JPH10213176A - 切替制御型の液封入式防振装置 - Google Patents

切替制御型の液封入式防振装置

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JPH10213176A
JPH10213176A JP1657097A JP1657097A JPH10213176A JP H10213176 A JPH10213176 A JP H10213176A JP 1657097 A JP1657097 A JP 1657097A JP 1657097 A JP1657097 A JP 1657097A JP H10213176 A JPH10213176 A JP H10213176A
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Yoshiyuki Mori
善之 森
Yukio Takashima
幸夫 高島
Toshiya Tsujimoto
敏也 辻本
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Toyota Motor Corp
Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切替制御型の液封入式防振装置として、主液
室からの連通路を断面積の異なる二つのオリフィスの一
方に選択的に切替えるようにして、長期的な信頼性を確
保でき、広範囲の周波数帯で振動特性を改善できるよう
にする。 【解決手段】 ボス金具1と本体金具2との間に防振基
体3を設け、その下方に仕切り体4を介して隔設した主
液室5及び副液室8と、ダイヤフラム7により仕切られ
た空気室10と、主液室5と副液室8とを連通させる第
1と第2のオリフィス11,12とを備え、主液室5か
らの連通路14と副液室8に通じる両オリフィス11,
12との間に切替室13を設け、この切替室において連
通路14の開口を中間にして相対向位置に両オリフィス
11,12を開口させ、片側部分を切除してなるロータ
リーバルブのロータ21を装備し、ロータの回転により
前記切除部23を介して前記連通路14と両オリフィス
11,12のいずれか一方を選択的に連通させるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
のエンジンマウントとして用いる切替制御型の液封入式
防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車の
エンジン等をその振動を車体を伝達させないように支承
するマウントとしての液封入式防振装置は、液体が充満
された主液室と、ダイヤフラムにより仕切られた空気室
をもつ副液室とをオリフィスにより連通させて、このオ
リフィスにより振動減衰効果を得るものである。
【0003】近年、この種の液封入式防振装置として、
上下の主液室と副液室間に断面積を異にする複数、例え
ば2つのオリフィスを設け、ロータリーバルブを回転ア
クチュエータ(パルスモータ)により選択的に前記オリ
フィスの一つを主副両液室に連通させるようにして、そ
の切替により、それぞれのオリフィスによって異なった
周波数帯にある振動に対する減衰を受け持たせ、広い周
波数帯の動ばね定数を低減させる切替制御型の防振装置
(いわゆるコントロールマウント)が提案されている
(例えば、特開平5−248480号公報)。
【0004】この防振装置では、並列に配した二つのオ
リフィスが、それぞれが単一でかつ独立して選択される
が、主液室と副液室とを共有しているために、各々の出
入口を回転可能な開閉弁に対して、略対角位置に設定し
なければならず、そのためにロータリーバルブのロータ
としては、主液室の内径に対応した大きな寸法が必要で
あった。
【0005】そのため、ロータと、そのケースとなるオ
リフィス形成用の仕切金具との摺動面が広くなるため、
異物等の影響を受け易く、長期的な信頼性に欠けるもの
となっていた。また特性変化の切替もスムーズにならな
いきらいがあった。
【0006】本発明は、上記に鑑みて、主液室からの一
つの連通路を断面積の異なる二つのオリフィスの一方に
選択的に切替え分流できるようにして、前記の問題を解
消し、長期的な信頼性を確保でき、広範囲の周波数帯で
振動特性を改善できるようにした切替制御型の液封入式
防振装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の切替
制御型の液封入式防振装置は、振動源側の金具と支持側
の本体金具との間にゴム弾性体よりなる防振基体が介設
され、この防振基体の下方部に、該防振基体が室壁の一
部をなす主液室と、この主液室と仕切り体を介して隔設
された副液室と、この副液室とダイヤフラムによって仕
切られた空気室と、前記主液室と前記副液室とを連通さ
せるために前記仕切り体に設けられた断面積の異なる第
1および第2のオリフィスとを備えてなる液封入式防振
装置において、前記仕切り体の内部に、前記主液室から
の連通路と前記副液室に通じる前記両オリフィスとの間
に介在する切替室を設け、この切替室において前記連通
路の開口を中間にして相対向する両側位置に前記両オリ
フィスをそれぞれ開口させるとともに、円柱形の周側面
部の片側部分を切除してなるロータリーバルブのロータ
を該切替室内に装備し、このロータの回転により、前記
切除部を介して前記連通路と前記両オリフィスのいずれ
か一方とを選択的に連通させるようにしたことを特徴と
する。
【0008】この液封入式防振装置によれば、ロータリ
ーバルブのロータの回転により、仕切り体内部の切替室
においてロータの切除部の角度位置を変更することで、
主液室からの連通路を第1と第2のオリフィスのいずれ
か一方に連通させるように切替えることができ、主液室
からの流動液体をいずれか一方のオリフィスに分流でき
る。そのため、それぞれのオリフィスに見合った液柱共
振効果により振動減衰効果を発揮させることができ、車
両走行時およびアイドリング時の異なった周波数帯にあ
る振動を効果的に低減できる。
【0009】前記の防振装置において、前記第1および
第2の両オリフィスを、前記切替室において前記連通路
の開口方向に対し直角の対向2方向に開口させておくの
が望ましい。これにより、ロータリバーバルブのロータ
の回転による切替制御が容易になり、実施し易くなる。
【0010】前記の防振装置において、前記ロータは、
その回転軸心が、前記連通路および両オリフィスの前記
切替室内での開口方向に対して直交方向をなすように配
され、前記切除部が、前記連通路と両オリフィスのいず
れか一方とが同時に開口し得る角度範囲にわたって切除
されてなるものとする。
【0011】これにより、前記ロータの一定角度毎の回
転による連通路の切替操作を確実に行なえ、また切替時
の特性変化をもスムーズに行なえる。
【0012】また、前記ロータの切除部とは反対側の周
側面部には、ロータの回転により、前記連通路と両オリ
フィスのいずれか一方とを選択的にかつ一部的に連通さ
せ得る小切欠部を設けておくのが好ましい。
【0013】すなわち、前記の構成を備えることによ
り、ロータがどのような回転角度位置にあっても、主液
室からの連通路が完全に塞がれてしまうことがなく、そ
のため主液室や副液室の急激な圧力上昇を防止すること
ができる。
【0014】さらに、前記のロータは、90°の回転角
度毎に、前記切除部により前記連通路と第1のオリフィ
スとを連通させる場合、前記連通路と第2のオリフィス
とを連通させる場合、また前記小切欠部により前記連通
路と第1のオリフィスとを一部的に連通させる場合、前
記連通路と第2のオリフィスとを一部的に連通させる場
合の4段階に、順次切替え得るように設けられてなるも
のが好適である。
【0015】すなわち、このように構成することによ
り、ロータの1/4回転毎に、すなわち90°毎に停止
できるステッピングモータを用いて、ロータの回転駆動
を容易に制御でき、実施も容易になる。
【0016】また前記ロータの切除部が、先端に向って
斜めに切除されてなるものが好ましい。これにより、こ
の切除部での液体の流通路を大きくできて分流が円滑に
行なわれる上、切替弁として作用するロータの径を小さ
くできることとも相まって、ロータと切替室の内壁面と
の接触面積、つまり摺動面積を小さく設定できる。その
ためロータリーバルブの摩擦ロスを少なくでき、長期的
信頼性を確保でき、切替時の特性変化もスムーズに行な
える。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基いて説明する。
【0018】図1は本発明に係る防振装置の縦断面図、
図2は図1のY−Y線の縦断面図、図3はX−X線の横
断面図を示している。
【0019】図において、(1)は例えば自動車のエン
ジン等の振動源側に連結されるボス金具、(2)は車体
フレームやシャーシ等の支持側に連結される有底筒状の
本体金具であり、この本体金具(2)は、一部に窓(2
a)を有する下部側筒部(2b)と、これよりやや径大の
上部側筒部(2c)とを有している。
【0020】(3)はゴム弾性体よりなる厚肉の防振基
体であり、図に示すように略傘形の湾曲形状をなしてい
る。前記振動源側のボス金具(1)はこの防振基体
(3)の中央上部に一部埋設状態に加硫接着されてい
る。防振基体(3)の下端外周部には、補強金具(3a)
が加硫接着されるとともに、この補強金具(3a)が前記
本体金具(2)の上部側筒部(2c)内の下部に後述する
ように固着されて、前記ボス金具(1)と、前記本体金
具(2)の間に介設されている。
【0021】(4)は前記本体金具(2)の下部側筒部
(2b)に嵌着された仕切り体であって、図に示すように
上面部が円形をなしかつその下部の一側を切欠した横断
面略台形状をなす第1仕切り部材(4a)と、前記円形部
分の下で前記台形状部の外側に嵌合する横断面略凹形状
をなす第2の仕切り部材(4b)とから、全体として略円
柱状に組合せ構成されている。
【0022】そして前記仕切り体(4)の第1仕切り部
材(4a)の上面部と防振基体(3)との間が、液体が封
入されかつ防振基体(3)が室壁の一部をなす主液室
(5)として形成されている。また前記仕切り体(4)
の下側は下方に突出する外周の突縁部(6)を残すよう
に凹設されるとともに、この突縁部(6)の下端部にダ
イヤフラム(7)が取着されて、仕切り体(4)とダイ
ヤフラム(7)との間が一つの副液室(8)として形成
され、さらに前記ダイヤフラム(7)と本体金具(2)
の底部(2d)との間が連通孔(9)により外部と通ずる
空気室(10)として形成されている。
【0023】図の場合、ダイヤフラム(7)は、その外
周部に加硫接着された補強金具(7a)が、本体金具
(2)の下部側筒部(2b)の下端の段部(2e)と仕切り
体(4)の突縁部(6)との間に挟着されて固定されて
いる。
【0024】前記仕切り体(4)には、上下に設定され
た前記主液室(5)と副液室(8)とを連通させるため
に、比較的断面積の大きい第1のオリフィス(11)と、
前記第1のオリフィス(11)より断面積の小さい第2の
オリフィス(12)と、これら両オリフィス(11)(12)
の切替のための後述するロータリーバルブのロータを装
備する切替室(13)と、前記主液室(5)から前記切替
室(13)に通じる比較的断面積の大きい連通路(14)と
が設けられている。
【0025】前記の切替室(13)は、第1の仕切り部材
(4a)の内部において防振装置の軸心に対し直交する軸
心を持つ円筒形状をなし、この切替室(13)内部に後述
する切替操作用のロータリーバルブ(20)のロータ(2
1)が装備されている。
【0026】前記連通路(14)は、第1の仕切り部材
(4a)の上面部中央を防振装置の軸心方向に貫通して主
液室(5)と切替室(13)の双方に開口しており、また
前記第1と第2の両オリフィス(11)(12)は、それぞ
れ前記切替室(13)の円筒形状の周面において、前記連
通路(14)の開口方向に対し直角の対向2方向に開口せ
しめられている。このため、切替室(13)に装備される
ロータリーバルブ(20)のロータ(21)の回転軸心は、
前記連通路(14)および両オリフィス(11)(12)の前
記切替室(13)内での開口方向に対して直交方向をなす
ことになる。
【0027】図の場合、断面積の大きいほうの第1のオ
リフィス(11)は、前記切替室(13)側面の開口から第
1の仕切り部材(4a)の内部を側方に延びた後、下向き
に曲って副液室(8)に通じている。また、断面積の小
さいほうの第2のオリフィス(12)は、前記第1のオリ
フィス(11)と相対向位置の切替室(13)側面の開口か
ら第1の仕切り部材(4a)内を通り第2の仕切り部材
(4b)の外周にまで延び、さらに第2の仕切り部材(4
b)の外周を周方向に曲って所要の角度(例えば図のよ
うに90°)回り込んだ後、下向きに曲って前記副液室
(8)に通じており、これにより第2のオリフィス(1
2)の通路が長く設定されている。
【0028】なお、前記の第1および第2のオリフィス
(11)(12)の開口面積は、ロータ(21)の円形の断面
積、すなわち切替室(13)の断面積の1/4を越えない
ように設定し、ロータの切替による分流が有効に行なえ
るようにしておく。
【0029】前記の切替室(13)に装備されたロータリ
ーバルブ(20)のロータ(21)は、前記切替室(13)に
嵌合する円柱形の周側面部の片側略半部分が、図のよう
に先端に向って斜めに切除されてなり、アクチュエータ
としてのモータ(22)に駆動されて回転することによ
り、前記切除部(23)を介して前記連通路(14)と前記
第1および第2の両オリフィス(11)(12)のいずれか
一方とを選択的に連通させ得るようになっている。
【0030】前記のロータ(21)の切除部(23)は、前
記連通路(14)と両オリフィス(11)(12)のいずれか
一方とが同時に開口し得る角度範囲にわたって切除され
ているものであればよく、したがって図のような先端に
向って斜めに切除したものに限らず、種々の切除形状に
よる実施が可能であるが、前記のように斜めに切除して
あると、該切除部(23)での液体の流通路を大きくでき
るとともに、切替室(13)の内壁面との接触面積を小さ
く設定でき、実施上特に好ましい。
【0031】また、前記ロータ(21)には、前記切除部
(23)とは反対側の周側面部に、ロータ(21)の回転に
より、前記連通路(14)と前記両オリフィス(11)(1
2)のいずれか一方とを選択的にかつ一部的に連通させ
得る小切欠部(24)が設けられており、ロータ(21)が
どのような回転角度位置にあっても、主液室(5)と副
液室(8)との間が完全に塞がれてしまわないようにな
っている。これにより主液室(5)や副液室(8)の急
激な圧力上昇を防止できることになる。
【0032】これについてさらに説明すると、前記の連
通路(14)と直角の対向2方向にように構成した場合、
ロータ(21)の1/4回転毎に、すなわち90°毎に回
転停止できるステッピングモータを用いて、ロータ(2
1)の回転駆動を制御するのが好適であるが、この場合
において、前記の小切欠部(24)を有さないロータであ
ると、前記切除部(23)が前記連通路(14)の側に向い
ていないロータの回転停止位置では、主液室(5)の圧
力を急激に上昇させるおそれがある。
【0033】すなわち、図4中のの第2オリフィス
(12)を選択したロータ位置から、同図中ののロー
タ位置を経て、図4中のの第1オリフィス(11)を選
択するロータ位置に切替る場合には、前記ステッピング
モータの特性により、90°毎に3回(相)の回転信号
が必要であり、その間、前記切除部(23)が前記連通路
(14)の側に向いていない2相分の回転停止位置(図4
中のの状態)では本来の分流機能を持たせることが
できず、主液室(5)の圧力を急激に上昇させるおそれ
があり、伝達率も上昇し、切替時のウォーターハンマー
現象によりショック感が否めないことになる。
【0034】これに対し、前記のように、ロータ(21)
の切除部(23)とは反対側に小切欠部(24)を設けて、
前記図4中ののロータ位置において、前記連通路
(14)と前記両オリフィス(11)(12)のいずれか一方
とを一部的に連通させ得るように構成しておくことによ
り、小切欠部(24)により主液室(5)または副液室
(8)の液体の流動性を持たせて圧力を逃し、急激な圧
力上昇、ウォーターハンマー現象を防止できる。
【0035】したがって、前記のロータ(21)は、1/
4回転毎に停止できるステッピングモータを用いて、9
0°の回転角度毎に、前記切除部(23)により前記連通
路(14)と第1のオリフィス(11)とを連通させる場
合、前記連通路(14)と第2のオリフィス(12)とを連
通させる場合、また前記小切欠部(24)により前記連通
路(14)と第1のオリフィス(11)とを一部的に連通さ
せる場合、前記連通路(14)と第2のオリフィス(12)
とを一部的に連通させる場合の4段階に、順次切替え得
るように設けておくのがよく、またこれにより特性の切
替がスムーズにかつ容易に行なえる。
【0036】なお、前記第1および第2の両オリフィス
(11)(12)は、切替室(13)において、連通路(14)
の開口を中間にして90°以外の一定角度の両側位置に
開口させておくこともできるが、前記のステッピングモ
ータを用いた切替制御の容易性から、前記のように連通
路(14)の開口方向に対し直角の対向2方向に開口させ
ておくのが好ましい。
【0037】前記のロータリーバルブ(20)のロータ
(21)は、図1に示すように、第1の仕切り部材(4a)
に有する切替室(13)に嵌合した状態において、第2の
仕切り部材(4b)を組合せた状態で、本体金具(2)の
下部側筒部(2b)の内側に圧入し嵌着することに保持さ
れ、モータ(22)は本体金具(2)の窓(2a)に相当す
る側部に配されている。(25)は前記両仕切り部材(4
a)(4b)の接合部に配した気密性保持のためのOリン
グ等のリング状シール材を示す。
【0038】図の(15)はストッパ金具であり、本体金
具(2)の上部側筒部(2c)の内側に嵌合されて、上端
部(2f)のかしめ手段により固定されている。図の場
合、このストッパ金具(15)の下端と第1の仕切り部材
(4a)の筒部(4a)の周縁部上端との間に防振基体
(3)の補強金具(3a)が挾圧されて防振基体(3)と
本体金具(2)とが結合されている。また防振基体
(3)の補強金具(3a)により第1の仕切り部材(4a)
の円形部分の周縁部を押圧止定するようになっている。
【0039】前記のストッパ金具(15)は、上端部をボ
ス金具(1)のストッパー用フランジ部(1a)より上方
に延長するとともに、上端部を内方に折曲形成してその
内側端部をストッパ(15a)として形成し、上方向の変
位が生じたときに前記フランジ部(1a)が上向に当接し
て、それ以上の上方向の大変位を抑制できるようになっ
ている。(1b)はストッパ作用を弾力的に行なえるよう
にするゴム部である。(16)はゴムカバーを示す。
【0040】なお本体金具(2)には、その使用上の必
要に応じて、支持側のフレームやシャーシ等への固定に
適合したブラケット等の取付け部材が、溶接手段等によ
り固着される。
【0041】上記構成の液封入式防振装置の組立ては、
液槽中において、本体金具(2)の底部(2d)周囲の段
部(2e)に第2のダイヤフラム(7)を配置した後、前
記ロータリーバルブ(20)のロータ(21)を、第1の仕
切り部材(4a)と第2の仕切り部材(4b)とからなる仕
切り体(4)の内部に保持した状態で、これを本体金具
(2)の下部側筒部(2b)の内側に上方より圧入し嵌着
する。
【0042】次に、防振基体(3)を本体金具(2)内
の前記第1支持体(4)の上に嵌め込んで、補強金具
(3a)を前記第1支持体(4)の筒部(4a)上端部に載
置し、さらにストッパ金具(15)を上部側筒部(4c)の
上に嵌合し、上部側筒部(2c)の上端部をかしめて、第
1支持体(4)の筒部(4a)上端および補強金具(3a)
とともにストッパ金具(15)を締付け固定する。
【0043】この後、防振基体(3)に一部生め込み固
定されているボス金具(1)にゴムカバー(27)を被
せ、さらにロータリーバルブ(20)の軸部に駆動手段と
してのモータ(22)を取付ければよい。これにより容易
に組立て構成できる。
【0044】上記した実施例の液封入式防振装置によれ
ば、ロータリーバルブ(20)のロータ(21)の回転によ
って、仕切り体(4)内部の切替室(13)においてロー
タ(21)の切除部(23)の角度位置を変更することで、
主液室(5)からの連通路(14)を第1と第2のオリフ
ィス(11)(12)のいずれか一方に連通させるように切
替えることができ、主液室(5)からの流動液体をいず
れか一方のオリフィス(11)また(12)に分流できる。
【0045】そのため、この防振装置を車両のエンジン
マウントに使用した場合において、前記第1および第2
のオリフィス(11)(12)のそれぞれに見合った液柱共
振効果により振動減衰効果を発揮させることができ、車
両走行時およびアイドリング時の異なった周波数帯にあ
る振動を効果的に低減できる。
【0046】これについて図4に基いて説明する。この
図4における(開)および(閉)の表示は、第1のオリ
フィス(11)、第2のオリフィス(12)および連通路
(14)の開口が、それぞれロータ(21)の切除部(23)
に対する開閉状態を表わしている。
【0047】図4のように、エンジンのアイドリング時
には、ロータ(21)の切除部(23)を、連通路(14)と
第1のオリフィス(11)との側に向け、該連通路(14)
と第1のオリフィス(11)とを連通させて、第2のオリ
フィス(12)を閉止した状態とし(図4の)、液体の
移動が断面積の大きい第1のオリフィス(11)を通して
行なわれるようにし、この第1のオリフィス(11)によ
る共振周波数で振動を減衰効果を発揮させる。
【0048】また車両走行時には、前記ロータ(21)を
90°回転させて前記切除部(23)を第2のオリフィス
(12)の側に向け、連通路(14)と第2のオリフィス
(12)とを連通させて、前記第1のオリフィス(11)を
閉止した状態とし(図4の)液体の移動が断面積の小
さい第2のオリフィス(12)を通して行なわれるように
し、この第2のオリフィス(12)による共振周波数で振
動を減衰させる。
【0049】そして、前記車両走行時からアイドリング
時に切替るには、前記ロータ(21)を90°ずつ回転さ
せることにより、図4のとのロータ位置を経て送
り、図4のの状態に戻せばよい。この送りの際、図4
のとのロータ位置では、前記切除部(23)が連通路
(14)の開口の側には向かないことになるが、ロータ
(21)の切除部(23)とは反対側に設けられた小切欠部
(24)により、前記連通路(14)と前記両オリフィス
(11)または(12)とが一部的に連通した状態に保持さ
れるため、主液室(5)または副液室(8)の急激な圧
力上昇、ウォーターハンマー現象が防止される。
【0050】
【発明の効果】上記したように本発明の切替制御型の液
封入式防振装置によれば、主液室からの一つの連通路を
断面積の異なる二つのオリフィスの一方に選択的に切替
え分流でき、前記両オリフィスそれぞれの共振特性で車
両走行時およびアイドリング時の異なった二つの周波数
帯にある振動を効果的に低減できる。しかも、ロータリ
ーバルブのロータの径は、本体金具の内径に比してかな
り小さく、摺動面を小さく設定でき、ロータリーバルブ
の摩擦ロスを少なくでき、長期的信頼性を確保でき、切
替時の特性変化もスムーズに行なえる。また設計の自由
度が高く、要求される特性に応じてオリフィスの断面積
や長さを最適なものを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液封入式防振装置の1実施例を示す縦
断面図である。
【図2】図1のY−Y線の断面図である。
【図3】図1のX−X線の横断面図である。
【図4】ロータリーバルブによる切替状態の説明図であ
る。
【符号の説明】
(1) ボス金具 (2) 本体金具 (3) 防振基体 (4) 仕切り体 (4a) 第1の仕切り部材 (4b) 第2の仕切り部材 (5) 主液室 (7) ダイヤフラム (8) 副液室 (10) 空気室 (11) 第1のオリフィス (12) 第2のオリフィス (13) 切替室 (14) 連通路 (15) ストッパ金具 (20) ロータリーバルブ (21) ロータ (22) モータ (23) 切除部 (24) 小切欠部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 敏也 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動源側の金具と支持側の本体金具との間
    にゴム弾性体よりなる防振基体が介設され、この防振基
    体の下方部に、該防振基体が室壁の一部をなす主液室
    と、この主液室と仕切り体を介して隔設された副液室
    と、この副液室とダイヤフラムによって仕切られた空気
    室と、前記主液室と前記副液室とを連通させるために前
    記仕切り体に設けられた断面積の異なる第1および第2
    のオリフィスとを備えてなる液封入式防振装置におい
    て、 前記仕切り体の内部に、前記主液室からの一つの連通路
    と前記副液室に通じる前記両オリフィスとの間に介在す
    る切替室を設け、この切替室において前記連通路の開口
    を中間にして相対向する両側位置に前記両オリフィスを
    それぞれ開口させるとともに、円柱形の周側面部の片側
    部分を切除してなるロータリーバルブのロータを該切替
    室内に装備し、このロータの回転により、前記切除部を
    介して前記連通路と前記両オリフィスのいずれか一方と
    を選択的に連通させるようにしたことを特徴とする切替
    制御型の液封入式防振装置。
  2. 【請求項2】前記第1および第2の両オリフィスを、前
    記切替室において前記連通路の開口方向に対し直角の対
    向2方向に開口させてなる請求項1に記載の切替制御型
    の液封入式防振装置。
  3. 【請求項3】前記ロータは、その回転軸心が、前記切替
    室内での前記連通路の開口方向および両オリフィスの開
    口方向に対して直交方向をなすように配され、前記切除
    部が、前記連通路と両オリフィスのいずれか一方とが同
    時に開口し得る角度範囲にわたって切除されてなること
    を特徴とする請求項1または2に記載の切替制御型の液
    封入式防振装置。
  4. 【請求項4】前記ロータの切除部とは反対側の周側面部
    には、ロータの回転により、前記連通路と両オリフィス
    のいずれか一方とを選択的にかつ一部的に連通させ得る
    小切欠部を設けてなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の切替制御型の液封入式防振装置。
  5. 【請求項5】前記ロータは、90°の回転角度毎に、前
    記切除部により前記連通路と第1のオリフィスとを連通
    させる場合、前記連通路と第2のオリフィスとを連通さ
    せる場合、また前記小切欠部により前記連通路と第1の
    オリフィスとを一部的に連通させる場合、前記連通路と
    第2のオリフィスとを一部的に連通させる場合の4段階
    に、順次切替え得るように設けられてなる請求項4に記
    載の切替制御型の液封入式防振装置。
  6. 【請求項6】前記ロータの切除部が、先端に向って斜め
    に切除されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    切替制御型の液封入防振装置。
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