JP5371454B2 - 無電解めっき前処理剤及びセラミック基材への電極形成方法 - Google Patents

無電解めっき前処理剤及びセラミック基材への電極形成方法

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Description

本発明は、無電解めっき前処理剤及びそれを用いるセラミック基材上への電極形成方法に関する。
セラミック部品の表面に電極を形成する方法としては、一般に金属微粉末を含むペーストを塗布、焼成して金属の厚膜を形成する方法や、無電解めっきを用いる方法が知られている。無電解めっきを用いる方法においては、まずセラミック基材に金属錯体を含む前処理剤を塗布し、次いで焼成を行う。これにより、前処理剤に含まれる溶剤等の有機物質が除去され、基材表面に金属の触媒が形成される。このセラミック基材に無電解めっきを施すことにより、前記触媒上に金属薄膜が形成される。無電解めっきにより形成された薄膜の電極は、緻密性が高く、導電性に優れるものとなる。
無電解めっき前処理剤としては、ビス[ジ(イソブチル)ベンジリデンアセトン]白金等の白金錯体を含有する組成物が知られている(特許文献1参照)。
特許第3543482号公報 (特許請求の範囲)
無電解めっき前処理剤を用いる電極の形成方法は、以下の点で問題となっている。従来使用されている無電解めっき前処理剤には、白金錯体を溶解するために、トルエン、キシレンなど人体への有害性が高い低沸点溶剤が含有されている。使用時にこの低沸点溶剤が蒸発するので、安全性、作業性の面で改善が求められている。
一方、従来の無電解めっき前処理剤に使用されている白金錯体は、複雑な製造工程が必要とされ、経済的に負担が大きいものとなっている。また、白金錯体の製造工程では、安全性確保及び電極の機能性確保の観点から、還元雰囲気にて錯体を分離精製する必要がある。そのため、精製工程等に還元雰囲気を必要とせず、簡単な工程により製造できる白金錯体を配合した無電解めっき前処理剤の開発が求められている。
本発明者は無電解めっき前処理剤に配合する白金錯体について検討を行った結果、ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体などの白金錯体は、精製工程等に還元雰囲気が不要で複雑な製造工程を要せずに製造でき、媒体として有害な溶剤を必要とせず、電極製造用の無電解めっき前処理剤に好適に配合できることを見出し、本発明を完成するに到った。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体若しくはビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、又は、これら白金錯体の2種以上の混合物を白金濃度で0.002〜4.2質量%含有し、有機溶剤を前記白金錯体中の有機物成分との合計で65.8〜99.898質量%含有し、且つ増粘剤を0.100〜30.0質量%を含有する無電解めっき前処理剤。
〔2〕 セラミック基材の表面に、〔1〕に記載の無電解めっき前処理剤を塗布した後、350〜450℃で焼成することによりPt金属の触媒層を形成し、次いで前記触媒層上に無電解めっきにより白金又は白金合金の薄膜を形成するセラミック基材への電極形成方法。
本発明の無電解めっき前処理剤は、白金錯体としてビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、またはビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体若しくはビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、又は、これら白金錯体の混合物を使用する。これら白金錯体は、印刷用溶剤として広く使用されているターピネオールやブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートなどの沸点が高く有害性が低い溶剤へ溶解が容易であり、人体への有害性が高い化学溶剤を使用する必要は無い。
更に、前記白金錯体は、製造工程が単純で製造容易かつ製造装置も簡素であり、経済的に有利である。加えて、白金錯体の製造工程、無電解めっき前処理剤の製造工程、電極の形成工程のいずれにおいても有害性の高い溶剤、化学物質を必要としない。本発明によれば、安全性に問題が生じることなくセラミック基材との密着性に優れた電極を得ることができる。
実施例1のペースト状の無電解めっき前処理剤Aを用いてパッド印刷により形成したパターンの図面代用写真である。 比較例1の液状の無電解めっき前処理剤Bを用いてパッド印刷により形成したパターンの図面代用写真である。 実施例1のペースト状の無電解めっき前処理剤Aを用いてスクリーン印刷により形成したパターンの図面代用写真である。 比較例1の液状の無電解めっき前処理剤Bを用いてスクリーン印刷により形成したパターンの図面代用写真である。
本発明の無電解めっき前処理剤は、ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体若しくはビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、又は、これら白金錯体の2種以上の混合物0.005〜10.000質量%と、有機溶剤60.000〜99.895質量%と、増粘剤0.100〜30.000質量%とを含有するペースト状の組成物である。
ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体自体は公知の化合物である。
ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体は、例えば以下の方法に従って製造することが可能である。
5.0〜10.0質量%の炭酸水素ナトリウム溶液1Lに2,4−オクタンジオン100〜150gを加え、30〜50℃で加熱攪拌する。これに、2,4−オクタンジオン1モルに対して0.1〜0.5モルのKPtClをPt濃度1.0〜5.0質量%のKPtCl水溶液として添加し、30〜50℃で12〜48時間攪拌する。沈澱物として白金錯体が得られるので、公知の方法により分離・精製を行う。
ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体は、例えば以下の方法に従って製造することが可能である。
10.0〜15.0質量%の水酸化ナトリウム溶液1Lに2−エチルヘキサン酸400〜500gを加え、攪拌する。これに、2−エチルヘキサン酸1モルに対して0.1〜0.3モルのKPtClをPt濃度1.0〜5.0質量%のKPtCl水溶液として添加し、35〜45℃で12〜48時間攪拌する。沈澱物として白金錯体が得られるので、公知の方法により分離・精製を行う。
ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体は、例えば以下の方法に従って製造することが可能である。
Pt濃度1.0〜5.0質量%のKPtCl水溶液10Lに、KPtClと等モルのシクロヘキサンジアミンを加え、5時間攪拌還流する。これを濾過し、濾液を乾燥させてジクロロシクロヘキサンジアミン白金を得た。このジクロロシクロヘキサンジアミン白金100gを純水1Lに溶かし、ジクロロシクロヘキサンジアミン白金と等モルの硫酸銀を加えて暗所で10〜20時間攪拌後、濾過し、沈澱物を除去する。これに、濾液の白金1モルに対して1〜2モルのオクタン酸ナトリウムを添加し、30〜60分間攪拌する。沈澱物として白金錯体が得られるので、公知の方法により分離・精製を行う。
ビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体は、例えば上記製造方法においてオクタン酸ナトリウムの代わりに2−エチルヘキサン酸ナトリウムを加えることで作製が可能である。
無電解めっき前処理剤におけるビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体若しくはビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、又は、これら白金錯体の2種以上の混合物の含有量は白金濃度で0.002〜4.2質量%とするが、0.04〜0.8質量%とすることが好ましく、0.2〜0.6質量%とすることがより好ましい。
0.002質量%未満では、焼成後にセラミック基材上に形成される触媒量が不十分になる。そのため、めっき膜を形成するときに初期めっき速度が遅くなり白金めっき膜厚が不均一となる。その結果、白金めっき膜厚の薄い部分では抵抗が高くなり十分な電極特性が得られない。
4.2質量%を超えると、焼成後にセラミック基材上に形成される触媒層が不均一な薄膜になる。更には、その後に触媒層上に形成される白金めっき膜の厚みも不均一になる。
なお、白金錯体中の白金含有量は、白金錯体の種類によって大きく相違する。そのため、無電解めっき前処理剤中の白金の含有量を、白金錯体の含有量として普遍的に示すのは適当ではないが、白金錯体の種類を特定する場合は、操作管理が容易であるので、白金錯体の含有量として示すのが適している。
白金錯体の種類を特定する例として、白金錯体がビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体の場合、無電解めっき前処理剤中の白金錯体の含有量は0.005〜10.000質量%とするが、0.1〜2.0質量%とすることが好ましく、0.5〜1.5質量%とすることがより好ましい。
上述したように、白金錯体中の白金含有量は、白金錯体の種類によって大きく相違する。また、無電解めっき前処理剤中の成分として、白金錯体中の有機物成分は、有機溶剤成分と同類の成分と見なすことができる。
そのため、無電解めっき前処理剤中の有機溶剤の含有量は、有機溶剤単独の含有量としてよりも、白金錯体中の有機物成分との合計量として示すことが合理的である。
そこで、有機溶剤の含有量は、白金錯体中の有機物成分との合計量として示すと、65.8〜99.898質量%とするが、74.2〜96.96質量%とすることが好ましく、79.4〜92.8質量%とすることがより好ましい。60.000質量%未満では、白金錯体を均一に分散させることが難しくなる。99.895質量%を超えると、白金錯体の配合量が少なくなり、基板上に充分な量の触媒を形成することができない。
なお、白金錯体がビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体の場合、無電解めっき前処理剤中の有機溶剤単独の含有量は、60.000〜99.895質量%とするが、73.0〜96.9質量%とすることが好ましく、78.5〜92.5質量%とすることがより好ましい。
上記白金錯体を分散させる有機溶剤としては、例えばテルピネオール、ブチルカルビトール、ターピネオールアセテート、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等を挙げることができる。これらのうち、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートは揮発性が低いため、作業環境への拡散が少なく安全である。更に使用中の白金錯体濃度の変化が小さいことから特に好ましい。
本発明の無電解めっき前処理剤には、増粘剤を必須成分として配合する。増粘剤を配合することにより、微細なパターンを印刷により形成する場合であっても精度の高いパターンを形成することができる。更に、増粘剤を含まない低粘度の前処理剤に比較してセラミックス基板上に多量の触媒を担持させることが可能となる。触媒を多く担持させることにより触媒とめっき皮膜との接合面積が増加し、セラミックス基板上に形成した電極と基板との密着性が高くなる。
無電解めっき前処理剤に配合する増粘剤としては、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース等の増粘剤;アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂等の樹脂等を挙げることができる。
増粘剤の配合量は0.100〜30.000質量%とするが、3.0〜25.0質量%とすることが好ましく、7.0〜20.0質量%とすることがより好ましい。増粘剤の配合量が0.100質量%未満では前処理剤の粘度を充分高くすることができず、30.000質量%を超えると、前処理剤の粘度が高くなりすぎて実用的でない。
無電解めっき前処理剤の粘度は、3〜200Pa・sとするが、5〜50Pa・sとすることが好ましく、7〜30Pa・sとすることがより好ましい。無電解めっき前処理剤の粘度は、セラミック基材への塗布方法等に応じて上記範囲内で適切な値に調整することが可能である。例えば、増粘剤の配合量を調整することにより上記範囲の粘度とすることができる。
本発明の無電解めっき前処理剤を使用してセラミック基板上へ電極を形成する方法は、以下の通りである。
本発明の無電解めっき前処理剤をセラミック基材の表面に所望のパターン、例えば線幅0.5〜1.0mmの微細パターンで塗布した後、350〜450℃で焼成し、白金金属の触媒層を形成する。焼成によりセラミックス基材の表面に形成される触媒層を構成する白金金属は、通常粒径1〜5nm程度の粒子状である。その後、触媒が表面に形成されたセラミック基材に無電解白金めっきを行い、白金薄膜が所望の厚さとなるまで白金を析出させる。
無電解めっき前処理剤をセラミック基材に塗布した後に行う焼成は、焼成温度を350〜450℃とするが、380〜410℃が好ましく、390〜400℃がより好ましい。焼成温度が350℃未満の場合は、セラミックス基板上に形成した電極と基板との密着性が低下するので好ましくない。これは触媒層と基板の密着性が低くなることや白金錯体の分解が不十分となり基材と電極の界面に有機物等が多量に残留することなどが原因と考えられる。また、焼成温度が450℃を超える場合も、セラミックス基板上に形成した電極と基板との密着性が低下するので好ましくない。これは触媒層の白金金属が凝集し、触媒層と電極の接合点が減少するためと考えられる。
焼成時間は特に制限されないが、5分以上とすることが好ましく、5〜30分程度とすることがより好ましく、5〜15分程度とすることが更に好ましい。
無電解めっき前処理剤の塗布及び焼成と、白金の無電解めっきとは、2回以上繰り返し行うことが可能である。この場合、これらの操作を必ずしも交互に行う必要はない。
無電解めっき前処理剤のセラミック基材への塗布は、スクリーン印刷、パッド印刷等により行うことができる。
無電解めっき前処理剤のセラミック基材への塗布量は、スクリーン印刷の場合には20〜100μg/mmとすることが好ましく、パッド印刷の場合には1〜10μg/mmとすることが好ましい。
電極の形成に使用する無電解白金めっき液は、還元型の公知の無電解白金めっき液を使用することができる。また、無電解めっき液には白金以外の金属が含まれていてもよい。例えば、無電解めっき液として白金−ロジウムめっき液、白金−パラジウムめっき液等を使用する場合には、これらを用いてセラミックス基板上に金属皮膜を形成し、その後焼成することにより、白金とこれら金属との合金からなる電極を形成することができる。
セラミックス基板の材質としては、例えばZrO、Al、SiO、ZnO、Y、CaO、MgO等を挙げることができる。
合成例1
炭酸水素ナトリウム70gを純水1Lに溶解し、これに2,4−オクタンジオン130gを加え40℃で加熱攪拌した。これに、Pt濃度3質量%のKPtCl水溶液1Lを投入し、40℃で24時間攪拌して反応させた。沈澱物を水洗した後、乾燥させてビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体を得た。得られたビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体はTG-DTA測定により約380℃で完全に分解されることが確認された。
合成例2
水酸化ナトリウム溶液130gを純水1Lに溶解し、2−エチルヘキサン酸470gを加え、40℃で加熱攪拌し2−エチルヘキサン酸ナトリウム水溶液を作製した。これに、Pt濃度3質量%のKPtCl水溶液5.3Lを投入し、40℃で48時間攪拌して反応させた。沈澱物を水洗した後、乾燥させて2−エチルヘキサナト白金錯体を得た。得られたビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体はTG-DTA測定により約340℃で完全に分解されることが確認された。
合成例3
Pt濃度3質量%のKPtCl水溶液5Lに、シクロヘキサンジアミンを90g加え、5時間攪拌還流した。これを濾過し、濾液を乾燥させてジクロロシクロヘキサンジアミン白金を得た。このジクロロシクロヘキサンジアミン白金100gを純水1Lに溶かし、ジクロロシクロヘキサンジアミン白金と等モルの硫酸銀80gを加えて暗所で12時間攪拌後、濾過し、沈澱物を除去した。次いで、濾液にオクタン酸ナトリウム85gを添加し、1時間攪拌して反応させた。沈澱物を濾過、乾燥させてビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体を得た。得られたビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体はTG-DTA測定により約360℃で完全に分解されることが確認された。
合成例4
合成例3において、オクタン酸ナトリウムの代わりに合成例1の方法で予め作製した濃度34質量%の2−エチルヘキサン酸ナトリウム水溶液250gを添加し、1時間攪拌して反応させた。沈澱物を濾過、乾燥させてビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体を得た。得られたビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体はTG-DTA測定により約380℃で完全に分解されることが確認された。
実施例1
ビス(2,4−オクタンジオン)白金1.2質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール質量90%)98.8質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.5質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Aを得た。この無電解めっき前処理剤Aをパッド転写によりジルコニア基板に印刷し、100℃で20分間乾燥させた後、400℃で10分間焼成した。焼成後のジルコニア基板に白金の無電解めっき(エヌ・イー ケムキャット社製、EL-Pt260を使用)を施し、これを1000℃で1時間焼成し、基板上に電極を形成した。乾燥及び焼成は全て空気中で行った。
比較例1
ビス(2,4−オクタンジオン)白金1.2質量部、ターピネオール98.8質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.5質量%、粘度50mPa・sの液状の無電解めっき前処理剤Bを得た。
実施例2
ビス(2−エチルヘキサナト)白金1.2質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール質量90%)98.8質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.5質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Cを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Cを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
実施例3
ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金2.0質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール質量90%)98.0質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.5質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Dを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Dを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
実施例4
ビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金2.0質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール質量90%)98.0質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.5質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Eを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Eを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
実施例5
印刷、乾燥後の焼成温度を360℃にした以外は、実施例1と同様に処理してジルコニア基板に電極を形成した。
実施例6
印刷、乾燥後の焼成温度を440℃にした以外は、実施例1と同様に処理してジルコニア基板に電極を形成した。
比較例2
印刷、乾燥後の焼成温度を300℃にした以外は、実施例1と同様に処理してジルコニア基板に電極を形成した。
実施例7
ビス(2,4−オクタンジオン)白金0.008質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール90質量%)99.992質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.003質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Fを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Fを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
実施例8
ビス(2,4−オクタンジオン)白金10質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール90質量%)90質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度4.0質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Gを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Gを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
比較例3
ビス(2,4−オクタンジオン)白金0.003質量部、ビヒクル(エチルセルロース10質量%、ターピネオール90質量%)99.997質量部を40℃で1時間攪拌して混合し、白金濃度0.001質量%、粘度10Pa・sのペースト状の無電解めっき前処理剤Hを得た。以下、実施例1と同様にして無電解めっき前処理剤Hを処理し、ジルコニア基板に電極を形成した。
〔めっき密着性、パターン性の評価〕
実施例1〜8及び比較例2、3で得られた電極のめっき皮膜のパターン性を目視で評価した。更に、基板と電極との密着性を、テープ剥離テスト(粘着テープとして3M社製メンディングテープ810を使用)により評価した。
その結果、実施例1〜8で形成されたジルコニア基板上の電極は、ペースト状の無電解めっき前処理剤A、C、D、E、F、Gのそれぞれについて全て、パターン性、密着性ともに良好(パターン外の析出なく、テープで剥離なし)であった。
一方、比較例2で得られた電極は、パターン外の析出は見られなかったが、テープ剥離テストでめっき皮膜の剥離が生じた。また、比較例3で得られた電極は無電解めっきの初期めっき速度が遅くなり、白金めっき皮膜が不均一となった。その結果、白金めっき皮膜の薄い部分では抵抗が高くなり、十分な電極特性が得られなかった。
〔前処理剤の印刷パターン評価〕
実施例1で得られたペースト状の無電解めっき前処理剤Aと、比較例1で得られた液状の無電解めっき前処理剤Bをそれぞれパッド印刷により98%アルミナ基板に塗布し、5.5mm×6.5mmのパターンを印刷した。常温で5分間静置してレベリングを行ったのち、100℃で20分間乾燥させた。その後、400℃で10分間焼成し、焼成後のパターンを観察した。ペースト状の無電解めっき前処理剤Aを用いて形成したパターンの写真を図1に、液状の無電解めっき前処理剤Bを用いて形成したパターンの写真を図2に示す。
ペースト状の無電解めっき前処理剤A、液状の無電解めっき前処理剤Bを用い、スクリーン印刷により6mm×14mmのパターンを印刷した以外は上述した方法と同様の方法により、基板上にパターンを形成した。ペースト状の無電解めっき前処理剤Aを用いて形成したパターンを図3に、液状の無電解めっき前処理剤Bを用いて形成したパターンを図4に示す。
図1〜4から明らかなように、実施例1のペースト状の無電解めっき前処理剤Aを用いて印刷したパターンは非常に精度が高いものであった。それに対し、比較例1の液状の無電解めっき前処理剤Bを用いて印刷したパターンはにじみが観察され、精度の悪いものであった。

Claims (2)

  1. ビス(2,4−オクタンジオン)白金錯体、ビス(2−エチルヘキサナト)白金錯体、ビス(オクタナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体若しくはビス(2−エチルヘキサナト)シクロヘキサンジアミン白金錯体、又は、これら白金錯体の2種以上の混合物を白金濃度で0.002〜4.2質量%含有し、有機溶剤を前記白金錯体中の有機物成分との合計で65.8〜99.898質量%含有し、且つ増粘剤を0.100〜30.0質量%を含有する無電解めっき前処理剤。
  2. セラミック基材の表面に、請求項1に記載の無電解めっき前処理剤を塗布した後、350〜450℃で焼成することによりPt金属の触媒層を形成し、次いで前記触媒層上に無電解めっきにより白金又は白金合金の薄膜を形成するセラミック基材への電極形成方法。
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