JP2541990Y2 - オイルミスト除去装置 - Google Patents

オイルミスト除去装置

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JP2541990Y2
JP2541990Y2 JP3381893U JP3381893U JP2541990Y2 JP 2541990 Y2 JP2541990 Y2 JP 2541990Y2 JP 3381893 U JP3381893 U JP 3381893U JP 3381893 U JP3381893 U JP 3381893U JP 2541990 Y2 JP2541990 Y2 JP 2541990Y2
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欣一 嶋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はオイルミスト除去装置に
係り、詳しくは、機械加工作業などで発生する油煙を羽
根車の回転によって吸引し、多層構造フィルタを用いて
オイルミストを捕捉することにより、空気の浄化を図る
ようにしたオイルミストの除去装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】工場などで発生する塵埃や油煙を除去す
るために用いられているオイルミスト除去装置は、一般
的に、多数の通気孔を有して羽根車と一体に高速回転す
るドラムの内面にフィルタを縫着しておき、羽根車によ
って吸引された空気からオイルミストなどを捕捉するよ
うになっている。そのオイルミストは、羽根車の軸方向
から導入された空気が遠心力を受けてフィルタを通過す
るとき捕捉されるが、オイルミストや塵埃が多量に付着
すると目詰まりするので、フィルタが定期的に交換され
る。その交換を容易にすることと目詰まりの酷くなる内
面側のみの交換を可能にするため、フィルタ構造を二重
にすることがある。例えば、実公昭53−50133号
公報には、二重構造のフィルタの内側のフィルタを交換
可能にした構造が提案されている。これは、有孔ドラム
の内面に外側フィルタを予め固定しておき、その外側フ
ィルタにホックを適数個取り付け、内側フィルタのホッ
クとで、内側フィルタの着脱が容易となるように配慮さ
れている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記したオイルミスト
除去装置では羽根車が多翼型のシロッコファンであり、
羽根車と有孔ドラムとが同心状となるよう一枚のディス
クに取り付け一体化されている。したがって、羽根車の
周囲とドラムの内面との間にリング状の空間が存在し、
上記した外側フィルタと内側フィルタとはドラムの全内
面を覆うそれぞれ一枚ものとなっている。元来平らなフ
ィルタは360度を覆うようにドラムに沿わせられる
が、ドラムが回転していないとき内側フィルタが剥がれ
たり端部が垂れ下がることのないように、上記の例では
ホックなどが使用されている。しかし、それによってフ
ィルタが高価となったり部品点数が増加する問題があ
る。しかも、交換作業においては、サイドカバーを外し
た空間から手を入れてホック合わせやホック外しする必
要があり、狭い空間でのメンテナンス作業が厄介となる
欠点がある。一方、外側フィルタの目詰まりは、内側フ
ィルタほどに激しくないといえども交換しなければなら
ないことがある。その場合、予めドラムに固縛されてい
る外側フィルタは、ドラムを露出する状態となるまでオ
イルミスト除去装置を解体しなければならなくなる。
【0004】ところで、羽根車としてラジアルファンを
採用したものでも、放射状に延びてドラムの内面に至る
平板状の羽根をディスクに配置したいわゆるパドルファ
ンを備えたオイルミスト除去装置もすでに使用されてい
る。この場合、ドラムの内方は各羽根によって幾つかの
扇形の空間に画成されるので、分割したフィルタが各羽
根によって仕切った空間に嵌め込まれる。フィルタは通
常ある一定の厚みのある不織布が採用されるが、羽根の
枚数が少ない場合には、それぞれの画成された空間に挿
入したときドラムの内面から外れたりずれたりしないよ
うに何らかの対策を施しておく必要があり、前述の例と
同様に交換作業に手数を要する。フィルタが二重などに
された多層構造を採用した場合にはなおさらである。
【0005】上記したような羽根車の周囲を覆うドラム
の内面に取り付けるフィルタとは異なるが、オイルミス
ト除去装置内の空気通路に円筒状フィルタを配置する場
合がある。この種のフィルタは垂直な姿勢に取り付けら
れていると捕捉したオイルミストを円筒下端から滴下さ
せることができるので、フィルタの目詰まりを軽減し
て、長期にわたる使用が可能となる。例えば、フィルタ
を三重構造としておき中間層に繊維質フィルタが採用さ
れていると、円筒状空間内で軸方向から進入する空気を
半径方向へ誘引させたとき、塵埃が内外層を形成するス
ポンジ質フィルタで捕捉され、オイルミストは中間層で
捕捉される。繊維質フィルタは捕捉したオイルミストを
凝集させやすくまた繊維を伝って油滴の流下をも促進す
る。しかし、このような円筒状多層構造フィルタは円筒
端面を下に向けておく必要があるので、オイルミスト除
去装置への装着が垂直姿勢の形態のみに限られる難点が
ある。
【0006】本考案は上述の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、有孔ドラムと羽根車とで画成される空
間に、固縛手段を備えることなく多層構造のフィルタが
配置でき、かつ、簡単にフィルタ交換が可能となるよう
にすること、また、円筒状多層フィルタを使用する場合
に、その姿勢を水平にしても中間層から油滴の円滑な滴
下を図ることを実現したオイルミスト除去装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、オイルミスト
を含んだ空気をケーシング内に設置した羽根車の回転に
よって吸引し、その羽根車の周囲に位置して一体に回転
する有孔ドラムの内面に取り付けたフィルタによって、
オイルミストを捕捉することができるようにした装置に
適用される。その特徴とするところは、図1および図3
を参照して、有孔ドラム27の内部に配置される羽根車
1は6枚の羽根26からなって相互に60度の間隔で配
列される。フィルタとしては、薄い軟質フィルタ29と
その軟質フィルタ29の内面に重畳する厚い弾性フィル
タ30とを含む平板状の多層構造フィルタ28が採用さ
れる。そして、有孔ドラム27の内面に沿うよう曲げら
れて密着しかつ弾性フィルタ30の曲げ復元力によって
隣りあう羽根26,26に支えられるようにして、平板
状の多層構造フィルタ28の各片が羽根26,26によ
り仕切られた扇形の空間31ごとに介装されていること
である。
【0008】オイルミストを含んだ空気をケーシング4
内に設置した羽根車1の回転によって吸引し、空気通路
に配置されて空気を内外方向へ透過させる円筒状フィル
タ2(図1参照)によって、オイルミストを捕捉するこ
とができるようにした装置においては、空気を内外面で
透過させてオイルミストを捕捉する円筒状フィルタ2が
水平な姿勢で設置される。その円筒状フィルタ2は多層
構造フィルタであり、図6に示すように、その最内層と
最外層とがスポンジ質フィルタ39A,39Bで形成さ
れる一方、中間層が繊維質フィルタ40で形成される。
最内層のスポンジ質フィルタ39Aは無端リング状であ
り、繊維質フィルタ40は両端部が折曲された垂下部4
1,41を備える有端リング状であり、最外層のスポン
ジ質フィルタ39Bは、対面密着させた垂下部41,4
1を端部39a,39aで挾持する有端リング状であ
る。そして、最外層のスポンジ質フィルタ39Bが垂下
部41,41を挾持する端部39a,39aで固縛さ
れ、多層構造フィルタが円筒状に保形されていることで
ある。
【0009】前記した有孔ドラム27および羽根車1を
回転させる回転軸3a(図1参照)を水平に設置して、
6枚の羽根26,26で仕切られた空間31に前記した
多層構造フィルタ28を介装する場合に、羽根車1によ
って軸線方向から吸引され半径方向外方へ送出された空
気をケーシング4の内面に沿って軸方向へ流過させるリ
ング状通路36を形成しておき、そのリング状通路36
から半径方向内方へ透過する空気からオイルミストを捕
捉する前記した円筒状フィルタ2を水平な姿勢で設置し
ておくようにすることもできる。
【0010】
【作用】羽根車1の回転によって吸引された空気は、有
孔ドラム27の内面に沿わせるように密着させた多層構
造フィルタ28を通過して有孔ドラム27から排出され
る。空気に含まれるオイルミストなどが軟質フィルタ2
9と弾性フィルタ30とを重ねた多層構造フィルタ28
によって捕捉される。その多層構造フィルタ28は6つ
のフィルタ片に分割されており、固縛手段を使用するこ
となく羽根26,26によって仕切られた空間31に介
装されているだけであるので、手を羽根車1内に入れて
剥がし取ることができる。新しいフィルタ片を曲げて空
間31へ挿入し、有孔ドラム27の内面に押し込むと、
弾性フィルタ30の曲げ復元力によって、多層構造フィ
ルタ片が羽根26,26に支えられるようにして保持さ
れる。
【0011】円筒状フィルタ2は水平な姿勢で設置さ
れ、その内外を透過する空気に含まれるオイルミストを
捕捉する。とりわけ、スポンジ質フィルタ39A,39
Bよりも密度の高い繊維質フィルタ40においてオイル
ミストが凝集しやすく、その繊維を伝って下部の垂下部
41へ流下する。最外層のスポンジ質フィルタ39Bや
最内層のスポンジ質フィルタ39Aによってもごみやオ
イルミストが捕捉されるが、繊維質フィルタ40の形状
保持にも寄与する。
【0012】上記の多層構造フィルタ28と円筒状フィ
ルタ2をオイルミスト除去装置に装着する場合には、多
層構造フィルタ28を取り付ける羽根車1の回転軸3a
が水平となるように配置される。これによって、有孔ド
ラム27に沿わせた多層構造フィルタ28と、ケーシン
グ4内のリング状通路36を経て下流側に位置する円筒
状フィルタ2とによる多段式のフィルタリングが達成さ
れる。
【0013】
【考案の効果】本考案によれば、羽根車と一体の有孔ド
ラムに取り付けられる多層構造フィルタによってオイル
ミストを効率よく捕捉することができる。また、フィル
タの交換においては、有孔ドラムの内面から剥がすだけ
でよく、また、弾性フィルタの曲げ復元力を利用して固
縛手段を必要とすることなく密着させることができ、交
換作業の負担が著しく軽減される。円筒状フィルタを採
用する場合には、その中間層の繊維質フィルタの端部に
垂下部を形成させているので、水平な姿勢で配置される
にもかかわらず捕捉されたオイルミストの油滴を迅速に
排出して、目詰まりの発生を抑制させる効果を発揮す
る。有孔ドラムに密着させた多層構造フィルタと円筒状
フィルタとを併用すると、オイルミストの捕捉作用は一
段と向上し、油煙の除去や空気の清浄化を促進させるこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下に、本考案のオイルミスト除去装置を、
その実施例を示した図面に基づいて詳細に説明する。図
1は、水平な回転軸を有する羽根車とその下流側に設置
された円筒状フィルタを備えるオイルミスト除去装置の
縦断面図であって、オイルミストを含んだ空気を羽根車
の回転によって吸引し、羽根車の周囲に位置して一体に
回転する有孔ドラムに取り付けたフィルタおよび円筒状
フィルタによって、オイルミストを捕捉できるようにし
たものである。このオイルミスト除去装置には、空気が
導入される左側から順にパドルファン形式の遠心式羽根
車1と円筒状フィルタ2とを配置し、また、羽根車1を
回転させる駆動モータ3を中央に配置できるように、ケ
ーシング4によって空間5が形成されている。なお、空
間5は、羽根車1が位置する円筒状空間5Aと、円筒状
フィルタ2や駆動モータ3が設置される矩形状空間5B
とからなっている。
【0015】上記した円筒状空間5Aは、図2に示す矩
形断面に成形されたアウタケーシング4Aに内接する円
筒状のインナケーシング4Bによって形成され、右端が
図1に示す吸引開口4aとなっている。一方、矩形状空
間5Bは矩形の筒状をなすアウタケーシング4A自体に
よって形成され、左端が吐出開口4bとなっている。こ
の矩形状空間5Bと円筒状空間5Aとは、駆動モータ3
を装着しておくための隔壁4cによって仕切られてい
る。上記の吸引開口4aには、油煙などを取り入れる吸
込口16を備えるサイドカバー15が取り付けられ、吐
出開口4bにもエルボ型の吐出口21を有するサイドカ
バー22が取り付けられている。そのサイドカバー1
5,22には外周部位に環状凸部17,23が形成さ
れ、レバー6aを起こすことによってフック6bが環状
凸部17,23から外れるクランプ6,6によって、簡
単にケーシング4から取り除くことができるようになっ
ている。
【0016】そのサイドカバー15はリング体10Aを
吸引開口4aに嵌め込むことによってケーシング4に取
り付けられるが、リング体10Aを外嵌するゴムパッキ
ン11の弾発力がクランプ6による固縛を助長させる。
そのリング体10には羽根車1に向かって狭くなるガイ
ド部材10Bが一体化され、油煙を羽根車1へ円滑に案
内するように機能する。そのガイド部材10Bの前面に
ボルト付けされたカバー12は、吸込口16から進入す
るごみを予め捕集するために金網13とでポリウレタン
フォームなどの入側フィルタ14を保持するものであ
る。この入側フィルタ14によっても幾分かのオイルミ
ストの捕捉がなされるので、その油滴を排出するための
排油管18もサイドカバー15の下部に設けられてい
る。サイドカバー22は、吐出開口4bに嵌め込まれる
リング体19とそれを外嵌するゴムパッキン20とを備
える。ちなみに、エルボ型の吐出口21の向きを変えて
おきたい場合には、サイドカバー22を回動してケーシ
ング4に取り付け、環状凸部23にクランプ6を係合さ
せて固定すればよい。上記のケーシング4を形成するア
ウタケーシング4Aは、防振ゴムを備えた脚4e,4e
を介して図示しない防振パッドで支持した架台7に固定
される。その架台7の直上にはアウタケーシング4Bを
曲げて形成した油溜め4dが設けられており、後述する
ごとく円筒状フィルタ2などから滴下した油滴を集め、
側方へ延びる排油管9から排出することができるように
なっている。なお、羽根車1と共に回転する後述の有孔
ドラム27を通して放出される油滴を油溜め4dへ導く
ための油導出孔4fが隔壁4cに設けられている。
【0017】羽根車1はその回転軸3aが垂直となるよ
うに設置することもできるが、本考案に係る水平な姿勢
の円筒状フィルタ2も採用されるので、水平な軸配置と
なっている。したがって、羽根車1を回転させる駆動モ
ータ3は隔壁4cの中央に取り付けた架台24に横置き
姿勢でボルト止めされ、スペースの節約のために、その
大部分が円筒状フィルタ2の内部に位置している。この
駆動モータ3の出力軸3aはディスク1Aとハブ金具2
5を介して連結され、羽根車1の回転軸ともなってい
る。ディスク1Aには羽根26が破線で示す溶接によっ
て取り付けられ、図3に示すように6枚の羽根26,2
6が60度の間隔で放射状に配置されている。羽根は送
風機の仕様にあうように設計されるが、その枚数を6枚
としておくと後述する空間31へのフィルタの介装が簡
便になる利点がある。ディスク1Aの外周面には、羽根
26の外周縁に接触する多数の通気孔27aを備えた有
孔ドラム27が固定される。これは、パンチ孔のあいた
薄い鋼板を円形に成形したものであり、ディスク1Aに
溶接されている。このディスク1Aの端面と羽根26の
前側縁を覆うようにカバー1B(図1参照)が溶接づけ
され、羽根車1の剛性を高めると共に、羽根車1の回転
に伴って軸線1m方向から吸引された空気の流れを羽根
26に沿わせやすくしている。
【0018】上記の有孔ドラム27の内面には、図3に
示すように、薄い軟質フィルタ29とその内側で重畳す
る弾性フィルタ30とからなる平板状の多層構造フィル
タ28が、各羽根26によって仕切られた扇形の空間3
1ごとに介装される。各多層構造フィルタ28の軟質フ
ィルタ29はオイルミストを捕捉する機能を有し、弾性
フィルタ30は塵埃やオイルミストを捕捉すると共に有
孔ドラム27の内面に沿わせる際に曲げられた多層構造
フィルタ29の各片の密着性を高めるように機能する。
軟質フィルタ29は、例えばポリクラールとポリアミド
とからなる不織布であり、弾性フィルタ30は、ポリエ
ステルの不織布であって曲げに対する復元力を有したも
のである。その軟質フィルタ29と弾性フィルタ30と
は、図4に破線で示す二個所において針金または細紐2
8aなどで重畳状態を保つように予め結束されている。
なお、多層構造フィルタ28は二重構造に限らず、例え
ば、軟質フィルタを中央に配置し、弾性フィルタを外側
および内側に配置した三層構造などのフィルタとするこ
ともできる。要するに、オイルミストの捕捉力の大きい
軟質フィルタ29と、曲げ復元力を有し隣りあう羽根2
6,26に支えられて有孔ドラム27の内面で密着状態
を維持する弾性フィルタ30とを備えるものであればよ
い。
【0019】このことから分かるように、多層構造フィ
ルタ28の各片を羽根車1に介装するにおいては特に固
縛手段が必要でなく、サイドカバー15(図1参照)を
外して一片ずつ引きだし、また、図3の二点鎖線で示す
状態から一点鎖線のように折り曲げて押しつければ簡単
にフィルタ交換をすることができる。空間31の扇形の
角度は60度であり、弾性フィルタ30に適度な曲げを
与えるので、羽根車1が回転していないときも有孔ドラ
ム27との密着性が維持される。例えば、羽根が4枚で
あれば空間が90度の角度をなし、各フィルタ片が長く
なって重くなり、弾性フィルタを所望外に厚くしたり固
縛手段を用いなければ密着状態を維持させることができ
なくなるが、60度にしておくとそのようなことは回避
され、極めて都合がよい。
【0020】一方、矩形状空間5Bには、図1に示す水
平な姿勢の円筒状フィルタ2を嵌めて保持する円筒ケー
ジ32が設けられる。この円筒ケージ32は基部のリン
グ状取付板33を介して駆動モータ3を固定している架
台24の後端に取り付けられる。円筒ケージ32は、図
5に示すように、線材を円形に曲げた複数のリング34
と、それを等間隔に保持するため、外側に溶接止めした
水平な複数の横筋35とから構成されている。その横筋
35の基部側は外方へ折り曲げられてリング状取付板3
3に固定され、先端側は円筒状フィルタ2を容易に外嵌
できるように内方へ折り曲げられている。図1に示すよ
うに、この円筒ケージ32に円筒状フィルタ2が外嵌さ
れると、矩形状空間5Bの周囲部位に略円環状のリング
状通路36Bを形成しておくことができる。なお、円筒
状空間5Aにも、有孔ドラム27との間でリング状通路
36Aが形成されており、羽根車1の回転によって軸線
1m方向から吸引して半径方向外方へ送出された空気
が、リング状通路36Aからリング状通路36Bへ流過
できるように、隔壁4cの周部には複数の流通孔38が
設けられる。ちなみに、円筒状空間5Aから油滴などが
駆動モータ3へ侵入しないように、出力軸3aにはVリ
ング43などが取り付けられる。また、駆動モータ3
は、オイルミストなどの付着を防止するための図示しな
い保護管からケーシング4の側面に設けた端子箱42
(図2参照)へ延びる配線を介して給電されるようにな
っている。
【0021】前記した円筒ケージ32に取り付けられる
円筒状フィルタ2は、リング状通路36Bから半径方向
内方へ移動する空気を清浄にするもので、水平な姿勢で
装着されることから、以下のような多層構造を採用し
て、オイルミストの効率よい捕捉と油滴の滴下を図るよ
うに配慮されている。図6に示すように、円筒状フィル
タ2の最内層と最外層とが、前述した入側フィルタ14
(図1参照)と同質のスポンジ質フィルタ39A,39
Bで形成される一方、中間層は密度の高い繊維質フィル
タ40で形成されている。最内層のスポンジ質フィルタ
39Aは、円形にした後に両端を接着剤39cで接続し
た無端リング状とされ、スポンジ質フィルタ39A,3
9Bに挟み込まれた繊維質フィルタ40は、両端部が折
り曲げられた垂下部41,41を備える有端リング状と
なっている。また、最外層のスポンジ質フィルタ39B
は、対面密着させた垂下部41,41を端部39a,3
9aで挾持する有端リング状となっている。そして、最
外層のスポンジ質フィルタ39Bは前記垂下部41,4
1を挾持する端部39a,39aにおいて、破線で示す
ように針金39bなどで何個所かを固縛し、多層構造の
フィルタが円筒状に常時保形される。
【0022】上記のスポンジ質フィルタ39A,39B
は、例えばプラスチックを発泡させてスポンジ状の三次
元構造としたポリウレタンフォームが採用される。一
方、繊維質フィルタ40にはポリプロピレン繊維を重ね
た不織布であり、図6に示すような一重であったり、図
示しないが二枚重ねで使用される。上記の最内層のフィ
ルタ39Aの内径は円筒ケージ32の外径より少し大き
く成形され、かつ、図1の一点鎖線で示すように、円筒
状フィルタ2の全体は前後方向で格納状態より少し長い
寸法に製作される。したがって、円筒状フィルタ2を交
換してサイドカバー22を固定すると、円筒状フィルタ
2がリング状取付板33とに挟まれて少し圧縮変形し、
その取付状態が安定したものとなる。一方、サイドカバ
ー22を外せば円筒状フィルタ2が全体的に緩み、内径
が復元して円筒ケージ32から簡単に外すことができ
る。
【0023】このように構成された本考案の遠心送風式
オイルミスト除去装置は、次のようにして、機械工場な
どでの切削作業に伴って発生する油煙を吸引し、各フィ
ルタによって塵埃やオイルミストを捕捉し、そのオイル
ミストを油滴化して排出することができる。図1に示す
吸込口16に可撓管などを接続し、その他方端を油煙の
立つところに配置する。駆動モータ3によって羽根車1
を回転させると、6枚の回転する羽根26の吸引作用で
油煙が吸込口16から導入される。まず、サイドカバー
15に取り付けた入側フィルタ14で大きいごみの侵入
が阻止されると共にオイルミストの一部が捕捉される。
入側フィルタ14で凝集したオイルミストは油滴となっ
て流下し、サイドカバー15の底部の排油管18から取
り出される。
【0024】入側フィルタ14で初期浄化された空気は
金網13を通過して羽根車1に流入し、羽根26によっ
て加圧されて半径方向に向きを変え、扇形の各空間31
を通って多層構造フィルタ28に至る。弾性フィルタ3
0によって塵埃やオイルミストが捕捉され、また、軟質
フィルタ29によってオイルミストの大部分が捕集され
る。空気は回転する有孔ドラム27の通気孔27aから
リング状通路36へ抜けるが、そのとき同時に遠心力を
受けて飛散する油滴は、インナケーシング4Bの内面を
伝って流下する。その油滴8は油導出孔4fを通って油
溜め4dへ流れ落ちる。
【0025】リング状通路36Aへ出た空気は隔壁4c
の流通孔38を通って矩形状空間5B内のリング状通路
36Bに至り、円筒状フィルタ2内へ透過する。外層の
スポンジ質フィルタ39Bを通過するとき塵埃やオイル
ミストが捕集され、中間層の繊維質フィルタ40を通過
するとき残存するオイルミストは捕捉される。内層のス
ポンジ質フィルタ39Aを通過するときも塵埃などが除
去され、清浄となった空気は吐出口21から排出され
る。円筒状フィルタ2は横置きとなっているが、その中
間層の繊維質フィルタ40では捕捉したオイルミストが
凝集され、毛管現象によって下部の垂下部41へ伝わり
油滴8となって油溜め4dに滴下する(図6参照)。中
間層が二枚の繊維質フィルタで形成されているとその二
重のフィルタ間の隙間を伝って油滴の流下が促進され
る。油溜め4dに油滴がある程度溜まれば排油管9から
排出される。このようにして、油煙を取り込んだオイル
ミスト除去装置は、入側フィルタ14,有孔ドラム27
に取り付けた多層構造フィルタ28および円筒状フィル
タ2の三段階で空気を浄化する。とりわけ、多層構造フ
ィルタ28ではオイルミストの油滴化と飛散を促進し、
静止している円筒状フィルタ2では、毛管現象を利用し
た油滴の滴下を実現する。
【0026】オイルミスト除去装置を使用しているうち
にフィルタに目詰まりが発生することは避けられない。
多層構造フィルタ28を交換するときは、クランプ6を
解除してケーシング4からサイドカバー15を外す。吸
引開口4aから手を入れて羽根26,26間のフィルタ
片を剥がし取る。有孔ドラム27の内面に付着したごみ
や油滴を拭き取るなどした後に、新しいフィルタ片を各
空間31に曲げるようにして有孔ドラム27の内面に沿
わせる。弾性フィルタ30の曲げ復元力によってフィル
タ片は自ずと有孔ドラム27に密着した状態を維持す
る。多層構造フィルタ28を交換している間に、必要が
あれば、サイドカバー15のガイド部材10Bに固定し
たカバー12を外して入側フィルタ14を交換してお
く。サイドカバー15をケーシング5に取り付ければ、
多層構造フィルタ28の交換は完了する。円筒状フィル
タ2を交換するときはサイドカバー22を外し、円筒状
フィルタ28の圧縮状態を解放する。最内層のスポンジ
質フィルタ39Aは元の内径に復元し、円筒ケージ32
から簡単に引き取ることができる。新しい円筒状フィル
タ2を円筒ケージ32に外装させ、サイドカバー22を
閉めれば円筒状フィルタ2は固定される。
【0027】以上の説明から分かるように、本例のオイ
ルミスト除去装置によれば、主として有孔ドラム27に
沿わせた多層構造フィルタ28と横置きされた静止状態
にある円筒状フィルタ2によってオイルミストなどを捕
捉して排出し、空気の清浄化を図ることができる。ま
た、それぞれのフィルタを簡便に交換しまた安定した装
着状態を実現できる。ところで、上記した円筒状フィル
タ2を備えないオイルミスト除去装置としてもよい。そ
の場合には、主として多層構造フィルタ28によってオ
イルミストを捕捉することになる。このように構造の簡
素化が図られたオイルミスト除去装置では、羽根車1の
回転軸を水平にしておく必要はなく、垂直な配置とする
こともできる。一方、図6に示した円筒状フィルタ2
は、その軸線が水平となるように設置されることになる
が、それを単独に空気通路に配置してオイルミスト除去
装置として機能させることができる。その場合、空気の
透過は円筒状フィルタの外面から内方に向かわせるよう
にしてもよいし、その逆とすることもできる。いずれの
方向に透過させるにしても、保形させにくい場合には前
述した円筒ケージに外嵌させたり図示しない孔あきドラ
ムに挿入したり、もしくはそれらに類似するものを使用
して保持しておけばよい。積極的な保形が必要でなけれ
ば、単独で配置しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係るオイルミスト除去装置の全体縦
断面図。
【図2】 図1の左側面矢視図。
【図3】 図1の III−III 線矢視断面図。
【図4】 羽根車の周囲の有孔ドラムの内面に密着され
る平板状の多層構造フィルタの一片の平面図。
【図5】 円筒状フィルタを保持する円筒ケージの斜視
図。
【図6】 図1のVI−VI線矢視断面図。
【符号の説明】
1…羽根車、2…円筒状フィルタ、3a…回転軸(出力
軸)、4…ケーシング、26…羽根、27…有孔ドラ
ム、28…多層構造フィルタ、29…軟質フィルタ、3
0…弾性フィルタ、31…空間、36,36A,36B
…リング状通路、39A,39B…スポンジ質フィル
タ、39a…端部、40…繊維質フィルタ、41…垂下
部。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルミストを含んだ空気をケーシング
    内に設置した羽根車の回転によって吸引し、該羽根車の
    周囲に位置して一体に回転する有孔ドラムの内面に取り
    付けたフィルタによって、オイルミストを捕捉すること
    ができるようにした装置において、 前記有孔ドラムの内部に配置される羽根車は、6枚の羽
    根からなって相互に60度の間隔で配列され、 前記フィルタは、薄い軟質フィルタと、該軟質フィルタ
    の内面に重畳する厚い弾性フィルタとを含む平板状の多
    層構造フィルタであり、 前記有孔ドラムの内面に沿うよう曲げられて密着しかつ
    前記弾性フィルタの曲げ復元力によって隣りあう羽根に
    支えられるようにして、前記平板状の多層構造フィルタ
    の各片が前記羽根により仕切られた扇形の空間ごとに介
    装されていることを特徴とするオイルミスト除去装置。
  2. 【請求項2】 オイルミストを含んだ空気をケーシング
    内に設置した羽根車の回転によって吸引し、空気通路に
    配置されて前記空気を内外方向へ透過させる円筒状フィ
    ルタによって、オイルミストを捕捉することができるよ
    うにした装置において、 空気を内外面で透過させてオイルミストを捕捉する円筒
    状フィルタが、水平な姿勢で設置され、 該円筒状フィルタは多層構造フィルタであり、その最内
    層と最外層とがスポンジ質フィルタで形成される一方、
    中間層が繊維質フィルタで形成され、 前記最内層のスポンジ質フィルタは無端リング状であ
    り、前記繊維質フィルタは両端部が折曲された垂下部を
    備える有端リング状であり、前記最外層のスポンジ質フ
    ィルタは、対面密着させた上記両垂下部を端部で挾持す
    る有端リング状であり、 上記最外層のスポンジ質フィルタが上記垂下部を挾持す
    る端部で固縛され、前記多層構造フィルタが円筒状に保
    形されていることを特徴とするオイルミスト除去装置。
  3. 【請求項3】 オイルミストを含んだ空気をケーシング
    内に設置した羽根車の回転によって吸引し、該羽根車の
    周囲に位置して一体に回転する有孔ドラムの内面に取り
    付けたフィルタによって、オイルミストを捕捉すること
    ができるようにした装置において、 前記有孔ドラムの内部に配置される羽根車は回転軸が水
    平に設置されて6枚の羽根からなり、該羽根は相互に6
    0度の間隔で配列され、 前記フィルタは、薄い軟質フィルタと、該軟質フィルタ
    の内面に重畳する厚い弾性フィルタとを含む平板状の多
    層構造フィルタであり、 前記有孔ドラムの内面に沿うよう曲げられて密着しかつ
    前記弾性フィルタの曲げ復元力によって隣りあう羽根に
    支えられるようにして、前記平板状の多層構造フィルタ
    の各片が前記羽根により仕切られた扇形の空間ごとに介
    装され、 前記羽根車によって軸線方向から吸引され半径方向外方
    へ送出された空気を前記ケーシングの内面に沿って軸方
    向へ流過させるリング状通路が形成され、 該リング状通路から半径方向内方へ透過する空気からオ
    イルミストを捕捉する円筒状フィルタが、水平な姿勢で
    設置され、 該円筒状フィルタは多層構造フィルタであり、その最内
    層と最外層とがスポンジ質フィルタで形成される一方、
    中間層が繊維質フィルタで形成され、 前記最内層のスポンジ質フィルタは無端リング状であ
    り、前記繊維質フィルタは両端部が折曲された垂下部を
    備える有端リング状であり、前記最外層のスポンジ質フ
    ィルタは、対面密着させた前記両垂下部を端部で挾持す
    る有端リング状であり、 上記最外層のスポンジ質フィルタが上記垂下部を挾持す
    る端部で固縛され、前記多層構造フィルタが円筒状に保
    形されていることを特徴とするオイルミスト除去装置。
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