JP6493911B2 - 無電解めっきの下地皮膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
ポリシルセスキオキサン化合物及び金属ナノ粒子を含有する無電解めっきの下地皮膜形成用組成物であって、
前記ポリシルセスキオキサン化合物が、分子内に、金属イオンの還元能を有する有機基、及び金属原子の凝集抑制能を有する有機基を有するポリシルセスキオキサンである、無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
前記ポリシルセスキオキサン化合物が、下記式(1):
で表されるポリシルセスキオキサンである、上記項1に記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
前記金属原子の凝集抑制能を有する有機基が、アミド基、アミノ基、チオール基、これらの基を有する有機基、チオエーテル構造を有する有機基、及びβ−ジケトン構造を有する有機基からなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1又は2に記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
前記金属ナノ粒子が、無電解めっき用触媒よりもイオン化傾向の低い金属のナノ粒子である、上記項1〜3のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
組成物全量を基準として、ポリシルセスキオキサン化合物を10〜30質量%、金属ナノ粒子を0.1〜10質量%含む、上記項1〜4のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
さらに、コロイダルシリカを含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
上記項1〜6のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物を基材に塗布し、加熱処理を行うことを特徴とする、無電解めっきの下地皮膜の形成方法。
上記項7に記載の方法により無電解めっきの下地皮膜を形成した基材を、無電解めっき浴に浸漬することを特徴とする、無電解めっき方法。
本発明の組成物は、ポリシルセスキオキサン化合物及び金属ナノ粒子を含有する。
本発明の組成物は、例えば、(1)トリアルコキシヒドロシラン、保護基含有トリアルコキシシラン、及び必要に応じて有機官能性アルコキシシラン、並びに金属化合物、酸触媒、水、及び溶媒を混合する工程、(2)前記工程(1)で調製した混合溶液を攪拌する工程、及び(3)加熱処理を行う工程、を含む方法により調製することができる。以下、これらの各工程について具体的に説明する。
工程(1)では、ポリシルセスキオキサン化合物の原料となるアルコキシシラン化合物、並びに金属化合物、酸触媒、水、及び溶媒を混合する。
工程(2)では、上記した工程(1)で調製した混合溶液を攪拌する。攪拌を行うことにより、アルコキシシラン化合物の加水分解反応が進行する。なお、攪拌条件は特に制限されず、例えば、室温(25℃程度)で15分〜1時間程度攪拌を行えばよい。
工程(3)では、加熱処理を行う。加熱処理を行うことにより、各種アルコキシシラン化合物同士の縮合反応が進行し、ポリシルセスキオキサン化合物が生成される。なお、加熱処理条件は特に制限されず、例えば、65〜85℃程度で30分〜2時間程度加熱処理を行えばよい。
上記した本発明の組成物を基板に塗布した後、加熱処理を行うことにより、無電解めっきの下地皮膜を形成することができる。
上記した方法により無電解めっきの下地皮膜を形成した後、無電解めっき処理を行うことによって、当該下地皮膜上に密着性に優れた無電解めっき皮膜を形成することができる。
(実施例1)
3−メルカプトトリメトキシシラン1.96g及びN,N−ジエチルアクリルアミド1.27gを混合し、攪拌しながらUV照射(2126mW/cm2)を行い、エン−チオール反応により、下記式(5)で表される、側鎖にプロピルチオN,N−ジエチルプロピルアミド基(保護基A)を有するトリメトキシシラン(以下、「保護基A含有トリメトキシシラン」と記載することがある。)を合成した。
メチルトリメトキシシランを3.5gとし、固形分濃度が25質量%のコロイダルシリカのイソプロパノール分散液(PL−2L−IPA、扶桑化学工業株式会社製)5.0gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例2の組成物と記載する。
メチルトリメトキシシランを6.0g、トリエトキシシランを12.0g、及び上記で合成した保護基A含有トリメトキシシランを2.0gとしたこと、並びに硝酸銅三水和物−プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液に替えて20質量%の硫酸銅五水和物−プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液5.0gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例3の組成物と記載する。
メチルトリメトキシシランを3.5gとし、固形分濃度が25質量%のコロイダルシリカのイソプロパノール分散液(PL−2L−IPA、扶桑化学工業株式会社製)5.0gを用いたこと以外は実施例3と同様にして、下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例4の組成物と記載する。
3−メルカプトトリメトキシシラン1.96g及びN,N−ジエチルアリルアミン1.13gを混合し、攪拌しながらUV照射(2126mW/cm2)を行い、エン−チオール反応により、下記式(7)で表される、側鎖にプロピルチオN,N−ジエチルプロピルアミノ基(保護基B)を有するトリメトキシシラン(以下、「保護基B含有トリメトキシシラン」と記載することがある。)を合成した。
3−メルカプトトリメトキシシラン1.96g及びアリルメチルスルフィド0.88gを混合し、攪拌しながらUV照射(2126mW/cm2)を行い、エン−チオール反応により、下記式(9)で表される、側鎖にメチルチオプロピルチオプロピル基(保護基C)を有するトリメトキシシラン(以下、「保護基C含有トリメトキシシラン」と記載することがある。)を合成した。
メチルトリメトキシシランを用いないこと、及び固形分濃度が25質量%のコロイダルシリカのイソプロパノール分散液(PL−2L−IPA、扶桑化学工業株式会社製)5.0gを用いたこと以外は実施例3と同様にして、下記式(11)で表されるポリシルセスキオキサン化合物を含有する下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例7の組成物と記載する。
コロイダルシリカのイソプロパノール分散液を10.0gとしたこと以外は実施例7と同様にして、下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例8の組成物と記載する。
硝酸銅三水和物−プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を8.2gとしたこと以外は実施例1と同様にして、下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を実施例9の組成物と記載する。
トリエトキシシランを用いないこと、並びにメチルトリメトキシシランを18.0g、及び保護基A含有トリメトキシシランを2.0gとしたこと以外は実施例1と同様にして、下記式(12)で表されるポリシルセスキオキサン化合物を含有する下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を比較例1の組成物と記載する。
メチルトリメトキシシランを10.0g、及びトリエトキシシランを10.0gとし、保護基A含有トリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、下記式(13)で表されるポリシルセスキオキサン化合物を含有する下地皮膜形成用組成物100gを調製した。なお、以下において、当該下地皮膜形成用組成物を比較例2の組成物と記載する。
上記で調製した実施例1〜9、並びに比較例1及び2の組成物の液色及び液状を目視により観察した。結果を下記表1に示す。
上記で調製した実施例1〜9、並びに比較例1及び2の組成物をそれぞれ、ディップコーティングによりガラス基板上にコーティングして薄膜を作製し、150℃で30分間熱処理を行うことにより、膜厚約0.3μmの下地皮膜を形成した。
上記した方法により得られた各試料について、下記の方法で無電解銅めっきの析出性、並びに下地皮膜及び無電解銅めっき皮膜の密着性を評価した。
無電解銅めっき皮膜の外観を目視で観察し、以下の評価基準に従って無電解銅めっきの析出性を評価した。
○ :めっきの未析出部分は観察されなかった。
△ :一部、めっきの未析出部分が観察された。
× :めっきの未析出部分が観察された。
××:めっきの析出がほとんど観察されなかった。
JIS H 8504(めっきの密着性試験方法)に従ってテープ剥離試験を行い、以下の基準により下地皮膜及び無電解銅めっき皮膜の密着性を評価した。なお、密着性の評価は、(i)下地皮膜形成後、無電解銅めっき前にテープ剥離試験を行うことにより、基材と下地皮膜との密着性を評価し、(ii)無電解銅めっき後にテープ剥離試験を行うことにより下地皮膜と無電解銅めっき皮膜との密着性を評価した。
○:剥離が生じなかった。
△:一部、剥離が生じた。
×:著しい剥離が生じた。
−:めっきの析出性が不十分であるため、テープ剥離試験を行うことができなかった。
実施例1の組成物を用いて上記した方法に形成した下地皮膜について、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。下地皮膜表面のTEM画像を図1に示す。
実施例1の組成物を用いて、ガラス基板上にインクジェット印刷法により、下地皮膜を形成した。形成した下地皮膜のマイクロスコープによる観察結果を図2に示す。
Claims (8)
- ポリシルセスキオキサン化合物及び金属ナノ粒子を含有する無電解めっきの下地皮膜形成用組成物であって、
前記ポリシルセスキオキサン化合物が、分子内に、ヒドロシリル基、及び金属原子の凝集抑制能を有する有機基を有するポリシルセスキオキサンである、無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。 - 前記ポリシルセスキオキサン化合物が、下記式(1):
[式中、R1は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はSi≡を示し、R2はヒドロシリル基を示し、R3は金属原子の凝集抑制能を有する有機基を示し、l、m及びnは任意の整数である。]
で表されるポリシルセスキオキサンである、請求項1に記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。 - 前記金属原子の凝集抑制能を有する有機基が、アミド基、アミノ基、チオール基、これらの基を有する有機基、チオエーテル構造を有する有機基、及びβ−ジケトン構造を有する有機基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
- 前記金属ナノ粒子が、無電解めっき用触媒よりもイオン化傾向の大きい金属のナノ粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
- 組成物全量を基準として、ポリシルセスキオキサン化合物を10〜30質量%、金属ナノ粒子を0.1〜10質量%含む、請求項1〜4のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
- さらに、コロイダルシリカを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の無電解めっきの下地皮膜形成用組成物を基材に塗布し、加熱処理を行うことを特徴とする、無電解めっきの下地皮膜の形成方法。
- 請求項7に記載の方法により無電解めっきの下地皮膜を形成した基材を、無電解めっき浴に浸漬することを特徴とする、無電解めっき方法。
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