JPH1021761A - 直流油浸電力ケーブル - Google Patents

直流油浸電力ケーブル

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JPH1021761A
JPH1021761A JP17682996A JP17682996A JPH1021761A JP H1021761 A JPH1021761 A JP H1021761A JP 17682996 A JP17682996 A JP 17682996A JP 17682996 A JP17682996 A JP 17682996A JP H1021761 A JPH1021761 A JP H1021761A
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JP
Japan
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oil
viscosity
insulation
paper
kinetic viscosity
Prior art date
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Application number
JP17682996A
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English (en)
Inventor
Susumu Takahashi
享 高橋
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
Koichi Iinuma
浩一 飯沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication of JPH1021761A publication Critical patent/JPH1021761A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流油浸電力ケーブルにおいて、導体通電発
熱により油浸絶縁体中に温度勾配が形成されても、これ
によって生成する油浸絶縁体の電位分布の変歪を微かな
ものとし、ケーブルの直流破壊特性の低下を抑える。 【解決手段】 含浸油として、60℃での動粘度が50
0センチストークス以上で、かつ25℃と60℃とでの
動粘度比(ν25/ν60)を5〜12としたものを用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に長尺海底電
力ケーブル等に好適に用いられ、高粘度の絶縁油を含浸
した非加圧タイプの直流油浸電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】超高圧直流送電ケーブルとして、現在油
浸絶縁ケーブルが用いられている。また、直流送電ケー
ブルは、長尺の海底ケーブルに適用されることが多い。
このため超高圧直流送電用の長尺海底ケーブルとして
は、条長が極めて長くなることから、低粘度の絶縁油を
含浸した油加圧タイプの油浸絶縁ケーブルでは油圧の伝
播に限度があるため、高粘度の絶縁油を含浸した無油加
圧タイプの油浸絶縁ケーブル、いわゆるMIND(Ma
ss Impregnated Non Draini
ng)ケーブルが用いられることになる。
【0003】一方、油浸絶縁ケーブルの直流絶縁特性を
向上させるために、絶縁紙としてポリプロピレンなどの
無極性プラスチックフィルムの両面にクラフト紙を貼り
合わせたプラスチックラミネート紙が使われている。こ
れは、直流では電圧は抵抗で分担されることになり、プ
ラスチックラミネート紙ではプラスチックフィルム層の
絶縁抵抗がクラフト紙層の絶縁抵抗よりかなり大きいた
めに、絶縁破壊の弱点となる油隙(オイルギャップ)と
接するクラフト紙層の分担電圧が低減されるためであ
る。
【0004】ところで、直流油浸電力ケーブル(以下、
単にケーブルと略記することがある。)に負荷電流が流
れている状態では、導体の発熱により油浸絶縁体中に、
導体側が高温になり、シース側が低温になる温度勾配が
生じる。一方に、油浸絶縁体の絶縁抵抗は、高温になる
と小さくなる特性を有している。このため、油浸絶縁体
の導体側では絶縁抵抗が小さく、シース側では絶縁抵抗
が大きいと言う変位が形成されることになる。
【0005】直流ケーブルでは、絶縁体の電圧分担は抵
抗で分担されることから、油浸絶縁体の絶縁抵抗の大き
いシース側で電圧分担ストレスが増大し、電位分布の変
歪が起る。油浸絶縁体でこのような電位分布の変歪が形
成されると、当然ケーブルの直流破壊特性が低下する。
【0006】このため、直流ケーブルの油浸絶縁体とし
ては、その絶縁抵抗の温度特性が小さく温度の変動に起
因する絶縁抵抗の変化ができるだけ小さいものが望まし
いことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、ケーブルの油浸絶縁体における絶縁抵抗の温
度特性を小さくし、温度変動に起因する絶縁抵抗の変化
を小さく、油浸絶縁体中の電位分布の変歪を微かなもの
とし、ケーブルの直流破壊特性の低下を抑えることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、油浸絶縁
体に含浸される高粘度絶縁油として、60℃で動粘度が
500センチストークス以上の炭化水素系油であり、2
5℃での動粘度(ν25)と60℃での動粘度(ν6
0)の比(ν25/ν60)が5〜12であるものを使
用することにより解決される。また、絶縁油の動粘度比
を上記範囲に調節するには、ブチレン重合体などの高分
子粘度指数向上剤を添加することにより可能となる。さ
らに、油浸絶縁体の絶縁紙としてプラスチックフィルム
ラミネート紙を用いれば、直流破壊特性が向上して好ま
しい。
【0009】
【作用】油浸絶縁体の絶縁抵抗は、絶縁油のイオン伝導
特性にも左右され、このイオン伝導特性はその粘性と関
係し、絶縁油の粘度が高くなれば絶縁抵抗は高くなる。
一方、絶縁油の粘度−温度特性は、次のワルター(wa
lter)の式で示されるように、 loglog(ν+0.8)=K+mlogT (ν:動粘度 T:絶対温度 K、m:定数) 高粘度油となるほど粘度−温度特性が大きくなり、温度
上昇により急激に粘度が低下する。
【0010】絶縁油の動粘度比(ν25/ν60)を5
〜12とすることにより、温度変化による粘度変化が小
さくなり、粘度−温度特性が小さくなる。温度変化によ
る粘度の変化が小さくなれば、絶縁抵抗の変化も小さく
なり、結局絶縁抵抗の温度特性が小さくなる。このた
め、温度変動による油浸絶縁体中の電位分布の変歪を微
かなものに抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の直流油浸電力ケーブルは、導体上に絶縁紙を巻
回し、これに高粘度絶縁油を含浸した油浸絶縁体を有
し、この高粘度絶縁油として、60℃での動粘度が50
0センチストークス(cst)以上の炭化水素系油であ
って、25℃での動粘度(ν25)と60℃での動粘度
(ν60)との比(ν25/ν60)が5〜12である
ものを用いたものである。
【0012】この絶縁油の動粘度比(ν25/ν60)
が12を越えると、目的とする作用効果が得られずケー
ブルの直流破壊特性の低下が著しくなる。また、動粘度
比を5未満にすることは下記の調節方法によっても実際
に困難である。このような動粘度比を有する高粘度絶縁
油を得るには、通常のポリブデン油、ナフテン系鉱油な
どの高粘度油に、ブチレン重合体、アルキルスチレン重
合体、メタクリル酸エステル重合体等の高分子粘度指数
向上剤を0.3〜10重量%程度添加することで可能と
なる。
【0013】動粘度比の限定のための温度25℃および
60℃は、本発明のケーブルの通常使用時における絶縁
体の温度条件の下限と上限に相当するものである。ま
た、60℃での動粘度が500センチストークス以上で
あると言う限定は、いわゆるMINDケーブルに使用さ
れる高粘度絶縁油として必要な条件である。
【0014】ここでの絶縁紙としては、特に限定されな
いが、通常のクラフト紙の他に直流特性の優れたプラス
チックフィルムラミネート紙を用いることが好ましい。
プラスチックフィルムラミネート紙は、クラフト紙の両
面にプラスチックフィルムを貼り合わせたものである。
【0015】このプラスチックフィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリー4−メチルペンテン−1、ポリブデ
ン−1、ポリエチレンなどの無極性ポリオレフィンやテ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロポリプロピレン
共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
などのフッ素樹脂からなる厚さ20〜150μmのもの
が用いられる。これらのなかでもポリプロピレンホモポ
リマーからなるものが好ましい。
【0016】また、クラフト紙として、気密度が500
0ガーレ秒以上でかつ密度が0.70g/cm3 以上の
高気密度でかつ高密度の層と、気密度が100ガーレ秒
以上でかつ密度が0.70g/cm3 以下の低気密度で
かつ低密度の層とからなる多層構造のクラフト紙を用
い、その低気密度で低密度の層をプラスチックフィルム
と接するように貼り合わせたものが、プラスチックフィ
ルムとクラフト紙との接着強度を高めることができて好
ましい。
【0017】また、プラスチックラミネート紙として、
巻回後の真空乾燥および絶縁油含浸を容易とし、その作
業時間を短縮するために、ラミネート紙の表面に微細な
凹凸を形成するエンボス処理を施したものやプラスチッ
クラミネート紙の表面の幅方向に微小な溝を多数形成し
たものなどを用いてもよい。
【0018】さらに、本発明の直流油浸電力ケーブルで
は、絶縁紙として使用されるプラスチックラミネート紙
のインパルス破壊特性における極性効果の低減のため
に、導体直上または外部遮蔽層直下に厚さ0.3〜2m
mの高粘度絶縁油が含浸されたクラフト紙巻回層を設け
てもよい。
【0019】以下、具体例を示し、作用効果を明確にす
る。
【実施例】断面積1000mm2 のセグメンタル導体上
に、下記の2種の構成の絶縁体を設け、これに高粘度絶
縁油を含浸して油浸絶縁体としてケーブルを製造した。 I;80μmクラフト紙/100μmクラフト紙/12
5μmクラフト紙巻回絶縁体厚み;23mm クラフト紙;密度1.0g/cm3 の高密度紙 II;80μmクラフト紙/125μmポリプロピレン
ラミネート紙/155μmポリプロピレンラミネート紙
/100μmクラフト紙巻回 絶縁体厚み;20mm ポリプロピレンラミネート紙のポリプロピレン分率;4
5重量%、表面に絶縁油の含浸を良くするために幅方向
に多数の微小な溝が形成されたもの。
【0020】高粘度絶縁油として、ナフテン系鉱油に所
定量のブチレン重合体を添加し、種々の動粘度比(粘度
−温度特性)を有するものを調製して使用した。得られ
たケーブルにつき、導体通電により導体温度60℃、シ
ース温度30℃の温度勾配を形成し、この温度勾配下で
の直流破壊電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直流油浸
電力ケーブルにあっては、高粘度絶縁油の25℃と60
℃とでの動粘度(ν25/ν60)を5〜12とし、粘
度−温度特性を小さくしたものであるので、油浸絶縁体
の絶縁抵抗−温度特性が小さくなり、導体通電によって
油浸絶縁体中に温度勾配が形成されても、電位分布の変
歪が微かなものとなり、ケーブルの直流破壊特性の低下
を抑えることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に絶縁紙を巻回し、これに高粘度
    絶縁油を含浸した油浸絶縁体を有する直流油浸電力ケー
    ブルであって、 高粘度絶縁油が、60℃での動粘度が500センチスト
    ークス以上で、かつ25℃での動粘度(ν25)と60
    ℃での動粘度(ν60)との比(ν25/ν60)が5
    〜12であることを特徴とする直流油浸電力ケーブル。
  2. 【請求項2】 高粘度絶縁油が、高分子粘度指数向上剤
    を添加したものである請求項1記載の直流油浸電力ケー
    ブル。
  3. 【請求項3】 絶縁紙が、プラスチックラミネート紙で
    ある請求項1記載の直流油浸電力ケーブル。
JP17682996A 1996-07-05 1996-07-05 直流油浸電力ケーブル Pending JPH1021761A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7531083B2 (en) 2004-11-08 2009-05-12 Shell Oil Company Cycloalkane base oils, cycloalkane-base dielectric liquids made using cycloalkane base oils, and methods of making same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7531083B2 (en) 2004-11-08 2009-05-12 Shell Oil Company Cycloalkane base oils, cycloalkane-base dielectric liquids made using cycloalkane base oils, and methods of making same

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