JPH10213785A - 偏光子及びその製造方法及び偏光子を備えるディスプレイまたは表示装置 - Google Patents

偏光子及びその製造方法及び偏光子を備えるディスプレイまたは表示装置

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JPH10213785A
JPH10213785A JP17907197A JP17907197A JPH10213785A JP H10213785 A JPH10213785 A JP H10213785A JP 17907197 A JP17907197 A JP 17907197A JP 17907197 A JP17907197 A JP 17907197A JP H10213785 A JPH10213785 A JP H10213785A
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polarizer
layer
magnetic
film
thickness
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JP17907197A
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Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
Ikue Kawashima
伊久衞 川島
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気光学効果を利用した高コントラストの像
を表示する装置を提供する。また、表示装置に適用で
き、高光透過率で着色せず大面積の偏光子を提供する。 【解決手段】 ディスプレイは、記録媒体9にマイクロ
磁気ヘッドアレイ11を設けた構成を有する。記録媒体
9は、透明基板1上に、偏光子層3,透明磁性層5,お
よび反射層7を順次積層してなる。マイクロ磁気ヘッド
アレイ11により、透明磁性層5を磁化し、磁化部分に
おいて、磁気光学効果により偏光の偏波面の回転を生じ
せしめ、反射光が偏光子層3を再通過しないようにす
る。一方非磁化部では、反射光が偏光子層3を再通過す
るため、磁化部と非磁化部でコントラストが発現する。
また偏光子層3と透明磁性層5は、薄膜を基板上に垂直
に並べた構成とすることにより、高い偏光効果及び磁気
光学効果が得られ、コントラストの高い像を表示するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイなど
の表示装置,及び表示装置に用いる偏光素子に関し、よ
り詳細には、可視光による磁気光学効果を利用して情報
を可視化する表示装置と、極細線構成を有し表示装置に
用いる偏光子に関し、また、マイクロ磁気ヘッドアレイ
によって記録・消去・読み出しが繰り返し可能で、磁気
ペン等を用いて記録が可能であるディスプレイに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来反射型ディスプレイの代表的なもの
として液晶を用いたものがあり、偏光子は1枚あるいは
2枚用いる。液晶ディスプレイでは、偏光子を通過した
直線偏光は、液晶によって90°偏光面が回転し、次の
偏光子を通れなくなって黒くなるか、回転しないで白く
なるかによってコントラストを発現させる仕組みとなっ
ている。
【0003】しかしながら、液晶を用いて所望の文字や
図形を表示しようとするためには、所定のセグメント毎
に電極を設ける必要があり、構造が複雑かつ高価となら
ざるを得ないという問題点がある。さらに、これら反射
型液晶ディスプレイは、液晶に印加する電圧を取り除く
と一般的には表示は消失してしまう欠点があった。メモ
リー機能を有するものもいくつか提案されているが(特
開平7−92438号公報)、実用化されているものは
ない。また、液晶は2枚のガラス又は透明プラスチック
ス等で挟まれている構成を有しているために、大きく曲
げたりすることが難しく、さらに、液晶へ電圧印加が必
要なことから厚みが数mmと厚くなるのが一般的であ
る。偏光子としてはフィルム型偏光子(2色性物質にヨ
ウ素用いる)が用いられているのが一般的で、この場合
1枚の偏光子で40%程度の光透過率を有する。従っ
て、画像は非常に暗いのが一般的である。また、上記液
晶表示以外のディスプレイ技術としては、特開平5−7
7543号公報に開示された技術があるが、高いコント
ラストでデジタル記録・再生を可能にするための技術手
段については十分に開示されていないものであった。
【0004】次いで、従来の技術による偏光子の主な例
と、各例毎に従来技術における問題点を以下に列挙す
る。 1,特開平1−93702号公報に開示された偏光板及
び偏光板の製造方法 強磁性体微粒子からなる多数の棒状素子を含む偏光層を
基板表面に一定方向に配列して固着形成することによ
り、製造が容易でかつ光学的特性の優れた偏光板及びそ
の製層方法を提供したもの。すなわち棒状の強磁性体を
一定方向に並べたものである。
【0005】(問題点)偏光層の配列のバラツキが大き
く、また、棒状素子材料自体の形状のバラツキも大き
い。材料は光の吸収と屈折率が大きいことが必要である
が、この点で好ましいとは言えない。
【0006】2,ワイヤグリッド偏光子 「現代人の物理1−光と磁気」(東京農工大学 佐藤勝
昭教授著,1988,P103)に記載されたもの。こ
の偏光子は、2.5μmより長波長の光に対して機能す
る偏光子であって、透明基板(臭化銀、ポリエチレン
等)に微小な間隔で金やアルミニウムの線をひいたもの
である。この場合、線の間隔d、波長をλとすると、λ
≫dの波長の光に対して、透過光は線に垂直な振動面を
持つほぼ完全な直線偏光になる。中赤外用(λ2.5μ
m〜25μm)としては臭化銀基板にd=0.3μm間
隔で金線をひいたものが、遠赤外用(λ16μm〜10
0μm)としてはポリエチレン板にd=0.7μmでア
ルミニウムをひいたものが用いられる。偏光度は97%
程度といわれる。
【0007】(問題点)これは長波長の赤外線用の偏光
子で、可視光では機能しない。また、このワイヤー法で
は線巾を500Å以下と細くすることはできない。
【0008】3,コーニング社製「ポーラコア」 ポーラコア(商品名)は、長く延伸させた金属銀をガラ
ス自身の中に一方向に配列させることにより、偏光特性
をもたせたガラス材料で、従来の有機物偏光素子と異な
り耐熱性、耐湿性、耐化学薬品性、及びレーザに対する
耐性に非常に優れている。赤外線用が主であるが、特殊
仕様として可視光用がある。
【0009】(問題点)可視光用は外観上では茶色であ
り、従来利用されている有機物偏光素子と同じように表
示デバイスでは暗くなってコントラストが付かず利用出
来ない。価格も高価であり、また、サイズが大きいもの
の製品化が困難である。光透過率も400から800n
mで85%程度(2mm厚のとき)と不十分である。
【0010】4,マイクロワイヤアレイ 東北大学のグループで赤外線用にアルミニウムの表面を
陽極酸化させアルミナとし、微細な穴を開けてこの中に
NiやCuなどの金属を入れ偏光子として用いることを
報告したものである。
【0011】(問題点)可視光域の光透過データは十分
にはとられていないが、主たる利用範囲の赤外線での透
過率も85%以下と低い。このグループはガラス層間に
島状金属粒子層を挿入して引き延ばし、偏光子を得てい
るが、可視光領域での偏光率は不十分でやはり長波長の
赤外線用である。
【0012】5,積層型偏光子 東北大学の電気通信研究所の川上彰二郎教授により発表
されているもので、可視光用としては、RFスパッタリ
ング法を用いて60〜80Åの厚みのGe(ゲルマニウ
ム)と、1μm厚みのSiO2を交互に60μm厚みに
なるまで積層して作製している。0.6μmの波長で測
定した性能指数αTE/αTM(TE波とTM波に対する消
衰定数の比)は400近く、0.8μmの波長で測定し
た消光比は35dB、挿入損失は0.18dBであり、
可視光に対して十分なものである。
【0013】(問題点)スパッタリング法で作製するの
で、せいぜい50ないし100μm程度の厚みでしか作
製できない。この基板上の薄膜から3〜35μm厚みに
スライスして切り出して用いる。用途は光センシングシ
ステムや光導波路デバイス等への組込素子として利用さ
れ、850nm以上の波長ではラミポールの名称で同様の
作製法を用いたものが住友大阪セメント(株)から販売
されている。しかし、この製法では大面積のものは作製
不可能である。
【0014】この他に本発明者が先に出願した先行技術
として、100Å以下の金属又は半導体粒子を有機溶剤
中に分散させて、透明な支持板の上に直線状に塗布し、
焼成することにより偏光子を形成するようにした技術が
ある。一方、本発明は、一般的なリソグラフィー技術で
偏光子を作製する方法で、基本となる構造(一透明支持
体上に細線を設ける)に関して提案したものであり、前
記本発明者による先行出願の提案による作製法の改良に
関するもので、より細く、アスペクト比(細線の高さと
巾の比)が大きく、性能の向上した偏光子を作製する方
法に関する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、
マイクロ磁気ヘッドアレイによって高いコントラストで
デジタル磁気記録・読み出し・消去を繰り返し行うこと
ができるディスプレイを提供することである。本発明の
他の目的は、棒磁石状のペンを用いて記録動作を行うこ
とができるディスプレイを提供することである。本発明
の他の目的は、従来の偏光子の問題点を解決するものと
して、50×50mm以上の大面積の可視光用偏光子
を容易に作製する,可視光の光透過率が90%以上で
ある,可視光域で機能する表示デバイスに用いること
が可能なように着色されない,以上の3項目すべて満足
する可視光用偏光子を提供することである。本発明の他
の目的は、上述のディスプレイ,および偏光子を改良し
て可視光による磁気光学効果を利用したコントラストの
高い表示装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ディ
スプレイであって、透明基板上に偏光子層,透明磁性
層,反射層と順次積層して設けて記録媒体を形成し、そ
の記録媒体の反射層側にマイクロ磁気ヘッドアレイを設
けて所望の画像に従って磁性層を磁化し、基板側から上
記画像を見る構成としたことを特徴とし、もって、非常
に薄くかつ瞬時に像を形成でき、透明基板側から像を見
れるディスプレイを形成できるようにしたものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板上から棒磁石状ペンを
用いて磁性層を磁化するため上記透明基板の厚さが10
0μm以下であることを特徴とし、もって、基板側から
も画像形成できるようにしたものである。
【0018】請求項3の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記反射層のマイクロ磁気ヘッド側
に、さらに保護層が設けられたことを特徴とし、もっ
て、物の接触、光、水等などによる変化を受けにくくな
り、長期間安定して利用できるようにしたものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記偏光子層にワイヤグリッド偏光
子が用いられていることを特徴とし、もって、非常に明
るい像が得られ、像のコントラストが大幅に向上するよ
うにしたものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記マイクロ磁気ヘッドアレイのヘ
ッドは磁気抵抗効果を利用したヘッドであることを特徴
としし、もって、磁気ヘッドや磁性層を動かさなくても
像が得られ、高速度でコントラストの高い、高分解能の
像が得られるようにしたものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項3に記載のディ
スプレイにおいて、前記反射層と保護層の2つの膜厚合
計が1μm以下であることを特徴とし、もって、マイク
ロ磁気ヘッドからの磁束のうち垂直成分がより多く有効
に利用でき、より高速度でコントラストの高い高分解能
の像が得られるようにしたものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板の空気側に、さらに反
射防止膜が設けられていることを特徴とし、もって、反
射タイプディスプレイでありながら基板で反射する光を
少なくして作像に有効に光を用いることができ、明るい
像が得られるようにしたものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板はプラスチックスであ
ることを特徴とし、もって、軽く、薄く曲げ可能な使い
やすいディスプレイとなるようにしたものである。
【0024】請求項9の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明磁性層は0.5μm以下の
径の磁性微粒子からなることを特徴とし、もって、可視
光の散乱が少なく透明性が向上して明と暗の像コントラ
ストが向上したディスプレイを得ることが可能となるよ
うにしたものである。
【0025】請求項10の発明は、可視光に対して透明
な支持体の表面に、凹形の溝をフォトリソグラフィー技
術を用いて直線状にかつ互いに平行となるように複数列
形成する工程と、前記溝を形成した前記支持体に半導体
又は金属よりなる薄膜を形成する工程と、前記薄膜のう
ち前記凹形の溝の側壁の表面に形成された部分のみが前
記支持体上に残存するようにエッチング処理を行なうこ
とにより、前記残存した前記薄膜により、細線を形成す
るようにした工程とを含むことを特徴とし、もって、ア
スペクト比が向上し従って光の透過率が向上し、偏光度
が高く、かつ無色透明であってディスプレイ用に好まし
い偏光子を得ることができるようにしたものである。
【0026】請求項11の発明は、請求項10記載の偏
光子の製造方法において、前記細線の材料がGeまたは
Siであることを特徴とし、もって、より高い偏光度を
得ることができるようにしたものである。
【0027】請求項12の発明は、請求項10又は11
記載の偏光子の製造方法において、前記細線間を可視光
に対して透明な物質で充填するようにしたことを特徴と
し、もって、偏光子の本来的な性能を阻害することな
く、細線を安定して固定できるようにするとともに、透
過光が凹凸によって回折や散乱することを防止するよう
にしたものである。
【0028】請求項13の発明は、請求項10ないし1
2いずれか1記載の製造方法により製造され、前記細線
が厚さ50〜100Å、高さ3〜100μm及び間隔
0.5〜1.5μmの範囲で、形成されることを特徴と
し、もって、アスペクト比の高い格子状の薄膜(細線)
を有し、従って、光の透過率及び偏光度が高く、かつ無
色透明なディスプレイ用に好ましい偏光子が得られるよ
うにしたものである。
【0029】請求項14の発明は、請求項13記載の偏
光子において、前記細線が形成された面の縦横の巾が各
々50mm以上である方形の有効部分を切り出すことが
できる大きさを有することを特徴とし、もって、大面積
の偏光子を得ることができるようにしたものである。
【0030】請求項15の発明は、0.4〜1.5μm
の間隔で金属または半導体の薄膜を第1の透明基板上に
垂直に等間隔に複数設けてなる第1の偏光子と、0.4
〜1.5μmの間隔で強磁性薄膜を第2の透明基板上に
垂直に複数設けてなる磁性層と、前記第1の偏光子と同
一の構成を有する第2の偏光子とを備え、前記第1の偏
光子、前記磁性層、前記第2の偏光子の順に配してなる
ことを特徴とし、もって、光の通過する方向に対しては
吸収される部分が少なく、高い光透過率が得られ、さら
に磁気光学効果を得る部分と、偏光機能を得る部分を分
離して設けたことにより、それぞれを最適に設計するこ
とができ、表示装置として大きなコントラストが得られ
るようにしたものである。
【0031】請求項16の発明は、0.4〜1.5μm
の間隔で金属または半導体の薄膜を第1の透明基板上に
垂直に等間隔に複数設けてなる偏光子と、0.4〜1.
5μmの間隔で強磁性薄膜を第2の透明基板上に垂直に
設けてなる磁性層と、可視光用反射層とを備え、前記偏
光子、前記磁性層、前記可視光用反射層の順に配してな
ることを特徴とし、もって、光の通過する方向に対して
は吸収される部分が少なく、高い光透過率が得られ、さ
らに磁気光学効果を得る部分と、偏光機能を得る部分と
を分離して設けたことにより、それぞれを最適に設計す
ることができ、表示装置として大きなコントラストが得
られるようにしたものである。
【0032】請求項17の発明は、請求項15または1
6記載の表示装置において、前記偏光子が有する前記金
属または半導体の薄膜の厚さが50〜500Åであるこ
とを特徴とし、もって、最も偏光機能が高い構造とする
ことができるようにしたものである。
【0033】請求項18の発明は、請求項15ないし1
7いずれか1記載の表示装置において、前記磁性層が有
する前記強磁性薄膜の厚さが100〜1000Åである
ことを特徴とし、もって、最も磁気光学効果の大きな構
造とすることができるようにしたものである。
【0034】請求項19の発明は、0.3〜1.5μm
の間隔で厚さ50〜1000Å,高さ0.1〜5μmの
強磁性薄膜を透明基板上に垂直に等間隔に複数設け、該
基板の該強磁性薄膜側に非磁性の反射層,及び垂直磁気
異方性を有する強磁性層をこの順に積層するとともに、
前記透明基板の前記強磁性薄膜形成面の裏面に偏光子を
設けてなることを特徴とし、もって、光が通過する磁性
層へ外部磁界を加えることにより、偏光を生じせしめる
波長範囲を広くすることができ、画像のコントラストが
向上するようにしたものである。
【0035】請求項20の発明は、0.3〜1.5μm
の間隔で厚さ50〜1000Å,高さ0.1〜5μmの
強磁性薄膜を透明基板上に垂直に等間隔に複数設け、該
基板の該強磁性薄膜側に非磁性の反射膜,及び磁気ヘッ
ドアレイを、この順に設けるとともに、前記基板の前記
強磁性薄膜形成面の裏面に偏光子を設けてなることを特
徴とし、もって、磁界強度の大きい磁気ヘッドアレイに
より、光が通過する磁性層で生じる偏光も大きくなり、
高いコントラスト得られるようにしたものである。
【0036】請求項21の発明は、請求項19または2
0記載の表示装置において0.3〜1.5μmの間隔
で、前記偏光子は、厚さ50〜500Å,高さ0.1〜
5μmの金属または半導体の薄膜を基板に垂直に等間隔
に複数設けてなることを特徴とし、もって、市販されて
いて最もよく使われるフィルム偏光子に比べて高い透過
率が得られ、このために画像のコントラストが向上する
ようにしたものである。
【0037】請求項22の発明は、請求項15ないし2
1いずれか1記載の表示装置において、前記透明基板上
に垂直に設ける前記強磁性薄膜は強磁性体の超微粒子を
含有してなる薄膜であることを特徴とし、もって、透明
性が向上し、画像のコントラストを向上させることがで
きるようにしたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態例
に基づいて、本発明を詳細に説明する。 (請求項1ないし9の発明)図1は、本発明を実施した
ディスプレイの基本構成を示す構成図である。図1に示
す様に、このディスプレイは、透明基板1上に、偏光子
層3,透明磁性層5,および反射層7を順次積層して記
録媒体9を形成し、その記録媒体9の反射層7側にマイ
クロ磁気ヘッドアレイ11を設けた構成となっている。
そして、上記マイクロ磁気ヘッドアレイ11によって上
記透明磁性層5を所望の画像に従って磁化し、上記透明
基板1の側より上記画像を見ることができる様にしてい
る。すなわち、光源からの円偏光が透明基板1を通して
偏光子層3に入射すると、偏光子層3の偏光面と一致し
た偏光成分のみ透過し、その後、透明磁性層5に入射す
る。磁性層5では該磁性層5に含まれる磁性微粒子が磁
化されているところではスピンが上向き(又は下向き)
に揃えられており、入射した直線偏光とスピンとが平行
であるときに透過光の偏光面が回転する。一方、磁性微
粒子が磁化されていない所ではスピンの向きがランダム
であるため、入射直線偏光の偏波面は回転しない。従っ
て、磁性層5の内、磁化されている部分に入射した直線
偏光のみその偏波面が回転し、磁化されていない部分に
入射した直線偏光は偏波面が回転せずに反射層7に入射
する。
【0039】該反射層7より反射した直線偏光は再び磁
性層5に入射し、磁性層5の磁性微粒子が磁化されてい
る部分を透過する光は更に回転し、偏光子層3に入射す
るが、磁性層5の磁性微粒子が磁化されていない部分を
透過する光は、その偏波面が回転せずに偏光子層3に入
射する。従って、磁性微粒子が磁化された部分を透過し
た直線偏光の偏波面と偏光子層3の偏波面とは一致せ
ず、光は光源側に戻らない。一方、磁性微粒子が磁化さ
れていない部分を透過した直線偏光は、その偏波面が回
転していないため、偏光子層3の偏波面と直線偏光の光
軸とが一致し、偏光子層3を透過して光源側に戻り、光
源側から見ると明るく見ることができる。すなわち、上
述したような動作により、磁性層の磁化の状態に応じて
明暗をつくることができ、且つ、この明暗は磁気記録に
よるものであるため、繰り返し記録し、また保存するこ
ともでき、例えば、表示デバイスとして利用することが
可能である。
【0040】次に、上記マイクロ磁気ヘッドアレイ11
について詳しく説明する。まず、ここでは、磁気ヘッド
として従来ほとんど用いられていないマイクロ磁気ヘッ
ドをアレイ化して用いている。マイクロ磁気ヘッドは最
近研究・開発が活発になってきているマイクロ磁気デバ
イスの1つで、スパッタ法,メッキ法等の薄膜技術やL
IGAプロセスといわれる微細加工技術、各種リソグラ
フィー技術を駆使して作製するものである。400dp
iの画素をもつヘッドを得るには63.5μmピッチの
加工が必要となる。マイクロ磁気ヘッドは、従来のオー
ディオやビデオ,ハードディスク用等に用いられるヘッ
ドより大幅に小さくマイクロで、かつ従来は1媒体1ヘ
ッドの構成であったが、本発明では、マイクロ磁気ヘッ
ドをアレイ化して必要な表示範囲全体にヘッドをしきつ
め、同時又は少しずらして駆動させディスプレイ可能と
するところに特徴がある。更にもう1つの改善点は記録
媒体とヘッドが従来の磁気記録装置では相互に移動した
(テープかへッドかどちらかに対して移動)が本発明で
は上述した様にヘッドをアレイ状にすることによりこれ
がない。そのため磁気抵抗効果ヘッド(MRヘッド、以
下に詳しく説明)を用いることができる。MRヘッドは
感度が良く、最近の高密度磁気ヘッドに用いられ、磁気
センサーとしても利用できる。これは磁界があれば電気
抵抗が変化するため移動して磁束の変化を読まなくても
良いからである。更に本発明のヘッドとしてGMR(巨
大磁抵抗効果)も利用できることは当然である。
【0041】上述した様に、本発明の大きな特徴の1つ
に磁気抵抗効果ヘッド(MRヘッド)を使用することが
上げられる。そこでMRヘッドについて少し詳しく説明
する。従来は誘導コイル形ヘッドが用いられ、記録・再
生のためにコイルを具備しており、1つのコイルで記録
・再生の2役をさせていた。これに比べてMRヘッドは
記録・再生を各別々に最適設計してヘッドを構成するの
で特に再生時に効力を発揮する。MRヘッドの構成は、
記録用として従来のコイルを有する薄膜ヘッド(ただ
し、コイルの巻数は最大でも12ターン程度)と、再生
用としてパーマロイ磁性薄膜(膜圧300Å程度)の磁
気抵抗効果を利用したヘッドを複合化したものである。
従来のコイル付薄膜ヘッドにおける再生感度を磁束の時
間変化量として検出する方式に対し、上記MRヘッドは
磁束の強さを検出することから(1)磁束感応形のた
め、媒体との相対速度に無関係に出力が得られる(2)
コイルを有しないため(再生の場合)、再生ノイズが全
く出ずS/Nを高くとれるという効果がある。MRヘッ
ドは薄膜が薄いことから、半導体プロセスを用いて作製
する。すなわち、スパッタリングとフォトリソグラフィ
ーが主で、場合によってメッキ法を用いる。なお、本発
明ではマイクロ磁気ヘッドとそれ以外の部分は画像形成
後切り離すことができる様になっている。接触させて利
用も可能であるが、切り離しにより、携帯性が向上し、
軽く、薄く曲げても損傷しないという特徴を有する。
【0042】次に、上記透明磁性層5について詳しく説
明する。従来の透明磁性体を用いる表示デバイスには薄
膜法(PVD法orCVD法)を用いるものもあった。
この方法では例えば希土類鉄ガーネット(最も代表的透
明磁性体−可視光で)の場合500℃以上が基板温度と
して必要で、それ以下では磁性体が結晶化せず、磁性体
にならなかった。本発明のように透明基板1に(ガラス
でも良いが)プラスチックスを用いるためには使用不可
である。例えば、どんな磁性体(高温で焼成して作るも
の)でも、微粒子で作製後結合剤と共に塗布すれば、結
合剤硬化のための100℃程度で良くなる。本発明では
透明磁性体を0.5μm以下の径の微粒子で作製して用
いる。これは光の散乱を減少させて光透過率を向上させ
るため、より表面の凹凸の少ない平滑な磁性層を得るた
めである。さらに、表示デバイスとして必須のコントラ
ストを上げるために従来の黄・茶磁性材料以外に白い地
肌が得られるフッ化鉄を微粒子で用いたことも特徴であ
る。また、微粒子層は大面積化が容易であることも特徴
である。また、粒径は可視光波長に対して同等又はそれ
以下の波長でより透明性が向上する。
【0043】次に、上記偏光子層3について詳しく説明
する。従来最も良く使われている偏光子はフィルム状の
LCD(液晶ディスプレイ)に用いられているものであ
る。これらは有機物の吸収が多く40%程度の透過率し
かなく、本発明のような反射型ディスプレイ(バックラ
イトなし)では画像が暗くて品質が劣る。本発明では5
0%以上の透過率が得られるグリッド偏光子を用いる。
これらの偏光子における従来技術例とその欠点は従来の
技術で説明したごとくである。このような従来例に対
し、本発明では90%以上の透過率が得られるようフォ
トリソグラフィーを用いて従来は光ファイバー用に1m
mφ位でしかできなかった積層型偏光子(東北大通研川
上先生)を大面積で設けて用いるものである。これによ
り光の吸収要素を極力減少せしめてかつ偏光度を高めて
いる。
【0044】次に、上記透明基板1について詳しく説明
する。透明基板としては石英ガラス等無機材料がワイヤ
グリッド偏光子を表面に加工しやすい(リソグラフィー
法)。以下に述べる透明プラスチックスを用いると、軽
い、薄い、曲げやすい等の利点があるので利用しやす
い。プラスチックスの場合はSiO2を数μm表面にス
パッタ等で積層し、この上にリソグラフィー法を用いて
上記無機の石英ガラス等と同様にワイヤグリッド偏光子
を加工して用いることができる。透明基板用プラスチッ
クスとしては、MMA,PMMA,ポリカーボネート,
ポリプロピレン,アクリル系樹脂,スチレン系樹脂,A
BS樹脂,ポリアリレート,ポリサルフォン,ポリエー
テルサルフォン,エポキシ樹脂,ポリ−4−メチルペン
テン−1,フッ素化ポリイミド,フッ素樹脂,フェノキ
シ樹脂,ポリオレフィン系樹脂,ナイロン樹脂等が使用
できる。なお、上記反射層7のヘッド側にはキズがつき
やすいので保護層を設けることが望ましい。保護層の材
料としては、石英ガラス,サファイア,結晶化透明ガラ
ス、パイレックスガラス、Al23,MgO,BeO,
ZrO2,Y23,ThO2,CaO等が考えられるが好
ましくはアクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂が用
いられる。また、上記透明基板1の空気層側には反射防
止膜を設けて光の透過率を向上させることが望ましい。
これにより化学的腐食や光による化学的変化からの防止
等の改善もなされる。上記反射防止膜としては、図2に
示す様な材料を挙げることができる。
【0045】また、本発明の他の大きな特徴としては、
図3に示すようなペン状の支持部13の先端に支持され
た棒磁石15から成るペン状磁石によって上記透明基板
1側から記録を行うことができることが挙げられる。こ
の場合、上記透明基板1はできる限り薄い方が良く、1
0〜100μm厚が好ましい。なお、磁気記録に於いて
マイクロ磁気ヘッドアレイ11と記録媒体9の間隔は大
きくあけることはできない。それは磁界が距離の2乗で
弱くなり広がってぼけた像の記録しかできないからであ
る。従って、MRヘッドを用いたマイクロ磁気ヘッドア
レイ11による再生にはヘッドと媒体間隔が1μm以下
であることが好ましい。
【0046】(実施例1−1)次に、図4を参照して本
発明に係るディスプレイの具体例について説明する。図
4に示す様に、この具体例は、75μmのポリカーボネ
ートフィルムによる透明基板1の片側に反射防止膜17
としてMgF2(n=1.38)を真空蒸着法によって
1000Åの厚みで設け、ついで偏光子層3として50
μm厚のポリカーボネート膜上にフォトリソグラフィー
法を用いて巾120Å高さ2μmのゲルマニウム(G
e)の極細線を設けた。ここで、線間隔は0.75μm
とし、線間はSiO2をスパッタ法を用いてうめた。S
偏光透過率(Ti)は80%,P偏光透過率(T2)は
5%で偏光度(T1−T2/T1+T2)は88%であっ
た。上記偏光子層3をポリカーボネートフィルムによる
透明基板1の反射防止膜17のない側へ張りつけた。つ
いで、透明磁性層5として平均粒子径0.3μmのFe
3をボールミルを用いて5時間分散し、結合剤として
アクリル樹脂をFeF3/アクリル樹脂=1/2(重
量)となるように混合した。この塗料を上記偏光子層3
上に3μmとなるように塗布した。ついで上記FeF3
の透明磁性層5上に真空蒸着法によってアルミニウム
(Al)を0.2μm厚となるようにして設け反射層7
とした。さらに反対層7上には保護膜19としてアクリ
ル樹脂を0.2μm厚となるように塗布固化した。この
とき、波長0.63μmの光のファラデー回転角は0.
4degであった。ついでSiウエハ上にフォトリソグ
ラフィー法を用いて図5に示す様なマイクロ磁気ヘッド
アレイ11を作製した。
【0047】すなわち、図5に示す様に、このマイクロ
磁気ヘッドアレイ11は、FeNiの磁石21を挟む形
でSi部材23が設けられ、そのSi部材23上にポリ
イミド樹脂25におおわれた状態でAuのコイル27が
上記磁石21を中心にして設けられた構成となってい
る。なお、ここで、上記アレイの全体寸法5×5mm アレイのピッチ 63.5μmピッチ(400
dpi) Auのコイルのターン数 10ターン FeNiの組成 Fe:Ni=1:1 FeNiの磁性 保磁石 10e以下 Auの電気抵抗 1.4μΩ、cm Auの電流 0.5A となっている。また、他のMR用材料としてはFeNi
以外にNiCoやCoZrTa,CoHfTaPd,C
oNiFeが用いられる。マイクロ磁気ヘッドアレイ1
1を用い一時に各ドットへの磁気記録をアルミの反射層
7側から行う。この場合、ドットは円形で各ドットの寸
法は40μmφである。記録はヘッド端を反射層7上の
保護層19に密着せしめて行った。この時の磁気記録部
と非磁気記録部のコントラストは平均で2.2:1であ
った。再生はMRヘッド(MR膜のFeNiは300Å
厚)アレイを用いた。再生出力比は平均で2.5:1で
あった。
【0048】次に、以下に述べる比較例1−1〜1−5
によって上記本発明の実施例の長所を明確にする。 (比較例1−1)上記実施例1−1のうち透明基板厚み
を200μmとし、それ以外は実施例1−1と全く同様
にしてディスプレイを作製した。透明基板側から実施例
1−1と同じ棒状磁気ペン(希土類磁石使用)で記入し
た。実施例1−1では磁化部と非磁化部のコントラスト
は2.2:1であったが、この比較例1−1の200μ
m厚み構成ではそのコントラストが1.5:1でほとん
ど判読できなかった。 (比較例1−2)反射層と保護層の膜厚合計を1.8μ
mした以外は実施例1−1と全く同様にしてディスプレ
イを作製した。実施例1−1では2.2:1であったコ
ントラストが比較例1−2の1.8μmの厚み(反射層
0.3μm+保護層1.5μm)構成では記録できなか
った(マイクロ磁気ヘッド記録)。 (比較例1−3)ワイヤグリッド偏光子の代りに従来の
ヨウ素を含浸させてなるフィルム型偏光を用いた以外は
全く同様にしてディスプレイを作製した。フィルム偏光
子を用いた場合のマイクロ磁気ヘッド記録のコントラス
トは、フィルム偏光子の透過率が悪いために1.4:1
であり、又フィルム偏光子の厚みが厚いため(約1mm
厚)、棒状磁石では記録できなかった。 (比較例1−4)透明基板の空気側に反射防止膜を設け
た実施例1−1の場合、光透過率は可視光に対して91
%以上であったが、反射防止膜のない場合は86.5%
と低下した。 (比較例1−5)磁性層に用いたFeF3の平均粒子径
を1.3μmとした以外はすべて実施例1−1と全く同
様にして磁性層を透明基板上に作製した。実施例1−1
の0.3μm径の場合は透明基板+偏光子層+磁性層の
光透過率は可視光に対して42%以上であったが比較例
1−5の平均粒子径1.3μmでは18%以上と低下し
た。
【0049】(請求項10ないし14の発明)以下に、
請求項10ないし14の偏光子または偏光子の製造方法
について説明する。本発明は、基本的構成として、透明
な支持体上に半導体又は金属の厚さ50〜300Å×高
さ0.1μm〜3μmの細線を0.5μm〜1.5μmの
間隔で設けることを提案するものである。実験によれ
ば、光の吸収率は細線の厚さ×高さの面積(同一材料、
同一間隔の場合)に依存する。しかし、同一面積でもよ
り線の厚さが薄く、かつ高さが高い方が、すなわちアス
ペクト比(高さ/厚さ)が大きい方が偏光度が向上す
る。本発明は、この事実に基づいてなされたもので、極
細線のアスペクト比を大巾に向上させた偏光子を提供す
るものである。従来の本発明者の提案ではアスペクト比
は10〜50位であったが、本発明によって100〜1
000へと向上する。このために偏光度は95%以上1
00%に近い値を得られるようになった。
【0050】更に、用いる線材は屈折率がより高く光吸
収がより大きい程偏光度が向上することがわかった。可
視光の屈折率が大きいものとしてGe,Si(アモルフ
ァス、結晶)があり、可視光吸収の大きいものとしてR
h,Al,Ir,Pt等があるが、これらの中ではG
e,Siが高偏光度を得るのに適することがわかった。
【0051】本発明の偏光子は、半導体製造において一
般にサイドウォールと言われている壁を用いる。透明支
持体としては、MMA樹脂,PMMA樹脂,ポリカーボ
ネート樹脂,ポリプロピレン樹脂,アクリル系樹脂,ス
チレン系樹脂,ABS樹脂,ポリスチレン,ポリアリレ
ート,ポリサルフォン,ポソエーテルサルフォン,エポ
キシ樹脂,ポリ−4−メチルペンテン−1,フッ素化ポ
リイミド樹脂,フッ素樹脂,フェノキシ樹脂,ポリオレ
フィン系樹脂,ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート,ナイロン樹脂,フルオレン系ポリマー等の透明
プラスチックに代表される有機物や、ガラス,石英,ア
ルミナ等の無機透明材料が用いられる。
【0052】この透明支持体にリソグラフィー法で表面
に凹凸をつくるが、このときの凹部の側面の壁をサイド
ウォールと称する。この壁は比較的容易に加工面に対し
て垂直に深く(10μm位まで)つくることができる。
上記透明プラスチックを基板として用いる場合、この基
板上にSiO2薄膜をPVD法もしくはCVD法といわ
れる薄膜作製法で作製し、SiO2層表面に凹凸をつく
っても良い。又、リソグラフィー法を使用すれば、直線
性のきれいな細線を容易に得ることができる。この壁が
作製された凹凸面にGe又はSiによる50〜100Å
の薄膜をつくる。この方法は、PVD,CVD法や、メ
ッキ法が好適に採用されるが、特に製法が制限されるも
のではない。いずれにしても従来法より細い(薄い)膜
を形成することができる。次いで、凸部及び凹部の薄膜
のうち支持体表面に平行な部分をエッチング(湿式又は
乾式かを問わない)で除去すれば、残存した垂直な薄膜
部によりアスペクト比の大きなGeやSiの細線をつく
ることができる。このような方法によって作製が容易で
あり、かつ偏光度の大きな偏光子が得られる。また、細
線間を可視光に透明な物質で埋めると、細線が安定して
固定される。また、得られた偏光子の片面もしくは両面
に反射防止膜を設けることにより、偏光子の透過光量を
増すことができる。この反射防止膜の材料は公知のもの
を適宜選択して使用できる。
【0053】以下に、本発明による偏光子の製造方法の
実施例を図6を参照して具体的に説明する。 (実施例2−1)図6は、本発明による偏光子の製造方
法の一実施例を説明するための偏光子の構成を概念的に
示した要部側断面図を製造工程順に図6(A)〜図6
(H)に示すものである。図中、31はSiO2基板、
32はレジスト、33はGe薄膜、34はArイオン、
35はSiO2スパッタ層で、SiO2基板31のサイズ
は50×50×1mmtである。
【0054】偏光子の作製の手順としては、SiO2
板31にレジスト32を積層し(図6(A))、1μm
の巾及び間隔になるようにパターン化し(図6
(B))、エッチングする(図6(C))。このレジス
トエッチングによりSiO2基板31に設けられる凹部
の深さを2μmとした。次いでレジスト32を剥離し
(図6(D))、ゲルマニウム(Ge)薄膜33の成膜
をスパッタ法で行なった(図6(E))。このときGe
薄膜33の厚みを80Åとした。次いでArイオン34
による全面エッチバック(基板側に逆バイアス電圧
(−)を印加した逆バイアス法を用いると、図6(F)
の矢印のようにイオンが基板に垂直に照射され、水平面
のみを除去しやすい)により水平面のGe薄膜33を除
去し(図6(F),(G))、SiO2基板31にGe
を格子状に形成した後、凹部にスパッタ法によってSi
2を成膜し(図6(H))、ケンマによって平坦化し
てSiO2スパッタ層35とした。ついで、上記SiO2
基板の両面に反射防止膜としてMgF2(n=1.38)
の層を真空蒸着法によって1000Å厚さになるように
して設けた(図示せず)。この反射防止膜によって可視
光域の反射率は3%低下した。
【0055】設けられた直線状格子に対して電気ベクト
ルの方向が垂直な場合をS偏光、平行な場合をP偏光と
すると、以上のようにして作成した偏光子のS偏光透過
率(T1)は可視光域において、94%以上であり、P
偏光透過率(T2)は可視光域において、3%以下であ
った。又偏光度(T1−T2/T1+T2)は可視光域にお
いて、93%以上であった。これは、一般的に多用され
る(LCDに用いられる)ヨウ素系偏光フィルムの透過
率43%に対して大巾な向上が見られた。又、上記偏光
子のGeの格子のアスペクト比(高さ(深さ)/厚さ)
は20000Å/80Å、すなわち250であり、本発
明者が前に提案した技術によるものに比べても大巾に向
上させることができ偏光度の向上をはかることができ
た。
【0056】又、コーニング株式会社の偏光子(長く延
伸させた金属銀をガラス自身の中に一方向に配列させた
もの)であるポーラコア(商品名)はうす茶色をしてお
り、80%の透過率を有するも、コントラストが重視さ
れるディスプレイには向かないのに対し、本発明品は自
身の着色もなく透明であった。又積層型偏光子として住
友大阪セメント(株)から販売されているラミポール
(商品名)は1mmφ以下の面積であるが、本発明品は
50×50mmの大面積で偏光子を得ることができた。
【0057】(実施例2−2)上記実施例2−1と全く
同様な工程により、かつGeのかわりにSiを用いて、
SiO2基板上にSiの格子を設けた。T1は92%以
上であり、T2は3%以下であり、偏光度は92%以上
であった。
【0058】(比較例2−1)上記実施例2−1と全く
同様の工程によりSiO2基板上にAlとPtの格子を
設けた。T1はそれぞれ81%と79%、T2は5%と
6%で、偏光度は82%以上、85%以上であった。
【0059】(請求項15ないし18の発明)以下に、
請求項15ないし18の表示装置について説明する。本
発明は、本発明者により発明されたものを改良した表示
装置を提案するものである。改良するものとして、偏光
子層と磁性層とを別々に設けた構成を有する本願の請求
項1ないし9のディスプレイがあり、また、この他に本
発明者が本発明に至る過程で提案した技術として偏光子
層と磁性層とを一体化して透明性を向上させたものがあ
る。これらの特徴は、市販されている液晶ディスプレイ
(LCD)と異なり、その光の透過率が約2倍に向上し
た偏光子層を用いていることであり、このために表示装
置として明るく高いコントラストが得られるものであ
る。更に、前述のものはLCDと異なりメモリ機能を有
した磁性体を用いているので、電源を切っても表示が保
たれる特徴を有する。これらの表示装置において画像が
発現する原理はLCDと同じで、偏光面の回転の制御に
よってコントラストを得るものである。表示装置として
は、LCDと同じように透過型(裏側にバックライトを
備える)と反射型(反射膜を備える)を構成することが
できるが、特に光の輝度が得にくい反射型に適する。特
に偏光子層と磁性層を一体化して構成したものは、光の
ロスが少ない。
【0060】上述した偏光子層と磁性層を一体化したも
のにおいては、偏光子層と磁性層の機能を兼用させて1
つのグレーティング形成層に発現させるようにしている
ので、その分透明性が上がり、表示装置として得られる
コントラストが向上する。しかしながら、偏光度を向上
させるのに必要なグレーティングのピッチ,深さ、及び
壁面に形成する薄膜の厚みと、磁気光学効果を発現させ
るのに最適なピッチ,深さ,厚みとが異なり、この点で
改良の余地がある。すなわち、偏光度向上には薄膜の厚
みは400Å以下と薄い方が適しているのに対し、磁気
光学効果を得るには400Å以上と厚い方が好ましい。
従って偏光子層と磁性層とを別々の層とする方が最適化
がはかれる。
【0061】一方、請求項1ないし9の発明のものは、
偏光子層を介して透明な磁性体を基板上に均一に設け、
入射光の偏光面が回転する部分と回転しない部分をつく
ることにより、反射光が再び偏光子層を通過して入射側
に戻れるか、あるいは戻れないかの違いを生じさせてコ
ントラストを発現させるものである。ここで用いる透明
な磁性体にはMuBi,フェライト(BaFe1219
CoFe24等),希土類鉄ガーネット等がある。この
なかでMuBi系を用いると大きい回転角が得られるが
化学的安定性に欠けるという問題があり利用されない。
一方、希土類鉄ガーネットの希土類をBiに置換すると
6度/μm(λ≒520nm)という大きなファラデー
効果を有する。しかしながら、上述したグレーティング
形成タイプのものでは約15度/μmというさらに大き
い値が得られる。従って透明磁性層を上述したグレーテ
ィング形成タイプにすることは大巾なコントラスト向上
になる。なお、請求項1ないし9の発明では偏光機能の
すぐれた半導体、例えばGeと強磁性薄膜とを重ねて設
ける方法も提案しているが、Geと強磁性上膜との混合
(マイグレーション)や重ねることによりピッチのズレ
が生じることがあるので、直接積層せず別々の層にした
方が好ましい。
【0062】偏光子層の直線状格子の溝に設けられる金
属又は半導体の薄膜の厚さは50Åより薄いと効果がな
く又500Åより厚くても吸収が大きくなって偏光機能
が不十分となり、また磁性層の直線状格子の溝に設けら
れる磁性体の薄膜の厚さは100Åより薄いと効果がな
く、又1000Åより厚くても吸収が大きくなり、又ピ
ッチのズレも大きくなって磁気光学効果が不十分とな
る。本発明の構成では、偏光子層と磁性層の格子間隔は
同じでなくても良く、それぞれ最適な格子間隔を設定で
きる。
【0063】(実施例3−1)図7は、本発明による表
示装置の実施例を説明するための磁性層の概略構成図
で、図中、41は磁性層用石英基板、42は磁性膜(鉄
蒸着膜)、A,B,Cは石英基板上の面であり、aは面
Aの寸法、bは面Bの寸法、lは面Cの寸法、Mは磁性
層である。図8は、図7に示す磁性層を用いて構成した
表示装置の一実施例を説明するための概略構成図で、透
過型表示装置の構成例を図8(A)、反射型表示装置の
構成例を図8(B)に示すものである。図中、43は偏
光子層用石英基板、44はゲルマニウム膜(Ge蒸着
膜)、45はポリエステルフィルム、46は反射膜、R
は反射膜形成層、Pは偏光子層で、その他、図7と同様
の作用をする部分には、図7と同じ符号が付してある。
【0064】図7を参照して、磁性層Mの作製工程例を
説明する。まず、0.5mm厚の磁性層用石英基板41
の片面に図示しないCr23とCrの2層を順に設け、
合計で1200Åの厚みとなるようにした。この上に図
示しないポジ型レジストを設け、このレジスト上に図示
しないフォトマスクを配置し、UV光を用いて露光し
た。このときに溝の面の寸法a,bが、a=b=1.0
μmとなるように設定した。次いでウェットエッチング
手法を用いて上記レジスト層をエッチングし、更にフッ
素系ガスを用いて磁性層用石英基板41をエッチングし
てl=0.4μmとなるように加工することによりくし
型の形状を作製した後、レジストを剥離した。この加工
面上にガス中蒸着法(ガスはArと空気の混合ガスを用
い、Arの流量を50ccm,空気の流量を50ccm
として流し、全圧を1.3Paとした)を用いて基板加
熱なしで鉄を蒸着した。得られた鉄蒸着膜42は平均7
0Åの鉄微粒子を含有し、平均膜厚は700Åであっ
た。鉄蒸着膜42の平坦部で測定した保磁力は500O
eで面内磁気異方性をもった膜であった。ここで鉄蒸着
膜42は、面A,B,及びCに形成されているため、イ
オンエッチング装置を用いて磁性層用石英基板41に−
150Vを印加し、Arガスを導入して逆スパッタ法を
施すことにより面Aと面Bに設けられていた鉄蒸着膜4
2を除去して、面Cにのみ鉄蒸着膜42が残るように
し、図示するごとくの形態を得た。以上のようにして磁
性層Mを作製した。
【0065】次に、図8の構成例に示される偏光子層P
の作製例について説明する。まず、レジストを剥離する
までは上記磁性層Mの工程と全く同様にしてくし型の形
状を偏光子層用石英基板43に作製した。このくし型形
状の加工面上にガス中蒸着法(ガスはArを用いて50
ccmの流量で流し、全圧で1.3Paとした)を用い
て基板加熱なしでゲルマニウム(Ge)を蒸着した。得
られたGe蒸着膜44の平均膜厚は100Åであった。
次いで、イオンエッチング装置を用いて上述した磁性層
Mの作製工程と同様にエッチング加工を行って、Ge蒸
着膜44を図8に示すごとくの形態とし、さらにスパッ
タ法を用いてくしの溝が埋まるまでSiO2膜を形成
し、ケンマによってその表面を平坦化して、偏光子層P
を得た。一方、20μm厚のポリエステルフィルム45
上に、真空蒸着法を用いて1500Å厚さのアルミニウ
ム膜を反射膜46として形成し、反射膜形成層Rを得
た。
【0066】磁性層Mにおける磁気光学効果を波長52
0nmの光を用いて測定(最大印加磁界15KG)した
ところ、磁界0における偏光面の回転角は11度であっ
た。又偏光子層Pにおける分光透過率は波長520nm
で65%、磁性層Mの透過率は58%であった。偏光子
層Pの波長520nmにおける偏光度(T1−T2/T1
+T2)(T1→S偏光透過率,T2→P偏光透過率)は
83%であった。以上のようにして作製した磁性層Mと
偏光子層PをP−M−Pとなるように重ねて透明接着剤
を用いて貼り合わせて、図8(A)に示すごとくの透過
型の表示装置を得た。又、反射膜形成層Rをさらに用い
て、R−M−Pとなるように重ねて貼り合わせて、図8
(B)に示すごとくの反射型表示装置を得た。得られた
各表示装置の磁性層Mの鉄蒸着膜42に近い側から、1
mmφの円筒状棒磁石(表面磁束3KG)を用いて文字
を描いたところ、円筒状棒磁石により磁化された磁化部
では、ファラデー回転した直線偏光が偏光子層Pを通過
できない為に黒くみえ、又非磁化部では偏光面の回転が
生じない為に明るく見える。図8(A)に示す透過タイ
プにおいてはコントラスト3.0を、図8(B)示す反
射タイプにおいてはコントラスト2.2を得た。
【0067】(比較例3−1)平板の石英基板上にスパ
ッタ法を用いて厚み1μmの磁性膜を形成した。このス
パッタ法においては、ターゲットをBi2Gd・Fe4
l・O12の組成とし、基板温度を300℃として上述の
磁性膜をアモルファス磁性膜として設けた。次いで、こ
の磁性膜を650℃で3時間空気中加熱して結晶化させ
て希土類鉄ガーネット磁性膜を得た。得られた磁性膜の
保磁力は600Oeであり、磁気光学効果は520nm
の波長で、6.2度の回転角を生ずるものであった。ま
た、角型比は1であった。次いで、石英基板の磁性膜が
設けられていない側に実施例3−1と同様にアルミニウ
ムの反射層(2000Å)を設けた。磁性層の上には実
施例3−1で作製した偏光子層Pを重ね、円筒状棒磁石
で文字を描いた。この結果、得られたコントラストは
0.9であった。
【0068】(比較例3−2)実施例3−1で作製した
反射タイプ表示装置(図8(B))から偏光子層Pを除
いた構成の表示装置を作製した。円筒状棒磁石で描いた
文字のコントラストは0.9であった。
【0069】(請求項19ないし22の発明)以下に、
請求項19ないし22の発明の表示装置について説明す
る。前述したごとくに、本発明者は、薄膜をタテに並べ
た偏光子を提案してきた。請求項19ないし22の発明
は、さらにこれらの改良に関するものである。前述して
きたごとくに、薄膜をタテに並べると偏光機能や磁気光
学機能(ファラデー回転)が高度に得られるだけでな
く、高い光の透過率が維持されることからコントラスト
の高い表示装置を得ることができる。請求項1ないし9
のディスプレイでは、偏光子層と磁性層を別々に設けた
構成を有し、また本発明者により発明された技術とし
て、偏光子層と磁性層とを一体化して(兼用して)透明
性を向上させたものがある。このような構成を有する表
示装置は、いずれも磁性体と相互作用した光の偏光面の
回転角度が、磁化部と非磁化部で異なることを利用して
コントラストを得るものである。これらの表示装置は、
磁気ヘッドを用いて印字した後は持ち運びが容易であ
り、又、紙やプラスチック基板上に容易に作製できるこ
とから、見やすく、紙と同様に取扱いができる等の特徴
を有する。
【0070】添付された図面を参照して説明する。図9
は、本発明による表示装置の他の実施例を説明するため
の概略構成図で、図中、51は石英基板、52は磁性膜
(鉄蒸着膜)、54はゲルマニウム膜(Ge蒸着膜)、
55はポリエステルフィルム、56は反射膜、57は外
部磁界付与用磁性層、60は磁気ペン、61は柄、62
は永久磁石、Vは空隙部、Fは非空隙部、pは偏光子
層、mは磁性層、R′は反射膜形成層である。なお、偏
光子層pと磁性層mは便宜的に“層”として規定して説
明する。
【0071】本発明者が提案してきた表示方法の基本要
素は、薄膜を縦に並べた偏光子層と、磁性体薄膜を縦に
並べた磁性層で、この磁性層は、磁気光学効果が大き
く、かつ透明性(光透過性)が良好である。これまで
は、磁性体薄膜の磁気光学効果(ファラデー効果)のみ
を用いた表示装置の提案であった。これは、薄膜を縦に
並べた形態の磁性体薄膜を磁気ヘッドによって磁化し、
スピン(磁気モーメント)と光の相互作用を利用するも
のである。この場合に用いる磁気ヘッドは表示装置外で
あり、磁気記録がなされた後は磁気ヘッドと表示装置は
分離されるものであった。本発明では、図9に示した表
示装置における外部磁界付与用磁性層57を磁気ヘッド
等を用いて磁化し、この外部磁界付与用磁性層57によ
り薄い反射膜56を通して磁性膜52を有する磁性層m
へ外部磁界を与えることになる。ところで、図9の磁性
層mには、何も充填されていない空隙部Vと石英基板5
1の凸部分である非空隙部Fとが存在しているが、この
空隙部Vと非空隙部Fとの屈折率が異なるために偏光作
用が発現する。これまでのものは、このような偏光作用
の発現を避けるために空隙部Vを石英基板51と同じ屈
折率の材料で充填し、磁気光学効果のみにより表示を行
う表示装置としたものであった。
【0072】本発明では、意図的に空隙部Vを形成し、
偏光作用が発現するようにする。この偏光作用が現われ
る波長は、形成した格子の間隔,深さや磁性膜52の幅
(膜厚)等によって異なるが、格子の間隔が可視光波長
程度であれば、可視光領域に現われることになる。ま
た、磁性層mを通過した光には回折も生じるので、石英
基板51の凸部に対して間隔をあけないように反射膜5
6を配する。このような構成とすることにより、磁性層
mにおける回折を防ぐことができる。外部磁界付与用磁
性層57は、薄い反射膜56を通して磁性層mに外部磁
界を与える。このときに磁性膜52だけでなく石英基板
51の非空隙部Fに対しても外部磁界が加わるが、この
部位を常磁性体としておくと、この部位のスピンも上又
は下に向き、このスピンが引き金になって入射光の偏光
面が右回転したり左回転したりするようになる。これ
は、外部磁界付与用磁性層57の磁化の向きによる。従
って、ゲルマニウム膜54により形成された偏光子層p
を通過して直線偏光となった光は、磁性層mで右又は左
へ回転し、反射膜56で反射した後更に右回りの光は右
へ、左回りの光は左へ回転して偏光子層pを再び通過で
きなくなる。一方、磁性層mにおける磁化されていない
部分は反射した光が偏光子層pを通過して戻るために明
るく見える。上述した構成とすることにより、これまで
の磁気光学効果のみを用いたものより、偏光面を回転さ
せる波長範囲を広くすることができるために、表示装置
として得られるコントラストが向上する。
【0073】これまでは、図9に示す磁性層mの格子状
の磁性膜52を通過して大きな磁気光学効果を与える波
長範囲は、半値巾(波長に対する偏光面の回転角のピー
ク値に対して半分の値のときの偏光回転を生じさせる波
長範囲)で示すと50nmくらいしかなかった。これは
格子の周期を入射光が通過する際に、波長が選択される
ためと考えられる。この半値巾の概念を図10に模式的
に示す。本発明では、偏光面が回転する波長範囲が広く
100nmくらいの判値巾を有する。但し、このような
偏光面の回転を生じさせるには磁性層mに外部磁界が与
えられることが必要であることがわかった。表示装置と
しては、このような偏光面の回転を生じせしめる波長範
囲が広いほど明暗がはっきりする。即ち、表示装置とし
てのコントラストが向上する。
【0074】図9に戻って説明する。磁気ヘッドや磁気
ペン60を用いて磁化する表示装置の面積は、60μm
φ程度の面積とすると解像度の良い画像が得られる。磁
気ペン60を離したあとでも磁性層mには磁化が残って
画像を保つことができ、また、一様に水平に磁化すると
画像が消えるので表示装置として利用できる。外部磁界
付与用磁性層57には、磁性膜52を石英基板51に対
してに垂直方向に磁化する必要があるので、いわゆる垂
直磁気異方性の大きい垂直磁化膜が用いられる。また、
磁性膜52のスピンは石英基板51に対し垂直となるた
めに、面内磁化膜である必要がある。また、反射膜56
は厚くなりすぎると有効な磁界が弱くなるのでその膜厚
は5000Å以下とすることが好ましい。
【0075】外部磁界付与用磁性層57の材料として
は、希土類鉄ガーネット,MnBi,CoBnCuB
i,及びSrFe1219,BaFe1219,CoFe2
4等のフェライトがあるが、これら多結晶体よりも次
のアモルファス材料の方が、良好な表面性,及び反射膜
を設けた場合の高い反射率を有することから、好適であ
る。すなわちアモルファス材料として、GdCo,Gd
Fe,TbFe,TbDyTe,GdTbFe等を用い
ることが好ましく、膜厚は100〜1000μmとする
ことが好ましい。また反射膜56は、TiO2,MgO
等の白色微粒子を一般的な蒸着やスパッタ等のPVD法
を用いて設けるようにしても良い。反射膜56に用いる
他の材料としては、アルミニウム,シリカ,銀,酸化ア
ルミニウム等の一般によく知られているものを用いるこ
とができる。
【0076】また、磁性膜52として形成される強磁性
体超微粒子の粒径は200Å以下、できれば20〜10
0Åとすることが好ましい。粒径が小さければ小さいほ
ど光の散乱が減少して透過率が向上するが、しかし小さ
すぎると磁気的特性が不充分となる。
【0077】(実施例4−1)本発明の表示装置を具体
化した実施例を図11及び図9を参照して説明する。図
11は、図9の表示装置における磁性層mの形成部を示
す概略構成図である。図中、51は石英基板、52は磁
性膜(鉄蒸着膜)で、A,B,Cは石英基板51の面で
あり、a,b,lはそれぞれ面A,面B,面Cの寸法で
ある。まず、図11を参照して説明する。0.5μm厚
の石英基板51の片面に合計で120nm厚となるよう
に図示しないCr23、Crの2層を順に設け、更にこ
の上に図示しないポジ型レジストを設けた。このレジス
ト上に図示しないフォトマスクを配置し、UV光を用い
て露光した。このときに、溝の各面の寸法a,bがa=
b=1.0μmとなるように設定した。次いでウェット
エッチング手法を用いて、上記レジスト層をエッチング
し、更にフッ素系ガスを用いて石英基板51をエッチン
グして、l=0.4μmとなるように加工してくし形状
を形成した後、レジスト層を剥離した。次いで上記石英
基板51の反対側表面にも全く同様な工程でくし形状形
成加工を行った。
【0078】次いでガス中蒸着法を用いて、基板加熱な
しで石英基板51の片面に鉄を蒸着した。使用したガス
はArと空気の混合ガスで、Arを50ccm,空気を
5ccmの流量で流し、全圧力を1.3Paとした。蒸
着により得られた鉄蒸着膜52は平均粒子径7nmの鉄
微粒子を含有し、平均膜厚は70nmであった。鉄蒸着
膜52の平坦部で測定した保磁力は500Oeで、面内
磁気異方性を持った膜であった。次いでイオンエッチン
グ装置を用いて、石英基板51に−150Vを印加し、
Arガスを導入して逆スパッタ法により、面Aと面B
(基板における水平面)の鉄蒸着膜52を除去し、鉄蒸
着膜52が面Cにのみ残るようにして、図11に示すご
とくの形態を得た。以上のようにして作製した磁性層m
の磁気光学効果を波長520nmの光を用いて、最大印
加磁界15Kガウスとして測定したところ、印加磁界0
ガウスでの偏光面回転角は11度であった。
【0079】次いで、図9を用いて説明する。上記と同
様にして、石英基板51における磁性層mの反対側のく
し形状加工面に、ガス中蒸着法を用いて基板加熱なしで
ゲルマニウムを蒸着した。このときガスとしてはArを
用い、50ccmの流量で、全圧力を1.3paとし
た。得られたゲルマニウム膜の平均膜厚は10nmであ
った。次いでイオンエッチング装置を用いて、上記と同
様にくし形状をなす基板上の水平面のゲルマニウム膜を
除去し、図示するごとくのゲルマニウム膜54を形成し
た。そして、スパッタ法を用いてくし形状の溝が埋まる
までSiO2膜を製膜し、研磨によってその表面を平坦
化して、偏光子層pを得た。ゲルマニウム膜54を有す
る偏光子層pの分光透過率は波長520nmで65%で
あり、磁性層mの透過率は58%であった。また、偏光
子層pの波長520nmでの偏光度は、S偏光透過率を
T1,P偏光透過率をT2とすると、83%{(T1−
T2)/(T1+T2)}であった。
【0080】次いで50μmのポリエステルフィルム5
5に、スパッタ法を用いて1μm厚さのTbFe膜を作
製し外部磁界付与用磁性層57とした。更に、この外部
磁界付与用磁性層57上に200nm厚さのアルミニウ
ムによる反射膜56を真空蒸着法を用いて作製した。こ
れらポリエステルフィルム55,外部磁界付与用磁性層
57,及び反射膜56よりなる積層体を反射膜形成層
R′とする。次いで上記反射膜形成層R′の反射膜56
上に、前述した磁性層mと偏光子層pを有する石英基板
51を、磁性層mの基板部分と反射膜56が接触するよ
うに重ね合わせて図9に示すごとくの表示装置を完成さ
せた。得られた表示装置に外部磁界付与用磁性層57の
裏側から1mmφの円筒状の永久磁石62を有する磁気
ペン60(表面磁束3Kガウス)を用いて文字を描い
た。偏光子層pを通過した直線偏光が、棒磁石62で磁
化された磁性層mの磁化部で大きく回転し、反射膜56
で反射した後、偏光子層pを再び通過して戻れないため
に黒く観察され、一方、非磁化部位を通過した光は反射
した後再び偏光子層pを通過できるため明るく観察され
た。この結果、磁化部と非磁化部の2つの部位間にコン
トラストが表われ、このコントラストの大きさは3.2
であった。
【0081】(実施例4−2)実施例4−1(図9)の
構成において、外部磁界付与用磁性層57を設けなかっ
た以外は、全く実施例4−1と同様にして表示装置を作
製した。実施例4−1で機能した外部磁界付与用磁性層
57による外部磁界の代わりに、磁気ヘッドをアレイ状
に並べたマイクロ磁気ヘッドを反射膜形成層R′に接し
て配置した。図12は、図9に示す表示装置の磁性層m
に外部磁界を付与する手段の一例として用いられるマイ
クロ磁気ヘッド・ユニットの例を示す概略構成図で、図
中、70はマイクロ磁気ヘッド・ユニット、71はパー
マロイ層、72はSi(シリコン)基板、73はコイ
ル、74は絶縁層である。図12は、1個のマイクロ磁
気ヘッド・ユニット70の構造を示すもので、この磁気
ヘッド・ユニット70は、シリコン基板72を用いて形
成されるコアに、ギャップ材として透磁率の高いパーマ
ロイ層71が埋め込まれ、このパーマロイ層71を取り
巻くように、Auからなる10ターンの渦巻状のコイル
73がリソグラフィー技術を用いて形成され、さらに、
ポリイミド樹脂からなる絶縁層74で封止されたもので
ある。上記パーマロイ層71の組成は50Ni−50F
e,保磁力は1Oe以下である。又コイル73の電気抵
抗は1.4μΩ・cm,コイル電流は0.5アンペアであ
る。上記のような、マイクロ磁気ヘッド・アレイを本実
施例の表示装置の反射膜形成層R′に密着させながら画
像形成を行なったところ、形成された黒色のドット直径
は60μmであり、ドット画像と背景とのコントラスト
は平均で3.5であった。
【0082】(比較例4−1)実施例4−1の外部磁界
付与用磁性層57を設けずに、磁性層mへ外部磁界を加
えないで、1mmφの円筒状磁石(表面磁束3Kガウ
ス)を用いて、実施例4−1と同様にして文字を描い
た。形成された画像部と背景との2つの部位のコントラ
ストは1.2であった。
【0083】(比較例4−2)実施例4−1の偏光子層
pを作製する代わりに、表示装置の入射光側に一般に市
販されているフィルム型偏光子(2色性物質にヨウ素を
用いたもの)を貼り合わせ、表示装置を作製した。フィ
ルム型偏光子の波長520nmにおける透過率は約40
%ほどであった。外部磁界付与用磁性層57の裏側から
1mmφの円筒状磁石(表面磁束3Kガウス)を用い
て、実施例4−1と同様にして文字を描いた。画像は全
体的に薄暗く、形成された画像部と背景との2つの部位
のコントラストは1.8であった。
【0084】
【発明の効果】請求項1ないし9の発明は、本発明は構
成要素すべてに対し光の利用効率を上げるようにしたの
で、高いコントラストを得られるデバイスが得られる。
また、磁性層の粒子径を1μm以下として光散乱を減少
させ、高透過率偏光子を用い、又反射防止層を設けたた
めに高いコントラストが得られる。また、マイクロ磁気
ヘッドをアレイ化して設けたため、デジタル記録が可能
となり大幅に利用効果が向上し、又棒状磁石を用いてア
ナログ記録が可能であり更に該記録をマイクロ磁気ヘッ
ドアレイで、媒体を移動することなくデジタルに読み出
すことが可能となる。また、保護層と反射層の厚みを少
なくし、透明フィルムの厚みも薄くしたので高感度の磁
気記録・再生が可能となる。
【0085】請求項1の発明は、ディスプレイであっ
て、透明基板上に偏光子層,透明磁性層,反射層と順次
積層して設けて記録媒体を形成し、その記録媒体の反射
層側にマイクロ磁気ヘッドアレイを設け所望の画像に従
って磁性層を磁化し、基板側から上記画像を見る構成と
したので、非常に薄くてかつ瞬間に像を形成でき、透明
基板側から像を見ることができるディスプレイが達成で
きる。
【0086】請求項2の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板から棒磁石状のペンを
用いて前記磁性層を磁化するため前記透明基板の厚さが
100μm以下であるので、基板側からも画像形成でき
る。
【0087】請求項3の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記反射層のマイクロ磁気ヘッド側
に、さらに保護層が設けられたので、物の接触、光、水
等などによる変化を受けにくくなり、長期間安定して利
用できる。
【0088】請求項4の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記偏光層にワイヤグリッド偏光子
が用いられているので、非常に明るい像が得られ、コン
トラストが大幅に向上する。
【0089】請求項5の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記マイクロ磁気ヘッドアレイのヘ
ッドは磁気抵抗効果を利用したヘッドであるので、磁気
ヘッドや磁性層を動かさなくても像が得られ、高速度で
コントラストの高い高分解能の像が得られる。
【0090】請求項6の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記反射層と保護層の2つの膜厚合
計が1μm以下であるので、マイクロ磁気ヘッドからの
磁束のうち垂直成分がより多く有効に利用でき、より高
速度でコントラストの高い高分解能の像が得られる。
【0091】請求項7の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板の空気側に、さらに反
射防止膜が設けられているので、反射タイプディスプレ
イでありながら基板で反射する光を少なくし、作像に有
効に光を用いることができ、明るい像が得られる。
【0092】請求項8の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明基板がプラスチックよりな
るので、軽く、薄く、曲げ可能な使いやすいディスプレ
イとなる。
【0093】請求項9の発明は、請求項1に記載のディ
スプレイにおいて、前記透明磁性層は0.5μm以下の
径の磁性微粒子からなるので、可視光の散乱が少なく透
明性が向上して明と暗の像コントラストが向上したディ
スプレイを得ることが可能となる。
【0094】請求項10の発明は、可視光に対して透明
な支持体の表面に、凹形の溝をフォトリソグラフィー技
術を用いて直線状にかつ互いに平行となるように複数列
形成する工程と、前記溝を形成した前記支持体に半導体
又は金属よりなる薄膜を形成する工程と、前記薄膜のう
ち前記凹形の溝の側壁の表面に形成された部分のみが前
記支持体上に残存するようにエッチング処理を行なうこ
とにより、前記残存した前記薄膜により、細線を形成す
るようにした工程とを含むので、アスペクト比が向上し
従って光の透過率が向上し、偏光度が高く、かつ無色透
明であってディスプレイ用に好ましい偏光子を得ること
ができる。
【0095】請求項11の発明は、請求項10記載の偏
光子の製造方法において、前記細線の材料がGeまたは
Siであるので、より高い偏光度を得ることができる。
【0096】請求項12の発明は、請求項10又は11
記載の偏光子の製造方法において、前記細線間を可視光
に対して透明な物質で充填するようにしたので、偏光子
の本来的な性能を阻害することなく、細線を安定して固
定できるとともに、透過光が凹凸によって回折や散乱す
ることを防止することができる。
【0097】請求項13の発明は、請求項10ないし1
2いずれか1記載の製造方法により製造される偏光子で
あって、前記細線が厚さ50〜100Å、高さ3〜10
0μm及び間隔0.5〜1.5μmの範囲で、形成される
ので、アスペクト比の高い格子状の薄膜(細線)を有
し、従って、光の透過率及び偏光度が高く、かつ無色透
明なディスプレイ用に好ましい偏光子が得られる。
【0098】請求項14の発明は、請求項13記載の偏
光子において、前記細線が形成された面の縦横の巾が各
々50mm以上である方形の有効部分を切り出すことが
できる大きさを有するので、50×50m以上の大面積
の偏光子を得ることができる。
【0099】請求項15の発明は、0.4〜1.5μm
の間隔で金属または半導体の薄膜を第1の透明基板上に
垂直に等間隔に複数設けてなる第1の偏光子と、0.4
〜1.5μmの間隔で強磁性薄膜を第2の透明基板上に
垂直に複数設けてなる磁性層と、前記第1の偏光子と同
一の構成を有する第2の偏光子とを備え、前記第1の偏
光子、前記磁性層、前記第2の偏光子の順に配してなる
ので、光の通過する方向に対しては吸収される部分が少
なく、高い光透過率が得られ、さらに磁気光学効果を得
る部分と、偏光機能を得る部分を分離して設けたことに
より、それぞれを最適に設計することができ、表示装置
として大きなコントラストが得られる。
【0100】請求項16の発明は、0.4〜1.5μm
の間隔で金属または半導体の薄膜を第1の透明基板上に
垂直に等間隔に複数設けてなる偏光子と、0.4〜1.
5μmの間隔で強磁性薄膜を第2の透明基板上に垂直に
複数設けてなる磁性層と、可視光用反射層とを備え、前
記偏光子、前記磁性層、前記可視光用反射層の順に配し
てなるので、光の通過する方向に対しては吸収される部
分が少なく、高い光透過率が得られ、さらに磁気光学効
果を得る部分と、偏光機能を得る部分とを分離して設け
たことにより、それぞれを最適に設計することができ、
表示装置として大きなコントラストが得られる。
【0101】請求項17の発明は、請求項15または1
6記載の表示装置において、前記偏光子が有する前記金
属または半導体の薄膜の厚さが50〜500Åであるの
で、最も偏光機能が高い構造とすることができる。
【0102】請求項18の発明は、請求項15ないし1
7いずれか1記載の表示装置において、前記磁性層が有
する前記強磁性薄膜の厚さが100〜1000Åである
ので、最も磁気光学効果の大きな構造とすることができ
る。
【0103】請求項19の発明は、0.3〜1.5μm
の間隔で厚さ50〜1000Å,高さ0.1〜5μmの
強磁性薄膜を透明基板上に垂直に等間隔に複数設け、該
基板の該強磁性薄膜側に非磁性の反射層,及び垂直磁性
異方性を有する強磁性層をこの順に積層するとともに、
前記透明基板の前記強磁気薄膜形成面の裏面に偏光子を
設けてなるので、光が通過する磁性層へ外部磁界を加え
ることにより、偏光を生じせしめる波長範囲を広くする
ことができ、画像のコントラストが向上する。
【0104】請求項20の発明は、0.3〜1.5μm
の間隔で厚さ50〜1000Å,高さ0.1〜5μmの
強磁性薄膜を透明基板上に垂直に等間隔に複数設け、該
基板の該強磁性薄膜側に非磁性の反射膜,及び磁気ヘッ
ドアレイを、この順に設けるとともに、前記基板の前記
強磁性薄膜形成面の裏面に偏光子を設けてなるので、磁
界強度の大きい磁気ヘッドアレイにより、光が通過する
磁性層で生じる偏光も大きくなり、高いコントラスト得
られる。
【0105】請求項21の発明は、請求項19または2
0記載の表示装置において、0.3〜1.5μmの間隔
で前記偏光子は、厚さ50〜500Å,高さ0.1〜5
μmの金属または半導体の薄膜を基板に垂直に等間隔に
複数設けてなるので、市販されていて最もよく使われる
フィルム偏光子に比べて高い透過率が得られ、このため
に画像のコントラストが向上する。
【0106】請求項22の発明は、請求項15ないし2
1いずれか1記載の表示装置において、前記透明基板上
に垂直に設ける前記強磁性薄膜は強磁性体の超微粒子を
含有してなる薄膜であるので、透明性が向上し、画像の
コントラストを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるディスプレイの一実施例におけ
る基本構成を示す構成図である。
【図2】 図4に示す反射防止膜に用いられる薄膜物質
を示す表である。
【図3】 図1に示す透明基板側から記録を行うための
ペン状磁石の構成を示す図である。
【図4】 本発明に係るディスプレイの具体例の構成図
である。
【図5】 図4に示す具体例におけるマイクロ磁気ヘッ
ドの構成図である。
【図6】 本発明による偏光子の製造方法の一実施例を
説明するための偏光子の構成を概念的に示した要部側断
面図を製造工程順に図6(A)〜図6(H)に示すもの
である。
【図7】 本発明による表示装置の実施例を説明するた
めの磁性層の概略構成図である。
【図8】 図7に示す磁性層を用いて構成した表示装置
の一実施例を説明するための概略構成図で、透過型表示
装置の構成例を図8(A)、反射型表示装置の構成例を
図8(B)に示すものである。
【図9】 本発明による表示装置の他の実施例を説明す
るための概略構成図である。
【図10】 表示装置におけるコントラストを決定する
因子の一例としての判値巾の概念を説明するための模式
的なグラフである。
【図11】 図9の表示装置における磁性層の形成部を
示す概略構成図である。
【図12】 図9に示す表示装置の外部磁界を付与する
手段の一例として用いられるマイクロ磁気ヘッド・ユニ
ットの例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…透明基板、3…偏光子層、5…透明磁性層、7…反
射層、9…記録媒体、11…マイクロ磁気ヘッドアレ
イ、13…ペン状の支持部材、15…棒磁石、17…反
射防止膜、19…保護膜、21…磁石、23…Si部
材、25…ポリミイド樹脂、27…コイル、31…Si
2基板、32…レジスト、33…Ge薄膜、34…A
rイオン、35…SiO2スパッタ層、41…磁性層用
石英基板、42…磁性膜(鉄蒸着膜)、43…偏光子層
用石英基板、44…ゲルマニウム膜(Ge蒸着膜)、4
5…ポリエステルフィルム、46…反射膜、51…石英
基板、52…磁性膜(鉄蒸着膜)、54…ゲルマニウム
膜(Ge蒸着膜)、55…ポリエステルフィルム、56
…反射膜、57…外部磁界付与用磁性層、60…磁気ペ
ン、61…柄、62…永久磁石、70…マイクロ磁気ヘ
ッド・ユニット、71…パーマロイ層、72…シリコン
基板、73…コイル、74…絶縁層、A,B,C…石英
基板上の面、a…面Aの寸法、b…面Bの寸法、l…面
Cの寸法、F…非空隙部、M…磁性層、m…磁性層、P
…偏光子層、p…偏光子層、R,R′…反射膜形成層、
V…空隙部。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレイであって、透明基板上に偏
    光子層,透明磁性層,反射層と順次積層して設けて記録
    媒体を形成し、その記録媒体の反射層側にマイクロ磁気
    ヘッドアレイを設け所望の画像に従って磁性層を磁化
    し、基板側から上記画像を見る構成としたことを特徴と
    するディスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記透明基板から棒磁石状のペンを用い
    て前記磁性層を磁化するため前記透明基板の厚さが10
    0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のデ
    ィスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記反射層のマイクロ磁気ヘッド側に、
    さらに保護層が設けられたことを特徴とする請求項1に
    記載のディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記偏光層にワイヤグリッド偏光子が用
    いられていることを特徴とする請求項1に記載のディス
    プレイ。
  5. 【請求項5】 前記マイクロ磁気ヘッドアレイのヘッド
    は磁気抵抗効果を利用したヘッドであることを特徴とし
    た請求項1に記載のディスプレイ。
  6. 【請求項6】 前記反射層と保護層の2つの膜厚合計が
    1μm以下であることを特徴とした請求項3に記載のデ
    ィスプレイ。
  7. 【請求項7】 前記透明基板の空気側に、さらに反射防
    止膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    のディスプレイ。
  8. 【請求項8】 前記透明基板がプラスチックよりなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
  9. 【請求項9】 前記透明磁性層は0.5μm以下の径の
    磁性微粒子からなることを特徴とする請求項1に記載の
    ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 可視光に対して透明な支持体の表面
    に、凹形の溝をフォトリソグラフィー技術を用いて直線
    状にかつ互いに平行となるように複数列形成する工程
    と、前記溝を形成した前記支持体に半導体又は金属より
    なる薄膜を形成する工程と、前記薄膜のうち前記凹形の
    溝の側壁の表面に形成された部分のみが前記支持体上に
    残存するようにエッチング処理を行なうことにより、前
    記残存した前記薄膜により、細線を形成するようにした
    工程とを含むことを特徴とする偏光子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記細線の材料がGeまたはSiであ
    ることを特徴とする請求項10記載の偏光子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記細線間を可視光に対して透明な物
    質で充填するようにしたことを特徴とする請求項10又
    は11記載の偏光子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12いずれか1記載
    の製造方法により製造される偏光子であって、前記細線
    が厚さ50〜100Å、高さ3〜100μm及び間隔
    0.5〜1.5μmの範囲で、形成されることを特徴とす
    る偏光子。
  14. 【請求項14】 前記細線が形成された面の縦横の巾が
    各々50mm以上である方形の有効部分を切り出すこと
    ができる大きさを有することを特徴とする請求項13記
    載の偏光子。
  15. 【請求項15】 0.4〜1.5μmの間隔で金属また
    は半導体の薄膜を第1の透明基板上に垂直に等間隔に複
    数設けてなる第1の偏光子と、0.4〜1.5μmの間
    隔で強磁性薄膜を第2の透明基板上に垂直に複数設けて
    なる磁性層と、前記第1の偏光子と同一の構成を有する
    第2の偏光子とを備え、前記第1の偏光子、前記磁性
    層、前記第2の偏光子の順に配してなることを特徴とす
    る表示装置。
  16. 【請求項16】 0.4〜1.5μmの間隔で金属また
    は半導体の薄膜を第1の透明基板上に垂直に等間隔に複
    数設けてなる偏光子と、0.4〜1.5μmの間隔で強
    磁性薄膜を第2の透明基板上に垂直に複数設けてなる磁
    性層と、可視光用反射層とを備え、前記偏光子、前記磁
    性層、前記可視光用反射層の順に配してなることを特徴
    とする表示装置。
  17. 【請求項17】 前記偏光子が有する前記金属または半
    導体の薄膜の厚さが50〜500Åであることを特徴と
    する請求項15または16記載の表示装置。
  18. 【請求項18】 前記磁性層が有する前記強磁性薄膜の
    厚さが100〜1000Åであることを特徴とする請求
    項15ないし17いずれか1記載の表示装置。
  19. 【請求項19】 0.3〜1.5μmの間隔で厚さ50
    〜1000Å,高さ0.1〜5μmの強磁性薄膜を透明
    基板上に垂直に等間隔に複数設け、該基板の該強磁性薄
    膜側に非磁性の反射層,及び垂直磁気異方性を有する強
    磁性層をこの順に積層するとともに、前記透明基板の前
    記強磁性薄膜形成面の裏面に偏光子を設けてなることを
    特徴とする表示装置。
  20. 【請求項20】 0.3〜1.5μmの間隔で厚さ50
    〜1000Å,高さ0.1〜5μmの強磁性薄膜を透明
    基板上に垂直に等間隔に複数設け、該基板の該強磁性薄
    膜側に非磁性の反射膜,及び磁気ヘッドアレイを、この
    順に設けるとともに、前記基板の前記強磁性薄膜形成面
    の裏面に偏光子を設けてなることを特徴とする表示装
    置。
  21. 【請求項21】 0.3〜1.5μmの間隔で前記偏光
    子は、厚さ50〜500Å,高さ0.1〜5μmの金属
    または半導体の薄膜を基板に垂直に等間隔に複数設けて
    なることを特徴とする請求項19または20に記載の表
    示装置。
  22. 【請求項22】 前記透明基板上に垂直に設ける前記強
    磁性薄膜は強磁性体の超微粒子を含有してなる薄膜であ
    ることを特徴とする請求項15ないし21いずれか1記
    載の表示装置。
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