JPH10212442A - 有機白金インク - Google Patents
有機白金インクInfo
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- JPH10212442A JPH10212442A JP2728797A JP2728797A JPH10212442A JP H10212442 A JPH10212442 A JP H10212442A JP 2728797 A JP2728797 A JP 2728797A JP 2728797 A JP2728797 A JP 2728797A JP H10212442 A JPH10212442 A JP H10212442A
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Abstract
製品等の表面に対する密着性に優れ、白金薄膜中に黒点
状の残渣物が生ずることのない有機白金インクを提供す
ること。 【解決手段】 白金化合物、樹脂バインダー及び溶剤を
含有してなる有機白金インクにおいて、該白金化合物が
式 [Pt(NH3)x(NO2)y(OCnH2n+1)]Az (I) 式中、AはH、NO2又はNO3を表わし;nは1〜4の
整数であり;xは0、1又は2であり;yは1、2又は
3であり;(x+y)は中心白金の電荷によって変化
し、3〜5の範囲内の整数であり;zは中心金属の電荷
によって変化し、(x−3)〜(x−1)の範囲内の整
数である、で示される白金アルコキシド錯体であること
を特徴とする有機白金インク。
Description
ラス製品等の装飾、導電回路の形成、センサーの集電電
極の形成等に使用しうる有機白金インクに関する。
効果を高め、より審美的な雰囲気を醸し出すために、従
来から貴金属インクを用いて文字、図形等を施すことが
行われている。貴金属インクは、基本的には、金、白
金、銀等の貴金属の化合物、樹脂バインダ及び溶剤から
なり、白金インクに含まれる白金化合物としては、硫化
バルサムと白金の化合物を主成分とする「水白金」、白
金ピネンメルカプチド(特公平7−65014号公
報)、白金精油メルカプチド(特公平7−65015号
公報)等が知られている。
の元素を含有しており、該白金化合物を含有する白金イ
ンクをセラミックスやガラス製品上に施し、乾燥後焼成
することによって形成される白金薄膜は密着性に乏し
く、黒点状の残渣物が残ることがある等の欠点がある。
された白金薄膜のセラミックスやガラス製品等の表面に
対する密着性に優れ、白金薄膜中に黒点状の残渣物が生
ずることのない有機白金インクを提供することである。
を、有機白金インクにおける白金化合物として、或る種
の特定の白金アルコキシド錯体を使用することにより達
成したものである。
インダー及び溶剤を含有してなる有機白金インクにおい
て、該白金化合物が式 [Pt(NH3)x(NO2)y(OCnH2n+1)]Az (I) 式中、AはH、NO2又はNO3を表わし、nは1〜4の
整数であり、xは0、1又は2であり、yは1、2又は
3であり、(x+y)は中心白金の電荷によって変化
し、3〜5の範囲内の整数であり、zは中心金属の電荷
によって変化し、(x−3)〜(x−1)の範囲内の整
数である、 で示される白金アルコキシド錯体であることを特徴とす
る有機白金インクを提供するものである。
CnH2n+1)は、直鎖状または分岐鎖状のいずれであっ
てもよく、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、ter
t−ブトキシ等が挙げられる。また、中心白金は2価又
は4価の電荷をとることができる。
ド錯体の具体例としては次のものを挙げることができ
る。
錯体は、例えば、2価のジニトロアンミン白金塩を硝酸
に溶解し反応させて、4価の白金錯体を生成せしめた
後、アルコールと反応させることにより製造することが
できる。
ニトロジアンミン白金塩は、それ自体概知の化合物であ
り、例えば白金を王水溶解し、その後脱硝を行い塩化白
金酸水溶液とした後、亜硝酸を加え煮沸して亜硝酸白金
溶液を得、次いでこの溶液にアンモニア水を加え反応さ
せることにより製造することができる。上記の2価のジ
ニトロジアンミン白金塩は平面4配位錯体であり、シス
型及びトランス型の形態を持つが、式(I)の白金アル
コキシド錯体を製造するにあたっては、いずれの形態の
錯体を用いてもよくまたはその混合物を用いてもよく、
あるいは市販品を用いることも可能である。
アンミン白金塩は、硝酸水溶液、通常、濃度が200〜
700g/lの硝酸水溶液中に、60〜112℃におい
て溶解し、約3〜16時間維持することにより、4価の
白金錯体、例えばトリニトロジアンミン白金塩を生成さ
せることができる。より具体的には、白金換算で350
〜600g/lのジニトロジアンミン白金塩を、硝酸濃
度が450〜700g/lの硝酸水溶液に溶解し、該溶
液を常圧で107℃以上の煮沸条件下に3〜6時間維持
することにより、4価の白金錯体を得ることができる。
この4価の白金錯体の生成は、JIS−K8153に記
載の方法に従い、JIS特級試薬に該当する塩化白金酸
6水和物の吸光度と対比することにより確認することが
でき、その生成量は、通常、塩化白金酸6水和物の吸光
度を100とした相対吸光度で92〜94%程度であ
る。
アルコールと反応させた後、乾固させるのが好ましい。
例えば、4価の白金錯体溶液とアルコールとの反応は、
両者を混合し、約20〜約50℃の温度に保持すること
により行うことができる。その際のアルコールの使用量
は厳密に制限されるものではないが、通常、4価の白金
錯体中の白金重量に基づいて0.5〜20倍、好ましく
は2〜15倍の重量で用いるのが適当である。
金イオンがアルコールにより還元され、それと同時にア
ルコールは反応条件に依存してその一部はアルデヒド及
び/又はカルボン酸に変化し、これらはそれぞれアルコ
キシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基として
錯体中に導入させる。ここでアルコールとしては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール等の低級アルコール等が挙げら
れ、中でもエタノールが好適である。
レーター等の乾燥機を用い、約25〜約80℃、好まし
くは約35〜約60℃の温度で減圧下にて濃縮乾固し、
白金アルコキシド錯体を粉末の形で得ることができる。
は、製造条件に応じて、アルコキシ基が対応する炭素数
のアルカノイル基又はアルカノイルオキシ基と置き換っ
た白金ニトロアンミン錯体、例えば Pt(IV)(NH3)2(NO2)3(COCH3) Pt(II)(NH3)2(NO2)(COCH3) [Pt(II)(NH3)(NO2)2(COCH3)]H Pt(IV)(NH3)2(NO2)3(OCOCH3) Pt(II)(NH3)2(NO2)(OCOCH3) [Pt(II)(NH3)(NO2)2(OCOCH3)]H などを含むことがあるが、そのような白金ニトロアンミ
ン錯体を含む白金アルコキシド錯体もまた、本発明にお
いて白金化合物として使用することができる。
の白金アルコキシド錯体は、樹脂バインダー及び溶剤と
混合することにより有機白金インクとすることができ
る。
ダーとしては、従来から貴金属インクに用いられている
ものが同様に使用可能であり、例えば、アクリル系樹
脂、アルキド樹脂(例えば、アマニ油又はロジン変性ア
ルキド樹脂)、フェノール樹脂(例えばノボラック樹
脂)、尿素樹脂(例えばブチル化尿素樹脂)、セルロー
ス誘導体(例えばメチルセルロース)、ロジン誘導体
(例えばロジングリセリンエステル、水素添加ロジンの
メチルエステル、マレイン酸変性ロジンエステル)、テ
ルペン系樹脂(例えばテルペン重合体)、α−ピネン重
合体)等が挙げられる。中でも特にアクリル系樹脂が好
適である。
ーを溶解しうるものが好ましく、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコ
ール;リナロール、メントール、テルピネオール、カル
ペオール等のテルペンアルコールなどが挙げられ、これ
らはそれぞれ単独で又は2種以上混合して用いることが
できる。本発明においては、特に、テルピネオールとエ
タノールとの混合溶剤が好適である。
に応じて、樹脂酸の金属塩、例えば、金塩、銀塩、パラ
ジウム塩、ロジウム塩、ルテニウム塩等の貴金属塩;ク
ロム塩、ビスマス塩、スズ塩等の卑金属塩を配合するこ
とができる。さらに、酸化銅、酸化リチウム、シリカ、
アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物や、金、銅、リチ
ウム、ケイ素、ビスマス、バナジウム等の金属の水酸化
物を添加してもよい。本発明の有機白金インクにおける
前記式(I)の白金アルコキシド錯体の濃度は、インク
の用途、該錯体の種類等に応じて広範囲にわたって変え
ることができるが、通常、インクの重量に基いて10〜
75重量%、特に30〜65重量%の範囲内が好適であ
る。また、樹脂バインダーの濃度は、一般に25〜90
重量%、好ましくは35〜70重量%の範囲内とするこ
とができる。樹脂酸の金属塩を用いる場合、その濃度は
大体0.1〜5重量%程度とするのが適当である。
に説明する。
ンクを得た。
クを得た。
の水白金を用いる以外、実施例2と同様に処理して、有
機白金インクを得た。
得られた有機白金インクのガラス製品への密着性を以下
の如くして評価した。
板厚2.0mmの硼硅酸ガラスに刷毛で塗布し、550
℃で15分間加熱して焼成した。硼硅酸ガラス表面に形
成された白金膜の密着性を、JIS H8504に準じ
たテープ試験方法で実施した。テープ試験後の白金膜の
剥離割合を求めた結果、下記表−1に示すとおりであっ
た。
ンクを用いて形成された白金膜はきれいな表面状態であ
ったが、比較例1の有機白金インクを用いて形成された
白金膜中には黒点状のものが点在していた。
クを得た。
℃で15分間加熱して焼成し、陶器表面に形成された白
金膜の密着性を、JIS H8504に準じたテープ試
験方法で実施した結果、剥離が認められず良好であっ
た。
て、ClやSの有害元素を含有していない白金アルコキ
シド錯体を使用することにより、セラミックスやガラス
製品上への密着性が良好で、また、白金薄膜中に黒点状
の残渣物が生じない白金膜を形成せしめることができ、
装飾用及び工業用白金インクとして好適に使用すること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 白金化合物、樹脂バインダー及び溶剤を
含有してなる有機白金インクにおいて、該白金化合物が
式 [Pt(NH3)x(NO2)y(OCnH2n+1)]Az (I) 式中、 AはH、NO2又はNO3を表わし、 nは1〜4の整数であり、 xは0、1又は2であり、 yは1、2又は3であり、 (x+y)は中心白金の電荷によって変化し、3〜5の
範囲内の整数であり、 zは中心金属の電荷によって変化し、(x−3)〜(x
−1)の範囲内の整数である、で示される白金アルコキ
シド錯体であることを特徴とする有機白金インク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2728797A JP3705666B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 有機白金インク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2728797A JP3705666B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 有機白金インク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212442A true JPH10212442A (ja) | 1998-08-11 |
JP3705666B2 JP3705666B2 (ja) | 2005-10-12 |
Family
ID=12216872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2728797A Expired - Fee Related JP3705666B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 有機白金インク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3705666B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1272574A1 (en) * | 2000-01-07 | 2003-01-08 | Ferro Corporation | Individual inks and an ink set for use in the color ink jet printing of glazed ceramic tiles and surfaces |
JP2016108656A (ja) * | 2014-10-13 | 2016-06-20 | ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー | 銅色塗料、その作製プロセス及びその適用 |
-
1997
- 1997-01-28 JP JP2728797A patent/JP3705666B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1272574A1 (en) * | 2000-01-07 | 2003-01-08 | Ferro Corporation | Individual inks and an ink set for use in the color ink jet printing of glazed ceramic tiles and surfaces |
EP1272574A4 (en) * | 2000-01-07 | 2003-02-26 | Ferro Corp | INDIVIDUAL INKS AND INK SET FOR USE IN COLOR INK JET PRINTING OF GLAZED CERAMIC TILES AND SURFACES |
JP2016108656A (ja) * | 2014-10-13 | 2016-06-20 | ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー | 銅色塗料、その作製プロセス及びその適用 |
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---|---|
JP3705666B2 (ja) | 2005-10-12 |
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