JPH10216480A - 排ガスの処理方法と排ガス処理用触媒 - Google Patents

排ガスの処理方法と排ガス処理用触媒

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JPH10216480A
JPH10216480A JP9029188A JP2918897A JPH10216480A JP H10216480 A JPH10216480 A JP H10216480A JP 9029188 A JP9029188 A JP 9029188A JP 2918897 A JP2918897 A JP 2918897A JP H10216480 A JPH10216480 A JP H10216480A
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JP
Japan
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exhaust gas
catalyst
gas treatment
component
treatment method
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Pending
Application number
JP9029188A
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English (en)
Inventor
Masahito Kanae
雅人 金枝
Akira Kato
加藤  明
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却炉、下水汚泥処理焼却炉等から排出
された排ガス中に含有されている、有害な窒素酸化物、
有機塩素化合物及びCO、炭化水素などの可燃性ガス等
を経済的に、そして広い温度範囲において効率良く除去
し、排ガスを浄化するたの方法と触媒を提供することに
ある。 【解決手段】 少なくともTi、V及びB成分を含有す
る触媒を用い、上記成分に加えて更にMo、W、Pt、
Pd、Ru、Rhから選ばれた少なくとも一種以上の金
属またはその酸化物を含んでなる触媒とすることで一層
の除去効果の増進が実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中に含有さ
れている窒素酸化物、炭化水素及び一酸化炭素等の可燃
性ガスならびにポリ塩化ジベンゾダイオキシン(以下、
PCDDと言う。)、ポリ塩化ジベンゾフラン(以下、
PCDFと言う。)及びクロロベンゼン等の有機塩素化
合物を除去して排ガスを浄化するための方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物又は下水汚泥等を
処理する焼却施設等から発生する排ガス中には窒素酸化
物(以下、NOxと言う。)、炭化水素及び一酸化炭素
とともに微量ではあるが極めて毒性の強いダイオキシン
類等の有機塩素化合物が含まれており、これら排ガス中
のNOx、炭化水素、一酸化炭素及び有機塩素化合物を
除去することは環境保全の上で非常に重要である。
【0003】排ガス中の芳香族系有機塩素化合物を触媒
で分解する方法として、例えば特開平2−35914号
公報には、排ガス温度を150℃以上に高め、その後、
酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ダングステン、白
金、パラジウムの中から選ばれた少なくとも一種の金属
含有成分を含む触媒と前記排ガスと接触させることによ
り、排ガス中の芳香族系含有塩素化合物を分解する方法
が開示されている。
【0004】また排ガス中の窒素酸化物、有機塩素化合
物及び一酸化炭素の除去方法として、例えば特開平5−
245343号にA成分としてチタン(Ti)、シリカ
(Si)、ジルコニア(Zr)、アルミモニウム(A
l)及びバナジウム(V)から選択され、Vを必ず含む
一種の金属の単独金属系酸化物または二種以上の金属の
複合多元系酸化物群から選ばれる一種以上と、B成分と
して白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム
(Ru)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、クロム(C
r)及び鉄(Fe)よりなる群から選択される少なくと
も一種の金属またはその酸化物を含んでなる触媒を用い
ることにより焼却炉排ガス等に含まれる窒素酸化物及び
有機塩素化合物を除去することが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の方法では必ずしもその排ガスの浄化性能が十分とは言
えず、排ガス中の有害物除去率を向上させるために触媒
量を増加させる等の措置や反応温度を上げる等の方策を
実施する必要がある。しかし前者の方法では設備が大型
化し、また触媒のコストが上昇する問題がある。一方、
後者の方法では排ガス加熱に要するエネルギーが大きく
なるという不具合が生じ、エネルギー的に効率よく窒素
酸化物、炭化水素、一酸化炭素及び有機塩素化合物を除
去することができない。
【0006】従って本発明の課題は焼却炉等から排出さ
れた排ガス中に含有されている、有害な窒素酸化物、有
機塩素化合物及び可燃性ガスである炭化水素、一酸化炭
素等を経済的に、そして広い温度範囲において効率良く
除去し、排ガスを浄化するたの方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、触媒を用
いて焼却炉等から排出された排ガス中に含有されてい
る、有害な窒素酸化物、有機塩素化合物及び可燃性ガス
である炭化水素、一酸化炭素等を経済的に、効率良く除
去し、排ガスを浄化し得ることを知見した。
【0008】この発明は上記知見に基づいてなされたも
のであって、有機塩素化合物、可燃性ガス、窒素酸化物
を含有する排ガスを触媒に接触させることにより前記排
ガス中に含まれている有機塩素化合物、可燃性ガス及び
窒素酸化物を前記排ガス中ら除去する排ガスの処理方法
において、上記触媒が、少なくともTi、V及びBの酸
化物を含有することを特徴とする触媒組成物とすること
で、排ガス中の窒素酸化物、有機塩素化合物及び可燃性
ガスを前記触媒により効率的しかも経済的に除去し、排
ガスを浄化し得ることを知見した。またその場合、上記
成分に加えて更にMo、W、Pt、Pd、Ru及びRh
から選ばれた少なくとも一種以上の金属含有成分(金属
またはその酸化物など)を含んでなる触媒組成物とする
ことで一層の除去効果の増進が実施できることも知見し
た。
【0009】特に触媒に含まれるVの含有量の活性成分
の原子比で1〜20%とすることで高い除去効果を得る
ことができ、有機塩素化合物及び可燃性ガスの除去に加
え、窒素酸化物の高い除去効果を長期にわたって維持で
きる。Vの含有量が20%を超えるとTi上でVが高分
散しにくくなり、上述した触媒による効果的な分解除去
ができない。
【0010】更に触媒に含まれるBの含有量を活性成分
の原子比で1%〜40%、好ましくは5〜30%とする
ことで高い除去効果を得ることができ、有機塩素化合物
及び可燃性ガスの除去に加え、窒素酸化物の除去効果を
長期にわたって維持でき、特に有機塩素化合物の高い除
去効果を発揮できる。Bの含有量が1%未満であると後
に実施例で見るようにBの添加効果がほとんど現れず、
またBの含有量が40%を超えると活性成分であるVを
Bが覆ってしまい、やはり効果的な有機塩素化合物など
の分解除去がしにくい。
【0011】またMoまたはWをそれぞれ活性成分の原
子比で15%以下の範囲で含むようにするとMoまたは
Wの助触媒作用により、一層の活性向上が望める。この
場合、MoまたはWの含有量が15%を超えるとMoま
たはWが触媒表面上の活性点を覆ってしまい、上述した
触媒による効果的な分解除去ができない。
【0012】本発明の触媒は、反応温度範囲が150℃
〜300℃の低温域において有機塩素化合物、窒素酸化
物及び可燃性ガスを高い効率で除去し得る画期的な性能
を有するものであり、触媒による副生成物も無く、また
分解率の経時変化も無く、低温域で長時間安定かつ高効
率で有機塩素化合物、窒素酸化物及び可燃性ガスを除去
し得るものであり、本発明の触媒により、排ガス中の有
機塩素化合物、窒素酸化物及び可燃性ガスの除去方法が
工業的にも有利な方法として提供されるものである。
【0013】本発明の触媒は上記の様に極めて高い排ガ
ス中の有害物などの除去性能を有しているが、その製造
には特に困難な点は無く、触媒の製造に常用される沈殿
法、酸化物混合法、混練法、担持法または含浸法などに
より容易に製造し得る。また、最終的な触媒の成型法と
しても通常の押し出し成型法、打錠成型法または転動造
粒法など目的に応じた任意の成型法を採用し得る。
【0014】触媒の形状は、円柱状、円筒状、板状、リ
ボン状、ハニカム状、ペレット状またはその他一体成型
された任意の形状のものを選ぶことができる。特に板状
またはハニカム状の触媒を用いれば、排ガス中に存在す
るダストが触媒に付着することを低減でき、その結果、
触媒上へのダストの付着による圧力損失の増大や性能の
低下等が生じることなく、安定した操業を行うことがで
きる。また触媒成分の少量をシリカ、アルミナまたはジ
ルコニアなどの担体に担持したり、シリカ、アルミナ、
マグネシア、ジルコニア、酸性白土、活性白土またはケ
イソウ土などの担体成分と触媒成分とを十分に混練する
などの方法で触媒に混ぜて使用することも可能である。
またそれら担体成分の水溶性塩から触媒成分と同時に共
沈させたり、またそれら担体成分の水酸化物を混練して
使用しても良い。特に、上記の担体または担体成分の使
用は触媒コスト面からも好ましいものであり、また同様
に中空円筒状に成型することも同一体積当たりの触媒成
分の減量が可能であるとともに反応上からも極めて好ま
しいものである。
【0015】本発明の触媒を調整するバナジウム原料と
しては各種の酸化バナジウム、メタバナジン酸塩、硫酸
バナジルまたはハロゲン化バナジウムなどが使用され
る。ほう素原料としては、各種の酸化ほう素、ほう酸、
ほう酸アンモニウム、ほう酸マンガンまたはほう酸とり
んの化合物などが好ましい。ほう酸ナトリウムなどのほ
う酸のアルカリ金属塩はアルカリ金属の除去に困難があ
る欠点がある。
【0016】またチタン原料としては、酸化チタンまた
は加熱により酸化チタンを生成する各種の化合物、例え
ばチタン酸、水酸化チタンまたは硫酸チタンなど使用し
得る。
【0017】また、触媒調整時に汎用される各種のチタ
ン化合物、例えばハロゲン化チタン、硫酸チタンなどを
水、アンモニア水、カ性アルカリまたは炭酸アルカリな
どで沈澱し、水酸化物にした後、加熱分解により酸化物
を生成する方法も好ましい方法である。
【0018】ここで、調整法の一例を挙げて、より具体
的にその内容を説明する。所定量の酸化チタン(TiO
2)、メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)及び
ほう酸(H3BO3)に蒸留水15mlを加え、この混合
物を十分に混練する。次に得られたペースト状の混合物
を乾燥させた後、最終的に300℃から800℃の温度
で1〜10時間程度焼成し、反応に供する。またTiO
2とNH4VO3の焼成品を上記と同様な方法で調整し、
さらにその後、ほう酸を加え、上記と同様な方法で混
練、焼成して調整しても良い。
【0019】以上の触媒調整法は、本発明の触媒の調整
法の一例であり、このほか通常汎用される各種の製造方
法により得られた触媒においても良好な触媒が得られる
ことはいうまでもない。
【0020】本発明の触媒を用いる有機塩素化合物系の
除去反応の適用対象としてはクロロベンゼン、クロロフ
ェノール、PCDD、PCDF、ポリ塩化テトラクロロ
エチレン等の塩素を含む有機物のみならず、ブロモベン
ゼン等の、一般にハロゲンを含む有機化合物に対しても
適用できる。
【0021】本発明の触媒を使用して有機塩素化合物、
窒素酸化物及び可燃性ガスの除去を実施する場合、触媒
上を通過させる排ガスの空間速度は100,000/h
以下、好ましくは50,000/h以下に設定する。
【0022】反応時の温度は150℃〜650℃、好ま
しくは150℃〜300℃の温度範囲である。反応時の
圧力については特に限定はなく、減圧状態から10kg
/cm2あるいはそれ以上の圧力範囲でも良好な結果が
得られる。
【0023】本発明の触媒を使用して有機塩素化合物、
窒素酸化物及び可燃性ガスの除去反応を実施する反応器
の形式としては、基本的には通常の固定床及び移動床な
ど固体触媒に使用する各種の反応器形状のものが使用で
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例により比較
例と対比しながら詳細に説明する。 実施例1 酸化チタン(TiO2)30gにメタバナジン酸アンモ
ニウム(NH4VO3)3.30g及びほう酸(H3
3)3.48gを加える。さらに蒸留水15mlを加
え、この混合物を十分に混練する。得られたペースト状
の混合物を120℃で2時間乾燥させた後、更に500
℃で2時間焼成した。かくして得られた触媒は原子比で
Ti:B:V=100:15:7.5の組成を有する。
【0025】同様な方法でTiとBの組成比を変えた触
媒を調整した。また比較例としてBを含まない触媒Ti
−Vを調整した。さらに他の比較例として上記と同様な
調整方法によりH3BO3の代わりに、硝酸銀、硝酸カリ
ウムまたは硝酸ロジウムを用い、Ti−Ag−V、Ti
−K−V、Ti−Rh−V系の触媒を調整した。各触媒
の原子比はTi/Ag/V=100:5:7.5、Ti
/K/V=100:15:7.5、Ti/Rh/V=1
00:1:7.5とした。
【0026】触媒の活性試験装置は通常の常圧流通式で
あり、反応管は内径16mmのパイレックスガラス製で
内部に外径5mmのパイレックスガラス製の熱電対保護
管を有している。この反応管を電気炉で加熱して反応温
度を設定する。反応管の中央部に10〜20メッシュに
整粒した触媒4.5mlを充填し、下記組成のガスを空
間速度(以下SVと略す)10,000/hで触媒層に
流通して、触媒層入口と出口の有機塩素化合物の濃度を
測定し、有機塩素化合物の分解率を求めた。反応温度は
180℃〜280℃とした。有機塩素化合物として、ク
ロロベンゼンを用いた。
【0027】 O2 10% H2O 20% クロロベンゼン 約1000ppm NO 200ppm NH3 160ppm N2 balance
【0028】図1に触媒温度に対するクロロベンゼンの
分解率を示す。図1から明らかなようにTi−B−Vは
Bを含まない比較例Ti−V及びTi−Ag−V、Ti
−K−V、Ti−Rh−V(図示せず)と比較して有機
塩素化合物分解率が向上していることは明らかである。
【0029】実施例2 実施例1と同様な方法で調整したTi−B−Vの、21
0℃付近における各種有機塩素化合物の分解率を調べ
た。測定方法、SVは実施例1と同じであり、有機塩素
化合物として、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン
及びo−クロロフェノールを用いた。ガス組成は以下の
ように設定した。
【0030】 O2 10% H2O 20% 各種有機塩素化合物 約1,000ppm NO 200ppm NH3 160ppm N2 balance
【0031】図2に触媒中に含まれるBの原子比に対す
る210℃付近の各種有機塩素化合物の分解率を示す。
図2から明らかなように実験で用いたどの有機塩素化合
物についても、Ti−B−Vは触媒中のBの含有量がT
iに対して1%〜40%(原子比)の時、Bを含まない
比較例Ti−Vと比較して有機塩素化合物が向上してお
り、特に5〜30%の時向上が著しい。
【0032】実施例3 実施例1と同様な方法で調製したTi−B−V−W(組
成比Ti:B:V:W=100:15:7.5:13.
1)、Ti−B−V−Mo(組成比Ti:B:V:Mo
=100:15:7.5:13.1)のクロロベンゼン
分解率を測定した。比較例として実施例1と同様な方法
で調製したTi−V(組成比Ti:V=100:7.
5)及びTi−B−V(組成比Ti:B:V=100:
62:60)のクロロベンゼン分解率も測定した。測定
方法、SV、ガス組成は実施例1と同様とした。
【0033】図3に触媒温度に対する各触媒のクロロベ
ンゼン分解率を示す。図3から明らかなようにTi−B
−V−W、Ti−B−V−MoはTi−Vと比較してク
ロロベンゼン分解率が向上しており、B、W、Mo添加
効果が認められる。一方、TiO2が触媒全体の50%
(重量比)未満の含有率であるTi−B−V(100:
62:60)は活性の低下が著しい。
【0034】実施例4 実施例1と同様な方法で調製したTi−B−V−Pd
(組成比Ti:B:V:Pd=100:15:7.5:
0.5)、Ti−B−V−Pt(組成比Ti:B:V:
Pt=100:15:7.5:0.5)、Ti−B−V
−Rh(組成比Ti:B:V:Rh=100:15:
7.5:0.5)のクロロベンゼン分解率を測定した。
測定方法、SV、ガス組成は実施例1と同様とした。
【0035】図4に触媒温度に対する各触媒のクロロベ
ンゼン分解率を示す。図4には比較例としてTi−Vの
クロロベンゼン分解率も示した。図4から明らかなよう
にTi−B−V−Pd、Ti−B−V−Pt、Ti−B
−V−RhはTi−Vと比較してクロロベンゼン分解率
が向上しており、B、Pd、Pt、Rh添加効果が認め
られる。
【0036】実施例5 実施例1と同様な方法で調整したTi−B−V(組成比
Ti:B:V=100:15:7.5)の、210℃付
近におけるクロロベンゼン分解率の経時変化を調べた。
測定方法、SV、ガス組成は実施例1と同じである。図
5に結果を示す。図5に示すとおり、Ti−B−Vのク
ロロベンゼン分解率は20時間経過しても低下せず、長
時間安定であることは明らかである。
【0037】実施例6 実施例1と同様な原料を用いて調整したTi−B−V
(組成比Ti:B:V=100:15:7.5)の板状
の触媒を調整した。比較例として実施例1と同様な原料
を用いて調整したTi−W−V(組成比Ti:W:V=
100:13.1:7.5)の板状の触媒も調整した。
上記触媒のPCDD、PCDFの分解率を下記ガス条件
で測定した。SV=10,000/h、反応温度は15
0℃〜300℃とした。
【0038】 O2 9〜15% H2O 10〜30% NO 100〜250ppm NH3 160ppm ポリ塩化ジベンゾダイオキシン 200〜1,000ng/Nm3 ポリ塩化ジベンゾフラン 200〜1,000ng/Nm3
【0039】図6にTi−B−V及び比較例としてTi
−W−Vの板状の触媒の触媒温度に対するPCDD+P
CDFの分解率を示した。図6の結果より、Bを含むこ
とにより、PCDD、PCDFの分解率が向上している
ことは明らかである。
【0040】実施例7 実施例1と同様な方法で調整したTi−B−V(組成比
Ti:B:V=100:15:7.5)のNO分解率を
測定した。比較例として実施例1と同様な方法で調整し
たTi−V(組成比Ti:V=100:7.5)、Ti
−W−V(組成比Ti:W:V=100:13.1:
7.5)のNO分解率も測定した。測定方法、SVは実
施例1と同様であり、ガス組成は以下の通りである。
【0041】 O2 10% H2O 20% クロロベンゼン 約1,000ppm NO 200ppm NH3 160ppm N2 balance
【0042】図7に触媒温度に対するTi−B−VのN
O分解率を示す。同図には比較例としてNO除去触媒と
して実用に併せられているTi−V、Ti−W−VのN
O分解率も示した。図7から明らかなようにTi−B−
VのNO分解率は実用NOx除去触媒Ti−V、Ti−
W−VのNO分解率とほぼ同程度であり、むしろ195
℃付近の活性は向上している。この実施例により排ガス
中にクロロベンゼン等の有機塩素化合物が存在してもN
O除去率には影響せず、Ti−B−Vを用いて有機塩素
化合物及びNOの除去を高効率で同時にできることは明
らかである。
【0043】実施例8 実施例1と同様な方法で調整したTi−B−V(組成比
Ti:B:V=100:15:7.5)のC38分解率
も測定した。比較例として実施例1と同様な方法で調整
したTi−V(組成比Ti:V=100:7.5)、T
i−W−V(組成比Ti:W:V=100:13.1:
7.5)のC38分解率も測定した。測定方法は実施例
1と同様であり、SV=20,000/h、ガス組成は
以下の通りである。
【0044】 O2 10% H2O 20% C38 150ppm N2 balance
【0045】図8に触媒温度に対するTi−B−VのC
38分解率を示す。同図には比較例としてTi−V、T
i−W−VのC38分解率も示した。図8から明らかな
ようにTi−B−VのC38分解率はTi−V、Ti−
W−Vより活性が向上している。この実施例により排ガ
ス中に炭化水素又は一酸化炭素等の可燃性ガスが存在し
ている場合、Ti−B−Vを用いて上記炭化水素及び一
酸化炭素等の可燃性ガスを高効率で除去できることは明
らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、焼却炉等から排出され
た排ガス中に含有されている、窒素酸化物、及びポリ塩
化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、ク
ロロベンゼン等の有機塩素化合物、ならびに炭化水素、
一酸化炭素等の可燃性ガスを高い効率で除去して、排ガ
スを浄化することができる。したがって、本発明によれ
ば、従来よりも小型の設備によってしかも、経済的に排
ガスを浄化することができ、工業上から有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における測定結果を示し、クロロベ
ンゼン分解率を示すデータである。
【図2】 実施例2における測定結果を示し、各触媒の
B含有率に対する有機塩素化合物分解率を示すデータで
ある。
【図3】 実施例3における測定結果を示し、クロロベ
ンゼン分解率を示すデータである。
【図4】 実施例4における測定結果を示し、クロロベ
ンゼン分解率を示すデータである。
【図5】 実施例3における測定結果を示し、Ti−B
−Vのクロロベンゼン分解率の経時変化を示すデータで
ある。
【図6】 実施例4における測定結果を示し、PCDD
+PCDFの分解率を示すデータである。
【図7】 実施例5における測定結果を示し、NO分解
率を示すデータである。
【図8】 実施例6における測定結果を示し、C38
解率を示すデータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/36 B01J 23/40 A 23/40 B01D 53/36 102B 23/63 102H 104A B01J 23/56 301A

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物を含む排ガスを活性成分
    として少なくともタン、バナジウム及びほう素を酸化
    物の形態で含有し、さらに触媒全体の50重量%以上は
    酸化チタンである触媒に接触させることにより排ガス中
    に含まれている少なくもと有機塩素化合物を除去する排
    ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 触媒がさらに活性成分としてモリブデン
    含有成分またはタングステン含有成分の少なくともいず
    れかを含むことを特徴とする請求項1記載の排ガスの処
    理方法。
  3. 【請求項3】 触媒が、さらに活性成分として白金、パ
    ラジウム、ルビジウム、レニウム及びロジウム含有成分
    の中から選ばれた少なくとも一種以上を含むことを特徴
    とする請求項1または2記載の排ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 触媒が、活性成分の原子比で次の組成 Ti 50%〜95%、V 1%〜20%、B 1%〜
    40%、 W 0%〜15%、Mo 0%〜15% であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の排ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 有機塩素化合物の他に窒素酸化物を含む
    排ガスまたは有機塩素化合物及び窒素酸化物及び可燃性
    ガスを含む排ガスにアンモニアや尿素等の窒素酸化物の
    還元剤を添加した後、触媒と接触させることにより、排
    ガス中に含まれる窒素酸化物、有機塩素化合物、可燃性
    ガスを除去する排ガスの処理方法において、上記触媒
    が、活性成分として少なくともチタン、バナジウム及び
    ほう素を酸化物の形態で含有し、更に触媒全体の50重
    量%以上は酸化チタンであることを特徴とする排ガス処
    理方法。
  6. 【請求項6】 触媒が更に活性成分としてモリブデン含
    有成分またはタングステン含有成分の少なくともいずれ
    かを含むことを特徴とする請求項5記載の排ガス処理方
    法。
  7. 【請求項7】 触媒が、さらに活性成分として白金、パ
    ラジウム、ルビジウム、レニウム及びロジウム含有成分
    の中から選ばれた少なくとも一種以上を含むことを特徴
    とする請求項5または6に記載の排ガス処理方法。
  8. 【請求項8】 上記触媒が、活性成分の原子比で次の組
    成 Ti 50%〜95%、V 1%〜20%、B 1%〜
    40%、 W 0%〜15%、Mo 0%〜15% であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに
    記載の排ガス処理方法。
  9. 【請求項9】 有機塩素化合物がポリ塩化ジベンゾダイ
    オキシンまたはポリ塩化ジベンゾフランであることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の排ガス処
    理方法。
  10. 【請求項10】 温度150℃〜300℃で排ガスを処
    理する請求項1ないし9のいずれかに記載の排ガス処理
    方法。
  11. 【請求項11】 排ガスは下水汚泥処理施設またはごみ
    焼却炉から排出した排ガスであることを特徴とする請求
    項1ないし10のいずれかに記載の排ガス処理方法。
  12. 【請求項12】 少なくともチタン、バナジウム及びほ
    う素を酸化物の形態で含有し、さらに触媒全体の50重
    量%以上は酸化チタンである排ガス中の有機塩素化合
    物、窒素酸化物及び可燃性ガスの少なくともいずれかを
    除去する排ガス処理用触媒。
  13. 【請求項13】 チタン含有成分とほう素含有成分を複
    合化し、さらにバナジウム含有成分を担持したことを特
    徴とする請求項12記載の排ガス処理用触媒。
  14. 【請求項14】 活性成分としてモリブデン含有成分ま
    たはタングステン含有成分の少なくともいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項11または13記載の排ガス処
    理用触媒。
  15. 【請求項15】 活性成分として白金、パラジウム、ル
    ビジウム及びレニウム、ロジウム含有成分の中から選ば
    れた少なくとも一種以上を含むことを特徴とする請求項
    12ないし14のいずれかに記載の排ガス処理用触媒。
  16. 【請求項16】 活性成分は、原子比で次の組成 Ti 50%〜95%、 V 1%〜20%、B 1%
    〜40%、 W 0%〜15%、 Mo 0%〜15% であることを特徴とする請求項12ないし15のいずれ
    かに記載の排ガス処理用触媒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100460665B1 (ko) * 1999-08-10 2004-12-09 주식회사 포스코 폐가스에 함유된 질소 산화물 및 다이옥신의 동시 제거방법
CN105344358A (zh) * 2015-09-24 2016-02-24 上海大学 用于处理氮氧化物污染气体的催化剂的制备方法和处理氮氧化物污染气体的方法

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