JPH1012054A - 油浸紙ソリッドケーブル - Google Patents

油浸紙ソリッドケーブル

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JPH1012054A
JPH1012054A JP15705596A JP15705596A JPH1012054A JP H1012054 A JPH1012054 A JP H1012054A JP 15705596 A JP15705596 A JP 15705596A JP 15705596 A JP15705596 A JP 15705596A JP H1012054 A JPH1012054 A JP H1012054A
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oil
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plastic
insulating layer
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Shotaro Yoshida
昭太郎 吉田
Ikuo Shigetoshi
生雄 重年
Takenori Nakajima
武憲 中島
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油浸紙ソリッドケーブルにおいて、ヒートサ
イクル時の絶縁油の膨張収縮に伴いケーブル絶縁層中に
負圧、又はボイドが発生し耐電圧性能が低下する。 【解決手段】 油浸紙ソリッドケーブルにおいて、少な
くとも、導体側絶縁層部分をプラスチックラミネート紙
を巻き回して、残りの絶縁層部分よりプラスチック分率
を高くすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油浸紙ソリッドケ
ーブルに関し、特に直流海底油浸紙ソリッドケーブルに
関する。
【0002】
【従来の技術】油浸紙ソリッドケーブルは、構造が簡単
で長距離に適し、また給油設備が不要であることから、
直流海底ケーブルとして数多くの実績を有している。
【0003】油浸紙ソリッドケーブルは、高粘度の油を
含浸したクラフト紙絶縁が採用されている。クラフト紙
としては密度が0.75〜1.1g/cm3 の範囲のも
のが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記油浸紙ソリッドケ
ーブルの最大の欠点は、ヒートサイクル時の絶縁油の膨
張収縮に伴いケーブル絶縁層中に負圧、又はボイドが発
生し耐電圧性能が低下することにある。
【0005】即ち、導体側絶縁層の油圧変化及びシース
側絶縁層の油圧変化は図5のように変化する。図からわ
かる様に、温度降下時に導体側絶縁層油圧Pcがマイナ
スになっている。このことはボイドが発生している可能
性が充分ある。導体側の油量が大きい程この圧力低下が
大きいという問題がある。
【0006】一方、プラスチックラミネート紙を使用し
た油浸紙ソリッドケーブルが提案されているが、この場
合、絶縁油による膨潤が大きいため、絶縁層の巻きじま
りが生じやすいという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上述の課
題を解決するため、プラスチックラミネート紙を使用
し、導体側絶縁層ほどプラスチック分率を大きくする。
【0008】一般的に油浸紙絶縁体体積の半分が油量と
なる。例えば800mm2 導体、26mm厚絶縁層のソ
リッドケーブルでは、クラフト紙導体側絶縁体の油量は
25〜30cc/cm(ケーブル長)である。プラスチ
ック分率50%のラミネート紙を使用すれば油量は約1
/2となる。絶縁油としては、動粘度が40℃において
500〜20000cstの油が用いられる。
【0009】従って、導体側絶縁体油量が大きい程、ヒ
ートサイクル時の圧力低下が大きいので、上記のように
油量を小さくすることによって圧力低下を小さくでき
る。
【0010】先に説明したように、負圧現象の問題とな
るのは導体側近傍であり、この部分のプラスチック分率
を上げるプラスチックラミネート紙の使用が最も効果的
である。
【0011】本発明の第一の手段は、油浸紙ソリッドケ
ーブルにおいて、絶縁層を、導体側部分にプラスチック
ラミネート紙を巻回し、残りの部分にクラフト紙を巻回
して構成したことを特徴とする。
【0012】第二の手段は、油浸紙ソリッドケーブルに
おいて、プラスチックラミネート紙を巻回して構成する
絶縁層であって、該絶縁層を導体側より順次シース側に
向けてプラスチック分率を下げて構成したことを特徴と
する。
【0013】上記の構成の油浸紙ソリッドケーブルは動
粘度が40℃において2000cst以上の油の場合に
効果が大きく、直流海底ケーブルに特に有効である。従
来の油浸紙ソリッドケーブルの最大の問題は負荷遮断時
の耐電圧性能である。この為使用電圧は400kV迄が
限度と言われている。また最高使用温度も低く制限(約
60℃)されている。
【0014】ソリッドケーブルは亘長の制限がないこと
から、また使用電圧500〜600kVのニーズがある
ことから、さらに直流海底ケーブルの使用温度領域が6
0℃〜0℃と小さいことから、本発明の油浸紙ソリッド
ケーブルが好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図に基
づいて説明する。図1に本発明による海底油浸紙ソリッ
ドケーブルの一実施形態の断面を示す。導体1の周りに
図示していないが、適当な内部しゃへいを施し、その表
面にポリプロピレンフィルムとクラフト紙を積層して一
体化した複合絶縁紙(以下PPLPと言う)のテープを
巻いて内側絶縁層2を形成し、その外側にクラフト紙テ
ープを巻いて絶縁層3を形成し、更にその上に図示して
いないが外部しゃへいを施し、鉛被4をかぶせたもので
ある。なお、絶縁層2及び3には高粘度の絶縁油が含浸
されている。
【0016】次に本発明の他の実施形態を図2に示す。
図2は同様に海底油浸紙ソリッドケーブルの断面を示す
ものであって、導体11の周りに図示していないが、内
部しゃへいを施し、その表面にプラスチック分率60%
のPPLPテープを巻いて最内側の絶縁層12を形成
し、その上にプラスチック分率50%のPPLPテープ
を巻いて中央の絶縁層13を形成し、さらにその上にプ
ラスチック分率40%のPPLPテープを巻いて最外側
の絶縁層14を形成し、その上に図示していないが外部
しゃへいを施し、鉛被15をかぶせたものである。絶縁
層12,13及び14は、絶縁層の乾燥工程の後ち高粘
度の絶縁油が含浸される。
【0017】また、図3は、本発明の他の実施形態を示
すもので、プラスチック分率を導体側より順次シース側
に向けて小さくするものであり、導体側からプラスチッ
ク分率70%のPPLPテープを巻いた絶縁層22、プ
ラスチック分率60%のPPLPテープを巻いた絶縁層
23、同様に50%,40%,30%の絶縁層24,2
5,26とし、最外層の絶縁層27をプラスチック分率
0%、すなわちクラフト紙テープを巻いて形成したもの
である。
【0018】上記の本発明の油浸紙ソリッドケーブルで
あれば、ヒートサイクル時の絶縁油の膨張収縮に伴い絶
縁層内が負圧又はボイドが発生することはない。
【0019】図4に本発明油浸紙ソリッドケーブルのヒ
ートサイクル試験における導体温度及びシース鉛被温度
の変化、並びに、対応する絶縁層油圧の変化を示す。図
からわかるように、負荷しゃ断時後導体側絶縁層油圧P
cは負圧になるまで降下しない。
【0020】尚、上記の実施形態においてプラスチック
ラミネート紙としてPPLPについて説明したが、弗化
エチレンプロピレンラミネート紙を適用しても同様の効
果を奏する。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の油浸紙ソ
リッドケーブルは、導体側絶縁層の絶縁体のプラスチッ
ク分率を高くしたので、この部分の絶縁層油量が少なく
なり、ヒートサイクルの温度降下時の絶縁層内の負圧現
象、ボイドの発生がなく耐電圧特性が向上する。
【0022】また、特に直流ケーブルでは絶縁体のプラ
スチックフィルムのバリヤ効果により耐電圧特性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明油浸紙ソリッドケーブルの一実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明油浸紙ソリッドケーブルの他の実施形態
を示す断面図である。
【図3】本発明油浸紙ソリッドケーブルの他の別の実施
形態を示す断面図である。
【図4】本発明油浸紙ソリッドケーブルのヒートサイク
ル試験における導体温度及びシース鉛被温度の変化、並
びに、対応する絶縁層油圧の変化を示すグラフである。
【図5】従来の油浸紙ソリッドケーブルのヒートサイク
ル試験における導体温度及びシース鉛被温度の変化、並
びに、対応する絶縁層油圧の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11,21 導体 2,14,25 プラスチック分率40%PPLP絶縁
層 3,27 クラフト紙絶縁層 4,15,28 鉛被 12,23 プラスチック分率60%PPLP絶縁層 13,24 プラスチック分率50%PPLP絶縁層 22 プラスチック分率70%PPLP絶縁層 26 プラスチック分率30%PPLP絶縁層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図に基
づいて説明する。図1に本発明による海底油浸紙ソリッ
ドケーブルの一実施形態の断面を示す。導体1の周りに
図示していないが、適当な内部しゃへいを施し、その表
面にポリプロピレンフィルムとクラフト紙を積層して一
体化した複合絶縁紙(例えば、住友電気工業(株)の登
録商標PPLP等、以下PPLPと略記する。)のテー
プを巻いて内側絶縁層2を形成し、その外側にクラフト
紙テープを巻いて絶縁層3を形成し、更にその上に図示
していないが外部しゃへいを施し、鉛被4をかぶせたも
のである。なお、絶縁層2及び3には高粘度の絶縁油が
含浸されている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーブル絶縁層を、導体側部分にプラス
    チックラミネート紙を巻回して、残りの部分にクラフト
    紙を巻回して構成したことを特徴とする油浸紙ソリッド
    ケーブル。
  2. 【請求項2】 プラスチックラミネート紙を巻回して構
    成するケーブル絶縁層であって、該絶縁層を導体側より
    順次シース側に向けてプラスチック分率を下げて構成し
    たことを特徴とする油浸紙ソリッドケーブル。
  3. 【請求項3】 プラスチックラミネート紙としてポリプ
    ロピレンフィルム又はポリプロピレン繊維布の片面又は
    両面にクラフト紙を積層一体化した複合絶縁紙を用いる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の油浸紙ソ
    リッドケーブル。
  4. 【請求項4】 プラスチックラミネート紙として弗化エ
    チレンプロピレンフィルムの片面又は両面にクラフト紙
    を積層一体化した複合絶縁紙を用いることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の油浸紙ソリッドケーブル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399878B2 (en) 1998-02-03 2002-06-04 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Solid cable, manufacturing method thereof, and transmission line therewith
JP2010103008A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Sumitomo Electric Ind Ltd ソリッドケーブル
CN111524650A (zh) * 2020-04-28 2020-08-11 安徽省康利亚股份有限公司 一种铁路机车车辆受流器用高温硅橡胶电缆

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