JP3007662U - 除塵装置のルーバー - Google Patents

除塵装置のルーバー

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JP3007662U JP1994009841U JP984194U JP3007662U JP 3007662 U JP3007662 U JP 3007662U JP 1994009841 U JP1994009841 U JP 1994009841U JP 984194 U JP984194 U JP 984194U JP 3007662 U JP3007662 U JP 3007662U
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昭次 赤松
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株式会社赤松電機製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用枚数の少ない割に高効率での塵埃捕集を
行える除塵装置のフィルターを得る。 【構成】 ケーシング内に形成された被処理気体の処理
経路中に、その処理経路内の気体流れを横断する状態に
板面部材19を位置させ、この板面部材19に多数の通
気部23を形成してあるルーバーにおいて、 前記板面
部材19に形成される個々の通気部23を、板面に気体
流れ方向の下手側に向けて打ち出し形成した案内用突片
24と、突片の打ち抜きによって板面に形成された貫通
孔25とで構成するとともに、前記案内用突片24によ
って構成される気体案内面24aを、板面から離れるに
したがって漸次板面に対する交差角αが大きくなる湾曲
面に形成し、 かつ、前記案内用突片24の突出端側に
おける流出角βを約13〜40度に設定してある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、オイルミストや油煙、あるいは塵埃を含む気体や霧状気体などの被 処理気体を処理対象として、被処理気体中から塵埃を除去するための除塵装置に 用いるルーバーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の除塵装置のルーバーとしては、従来より、下記の[1] および[2] に記 載のものが知られている。 [1] 図16(イ)乃至(ハ)に記載のように、板面部材に多数の切込みを千鳥状 に形成し、その切込み部分を拡開することで、板面全体を網目状に変形させて通 気部を形成したもの。 [2] 図17に記載のように、板面部材に気体流れ方向の下手側に向けて多数の案 内用突片を打ち出し形成し、その突片と、突片の打ち抜きによって板面に形成さ れた貫通孔とで通気部を構成したもの。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
前記[1] に記載の従来技術によれば、板面部材に形成される通気部での気体の 流動方向変化が僅かであるため、被処理気体の流線のすべてに対して板面部材を 接触させようとすれば、多数枚の板面部材を重ね合わせる必要があり、そのよう に多数枚の板面部材を用いないと所望の捕捉効率を得ることができず、装置の大 型化、重量化を招き易いばかりでなく、目詰まりを生じ易いものであった。 前記[2] に記載の従来技術によれば、板面部材に形成した案内用突片によって 気体の流動方向を比較的大きく変化させられるため、比較的少ない使用枚数で被 処理気体の流線のすべてに対して板面部材を接触させ易いものであるが、捕捉効 率の面ではあまり優れたものではなかった。 本考案の目的は、使用枚数の少ない割に高効率での塵埃捕集を行える除塵装置 のフィルターを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本考案の技術手段は、ケーシング内に形成さ れた被処理気体の処理経路中に、その処理経路内の気体流れを横断する状態に板 面部材を位置させ、この板面部材に多数の通気部を形成してあるルーバーにおい て、前記板面部材に形成される個々の通気部を、板面に気体流れ方向の下手側に 向けて打ち出し形成した案内用突片と、突片の打ち抜きによって板面に形成され た貫通孔で構成するとともに、前記案内用突片によって構成される気体案内面を 、板面から離れるにしたがって漸次板面に対する交差角が大きくなる湾曲面に形 成し、かつ、前記案内用突片の突出端側における流出角を約13〜40度に設定 したことである。 同様の目的で、前記板面部材の複数枚を配設するに際して、前記板面部材を重 ね合わせ状態に併設し、かつ、前面側の板面部材の案内用突片の気体案内面の案 内方向と、後面側の板面部材の案内用突片の気体案内面の案内方向とを90度づ つ変化するように配置するとよい。
【0005】
【作用】
上記の技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。 すなわち、板面部材の通気部に形成された案内用突片によって気体の流動方向 を比較的大きく変化させて、被処理気体の流線に対する板面部材の接触効率を向 上させられるとともに、前記案内用突片の気体案内面を湾曲させ、かつ、その湾 曲した案内用突片の突出端側における流出角を約13〜40度に設定したことに より、単なる偏平板状の案内用突片を備えたものよりもはるかに効率よく捕集す ることができた。 また、通過風速の変化による捕捉効率の変化も少なく、広い風速範囲で良好な 塵埃捕捉を行える。
【0006】
【考案の効果】
従って、本考案によれば、板面部材の使用枚数の少ない割に捕集効果を向上で きる。また、良好な捕捉効率での塵埃捕捉を、風速領域の広範囲で維持できる。 また、請求項2に記載の構成によれば、方向変換させられた被処理気体を板面 部材の広範囲にわたってムラなく分散させ易く、一方向にのみ案内する構造のも のに比べて、より捕集効果を上げることができる。
【0007】
【実施例】
以下に、本考案の実施例を図面の記載に基づいて説明する。 本考案の除塵装置は、ケーシング1の内部に、被処理気体を通過させる途中で 塵埃を除去処理する処理経路を備えたものであり、その処理経路には、吸気口4 から吸引導入された被処理気体中の比較的粗大な塵埃を除去処理する前処理部5 と、その前処理部5を通過した気体に遠心力を与えて被処理気体中の中程度の塵 埃を除去処理する中間処理部6と、その中間処理部6を通過した気体中の微細塵 埃を除去処理する最終処理部7とを設けてある。
【0008】 前記ケーシング1は、内部に前処理部5を内装する前処理ケース2と、中間処 理部6と最終処理部7とが内装される本体外装ケース3との組み合わせて構成さ れ、前処理ケース2は本体外装ケース3に対して着脱自在に構成されている。
【0009】 前記前処理ケース2に内装される前処理部5は、前処理ケース2前面に形成の 被処理気体の吸気口4に対面する状態で設けられたバフラーユニット10と、そ の背面側に設けられたルーバーユニット11との組合せで構成されている。
【0010】 前記バフラーユニット10は、金属板製の浅底皿状の障壁体12の前面側に被 処理気体と衝突する受け面12Aを備え、この受け面12Aに金属製フィラメン トの集合体からなる第1フィルター13を貼着して構成されている。この障壁体 12は、その受け面12Aの外周部に環状フード12Bを設けてあって、前記吸 気口4から導入された被処理気体が前記浅底皿状の壁面で構成される受け面12 Aに衝突した際、その被処理気体が半径方向外方側へ逃げ出すのに抵抗を与える ように構成されている。また、前記環状フード12Bのうちの下端側周面には、 下方側への被処理気体の移動を許す排出孔14が形成されており、前記受け面1 2Aに衝突した被処理気体の動圧が下向きに作用するように構成されている。 これによって、前記受け面12Aに衝突した被処理気体中のオイルミストの大 きめの粒子や粗大塵埃が前記第1フィルター13に捕捉され、かつ、その第1フ ィルター13に捕捉されているオイルミストに対して前記被処理気体の下向きの 動圧によって積極的に前記排出孔14から排出されるように構成されている。 そして、前記障壁体12の受け面12Aの下方には、前記排出孔14を出たオ イルミストや塵埃を含む流下廃棄物質を下方の第1ドレン室15に導く連通孔1 6が形成されており、第1ドレン室15の底面にはドレン15Aが設けられてい る。尚、前記障壁体12の脚部12Cは前処理ケース2の底部側で前記第1ドレ ン室15の天板を兼ねる取り付け板17を介して前処理ケース2に一体に接合さ れている。
【0011】 前記ルーバーユニット11は、図3乃至図5に示すように、前処理ケース2の 天井壁から第1ドレン室15の天板を兼ねる前記取り付け板17上面とにわたる 上下長さ(この実施例では370mm程度)と、前処理ケース2の左右横幅の全 体にわたる横幅寸法(この実施例では370mm程度)とを有した外枠18内に 、前処理ケース2内の断面全体にわたる面積を有した状態に板面部材19と、デ ミスター20と、樋状ルーバー21と、スポンジフィルター22とを、層状に組 み込んで構成されている。
【0012】 前記板面部材19は、図5及び図7に示すように、金属製板材の板面を所定幅 で一定方向に打ち出し成形して、その板面の全体にわたって多数の通気部23を 形成した複数枚のヨロイ状板材19A,19B,19Cで構成され、夫々の通気 部23は、前記各ヨロイ状板材19A,19B,19Cの板面に、気体流れ方向 の下手側に向けて打ち出し形成した案内用突片24と、突片の打ち抜きによって 板面に形成された貫通孔25とで構成されている。 前記通気部23は図6及び図7に示すように構成されている。 つまり、前記通気部23は、長手方向幅約63mm、短尺方向幅約10mmの 矩形形状の前記案内用突片24と、これとほぼ同寸の貫通孔25とで構成され、 これが、板面部材19の一辺に沿う方向で5列、他辺に沿う方向で35段、計1 75箇所に形成され、板面部材19一枚の開口率は約35%に設定されている。 そして、前記案内用突片24は、貫通孔25に対面する側に気体案内面24a が形成され、その気体案内面24aを、ヨロイ状板材19A,19B,19Cの 板面から離れるにしたがって漸次板面に対する交差角αが大きくなるように曲率 半径10mm程度の曲率の湾曲面に形成してある。このように前記気体案内面2 4aを湾曲面に形成することによって、前記案内用突片24の突出端側に、その 案内用突片24の平均交差角よりも小角度となる流出角βが形成されるように構 成される。 前記流出角βとしては、種々実験の結果、約13〜40度の範囲にあるのが、 処理風量をあまり減らさずに良好な捕捉効率を得る上で望ましく、さらに望まし くは、23度〜33度の範囲である。
【0013】 前記ヨロイ状板材19A,19B,19Cのうち、最も前面側に位置する第1 ヨロイ状板材19Aは前記外枠18と一体に成形されている。そして、次段の第 2ヨロイ状板材19Bが、その貫通孔25の長手方向を前記第1ヨロイ状板材1 9Aの貫通孔25の方向に対して直交する状態に形成され、さらに、その次の段 の第3ヨロイ状板材19Cの貫通孔25が直前の第2ヨロイ状板材19Bの貫通 孔25に対してやはり直交するように形成されている。尚、前記案内用突片24 の突出方向は、総て被処理気体の通過方向の下手側に向けて突出させてあり、こ の実施例では、最も前面側の第1ヨロイ状板材19Aの案内用突片24が斜め下 向きに突出して被処理気体を斜め下方に案内し、中間の第2ヨロイ状板材19B の案内用突片24が左斜め横側方に突出して被処理気体を左斜め側方に案内し、 最後部の第3ヨロイ状板材19Cの案内用突片24が斜め上方に突出して被処理 気体を斜め上方に案内するように構成されている。
【0014】 前記最後部の第3ヨロイ状板材19Cの背部、及びスポンジフィルター22の 背部に設けられるデミスター20は、5mm程度の網目を有した金属製網材で通 気性に富むように構成されている。
【0015】 前記樋状ルーバー21は、ケーシング1内の処理経路中を通過する被処理気体 に接触して、その流動方向を変更するように、被処理気体の上手側と下手側との 夫々に、断面コの字型の多数の導風案内体26,26を、互いにコの字の開放側 が向き合う状態で、かつ、面方向で位置ずれさせて配設することにより構成して ある。 そして、夫々の導風案内体26,26は、前記外枠18の上下両端部の内面に 設けたブラケット18Aに対して挿抜及び固定自在に装着された棒状の取付固定 具27と、その取付固定具27に対して各別に着脱自在に装着された布様フィル ター28とから構成されている。 この布様フィルター28は、無端帯状あるいは両端部に袋状部を有した帯状に 構成され、前記取付固定具27への装着によって断面コの字状に配設され、樋状 ルーバー21の被処理気体に対する案内面を構成する。そして、この案内面に接 触する前記被処理気体のうちの一部の通過を許す通気性と、接触する被処理気体 中の塵埃を付着させる捕集機能とを備えている。 この通気性と塵埃の捕集機能を実現するために、具体的には、この布様フィル ター28をポリエステルの不織布で構成している。
【0016】 前記スポンジフィルター22は、前記金属網製のデミスター20よりは目の細 かいフィルター材であるが、充分な通気性を有している。 前記スポンジフィルター22のさらに背面側には、前記外枠18の後面を構成 する縦横の桟部材29を備えたルーバー蓋30が設けられ、外枠18に内装され ている前記板面部材19、布様フィルター28及びスポンジフィルター22等の 背面側への外れ落ちを阻止する状態で外枠18に位置固定されている。
【0017】 上記のように構成されたルーバーユニット11は、前処理ケース2の天井板2 Aを取り外す、あるいは開放姿勢とすることによって、前処理ケース2内から前 記外枠18ごと全体を抜き出すことができる。
【0018】 前記本体外装ケース3は、その内部に上下方向に大きな空間を有する縦型前部 室31と左右方向に長い横型後部室32とを備えている。 そして、縦型前部室31内には、吸引ファン33が配設され、その吸引ファン 33の外周部にドラム状の吸着フィルター34が配設されているとともに、縦型 前部室31と横型後部室32との境界に、これら両室31,32を仕切る状態で セパレートデミスター35を設けて中間処理部6が構成されている。また、横型 後部室32にはファイナルフィルター36が配設された最終処理部7が設けられ ている。
【0019】 前記中間処理部6の吸引ファン33は、ボス部37の周部に一体に連設された 回転円板38の前面側に多数の起風羽根39を立設し、かつ、各起風羽根39の 突出前端側を円錐形の環状案内板40で一体に連結してある。また、前記回転円 板38の後面側には、突出量の少ない補助起風片41が形成され、この補助起風 片41によって、本体外装ケース3の前記ボス部37を挿通するための軸挿通用 開口42から小量の外気を吸引導入するように構成されている。 この吸引ファン33は、処理対象の被処理気体の性状にもよるが、通常300 0〜4000rpm程度で用いられるのが好ましい。 前記吸引ファン33の外周部には、環状の網材からなるドラムフィルター支持 枠43の外側に、目の粗いものから順に目の細かいものが並ぶように、筒状の発 泡フォーム材からなる三層のドラム状の吸着材44,45,46が設けてある。 前記ドラムフィルター支持枠43は、4本の取り付け脚47を備えて前記前処理 ケース2の後面側の内壁48にボルト止めしてある。この取り付け状態で、前記 ドラム状の吸着材44,45,46は、前記内壁48及び前記セパレートデミス ター35を設けた後方側のケーシング縦壁部分50の何れからも離反した状態で 固定されることになり、それら両壁を伝う油滴化されたオイルミストとの直接接 触を避けられるように構成されている。
【0020】 前記セパレートデミスター35は、縦型前部室31と横型後部室32とを仕切 る縦壁部分50に、前記両室31,32を連通する通気開口51を形成し、その 通気開口51部分の全面にわたって金属繊維製の薄板状部材を配設することによ って構成している。このセパレートデミスター35は、前記両室31,32を仕 切る縦壁部分50を伝う油滴化された油分や、被処理気体中の残留オイルミスト 、あるいは残留塵埃が横型後部室32内に流れこむことを抑制するためのもので ある。 前記縦型前部室31の底部に相当する箇所には、前記セパレートデミスター3 5を設けた通気開口51よりも下方に位置させて第2ドレン室52を設けてあり 、その第2ドレン室52の上面は前記セパレートデミスター35よりも下位に位 置させて仕切り部材53が設けられている。この仕切り部材53は、前記セパレ ートデミスター35を通過しなかった物質の第2ドレン室52側への通過を許す ように、前記セパレートデミスター35よりも目の粗いパンチングメタルなどで 構成されている。
【0021】 前記横型後部室32内には、電石フィルターと呼ばれる直径1ミクロン程度の きわめて微細な繊維で作られた布状のフィルターエレメント36aを、被処理気 体の流れ方向に沿う状態で多数配設して構成したファイナルフィルター36を設 けてあり、そのファイナルフィルター36のフィルターエレメント36aの間に 被処理気体を通過させて、残留する僅かなオイルミストや微細な塵埃もほぼ完全 に除去するための最終処理部7を構成してある。 この横型後部室32の天井部には、処理済みの被処理気体を排出する上向きの 排気口8が形成してあり、その横側方には、前記吸引ファン33を駆動するため の電動モータ9が載置固定されている。 また、この横型後部室32の底面側には、前記セパレートデミスター35の裏 面側に付着した油分や、この横型後部室32の内壁に付着した油分などを排出す るための第3ドレン室54が設けられるとともに、その第3ドレン室54の上面 を形成するパンチングメタル55が設けられている。 前記横型後部室32の後面側には、前記ファイナルフィルター36を出し入れ 可能な後部開口56が形成され、その後部開口56を蓋する蓋部材57が開閉自 在に設けてある。
【0022】 〔実験例〕 次に、本考案のルーバーについての実験結果を以下に示す。 実験装置は、図8に示すように、本考案の除塵装置の吸気口4の上手側に吸入 ダクト58を設け、その吸入ダクト58の入り口に設けた噴霧ノズル59から試 験オイルを噴霧してオイルミストを発生させるようにしている。この実験装置の 諸元は次の通りである。 噴霧ノズル 扶桑精機製 マジックカットM−2型(ノズル口径2mm ) 試験オイル タービン油 JIS UG22 噴霧圧力 4(kg/cm2 ) 噴霧量 0.5(l/h) 吸入ダクト径 150(mmφ) 吸入ダクト長さ 1(m) 吸入風量 14(m3 /min) ルーバー外形寸法 370×370×78(mm) ルーバーユニット面風速 (14/60)/(0.37×0.37)=1 .7(m/sec) 案内用突片寸法 63×10(mm) 板面部材の枚数 3(枚)
【0023】 <実験1>ほぼ同一風量での捕捉効率の変化 実験に用いた板面部材19の案内用突片24の型式は、図9の(イ),(ロ) ,(ハ)に示す3種類である。つまり、図9の(イ)は、偏平板状で、かつ、板 面に対する交差角αが約63度の案内用突片24を備えたものであり、同図(ロ )は、前記板面に対する平均の交差角αが約60度で、流出角βが約23度の案 内用突片24を備えたものであり、さらに同図(ハ)は、前記板面に対する平均 の交差角αが約63度で、流出角βが約33度の案内用突片24を備えたもので ある。 これらの板面部材19の案内用突片24による被処理気体の案内方向の組合せ のパターンには、次の3パターンがある。 つまり、図10に示すように、各ヨロイ状板材19A,19B,19Cのうち 、同一のヨロイ状板材(19Aまたは19Bまたは19C)での案内用突片24 による案内方向をすべて同一にしたものの組合せ(以下aaa配列という)と、 図11に示すように、第1ヨロイ状板材19Aのみを案内用突片24による案内 方向が同一のものを用い、第2ヨロイ状板材19B及び第3ヨロイ状板材19C を、隣合う列の案内用突片24どうしによる案内方向が正逆交互に反転するよう に形成されたものを用いて、これらの組合せによる構成(以下、abb配列とい う)と、図12に示すように、すべてのヨロイ状板材19A,19B,19Cを 、隣合う列の案内用突片24どうしによる案内方向が正逆交互に反転するように 形成されたものを用いて構成した組合せ(以下、bbb配列という)とがある。
【0024】 そして、板面部材19の種類と案内方向との組合せパターンによる実験結果は 、次の7種類があり、これを図13の図表に示す。つまり、 (1) 組合せパターン1は、図9(イ)の型式の案内用突片24と、図10に 示すaaa配列との組合せによるパターン。 (2) 組合せパターン2は、図9(イ)の型式の案内用突片24と、図11に 示すabb配列との組合せによるパターン。 (3) 組合せパターン3は、図9(イ)の型式の案内用突片24を備えた第1 ヨロイ状板材19Aと、図9(ロ)の型式の案内用突片24を備えた第2ヨロイ 状板材19B及び第3ヨロイ状板材19Cとを組合せ、かつ、図11に示すab b配列での案内方向を有した組合せとなっている。 (4) 組合せパターン4は、図9(イ)の型式の案内用突片24を備えた第1 ヨロイ状板材19Aと、図9(ロ)の型式の案内用突片24を備えた第2ヨロイ 状板材19B及び第3ヨロイ状板材19Cとを組合せ、かつ、図10のaaa配 列での案内方向を有した組合せとなっている。 (5) 組み合わせパターン5は、図9(ロ)の形式の案内用突片24と、図1 2に示すbbb配列との組合せによるパターン。 (6) 組み合わせパターン6は、図9(ハ)の形式の案内用突片24と、図1 0に示すaaa配列との組合せによるパターン。 (7) 組み合わせパターン7は、図9(イ)の型式の案内用突片24を備えた 第1ヨロイ状板材19Aと、図9(ロ)の型式の案内用突片24を備えた第2ヨ ロイ状板材19B及び第3ヨロイ状板材19Cとの組合せで、かつ、第2ヨロイ 状板材19B及び第3ヨロイ状板材19Cを裏向きにセットした、つまり、案内 用突片24が気体流動方向の上手側に突出する状態で配置された例ではあるが、 案内用突片24の案内方向の組合せはaaa配列である。
【0025】 上記の実験結果から解るように、風量及び面風速がほぼ一定の条件で、配列の 如何を問わず、図9の(ロ)及び(ハ)の例で良好な捕捉効率を得られた。
【0026】 <実験2>処理風量の変化と捕捉効率との関係 実験装置および諸元は実験1と同様。実験対象の板面部材19の種類と案内方 向との組合せパターンは、前記組合せパターン6を用いた。 結果は、図14の図表に示すように、かなり広範囲に風量を変化させても、6 5%以上の高い捕捉効率を確保できる。
【0027】 <実験3>案内用突片の角度と捕捉効率との関係 実験装置および諸元は実験1と同様。実験対象の板面部材19における案内用 突片24の配設条件を変化させてみた。つまり、案内用突片24の外形寸法や曲 率は前述の実施例および実験例と同一で、その平均の交差角αと流出角βとを図 15の図表に示すように5種に変化させてみた。その結果、流出角βが3度であ る場合と、43度である場合の2例を除いて、その中間の3例では62%以上の 高い捕捉効率を維持している。
【0028】 〔別実施例〕 (1) 前記ルーバーとしては、板面部材19の他に、樋状ルーバー21や金属網 製デミスター20、及びスポンジフィルター22の全部を組み合わせて用いる必 要はなく、板面部材19のみによって構成してもよく、また、この板状部材19 を基本として、これに他の一部のものを組み合わせる、あるいは、全く別のフィ ルター手段を組み合わせて用いてもよい。 (2) 板面部材19の案内用突片24は、その外形寸法や曲率を、前記実施例と 同一に構成するものに限らず、種々の寸法や曲率を採用することができる。
【0029】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】除塵装置の全体を示す断面図
【図2】除塵装置の全体を示す分解斜視図
【図3】ルーバーユニット付近の拡大断面図
【図4】ルーバーユニットの部分断面図
【図5】ルーバーユニットの一部切り欠き背面図
【図6】板面部材の部分拡大背面図
【図7】板面部材の部分拡大断面図
【図8】実験装置の概略説明図
【図9】板面部材の部分拡大断面図
【図10】板面部材の組合せパターンを示す説明図
【図11】板面部材の組合せパターンを示す説明図
【図12】板面部材の組合せパターンを示す説明図
【図13】実験1の結果を示す図表
【図14】実験2の結果を示す図表
【図15】実験3の結果を示す図表
【図16】従来のルーバーを示す説明図
【図17】従来のルーバーを示す説明図 1 ケーシング 11 ルーバーユニット 19 板面部材 23 通気部 24 案内用突片 24a 気体案内面 25 貫通孔 α 交差角 β 流出角

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング1内に形成された被処理気体の
    処理経路中に、その処理経路内の気体流れを横断する状
    態に板面部材(19)を位置させ、この板面部材(1
    9)に多数の通気部(23)を形成してあるルーバーで
    あって、 前記板面部材(19)に形成される個々の通気部(2
    3)を、板面に気体流れ方向の下手側に向けて打ち出し
    形成した案内用突片(24)と、突片の打ち抜きによっ
    て板面に形成された貫通孔(25)とで構成するととも
    に、 前記案内用突片(24)によって構成される気体案内面
    (24a)を、板面から離れるにしたがって漸次板面に
    対する交差角(α)が大きくなる湾曲面に形成し、 かつ、前記案内用突片(24)の突出端側における流出
    角(β)を約13〜40度に設定してある除塵装置のル
    ーバー。
  2. 【請求項2】前記板面部材(19)の複数枚が重ね合わ
    せ状態に併設され、かつ、前面側の板面部材(19)の
    案内用突片(24)の気体案内面(24a)の案内方向
    と、後面側の板面部材(19)の案内用突片(24)の
    気体案内面(24a)の案内方向とが90度づつ変化す
    るように配置されている請求項1記載の除塵装置のルー
    バー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10216437A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Showa Denki Kk オイルミスト除去装置
JP2015061725A (ja) * 2013-09-23 2015-04-02 ジエヌビエス エンジニアリング株式会社 工程廃ガス処理用スクラバ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10216437A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Showa Denki Kk オイルミスト除去装置
JP2015061725A (ja) * 2013-09-23 2015-04-02 ジエヌビエス エンジニアリング株式会社 工程廃ガス処理用スクラバ

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