とクランプハンドル4
1とはピン44により回動自在に連結されている。ま
た、クランプレバー43の先端に螺合された螺子杆45
の下端には緩衝部材46を介して主走行車輪31を押圧
する押圧部材47が設けられている。この螺子杆45に
はクランプレバー43を間にして二つのロックナット4
8が螺合されている。
【0019】従って、これらのロックナット48を緩め
螺子杆45を任意の方向に回すことにより、クランプレ
バー43と押圧部材47との間隔が調整され、ロックナ
ット48をクランプレバー43の上下両面に締め付ける
ことにより、螺子杆45が固定される。
【0020】ここで、図9を参照してクランプ機構35
の動作について説明する。図9(a)に示す状態は、主
走行車輪31を固定した状態である。この状態では、ク
ランプレバー43は螺子杆45を介して押圧部材47を
下方に押圧する。このため、主走行車輪31が押圧部材
47により押圧されて固定される。このとき、クランプ
レバー43はピン42を中心に図9(a)において時計
方向に回動する反力を受けるが、ピン38,44の中心
を結ぶ直線の下側にピン40の中心が位置するため、ク
ランプレバー43の上方への回動運動がリンク39によ
り規制され、このリンク39のトグル作用によりクラン
プレバー43は押圧部材47を下方に押圧する状態に維
持される。
【0021】クランプハンドル41を把持して上方に引
っ張ると、図9(b)に示すように、クランプハンドル
41は、ピン38を中心にリンク39を時計方向に回動
させながらピン44を中心に反時計方向に回動する。こ
のときのリンク39の変位によりピン40の位置がピン
38,44の中心を結ぶ直線(デッドポイント)を上方
に越えるため、クランプレバー43のピン42を中心に
時計方向の回動運動が許容され、主走行車輪31を解放
する。クランプハンドル41を押し下げると、これまで
説明した動作と逆の動作により、クランプレバー43が
押圧部材47を押圧する。
【0022】図9での説明は、車輌1の後方より見て右
側のクランプ機構35の説明である。左側のクランプ機
構35の配置及び動作は、右側のクランプ機構35の配
置及び動作と対称である。なお、旋回輪28及び主走行
車輪31とを車輌1の室内の床面に押し付けるように、
ストッパ33及びクランプ機構35の取付高さが調節さ
れている。
【0023】以上のように、ストッパ33とクランプ機
構35とにより車椅子21を固定した状態は、図3及び
図4に示すように、車椅子21は右側に寄せて配置され
た運転用椅子24に向けて傾けた状態に維持される。背
面扉20の走行面22と車輌1の室内の床面とには、図
示しないが車椅子21の走行軌道を定めるレールが設け
られているが、このレールも車椅子21を固定位置に導
くように傾斜されているが、レールは省略してもよい。
【0024】次に、運転用椅子24を支持する運転用椅
子支持部49の構造について説明する。図10は運転用
椅子支持部49の側面図、図11はその一部を切欠した
平面図、図12は運転用椅子支持部49の縦断正面図で
ある。この運転用椅子支持部49の主要な構成部品は、
車輌1の床面に固定されたロアープレート50、及び運
転用椅子24に固定されたアッパープレート51であ
る。
【0025】ロアープレート50の中心にはアッパープ
レート51を垂直な軸をもって旋回自在に支持する支点
軸52と、この支点軸52の周りに配置されてアッパー
プレート51及び運転用椅子24を支えるスラストベア
リング53とが設けられ、支点軸52の上端にはアッパ
ープレート51を上から押えるナット54が螺合されて
いる。アッパープレート51の下面には、支点軸52を
間にして半径方向に向かうに従い扇形に拡開する二つの
板55が溶接等の手段により固定的に設けられ、これら
の板55を上から押える扇形の二つの押え板56がロア
ープレート50の上面に溶接等の手段により固定的に設
けられている。すなわち、アッパープレート51は、二
つの押え板56の間に板55が位置する向きでロアープ
レート50に対向する状態で支点軸52に嵌合された後
に90度旋回し、支点軸52にナット54を螺合するこ
とにより、板55が押え板56により上から押えられる
状態でロアープレート50に連結されるように構成され
ている。
【0026】図11にアッパープレート51の一部を切
欠して示すが、ロアープレート50には支点軸52を中
心とする半径上に複数の旋回位置決め孔57,58が形
成され、これらの旋回位置決め孔57,58の何れかに
選択的に係合する係合子51aが設けられている(図1
2参照)。この係合子51aはスプリング(図示せず)
により旋回位置決め孔57又は58に弾性的に係合する
が、その係合の強さはアッパープレート51に所定の旋
回力を加えたときに旋回位置決め孔57又は58から外
れる強さに定められている。
【0027】ロアープレート50は車輌1の床面に固定
的に設けてもよいが、本実施の形態における運転用椅子
支持部49は、運転用椅子24の前後方向の位置を調整
する機能をも有している。すなわち、ロアープレート5
0は車輌1の床面に前後方向にスライド自在に支持され
ている。そして、図12に示すように、車輌1の床面に
はロアープレート50の一側に沿う係止部材59が固定
されている。この係止部材59の下面には、図10に示
すように複数の係止凹部60が前後方向に所定の間隔を
開けて形成されている。そして、ロアープレート50の
一側にはレバー61が軸62により上下方向に回動自在
に支持されている。このレバー61の先端部にはL字形
に外側方向に折曲されて係止凹部60の何れかに選択的
に係合する係止杆63が形成されている。レバー61は
図10において軸62を中心に反時計方向にスプリング
(図示せず)により付勢されている。
【0028】このような構成において、車椅子21に乗
った人が、車輌1に乗り入れるときは、外部からのスイ
ッチング操作により背面扉20を開放する(図2、図4
参照)。この状態で、背面扉20は緩やかな傾斜角をも
って傾斜し、自由端が地上に接する。これにより、車椅
子21に乗った人は、リング32を手で回すことにより
背面扉20の走行面22を走行して車輌1の車椅子格納
部25に乗り入れることができる。車椅子21を所定の
位置まで乗り入れると、図6及び図7に示すように、フ
レーム27の前部がストッパ33により固定される。
【0029】次に、車椅子21に乗った人自身で左右の
クランプハンドル41を押し下げると、前述したように
クランプレバー43が下がり、クランプレバー43によ
り加圧された押圧部材47が主走行車輪31を押圧する
ため、主走行車輪31の上方への動きと、左右両側方向
への動きと、後方への動きとが固定される。
【0030】この場合、車椅子21をストッパ33及び
クランプ機構35に対して相対位置を定めて格納する必
要があるが、車椅子21を車椅子格納部25の所望の位
置に格納するために、背面扉20の内面に形成された走
行面22と車椅子格納部25の床面とに、車椅子21の
進路を案内するレール(図示せず)を配設することが望
ましい。これは後述する他の実施の形態についても同様
である。
【0031】そして、室内のスイッチング操作により背
面扉20が閉じられる。続いて、車椅子21に乗った人
が運転用椅子24の背凭れ23に手を掛けてこの運転用
椅子24に旋回方向の外力を加えると、運転用椅子24
がアッパープレート51とともに支点軸52を中心に旋
回するため、背凭れ23を手摺り26に邪魔されること
なく車椅子21に橋渡しするように後方に倒すことこと
ができる。このときは、アッパープレート51の係合子
51aがロアープレート50の旋回位置決め孔58に係
合するため、運転用椅子24を旋回した状態に固定する
ことができる。これにより、車椅子21に乗った人は背
凭れ23を伝って運転用椅子24に容易に移動すること
ができる。運転用椅子24から車椅子21に移動する場
合も、運転用椅子24を旋回することにより車椅子21
への移動が容易に行えるが、その都度運転用椅子24の
向きを真っ直ぐに直さない状態のままにしておけば、車
椅子21から運転用椅子24に乗り替える度に運転用椅
子24を旋回し直す必要はない。
【0032】そして、運転用椅子24に座った人がこの
運転用椅子24に体重を掛けたまま正面を向くと、その
ときの身体の捻じりが運転用椅子24に旋回力として作
用するため、運転用椅子24がアッパープレート51と
共に正面を向くように旋回し、アッパープレート51の
係合子51aがロアープレート50の旋回位置決め孔5
7に係合する。この安定状態で運転がなされる。
【0033】次に、図13及び図14を参照して本発明
の実施の第二の形態について説明する。本実施の形態及
びこれに続く他の実施の形態において、前実施の形態と
同一部分は同一符号を用い説明も省略する。本実施の形
態では、運転用椅子24の真後から側方に外れた位置に
車椅子21を車輌1の直進方向と平行に格納するように
した例である。すなわち、運転用椅子23は車輌1の右
側に配置されているのに対し、車椅子21を車椅子格納
部25の中央に格納するようにした。
【0034】このような構成において、車椅子格納部2
5に車椅子21を格納すると、車椅子21は運転用椅子
24の真後から側方に外れた位置において車輌1の直進
方向と平行に位置するため、図13に示すように、車椅
子21の前方に空間部が形成される。さらに、図14に
示すように、背凭れ23が搭乗者の移動を妨げない側方
(この例では右側)に移動するように運転用椅子24を
旋回すると、運転用椅子24の側方が車椅子21の前面
側に向くため、運転用椅子24にその側方から容易に載
り移ることができる。運転用椅子24から車椅子21へ
の移動も同様である。このとき、背凭れ23を後方に倒
しても倒さなくても人の移動は可能である。
【0035】この例では、背凭れ23が右側に向くよう
に運転用椅子24を旋回させるため、運転用椅子24と
の干渉を避けるため手摺り26は左側だけに設けられて
いるが、車椅子21と運転用椅子24との距離により手
摺り26と運転用椅子24とが干渉しない場合には、前
実施の形態と同様に両側に手摺り26を設けてもよい。
但し、一側のみに手摺り26を設ける場合には、車椅子
21の他側の前部を固定するストッパ33(図6及び図
7参照)を支持する支柱等の支持部材を車椅子格納部2
5に設けることが必要である。
【0036】また、車椅子21は車椅子格納部25の中
央に格納されるので、車輌1の両内側面と車椅子21と
の間に余裕をもたせることができる。従って、車輌1に
対する車椅子21の乗降を容易にすることができる。
【0037】本実施の形態では、運転用椅子24を旋回
させて固定する方向が前実施の形態と逆であるが、図1
1及び図12において説明した運転用椅子支持部49に
おいて、係合子51aに係合される旋回位置決め孔を追
加して所望の位置に配設することにより、運転用椅子2
4を所望の向きに固定することができる。
【0038】さらに、図15を参照して本発明の実施の
第三の形態について説明する。本実施の形態は、車椅子
21を車椅子格納部25に格納して固定し、運転用椅子
24の背凭れ23を後方に倒し、この倒した背凭れ23
を伝わって車椅子21と運転用椅子24との間を搭乗者
が容易に移動し得るようにする例である。そのために、
後方に倒すことが可能な背凭れ23を備えた運転用椅子
24が必要であるが、前実施の形態で説明したように、
運転用椅子24を旋回自在に支持するとともに任意位置
に固定する運転用椅子支持部49は不要である。
【0039】この場合、図15に示すように、運転用椅
子25の真後に車椅子21を車輌1の直進方向と平行に
格納し、運転用椅子24の背凭れ23を後方に倒すこと
により、運転用椅子24と車椅子21とを背凭れ23に
より橋渡しすることが可能となるため、障害度の高い搭
乗者でも背凭れ23を伝わって車椅子21と運転用椅子
24との間を容易に移動することができる。
【0040】この例では運転用椅子24は車輌1の片側
(右側)に寄せて配置されているので、運転用椅子24
の真後に車輌1の直進方向と平行に車椅子21を格納し
た場合には、車椅子21の側方に広い空間を確保し、そ
の空間に大きな荷物を格納することができる。しかし、
本発明は車輌1の中央に運転用椅子24が設けられてい
る場合にも適用し得るものである。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、運転用椅
子を有する車輌に、車椅子の乗降を許容する背面扉と、
車椅子を折り畳むことなく格納する車椅子格納部と、車
椅子を固定する車椅子固定部と、運転用椅子を略水平方
向に旋回自在に支持するとともに任意位置に固定する運
転用椅子支持部とを設けたので、背面扉を開放すること
により、車輌の背面から車椅子を乗降することができ、
また、車椅子を折り畳むことなく車椅子格納部に格納し
て車椅子固定部により固定することができ、さらに、運
転用椅子支持部により運転用椅子を所望の向きに旋回さ
せて固定することができるため、背凭れを車椅子側に倒
す位置に運転用椅子を旋回して固定することにより、倒
した背凭れを伝わって運転用椅子と車椅子との間での搭
乗者の移動を容易にし、或いは、車椅子と運転用椅子と
の間の移動空間以外の方向に背凭れが位置するように運
転用椅子を旋回して固定することにより、運転用椅子と
車椅子との間での搭乗者の移動を容易に行うことができ
る。従って、交通量が多い路上においても、身体の不自
由な人が運転用椅子に対してに安全に、速やかに且つ労
力を要することなく容易に乗降することができる。
【0042】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、運転用椅子の真後から側方にずれた位置に
車椅子を車輌の直進方向と平行に格納するようにしたの
で、車椅子格納部に車椅子を格納したときに車椅子の前
方に空間部を形成することができる。従って、運転用椅
子を旋回したときに、搭乗者が運転用椅子にその側方か
ら容易に載り移ることができる。
【0043】請求項3記載の発明は、車輌に、後方に倒
すことが可能な背凭れを有する運転用椅子と、車椅子の
乗降を許容する背面扉と、車椅子を折り畳むことなく格
納する車椅子格納部と、車椅子を固定する車椅子固定部
とを設けたので、背面扉を開放することにより、車輌内
の車椅子格納部に対する車椅子の乗降が可能となり、ま
た、車椅子を折り畳むことなく車椅子格納部に格納して
車椅子固定部により固定することができ、この状態で運
転用椅子の背凭れを後方に倒すことにより、搭乗者が背
凭れを伝わって車椅子と運転用椅子との間を容易に移動
することができる。従って、交通量が多い路上において
も、身体の不自由な人が運転用椅子に対して安全に、速
やかに且つ労力を要することなく容易に乗降することが
できる。
【0044】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、運転用椅子の真後に車椅子を車輌の直進方
向と平行に格納するようにしたので、運転用椅子と車椅
子とを背凭れにより橋渡しすることが可能となるため、
障害度の高い搭乗者でも背凭れを伝わって車椅子と運転
用椅子との間を容易に移動することができる。
【0045】請求項5記載の発明によれば、請求項1,
2,3又は4記載の発明において、背面扉は、車輌の背
面に形成された開口部の下部両側に回動自在に支持され
て前記開口部を閉止し、内面には開放したときに車椅子
の走行を許容する走行面が形成されているので、背面扉
を開くとその内面の走行面の上を車椅子に乗ったまま走
行することができる。従って、身体の不自由な人でも第
三者の介添えを要することなく運転用椅子に乗り入れて
自身で運転すると共に、車輌から一人で降りることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態を示すもので、一部
を切欠して車椅子から運転用椅子に移動した状態を示す
側面図である。
【図2】一部を切欠して車椅子格納部に車椅子を乗り入
れた状態を示す側面図である。
【図3】一部を切欠して運転用椅子を運転位置に固定し
た状態を示す平面図である。
【図4】一部を切欠して運転用椅子を旋回して固定した
状態を示す平面図である。
【図5】アクセル及びブレーキの操作系を示す斜視図で
ある。
【図6】車椅子の前部を固定する車椅子固定部の構造を
示す側面図である。
【図7】その背面図である。
【図8】車椅子の後部を固定する車椅子固定部の構造を
示す背面図である。
【図9】車椅子の後部を固定する車椅子固定部の動作を
示す側面図である。
【図10】運転用椅子支持部の側面図である。
【図11】その一部を切欠した平面図である。
【図12】その縦断正面図である。
【図13】本実施の第二の形態を示すもので、一部を切
欠して運転用椅子を運転位置に固定した状態を示す平面
図である。
【図14】一部を切欠して運転用椅子を旋回して固定し
た状態を示す平面図である。
【図15】本発明の実施の第三の形態を示すもので、運
転用椅子と車椅子との関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1 車輌 2,3 車輪 4 操舵装置 19 開口部 20 背面扉 21 車椅子 22 走行面 23 背凭れ 24 運転用椅子 25 車椅子格納部 33,35 車椅子固定部 49 運転用椅子支持部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪、エンジン、操舵装置等を有する自
    走可能な車輌と、この車輌の前部に設けられた運転用椅
    子と、前記車輌の背面に開閉自在に設けられて車椅子の
    乗降を許容する背面扉と、前記運転用椅子と前記背面扉
    との間に設けられて前記車椅子を折り畳むことなく格納
    する車椅子格納部と、この車椅子格納部に前記車椅子を
    固定する車椅子固定部と、前記車椅子格納部に固定され
    た前記車椅子と前記運転用椅子との間で搭乗者の移動を
    許容するように前記運転用椅子を略水平方向に旋回自在
    に支持するとともに任意位置に固定する運転用椅子支持
    部とを具備することを特徴とする車椅子搭乗用自動車。
  2. 【請求項2】 運転用椅子の真後から側方にずれた位置
    に車椅子を車輌の直進方向と平行に格納するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の車椅子搭乗用自動車。
  3. 【請求項3】 車輪、エンジン、操舵装置等を有する自
    走可能な車輌と、この車輌の前部に設けられるとともに
    後方に倒すことが可能な背凭れを備えた運転用椅子と、
    前記車輌の背面に開閉自在に設けられて車椅子の乗降を
    許容する背面扉と、前記運転用椅子と前記背面扉との間
    に設けられて前記車椅子を折り畳むことなく格納する車
    椅子格納部と、この車椅子格納部に前記車椅子を固定す
    る車椅子固定部とを具備することを特徴とする車椅子搭
    乗用自動車。
  4. 【請求項4】 運転用椅子の真後に車椅子を車輌の直進
    方向と平行に格納するようにしたことを特徴とする請求
    項3記載の車椅子搭乗用自動車。
  5. 【請求項5】 背面扉は、車輌の背面に形成された開口
    部の下部両側に回動自在に支持されて前記開口部を閉止
    し、内面には開放したときに車椅子の走行を許容する走
    行面が形成されていることを特徴とする請求項1,2,
    3,又は4記載の車椅子搭乗用自動車。
JP9131830A 1996-12-04 1997-05-22 車椅子搭乗用自動車 Pending JPH10217833A (ja)

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JP8-323673 1996-12-04
JP32367396 1996-12-04
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247162A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Autech Japan Inc 車両用回転シート
JP2022002667A (ja) * 2020-06-23 2022-01-11 トヨタ自動車株式会社 車両
CN115303155A (zh) * 2021-05-06 2022-11-08 广东博方众济医疗科技有限公司 福祉车

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