JP4157253B2 - 表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示素子に係り、さらに詳しくは磁気ヘッドによって磁気光学効果を有する層を磁化し、磁化部位と非磁化部位でコントラストを発現させた超薄型表示素子に関する。このため、液晶ディスプレイに代わる携帯用表示素子として広く使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯用表示素子としては、例えば液晶ディスプレイがあるが、その他にも、磁気旋光を用いる表示素子がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような液晶ディスプレイと磁気旋光を用いる表示素子とを比較すると、両者は偏光を用いる点では同じであるが、次のような多くの点において磁気旋光を用いる表示素子の方が優れている。
【0004】
(1)応答スピードが1000倍以上速い。
(2)画像分解能が高い。
(3)他の手段(タッチパネルなど)を用いなくても画像への追記が容易にできる。
(4)液体漏れ防止のための袋(ガラスやプラスチック)が不要である。
(5)薄膜により形成することが可能であるため、薄く製作が可能である。
【0005】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁気旋光を用いる表示素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、既に次のような種々の発明を提案してきた。例えば「表示素子」(特願平10−145239号)、「偏光変換素子および該偏光変換素子を利用した表示素子」(特願平10−225436号)、「偏光変換素子および該偏光変換素子を利用した表示素子」(特願平10−348027号)、「イメージングデバイス」(特願平10−335505号)、「イメージングデバイス」(特願平10−335993号)、「磁気光学素子および磁気ヘッドアレイ」(特願平10−341403号)、「カード」(特願平10−340917号)などである。
【0007】
そして、これら表示素子の基本構成は、(1)記録用磁気ヘッド、(2)反射層、(3)磁気記録層、(4)偏光子となっている。。但し、表示部位としての記録用磁気ヘッドと、記録部位としての反射層/磁気記録層/偏光子とは別々に作製され、記録時には合体して使用され、持ち運ぶ場合には、表示部位としての記録用磁気ヘッドをはずして利用するというものであった。
【0008】
このように表示素子の記録部位と表示部位を別々にしか作製しなかった理由はいろいろあるが、マイクロ磁気ヘッドアレイ上に磁気光学効果を有する透明磁性層を直接形成することが熱的に困難であったり、透明磁性層形成のためには、専用支持体が必要であるという先入観があったためと考えられる。
【0009】
そして、このように表示素子の記録部位と表示部位を別々に用いる場合には、種々のメリットとデメリットがあった。例えば携帯して表示部のみを用いるには、軽く小さくて便利であるが、他方、見たい時に、何時でも、何処ででも表示を見るには不便であった。
【0010】
従って、これまでのメリットを活かしつつデメリットを解消すること、例えば表示素子の良好な携帯性を保持すると共に、見たい時に、何時でも何処ででも表示を見ることができ、更にこれまで以上に鮮明な画像を得ることができるように改良することが要求されるようになった。
【0011】
本発明者は、この要求に応えるべく鋭意検討を重ね、
(1)表示素子の表示部位の磁気記録層用支持体をなくすこと、
(2)表示素子の記録部位と表示部位の距離を近づける構造として、磁界強度の点から記録を容易とすること
により、これまでの記録部位と表示部位を単純に張り合わせて作製するのではなく、全体厚さを薄くして、記録部位と記録部位とを一緒に持ち運ぶことを容易にすると共に、これまで以上に鮮明な画像を得ることが可能なことに想到した。
従って、上記課題は、以下の本発明に係る表示素子によって達成される。
【0012】
即ち、請求項1に係る表示素子は、電磁誘導コイルの中心に高透磁率磁芯を配した磁気ヘッドが支持体上に2次元的に複数個配列された状態で樹脂層に埋設され、該樹脂層表面が平坦化されたマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、光学的反射層、磁気光学効果を有する層及び偏光子層が順次形成され、前記マイクロ磁気ヘッドアレイでは、前記支持体上全面に形成された高透磁率層を共通の高透磁率層として介して全ての前記磁気ヘッドの高透磁率磁芯が互いに接続されており、前記複数の前記電磁誘導コイルの各々に、励起電流が順番に時系列的に流されることを特徴とする。
【0013】
このように請求項1に係る表示素子においては、複数個の磁気ヘッドが2次元的に配列されているマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、直接に光学的反射層が設けられ、更に磁気光学効果を有する層(以下、「磁気光学効果保有層」という)、及び偏光子層が順番に連続して設けられていることにより、従来よりも磁気光学効果保有層とマイクロ磁気ヘッドアレイとの間隔が減少するため、コントラストが向上してより鮮明な画像が得られると共に、記録部位と表示部位とが一体化するため、表示素子としての携帯性が向上する。
【0015】
また請求項1に係る表示素子においては、マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の電磁誘導コイルの各々に励起電流が時系列的に流されるようになっていることにより、電磁誘導コイルに大量の励起電流が同時に流れることが防止されるため、発熱が少なく、耐久性の高い表示素子が実現される。
【0017】
また請求項1に係る表示素子においては、マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の電磁誘導コイルの各々に励起電流が時系列的に流される使用方法を前提にして、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体上に形成する高透磁率層を複数の高透磁率磁芯の全てに接続して一体的に形成することにより、全ての電磁誘導コイルの下側の高透磁率層が共通化されるため、電磁誘導コイルの利用効率が向上するだけでなく、マイクロ磁気ヘッドアレイの製作が大幅に容易になり、更に電磁誘導コイルに発生する熱も効果的に放熱される。
【0018】
また、請求項に係る表示素子は、電磁誘導コイルの中心に高透磁率磁芯を配した磁気ヘッドが支持体上に2次元的に複数個配列された状態で樹脂層に埋設され、該樹脂層表面が平坦化されたマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、光学的反射層、磁気光学効果を有する層及び偏光子層が順次形成され、前記マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の前記磁気ヘッドが複数のグループに区分されるとともに、前記磁気ヘッドのグループ区分に対応して、前記マイクロ磁気ヘッドアレイの前記支持体上に形成された高透磁率層が、各グループの複数の前記高透磁率磁芯に接続するグループ毎に分離されており、同一グループ内の複数の前記電磁誘導コイルには、励起電流が同時に流されることを特徴とする。
【0019】
このように請求項に係る表示素子においては、複数のグループに区分された磁気ヘッドのグループ区分に対応して、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体上に形成された高透磁率層も各グループ毎に分離されており、同一グループ内の複数の電磁誘導コイルには、励起電流が同時に流されるようになっていることにより、同一グループ内の複数の電磁誘導コイルに励起電流を同時に流して使用しても磁気的性能が低下することが防止されると共に、高速度での画像表示が可能となる。
【0020】
また、請求項に係る表示素子は、上記請求項1または2に係る表示素子において、マイクロ磁気ヘッドアレイの電磁誘導コイルを形成する導線が、複数段に積層して形成されていることを特徴とする。
【0021】
このように請求項に係る表示素子においては、マイクロ磁気ヘッドアレイの電磁誘導コイルを形成する導線が、複数段に積層されて形成されていることにより、電磁誘導コイルの導線の線幅やコア径を広くすることが可能になるため、効率的に強磁界が得られると共に、耐久性も向上する。
【0022】
また、請求項に係る表示素子は、上記請求項1〜のいずれかに係る表示素子において、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体として、変形可能なプラスチックフィルムが用いられていることを特徴とする。
【0023】
このように請求項に係る表示素子においては、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体として、変形可能なプラスチックフィルムが用いられていることにより、マイクロ磁気ヘッドアレイは多少の変形にも耐えられるようになるため、耐久性の高い、またハンドリング性の良好な表示素子が実現される。
【0024】
また、請求項に係る表示素子は、上記請求項1〜のいずれかに係る表示素子において、磁気光学効果保有層として、磁性体膜と誘電体膜とを組み合わせた積層膜が用いられていることを特徴とする。
【0025】
このように請求項に係る表示素子においては、磁気光学効果保有層として、磁性体膜と誘電体膜とを組み合わせた積層膜が用いられていることにより、磁気光学効果をエンハンスして、膜厚当たりの磁気光学特性を実質的に向上させることが可能になるため、コントラストの高い明るい表示素子が実現される。
【0026】
また、請求項に係る表示素子は、上記請求項1〜のいずれかに係る表示素子において、偏光子層として、マイクロレンズアレイ/高複屈折層/位相板からなる偏光変換型偏光子が用いられていることを特徴とする。
【0027】
このように請求項に係る表示素子においては、偏光子として、マイクロレンズアレイ/高複屈折層/位相板からなる偏光変換型偏光子が用いられていることにより、光透過率、即ち光利用効率が向上するため、コントラストの高い明るい表示素子が実現される。
【0028】
また、請求項に係る表示素子は、上記請求項1〜のいずれかに係る表示素子において、表示素子の全厚が、300μm以下であることを特徴とする。
【0029】
このように請求項に係る表示素子においては、表示素子の全厚が300μm以下であることにより、柔軟性に優れ、破損し難く、かつ取り扱いが容易な表示素子が実現される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る表示素子の基本構成を示す概略断面図、図2は図1の表示素子のマイクロ磁気ヘッドアレイを示す概略断面図、図3は図1の表示素子の透明磁性層を示す概略断面図である。
【0031】
本実施形態に係る表示素子においては、図1に示されるように、厚さ30〜150μmのマイクロ磁気ヘッドアレイ11上に、厚さ0.1〜1.0μmの光学的反射層12、厚さ0.2〜2.0μmの磁気光学効果を有する磁気記録層としての透明磁性層13、及び厚さ50〜150μmの偏光子層14が下から順番に連続して設けられている。
即ち、この表示素子の基本構成は、偏光子層14/透明磁性層13/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11となっている。
【0032】
これに対して、従来の表示素子の基本構成は、記録部位としての偏光子層/透明磁性層/透明磁性層用の支持体/光学的反射層と、表示部位としての保護膜/マイクロ磁気ヘッドアレイとを組み合わせたものや、記録部位としての偏光子層/支持体/透明磁性層/光学的反射層と、表示部位としての保護膜/マイクロ磁気ヘッドアレイとを組み合わせたものなどであった。
【0033】
従って、本実施形態に係る表示素子を従来の表示素子と比較すると、従来の透明磁性層用の支持体を不要とし、その代わりに、マイクロ磁気ヘッドアレイを透明磁性層用の支持体として代用している。このため、光学的反射層12はマイクロ磁気ヘッドアレイ11の最表面に設けられており、表示素子全体の厚さを300μm以下に抑制することが可能になっている。
【0034】
また、従来は記録部位と表示部位とを個別に作製し記録時に合体して使用していたため、マイクロ磁気ヘッドアレイの最表面には保護膜を設けていたが、本実施形態においては、マイクロ磁気ヘッドアレイの最表面に保護膜を設けていないことから、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の磁気ヘッドと透明磁性層13との距離が短くなり、磁界強度の減少が低減され、また磁界分布の発散による影響が減少するため、より鮮明な画像が得られるようになっている。
【0035】
但し、記録部位を構成する偏光子層14/透明磁性層13/光学的反射層12及び表示部位を構成するマイクロ磁気ヘッドアレイ11の各構成要素自体には、特に従来との変更はない。
【0036】
以下、本実施形態に係る表示素子の各構成要素について説明する。
先ず、本実施形態に係る表示素子のマイクロ磁気ヘッドアレイ11について、図2を用いて説明する。
図2に示されるように、マイクロ磁気ヘッドアレイ11においては、例えばプラスチックフィルムを用いた支持体21上に、複数個の磁気ヘッド22が2次元的に配置されている。そして、これらの磁気ヘッド22は、外形が200μm以下の電磁誘導コイル23と、その電磁誘導コイル23の中心に配された高透磁率磁芯(コア)24とから構成されている。そして、この高透磁率磁芯24を取り巻いている電磁誘導コイル23は、スパイラル状に4ターンする高さ10μm、幅5μmのCu(銅)配線25が2段階に積層されて形成されている。
【0037】
また、支持体21上全面には、Pt(白金)膜26を介して、高透磁率層27が設けられており、この高透磁率層27に全ての磁気ヘッド22の高透磁率磁芯24が接続されている。
また、高透磁率層27上には、ポリイミド層28が堆積され、高透磁率磁芯24の周囲を埋め尽くしており、電磁誘導コイル23もこのポリイミド層28内に埋設された状態となっている。更に、このポリイミド層28表面は平坦化され、その上に直接に、光学的反射層12が形成されている。
【0038】
以上のようにマイクロ磁気ヘッドアレイ11においては、複数個の磁気ヘッド22が2次元的に配置されていることから、画像表示部位と記録用磁気ヘッドアレイを相互に移動することなく、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に励磁電流を逐次スイッチングして時系列的に流すようにして、画像を形成することが可能になる。
【0039】
なお、各ライン上の磁気ヘッド22は、中心位置が直線上からずれていて、いわゆる千鳥状に2次元的に配設されてもよい。これは、磁気ヘッド22をより高密度に配列して、高解像度の画像を形成するためである。
また、磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23の外形を200μm以下とした理由は、本実施形態に係る表示素子が高解像度画像形成用であって、127DPI(ドットピッチは200μm)以上の画像分解能を得るためである。
【0040】
また、電磁誘導コイル23を形成する導線としては、電気抵抗値の点からは一般的にCu配線25が好ましいが、例えばAu(金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Ptなどその他の導電性材料を用いてもよい。
また、電磁誘導コイル23を形成するCu配線25の製造方法としては、大別して、フォトリソグラフィー法、電気メッキ法が用いられる。また、Cu配線25のパターン形成用マスクには、各種レーザー光や軟X線、紫外線などが用いられる。
【0041】
また、Cu配線25の加工においては、導線の断面積(線幅、線高さ)がより大きいことが、電気抵抗を低下させる点から重要であるが、解像度の点からは電磁誘導コイル23間のピッチに制限があるため、導線間の絶縁層体積がより少ない方法が選ばれる。ここでは、電磁誘導コイル23を形成するCu配線25の高さを5μm以上とすることにより、電気抵抗を下げて、発熱や断線を防止している。
【0042】
また、マイクロ磁気ヘッドアレイ11は大きい面積で作製することが許されないため、電磁誘導コイル23を形成するCu配線25の線幅も細く作製せねばならないが、これも作製技術的な理由と共に、低電気抵抗が必要な点から限界がある。そして、図示するように、Cu配線25を数段階に積層して形成しているのは、この課題を解決するためである。
【0043】
即ち、磁気ヘッド22に発生する磁界強度は、[コイルの巻き数×電流値]の大きさに依存するために、電磁誘導コイル23を形成するCu配線25を数段階に積層して形成することにより、比較的低電流で、大きな磁界強度を得ることが可能となっている。
【0044】
また、高透磁率磁芯24は、磁界発生効率を向上させるために、図示されているように、その形状を単純な棒状から変形させている。
即ち、電磁誘導コイル23の中心に配された高透磁率磁芯24のコア外径が、電磁誘導コイル23上端面の上部で電磁誘導コイル23内部寸法より縮小して、磁束密度を高めることが好ましい。これは、磁束を集中させることにより、できる限り磁束の発散を抑えて、強い磁界強度を透明磁性層13に印加するためである。なお、高透磁率磁芯24の断面形状は角形、円柱などを問わない。
【0045】
また、高透磁率磁芯24の材料としては、従来から多用されている純鉄、珪素鋼、鉄やニッケル及びコバルトとの各種合金(Fe−Si−B系、Co−Fe−Si−B系)などが用いられる。特に本実施形態においては、これら鉄とニッケルで構成されるパーマロイが好適に用いられる。また、高透磁率磁芯24の透磁率は、1000以上もしくは10000以上が好ましい。
また、マイクロ磁気ヘッドアレイ11を用いて上書きしてもよいし、永久磁石を用いるか、交流磁界消去法を用いて広い範囲を一括して消去してもよい。
【0046】
また、上述したように、マイクロ磁気ヘッドアレイ11は、一斉に励磁する方法はとらず、逐次スイッチングして複数個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に時系列的に1つずつ順番に励磁電流を流して磁気ヘッド22を駆動することを基本的な使用法とするため、支持体21上全面に設けられた高透磁率層27を共通化し、この高透磁率層27を介して全ての磁気ヘッド22の高透磁率磁芯24が互いに接続されている。
【0047】
このように全ての電磁誘導コイル23の下側の高透磁率層27が共通化されるため、電磁誘導コイル23の利用効率が向上するだけでなく、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の製作が大幅に容易となる効果がある。また、電磁誘導コイル23に発生する熱を放熱する効果も有する。
【0048】
また、磁気ヘッド22を配置する支持体21として、シリコンウェーハやガラスなどの固くて変形し難い材料を用いるのではなく、比較的大きな変形が可能なプラスチックフィルムを用いているのは、特にマイクロ磁気ヘッドアレイ11に柔軟性を付与するためである。また、プラスチックフィルムは非磁性であり、絶縁体であり、更に軽量であって割れ難いという点も支持体としては好ましい。
【0049】
また、プラスチックフィルムとしては例えばポリイミドフィルムがあるが、このポリイミドフィルムは、透明性は劣るものの耐熱性が高いという性質がある。更に、支持体21の他の材料としては、例えばMMA、PMMA、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン樹脂などが用いられる。
何れの場合も、支持体21の厚さは、取り扱い上の柔軟性を保持するために、また表示素子の全厚を300μm以下とするためにも、10〜100μmであることが好適である。
【0050】
また、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の電気的な駆動法は、FETなどを用いてスイッチングによって単独又は複数個の磁気ヘッド22に励磁電流を順次供給してなされる方法が任意に用いられる。
更に、高速度に画像形成したい場合は、複数の磁気ヘッド22の数個ずつに同時に励起電流を流す方法も、電源が大きくなるが可能である。
【0051】
なお、上記のマイクロ磁気ヘッドアレイ11においては、全ての電磁誘導コイル23の下側の高透磁率層27が共通化されているが、2次元的に配置されている複数個の磁気ヘッド22を複数のグループに区分し、この磁気ヘッド22のグループ区分に対応して、各グループの高透磁率磁芯24に接続する高透磁率層27を各グループ毎に分離してもよい。
即ち、同一グループ内の電磁誘導コイル23の下側には共通の高透磁率層27を設けるが、隣接する他のグループ内の電磁誘導コイル23の下側の共通の高透磁率層27とは、所定の間隔をおいて分離してもよい。
【0052】
この場合、上記説明したマイクロ磁気ヘッドアレイ11の基本的な使用法と異なり、複数個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に時系列的に1つずつ順番に励磁電流を流して磁気ヘッド22を駆動するのではなく、同一グループ内の複数個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に励起電流を同時に流して、これら同一グループ内の磁気ヘッド22を同時に駆動する。このため、磁気ヘッド22の磁気的性能を低下させることなく、画像形成が高速化される。
なお、同一グループ内の磁気ヘッド22の個数は、例えば3個ずつ、或いは5個ずつ等、適宜選択すればよいが、電流値を小さくする観点からは10個以下であることが好ましい。
【0053】
次いで、本実施形態に係る表示素子の光学的反射層12について説明する。
この光学的反射層12としては、例えばPVD法を用いて形成されたAl、Cu、Ag、Au、Pt、Rh(ロジウム)、Al2 3 、SiO2 、TeC、SeAs、TiN、TaN、CrNなどの薄膜が用いられる。また、誘電体多層膜を用いた光学的反射層なども利用することが可能である。
なお、この光学的反射層12の厚さは、0.1〜1μmの範囲で選択することが好適である。
【0054】
次いで、本実施形態に係る表示素子の透明磁性層13について、図3を用いて説明する。
図3に示されるように、磁気光学効果を有する磁気記録層としての透明磁性層13は、例えば支持体31上に誘電体膜32、透明磁性体膜33、及び誘電体膜34が下から順番に積層された構造をなしている。
【0055】
ここで、誘電体膜32に用いられる材料としては、透明でかつ熱的に安定な物質が適しており、例えば金属や半金属の酸化物、窒化物、カルコゲン化物、フッカ物、炭化物、及びこれらの混合物である。
具体的には、SiO2 、SiO、Al2 3 、GeO2 、In2 3 、Ta2 5 、TeO2 、TiO2 、MoO3 、WO3 、ZrO2 、Si3 4 、AlN、BN、TiN、ZnS、CdS、CdSe、ZnSe、ZnTe、AgF、PbF2 、MnF2 、NiF2 、SiCなどの単体又はこれらの混合物である。そして、これらの材料の中から透明磁性体と屈折率を異にする種類を選択すればよい。
また、これらの各膜の膜厚は5〜200nm、好ましくは5〜30nmの範囲において選択することが望ましい。更に、誘電体膜32は複数の層構成としてもよい。そして、これらの誘電体膜32は各種のPVD法や、CVD法を用いて作製される。
【0056】
一般に、磁気記録層は、磁気ヘッドを用いて記録する磁気記録媒体であれば、その材料は制限されないものの、磁気光学効果の特に大きな透明磁性体が好ましい。
例えば、誘電体膜と磁性体膜との多層膜によって、ファラデー効果が従来より大幅に増大されることを利用した例として、誘電体膜をG、磁性体膜をMとすると、{(GM)n (MG)n m からなる多層膜が支持体上に形成されている磁気記録媒体である。
【0057】
ここで、誘電体膜Gと磁性体膜Mとの積層構造は、GMの次はMG、MGの次はGMのように積層順が逆になっている。即ち、磁性体膜Mに関して誘電体膜Gが対称となることが必要である。そして、上記図3は、この誘電体膜Gと磁性体膜Mとの積層構造において、n=1、M=1の場合を示したものである。但し、光学膜厚(n‘d)は1/4波長である。
そして、このような積層構造とするにより、強磁性体特有の波長依存性に応じた最大のファラデー効果を有する波長、即ちピークを与える波長において、直線偏光の偏光面回転角が増大するように設計することが可能になる。
【0058】
なお、上記図3に示される場合以外にも、同じファラデー効果が従来より大幅に増大されることを利用した他の例として、上記の誘電体膜Gを高屈折率層と低屈折率層の2層で構成する方法もある。
【0059】
また、磁気記録層としていわゆる一般的な透明磁気記録媒体を用いてもよい。この一般的な透明磁気記録媒体としては、コバルトフェライト、Baフェライトなどの酸化物、FeBO3 、FeF3 、YFeO3 、NdFeO3 などの複屈折が大きな材料、MnBi、MnCuBi、PtCoなどがある。
【0060】
また、できる限り可視光全体にわたって均一かつ大きな性能指数を有する透明磁性層13としては、一般式
3-x x Fe5-y y 12
(但し、0.2<X<2、0≦y<5、Rは希土類元素、AはBiまたはCe、BはGe,Co,Ga,Al,Cu,Pt,ZnまたはPbを示す。)
により代表される希土類鉄ガーネットである透明磁性体が好ましい。
そして、透明磁性層13の保磁力は200〜2000Oeが好ましく、厚さは50nm〜2μmの範囲において選択することが望ましい。
【0061】
なお、希土類鉄ガーネットは透明磁性層13として好ましい材料ではあるものの、結晶化温度が高く(結晶化しないと磁性が現れない)、支持体の選択範囲が狭いという欠点を従来から有していた。しかし、例えばレーザ・アニールの技術を用いれば、本実施形態のようなマイクロ磁気ヘッドアレイ11を基板とする構成も可能となる。
【0062】
また、透明磁性層13の磁気光学効果は、光の進行方向とスピンの方向とが平行の場合に最も大きな効果が得られるので、上記の透明磁性材料は膜面に垂直に磁気異方性を有する膜が好ましい。また、これらの透明磁性材料は、一般的なスパッタ、真空蒸着、MBEなどのPVD法やCVD法、メッキ法等によって形成される。
【0063】
次いで、本実施形態に係る表示素子の偏光子層14について、図4を用いて説明する。
この偏光子層14としては、図4に示されるように、無偏光入射光(S偏光波及びP偏光波)を収束させるマイクロレンズアレイ41と、反射防止層42と、構造的に複屈折性を付与された高複屈折層43と、無偏光入射光に対して略垂直方向に波長板が1つ置きに等間隔に配列されている位相板としての偏光変換機能層44と、から構成される高透過率偏光変換偏光子45を用いることが好適である。そして、この高透過率偏光変換偏光子45の厚さは50〜150μmの中で選択される。
なお、この高透過率偏光変換偏光子45は本発明者が既に提案しているものである(特開平10−348027号公報参照)。
【0064】
この高透過率偏光変換偏光子45においては、高複屈折層43の屈折率Δnは0.2以上の薄膜によって作製され、無偏光入射光をS偏光波とP偏光波とに分離する。そして、このうちのどちらかの偏光波を偏光変換機能層44の1/2波長板によって偏光変換する。
また、マイクロレンズアレイ41にはプラスチック製とガラス製等があるが、変形が容易なプラスチック製が好適である。また、薄い構造であって、上記の偏光子等よりも吸収や反射が少ないため、透過率が高く、本実施形態に適用するには好適である。
【0065】
なお、この高透過率偏光変換偏光子45の代わりに、次の(1)〜(5)に述べるような偏光子等を利用することも可能である。
(1)偏光板(特開平01−93702号公報参照)
強磁性体微粒子からなる多数の棒状素子を含む偏光層基板表面に、一定方向に配列して固着形成することにより、製造が容易でかつ光学的特性の優れた偏光板を実現している。
【0066】
(2)ワイヤグリッド偏光子(佐藤勝昭著「現代人の物理−光と磁気」(朝倉書店)1988年出版、ページ103 参照)
透明基板に微小な間隔で金やアルミニウムの線をひいたものである。この場合線の間隔d、波長をλとすると、λ≫dの波長の光に対して、透過光は線に垂直な振動面を持つほぼ完全な直線偏光になることを利用している。また、偏光度は97%程度といわれている。
【0067】
(3)コーニング社製「ポーラコア」
長く延伸させた金属銀をガラス自身の中に一方向に配列させることにより、偏光特性を持たせたガラスであって、従来の有機物偏光素子と異なり、耐熱性、耐湿性、耐化学薬品性、レーザーに対する耐性に非常に優れている。赤外線用が主であるが、特殊仕様として可視光用がある。
【0068】
(4)積層型偏光子
東北大学電気通信研究所の川上彰二郎教授が1991年頃に発表したものであって、可視光用にはRFスパッタリング法により6〜8nmの厚さのGe(ゲルマニウム)膜と、1μmの厚さのSiO2 膜とを全体として60μmの厚さになるまで交互に積層して作製する。
こうして、0.6μmの波長で測定した性能指数αTE/αTM(TE波とTM波に対する消衰定数の比)は400近く、0.8μmの波長で測定した消光比は35dB、挿入損失は0.18dBであり、可視光に対して十分な性能を有するものである。
【0069】
(5)反射型偏光子
住友3M株式会社が販売しているものであって、薄膜を何層も重ねて作製した反射タイプ(S偏光とP偏光のうちの一方を反射し他方を通過させる)偏光子も用いることが可能である。
【0070】
更にまた、本実施形態に係る表示素子の偏光子層14としては、こうした高透過率偏光変換偏光子45等の代わりに、例えば各種の市販の偏光フィルム等が用いることも可能である。このような偏光フィルムには、大別して多ハロゲン偏光フィルム、染料偏光フィルム、金属偏光フィルムなどがある。
【0071】
【実施例】
以下に実施例によって詳しく説明する。
(第1の実施例)
本実施例は、上記請求項1、3、4、5、6、及び7に対応する実施例である。
【0072】
先ず最初に、マイクロ磁気ヘッドアレイを作製した。
即ち、図2に示されるマイクロ磁気ヘッドアレイ11の支持体21として、50μm厚の矩形のポリイミド基板を用い、このポリイミド基板上に、スパッタ法により5nm厚のPt膜26を形成した。そして、このPt膜26上に、メッキ法により60μm厚のパーマロイ(Ni:Fe=80:20)膜を形成した。
【0073】
続いて、エッチング法によりパーマロイ膜を選択的にエッチング除去して、支持体21上全面に高透磁率層27として厚さ20μmのパーマロイ膜を残存させると共に、高透磁率磁芯24としてピッチ180μmの間隔で2次元的に配列された径60μm、高さ40μmの丸棒状のパーマロイコアを形成した。このとき、丸棒状のパーマロイコアの外径が、その上端部で相対的に縮小して、細くなるようにした。
【0074】
続いて、高透磁率層27としてのパーマロイ膜上及び高透磁率磁芯24としてのパーマロイコア上に、ポリイミド層28を堆積し、このポリイミド層28によって2次元的に配列されたパーマロイコア間を埋め込んだ。そして、このポリイミド層28をパターニングして、スパイラル状のポリイミドの壁を作製した。
【0075】
続いて、無電界Cuメッキ法を用いて、このスパイラル状のポリイミドの壁間に、高さ10μm、幅5μmのCu配線25を4ターンに形成した。そして、こうしたCu配線25上に更にポリイミド層を形成した後、Cu配線25と次に形成する上方のCu配線25を接続するためのコンタクトホール(図示せず)を形成した。
【0076】
続いて、再び無電界Cuメッキ法を用いて、同様な構造のもう一層のCu配線25をポリイミド層上に形成すると共に、この上方のCu配線25をコンタクトホールを介して下方のCu配線25と接続した。
【0077】
こうして、4ターンに形成されたCu配線25が2段に積層されている電磁誘導コイル23と、その電磁誘導コイル23の中心に配された高透磁率磁芯24としてのパーマロイコアとから構成される磁気ヘッド22を形成した。
そして、このときに形成した磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23の並べ方は次のようにした。
【0078】
先ず、100個の電磁誘導コイル23の中心、即ち高透磁率磁芯24としてのパーマロイコアの中心軸が直線上に並ぶようにして、まず第一のコイル列とし、第二の100個のコイル列との間隔、即ち各電磁誘導コイル23の中心と中心との間隔が180μmとなるようにした。続いて、第一列のコイル中心の中間点に第二コイル列の中心が並ぶようにして2列を配した。その後、更に、各電磁誘導コイル23への導線端はイン(IN)とアウト(OUT)に分離して集中させ、FETを用いたスイッチを設けた。
【0079】
続いて、基体全面にポリイミド層28を堆積して、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の表面層を平坦にした。
このようして形成したマイクロ磁気ヘッドアレイ11のパーマロイコアの先端の磁界強度は、200mAの通電時において約1000ガウスであった。また、このマイクロ磁気ヘッドアレイ11の全厚は、約120μmであった。
【0080】
次いで、このマイクロ磁気ヘッドアレイ11のポリイミド層28表面上に直接に、光学的反射層12として厚さ100nmのAg膜を形成した。
【0081】
次いで、この光学的反射層12として厚さ100nmのAg膜上に、磁気光学効果の大きな透明磁性層13を形成した。
即ち、先ずスパッタ法を用いて、誘電体膜GとしてのSiO2 膜(屈折率n=1.47)を88nmの厚さに形成し、続いてこのSiO2 膜上に透明磁性体膜MとしてのBi置換希土類鉄ガーネット膜(屈折率n=2.05)を126nmの厚さに形成し、更にこのBi置換希土類鉄ガーネット膜上に誘電体膜GとしてのSiO2 膜を88nmの厚さに形成した。
【0082】
そして、このような透明磁性体膜MとしてのBi置換希土類鉄ガーネット膜及び誘電体膜GとしてのSiO2 膜の積層構成を1ペアとして、合計3ペアを積層し、9層の積層構造とした。
【0083】
これらの成膜の際の条件は、基板温度が300℃、投入電力が200W、ガス圧力は共に7.0Pa(Ar:O2 =9:1)であった。また、成膜レイトは、SiO2 膜の場合が2nm/秒、Bi置換希土類鉄ガーネット膜の場合が0.5nm/秒であった。また、各膜の膜厚分布は、最も厚い箇所と薄い箇所との差異が、全膜厚の3%であった。
【0084】
更に、Bi置換希土類鉄ガーネット膜の成膜毎に、紫外線レーザにより空気中において加熱して、Bi置換希土類鉄ガーネット膜を結晶化した。このBi置換希土類鉄ガーネット膜の組成は Bi2.2 Dy0.8 Fe3.8 Al1.2 12であった。
【0085】
なお、磁気光学効果測定装置(日本分光株製K250、ビーム径2mm角)によって測定したファラデー回転角の波長依存性からピーク(波長520nm)の半値幅を求めると、19nmであった。また、ピークのファラデー回転角は22度であった。また、VSMにより磁界を膜面に垂直に印加して測定した保磁力は、560Oeであった。そして、このようにして形成した透明磁性層13の全厚は、約1μmであった。
【0086】
次いで、この透明磁性層13上に設ける偏光子層14として、例えば上記図4に示されるような偏光変換型偏光子を作製した。
即ち、先ず成形法により、かまぼこ型の形状をなすアクリル樹脂製のマイクロレンズアレイを作製した。そして、そのピッチを12μm、焦点距離を1.1mとした。
【0087】
続いて、このアクリル樹脂製のマイクロレンズアレイのレンズのないアクリル製基板面上に、スピンコーティング法を用いて、20μmの側鎖型液晶ポリマー層を形成した。この側鎖型液晶ポリマー層の透過率は、波長550nmの場合で86%であった。また、入射したS偏光波とP偏光波との作る角度は、約17度であった。
【0088】
続いて、このアクリル樹脂製のマイクロレンズアレイに、真空蒸着法を用いて厚さ100nmのMgO反射防止膜を形成した。このMgO反射防止膜の反射率は約3%低下した。
そして、このようにして形成した偏光変換型偏光子の全厚は、約140μmである。
【0089】
以上のようにして、本実施例においては、図1に示されるような偏光子層14/透明磁性層13/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11を基本構成とし、その全厚が約260μmとなる表示素子を作製した。
そして、この本実施例に係る表示素子は、その各構成要素、特に偏光変換型偏光子のマイクロレンズや、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の支持体21などに、いずれも柔軟性を有する材料を用いているため、表示素子は変形が容易で、割れたりすることがなく、且つ取り扱いも容易であった。
【0090】
また、本実施例に係る表示素子を駆動する際には、複数個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に1個ずつ順番に時系列的に通電し、第一列が終わったところで、第二列に通電した。1個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23当たりの通電時間は約5マイクロ秒であり、同時に多くの磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に同時に励起電流を流す方法を採用しなくても、高速度で各列の磁気記録が可能となった。
【0091】
また、本実施例に係る表示素子においては、磁気光学効果を有する透明磁性層13には、電磁誘導コイル23の第一のコイル列と第二のコイル列との間隔である180μmの1/2、即ち90μm間隔でドット状の磁気記録がなされ、偏光子層14としての偏光変換型偏光子を通してコントラストの高いデジタル画像を高密度に形成できることが確認された。
【0092】
(第2の実施例)
本実施例は、上記請求項1、3、4、6、及び7に対応する実施例である。
具体的には、上記第1の実施例において偏光子層14として用いた偏光変換型偏光子の代わりに、偏光子層14として厚さ約140μmの市販のフィルム偏光子を用いたものである。そして、この点以外は、上記第1の実施例と全く同様にして表示素子を作製した。
【0093】
本実施例においては、上記第1の実施例の場合よりも透過率が約半分に低下したため、画像コントラストは低下したものの、コントラスト5以上のデジタル画像を高密度に形成できることが確認された。
【0094】
(第3の実施例)
本実施例は、上記請求項2、3、4、5、6、及び7に対応する実施例である。
具体的には、上記第1の実施例においてマイクロ磁気ヘッドアレイ11を作製する際に、2次元的に配列された高透磁率磁芯24としてのパーマロイコアの全てに接続している高透磁率層27としてのパーマロイ膜を支持体21上全面に一体的に形成しているが、高透磁率層27としてのパーマロイ膜を支持体21上全面に一体的に形成する代わりに、高透磁率磁芯24としてのパーマロイコアを3個ずつ複数のグループに区分し、このグループ区分に対応して、各グループの3個のパーマロイコアに接続する高透磁率層27としてのパーマロイ膜を一体的に形成すると共に、隣接する他のグループの3個のパーマロイコアに接続する高透磁率層27との間には、10μmの間隔を設けて分離する。そして、この点以外は、上記第1の実施例と全く同様にして表示素子を作製した。
【0095】
また、本実施例に係る表示素子を駆動する際には、上記第1の実施例の場合のように複数個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23に1個ずつ順番に時系列的に通電する方法を採用する代わりに、各グループの3個の磁気ヘッド22の電磁誘導コイル23には同時に通電すると共に、1グループずつ順番に時系列的に通電した。
【0096】
また、本実施例においては、各磁気ヘッド22の磁気的性能は上記第1の実施例の場合と略同様であり、各ドットは上記第1の実施例の場合と同等に優れた画像品質であった。そして、記録時間は、上記第1の実施例の場合の約3分の1に短縮された。
【0097】
(第1の比較例)
本比較例においては、厚さ100μmのポリイミド基板を別途用意して、このポリイミド基板の一方の面上に、上記第1の実施例の場合と全く同様にして、磁気光学効果を有する透明磁性層13を形成し、この透明磁性層13上に光学的反射層12としてのAg膜を形成し、このAg膜上にマイクロ磁気ヘッドアレイ11を形成した。また、ポリイミド基板の他方の面上に、上記第1の実施例の場合と全く同様にして、偏光子層14としての偏光変換型偏光子を形成した。
【0098】
このようにして、上記第1の実施例に係る表示素子の偏光子層14/透明磁性層13/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11という基本構成中にポリイミド基板が介在している、即ち偏光子層14/ポリイミド基板/透明磁性層13/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11を基本構成とする表示素子を作製した。
【0099】
本比較例においては、ポリイミド基板が介在している分だけ透明性が低下したため、画像コントラストが上記第1の実施例の場合よりも低下した。
また、表示素子全体の厚さが300μm以上と厚くなったため、表示素子としての柔軟性が極端に低下して、取り扱い難くなった。
【0100】
(第2の比較例)
上記第1の比較例においては、上記第1の実施例に係る表示素子の偏光子層14/透明磁性層13/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11という基本構成中の偏光子層14と透明磁性層13との間に厚さ100μmのポリイミド基板を介在しているが、これに対して、本比較例においては、同じポリイミド基板を透明磁性層13と光学的反射層12との間に介在させた。即ち、偏光子層14/透明磁性層13/ポリイミド基板/光学的反射層12/マイクロ磁気ヘッドアレイ11を基本構成とする表示素子を作製した。
【0101】
本比較例においては、ポリイミド基板が介在している分だけ透明磁性層13とマイクロ磁気ヘッドアレイ11との間隔が拡大したため、透明磁性層の磁化が低下して、画像コントラストが上記第1の実施例の場合よりも低下した。
また、この場合も、表示素子全体の厚さが300μm以上と厚くなったため、表示素子としての柔軟性が極端に低下して、取り扱い難くなった。
【0102】
(第3の比較例)
上記第1の実施例においてマイクロ磁気ヘッドアレイ11を作製する際に、その支持体21として50μm厚のポリイミド基板を用いているが、これに対して、本比較例においては、この変形が可能な柔軟性を有するポリイミド基板の代わりに、支持体として0.5mm厚のシリコンウェーハを用いて、マイクロ磁気ヘッドアレイを形成した。そして、この点以外は、上記第1の実施例と全く同様にして表示素子を作製した。
【0103】
本比較例においては、マイクロ磁気ヘッドアレイ11の支持体として、固くて変形し難いシリコンウェーハを用いているため、磁気ヘッドの磁気的性能は上記第1の実施例の場合と略同様であるものの、曲げ応力や衝撃を与えると容易に破壊されるため、使用に耐えなかった。
【0104】
(第4の比較例)
上記第1の実施例においてマイクロ磁気ヘッドアレイ11を作製する際に、4ターンのCu配線を2段に積層して電磁誘導コイル23を形成しているが、これに対して、本比較例においては、平面上に1段のCu配線を8ターンして電磁誘導コイルを形成して、ドットピッチが180μmの磁気ヘッドを作製しようと試みた。
しかし、この場合、Cu配線の線幅及び線間隔が2〜3μmとなり、実際上、作製することができなかった。
【0105】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る表示素子によれば、以下のような効果を奏することができる。
即ち、請求項1に係る表示素子によれば、複数個の磁気ヘッドが2次元的に配列されているマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、直接に光学的反射層が設けられ、更に磁気光学効果保有層及び偏光子層が順番に連続して設けられていることにより、従来よりも磁気光学効果保有層とマイクロ磁気ヘッドアレイとの間隔が減少するため、コントラストを向上させてより鮮明な画像を得ることができると共に、記録部位と表示部位とが一体化するため、表示素子としての携帯性を向上させることができる。
【0106】
また、マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の電磁誘導コイルの各々に励起電流が時系列的に流されるようになっていることにより、電磁誘導コイルに大量の励起電流が同時に流れることが防止されるため、発熱が少なく、耐久性の高い表示素子を実現することができる。
【0107】
また、マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の電磁誘導コイルの各々に励起電流が時系列的に流される使用方法を前提にして、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体上に形成する高透磁率層を複数の高透磁率磁芯の全てに接続して一体的に形成することにより、全ての電磁誘導コイルの下側の高透磁率層が共通化されるため、電磁誘導コイルの利用効率を向上させることができるだけでなく、マイクロ磁気ヘッドアレイの製作を大幅に容易にし、更に電磁誘導コイルに発生する熱も効果的に放熱することができる。
【0108】
また、請求項に係る表示素子によれば、複数のグループに区分された電磁誘導コイルのグループ区分に対応して、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体上に形成された高透磁率層も各グループ毎に分離されており、同一グループ内の複数の電磁誘導コイルには、励起電流が同時に流されるようになっていることにより、同一グループ内の複数の電磁誘導コイルに励起電流を同時に流して使用しても、磁気的性能の低下を防止することが可能になると共に、高速度での画像表示を実現することができる。
【0109】
また、請求項に係る表示素子によれば、マイクロ磁気ヘッドアレイの電磁誘導コイルが複数段に積層されて形成されていることにより、電磁誘導コイルの線幅やコア径を広くすることが可能になるため、効率的に強磁界を得ることができ、耐久性も向上させることができる。
【0110】
また、請求項に係る表示素子によれば、マイクロ磁気ヘッドアレイの支持体として変形可能なプラスチックフィルムが用いられていることにより、マイクロ磁気ヘッドアレイは多少の変形に耐えられるようになるため、耐久性の高い、またハンドリング性の良好な表示素子を実現することができる。
【0111】
また、請求項に係る表示素子によれば、磁気光学効果保有層として、磁性体膜と誘電体膜とを組み合わせた積層膜が用いられていることにより、磁気光学効果をエンハンスして、膜厚当たりの磁気光学特性を実質的に向上させることが可能になるため、コントラストの高い明るい表示素子を実現することができる。
【0112】
また、請求項に係る表示素子によれば、偏光子層として、マイクロレンズアレイ/高複屈折層/位相板からなる偏光変換型偏光子が用いられていることにより、光透過率、即ち光利用効率が向上するため、コントラストの高い明るい表示素子を実現することができる。
【0113】
また、請求項に係る表示素子によれば、表示素子の全厚が300μm以下であることにより、柔軟性に優れ、破損し難く、かつ取り扱いが容易な表示素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示素子の基本構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の表示素子のマイクロ磁気ヘッドアレイを示す概略断面図である。
【図3】図1の表示素子の透明磁性層を示す概略断面図である。
【図4】図1の表示素子の偏光子層としての高透過率偏光変換偏光子を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 マイクロ磁気ヘッドアレイ
12 光学的反射層
13 透明磁性層
14 偏光子層
21 支持体
22 磁気ヘッド
23 電磁誘導コイル
24 高透磁率磁芯
25 Cu配線
26 Pt膜
27 高透磁率層
28 ポリイミド層
31 支持体
32 誘電体膜
33 透明磁性体膜
34 誘電体膜
41 マイクロレンズアレイ
42 反射防止層
43 高複屈折層
44 偏光変換機能層
45 高透過率偏光変換偏光子

Claims (7)

  1. 電磁誘導コイルの中心に高透磁率磁芯を配した磁気ヘッドが支持体上に2次元的に複数個配列された状態で樹脂層に埋設され、該樹脂層表面が平坦化されたマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、光学的反射層、磁気光学効果を有する層及び偏光子層が順次形成され
    前記マイクロ磁気ヘッドアレイでは、前記支持体上全面に形成された高透磁率層を共通の高透磁率層として介して全ての前記磁気ヘッドの高透磁率磁芯が互いに接続されており、前記複数の前記電磁誘導コイルの各々に、励起電流が順番に時系列的に流されることを特徴とする表示素子。
  2. 電磁誘導コイルの中心に高透磁率磁芯を配した磁気ヘッドが支持体上に2次元的に複数個配列された状態で樹脂層に埋設され、該樹脂層表面が平坦化されたマイクロ磁気ヘッドアレイ上に、光学的反射層、磁気光学効果を有する層及び偏光子層が順次形成され
    前記マイクロ磁気ヘッドアレイの複数の前記磁気ヘッドが複数のグループに区分されるとともに、前記磁気ヘッドのグループ区分に対応して、前記マイクロ磁気ヘッドアレイの前記支持体上に形成された高透磁率層が、各グループの複数の前記高透磁率磁芯に接続するグループ毎に分離されており、同一グループ内の複数の前記電磁誘導コイルには、励起電流が同時に流されることを特徴とする表示素子。
  3. 請求項1または2に記載の表示素子において、
    前記マイクロ磁気ヘッドアレイの前記電磁誘導コイルを形成する導線が、複数段に積層して形成されていることを特徴とする表示素子。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の表示素子において、
    前記マイクロ磁気ヘッドアレイの前記支持体として、変形可能なプラスチックフィルムが用いられていることを特徴とする表示素子。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の表示素子において、
    前記磁気光学効果を有する層として、磁性体膜と誘電体膜とを組み合わせた積層膜が用いられていることを特徴とする表示素子。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の表示素子において、
    前記偏光子層として、マイクロレンズアレイ/高複屈折層/位相板からなる偏光変換型偏光子が用いられていることを特徴とする表示素子。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の表示素子において、
    前記表示素子の全厚が、300μm以下であることを特徴とする表示素子。
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