JP2000162993A - イメージングデバイス - Google Patents

イメージングデバイス

Info

Publication number
JP2000162993A
JP2000162993A JP10335505A JP33550598A JP2000162993A JP 2000162993 A JP2000162993 A JP 2000162993A JP 10335505 A JP10335505 A JP 10335505A JP 33550598 A JP33550598 A JP 33550598A JP 2000162993 A JP2000162993 A JP 2000162993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imaging device
film
layer
dielectric multilayer
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10335505A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP10335505A priority Critical patent/JP2000162993A/ja
Publication of JP2000162993A publication Critical patent/JP2000162993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いコントラストの画像が得られ、適度な屈
曲性を有すると共に取り扱い易いイメージングデバイス
を提供する。 【解決手段】 反射像を形成する反射層(12)と、低
屈折率誘電体及び高屈折率誘電体の順にかつ交互に積層
して構成する第1の誘電体多層膜(13)と、膜面に対
して垂直な方向に磁気異方性を有する透明磁性体(1
4)と、高屈折率誘電体及び低屈折率誘電体の順にかつ
交互に積層して構成する第2の誘電体多層膜(15)と
を順に積層した構造体と、偏光子層(16)とを支持体
(11)上に順に積層した構成を有するイメージングデ
バイス(1)において、支持体(11)を、50μm以
下の厚みとし、かつY23を1〜8モル%混入したジル
コニアを用いて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイメージングデバイ
スに関し、特に自然光の反射によって画像を形成するイ
メージングデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁性体を磁化し、磁化方向に対し
て平行に直線偏光を入射させると、その直線偏光は磁性
体を通過することによって光の偏光面が回転することは
ファラデー効果としてよく知られている。このファラデ
ー効果を有する材料、及び材料を用いた磁気記録媒体が
作製されている。
【0003】例えば、特公昭56−15125号公報
(従来例1)にはイットリウム及び希土類鉄ガーネット
とその誘導体を用いた磁気光学材料が開示されている。
また、特開昭61−89605号公報(従来例2)には
六方晶フェライトを用いた磁気記録媒体が開示されてい
る。更に、特開昭62−119758号公報(従来例
3)にはイットリウム鉄ガーネット粒子を用いた塗布型
磁気記録媒体が開示されている。また、特開平4−13
2029号公報(従来例4)には希土類鉄ガーネット微
粒子を用いた塗布型磁気記録媒体が開示されている。
【0004】これらの磁気記録媒体は、磁性体あるいは
磁性体微粒子を基板上に薄膜状に記録層として形成した
構造を有している。
【0005】このような磁気記録媒体に画像を表示さ
せ、イメージングデバイスとして利用する場合には、表
示面積が大きく、しかも取り扱いやすいように屈曲性が
あることが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1,2では、PVD法(物理的薄膜形成法)のよう
な薄膜法で作製しようとすると膜の透明性は高いものの
400度以上の温度に基板を加熱しなければ磁性材料が
結晶化せず、よって石英ガラスのような耐熱性の非常に
高き基板を用いる必要があり、このような耐熱性基板用
いた場合薄くて屈曲性がある透明基板を得ることが困難
であるという問題点があった。また、上記従来例3,4
では、粉末磁性材料を結合剤と共に基板上に塗布したた
め、作製時の温度は低温で可能であるが十分な可視光域
での透明性が得られないという問題点があった。
【0007】従って、いずれの従来例では、ファラデー
効果を用いたイメージングデバイスにおいて画像濃度が
高くてデバイス自体に屈曲性があって取り扱い易いイメ
ージングデバイスを作製することは困難であった。
【0008】本発明はこれらの問題点を解決するための
ものであり、高いコントラストの画像が得られ、適度な
屈曲性を有すると共に取り扱い易いイメージングデバイ
スを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、反射像を形成する反射層と、低屈折率誘
電体及び高屈折率誘電体の順にかつ交互に積層して構成
する第1の誘電体多層膜と、膜面に対して垂直な方向に
磁気異方性を有する透明磁性体と、高屈折率誘電体及び
低屈折率誘電体の順にかつ交互に積層して構成する第2
の誘電体多層膜とを順に積層した構造体と、偏光子層と
を支持体上に順に積層した構成を有するイメージングデ
バイスにおいて、支持体を、50μm以下の厚みとし、
かつY23 を1〜8モル%混入したジルコニアを用い
て形成したことに特徴がある。よって、高温でしか作製
できない希土類鉄ガーネット膜が利用可能となると共
に、記録用磁気ヘッドとの距離が近くなり、かつコント
ラストの高い画像が得られ、また適度の屈曲性を有する
ことにより取り扱いやすいイメージングデバイスを提供
できる。
【0010】また、支持体を、50μm以下の厚みとし
てかつポリイミドフィルムや銅箔を用いて形成したこと
により、高温でしか作製できない希土類鉄ガーネット膜
が利用可能となる。
【0011】更に、構造体の内反射層と接する第1の誘
電体多層膜を除去することにより、又は構造体を複数積
層した場合、複数の構造体の内反射層と接する構造体の
第1の誘電体多層膜を除去することにより、ファラデー
回転角増大効果を維持したままでより簡単な製作を可能
とした。
【0012】また、反射層と構造体の第1の誘電体多層
膜との間に新たに偏光子層を設けることにより、又は反
射層と透明磁性体との間に新たに偏光子層を設けること
により、画像濃度が向上してコントラストの高い画像が
得られる。
【0013】更に、反射層の表面粗さが20〜100n
mであることにより、光の散乱が生じて視野角が大きく
なった。
【0014】
【発明の実施の形態】反射像を形成する反射層と、低屈
折率誘電体及び高屈折率誘電体の順にかつ交互に積層し
て構成する第1の誘電体多層膜と、膜面に対して垂直な
方向に磁気異方性を有する透明磁性体と、高屈折率誘電
体及び低屈折率誘電体の順にかつ交互に積層して構成す
る第2の誘電体多層膜とを順に積層した構造体と、偏光
子層とを支持体上に順に積層した構成を有するイメージ
ングデバイスにおいて、支持体を、50μm以下の厚み
とし、かつY23 を1〜8モル%混入したジルコニア
を用いて形成した。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。はじめに、本発明におけるイメージングデバイス
の基本的な構成について同デバイスの基本的な構成を示
す図1に従って説明する。同図において、本発明におけ
るイメージングデバイス1は、反射像を可能とする反射
層12と、低屈折率及び高屈折率の屈折率の異なる2つ
の誘電体を交互に積層した、一対の誘電体多層膜13,
15と、この一対の誘電体多層膜で挟んだ透明磁性体1
4とからなる構造体と、磁化像を可視化するための偏光
子層16とが順に、支持体11の片面に積層されて設け
られた構成を有している。このような基本構成を有する
本発明によれば、偏光子層16側から入射した可視光
は、偏光子層16で直線偏光となり、この偏光面は図1
の誘電体多層膜13/透明磁性体14/誘電体多層膜1
5の構造体で大きく回転し、反射層12で反射した後更
に回転して、最上層の偏光子層16を通過できなくなっ
て暗くなる。透明磁性体14の非磁化部位を通過した光
は、偏光面の回転が無くそのまま反射するため、偏光子
層16を通過して明るくなる。従って、磁化部位と非磁
化部位ではコントラストが得られる。本発明の第一の特
徴は、このような構成をとる反射型イメージングデバイ
スとすることによって、可視光に対して不透明な耐熱性
支持体を利用可能としたことである。この基本的構成に
おいて、特に透明磁性体14を一対の誘電体多層膜1
3,15で挟んだ構造体によれば、光が透明磁性体14
に閉じ込められてファラデー回転角が増大してよりコン
トラストの高い画像が得られる。また、図2に示すよう
にこの構造体を繰り返して積層すれば更に高いコントラ
ストとなる。反射膜12は誘電体多層膜13と支持体1
1の間にのみ設けられる。
【0016】このような反射型イメージングデバイスに
おいて、磁性層を磁化する方法は主として2つある。1
つは永久磁石や電磁石を具備した磁気ペンで偏光子層側
から磁気記録する方法であり、もう一つは磁気ヘッドア
レイ(例えばコイルのピッチが127μm,画像分解能
200dpi)を用いて支持体側から記録する方法であ
る。後者の支持体側から記録する方法には、大きな技術
的課題があることがわかった。それは、磁気ペンは比較
的容易に磁石の磁界を大きくできるが、コイルのピッチ
が100μm程度の磁気ヘッドアレイでは大きな磁界を
発生することが困難である。即ち、コイルに用いる導線
の太さを大きくできないため、大きな電流を流すことが
できず、また導線巻数も多くすることができない。
【0017】更に、以下に列記する問題点がわかった。 大きな磁化を得ることが困難であるために、支持体の
厚みは磁気ヘッドから離れないために薄くなければなら
ない。コイルピッチが127μmの場合、100mAの
電流をコイルに流して得られる表面磁界強度は1500
ガウス程度である。よって、コイルからの距離が50μ
mより大きくなると、磁性層の磁化は困難となり、また
画像がボケて鮮明とならないことがわかった。
【0018】また、このようなイメージングデバイス
においては、大面積でも軽く、特に屈曲性が必要であ
り、石英ガラス板の場合では重く、割れるなど非常に不
都合で実用的でない。
【0019】もう一つ支持体にとって重要なことがあ
る。それは、透明磁性体にはいろいろな材料があるが透
明性が高くてファラデー回転角が大きい所謂性能指数が
大きな材料には希土類鉄ガーネットが最も適している。
しかし、この材料は結晶化温度が高く、PVD法で作製
する場合は、450度以上の支持体温度が必要である。
また、成膜時の支持体温度は高い方が希土類鉄ガーネッ
ト磁性膜の透過率が高くなることがわかった。
【0020】最後に表面平均粗さ(Ra)が10nm
以下であることが、鮮明画像形成上必要であることが実
験でわかった。
【0021】なお、もちろん非磁性でなければならない
ことは当然である。
【0022】結局のところ上記を満足する支持
体は、厚みが50μm以下にできること、曲げても折れ
にくい屈曲性があること、そして耐熱性が450度以上
あることが必要であることわかり、適する材料としては
特殊なジルコニアとポリイミドフィルム、金属箔である
ことがわかった。更に、ジルコニア(ZrO2 )は結晶
形がテトラゴルナを保つように、イットリア(Y23
を1〜8モル%混入したものが屈折性の点で好ましいこ
とがわかった。金属箔には各種あるが、銅箔が好ましい
ことがわかった。例えば、Ni箔やステンレス箔は磁性
の点で好ましくなく、アルミ箔は耐熱性の点で十分では
ない。また、強磁性金属箔は磁気記録する上で不都合で
ある。更に、金や銀箔等は量産しにくいためと大面積イ
メージングデバイスの場合から価格の点で好ましくな
く、表面平滑性が得にくい点からも好ましくない。ポリ
イミドフィルムは市販の50μm以下のもので良いが、
400度以上では黒化するので、SiO2 などをPVD
法で10μm以下の厚みで両面に設けることが好まし
い。なお、セラミックではアルミナなどが、有機物フィ
ルムではカーボンフィルムなどがあるが、屈曲性の点で
は必ずしも十分ではない。
【0023】本発明の基本構成では偏光子層は1枚であ
った(図1参照)が、2枚の偏光子層の偏光軸(吸収又
は透過軸)を、上記偏光面回転部位と非回転部位でコン
トラストが最も大きくなるように回転させておくと、偏
光面回転部位では透過光のため白く、非回転部位では両
偏光子を通過できないために黒く見えることになる。当
然ながら磁化の方向を逆(+と−)にして、同様な原理
で明暗を出せばコントラストは2倍となり効果が増大す
る。
【0024】なお、図1の誘電体多層膜13/透明磁性
体14/誘電体多層膜15の構造体がファラデー回転角
を増大させる意味で重要であることを上述したが、光を
閉じ込める方法としては支持体側の誘電体多層膜13を
いわゆる反射層単層としても良い。ただし、図1の誘電
体多層膜13/透明磁性体14/誘電体多層膜15の構
造体を繰り返す場合(図2参照)は最も支持体11に近
い膜だけを反射層に取り替えないと光が通過しないこと
になる。
【0025】また、図1の反射層12においては、反射
率を高める意味では、表面の粗さは小さい方が好まし
い。しかし、このようなイメージングデバイスにおいて
は正反射する光だけでは見る方向によって画像が見にく
くなる。従って、少し反射層の表面を粗くして散乱光を
増やした方が良いことがわかった。この場合の表面粗さ
は20〜100nmであることがわかった。この反射層
12としては、金属又は金属酸化物、金属窒化物、金属
炭化物などと金属との混合物、例えばAl、Cu、A
g、Au、Pt、Rh、Zr、Cr、Ta、Mo、S
i、Pd、Hf等の金属やこれらの合金、これらとZr
酸化物、Si酸化物、Si窒化物、Al、Hf、Pdの
合金などは膜の形成が容易であり、好ましい。膜厚は1
0〜300nmの範囲で、好ましくは50〜150nm
の範囲とするのが良い。膜は各種のPVD、CVD法を
用いて作製される。
【0026】更に、図1の誘電体磁気層13,15に
は、図3に示す材料が用いられる。これらの材料の中か
ら適宜選択しても良いし、またこれ以外の例えば有機物
であっても構わない。多層膜の各膜厚は50nmから2
00nm程度が好ましい。特定波長(λ)の磁気光学効
果増大を目的とする場合、誘電体の膜厚はλ/4n(n
はλにおける誘電体の屈折率である)とする。また、低
屈折率及び高屈折率の誘電体を積層したものを1ペアと
すると、ペア数に制限はないが、2〜20の層が性能上
又はコスト上好ましい。透明磁性体と接する2つの誘電
体多層膜は全く同一の構成を有することが好ましいが必
ずしもこれに限定するものではない。ただし、透明磁性
体に直接に接する膜の種類は同じ誘電体を用いるので、
積層順序は逆になる。
【0027】また、図1の偏光子層16には、各種の市
販の偏光フィルムや、ビームスプリッターを用いた高透
過率偏光子などが用いられる。偏光フィルムには大別し
て多ハロゲン偏光フィルム、染料偏光フィルム、金属偏
光フィルムなどがある。多ハロゲン偏光フィルムは2色
性物質にヨウ素を用いているために、可視領域全般につ
いてフラットな特性を有するが、湿度、高温等に弱いと
いう欠点を有する。また、染料偏光フィルムは偏光性能
においてヨウ素より劣るものの、熱、光、そして湿度に
対して耐性が大きいという特徴を有している。偏光子層
の露出面には傷が付きやすいので保護膜を設けることが
好ましい。次のような各種の偏光子も利用できるがこれ
らに制限されるものではない。
【0028】(1)強磁性体微粒子からなる多数の棒状
素子を含む偏光層を基板表面に一定方向に配列して固着
形成することにより光学的特性の優れた偏光板がある
(特開平1−93702号公報)。
【0029】(2)2.5μmより長い波長の光に対す
る偏光子は、透明基板(臭化銀、ポリエチレン等)に微
小な間隔で金やアルミニウムの線を引いたものがある
(東京農工大学 佐藤勝昭教授著「現代人の物理1−光
と磁気」1988年出版第103頁に記載)。この偏光
子はワイヤグリッド偏光子とよばれ、線の間隔をd、波
長をλとすると、λ≫dの波長の光に対して、透過光は
当該線に垂直な振動面を持つほぼ完全な直線偏光になる
ことを利用しているものである。中赤外用(2.5μm
から25μm)としては臭化銀基板にd=0.3μm間
隔で金線を引いたものが、遠赤外用(16μmから10
0μm)としてはポリエリレン板にd=0.7μmでア
ルミニウムを引いたものが用いられる。偏光度は97%
程度といわれている。
【0030】(3)長く延伸させた金属銀をガラス自身
の中に一方向に配列させることにより、偏光特性をもた
せたガラスで、従来の有機物偏光素子と異なり、耐熱
性、耐湿性、耐化学薬品性、レーザに対する耐性におい
て非常に優れている。赤外線用が主であるが、特殊仕様
として可視光用がある。
【0031】(4)東北大学のグループによって報告さ
れているもので、赤外線用にアルミニウムの表面を陽極
酸化させてアルミナとし、微細な穴を開けてこの中にN
iやCuなどの金属を入れた偏光子があり、マイクロワ
イヤアレイと呼ばれている。
【0032】(5)東北大学電気通信研究所の川上彰二
郎教授が1991頃に発表されたもので、可視光用にR
Fスパッタリング法で60〜80Åの厚みのGe(ゲル
マニウム)と、1μmの厚みのSiO2 を交互に60μ
mの厚みになるまで積層して作製したものがある。これ
は積層型偏光子と呼ばれている。0.6μmの波長で測
定した性能指数αTE/αTM(この比はTE波とTM波に
対する減衰定数の比である)は400近くであり、0.
8μmの波長で測定した消光比は35dB、挿入損出は
0.18dBであり、可視光に対して十分なものであ
る。
【0033】(6)薄膜を何層も重ねて作製した反射タ
イプ(SとPの偏光のうち一方を反射して、他方を通過
させる)の偏光子があり、反射型偏光子と呼ばれている
ものがある。
【0034】更に、図1の透明磁性体14には、従来一
般に用いられている磁気光学効果を示す透明磁性材料で
良いが、ファラデー効果が大きくて、透明性の大きい所
謂性能指数の大きい磁性材料が好ましい。特に、R3-x
x Fe512、但し0.2<x<2であり、Rはイッ
トリウム及び希土類元素から成る群から選んだ少なくと
も1種類の元素を表す化学式で表される組成を有する、
またAはBi又はCeである、イットリウム及び希土類
鉄ガーネット及びその誘導体を主体とするもので、一般
式R3-xx Fe5-yy12、ただし0.2<x<
2,0≦y<5で代表される、Bi又はCeを含むイッ
トリウム及び希土類元素から成る群の内から選んだ少な
くとも1種類の元素を表し、2種、3種以上含むものを
すべて包含することを意味している。Bは各種金属が用
いられるが、代表的にはAlが用いられる。磁気光学効
果は、光の進行方向とスピンの方向とが平行の場合に最
も大きな効果が得られるので、これらの材料は膜面に対
して垂直に磁気異方性を有する膜が好ましい。これらの
透明磁性材料には、一般的なスパッタ、真空蒸着、MB
E、などのPVD法やCVD法、メッキ法等が用いられ
る。
【0035】次に、本発明の第1の実施例について詳細
に説明する。先ず、Y23 を3モル%混合した30μ
m厚みのジルコニア基板(日本ファインセラミックス社
製、表面を研磨した)を支持体として、その上に厚みが
200nm厚みになるように真空蒸着法を用いてAl膜
を設けた。次いで、このAl膜の上に、イオンプレーテ
ィング法を用いて、SiO2 (低屈折率層、屈折率n=
1.47)を88nm、Ta25 (高屈折率層、n=
2.15)を61nmとして交互に6層づつ、合計12
層積層した。基板温度は300℃、酸素ガス圧力はSi
2 の場合1.0×10-4Torr、Ta25 の場合
は1.1×10-4Torrであった。製膜レイトはSi
2 の場合、2nm/秒、Ta25 の場合0.5nm
/秒であった。各誘電体膜の膜厚分布は、最も厚いとこ
ろと薄いところの差異が全膜厚の3%であった。そし
て、上記誘電体多層膜の上に、イオンビームスパッタ法
を用いてBi置換希土類鉄ガーネット膜を、平均膜厚が
520/2=260nmとなるように作製した。基板温
度は550℃とした。膜の組成はBi2.2 Dy0.8 Fe
3.8 Al1.212であった。同時に石英基板上に作製し
たBi置換希土類鉄ガーネット膜(平均膜厚が260n
m)を用いて、磁気光学効果測定装置(日本分光株製K
250)で測定したファラデー回転角の波長依存性か
ら、ピークの半値幅を求めると21nmであった。波長
520nmでは、回転角のピーク値は1.9度であっ
た。VSMで磁界を膜面に対して垂直に印加して測定し
た保磁力は560エルステットであった。次いで、この
Bi置換希土類鉄ガーネット膜上にイオンプレーティン
グ法を用いて、上記と全く同様に、SiO2 とTa2
5 の多層膜を作製した。Bi置換希土類鉄ガーネット膜
に接している膜はTa23 であり、最表面側はSiO
2 である。ファラデー回転角の波長依存性から、波長5
20nmでは前記1.9の約6倍の、11.0度の回転
角であった。
【0036】上記のようにして作製した膜上に、図1の
誘電体多層膜13/透明磁性体14/誘電体多層膜15
の構造体を2回繰り返して作製した。波長520nmで
は22.3度の回転角であった。また、波長520nm
を中心とした回転角ピークの半値幅は78nmであっ
た。
【0037】以上のようにして作製した多層膜構造体
は、容易に手で曲げることができた。
【0038】そして、この多層構造体上に市販のヨウ素
タイプフィルム偏光子を貼り付けた。
【0039】次に、以下のように磁気ヘッドアレイを作
製した。ピッチ150μmで銅線の円形コイルを全長約
50mmとなるように、1ラインだけを無電界メッキ法
を用いて作製した。電磁コイル用銅線の幅は約5μm、
深さ約10μmで3層とし、コイルの巻数は合計で12
ターンとした。コイルの中心にはパーマロイ(Ni80
%)を、円柱状に磁束を集中させるようにして電気メッ
キ法で作製した。
【0040】作製した磁気ヘッドアレイ上に、偏光子/
(誘電体多層膜/透明磁性層/誘電体多層膜)×3/A
l反射層/ジルコニア支持体の構成物を配置した。全電
磁コイル列に1つずつ順に、100mAの電流を10m
秒づつ流して、ベタ黒画像を得た。コイルの中心の表面
磁界強度は1660ガウスであった。作製したイメージ
ングデバイス(図1)の未記録部に対する画像部分のコ
ントラストは6.4であった。
【0041】ここで、従来の方法である下記の各比較例
と下記の各実施例との比較について説明する。
【0042】第1の比較例は、支持体となるジルコニア
の厚みを75μmとした以外全く第1の実施例と同一に
なるようにイメージングデバイスを作製した。磁気ヘッ
ドとの距離が2.5倍離れたために画像濃度が低下し
た。屈曲性を有しており扱いやすいイメージングデバイ
スであったが、未記録部に対する画像部分のコントラス
トは4.3と低かった。
【0043】第2の比較例は、支持体となるジルコニア
に何も混入しない100%ジルコニアを用いた以外全く
第1の実施例と同一になるようにイメージングデバイス
を作製した。画像濃度は第1の実施例と差異が無かった
が、フレキシビリティがないため、イメージングデバイ
スとしては使いづらいものであった。
【0044】第3の比較例は、支持体に市販のステンレ
ス箔を用いた以外全く第1の実施例と同一になるように
イメージングデバイスを作製した。比較的良好な屈曲性
を有していたが、ステンレス箔が強磁性を示すために、
画像記録することができなかった。
【0045】次に、第2の実施例は、支持体として市販
のポリイミドフィルムを用いてイメージングデバイスを
作製した。Bi置換希土類鉄ガーネット膜の作製装置と
して、イオンビームスパッタ法(アルバック社製、酸素
イオンビーム照射機構付き)を用いた以外全く第1の実
施例と同一になるようにイメージングデバイスを作製し
た。支持体温度は420度とした。ポリイミドは少し黒
く変化したが、屈曲性の点では変化無く十分であった。
波長520nmでのファラデー回転角は19.7度であ
った。また、波長520nmを中心とした回転ピークの
半値幅は67nmであった。未記録部に対する画像部分
のコントラストは5.8であった。
【0046】また、第3の実施例は、支持体に市販の銅
箔を用いた以外全く第1の実施例と同一になるように図
イメージングデバイスを作製した。十分な屈曲性を有し
ており扱いやすいイメージングデバイスであった。未記
録部に対する画像部分のコントラストは6.6であっ
た。
【0047】更に、第4の実施例は、第1の実施例のイ
メージングデバイスで図1の反射層12直上の図1の誘
電体多層膜13を設けずに、直ぐにBi置換希土類鉄ガ
ーネット膜を作製した以外全く第1の実施例と同一にな
るようにイメージングデバイスを作製した。未記録部に
対する画像部分のコントラストは6.0であった。
【0048】また、第5の実施例は、第1の実施例のイ
メージングデバイスで反射層と誘電体多層膜の間に市販
の反射タイプ偏光子を設けた以外全く第1の実施例と同
一になるようにイメージングデバイスを作製した。偏光
子を2枚としたために、未記録部に対する画像濃度が向
上して、コントラストは6.9であった。
【0049】第6の実施例は、第1の実施例のイメージ
ングデバイスで図1の反射層12直上の図1の誘電体多
層膜13を設けずに、直ぐにBi置換希土類鉄ガーネッ
ト膜を作製し、反射層と誘電体多層膜の間に市販の反射
タイプ偏光子を設けた以外全く第1の実施例と同一にな
るようにイメージングデバイスを作製した。偏光子を2
枚としたために、未記録部に対する画像濃度が向上し
て、コントラストは6.6であった。
【0050】第7の実施例は、第1の実施例のイメージ
ングデバイスでAL反射層作製後、その上に約100n
mの厚みのAl層を、Arガスを30ccmの流量で流
しながら作製した。この時のAl表面の平均表面粗さ
(Ra)は26nmであった。これ以外は全く第1の実
施例と同一になるようにイメージングデバイスを作製し
た。未記録部に対する画像部分のコントラストは5.7
で、広い視野から画像観察が可能であった。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反射像を形成する反射層と、低屈折率誘電体及び高屈折
率誘電体の順にかつ交互に積層して構成する第1の誘電
体多層膜と、膜面に対して垂直な方向に磁気異方性を有
する透明磁性体と、高屈折率誘電体及び低屈折率誘電体
の順にかつ交互に積層して構成する第2の誘電体多層膜
とを順に積層した構造体と、偏光子層とを支持体上に順
に積層した構成を有するイメージングデバイスにおい
て、支持体を、50μm以下の厚みとし、かつY23
を1〜8モル%混入したジルコニアを用いて形成したこ
とに特徴がある。よって、高温でしか作製できない希土
類鉄ガーネット膜が利用可能となると共に、記録用磁気
ヘッドとの距離が近くなり、かつコントラストの高い画
像が得られ、また適度の屈曲性を有することにより取り
扱いやすいイメージングデバイスを提供できる。
【0053】また、支持体を、50μm以下の厚みとし
てかつポリイミドフィルムや銅箔を用いて形成したこと
により、高温でしか作製できない希土類鉄ガーネット膜
が利用可能となる。
【0054】更に、構造体の内反射層と接する第1の誘
電体多層膜を除去することにより、又は構造体を複数積
層した場合、複数の構造体の内反射層と接する構造体の
第1の誘電体多層膜を除去することにより、ファラデー
回転角増大効果を維持したままでより簡単な製作を可能
とした。
【0055】また、反射層と構造体の第1の誘電体多層
膜との間に新たに偏光子層を設けることにより、又は反
射層と透明磁性体との間に新たに偏光子層を設けること
により、画像濃度が向上してコントラストの高い画像が
得られる。
【0056】更に、反射層の表面粗さが20〜100n
mであることにより、光の散乱が生じて視野角が大きく
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるイメージングデバイスの基本構
成の積層構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるイメージングデ
バイスの積層構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明における誘電体多層膜の誘電体磁気材料
を示す図である。
【符号の説明】
1 イメージングデバイス 11 支持体 12 反射層 13,15 誘電体多層膜 14 透明磁性体 16 偏光子層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射像を形成する反射層と、低屈折率誘
    電体及び高屈折率誘電体の順にかつ交互に積層して構成
    する第1の誘電体多層膜と、膜面に対して垂直な方向に
    磁気異方性を有する透明磁性体と、高屈折率誘電体及び
    低屈折率誘電体の順にかつ交互に積層して構成する第2
    の誘電体多層膜とを順に積層した構造体と、偏光子層と
    を支持体上に順に積層した構成を有するイメージングデ
    バイスにおいて、 前記支持体を、50μm以下の厚みとし、かつY23
    を1〜8モル%混入したジルコニアを用いて形成したこ
    とを特徴とするイメージングデバイス。
  2. 【請求項2】 前記支持体を、50μm以下の厚みと
    し、かつポリイミドフィルムを用いて形成した請求項1
    記載のイメージングデバイス。
  3. 【請求項3】 前記支持体を、50μm以下の厚みと
    し、かつ銅箔を用いて形成した請求項1記載のイメージ
    ングデバイス。
  4. 【請求項4】 前記構造体の内前記反射層と接する前記
    第1の誘電体多層膜を除去する請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のイメージングデバイス。
  5. 【請求項5】 前記構造体を複数積層した場合、複数の
    前記構造体の内前記反射層と接する前記構造体の前記第
    1の誘電体多層膜を除去する請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のイメージングデバイス。
  6. 【請求項6】 前記反射層と、前記構造体の前記第1の
    誘電体多層膜との間に、新たに偏光子層を設ける請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のイメージングデバイス。
  7. 【請求項7】 前記反射層と、前記透明磁性体との間
    に、新たに偏光子層を設ける請求項5記載のイメージン
    グデバイス。
  8. 【請求項8】 前記反射層の表面粗さが20〜100n
    mである請求項1〜7のいずれか1項に記載のイメージ
    ングデバイス。
JP10335505A 1998-11-26 1998-11-26 イメージングデバイス Pending JP2000162993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10335505A JP2000162993A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 イメージングデバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10335505A JP2000162993A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 イメージングデバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000162993A true JP2000162993A (ja) 2000-06-16

Family

ID=18289333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10335505A Pending JP2000162993A (ja) 1998-11-26 1998-11-26 イメージングデバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000162993A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017014136A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 シャープ株式会社 デバイス基板、液晶表示装置、及びデバイス基板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017014136A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 シャープ株式会社 デバイス基板、液晶表示装置、及びデバイス基板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5417683B2 (ja) 磁気光学素子
JP3654553B2 (ja) 光学素子
JP3853512B2 (ja) 磁気光学素子
JP3792917B2 (ja) イメージングデバイス
JP2000162993A (ja) イメージングデバイス
JPH11174396A (ja) 磁気光学素子及び磁気光学デバイス
JP3626576B2 (ja) 磁気光学素子
JP2000267057A (ja) 磁気光学素子
CN101356470A (zh) 磁光装置
JP4588235B2 (ja) 画像表示素子
JPH10213785A (ja) 偏光子及びその製造方法及び偏光子を備えるディスプレイまたは表示装置
JP3557084B2 (ja) 磁気光学素子
JP2000173019A (ja) 磁気光学素子及び磁気ヘッドアレイ
TW394938B (en) Magnetic head
JP2777656B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3850387B2 (ja) 偏光子の製造方法及び偏光子
JP4157253B2 (ja) 表示素子
JP3730038B2 (ja) 画像表示用磁気光学素子及びカード
JP4050996B2 (ja) 光スイッチ
JP4070569B2 (ja) 光スイッチ用部材、光スイッチ及びその製造方法
JP3754557B2 (ja) 磁気光学素子
JP2005121715A (ja) 光スイッチ
KR20020042647A (ko) 내마모성 판독 헤드
JPH01243225A (ja) 磁気記録媒体
US20060107278A1 (en) Magnetic multilayer film and magneto-optical recording medium using magnetic multilayer film

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050405