JP2000167326A - 除塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で従来の空気清浄機では処理しに
くい綿ぼこり等の比較的大きな塵を処理することができ
る除塵装置を提供することである。 【解決手段】 送風機の空気吸入部に、内部にフィルタ
層を備えたケーシングを着脱可能に設置する。また、遠
心式送風機の空気吸入部にフィルタを備え、前記遠心式
送風機の空気の吸入方向と直角方向の空気吐出部に別の
フィルタを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気清浄機を含む
除塵装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気清浄機は、目の細かい濾材を
用いたフィルタ若しくは高電圧で汚れの粒子を凝縮さ
せ、電気力により吸着するタイプが主流である。この両
者共に室内を浮遊するたばこの煙やアレルゲン及び花粉
等の１ミクロン以下の非常に細かい塵を処理対象として
いた。これら浮遊物を回収した後の浄化された空気を室
内に戻していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の空気清浄機
では、処理対象とする粉塵の大きさが比較的細かく、綿
ぼこりや繊維くず等の比較的大きな塵を処理すると、す
ぐにフィルタが目詰まりを起こしていた。また、高電圧
により処理するタイプの空気清浄器では、微細な塵を大
量に処理すると、電極が短絡する等の故障の原因となっ
ていた。

【０００４】本発明は、簡単な構成で従来の空気清浄機
では処理しにくい綿ぼこりや繊維くず等の比較的大きな
塵を大量に処理することができ、汚れの集中するフィル
タをケーシング毎定期的に交換し、メンテナンスを行う
ことができる除塵装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、送風
機の空気吸入部に、内部にフィルタ層を備えたケーシン
グを着脱可能に設置していることを特徴とする除塵装置
である。

【０００６】請求項２の発明は、遠心式送風機の空気吸
入部にフィルタを備え、前記遠心式送風機の空気の吸入
方向と直角方向の空気吐出部に別のフィルタを備えたこ
とを特徴とする除塵装置である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、請求項１及び２の発明を
適用した除塵装置１００の斜視図を示している。除塵装
置１００は、詳しくは後述する前部フィルタユニット１
（ケーシング）、側部フィルタ３（空気吐出部）、上部
フィルタ４（空気吐出部）、図３に示す遠心ファン５
（送風機）及びハウジング６から構成されている。

【０００８】図１に示すように、ハウジング６の前壁１
１には、約２ｃｍ程窪んだ凹部７が設けてあり、凹部７
の中央には円形の貫通孔８が設けてある。また、前壁１
１の四隅には図示しないねじ穴が設けてあり、このねじ
穴に先端にねじ部を備えたフック９がねじ込んである。
凹部７を設けることにより、前部フィルタユニット１の
全域に渡って濾過前の空気を吸入し、濾過作用を呈する
ことができる。

【０００９】前部フィルタユニット１には、図２に示す
ように四隅に穴１９が設けてある。穴１９は、図２に示
すように開口部の上側が下側よりも幅が狭くなってお
り、かつ奥の上部が窪んでいてフック９の頭部２５を収
容する空間を形成している。

【００１０】この穴１９にフック９を係合させると、フ
ック９の頭部２５が穴１９の奥に収容され、頭部２５が
穴１９の開口部の幅が狭くなった上側で押さえられて前
部フィルタユニット１がハウジング６側へ引き寄せられ
て密着し、前部フィルタユニット１はハウジング６に取
付けられる。

【００１１】図３に示すように、前部フィルタユニット
１の後壁にはヒンジ２０で回動可能な蓋２１が設けてあ
る。図２に示すように、蓋２１には多数の網目２２が設
けてある。網の目は一辺が約２ｃｍ程度である。図１に
部分的に示すように、前部フィルタユニット１の前面に
も、蓋２１に形成されている網目２２より目の細かい
（例えば一辺が３ｍｍ程度）網目３０が設けてある。

【００１２】蓋２１の上端は、図２に破線で示すように
前部フィルタユニット１の上部に形成した溝２３に差し
込んであり、蓋２１はポリプロピレン等の撓ませること
ができる材質で形成し、溝２３に対する蓋２１の着脱
は、蓋２１を上下方向に縮めるように撓ませることによ
り行う。

【００１３】通気性の良好な基布に直径２〜３ｍｍで深
さ１〜３ｍｍの複数の穴若しくは一辺が２〜３ｍｍの四
角形で深さが１〜３ｍｍの複数の穴を均一に設け、この
複数の穴に長さが１０〜５０ｍｍ、太さが１〜３ｍｍの
パイルを１ｃｍ²あたり１０本程度をタフティングして
シート状のパイル式フィルタ２４を形成している。この
フィルタ２４のフィルタ面積は、例えば５００〜２００
０ｃｍ²程度である。ここで通気性良好な基布として、
目の大きさが２〜３ｍｍの網（図示せず）を使用し、こ
の網にパイルをタフティングしてもよい。

【００１４】蓋２１を開き、前部フィルタユニット１内
にこのパイル式フィルタ２４をパイルの基部が遠心ファ
ン５側にくるように入れ、蓋２１を閉じる。図示してい
ないが、前部フィルタユニット１の前面には、空気が渦
巻状に吸入されるように渦巻状のルーバを備えてもよ
い。

【００１５】パイル式フィルタ２４を内蔵した前部フィ
ルタユニット１は、フック９に穴１９を係合させること
によりハウジング６に取付けられる。また、前部フィル
タユニット１を若干持ち上げた後に前方に引き出すこと
により穴１９をフック９から外せば、ハウジング６から
前部フィルタユニット１を容易に取り外すことができ
る。

【００１６】図３に示すハウジング６の後壁１２には、
遠心ファン５が後述するように固定されており、後壁１
２は底壁１３を介して前壁１１と連結されている。図３
に示す遠心ファン５は、従来から用いられている形式の
ものを使用し、図３では遠心ファン５のケーシングの外
形のみを記載している。

【００１７】遠心ファン５のケーシングに一体成形され
た環状取付板１４には複数の孔が設けてあり、後壁１２
のこの複数の孔に対応する位置にこれらの孔よりも少し
大き目の孔（長孔でも可）をそれぞれ設け、ボルト・ナ
ット１５で上下方向及び水平方向に環状取付具１４（遠
心ファン５）の取付位置を調整し、前壁１１に設けた貫
通孔８の中心が遠心ファン５の回転軸の軸芯上にくるよ
うに遠心ファン５を後壁１２に取り付ける。

【００１８】ここで、ハウジング６の底壁からは空気が
吐出されないため、遠心ファン５の回転軸の位置を、前
側から見て右下（遠心ファン５が右回りの場合。左回り
であれば左下）へ例えば０．５〜２ｃｍ程度ずらしても
よい。このようにすることにより、ハウジング６の両側
部及び上部から送出される単位時間当たりの空気量が、
回転軸の位置を貫通孔８の中心に配置した場合と比較し
て多くなるので好ましい。

【００１９】ハウジング６の両側部及び上部は開いてお
り、側部フィルタ３及び上部フィルタ４を支持する目の
粗い金網１６（図１）がコの字形に形成され、コの字形
の開いた部分を下向きにしてハウジング６に配置してあ
る。

【００２０】また、側部及び上部にはそれぞれ二カ所に
前壁１１と後壁１２を連結する支持部材１７が設けてあ
る。この支持部材１７と金網１６の間隔は、後で詳述す
る側部フィルタ３及び上部フィルタ４を丁度通過させる
ことができる幅に設定されている。

【００２１】側部フィルタ３及び上部フィルタ４は、通
気性の良好なケーシング内に、たばこの臭い等の微細な
塵を吸着することができる不織布製のフィルタ材を内挿
して形成されている。

【００２２】ここで、金網１６を使用せず、代わりに支
持部材１７を側部フィルタ３、上部フィルタ４が丁度通
過できる間隔で対向配置してもよい。このように支持部
材１７を配置すると、金網１６に対するメンテナンスが
不要であり、側部フィルタ３及び上部フィルタ４自体が
側壁を形成し、側部フィルタ３と上部フィルタ４のみを
取り替えるだけでメンテナンスが完了する。

【００２３】上部フィルタ４の長さは、金網１６の長さ
と一致している。また、側部フィルタ３は底壁１３に下
端を着床させた際に、上端の高さが金網１６を越え、か
つハウジング６の上面１８（図１）から突出しない長さ
に設定されている。

【００２４】金網１６と支持部材１７の間に、まず上部
フィルタ４を挿入し、その後側部フィルタ３をそれぞれ
挿入し、側部フィルタ３の上端付近で上部フィルタ４の
端部を支持する。

【００２５】側部フィルタ３及び上部フィルタ４には、
前部フィルタユニット１で濾過されかつハウジング６内
に進入した空気に含まれるたばこの臭い等の微細な塵を
吸収することができる不織布製のフィルタを採用する。
この不織布製のフィルタは、図４に示すように空気の通
過する方向（矢印）に対して縦織りの位置になるように
側部フィルタ３及び上部フィルタ４を形成する。

【００２６】図４に示す縦織りの位置にすると、ほこり
をフィルタ全域に渡って付着させることができるが、図
５に示す横織りの位置に配置した場合は、フィルタの一
部分（図５のＡ面）にしか塵は付着せず、Ｂ面には塵が
付着しにくい。従って、図４に示す縦織りの位置に配置
すると、図５に示す横織りの位置に配置した場合と比較
して集塵面積を増加させることができるので、濾過効果
の持続期間が延び、側部フィルタ３及び上部フィルタ４
の取替え周期が長くなり、好ましい。

【００２７】前部フィルタユニット１は、例えば四週間
置きに交換し、交換の際は内部のパイル式フィルタ２４
を取り出すことなく、前部フィルタユニット１毎、新し
いものに取り替える。

【００２８】以上のように構成することにより、綿ほこ
りや繊維くず等の比較的大きな塵は、前部フィルタユニ
ット１で除去し、たばこの臭い等の微細な塵は、側部フ
ィルタ３及び上部フィルタ４で除去することができる。

【００２９】パイル式フィルタ２４には、ほこり等を吸
着させる吸着剤を塗布することにより、塵の回収効率を
向上させてもよい。吸着材としては、道路付近の砂塵状
の塵が多い場所では粘着性の強い水系吸着材を使用し、
繊維工場・クリーニング工場等の繊維状の塵が多い場所
では移行性が高い鉱物油系吸着材を使用し、病院・食品
工場等の特に衛生上の配慮が必要な場所では、化学薬品
を溶解させ易い抗菌剤を効果的に配合することが可能で
かつフィルタ上に捕獲した塵に付着した菌の繁殖を防止
するのに適した合成油系吸着材を使用し、さらに、ペッ
トショップ等のにおいが発生する場所では、消臭・マス
キング効果が高い植物抽出油系吸着材を使用する。

【００３０】このパイル式フィルタ２４は、汚れても洗
浄することにより何十回と繰り返し使用することができ
る。側部フィルタ３及び上部フィルタ４には、用途（回
収する塵の種類）に応じて適切な仕様のフィルタを使用
する。パイル式フィルタ２４により比較的大きな塵が事
前に除去されるので、パイル式フィルタ２４を通過する
のは比較的細かい塵のみとなり、側部フィルタ３及び上
部フィルタ４は、従来よりも長期間に渡って使用するこ
とができる。

【００３１】以上の実施の形態においては、ハウジング
６の両側面と上面の三面から空気が吐出される例を示し
たが、上方あるいは側方に障害物がある場合には、そち
らに送風できないようにハウジング６の空気吐出面に壁
を形成してもよく、三面のうちの任意の面のみから空気
が吐出されるようにしてもよい。

【００３２】この除塵装置１００を電灯の上方の天井に
前部フィルタユニット１の前面が下になるように設置す
ると、電灯のかさにほこりが蓄積するのを防止すること
ができる。

【００３３】図１に示す除塵装置１００においては、前
部フィルタユニット１にはフィルタとしてモップ状のパ
イル式フィルタユニット２４のみが収納されている例を
示したが、このパイル式フィルタユニット２４のハウジ
ング６側に、比較的細かい粉塵を回収する不織布製の集
塵フィルタ（図示せず）を設けてもよい。

【００３４】この集塵フィルタを設けることにより、比
較的大きな塵はパイル式フィルタユニット２４と接触す
ることにより除去され、パイル式フィルタユニット２４
を通過した比較的細かい塵は、図示しない集塵フィルタ
で濾過することにより回収することができる。この集塵
フィルタを設けることにより、図１に示す側部フィルタ
３及び上部フィルタ４を設けることが場合によっては不
要となる。

【００３５】パイル式フィルタユニット２４は、不織布
製のフィルタよりも大量の比較的大きな塵を除去するこ
とができ、従って、パイル式フィルタユニット２４より
下流側（ハウジング６側）に不織布製フィルタを設ける
と、この不織布製フィルタには比較的細かな塵しか到達
しないので、不織布製フィルタの濾過能力は従来の除塵
装置よりも長期間持続し、メンテナンスの間隔を延ばす
ことができる。

【００３６】

【発明の効果】請求項１及び請求項２を適用した除塵装
置１００は、通常の空気清浄機では除去できないような
綿ぼこりや繊維くず等を主として除去対象としており、
除塵装置１００の前面から空気を吸い込み、遠心ファン
５により３つの側面（空気吐出口）から濾過後の空気を
排出することにより、除塵装置１００を設置した部屋の
空気の循環がよくなる。

【００３７】請求項１の発明を適用すると、内部にフィ
ルタ層を備えたケーシング（前部フィルタユニット
１）、ハウジング６及び遠心ファン５の３つの部品のみ
から成り、装置の構造の簡略化を図ることができる。遠
心ファン５を備えたハウジング６にフィルタパッケージ
（前部フィルタユニット１）を着脱可能にすることによ
り、メンテナンスを容易にすることができる。

【００３８】請求項２の発明を適用すると、ハウジング
６内に吸入した空気を吐出するハウジング６の側部及び
上部に、側部フィルタ３及び上部フィルタ４を着脱自在
に設けることにより、ハウジング６はそのままで、側部
フィルタ３及び上部フィルタ４のみを取り替えるだけで
メンテナンスが完了するので、作業能率が非常に良好で
ある。

【００３９】側部フィルタ３及び上部フィルタ４は、ハ
ウジング６内部から外部へ空気を通過させるため、外側
はほとんど汚れず、従って、外側から触っても比較的清
潔であり、汚れを気にすることなく新しいものに取り替
えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用した除塵装置の斜視図である。

【図２】 図１のII−II矢視図である。

【図３】 本発明を適用した除塵装置の一部縦断側面略
図である。

【図４】 空気の流れに対して不織布を縦方向に配置し
た状態を示す斜視図である。

【図５】 空気の流れに対して不織布を横方向に配置し
た状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 前部フィルタユニット（ケーシング） ３ 側部フィルタ（空気吐出部） ４ 上部フィルタ（空気吐出部） ５ 遠心ファン（送風機） ６ ハウジング（送風機） １１ 前壁（空気吸入部）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送風機の空気吸入部に、内部にフィルタ
   層を備えたケーシングを着脱可能に設置していることを
   特徴とする除塵装置。
2. 【請求項２】 遠心式送風機の空気吸入部にフィルタを
   備え、前記遠心式送風機の空気の吸入方向と直角方向の
   空気吐出部に別のフィルタを備えたことを特徴とする除
   塵装置。