JP2003053149A - 有機塩素化合物の除去方法 - Google Patents

有機塩素化合物の除去方法

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JP2003053149A
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exhaust gas
organic chlorine
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oxidative decomposition
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Yasuo Miyoshi
康夫 三好
Tsutomu Shikada
勉 鹿田
Yasuhiro Mogi
康弘 茂木
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JFE Engineering Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン等の有害有機塩素化合物を
低温で効率よく分解しうる方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、有機塩素化合物を含有する
排ガスを100〜350℃で酸化分解能を有する触媒に
接触させた後、100〜350℃で脱塩素機能を有する
触媒に接触させることを特徴とする有機塩素化合物の除
去方法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や都市
ごみなどを処理する焼却施設等から排出される排ガス中
に含まれるダイオキシン等の有害有機塩素化合物を分解
する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】最近、ごみ焼却施設等で発生するダイオ
キシン等の有害有機化合物が大きな社会問題になってお
り、その対策が種々講じられている。 【0003】例えば、特公平6−38863号公報に
は、触媒の存在下加熱することによって、炭素原子4な
いし8個を有するポリハロゲン化シクロアルキル化合物
および少なくとも炭素原子5個を有するポリハロゲン化
芳香族化合物を分解する方法であって、前記ポリハロゲ
ン化化合物で汚染された固体基質中に存在する揮発性成
分、または前記ポリハロゲン化化合物で汚染された液体
基質、または前記ポリハロゲン化化合物自体を加熱もし
くは焙焼によってガス状態に変換し、そして生成したガ
スまたは前記ポリハロゲン化化合物で汚染されたガス状
物質を、触媒として固定床の形の周期律表Ia,Ib,
IIa,IIb,IIIa,IVa,IVb,VIIbもしくはVIIIb
族の元素の金属の酸化物、またはそれらの混合物を使用
し、前記触媒との緊密な接触下酸素および水の存在下加
熱することよりなり、作業温度は200ないし550℃
であるポリハロゲン化化合物の分解方法が開示されてい
る。 【0004】また、特許第2633316号公報には、
廃棄物焼却炉排ガスを冷却後、集塵装置で除塵するとと
もに、除塵された排ガスを酸化触媒と接触させて排ガス
中の有害物質を分解させる排ガス処理方法において、前
記集塵装置により除塵された排ガスを、150〜290
℃の温度で、酸化チタン担体に五酸化バナジウムと三酸
化タングステンを担持させた触媒と接触させて前記排ガ
ス中の少なくともポリ塩素化ジベンゾダイオキシンおよ
び/またはポリ塩素化ジベンゾフランを分解する方法が
開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来技術では低温での
有機塩素化合物分解能が不十分であり、排ガス中の有機
塩素化合物除去率を向上させるには、触媒量を増加させ
るかあるいは反応温度を上げる等の方策を実施する必要
があった。 【0006】本発明の目的は、ダイオキシン等の有害有
機塩素化合物を低温で効率よく分解しうる方法を提供す
ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意検討の結果、有機塩素化合物を分解す
る触媒には、酸素の存在下で炭酸ガス、水及び塩化水素
にまで分解しうる触媒と、水蒸気の存在下で有機塩素化
合物の塩素と置換して塩素数を減少させる触媒があるこ
と、並びにこれらの両触媒を組み合わせることによって
有機塩素化合物を低温で効率よく分解しうることを見出
した。 【0008】そこで、この両触媒を組み合わせてダイオ
キシン類の分解除去運転を続けたところ、触媒の機能が
予想外に早く劣化してダイオキシン類の分解率が低下す
る現象がみられた。本発明者らはこの原因を究明すべく
さらに検討を行い、その原因が脱塩素機能を有する触媒
によって発生する塩素や塩化水素が酸化分解機能を有す
る触媒を塩化物化してその性能を劣化させていることに
あることをつきとめた。 【0009】そこで、本発明者らはこの両触媒を分離し
て酸化分解機能を有する触媒を上流側に配置したとこ
ろ、触媒を劣化させずに長期にわたり、ダイオキシン類
を高い分解率で分解しつづけることに成功した。 【0010】本発明においては、排ガス処理プロセス中
の触媒反応装置において、酸化分解機能を持つ触媒を反
応装置排ガス入口側に、脱塩素機能を持つ触媒を排ガス
出口側に直列に設置することで、ダイオキシン類分解由
来の塩化水素、塩素の発生を最小限に押さえ、酸化分解
機能を持つ触媒の塩化物化を妨げないでいる。また、後
段の触媒の脱塩素機能により、未処理のダイオキシン類
を無害化し、全体として高いダイオキシン類除去率を長
期間保てることとなる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の酸化分解触媒成分は、ク
ロム、コバルト、亜鉛、スズ、リン、ビスマス、アンチ
モン、テルル、ジルコニウム、ニオブ、鉛、ランタン、
セリウム、ニッケル、鉄、銅、マンガン、バナジウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1つの元素、塩或いは
酸化物等またはモリブデン酸ビスマスであり、好ましい
ものはクロム、亜鉛、ジルコニウム、鉛、ランタン、セ
リウム、ニッケル、マンガン、バナジウムの元素、塩或
いは酸化物等、特に好ましいものはクロムの元素或いは
酸化物である。 【0012】脱塩素触媒成分は、白金、イリジウム、ロ
ジウム、パラジウム、ルテニウム、金、レニウムからな
る群から選ばれた少なくとも1つの元素、塩或いは酸化
物等、またはシリカ・チタニア、ジルコニア・チタニア
からなる群から選ばれた少なくとも1つの複合酸化物で
あり、好ましいものは白金、ロジウム、パラジウム、ル
テニウム、レニウムの元素、塩或いは酸化物等、特に好
ましいものはパラジウム、レニウムの元素、塩或いは酸
化物である。 【0013】本発明の多元機能触媒における酸化分解触
媒成分と脱塩素触媒成分の比率は重量比で1,000:
1〜1:1,000程度、好ましくは1:1〜10:1
程度が適当である。 【0014】本発明の触媒は担体に担持させることがで
きる。好ましい担体はチタニア、シリカ、アルミナ、珪
藻土等であり、チタニアが特に好ましい。担体の使用量
は上記の各触媒成分1重量部に対し0.5〜100重量
部程度、通常1〜20重量部程度でよい。 【0015】この触媒の製造には、この種の触媒の一般
的な調製方法を適用できる。例えば触媒の製造用原料
は、上記各金属の化合物として、硝酸塩、炭酸塩等の無
機酸塩および酢酸塩、シュウ酸塩など有機酸塩が使用さ
れる。また、触媒担体への担持操作には、通常の沈殿
法、混練法、含浸法およびイオン交換法などの技術が利
用できる。このように調製された触媒組成物は、必要が
あれば常法により焼成する。焼成は、窒素中または空気
中において、300〜700℃の温度で1〜10時間加
熱して行うのが好ましい。また、触媒を個別に調製して
混合することも可能である。 【0016】本発明の触媒は固定床、移動床等のいずれ
の形態でも使用することができる。そして、排ガスを酸
化分解機能を有する触媒に接触させた後、脱塩素機能を
有する触媒に接触させて処理するのであれば、1つの触
媒反応器の中に酸化分解機能を有する触媒、脱塩素機能
を有する触媒を設置しても良いし、別々の触媒反応器に
酸化分解機能を有する触媒、脱塩素機能を有する触媒を
それぞれ設置しても良い。 【0017】触媒の大きさ及び形状は、一般に処理ガス
量、ダストの濃度、触媒の設置方法、反応器の大きさ、
反応器の設置場所等により決定される。特に、形状に関
しては、円柱状、球状、ハニカム状、板状などが考えら
れるが、ダスト濃度が0.05g/Nm3以上と高いガ
スの場合は、ハニカム状が望ましい。 【0018】本発明の触媒の分解対象は有機塩素化合物
全般であるが、特にポリ塩素化芳香族化合物を対象とし
ており、例えば、2,3,7,8−テトラクロロジベン
ゾダイオキシンで代表されるようなポリ塩素化ジベンゾ
ダイオキシン類、2,3,4,7,8−ペンタクロロジ
ベンゾフランで代表されるようなポリ塩素化ジベンゾフ
ラン類、3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェ
ニルで代表されるようなポリ塩素化ビフェニル類、O−
クロロフェノールで代表されるような塩素化フェノール
類、クロロベンゼンで代表されるような塩素化ベンゼン
類等である。 【0019】本発明の処理対象のガスにおける有機塩素
化合物の濃度は特に制限されず、飽和濃度であってもよ
く、飽和濃度を越えていてミスト等の形態で含むもので
あってもよい。しかしながら、通常は2,3,7,8−
テトラクロロジベンゾダイオキシン換算で0.01〜5
00ng/Nm3程度、特に0.05〜10ng/Nm3
程度のものである。このガスには、有機塩素化合物に対
して、理論量以上の酸素と水蒸気が含まれている必要が
あるが、一般にごみ焼却炉等からの排ガスには酸素も水
蒸気も上記要求量をはるかに超えて含んでいるので、特
に酸素や水蒸気を添加あるいは濃度調整する必要はな
い。 【0020】分解条件としては、反応温度は100〜3
50℃程度、好ましくは150〜250℃程度、特に好
ましくは170〜190℃程度で、空間速度(触媒1m
3当りの標準状態におけるガスの供給速度)は1,00
0〜50,000h-1程度が適当である。 【0021】 【実施例】1.触媒の調製と設置 [実施例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)1.3kg
を80℃に加温した10重量%モノエタノールアミン水
溶液に溶解し、得られた溶液を粉末のチタニア19.0
kgに加えて良く混練した。次に、その混練物を120
℃,12時間乾燥後、さらに空気中で500℃,3時間
焼成した。これを3mm〜5mmに分級し、目的の触媒
を得た。上記触媒の成分比(重量比)はV25:TiO
2=5.0:95.0であった。 【0022】脱塩素機能を有する触媒の調製 塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)265gを酸に
溶解し、得られた溶液を粉末のチタニア19.9kgに
加えて良く混練した。次に、その混練物を120℃,1
2時間乾燥後、さらに空気中で500℃,3時間焼成し
た。これを3mm〜5mmに分級し、目的の触媒を得
た。上記触媒の成分比(重量比)はPt:TiO2
0.5:99.5であった。 【0023】触媒の設置 酸化分解機能を持つバナジウム触媒を触媒反応装置排ガ
ス入口側に、脱塩素機能を有する白金触媒を排ガス出口
側に直列に設置した。 【0024】[実施例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 硫酸セリウム6水和物(Ce(NO32・6H2O)
2.5kgを蒸留水に溶解し、得られた溶液を粉末のチ
タニア19.0kgに加えて良く混練した。次に、その
混練物を120℃,12時間乾燥後、さらに空気中で5
00℃,3時間焼成した。これを3mm〜5mmに分級
し、目的の触媒を得た。上記触媒の成分比(重量比)は
CeO2:TiO2=5.0:95.0であった。 【0025】脱塩素機能を有する触媒 塩化ルテニウム3水和物(RuCl3・3H2O)259
gを蒸留水に溶解し、得られた溶液を粉末のチタニア1
9.9kgに加えて良く混練した。次に、その混練物を
120℃,12時間乾燥後、さらに空気中で500℃,
3時間焼成した。これを3mm〜5mmに分級し、目的
の触媒を得た。上記触媒の成分比(重量比)はRu:T
iO2=0.5:99.5であった。 【0026】触媒の設置 酸化分解機能を持つセリウム触媒を触媒反応装置排ガス
入口側に、脱塩素機能を有するルテニウム触媒を排ガス
出口側に直列に設置した。 【0027】[実施例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 無水クロム酸(CrO3)1.0kgを蒸留水に溶解
し、得られた溶液を粉末のチタニア19.0kgに加え
て良く混練した。次に、その混練物を120℃,12時
間乾燥後、さらに空気中で500℃,3時間焼成した。
これを3mm〜5mmに分級し、目的の触媒を得た。上
記触媒の成分比(重量比)はCrO3:TiO2=5.
0:95.0であった。 【0028】脱塩素機能を有する触媒 硫酸パラジウム(Pd(NO32)188gを蒸留水に
溶解し、得られた溶液を粉末のチタニア19.9kgに
加えて良く混練した。次に、その混練物を120℃,1
2時間乾燥後、さらに空気中で500℃,3時間焼成し
た。これを3mm〜5mmに分級し、目的の触媒を得
た。上記触媒の成分比(重量比)はPdO:TiO2
0.5:99.5であった。 【0029】触媒の設置 酸化分解機能を持つクロム触媒を触媒反応装置排ガス入
口側に、脱塩素機能を有するパラジウム触媒を排ガス出
口側に直列に設置した。 【0030】[比較例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 実施例の酸化分解機能を有する触媒の調製と同じ方法
で行った。触媒の成分比(重量比)はV25:TiO2
=5.0:95.0であった。 【0031】脱塩素機能を有する触媒の調製 実施例の脱塩素機能を有する触媒の調製と同じ方法で
行った。触媒の成分比(重量比)はPt:TiO2
0.5:99.5であった。 【0032】触媒の設置 上記2種の触媒を混合して触媒反応装置に設置した。 【0033】[比較例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 実施例の酸化分解機能を有する触媒の調製と同じ方法
で行った。触媒の成分比(重量比)はCeO2:TiO2
=4.8:95.2であった。 【0034】脱塩素機能を有する触媒 実施例の脱塩素機能を有する触媒の調製と同じ方法で
行った。触媒の成分比(重量比)はRu:TiO2
0.5:99.5であった。 【0035】触媒の設置 上記2種の触媒を混合して触媒反応装置に設置した。 【0036】[比較例] 酸化分解機能を有する触媒の調製 実施例の酸化分解機能を有する触媒の調製と同じ方法
で行った。触媒の成分比(重量比)はCrO3:TiO2
=5.0:95.0であった。 【0037】脱塩素機能を有する触媒 実施例の脱塩素機能を有する触媒の調製と同じ方法で
行った。触媒の成分比(重量比)はPdO:TiO2
0.5:99.5であった。 【0038】触媒の設置 上記2種の触媒を混合して触媒反応装置に設置した。 【0039】2.反応条件及び実験結果 上記触媒(実施例、比較例)を常圧固定床流通触媒反応
装置に充填し、触媒の活性試験を行った。この反応管を
加熱し反応温度190℃に設定、排ガスを空間速度(S
V)5,000h-1になるよう触媒層に流通、DXN類
濃度を触媒層入口と出口で反応開始5時間後と1,50
0時間後に測定し、毒性等価換算濃度に換算、それらか
ら除去率を求めた(結果−表1)。 【0040】なお、排ガスの性状は煤塵量:0.01g
/Nm3以下、SOx濃度:40ppm以下、NOx濃
度:80ppm以下、HCl濃度:90ppm以下であ
った。また、DXN類除去率は下記の定義に従った。 DXN類除去率(%)=((入口DXN類濃度−出口D
XN類濃度)÷入口DXN類濃度)×100 【0041】 【表1】 【0042】 【発明の効果】本発明により、排ガス中に含まれる有機
塩素化合物を長期間にわたり低温で効率よく分解除去で
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/44 B01J 23/46 301A 23/46 301 B01D 53/36 ZABG (72)発明者 鹿田 勉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 茂木 康弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA11 AB01 AB03 BA07X BA19X BA23X BA25X BA30X BA31X BA32X BA41X BB01 CC32 CC46 4G069 AA03 AA08 BA04B BC43B BC54B BC58B BC70B BC72B BC75B CA02 CA04 CA07 CA10 CA19 FA02 FB14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機塩素化合物を含有する排ガスを10
    0〜350℃で酸化分解能を有する触媒に接触させた
    後、100〜350℃で脱塩素機能を有する触媒に接触
    させることを特徴とする有機塩素化合物の除去方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008246437A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Tokuyama Corp ハロゲン化脂肪族炭化水素含有ガスの処理方法
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