JP2002001065A - 有機塩素化合物の分解触媒と分解方法 - Google Patents

有機塩素化合物の分解触媒と分解方法

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JP2002001065A JP2000185583A JP2000185583A JP2002001065A JP 2002001065 A JP2002001065 A JP 2002001065A JP 2000185583 A JP2000185583 A JP 2000185583A JP 2000185583 A JP2000185583 A JP 2000185583A JP 2002001065 A JP2002001065 A JP 2002001065A
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catalyst
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decomposition
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Yasuo Miyoshi
康夫 三好
Tsutomu Shikada
勉 鹿田
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JFE Engineering Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン等の有害有機塩素化合物を
低温で効率よく分解しうる方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、有機塩素化合物を、酸素の
存在下で炭酸ガス、水及び塩化水素に分解する酸化分解
触媒成分と、水蒸気の存在下で塩素を除去する脱塩素触
媒成分よりなる有機塩素化合物の分解触媒とこれを用い
た有機塩素化合物の分解方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や都市
ごみなどを処理する焼却施設等から排出される排ガス中
に含まれるダイオキシン等の有害有機塩素化合物を分解
する触媒及び分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、ごみ焼却施設等で発生するダイオ
キシン等の有害有機化合物が大きな社会問題になってお
り、その対策が種々講じられている。
【0003】例えば、特公平6−38863号公報に
は、触媒の存在下加熱することによって、炭素原子4な
いし8個を有するポリハロゲン化シクロアルキル化合物
および少なくとも炭素原子5個を有するポリハロゲン化
芳香族化合物を分解する方法であって、前記ポリハロゲ
ン化化合物で汚染された固体基質中に存在する揮発性成
分、または前記ポリハロゲン化化合物で汚染された液体
基質、または前記ポリハロゲン化化合物自体を加熱もし
くは焙焼によってガス状態に変換し、そして生成したガ
スまたは前記ポリハロゲン化化合物で汚染されたガス状
物質を、触媒として固定床の形の周期律表Ia,Ib,
IIa,IIb,IIIa,IVa,IVb,VIIbもしくはVIIIb
族の元素の金属の酸化物、またはそれらの混合物を使用
し、前記触媒との緊密な接触下酸素および水の存在下加
熱することよりなり、作業温度は200ないし550℃
であるポリハロゲン化化合物の分解方法が開示されてい
る。
【0004】また、特許第2633316号公報には、
廃棄物焼却炉排ガスを冷却後、集塵装置で除塵するとと
もに、除塵された排ガスを酸化触媒と接触させて排ガス
中の有害物質を分解させる排ガス処理方法において、前
記集塵装置により除塵された排ガスを、150〜290
℃の温度で、酸化チタン担体に五酸化バナジウムと三酸
化タングステンを担持させた触媒と接触させて前記排ガ
ス中の少なくともポリ塩素化ジベンゾダイオキシンおよ
び/またはポリ塩素化ジベンゾフランを分解する方法が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では低温での
有機塩素化合物分解能が不十分であり、排ガス中の有機
塩素化合物除去率を向上させるには、触媒量を増加させ
るかあるいは反応温度を上げる等の方策を実施する必要
があった。
【0006】本発明の目的は、ダイオキシン等の有害有
機塩素化合物を低温で効率よく分解しうる方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意検討の結果、有機塩素化合物を分解す
る触媒には、酸素の存在下で炭酸ガス、水及び塩化水素
にまで分解しうる触媒と、水蒸気の存在下で有機塩素化
合物の塩素と置換して塩素数を減少させる触媒があるこ
と、並びにこれらの両触媒を組み合わせることによって
有機塩素化合物を低温で効率よく分解しうることを見出
した。
【0008】また、これらの触媒のなかには炭素の存在
下で有機塩素化合物を無火炎燃焼させる触媒燃焼機能を
有するものがあり、この機能を有するものを選択して用
いることにより有機塩素化合物を低温でさらに効率よく
分解しうることを見出した。
【0009】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであり、有機塩素化合物を、酸素の存在下で炭酸ガ
ス、水及び塩化水素に分解する酸化分解触媒成分と、水
蒸気の存在下で塩素を除去する脱塩素触媒成分よりなる
有機塩素化合物の分解触媒と、有機塩素化合物と酸素と
水蒸気を含有するガスを100〜350℃で上記の触媒
に接触させることを特徴とする有機塩素化合物の分解方
法に関するものである。
【0010】上記の酸化分解触媒は有機塩素化合物を酸
素と反応させて炭酸ガス、水及び塩化水素にまで分解し
て無害化するものであり、脱塩素触媒は水と反応させて
塩化水素を発生させ、毒性等価係数が0のダイオキシン
の異性体に転化するものである。触媒燃焼させるもの
は、未燃チャーなどの超微粒子状の炭素質物質に吸着さ
れている有機塩素化合物を炭素質物質ごと無火炎燃焼さ
せて炭酸ガス、水及び塩化水素に分解するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の酸化分解触媒成分は、ク
ロム、コバルト、亜鉛、スズ、リン、ビスマス、アンチ
モン、テルル、ジルコニウム、ニオブ、鉛、ランタン、
セリウム、ニッケル、鉄、銅、マンガン、バナジウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1つの元素、塩或いは
酸化物またはモリブデン酸ビスマスであり、好ましいも
のはクロム、亜鉛、ジルコニウム、鉛、ランタン、セリ
ウム、ニッケル、マンガン、バナジウムの元素、塩或い
は酸化物、特に好ましいものはクロムの元素、塩或いは
酸化物である。
【0012】脱塩素触媒成分は、白金、イリジウム、ロ
ジウム、パラジウム、ルテニウム、金、レニウムからな
る群から選ばれた少なくとも1つの元素、塩或いは酸化
物、またはシリカ・チタニア、ジルコニア・チタニアか
らなる群から選ばれた少なくとも1つの複合酸化物であ
り、好ましいものは白金、ロジウム、パラジウム、ルテ
ニウム、レニウムの元素、塩或いは酸化物、特に好まし
いものはパラジウム、レニウムの元素、塩或いは酸化物
である。
【0013】また、触媒燃焼機構を有する成分は、白
金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、
セリウム、ランタン、コバルト、亜鉛からなる群から選
ばれた少なくとも1つの元素、塩或いは酸化物であり、
好ましいものはセリウムの元素、塩或いは酸化物であ
る。
【0014】本発明の多元機能触媒における酸化分解触
媒成分と脱塩素触媒成分の比率は重量比で1,000:
1〜1:1,000程度、好ましくは1:1〜10:1
程度が適当である。
【0015】本発明の触媒は担体に担持させることがで
きる。好ましい担体はチタニア、シリカ、アルミナ、珪
藻土等であり、チタニアが特に好ましい。担体の使用量
は多元機能触媒1重量部に対し1〜100重量部程度、
通常2〜9重量部程度でよい。
【0016】この触媒の製造には、この種の触媒の一般
的な調製方法を適用できる。例えば触媒の製造用原料
は、上記各金属の化合物として、硝酸塩、炭酸塩、ハロ
ゲン化物等の無機酸塩および酢酸塩、シュウ酸塩など有
機酸塩が使用される。また、触媒担体への担持操作に
は、通常の沈殿法、混練法、含浸法およびイオン交換法
などの技術が利用できる。このように調製された触媒組
成物は、必要があれば常法により焼成する。焼成は、窒
素中または空気中において、300〜700℃の温度で
1〜10時間加熱して行うのが好ましい。また、触媒を
個別に調製して混合することも可能である。
【0017】本発明の触媒は固定床、移動床等のいずれ
の形態でも使用することができる。そして触媒の大きさ
及び形状は、一般に処理ガス量、ダストの濃度、反応器
の大きさ、反応器の設置場所等により決定される。特
に、形状に関しては、円柱状、球状、ハニカム状、板状
などが考えられるが、ダスト濃度が0.05g/Nm3
以上と高いガスの場合は、ハニカム状が望ましい。
【0018】本発明の触媒の分解対象は有機塩素化合物
全般であるが、特にポリ塩素化芳香族化合物を対象とし
ており、例えば、2,3,7,8−テトラクロロジベン
ゾダイオキシンで代表されるようなポリ塩素化ジベンゾ
ダイオキシン類、2,3,4,7,8−ペンタクロロジ
ベンゾフランで代表されるようなポリ塩素化ジベンゾフ
ラン類、3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェ
ニルで代表されるようなポリ塩素化ビフェニル類、O−
クロロフェノールで代表されるような塩素化フェノール
類、クロロベンゼンで代表されるような塩素化ベンゼン
類等である。
【0019】本発明の処理対象のガスにおける有機塩素
化合物の濃度は特に制限されず、飽和濃度であってもよ
く、飽和濃度を越えていてミスト等の形態で含むもので
あってもよい。しかしながら、通常は2,3,7,8−
テトラクロロジベンゾダイオキシン換算で0.01〜5
00ng/Nm3程度、特に0.05〜10ng/Nm3
程度のものである。このガスには、有機塩素化合物に対
して、理論量以上の酸素と水蒸気が含まれている必要が
あるが、一般にごみ焼却炉等からの排ガスには酸素も水
蒸気も上記要求量をはるかに超えて含んでいるので、特
に酸素や水蒸気を添加あるいは濃度調整する必要はな
い。
【0020】分解条件としては、反応温度は100〜3
50℃程度、好ましくは150〜250℃程度、特に好
ましくは170〜190℃程度で、空間速度(触媒1m
3当りの標準状態におけるガスの供給速度)は1,00
0〜50,000h-1程度が適当である。
【0021】
【実施例】1.触媒の調製 触媒Aの調製 硝酸パラジウム(Pd(NO32)0.9kgと硝酸セ
リウム6水和物(Ce(NO32)・6H2O)12.
6kgを酸に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア
94.5kgに加え、良く混練した。次にその混練物を
120℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、3
時間焼成し、3〜5mmに分級、目的の触媒Aを得た。
上記触媒の成分比(重量比)はPdO:CeO2:Ti
2=0.5:5.0:94.5であった。
【0022】触媒Bの調製 硝酸パラジウム(Pd(NO32)0.9kgと硝酸ニ
ッケル6水和物(Ni(NO32)・6H2O)19.
5kgを酸に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア
94.5kgに加え、良く混練した。次にその混練物を
120℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、3
時間焼成し、3〜5mmに分級、目的の触媒Bを得た。
上記触媒の成分比(重量比)はPdO:NiO:TiO
2=0.5:5.1:94.4であった。
【0023】触媒Cの調製 硝酸パラジウム(Pd(NO32)0.9kgと無水ク
ロム酸(CrO3)5.0kgを酸に溶解し、得られた
水溶液を粉末のチタニア94.5kgに加え、良く混練
した。次にその混練物を120℃、12時間乾燥後、更
に空気中で500℃、3時間焼成し、3〜5mmに分
級、目的の触媒Cを得た。上記触媒の成分比(重量比)
はPdO:CrO3:TiO2=0.5:5.0:94.
5であった。
【0024】触媒Dの調製 過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)0.6kg
と無水クロム酸(CrO3)5.0kgを蒸留水に溶解
し、得られた水溶液を粉末のチタニア94.5kgに加
え、良く混練した。次にその混練物を120℃、12時
間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、3〜
5mmに分級、目的の触媒Dを得た。上記触媒の成分比
(重量比)はRe27:CrO3:TiO2=0.6:
5.1:94.3であった。
【0025】触媒Eの調製 過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)0.3kg
と硝酸ランタン6水和物(La(NO33・6H2O)
12.7kgを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末
のチタニア94.7kgに加え、良く混練した。次にそ
の混練物を120℃、12時間乾燥後、更に空気中で5
00℃、3時間焼成し、3〜5mmに分級、目的の触媒
Eを得た。上記触媒の成分比(重量比)はRe27:L
aO2:TiO2=0.3:5.0:94.7であった。
【0026】触媒Fの調製 過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)0.3kg
と硝酸酸化ジルコニウム2水和物(ZrO(NO33
2H2O)10.9kgを蒸留水に溶解し、得られた水
溶液を粉末のチタニア94.7kgに加え、良く混練し
た。次にその混練物を120℃、12時間乾燥後、更に
空気中で500℃、3時間焼成し、3〜5mmに分級、
目的の触媒Fを得た。上記触媒の成分比(重量比)はR
27:ZrO2:TiO2=0.3:5.1:94.6
であった。
【0027】触媒Gの調製 塩化ロジウム3水和物(RhCl3・3H2O)1.3k
gと硝酸鉛(Pb(NO32)7.4kgを蒸留水に溶
解し、得られた水溶液を粉末のチタニア94.5kgに
加え、良く混練した。次にその混練物を120℃、12
時間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、3
〜5mmに分級、目的の触媒Gを得た。上記触媒の成分
比(重量比)はRh:PbO:TiO2=0.5:5.
0:94.5であった。
【0028】触媒Hの調製 塩化ルテニウム3水和物(RuCl3・3H2O)1.3
kgと硝酸セリウム6水和物(Ce(NO32・6H2
O)12.6kgを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を
粉末のチタニア94.5kgに加え、良く混練した。次
にその混練物を120℃、12時間乾燥後、更に空気中
で500℃、3時間焼成し、3〜5mmに分級、目的の
触媒Hを得た。上記触媒の成分比(重量比)はRu:C
eO2:TiO2=0.5:5.0:94.5であった。
【0029】触媒Iの調製 硝酸パラジウム(Pd(NO32)0.9kg、無水ク
ロム酸(CrO)5.0kgおよび硝酸セリウム6水
和物(Ce(NO32・6H2O)12.6kgを酸に
溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア89.5kg
に加え、良く混練した。次にその混練物を120℃、1
2時間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、
3〜5mmに分級、目的の触媒Iを得た。上記触媒の成
分比(重量比)はPdO:CrO3:CeO2:TiO2
=0.5:5.0:5.0:89.5であった。
【0030】触媒Jの調製 過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)0.6k
g、無水クロム酸(CrO3)5.0kgおよび硝酸セ
リウム6水和物(Ce(NO32・6H2O)12.6
kgを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニ
ア89.5kgに加え、良く混練した。次にその混練物
を120℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、
3時間焼成し、3〜5mmに分級、目的の触媒Jを得
た。上記触媒の成分比(重量比)はRe27:Cr
3:CeO2:TiO2=0.5:5.0:5.0:8
9.5であった。
【0031】比較例 メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)6.4kg
とパラタングステン酸アンモニウム((5NH42O・
12WO3・5H2O)5.7kgを80℃に加温した1
0重量%モノエタノールアミン水溶液に溶解、得られた
溶液を粉末のチタニア90.0kgに加え良く混練し
た。次にその混練物を120℃、12時間乾燥後、更に
空気中で500℃、3時間焼成し、3〜5mmに分級、
比較の触媒を得た。上記触媒の成分比(重量比)はV2
5:WO3:TiO2=5.0:5.0:90.0であ
った。
【0032】2.反応条件及び実験結果 内径20cmのステンレス製反応器に上記触媒を11充
填し、常圧固定床流通反応装置で触媒の活性試験を行っ
た。この反応管を電気炉で加熱し反応温度160あるい
は190℃に設定、ゴミ焼却排ガスを空間速度(SV)
5,000h-1になるよう触媒層に流通、ダイオキシン
類濃度を触媒層入り口と出口で測定し、毒性等価換算濃
度に換算、それらから除去率を求めた(結果−表1)。
【0033】なお、ゴミ焼却排ガスの性状は煤塵量:
0.01g/Nm3以下、SOx濃度:30ppm以
下、NOx濃度:80ppm以下、HCl濃度:50p
pm以下、ダイオキシン類濃度:1.20ng−TEQ
/Nmであった。また、ダイオキシン類除去率は下記
の定義に従った。 DXN類除去率(%)=((入口DXN類濃度−出口D
XN類濃度)÷入口DXN類濃度)×100
【0034】さらに、触媒Iに関しては、反応温度19
0℃において各SV(2500,10000,1500
0h-1)のダイオキシン類除去実験も行った(結果−表
2)。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】参考例 触媒の調製 酸化分解触媒の調製 触媒Kの調製 硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO32・6H2O)1
9.5gを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチ
タニア95.0gに加え、良く混練した。次にその混練
物を120℃、12時間乾燥後、更に空気中で500
℃、3時間焼成し、0.5〜1.0mmに分級、目的の
触媒Kを得た。上記触媒の成分比(重量比)はNiO:
TiO2=5.0:95.0であった。
【0038】触媒Lの調製 無水クロム酸(CrO3)5.0gを蒸留水に溶解し、
得られた水溶液を粉末のチタニア95.0gに加え、良
く混練した。次にその混練物を120℃、12時間乾燥
後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、0.5〜
1.0mmに分級、目的の触媒Lを得た。上記触媒の成
分比(重量比)はCrO3:TiO2=5.0:95.0
であった。
【0039】触媒Mの調製 硝酸ランタン6水和物(La(NO33・6H2O)1
2.7gを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチ
タニア95.0gに加え、良く混練した。次にその混練
物を120℃、12時間乾燥後、更に空気中で500
℃、3時間焼成し、0.5〜1.0mmに分級、目的の
触媒Mを得た。上記触媒の成分比(重量比)はLa
2:TiO2=5.0:95.0であった。
【0040】触媒Nの調製 硝酸酸化ジルコニウム2水和物(ZrO(NO33・2
2O)10.9gを蒸留水に溶解し、得られた水溶液
を粉末のチタニア95.0gに加え、良く混練した。次
にその混練物を120℃、12時間乾燥後、更に空気中
で500℃、3時間焼成し、0.5〜1.0mmに分
級、目的の触媒Nを得た。上記触媒の成分比(重量比)
はZrO2:TiO2=5.1:94.9であった。
【0041】触媒Oの調製 硝酸鉛(Pb(NO32)7.4gを蒸留水に溶解し、
得られた水溶液を粉末のチタニア95.0gに加え、良
く混練した。次にその混練物を120℃、12時間乾燥
後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、0.5〜
1.0mmに分級、目的の触媒Oを得た。上記触媒の成
分比(重量比)はPbO:TiO2=5.0:95.0
であった。
【0042】脱塩素触媒の調製 触媒Pの調製 硝酸パラジウム(Pd(NO32)1.9gを酸に溶解
し、得られた水溶液を粉末のチタニア99.0gに加
え、良く混練した。次にその混練物を120℃、12時
間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間焼成し、0.
5〜1.0mmに分級、目的の触媒Pを得た。上記触媒
の成分比(重量比)はPdO:TiO2=1.0:9
9.0であった。
【0043】触媒Qの調製 過レニウム酸アンモニウム(NH4ReO4)1.1gを
蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア9
9.0gに加え、良く混練した。次にその混練物を12
0℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間
焼成し、0.5〜1.0mmに分級、目的の触媒Qを得
た。上記触媒の成分比(重量比)はRe27:TiO2
=1.1:98.9であった。
【0044】触媒Rの調製 塩化ロジウム3水和物(RhCl3・3H2O)2.6g
を蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア9
9.0gに加え、良く混練した。次にその混練物を12
0℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、3時間
焼成し、0.5〜1.0mmに分級、目的の触媒Rを得
た。上記触媒の成分比(重量比)はRh:TiO2
1.0:99.0であった。
【0045】触媒Sの調製 塩化ルテニウム3水和物(RuCl3・3H2O)2.6
gを蒸留水に溶解し、得られた水溶液を粉末のチタニア
99.0gに加え、良く混練した。次にその混練物を1
20℃、12時間乾燥後、更に空気中で500℃、3時
間焼成し、0.5〜1.0mmに分級、目的の触媒Sを
得た。上記触媒の成分比(重量比)はRu:TiO2
1.0:99.0であった。
【0046】反応条件及び実験結果 内径3cmのガラス製反応器に上記触媒を35ml充填
し、常圧固定床流通反応装置で触媒の活性試験を行っ
た。この反応管を電気炉で加熱し反応温度230℃に設
定、ダイオキシン類前駆体としてモノクロベンゼンを用
いた模擬ガスを空間速度(SV)5,000h-1になる
よう触媒層に流通した。そして、モノクロロベンゼン濃
度を触媒層入り口と出口で測定、それらからモノクロロ
ベンゼン除去率を、また、CO、CO2、HCl、Cl2
濃度をそれぞれ触媒層入り口と出口で測定し、その差と
入り口モノクロロベンゼン濃度からCO+CO2収率、
HCl+Cl2収率を求めた(結果−表3)。
【0047】なお、模擬ガスの性状は、モノクロロベン
ゼン濃度:1,000ppm程度、O2濃度:10%、
窒素バランスであった。また、モノクロロベンゼン除去
率、CO+CO2収率、HCl+Cl2収率はそれぞれ下
記の定義に従った。 MCBz類除去率(%)=((入口MCBz濃度−出口M
CBz濃度)÷入口MCBz濃度)×100 CO+CO2収率(%)=((出口CO+CO2濃度−入口
CO+CO2濃度)÷6÷入口MCBz濃度)×100 HCl+Cl2収率(%)=((出口HCl濃度−入口H
Cl濃度)÷入口MCBz濃度)×100+((出口Cl2
濃度−入口Cl2濃度)×2÷入口MCBz濃度)×10
【0048】
【表3】
【0049】表3より触媒Kから触媒Oは、モノクロロ
ベンゼン分解率に比べCO+CO2収率、HCl+Cl2
収率が低く、CO+CO2収率、HCl+Cl2収率がほ
ぼ同じであることから、ダイオキシン類前駆体であるモ
ノクロロベンゼンに対し酸化分解機能を有していること
が確認された。
【0050】また、触媒Pから触媒Sは、CO+CO2
収率に比べHCl+Cl2収率が高いことからダイオキ
シン類前駆体であるモノクロロベンゼンに対し脱塩素機
能を有していることが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明の触媒を用いることによってダイ
オキシン等の有機塩素化合物を低温で効率よく分解する
ことができ、分解装置のコンパクト化及び分解エネルギ
ーの節減をはかることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/89 C07D 319/24 C07B 35/06 B01D 53/36 ZABG 37/06 B01J 23/56 301A // C07D 319/24 23/64 103A (72)発明者 鹿田 勉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA11 AB01 AB03 BA06Y BA07X BA08X BA13Y BA16Y BA18X BA19X BA20X BA21Y BA22Y BA23Y BA24Y BA25X BA28Y BA29X BA31X BA32X BA33X BA35Y BA36Y BA37Y BA38X BA41X BA42X BA44Y BB01 CC38 DA03 DA13 4G069 AA03 BA02A BA04A BA04B BA05A BA05B BA20A BB04A BB06B BC21A BC21B BC22A BC25A BC26A BC31A BC33A BC35A BC42A BC42B BC43A BC43B BC51A BC51B BC54A BC55A BC58A BC58B BC62A BC64A BC64B BC66A BC67A BC68A BC68B BC70A BC70B BC71A BC71B BC72A BC72B BC74A BC75A BD07A BD10A CA04 CA07 CA10 CA19 EA02Y 4H006 AA05 AC13 AC26 BC10 BE30 BE60

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物を、酸素の存在下で炭酸
    ガス、水及び塩化水素に分解する酸化分解触媒成分と、
    水蒸気の存在下で塩素を除去する脱塩素触媒成分よりな
    る有機塩素化合物の分解触媒
  2. 【請求項2】 有機塩素化合物と酸素と水蒸気を含有す
    るガスを100〜350℃で請求項1記載の触媒に接触
    させることを特徴とする有機塩素化合物の分解方法
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