JPH1021605A - 磁気記録・再生装置及びこれに使用される回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ - Google Patents

磁気記録・再生装置及びこれに使用される回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ

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JPH1021605A
JPH1021605A JP8172489A JP17248996A JPH1021605A JP H1021605 A JPH1021605 A JP H1021605A JP 8172489 A JP8172489 A JP 8172489A JP 17248996 A JP17248996 A JP 17248996A JP H1021605 A JPH1021605 A JP H1021605A
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JP
Japan
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drum
upper drum
rotary head
magnetic recording
assembly
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JP8172489A
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Inventor
Jiro Fujiwara
二郎 藤原
Akiyuki Yoshida
昭行 吉田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上ドラム固定方式回転ヘッド・ドラム・アッ
センブリを用いた磁気記録・再生装置において、ドラム
部での走行抵抗の安定化を図ることを目的とする。 【解決手段】 上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム
・アッセンブリを用いた磁気記録・再生装置であって、
上ドラムと下ドラムの間に少なくとも高周波振動発生部
材を介在させて接続し、上ドラムを高周波振動させてい
る。具体的には、上記高周波振動発生部材は、磁気テー
プから安定した信号を必要とする場合には発振させず、
一方、磁気テープから安定した信号を必要としないない
場合は発振させて上ドラムを高周波振動させている。そ
して、この高周波振動発生部材としては、圧電素子を使
用している。高周波振動発生部材により上ドラムが振動
することにより、ドラムと磁気テープの間に空気が取り
込まれ、摩擦抵抗が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオ・テ
ープ・レコーダ(VTR),データ・レコーダ等のよう
な磁気記録・再生装置及びこれに使用される回転ヘッド
・ドラム・アッセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
[回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ]ビデオ・テープ
・レコーダ(VTR),データ・レコーダ等のような磁
気記録・再生装置に使用される回転ヘッド・ドラムの一
形態に、上ドラム固定方式がある。この上ドラム固定方
式の回転ヘッド・ドラムは、上ドラム回転方式の回転ヘ
ッド・ドラムと比較して、比較的容易に安定して磁気テ
ープからの信号を記録・再生することが出来ることか
ら、特に高密度記録を目的とする磁気記録・再生装置に
採用されている。
【0003】図6(A)は、この上ドラム固定方式回転
ヘッド・ドラム・アッセンブリの構成を示す図である。
上ドラム固定方式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ
は、テープガイド帯を形成する固定の上ドラム7と固定
の下ドラム9の間に、円周側面に記録ヘッド,再生ヘッ
ド等の各種ヘッドを配置した回転ヘッド・ドラム8を介
在配置させた、概して三層の構造になっている。磁気テ
ープ10は、これらドラム7,8,9を角度約180度
に亘って斜めに巻き付きながら走行し、この期間に回転
ヘッド・ドラム8のヘッドにより記録・再生が行われ
る。
【0004】図6(A)に示すような回転ヘッド・ドラ
ム8に対して磁気テープ10を巻き付けるテープ・ロー
ディングには種々の方法が知られているが、図6(B)
はその一例としてのUローディング機構を示している。
供給側(S)リール39より供給された磁気テープ10
は、テンションアーム35で所定の張力をかけられ、全
幅消去ヘッド41に接触しながら、図6Bに示した回転
ヘッド・ドラム1に角度約180度に亘って巻き付く。
その後、音声消去ヘッド43,音声コントロール・ヘッ
ド45に接触しながらキャプスタン37とピンチローラ
47の間に巻き取られ、複数個の回転ガイド49に導か
れて巻取(T)リール51に巻き取られる。このような
テープ・ローディングは、テープカセットをカセット・
ボックスにセットすると、ローディング・リング53が
回転して、約3秒ほどで完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような上ドラム
固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセンブリに関し
て、テープ走行の安定化を図る観点より、本出願の出願
時点で未だ出願公開されていない出願を含めて、種々の
アイディアを提案してきた。例えば、第1に、上ドラム
の径と下ドラムの径に差を設けて、上ドラムを多少大き
い径にしている。第2に、上ドラムの形状をテーパ形状
にしたり、段付きテーパ形状にしたりしている。第3
に、上ドラムと下ドラムの円筒度を、所定の方向に所定
の量だけ設けている。
【0006】即ち、後で詳細に説明するように上ドラム
固定方式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリは、下ドラ
ムの回転軸に対して上ドラムの回転軸を傾斜することが
出来る構成になっている。この「円筒度」とは、上ドラ
ムと下ドラムの回転軸が或る角度傾斜した時における、
下ドラム形状に対する上ドラム形状の最大偏差を長さの
単位で表したものである。
【0007】上述のような種々のアイディアを組み込ん
だ上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセンブ
リであっても、磁気テープを巻き戻し(REW)方向に
走行させる際に、円滑に走行し難い現象が発生すること
があった。このような走行トラブルが発生した回転ヘッ
ド・ドラム・アッセンブリを解析してみると、上ドラム
と下ドラム間の円筒度が、予め定められた値よりも大き
い値であることが判明した。この場合、円筒度を所定の
値以内になるように調整した結果、走行トラブルは発生
しなくなった。
【0008】また、円筒度に関しては、円筒度を或る値
(一例として、例えばマイナス数十μm)以下にする
と、磁気記録・再生装置によっては、例えば使用するテ
ープの種類,装置の使用環境の変化等の外部的要因の影
響を受けて、安定した再生信号を出力させることが困難
な場合が発生する。
【0009】このような回転ヘッド・アッセンブリの現
時点における技術開発状況における問題点に鑑み、本発
明は、上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセ
ンブリにおいて、回転ヘッド・ドラム部での走行抵抗の
一層の安定化を図ることを目的とする。また、高精度に
調整し得る円筒度を有する回転ヘッド・ドラム・アッセ
ンブリを提供することを目的とする。
【0010】更に本発明は、このような上ドラム固定方
式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリを備えた磁気記録
・再生装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる磁気記録
・再生装置は、上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム
・アッセンブリを用いた磁気記録・再生装置であって、
上ドラムを高周波振動させることを特徴とする。
【0012】更に本発明にかかる磁気記録・再生装置
は、上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセン
ブリを用いた磁気記録・再生装置であって、上ドラムと
下ドラムの間に少なくとも高周波振動発生部材を介在さ
せて接続し、この高周波振動発生部材を駆動することに
より上ドラムを高周波振動させている。
【0013】更に具体的には、このような磁気記録・再
生装置において、上記高周波振動発生部材は、磁気テー
プから安定した信号を必要とする場合には発振させず、
一方、磁気テープから安定した信号を必要としないない
場合は発振させて上ドラムを高周波振動させている。そ
して、この高周波振動発生部材としては、圧電素子を使
用している。高周波振動発生部材により上ドラムが振動
することにより、ドラムと磁気テープの間に空気が取り
込まれ、摩擦抵抗が減少する。
【0014】更に本発明にかかる上ドラム固定方式の回
転ヘッド・ドラム・アッセンブリは、上ドラムと下ドラ
ムの間に少なくとも高周波振動発生部材を介在させて接
続している。この高周波振動発生部材は、圧電素子を使
用しており、該圧電素子は、磁気テープから安定した信
号を必要とする場合には発振させず、一方、磁気テープ
から安定した信号を必要としないない場合は発振させて
上ドラムを高周波振動させている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる磁気記録・
再生装置及びこれに使用される回転ヘッド・ドラム・ア
ッセンブリの実施例に関し、本発明の動機となった従来
技術の有する問題点の原因究明を含めて、添付の図面を
参照しながら説明する。なお、同一の要素に付いては同
一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0016】[上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム
の特性解析]磁気記録・再生装置に使用される上ドラム
固定方式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリに関し、ヘ
ッド・クロッグ(ヘッドへの磁性粉付着)の発生防止,
磁気テープの損傷防止等のためには磁気テープの走行抵
抗を軽減することが重要となる。
【0017】本願発明者等は、上ドラム固定方式の回転
ヘッド・ドラムの走行抵抗特性を解析するために、上ド
ラムと下ドラム間の円筒度及び走行方向(FWD又はR
EW方向)の2つの要因をパラメータとして、上ドラム
固定方式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリの走行抵抗
を測定する実験を行った。
【0018】図1は、定格テープ速度における走行抵抗
の測定結果を示している。図1は、右縦軸に下ドラムに
対する上ドラムの位置の偏差である円筒度を単位〔μ
m〕で目盛っている。左縦軸には、走行抵抗をテンショ
ン比の絶対値で表して目盛っている。円筒度を+約80
〔μm〕から−80〔μm〕まで順次変化させ、再び約
−80〔μm〕から+約80〔μm〕まで順次変化させ
て、これを予めグラフ上にV形の直線(破線)で表示し
ている。次に、走行方向のFWD方向とREW方向別
に、このV形直線の円筒度に対応する走行抵抗をテンシ
ョン比によって測定し、左縦軸に対応する箇所に夫々プ
ロットして表示する。
【0019】ここで,テンション比とは、供給側テープ
のテンションと巻取側テープのテンションの比の絶対値
|Ts/Tt|である。このテンション比|Ts/Tt
|は、次の通り定義される。 |Ts/Tt|=|S側テンション値/T側テンション
値|=|供給側磁気テープのテンション値/巻取側磁気
テープのテンション値| このテンション比|Ts/Tt|は、一定の巻取側テー
プ張力Ttに対して供給側テープ張力Tsが弛緩してい
れば容易に巻き取れて低い値となり、緊張していれば高
い値となる。一方、一定の供給側テープ張力Tsに対し
て巻取側テープ張力Ttが弱ければ高い値となり、反対
に強ければ低い値となることより、走行抵抗を表してい
る。
【0020】実際には、図2に示すように、供給側のテ
ンションTsはテンション・アームの角度θよりバネの
張力を求め、巻取側のテンションTtは磁気テープ10
を走行駆動するキャプスタン37に接続されたDCモー
タ(図示せず。)の負荷トルクを逐次検出することによ
り求めている。なおこの場合、供給側のテンションTs
を決定するバネの張力は一定として、巻取側のテンショ
ンTtを決定する負荷トルクのみ検出して算出してもよ
い。
【0021】走行抵抗の軽減の観点から図1の測定結果
を考察すると、先ず、FWD方向の走行抵抗(一点鎖
線)に関しては、円筒度が+約80〔μm〕→−80
〔μm〕→+約80〔μm〕に変化する範囲に亘って、
テンション比|Ts/Tt|は略一定であり、約1.6
〜2.1の範囲にある。これに対して、REW方向の走
行抵抗に関しては、テンション比の絶対値がFWDと略
同じ範囲(約1.6〜2.1)にあるのは、円筒度が約
12μm以下の範囲に限られる。即ち、REW方向の場
合、円筒度が約12〔μm〕より大きくなった時、テン
ション比|Ts/Tt|が約2.1を越えて大きくな
る。
【0022】なお、図には示していないが、テープ速度
をパラメータとして変化させて図1と同様の測定を行っ
た。この場合、テープ速度が遅くなるにつれ、上ドラム
と下ドラム間の円筒度が或る値を越えて大きくなると、
走行抵抗が極端に増加する現象が一層顕著に発生するこ
とも判明した。
【0023】以上の実験により、REW方向の走行の場
合、円筒度が或る範囲を外れると、走行抵抗が非常に高
くなることが判明した。同様に、FWD方向の走行の場
合には、円筒度の広い範囲で、走行抵抗が略一定に保た
れていることが判明した。
【0024】この考察の結果から、本発明者等は、磁気
記録・再生装置において、例えば巻戻し時のようなRE
W方向走行特に磁気テープ10から安定した信号を必要
としないない場合に、走行抵抗を軽減可能とした磁気記
録・再生装置を開発することとした。
【0025】この目標に沿って検討した結果、本発明
は、上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセン
ブリを用いた磁気記録・再生装置において、上ドラム固
定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセンブリが、上ドラ
ムと下ドラムの間を少なくとも高周波振動発生部材を介
在させて接続され、特に磁気テープから安定した信号を
必要としないない場合は高周波振動発生部材を発振させ
て上ドラムを高周波振動させ、テープと主として上ドラ
ムとの間の摩擦抵抗を軽減して磁気テープの走行抵抗を
減少させたことを基本概念とする。また、磁気テープか
ら安定した信号を必要とする場合には高周波振動発生部
材を発振させないで所定の円筒度をそのまま保持してい
る。
【0026】更に、上ドラムを高周波振動させる手段と
しては、ピエゾ素子である圧電素子を使用することとす
る。
【0027】[実施例] (回転ヘッド・ドラム・アッセンブリの構成)図3は、
高密度記録を目的とする磁気記録・再生装置に採用され
ている上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセ
ンブリを概略的に示している。図3(A)はその平面図
であり、図3(B)は図3AのB−B′切断面図であ
る。
【0028】回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ1は、
図3(B)に示すように、円柱状の固定上ドラム3と、
同じく円柱状の固定下ドラム5と、両方のドラムの間に
回転自在に設けられた円盤状の回転ヘッド・ドラム(ス
キャナ・ユニット)7とを備えている。この回転ヘッド
・ドラム7の円周側面には、図には示されてないが磁気
記録・再生装置の性質に応じて記録ヘッドREC,再生
ヘッドPB,消去ヘッドERASE,ダミーヘッドDU
MMY等のヘッドが各々2個ずつ、相互に角度約180
°ずつ離れて所定の位置に配置されている。
【0029】これら上ドラム3,回転ヘッド・ドラム7
及び下ドラム5の中心部には、中心軸集合体9が設けら
れ、この中心軸集合体9は3つの部分からなる。この中
心軸集合体9は、上ドラム3に近傍の部分は上ドラム軸
11を形成し、下ドラム5に近傍の部分は下ドラム軸1
3を形成し、これら上ドラム軸11と下ドラム軸13の
間は、フレキシブルジョイントである金属ばねカップリ
ング部材15によって屈曲自在に結合されている。固定
下ドラム5の下方には、駆動モータ(図示せず。)が配
置され、いわゆるダイレクト・ドライブ方式で中心軸集
合体9を回転させている。
【0030】中心軸集合体9と各ドラム3,7,5との
関係は次の通りである。中心軸集合体9の上ドラム軸1
1と固定上ドラム3とは、例えばボール・ベアリング1
7を介して接続され、固定上ドラム3に対して上ドラム
軸11は回転自在な関係にある。同様に、中心軸集合体
9の下ドラム軸13と固定下ドラム5とは、例えばボー
ル・ベアリング19を介して接続され、固定下ドラム5
に対して中心軸集合体9は回転自在な関係にある。中間
にある回転ヘッド・ドラム7は、中心軸集合体9の上ド
ラム軸11に対して適当な箇所で接合されて、中心軸集
成体9の回転と共に回転する。
【0031】上ドラム軸11と下ドラム軸13とは中心
軸集成体中間部にある金属ばねカップリング15を介し
て屈折自在に接続されているため、上ドラム3の回転中
心軸である上ドラム3と下ドラム5の回転中心軸である
下ドラム5とは、一方又は双方のドラムに対して何らか
の外部圧力を加えることにより、相互に直線上の位置か
ら任意の方向に傾斜させることが出来る。回転ヘッド・
ドラム7は上ドラム軸11に接合されているため、この
軸の傾斜に対応して、上ドラム3と共に傾斜する。
【0032】上ドラム3と下ドラム5はいずれも固定式
(厳密には、非回転式で相対的に傾斜可能である。)で
あり、両ドラム3,5は、ドラム支柱21,高周波振動
発生部材23及びドラム・ホルダ25を介して接続され
ている。
【0033】即ち、上,回転ヘッド及び下の各ドラム
3,7,5に並んで配置されたドラム支柱21は、図3
(A)の平面図に示すように、その三辺は矩形の上面を
もっているが、各ドラム3,7,5に向かう面は各ドラ
ムの円周に沿って凹状の円周を成している。ドラム支柱
21は、このような上面をもつ柱状体であり、各ドラム
3,7,5に向かう面は各ドラムの円周に沿って凹面状
の円周面を成して、各ドラムから一定間隔だけ離間して
いる。ドラム支柱21の上端には、回転ドラム側の一部
分に図に示すような突起部材27が形成されている。
【0034】ドラム・ホルダ25は、図3(A)に示す
平面図に示すように、概して六角形状の上面をもつ板状
体であり、その内部に矩形形状の開口29が空けられて
いる。また、図1(B)の正面図で分かるように、ドラ
ム・ホルダ25の一部分は上ドラム3の上面の一部分に
重なり、他の一部分はドラム支柱21の上面に重なって
いる。矩形形状の開口29には、ドラム支柱21の上端
にある突起部材27が挿入される位置関係で、ドラム・
ホルダ25とドラム支柱21は組み合わされている。こ
のとき、突起部材27と開口29の内側側面とは離間し
ている。
【0035】この突起部材27と開口29の内側側面と
の間に、高周波振動発生部材23が介在配置される。高
周波振動発生部材23の一端は突起部材27に対して適
当な方法で接合され、同様に高周波振動発生部材23の
他端は開口27の内側側面に対して適当な方法で接合さ
れる。
【0036】この高周波振動発生部材23としては、例
えば圧電素子である圧電共振子を使用することが出来
る。圧電共振子は、圧電効果(ピエゾ効果)を利用した
振動子であり、圧電効果とは、一般に、圧電結晶に圧力
を作用することにより結晶の相対する二つの面に電圧が
発生する現象、あるいは逆に、結晶の相対する二つの面
の間に電圧を与えることによりその電圧の周波数におい
て変化する歪みが発生する現象であるが、この圧電共振
子の場合は後者の現象を利用した素子である。ピエゾ素
子の場合、素子の長さ寸法は約10〔mm〕である。
【0037】図3(A)に示すように、高周波振動発生
部材23の他端がドラム・ホルダ25の開口29の内側
側面に対して接合される。ドラム・ホルダ25は、例え
ば上ドラム止めネジ31のような適当な接合部材によっ
て上ドラム3と堅固に接合される。同様に、ドラム・ホ
ルダ25は、例えばドラム支柱結合ネジ33のような接
合部材によってドラム支柱21と接合される。
【0038】しかし、このドラム支柱結合ネジ33の部
分は高周波振動発生部材に対して適度な予圧をかけると
共に、この部分では図に示すY方向に微小距離の移動が
出来るように、ドラム支柱結合ネジ33を受けるドラム
・ホルダ25の下孔(図示せず。)はY方向に若干長い
長円形状であり、ガタのある構造となっている。上述の
ように、ドラム支柱21が突起部材27を有し、この突
起部材27はドラムホルダ25との間に高周波振動発生
部材23を介在させて接続され、ドラムホルダ25は上
ドラム止めネジ31により上ドラム3に接続する構造が
出来ている。こうして、高周波振動発生部材23が発振
すると、上ドラム3はドラム支柱21に対して高周波振
動発生部材23の発振周波数で微小振動することとな
る。
【0039】高周波振動発生部材23としてピエゾ素子
を使用した場合、振動数は数十kHz程度である。な
お、ドラム支柱21、高周波振動発生部材23、ドラム
ホルダ25及び上ドラム3からなる接続系ははその形
状,形状,重量等によって決まる固有の共振周波数を有
しているため、予めピエゾ素子に印加する周波数を変化
させ、この固有振動数に共振するような起振周波数を求
め、この共振周波数で振動させることが好ましい。
【0040】(高周波振動の回路及び動作)図4を用い
て、高周波振動部材23として圧電素子を使用した場合
の駆動方法に関して説明する。上述のように上ドラムを
高周波振動させる方法は、記録・再生時のような安定し
た信号の書き込み又は読み取りを必要とされる場合には
行われない。また、REW方向の巻き戻し時には、図1
で判明したように円筒度の値によっては走行抵抗がFW
D方向並みに小さい場合もあるが、記録・再生が行われ
ないので、所望により一律に上ドラムを高周波振動させ
ることが出来る。
【0041】図4(A)は、例えばVTRの場合にシス
テム・コントローラで行われる制御方法の一例である。
テープ走行が開始されると、走行方向がFWDであるか
REWであるかが判定される(S1)。FWD方向の走
行の場合には、高周波振動させずにそのまま終了する。
REW方向の時、圧電素子が駆動され(S2)、上ドラ
ムが高周波振動される。テープ走行が終了したか否かが
判定され(S3)、終了するまで高周波振動が継続され
る。
【0042】FWD方向走行時には、、圧電素子を所定
の寸法に維持して所定の円筒度を保持するために直流電
圧V0 を印加する必要がある。更に、図4(A)に示す
ように圧電素子23を高周波振動させると判定した場合
には、例えば所定の数十kHzで高周波振動させる必要
がある。このため、圧電素子23に対して直流成分V0
を含んだ交流電圧を印加する必要がある。図4(B)
は、一例としての圧電素子駆動回路を、エミッタフォロ
ワ型増幅回路を利用した実現したものである。この場
合、直流電圧V0 を可変として、円筒度を調節可能にす
る。FWD方向走行ではスイッチSは開いている。RE
W方向走行時にシステムコントローラ(図示せず。)か
ら圧電素子23を振動駆動する命令を受けると、スイッ
チSを閉じる。なお、直流電圧V0 は抵抗Rの抵抗値を
調整することにより行い、所定の円筒度を維持すること
が出来る。上述したように、圧電素子23を振動させる
駆動交流電圧の周波数は、その回転ドラムの固有の共振
周波数を測定して決定することが好ましい。
【0043】(動作)再び図3Bを参照すると、最近主
流となっているダイレクト・ドライブ方式の回転ヘッド
・アッセンブリでは、下ドラム5の下方に駆動モータ
(図示せず。)が配置されている。ダイレクト・ドライ
ブ方式にこのような構造を採択すると、下ドラム5は、
駆動モータ(図示せず。)に対し固定されているため不
動である。この不動の下ドラム5は、ドラム支柱21に
対してその下半分の箇所で、例えばネジ等の適当な結合
手段により接合されている。ドラム支柱21の上端は、
ドラム・ホルダ25に対して、ドラム支柱結合ねじ33
により微小移動可能な状態で接続されていると共にその
突起物27が高周波振動発生部材23を介して接続され
ている。このように下ドラム5は、高周波振動発生部材
23を介して上ドラム3と微小移動可能な状態で接続さ
れている。
【0044】高周波振動発生部材23の微小な高周波振
動がドラム・ホルダ25を介して上ドラム3に伝達さ
れ、上ドラム3を微小に高周波振動させる。上ドラム3
が微小に高周波振動することにより、上ドラム3と磁気
テープ10との間に空気が取り込まれ、この境界面の実
質的な摩擦抵抗は減少する。また、磁気テープ10に伝
達した振動により磁気テープ10と下ドラム5との間に
も空気が取り込こまれて摩擦抵抗が減少することが期待
される。
【0045】なお、最も安定した書込・再生信号が必要
とされる記録・再生モードのFWD走行時には、高周波
発生部材23を振動させず、所定の円筒度を保持する。
このような必要がないモードのREW走行時には、高周
波発生部材を振動させる。所望ならば、図4で説明した
直流電圧V0 を変化させて圧電素子23の寸法を調節し
て円筒度を所定の値(この実施例の場合には、約12
〔μm〕より小さい値)に設定し、テンション比の絶対
値が所定の値に範囲内(この実施例の場合には、約1.
6〜2.1)としながら、更に高周波発生部材23を振
動させて走行抵抗を減少することも出来る。
【0046】[磁気記録・再生装置] (全体の構成)上述の上ドラム固定方式回転ヘッド・ド
ラム・アッセンブリは、ビデオ・テープ・レコーダ(V
TR),カメラ一体型ビデオ・テープ・レコーダ等の磁
気記録再生装置に適用し得るが、ここでは代表的なVT
Rを例にとって、上ドラム固定方式回転ヘッド・ドラム
・アッセンブリの使用の様子を簡単に説明する。図5
は、ディジタルVTRの構成を示す。ディジタルVTR
は、記録データの記録・再生をディジタル形式で行う回
転ヘッド・ドラム1を有し、外部から供給されたアナロ
グ映像信号又はディジタル映像データに基づいてディジ
タル記録データを生成して回転ヘッド・ドラム1に供給
する記録系35と、回転ヘッド・ドラム1からの映像デ
ータを再生して出力する再生系37とを備えている。
【0047】記録系35は、外部から供給されるアナロ
グ映像信号をディジタル映像データ変換するアナログ・
ディジタル変換部(A/D部)43と、この変換された
ディジタル映像データ又は外部から供給されるディジタ
ル映像データを、システム・コントローラ41の制御信
号により選択するスイッチ45と、A/D部からからの
映像データに対し、記録のための各種処理を行う記録信
号処理回路47と、記録信号処理回路からのデータに対
しIDデータを付加するID付加回路49と、ID付加
回路からの出力データに対しスクランブル処理するスク
ランブル処理回路51と、スクランブル処理回路51か
らの出力データからインナーECCを生成して付加する
インナーECCコーダ53と、インナーECCコーダか
らの出力データに同期データを付加する同期付加回路5
5と、同期付加回路からの出力データを記録用に符号化
するコーダ57と、コーダからの記録信号をシステム・
コントローラ41からのスイッチング制御信号により選
択的に切り換えて、一方又は他方の記録ヘッドに選択的
に供給する切換回路59とを備えている。
【0048】再生系37は、一方又は他方の再生ヘッド
で夫々再生された、一方又は他方のRF信号を選択的に
出力する、記録系と共用して用いられる切換回路59
と、切換回路からの一方又は他方のRF信号を波形化等
し復号するデコーダ61と、デコーダからの出力データ
から同期データを抽出する同期検出回路63と、同期検
出回路からの出力データからインナーエラー訂正処理を
行うインナーエラー訂正処理回路65と、インナーエラ
ー訂正処理回路からの出力データからIDデータを抽出
するID検出回路67と、ID検出回路からの出力デー
タに対しデ・スクランブル処理を行うデ・スクランブル
処理回路69と、デスクランブル処理回路からの出力デ
ータに対し再生信号処理を行う再生信号処理回路71
と、再生信号処理回路からのディジタル映像データをア
ナログ映像信号に変換するディジタル・アナログ変換回
路73とを備えている。
【0049】その他の系として、入力映像信号から同期
信号を抽出し、クロック信号,水平同期信号及び垂直同
期信号を生成、これらの信号をVTR各部に与えるシス
テム同期発生回路77と、回転ドラム装置1を駆動する
モータの回転制御及びヘッドの円筒度の制御を行うドラ
ム装置制御回路79と、磁気テープ10を走行させるた
めのキャプスタンモータ81と、キャプスタンモータを
駆動すると共にCTL信号の記録・再生を行ってキャプ
スタン制御を行う走行制御回路83と、操作パネル75
と、操作パネルからの入力データに基づいて、記録系,
再生系及びその他の系の各部を制御するシステム・コン
トローラ41とを備えている。
【0050】このようなVTRの場合では、システム・
コントローラ41内で、図4(A)に示したような走行
開始時に走行方向の判定を行っている。REW方向の場
合には、ドラム制御装置79に設けられた例えば図4
(B)に示したような圧電素子駆動回路により、圧電素
子を高周波振動させている。
【0051】なお、本発明にかかる回転ヘッド・ドラム
は、VTRに限定させず、上ドラム固定方式回転ヘッド
・ドラム・アッセンブリを用いる磁気記録・再生装置に
適用し得る。
【0052】[実施例の効果]本実施例にかかる上ドラ
ム固定方式回転ヘッド・ドラム・アッセンブリを用いる
ことにより、走行抵抗の高いREW方向走行時に走行抵
抗を減少することが出来る。これにより、磁気テープ1
0の損傷を軽減し、又ヘッドクロッグを減少することが
出来る。
【0053】
【発明の効果】本発明にかかる上ドラム固定方式回転ヘ
ッド・ドラム・アッセンブリによれば、ドラム部での走
行抵抗の安定化を図ることが出来る。また、高い精度の
円筒度を有する回転ヘッド・ドラム・アッセンブリを提
供することを目的とする。
【0054】更に本発明にかかる磁気記録・再生装置に
よれば、このような特徴を有する上ドラム固定方式回転
ヘッド・ドラム・アッセンブリを備えた磁気記録・再生
装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】上ドラム固定式回転ヘッド・ドラムの円筒度と
テンション比との関係を、走行方向別に示した図であ
る。
【図2】上ドラム固定式回転ヘッド・ドラムのテンショ
ン比を説明する図である。
【図3】本実施例にかかる上ドラム固定式回転ヘッド・
ドラム・アッセンブリの構成を示す図である。
【図4】図3に示す上ドラム固定式回転ヘッド・ドラム
・アッセンブリの圧電素子の制御方法及び制御手段を説
明する図である。
【図5】図3の上ドラム固定式回転ヘッド・ドラムが適
用される磁気記録・再生装置の一例としてのディジタル
VTRの構成を示す図である。
【図6】上ドラム固定式回転ヘッド・ドラムの構成を説
明する図である。
【符号の説明】
1 回転ドラムアッセンブリ、3 上ドラム、5 下ド
ラム、7 回転ヘッド・ドラム、9 中心軸集合体、1
0 磁気テープ、11 上ドラム軸、13 下ドラム
軸、15 フレキシブル・ジョイント(金属ばねカップ
リング)、17,19 ボール・ベアリング、21 ド
ラム支柱、23 高周波振動部材(圧電素子)、25
ドラム・ホルダ、27 突起部材、29 開口、31
上ドラム止めねじ、33 ドラム支柱結合ねじ、35
テンション・アーム、37 キャプスタン、39 供給
側リール、41 全幅消去ヘッド、43 音声消去ヘッ
ド、45 音声コントロール・ヘッド、47 ピンチロ
ーラ、49 回転ガイド、51 巻取リール、53 ロ
ーディング・リング

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム
    ・アッセンブリを用いた磁気記録・再生装置において、 上ドラムを高周波振動させることを特徴とする磁気記録
    ・再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録・再生装置に
    おいて、 上記上ドラムと下ドラムの間に少なくとも高周波振動発
    生部材を介在させて接続し、該上ドラムを高周波振動さ
    せることを特徴とする磁気記録・再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気記録・再生装置に
    おいて、 上記高周波振動発生部材は、磁気テープから安定した信
    号を必要とする場合には発振させず、一方、該磁気テー
    プから安定した信号を必要としない場合は発振させて上
    記上ドラムを高周波振動させることを特徴とする磁気記
    録・再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気記録・再生装置に
    おいて、 上記高周波振動発生部材は、圧電素子を使用している磁
    気記録・再生装置。
  5. 【請求項5】 上ドラムと下ドラムの間に少なくとも高
    周波振動発生部材を介在させて接続したことを特徴とす
    る上ドラム固定方式の回転ヘッド・ドラム・アッセンブ
    リ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の上ドラム固定方式の回
    転ヘッド・ドラム・アッセンブリにおいて、 上記高周波振動発生部材は、圧電素子を使用しており、
    該圧電素子は、磁気テープから安定した信号を必要とす
    る場合には発振させず、一方、該磁気テープから安定し
    た信号を必要としないない場合は発振させて上記上ドラ
    ムを高周波振動させることを特徴とする回転ヘッド・ド
    ラム・アッセンブリ。
JP8172489A 1996-07-02 1996-07-02 磁気記録・再生装置及びこれに使用される回転ヘッド・ドラム・アッセンブリ Pending JPH1021605A (ja)

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