JPH10216437A - オイルミスト除去装置 - Google Patents

オイルミスト除去装置

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JPH10216437A
JPH10216437A JP9040117A JP4011797A JPH10216437A JP H10216437 A JPH10216437 A JP H10216437A JP 9040117 A JP9040117 A JP 9040117A JP 4011797 A JP4011797 A JP 4011797A JP H10216437 A JPH10216437 A JP H10216437A
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欣一 嶋
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A50/2351Atmospheric particulate matter [PM], e.g. carbon smoke microparticles, smog, aerosol particles, dust

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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルミスト除去装置のフィルタ交換作業を
簡便化すると共に、オイルミストの捕捉性能を向上させ
ること。 【解決手段】 油煙などを含む空気を吸引して粗ごみ等
を除去する入側フィルタ16が、空気吸引室15に設け
たガイドレール15U,15Lに沿って水平に移動可能
に設置される。空気吸引室の下方で別途確保した下方室
5の前室18にガイドレール5F,5Rに沿って水平に
移動できる一次濾過用フィルタ20を配置する。空気吸
引室を画成するフロントケーシング8の側面に、入側フ
ィルタを側方へ引き出すためのフロントサイドカバー8
cを設け、下方室を画成するロアケーシング6の側面
に、一次濾過用フィルタを側方へ引き出すためのロアサ
イドカバー6cを設ける。壁面近くに設置されている場
合でも、各フィルタを簡単に側方へ引き出すことができ
また一次濾過用フィルタにおける捕捉作用が飛躍的に向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオイルミスト除去装
置に係り、詳しくは、機械加工作業場などで発生する油
煙を羽根車の回転によって吸引し、多段フィルタ構造を
用いてオイルミストを段階的に捕捉することにより、空
気の浄化を図るようにしたオイルミストの除去装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】工場などで発生する塵埃や油煙を除去す
るために用いられているオイルミスト除去装置は、例え
ば実開平7−512号公報に記載されているように、多
数の通気孔を有して羽根車であるラジアルファンと一体
に高速回転するドラムの内面に主フィルタを嵌着してお
き、羽根車によって吸引された空気からオイルミストな
どを捕捉するようにしている。
【0003】オイルミストは、放射状に延びてドラムの
内面に至る平板状の羽根をディスクに配置したいわゆる
パドルファンの軸方向から導入される空気が遠心力を受
けてフィルタを通過するとき捕捉される。しかし、オイ
ルミストや塵埃が多量に付着すると目詰まりするので、
フィルタを定期的に交換する必要がある。もちろん、空
気の吸込口と羽根車室との間の空気吸引室に配置された
入側フィルタや、羽根車室後部の背後室に設けた吐出口
の近傍に設置される出側フィルタも、主フィルタほどに
激しく目詰まりすることはないが必要に応じて交換され
る。なお、これらのフィルタとしては、通常ある一定の
厚みのある不織布や多重構造の繊維質フィルタ等が採用
される。
【0004】このようなオイルミスト除去装置において
は、そのケーシングの前後面に着脱可能なカバーが取り
付けられているので、フロントカバーを外せば入側フィ
ルタはそのカバーと共にケーシングから取り除くことが
できる。また、主フィルタは羽根車と共にまたは独立し
て前方へ取り出すことができる。一方、リヤカバーを取
り外せば、出側フィルタをケーシングの後方へ引き出す
ことができる。すなわち、水平軸配置の駆動モータに取
り付けた羽根車の軸方向から、全てのフィルタを取り出
すようにしている。
【0005】ところで、リヤカバーには清浄となった空
気を大気中へ排気する吐出口が設けられているだけであ
るので、リヤカバーの取外操作は極めて手軽に行うこと
ができる。その反面、吸込口を備えるフロントカバーに
は当然のことながら浄化すべき空気を導入するための配
管が接続されているので、いちいち空気導入管との接続
を解く作業が必要となる。したがって、入側フィルタと
主フィルタの交換に手間や時間を要し、大型の装置など
においては各部材の重量が嵩み、フィルタ交換作業に重
労働が強いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】フィルタの交換を容易
にした一例として、図7に示すようにな構造のオイルミ
スト除去装置31がある。この装置においては、前述と
同様な入側フィルタ32と、羽根車33の周囲空間に配
置して主ケーシング34に支持された円筒状の三層ドラ
ムフィルタ35と、吐出口36の直下に配置された出側
フィルタ37と備えている。
【0007】この例では、入側フィルタ32を収容して
いる入側ケーシング38にトップカバー38cが設けら
れているので、それを開けば入側フィルタ32を上方へ
抜き取ることができる。また、出側フィルタ37を収容
している出側ケーシング39にはリヤカバー39cが設
けられており、これを外せば出側フィルタ37をガイド
レール39U,39Lに沿って後方へ引き出すことがで
きる。
【0008】しかし、羽根車33を収容する主ケーシン
グ34は、止め金具40を緩めて入側ケーシング38を
取り除くか片開き式に例えば左方向へ開かなければ開放
されないので、汚れの激しいドラムフィルタ35を前方
へ抜き出すためには、吸込口41と空気導入管42との
接続を解かなければならない。
【0009】ところで、オイルミスト除去装置は切削等
の工場建屋内の油煙を含む空気を浄化するために使用さ
れるので、その建屋の外などにおいて建屋壁面近くで邪
魔にならないように設置されることが多く、壁際での入
側ケーシングと空気導入管との分離作業に手間取る。ま
た、止め金具を外しても建屋壁が邪魔になって主ケーシ
ングを開くことができなくなったりする不便があり、メ
ンテナンス時の作業性が著しく低下する。
【0010】一方、フィルタの構造や配置に着目する
と、図7の例では、羽根車33の周囲に設けられてケー
シングに固定した状態にあるドラムフィルタ35の周囲
から外周空間34aへ抜け出た空気は下方室34bへ移
動され、セパレータデミスタ43を経て密構造の出側フ
ィルタ37へ入り、浄化された空気が吐出口36から大
気中へ放出される。空気の流れがこのような経路をたど
る途中で以下の難点が生じる。
【0011】羽根車33の半径方向へ送り出された空気
は、ドラムフィルタ35の全周面を透過して外周空間3
4aへ流れ出る。空気に随伴したオイルミストの大部分
がほぼドラム全面で捕捉され、フィルタに滲み込んだオ
イルミストが液滴となる。この液滴がドラム自体を伝っ
て下降するので、油滴がドラム下半部の濾過面の目詰ま
りを助長する。それゆえ、空気の流通量が最も多いはず
の下半部での空気の透過や濾過作用が阻害されやすくな
る。したがって、羽根車を出た空気はドラム上半部を透
過する傾向となり、空気の流れを利用してドラム下半部
に付着する油滴を下方室34bへ落とす作用も低下し、
フィルタの交換頻度がますます高くなる欠点がある。
【0012】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、吸込口を空気導入管から離脱させる必
要がなく、建屋壁等に近接して設置されていても各フィ
ルタを簡単に取り出し、メンテナンス時の作業性の飛躍
的な改善を図ること、羽根車を通過した直後の空気の濾
過作用を長期にわたり維持し、また、吸引空気からのオ
イルミストの除去効果を吐出口に至るまでの間で一層向
上させることができることを実現したオイルミスト除去
装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、オイルミスト
を含んだ空気をケーシング内に設置した羽根車の回転に
よって略水平方向に吸引し、空気導入管に接続された吸
込口と羽根車室との間の空気吸引室に配置した入側フィ
ルタにより吸引空気から主としてダストを除去し、除塵
空気を羽根車室から下方室を経て羽根車室後部の背後室
に設けた吐出口に向けて送気するケーシング内のU字状
通路の途中にオイルミストを除去するフィルタが配置さ
れ、吸引空気からオイルミストを捕捉して浄化すること
ができるようにした装置に適用される。その特徴とする
ところは、図1を参照して、入側フィルタ16は、空気
吸引室15に設けた左右に延びる上下のガイドレール1
5U,15Lに沿って水平に移動することができる垂直
姿勢のボックス状のフィルタホルダ16Aに収納されて
いる。下方室5は下方で連なる前室18と後室19とを
画成する仕切壁17を備え、その前室18には、左右に
延びる前後のガイドレール5F,5Rに沿って水平に移
動することができる水平姿勢のボックス状のフィルタホ
ルダ20Aに収納したオイルミストの一次濾過用フィル
タ20が配置される。背後室12には、羽根車1を駆動
する水平軸配置の駆動モータ9が格納されると共に、吐
出口21へ向かうオイルミストの二次濾過用フィルタ2
6が配置される。そして、空気吸引室15を画成するフ
ロントケーシング8の側面に、入側フィルタ16を側方
へ引き出すためのフロントサイドカバー8cが設けられ
ると共に、下方室5を画成するロアケーシング6の側面
に、一次濾過用フィルタ20を側方へ引き出すためのロ
アサイドカバー6cが設けられていることである。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、入側フィルタと一次濾
過用フィルタと二次濾過用フィルタとによる三段階の濾
過作用によってオイルミストを吸引空気から除去するこ
とができる。一次濾過用フィルタは、入側フィルタで粗
大ごみの除去された空気の流通方向と一次濾過用フィル
タから滴下する油滴の方向とが完全に一致するような経
路に配置されているので、オイルミストの分離が促進さ
れかつ目詰まりの発生を可及的に抑えることができる。
また、一次濾過用フィルタへ直接滴下する油滴は羽根車
室のケーシングの内壁に沿って流落するものであって一
次濾過用フィルタの周縁部に集中するため、空気が通過
する濾過面の大部分は油滴による目詰まりが少なくな
り、空気の流通や微細なオイルミストの捕捉が促進され
る。
【0015】少なくとも入側フィルタおよび一次濾過用
フィルタはそれぞれのサイドカバーから装置のいずれか
の側方へ引き出すことができるので、吸込口と空気導入
管との接続を解くまでもなくまたフロントケーシングを
本体から外す必要もなくフィルタの交換が可能となっ
て、メンテナンス時の作業負担が大幅に軽減される。装
置が大型である場合には特にその軽減効果が著しい。そ
れゆえに、工場建屋の壁面に接近して設置しておくこと
もでき、本装置のレイアウトの自由度が大きくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るオイルミス
ト除去装置を、その実施の形態を示した図面に基づいて
詳細に説明する。図1は、水平な回転軸を有するパドル
ファン形式の遠心式羽根車1とその上下流側に設置され
た幾つかのフィルタを備えるオイルミスト除去装置2の
縦断面図である。
【0017】このオイルミスト除去装置2のケーシング
は、上方室3を画成するアッパケーシング4と下方室5
を画成するロアケーシング6とからなるメインケーシン
グ7と、そのメインケーシングの前面に取り付けられた
フロントケーシング8とからなる。オイルミストを含ん
だ空気を略水平方向に吸引する羽根車1とこの羽根車を
駆動する駆動モータ9は上方室3に設置される。この上
方室3は隔壁10によって前後に画成され、水平軸配置
の駆動モータ9が羽根車室11の後部に確保した背後室
12に収容されるように、その隔壁10に固定されてい
る。
【0018】フロントケーシング8は空気導入管13に
接続される吸込口14を備え、その吸込口と羽根車室1
1との間に空気吸引室15が確保され、この空気吸引室
に入側フィルタ16が配置される。ロアケーシング6は
羽根車室11と背後室12との間にU字状通路を形成さ
せるものであり、ロアケーシング6により画成された下
方室5は上方室3の隔壁10に連なる仕切壁17を備え
て、下方室5を前室18と後室19とに仕切っている。
そして、この前室18には後述する一次濾過用フィルタ
20が配置される。なお、この仕切壁17は下方室5を
完全に二分するのではなく、前室18と後室19とが下
方室5の下方で連なり、空気が前室18から後室19へ
移動することができるようになっている。
【0019】背後室12の後面にはエルボ型の吐出口2
1を有したリヤカバー22が取り付けられるが、駆動モ
ータ9を外囲して背後室12を内室23と外周室24に
画成するように円筒状の二次濾過用フィルタ26が設置
される。このような構造により、オイルミストを含んだ
空気を羽根車1の回転によって略水平方向に吸引すれ
ば、まず入側フィルタ16により吸引空気から主として
ダストが除去され、その除塵空気を羽根車室11から下
方室5を経て背後室12に至るU字状通路の途中に設け
た一次濾過用フィルタ20でオイルミストを除去し、吐
出口21に至る前に再度二次濾過用フィルタ26により
微細な油滴を取り除いて、吸引空気から油煙等を含んだ
吸引空気を浄化することができるようになっている。
【0020】このオイルミスト除去装置2においては、
入側フィルタ16が、空気吸引室15に設けた左右に延
びる上下のガイドレール15U,15Lに沿って水平に
移動することができる垂直姿勢のボックス状のフィルタ
ホルダ16Aに収納される。このフィルタホルダは、例
えばスポンジ質のポリウレタンフォーム等からなるフィ
ルタ材の保形を図るべく、プラスチック材等で形成され
た枠体構造となっている。
【0021】上下一対のガイドレール15U,15L
は、フロントケーシング8の前壁から後方へ向けて張り
出す棚板8aに形成されている。下側のガイドレール1
5Lには中央部全面に切欠き15aが施され、入側フィ
ルタ16で捕捉した油滴を排油孔8bに向けて落とすこ
とができるようになっている。なお、フィルタホルダ1
6Aの前面には、ステー16aを介して吸引空気中の粗
いダストや大きいオイルミストを衝突させて吸引空気か
ら分離落下させるバッフルプレート16Bが備えられ
る。これによって入側フィルタ16での目詰まりの軽減
が図られている。
【0022】仕切壁17により下方で後室19と連なる
ように仕切られた下方室5の前室18には、左右に延び
る前後のガイドレール5F,5Rに沿って水平に移動す
ることができる水平姿勢のボックス状のフィルタホルダ
20Aに収納したオイルミストの一次濾過用フィルタ2
0が配置される。この一次濾過用フィルタ20は例えば
10μmのポリエステル繊維の不織布を図2の右側に示
すごとくプリーツ(襞)状にして濾過面を広くしたフィ
ルタであり、フィルタホルダ20Aはプリーツ状フィル
タを支持すべく枠体構造となっている。
【0023】図1に戻って、背後室12には、羽根車1
を駆動する水平軸配置の駆動モータ9が格納されると共
に、吐出口21へ向かうオイルミストの二次濾過用フィ
ルタ26が配置されるが、その円筒状フィルタを支持す
るために円筒ケージ26Bが設けられる。この円筒ケー
ジは基部のリング状取付板26aを介して駆動モータ9
を固定している隔壁10に取り付けた架台7aの後端に
取り付けられる。すなわち、隔壁10に駆動モータ9を
外囲する円筒ケージ26Bが固定され、この円筒ケージ
に二次濾過用フィルタ26を収納する枠体構造のリング
状のフィルタホルダ26Aが外挿して支持される。
【0024】円筒ケージ26Bは、線材を円形に曲げた
複数のリング26bと、それを等間隔に保持するため、
外側に溶接止めした水平な複数の横筋26cとから構成
されている。その横筋の基部側は外方へ折り曲げられて
リング状取付板26aに固定され、先端側は円筒状のフ
ィルタ26を容易に外嵌できるように内方へ折り曲げら
れている。
【0025】図のように、円筒ケージ26Bに二次濾過
用フィルタ26が外嵌されると、前述したごとく、背後
室12の周囲部位に略円環状の外周室24と清浄化され
た空気が流通する内室23とが形成される。それゆえ、
駆動モータ9の本体の雰囲気はオイルミストが伴わず、
駆動モータ9の汚れることが可及的に抑えられる。
【0026】前記した円筒ケージ26Bに取り付けられ
る二次濾過用フィルタ26は、外周室24から半径方向
内方へ移動する空気を清浄にするもので、水平な姿勢で
装着されることから、一次濾過用フィルタ20と同様に
プリーツ状フィルタが採用される。これは2μm程度の
ポリエステル繊維の不織布であって図3に示すごとく円
環状とされ、前述したフィルタホルダ26Aに収納さ
れ、オイルミストの効率よい捕捉と油滴の滴下を図るよ
うに配慮されている。
【0027】このようなオイルミスト除去装置2におい
て、図1に示した吸込口14と空気導入管13との接続
をいちいち解除することなく、しかも図4のように、近
くに壁面27が迫っていても円滑に各フィルタを交換す
ることができるように、以下の構造が採用される。図2
を参照して、空気吸引室15を形成するフロントケーシ
ング8の側面には、入側フィルタ16(図1を参照)を
側方へ引き出すためのフロントサイドカバー8cが設け
られ、下方室5を形成するロアケーシング6の側面に
も、一次濾過用フィルタ20を側方へ引き出すためのロ
アサイドカバー6cが設けられる。
【0028】図1においてもフロントサイドカバー8c
とロアサイドカバー6cとのおおよその位置が把握でき
るように、それらが二点鎖線で示されている。ちなみ
に、下方室5の底部には、一次濾過用フィルタ20から
滴下する油滴と、二次濾過用フィルタ26から後室19
へ滴下する油滴とを纏めて排出する排油孔6bが設けら
れている。
【0029】前記した二次濾過用フィルタ26は、内室
23に連なる吐出口21を備えたリヤカバー22をアッ
パケーシング4から取り除くことによって、後方へ引き
出すことができるようになっている。
【0030】このように構成された遠心送風式オイルミ
スト除去装置は、次のようにして、機械工場などでの切
削作業に伴って発生する油煙を吸引し、各フィルタによ
って塵埃やオイルミストを捕捉し、そのオイルミストを
油滴化して排出することができる。
【0031】図1に示す吸込口14に可撓な空気導入管
13などを接続し、その他方端を油煙の立つところに配
置する。駆動モータ9によって羽根車1を回転させる
と、その吸引作用で油煙が吸込口14から導入される。
吸引空気はまずフィルタホルダ16Aの前面に設けたバ
ッフルプレート16Bで遮られるので、粗いダストや油
滴が衝突して吸引空気から分離される。
【0032】バッフルプレート16Bを迂回した吸引空
気はフロントケーシング8に支持された入側フィルタ1
6を通過する間に、細かいごみやオイルミストの一部が
捕捉される。入側フィルタ16で凝集したオイルミスト
は油滴となって流下し、ガイドレール15Lに設けた切
欠き15aから底部へ落ち、排油管8bから取り出され
る。なお、この入側フィルタ16においては、ダストの
みならずオイルミストの約90%ないし95%が除去さ
れる。
【0033】入側フィルタ16で初期浄化された空気は
メインケーシング7の前面に形成したガイド部材8fの
通路で案内されるようにして円滑に羽根車1に流入し、
羽根11aによって加圧され半径方向に向きを変えて下
方室5の前室18に向かう。このとき羽根車1によって
飛散したオイルミストは羽根車室11の内面に油滴とな
って付着し壁面を伝って流落する。一方、空気は一次濾
過用フィルタ20へ向かうが、一次濾過用フィルタ20
を透過する空気には細かいオイルミストのみが伴われる
ことになる。
【0034】アッパケーシング4の内面もしくは羽根車
1の上半部を覆うように設けた二点鎖線で示す整流プレ
ート4aの内面を伝う大きい油滴は、図示しないガイド
プレートを経て一次濾過用フィルタ20の周縁部に流れ
落ちる。したがって、一次濾過用フィルタ20の周縁部
が油滴によって目詰まりすることがあっても、その中央
の大部分は目詰まりが少なくなり、細かい油滴を除去し
ながら空気をロアケーシング6内のU字状通路の後半部
を形成する後室19へ円滑に送り出す。
【0035】この場合、一次濾過用フィルタ20では油
滴が空気の流れに沿って下方へ落ちることになり、空気
の流れを利用して一次濾過用フィルタ20からの油滴の
落下を促す。この一次濾過用フィルタ20では比較的大
きい油滴が捕捉され、その量は吸引空気に含まれたオイ
ルミストの9%ないし4%にもなる。この一次濾過用フ
ィルタ20はプリーツ状となっているので濾過面積が大
きい。したがって、オイルミストの捕捉効果が高いだけ
でなく、一次濾過用フィルタ20に滲み込んだオイルミ
ストが谷部20a(図2を参照)に集まり油滴となって
谷部を伝わり、排出が容易となる。もちろん、峰部20
bや斜面部20cには油滴が停滞することがなく目詰ま
りの少ない濾過面が広く確保される。
【0036】ちなみに、図5に破線示すが、プリーツ状
のフィルタ20を、フィルタホルダ20A内で例えば後
室19に向けて下り傾斜して配置しておけば、谷部20
aに集まった油滴が流れ落ちやすくなる。なお、図1に
示した水平配置のプリーツ状のフィルタを採用する場
合、ガイドレール5F,5Rの高さ位置を少し違えてフ
ィルタホルダ20Aを少し傾けておいてもよいことは勿
論である。
【0037】一次濾過用フィルタ20を透過して前室1
8から後室19へ進んむ空気は上昇して背後室12に入
り、リング状をなす外周室24の全周から密な二次濾過
用フィルタ26を透過して内室23へ移動する。この間
の流れにおいて、二次濾過用フィルタ26で吸引空気中
の残部の細かいオイルミストが滲み込むようにして捕捉
される。
【0038】捕捉されたオイルミストは、円筒状の横置
きとなっている二次濾過用フィルタ26を伝う間に凝集
し、後室19へ落ちる。この油滴は一次濾過用フィルタ
20からの油滴と共に下方室5の底部に確保された油溜
めの排油孔6bから排出される。一方、清浄となった空
気は、吐出口21から大気中へ放散される。
【0039】以上の説明から分かるように、本オイルミ
スト除去装置においては従来技術のところで述べた装置
と同様にフィルタが三箇所に配置されて段階的にオイル
ミストを除去するようにしているが、特徴的な点は羽根
車の周囲に設けた円筒状のフィルタでオイルミストを捕
捉するのではなく、羽根車の回転によって送り出す空気
からオイルミストを放射状に飛散させる点にある。その
結果、羽根車を出て一次濾過用フィルタを透過する空気
中のミスト含有量を可及的迅速に希少化し、一次濾過用
フィルタの目詰まりを抑制する。
【0040】その一方で、羽根車により飛散された大き
い油滴を一次濾過用フィルタの周縁部において捕捉し滴
下させるようにしているので、一次濾過用フィルタにお
ける透過空気からのオイルミストの除去も容易なものと
なる。もちろん、一次濾過用フィルタからの大きい油滴
の滴下は、一次濾過用フィルタ20を流通して下方へ向
かう空気と同じ方向となっており、その滴下作用が向上
しひいては目詰まりを抑制するように機能する。
【0041】以上はオイルミスト除去装置における濾過
作用を説明したが、以下に各フィルタの交換作業につい
て述べる。オイルミスト除去装置を使用しているうちに
フィルタに目詰まりが発生することは避けられない。ま
ず、フロントケーシング8の側面のフロントサイドカバ
ー8cを開くべく、図2に示したフロントケーシング8
の上下面に取り付けたクランプ8d,8dを外してフロ
ントサイドカバー8cを取り除く。空気吸引室15に設
けた左右に延びる上下のガイドレール15U,15L
(図1を参照)に沿ってフィルタホルダ16Aをバッフ
ルプレート16Bと共に水平に移動させることによっ
て、入側フィルタ16は空気吸引室15から簡単に引き
出される。
【0042】もちろん、フロントサイドカバー8cをフ
ロントケーシング8の左右側面に設けておけば、いずれ
かの側が壁面に近接していても他方から入側フィルタ1
6を引き出すことができることは述べるまでもない。従
来技術の図7においては入側フィルタ32を上方へ抜き
取るようにしているので、持ち上げられた入側フィルタ
32から油滴が入側ケーシング38に滴下することもあ
るが、本発明の構造においてはそのようなことも少なく
なるだけでなく、装置が大型の場合でもその取り出し操
作が極めて容易となる。
【0043】次に、一次濾過用フィルタ20を取り出す
ときは、ロアケーシング6の前後面に取り付けたクラン
プ6d,6dを外してロアサイドカバー6cを取り除
く。一次濾過用フィルタ20を収納したフィルタホルダ
20Aを、前室18で左右に延びるガイドレール5F,
5Rに沿って引き出せば、簡単に取り出して交換するこ
とができる。
【0044】ロアサイドカバー6cをロアケーシング6
の左右側面に設けておけば、いずれかの側が壁面に近接
していても他方から引き出すことができる。従来技術の
項で述べた公報記載の装置や図7の例においては一次濾
過用フィルタ20に相当するフィルタ35が円筒状であ
り、このように簡単に取り除くことができるものではな
い。
【0045】二次濾過用フィルタ26は円筒状であって
駆動モータ9を外囲しているので、側面から取り除くこ
とはできない。しかし、アッパケーシング4の後面に設
けたリヤカバー22(図1を参照)を、アッパケーシン
グ端部のクランプ4d,4dを解除して取り除くことが
できる。したがって、円筒ケージ26Bからフィルタホ
ルダ26Aを引き出せば、二次濾過用フィルタ26を簡
単に取り出すことができる。
【0046】以上の各フィルタは逆の手順により新しい
ものに置き換えることができるが、いずれも水平移動の
操作だけであり、メンテナンス作業における労力の大幅
な軽減が図られる。いずれの場合も、各ケーシングに手
を入れる必要がなく交換動作が極めて簡便化される。な
お、フィルタの構造や資質は前掲したものに限らず、公
知の他のもの例えば軟質フィルタ等を適宜多層構造とし
たものや、場合によっては金網を伴ったものを採用する
こともできる。しかし、本オイルミスト除去装置の構造
や機能を配慮すると、とりわけ一次濾過用フィルタ20
においてはプリーツ状のフィルタが好適である。
【0047】ちなみに、二次濾過用フィルタ26として
は、最内層と最外層とをプラスチックを発泡させてスポ
ンジ状の三次元構造としたポリウレタンフォームなどの
スポンジ質フィルタとし、中間層にポリプロピレン繊維
を重ねた不織布等の密度の高い繊維質フィルタを採用し
た三層構造としてもよい。いずれの形式のフィルタであ
っても、円筒ケージ26Bに外嵌させてリヤカバー22
を固定したときリング状取付板26aとに挟まれて少し
圧縮変形し、その取付状態が安定でありかつ外周室24
と内室23との十分な仕切りとなるように配慮される。
【0048】ところで、二次濾過用フィルタは前述の円
筒状に限らず、図5に示すように、一次濾過用フィルタ
20と同じ形態の二次濾過用フィルタ28を採用するこ
ともできる。下方室5の後室19と上方室3の背後室1
2とを画成する境界部分に設けた左右に延びる前後のガ
イドレール19F,19Rに沿って水平に移動すること
ができる水平姿勢のボックス状のフィルタホルダ28A
に、プリーツ状フィルタもしくは他の公知のフィルタ材
を収納しておけばよい。背後室12には浄化された空気
のみが流通するので、駆動モータ本体が汚れることは可
及的に抑制される。この場合には、吐出口21をリヤカ
バー22に設けることに代えて、アッパケーシング4の
上面に開口させておくこともできる。
【0049】二次濾過用フィルタ28にプリーツ状フィ
ルタを採用するときは、一次濾過用フィルタ20の場合
と同様に、フィルタホルダ28A内で例えば前室18に
向けて下り傾斜して配置しておけば、滲み込んだオイル
ミストが谷部28aを伝わって、排出が容易となる。も
ちろん、峰部や斜面部には油滴が停滞することがなく目
詰まりの少ない濾過面が広く確保される。
【0050】図6に示すように、二次濾過用フィルタ2
9を、背後室12の後面に設けた吐出口21の開口部分
で左右に延びる上下のガイドレール12U,12Lに沿
って水平に移動することができる垂直姿勢のボックス状
のフィルタホルダ29Aに収納しておいてもよい。図5
および図6の例において、二次濾過用フィルタ28,2
9を取り出すために、二点鎖線で示したサイドカバー1
9c,12cから引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオイルミスト除去装置の全体縦
断面図。
【図2】 オイルミスト除去装置の全体外観図。
【図3】 図1中の III−III 線の矢視断面図。
【図4】 壁面近くに設置されたオイルミスト除去装置
の概略図。
【図5】 異なる例のオイルミスト除去装置の全体縦断
面図。
【図6】 さらに異なる例のオイルミスト除去装置の全
体縦断面図。
【図7】 従来例としてのオイルミスト除去装置の全体
縦断面図。
【符号の説明】
1…羽根車、5…下方室、5F,5R…ガイドレール、
6…ロアケーシング、6c…ロアサイドカバー、8…フ
ロントケーシング、8c…フロントサイドカバー、9…
駆動モータ、11…羽根車室、12…背後室、13…空
気導入管、14…吸込口、15…空気吸引室、15U,
15L…ガイドレール、16…入側フィルタ、16A…
フィルタホルダ、17…仕切壁、18…前室、19…後
室、20A…フィルタホルダ、20…一次濾過用フィル
タ、21…吐出口、26,28,29…二次濾過用フィ
ルタ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルミストを含んだ空気をケーシング
    内に設置した羽根車の回転によって略水平方向に吸引
    し、空気導入管に接続された吸込口と羽根車室との間の
    空気吸引室に配置した入側フィルタにより吸引空気から
    主としてダストを除去し、除塵空気を羽根車室から下方
    室を経て羽根車室後部の背後室に設けた吐出口に向けて
    送気するケーシング内のU字状通路の途中にオイルミス
    トを除去するフィルタが配置され、吸引空気からオイル
    ミストを捕捉して浄化することができるようにした装置
    において、 前記入側フィルタは、前記空気吸引室に設けた左右に延
    びる上下のガイドレールに沿って水平に移動することが
    できる垂直姿勢のボックス状のフィルタホルダに収納さ
    れ、 前記下方室は下方で連なる前室と後室とを画成する仕切
    壁を備え、その前室には、左右に延びる前後のガイドレ
    ールに沿って水平に移動することができる水平姿勢のボ
    ックス状のフィルタホルダに収納したオイルミストの一
    次濾過用フィルタが配置され、 前記背後室には、前記羽根車を駆動する水平軸配置の駆
    動モータが格納されると共に、前記吐出口へ向かうオイ
    ルミストの二次濾過用フィルタが配置され、 前記空気吸引室を画成するフロントケーシングの側面
    に、前記入側フィルタを側方へ引き出すためのフロント
    サイドカバーが設けられ、 前記下方室を画成するロアケーシングの側面に、前記一
    次濾過用フィルタを側方へ引き出すためのロアサイドカ
    バーが設けられていることを特徴とするオイルミスト除
    去装置。
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