JPH1021762A - 直流油浸電力ケーブル - Google Patents
直流油浸電力ケーブルInfo
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- JPH1021762A JPH1021762A JP17683096A JP17683096A JPH1021762A JP H1021762 A JPH1021762 A JP H1021762A JP 17683096 A JP17683096 A JP 17683096A JP 17683096 A JP17683096 A JP 17683096A JP H1021762 A JPH1021762 A JP H1021762A
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Abstract
これに高粘度の絶縁油を含浸した油浸絶縁体を有するM
INDタイプの直流油浸電力ケーブルにおいて、その油
浸絶縁体の導体側あるいは外部遮蔽層側に脱油ボイドが
生じても、これによるインパルス破壊特性の低下を抑え
る。 【解決手段】 油浸絶縁体3の導体1側もしくは外部遮
蔽層5側のいずれかまたは両方に油浸クラフト紙層2,
4を設ける。
Description
力ケーブル等に好適に用いられ、高粘度の絶縁油を含浸
した非加圧タイプの直流油浸電力ケーブルに関する。
浸絶縁ケーブルが用いられている。また、直流送電ケー
ブルは、長尺の海底ケーブルに適用されることが多い。
このため超高圧直流送電用の長尺海底ケーブルとして
は、条長が極めて長くなることから、低粘度の絶縁油を
含浸した油加圧タイプの油浸絶縁ケーブルでは油圧の伝
播に限度があるため、高粘度の絶縁油を含浸した無油加
圧タイプの油浸絶縁ケーブル、いわゆるMIND(Ma
ss Impregnated Non Draini
ng)ケーブルが用いられることになる。
向上させるために、絶縁紙としてポリプロピレンなどの
無極性プラスチックフィルムの両面にクラフト紙を貼り
合せたプラスチックラミネート紙が使われている。これ
は直流では電圧は抵抗で分担されることになり、プラス
チックラミネート紙ではプラスチックフィルム層の絶縁
抵抗がクラフト紙層の絶縁抵抗よりかなり大きいため
に、絶縁破壊の弱点となる油隙(オイルギャップ)と接
するクラフト紙層の分担電圧が低減されるためである。
縁層に用いたMINDケーブルにあっては、絶縁油が完
全に含浸されている状態では良好な直流破壊特性を示
す。しかしながら、例えばヒートサイクルなどが加わっ
たりすると、温度上昇時に絶縁層に含浸されている絶縁
油が熱膨張により外部遮蔽層側に押し出され、温度降下
時には押し出された絶縁油が非加圧のために完全に元に
戻り切らず、冷却収縮に基づく脱油ボイド(気泡)が生
成することになる。
極直上の油隙(オイルギャップ)が起点となって進行す
ることが多く、またプラスチックラミネート紙を用いた
ものでは、その材料特性としてインパルス破壊の極性効
果が現れ、負極性インパルス破壊強度が正極性インパル
ス破壊強度よりも高くなる。上述のような脱油ボイドが
電極直上に相当する導体直上または外部遮蔽層直下の油
隙に生じれば、極性効果を含めたインパルス破壊特性の
大幅な低下が生じ、大きな問題となる。
る課題は、直流油浸電力ケーブルにおいて、温度変動に
よりその油浸絶縁体の導体側あるいは外部遮蔽層側に脱
油ボイドが形成されても、これによるインパルス破壊特
性の低下を微かなものに抑えることにある。
縁油を含浸したプラスチックラミネート紙からなる油浸
絶縁体の導体側または外部遮蔽層側もしくはその両方に
油浸クラフト紙層を設けることによって解決される。こ
の油浸クラフト紙層は、厚み40〜100μmのクラフ
ト紙を巻回した厚さ0.3〜5mmのものとすることが
好ましい。
容量で電界分担を行う。このため、プラスチックラミネ
ート紙よりも誘電率の大きいクラフト紙の層を電極とな
る導体側または外部遮蔽層側に設けることにより、この
部位での電界が緩和される。したがって、導体側または
外部遮蔽層側に形成された脱油ボイドでの放電によって
油浸クラフト紙層に侵入する破壊ストリーマの進展が抑
制され、インパルス破壊特性の低下が抑えられる。ま
た、クラフト紙では、インパルス破壊の極性効果がほと
んど現れないので、インパルス極性効果も低減できる。
ーブルの例を示すもので、図中符号1は導体であり、こ
の導体1の直上には内部クラフト紙層2が設けられてい
る。この内部クラフト紙層2は、厚さ40〜100μ
m、密度0.9〜1.0g/cm3のクラフト紙テープ
を導体1に巻回してなる厚さ0.3〜5mmの層であ
る。上記クラフト紙テープの厚さは、導体1直上の油隙
の厚さを薄くし、耐破壊電圧を高めるためには、薄い方
が好ましいが、製造性を考慮して40〜100μmの範
囲とされる。クラフト紙層2の厚みが0.3mm未満で
はインパルス破壊特性の改善に効果がなく、5mmを越
えると直流破壊特性が低下する。このクラフト紙層2に
は、高粘度の絶縁油が含浸されていることは言うまでも
ない。
ラミネート紙テープを巻回し、これに高粘度の絶縁油を
含浸した油浸絶縁体3が設けられている。この油浸絶縁
体3は、ケーブルの主たる絶縁体として機能するもの
で、その厚みはケーブルの使用条件、用途等によって決
められる。上記プラスチックラミネート紙は、プラスチ
ックフィルムの両面にクラフト紙を貼り合せたもので、
押出成形直後の溶融状態のプラスチックフィルムにクラ
フト紙を加圧してラミネートすることによって得られた
もので、プラスチックフィルムの分率が重量比で30〜
60%程度で、厚みが100〜200μmのものが好ま
しい。
ックフィルムとしては、ポリプロピレン、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリエチレンなど
の無極性ポリオレフィンやテトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロポリプロピレン共重合体、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体などのフッ素樹脂からなる
ものが用いられる。これらのなかでもポリプロピレンホ
モポリマーからなるものが好ましい。
0ガーレ秒以上でかつ密度が0.70g/cm3以上の
高気密度でかつ高密度の層と、気密度が100ガーレ秒
以下でかつ密度が0.70g/cm3以下の低気密度で
かつ低密度の層とからなる多層構造のクラフト紙を用
い、その低気密度で低密度の層をプラスチックフィルム
と接するように貼り合せたものが、プラスチックフィル
ムとクラフト紙との接着強度を高めることができて好ま
しい。
巻回後の真空乾燥および絶縁油含浸を容易とし、その作
業時間を短縮するために、ラミネート紙の表面に微細な
凹凸を形成するエンボス処理を施したものやプラスチッ
クラミネート紙の表面の幅方向に微少な溝を多数形成し
たものなどを用いてもよい。
ト紙層4が設けられている。この外部クラフト紙層4
は、先の内部クラフト紙層2と同様のもので、厚み40
〜100μmで、密度0.9〜1.0g/cm3のクラ
フト紙テープを油浸絶縁体3上に巻回してなる厚さ0.
3〜5mmのものであり、この層4も同様に高粘度の絶
縁油が含浸されている。
は、温度60℃での動粘度が500センチストークス以
上の例えばナフテン系鉱油、ポリブテン油などが使われ
る。
が設けられている。この外部遮蔽層5は、カーボン紙、
金属化紙などの導電性の材料からなるテープを外部クラ
フト紙層4上に巻回してなる厚さ0.5〜2mm程度の
層である。この外部遮蔽層5上には、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、クロロプレンゴムなどからなるシース6
が押出被覆によって設けられ、この例の直流油浸電力ケ
ーブルとなっている。
は、プラスチックラミネート紙からなる油浸絶縁体3の
導体1側に油浸状態の内部クラフト紙層2が、外部遮蔽
層5側に油浸状態の外部クラフト紙層4がそれぞれ設け
られているので、導体1側および外部遮蔽層5側での電
界が緩和され、インパルス破壊特性の低下が少ないもの
となる。また、クラフト紙の材料特性により、インパル
ス極性効果も小さいものとなる。また、プラスチックラ
ミネート紙として、表面にエンボス加工や溝付加工を施
したものを用いれば、巻回後の真空乾燥、絶縁油含浸が
容易に短時間で行うことができる。
導体側または外部遮蔽層側のいずれか一方に設けてもよ
く、好ましくは脱油ボイドが形成されやすい導体側に設
けることが望ましい。
する。 (実施例)断面積1000mm2のセグメンタル導体に
対して以下の構成の絶縁体を形成し、これに高粘度絶縁
油としてナフテン系鉱油(「T−2015」商品名、ダ
セック−キャンベル社製)を含浸した。 内部クラフト紙層;厚さ80μmのクラフト紙巻回 絶縁層;厚さ125μmポリプロピレンラミネート紙巻回 厚さ155μmポリプロピレンラミネート紙巻回 外部クラフト紙層;厚さ100μmクラフト紙巻回 外部遮蔽層;カーボン紙および金属化紙巻回
cm3の高密度紙を使用し、ポリプロピレンラミネート
紙には、ポリプロピレン分率が45重量%で、テープの
幅方向に多数の微少な溝を形成したものを使用した。絶
縁体の全厚さを23mmとし、各クラフト紙の厚みを種
々に変化させてケーブルとした。このケーブルに室温〜
60℃のヒートサイクルを与え、絶縁層中に脱油ボイド
を形成したのち、このもののインパルス破壊電圧(1×
50μsec、正極性)および直流破壊電圧(負極性)
を測定した。結果を表1に示す。
電力ケーブルは、プラスチックラミネート紙を巻回した
絶縁層の導体側または外部遮蔽層側のいずれか一方もし
くは両方にクラフト紙を巻回し、高粘度絶縁油を含浸し
た油浸クラフト紙層を設けたものであるので、インパル
ス破壊の起点である導体直上あるいは外部遮蔽層直下に
温度変化による脱油ボイドが生じても、油浸クラフト紙
層の電界緩和効果によって、インパルス破壊特性の低下
を防ぐことができる。また、クラフト紙はインパルス破
壊に対する極性効果がほとんどないため、プラスチック
ラミネート紙を用いたことによって生ずるインパルス極
性効果を低減させることができる。
略断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチックフィルムの両面にクラフト
紙を貼り合せてなるプラスチックラミネート紙を導体上
に巻回し、これに高粘度絶縁油を含浸した油浸絶縁体を
有する直流油浸電力ケーブルであって、 油浸絶縁体の導体側または外部遮蔽層側もしくはその両
方に油浸クラフト紙層を設けたことを特徴とする直流油
浸電力ケーブル。 - 【請求項2】 油浸クラフト紙層の厚みが0.3〜5m
mであることを特徴とする請求項1記載の直流油浸電力
ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17683096A JP3803139B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 直流油浸電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17683096A JP3803139B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 直流油浸電力ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1021762A true JPH1021762A (ja) | 1998-01-23 |
JP3803139B2 JP3803139B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
ID=16020589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17683096A Expired - Fee Related JP3803139B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 直流油浸電力ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3803139B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100892562B1 (ko) | 2008-01-23 | 2009-04-09 | 엘에스전선 주식회사 | 직류 케이블 |
JP2011216292A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 直流油浸電力ケーブル |
CN102869882A (zh) * | 2010-03-08 | 2013-01-09 | Lm玻璃纤维制品有限公司 | 具有雷电防护系统的风力涡轮机叶片 |
EP3584807A4 (en) * | 2017-02-16 | 2020-11-25 | LS Cable & System Ltd. | POWER CABLE |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP17683096A patent/JP3803139B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP3584807A4 (en) * | 2017-02-16 | 2020-11-25 | LS Cable & System Ltd. | POWER CABLE |
US11049631B2 (en) | 2017-02-16 | 2021-06-29 | Ls Cable & System Ltd. | Power cable |
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---|---|
JP3803139B2 (ja) | 2006-08-02 |
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