JPH10212377A - 電線被覆用組成物 - Google Patents

電線被覆用組成物

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JPH10212377A
JPH10212377A JP1674297A JP1674297A JPH10212377A JP H10212377 A JPH10212377 A JP H10212377A JP 1674297 A JP1674297 A JP 1674297A JP 1674297 A JP1674297 A JP 1674297A JP H10212377 A JPH10212377 A JP H10212377A
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tem
low
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density
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JP1674297A
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Mitsugi Ishioka
岡 貢 石
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NIPPON PORIKEMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋剤の分解残渣を極力低減化して、電気絶
縁性を顕著に向上させると共に、高架橋で高い耐熱性を
有する電線被覆用組成物を提供する。 【解決手段】 下記〜の性状の低密度ポリエチレン
100重量部に対して、有機過酸化物を0.3〜1.0
重量部及び酸化防止剤を0.2〜0.8重量部を配合し
てなることを特徴とする電線被覆用組成物。 . MFRが0.1〜10g/10分 . 密度(D)が0.880〜0.930g/cm3 . GPC法により求めた分子量分布(Mw/Mn) . 示差走査熱量測定法(DSC)の融解ピークの補
外融解終了温度(Tem)65〜130℃、該補外融解
終了温度(Tem)と密度(D)との関係が、Tem≦
286D−137を満たすこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い電気絶縁性と
耐熱性を有する電線被覆用組成物に関するものである。
更に詳しくは、高架橋で高い耐熱性を有すると共に、架
橋剤の分解残渣を極力低減化させて、高い電気絶縁性を
有する電線被覆用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は絶縁電線・
ケーブルの絶縁材料として最も広く用いられており、特
に、低密度ポリエチレンを架橋した架橋ポリエチレンは
優れた電気特性及び耐熱性を有している。一般に、架橋
ポリエチレンを用いた時の絶縁材料の品質保持の観点か
ら、架橋度が80%以上、引張強度が100kg/cm
2 以上、引張伸度が350%以上であることが必須であ
り、これらの諸物性を得るためには高度の架橋が必要で
ある。従って、この様な高度に架橋された架橋ポリエチ
レンは、一般的に、高圧法低密度ポリエチレンに架橋剤
のジクミルパーオキサイド約2重量部と酸化防止剤の
4,4´−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェ
ノール)約0.3重量部とを配合し、この混和物に常法
の架橋処理を施すことにより製造されている。しかしな
がら、上記架橋剤として用いられたジクミルパーオキサ
イドの分解物の1つであるアセトフェノンは電気絶縁性
を大きく低下させるという欠点があった。それ故、電気
絶縁性を大きく低下させるアセトフェノン発生量を低減
化させるため、ジクミルパーオキサイドの添加量を少な
くすると、所定の架橋度が得られず、架橋ポリエチレン
絶縁材料としての品質が確保することができなくなる。
そのために、少量の架橋剤の添加量で高度の架橋度が得
られる材料の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記要望を満
足することができる材料、すなわち、少量の架橋剤(ジ
クミルパーオキサイド)の添加量で高架橋度が得られ、
架橋剤の分解残渣を極力低減化し、電気絶縁性が顕著に
向上した材料を得ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、架橋ポリエチレ
ンの出発材料である未架橋ポリエチレンについて、その
物性と架橋性についての関係を調べた結果、特定の性状
の低密度ポリエチレンが上記目的にとって有用であると
の事実を見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明の電線被覆用組成物は、下記〜
の性状の低密度ポリエチレン100重量部に対して、
有機過酸化物を0.3〜1.0重量部及び酸化防止剤を
0.2〜0.8重量部を配合してなることを特徴とする
ものである。 . MFRが0.1〜10g/10分であること。 . 密度(D)が0.880〜0.930g/cm3
であること。 . GPC法により求めた分子量分布(Mw/Mn)
が1.5〜3.3であること。 . 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られ
る、該融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が65
〜130℃の範囲内であり、かつ該補外融解終了温度
(Tem)と密度(D)との関係が次の式を満たすこ
と。 Tem≦286D−137
【0005】
【発明の実施の形態】
[I] 電線被覆用組成物 (1) 構成成分 (A) 低密度ポリエチレン(成分A) 本発明の電線被覆用組成物を構成する低密度ポリエチレ
ンとしては、少量の架橋剤で良好な架橋度を得るため
に、そのMFR、密度(D)、分子量分布(Mw/M
n)、融解ピークの補外融解終了温度(Tem)の物性
が、下記の性状を示すものであることが重要である。
【0006】(a) 物 性 MFR 本発明の電線被覆用組成物に用いられる低密度ポリエチ
レンは、そのMFRが0.1〜10g/10分、好まし
くは0.5〜8g/10分、特に好ましくは0.8〜5
g/10分のものが用いられる。MFRが上記範囲未満
の材料では、溶融張力が大きすぎるため、成形速度が低
下する等の電線被覆成形時の生産性の低下を引き起こ
す。また、上記範囲を超過する材料では、溶融張力が低
下するために、電線被覆工程で偏心が生じ易くなり成形
加工が困難となる。上記低密度ポリエチレンのMFR
は、JIS−K6760に準拠することにより測定され
た値である。
【0007】 密 度 また、上記低密度ポリエチレンは、その密度(D)が
0.880〜0.930g/cm3 、好ましくは0.9
10〜0.925g/cm3 、特に好ましくは0.92
0〜0.923g/cm3 のものが用いられる。密度が
上記範囲未満の材料では粘稠な成分が多すぎるため、電
線としての実用時におけるハンドリングが困難となる。
また、上記範囲を超過する材料では成形される絶縁体層
の柔軟性が低下して、電線としての実用時におけるハン
ドリングに難がある。上記低密度ポリエチレンの密度
は、JIS−K6760に準拠することにより測定され
た値である。
【0008】 分子量分布 また、上記低密度ポリエチレンは、GPC法により求め
た分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.3、好まし
くは1.8〜3.1、特に好ましくは2.0〜3.0の
ものが用いられる。GPC法による分子量分布が、上記
範囲未満では製造が困難となる。また、上記範囲を超過
すると本発明が目的としている架橋度が得られないとの
問題が生じる。上記低密度ポリエチレンのGPC法によ
る分子量分布(Mw/Mn)の測定は、竹内著、丸善
(株)発行の「ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー」に準拠して求められた値である。すなわち、GPC
はウォーターズ社製ISOC−ALC/GPCを用い、
カラムとして昭和電工社製AD80M/Sを3本使用
し、試料をo−ジクロロベンゼンに溶解して0.2重量
%溶液として200μlを使用し、140℃、流速1m
l/分で実施される。分子量分布(Mw/Mn)の測定
は、分子量が既知の標準ポリスチレン(東ソー社製単分
散ポリスチレン)を使用し、ユニバーサル法にて数平均
分子量Mn及び重量平均分子量に換算し、分子量分布
(Mw/Mn)の値が求められる。
【0009】 示差走査熱量測定法(DSC)による
融解ピークの補外融解終了温度(Tem) また、上記低密度ポリエチレンは、示差走査熱量測定法
(DSC)による、該融解ピークの補外融解終了温度
(Tem)が65〜130℃、好ましくは80〜125
℃、特に好ましくは90〜120℃の範囲内であり、該
補外融解終了温度(Tem)と上記共重合体の密度
(D)との関係が、次の関係式、 Tem≦286D−137、 好ましくはTem≦429D−271、 特に好ましくはTem≦571D−404 を満たすことができるものが用いられる。上記のDSC
によって得られる融解ピーク、すなわち、微分融解曲線
のピークがない材料は、粘稠な成分が多すぎるため、電
線としての実用時におけるハンドリングが困難となる。
上記ピークの補外融解終了温度(Tem)が、上記範囲
を超える材料は、架橋剤の混練作業時の溶融樹脂温度
が、有機過酸化物の架橋分解温度近傍となり、混練作業
が困難になる。
【0010】上記低密度ポリエチレンの示差走査熱量測
定法(DSC)による補外溶融終了温度(Tem)は、
熱プレスによって成形した100μmのフィルムから約
5mgの試料を秤量し、それをセイコー電子工業(株)
製RDC220DSC装置にセットし、先ず170℃の
温度にまで昇温して、その温度で5分間保持した後、1
0℃/分の降温速度で−10℃の温度まで冷却する。次
に、この試料を1分間保持した後、10℃/分の昇温速
度で170℃の温度まで昇温して測定を行なう。それに
よって−10℃から170℃まで昇温してDSC曲線を
得た。そして、JIS−K7121に準拠し、DSC曲
線の高温側のベースラインを低温側に延長した線と、融
解ピークの高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた
接線との交点が求められた温度(補外溶融終了温度(T
em))である。
【0011】(b) 製造方法 上記低密度ポリエチレンは、一般に遷移金属のメタロセ
ン化合物を含む触媒を用いて製造される。該低密度ポリ
エチレンは、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィ
ンとの共重合によって得られるエチレン・炭素数4〜1
0α−オレフィン共重合体であることが望ましい。メタ
ロセン化合物を含む触媒及びそれを用いた共重合体の製
造法自体は公知であって、本発明ではそのような公知の
ものの中から合目的的な任意のものを用いることができ
る。本発明では、例えば、特開昭58−19309号、
特開昭59−95292号、特開昭60−35005
号、特開昭60−35006号、特開昭60−3500
7号、特開昭60−35008号、特開昭60−350
09号、特開昭61−130314号、特開平3−16
3088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第42
0,436号明細書、米国特許第5,055,438号
明細書、及び、国際公開公報WO91/04257号明
細書、国際公開公報WO92/07123号明細書等に
記載されている方法、すなわち(イ)メタロセン触媒、
(ロ)メタロセン/アルモキサン触媒、又は、(ハ)メ
タロセン化合物と以下に述べるメタロセン触媒と反応し
て安定なイオンとなる化合物とからなる触媒並びに重合
法を挙げることができる。これらの中でも本発明で特に
好ましいものは上記(ハ)の触媒である。
【0012】上記メタロセン触媒と反応して安定なイオ
ンとなる化合物とは、具体的には、カチオンとアニオン
対から形成されるイオン性化合物或いは親電子性化合物
であって、メタロセン化合物と反応して安定なイオンと
なって重合活性を形成するものである。このうち、イオ
ン性化合物は下記式(I)で表されるものが代表的であ
る。 [Q]m+[Y]m- (mは1以上の整数) (I) 式中のQはイオン性化合物のカチオン成分であって、そ
の具体例としては、カルボニウムカチオン、トロピリウ
ムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチ
オン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等
を挙げることができる。Qの他の例としては、それ自身
が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオンを
挙げることができる。これらのカチオンは、特表平1−
501950号公報等に開示されているようなプロトン
を与えることができるカチオンだけでなく、プロトンを
与えないカチオンであっても良い。これらのカチオンの
具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニ
ルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニ
ウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニ
ウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアン
モニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシル
アンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチル
ホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウ
ム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニ
ルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチ
ルオキソニウム、ピリリウム、又、銀イオン、金イオ
ン、白金イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェ
ロセニウムイオン等を挙げることができる。
【0013】上記式中のYはイオン性化合物のアニオン
成分であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオ
ンとなる成分である。その様なアニオン成分としては、
(イ)有機ホウ素化合物アニオン、(ロ)有機アルミニ
ウム化合物アニオン、(ハ)有機ガリウム化合物アニオ
ン、(ニ)有機燐化合物アニオン、(ホ)有機ヒ素化合
物アニオン、(ヘ)有機アンチモン化合物アニオン、
(ト)硼素化合物、(チ)その他を挙げることができ
る。具体的には、(イ) テトラフェニルホウ素、テト
ラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、
テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニ
ル)ホウ素、テトラキス(3,5−(t−ブチル)フェ
ニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素、(ロ) テトラフェニルアルミニウム、テトラ
キス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フ
ェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−
ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アルミニウム、(ハ) テトラフェ
ニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,
5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、(ニ) テトラ
フェニル燐、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
燐、(ホ) テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ヒ素、(ヘ) テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、(ト) デカボレート、ウンデカボレート、カル
バドデカボレート、デカクロロデカボレート等を挙げる
ことができる。また、上記親電子性化合物としては、ル
イス酸化合物として知られているもののうち、メタロセ
ン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種を
形成するもの、例えば、種々のハロゲン化金属化合物や
固体酸として知られている金属酸化物等が挙げられる。
具体的には、ハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機
化合物等が例示される。
【0014】 α−オレフィン 上記α−オレフィンとしては、具体的には、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘ
キセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げる
ことができる。これらα−オレフィンの中で、好ましく
は炭素数4〜12のα−オレフィン、特に好ましくは炭
素数6〜10の1種又は2種以上のα−オレフィンを2
〜50重量%、好ましくは3〜35重量%、特に好まし
くは5〜25重量%とエチレン98〜50重量%、好ま
しくは97〜65重量%、特に好ましくは95〜75重
量%とを共重合させたものが好ましい。
【0015】(c) 共重合 上記共重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液
法、高圧イオン重合法等を挙げることができる。これら
の中では溶液法及び高圧イオン重合法で製造することが
好ましく、本発明の効果を大きく発揮させることができ
る高圧イオン重合法にて製造することが特に好ましい。
なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭56−186
07号、特開昭58−225106号の各公報に記載さ
れている方法である。具体的には、重合圧力が100k
g/cm2 以上、好ましくは300〜2,000kg/
cm2 、重合温度が125℃以上、好ましくは130〜
250℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件
下にて低密度ポリエチレンを製造することが好ましい。
【0016】(B) 有機過酸化物(成分B) 架橋剤としての有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイ
ド(DCP)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドの様な有機過酸
化物が好ましいが、特に好ましいのは、汎用的に使用さ
れているジクミルパーオキサイドである。その有機過酸
化物の添加量は、上記低密度ポリエチレン100重量部
に対して0.3〜1重量部、好ましくは0.4〜0.9
重量部、特に好ましくは0.5〜0.8重量部である。
有機過酸化物の添加量が上記範囲を超過する場合は架橋
度が高すぎて機械的強度が低下する。また、ジクミルパ
ーオキサイドの分解物であるアセトフェノンが増大し、
電気絶縁性を大きく低下させる。また、上記範囲未満で
は架橋度が低いために所定の耐熱性が得られない。
【0017】(C) 酸化防止剤(成分C) 酸化防止剤としては、4,4´−チオビス(6−t−ブ
チル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、ジ−オクタデシル−β−
(4´−ヒドロキシ3´,5´−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート、2,2´−チオビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレ
ンビス[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ジフェニル)プロピオネート]等を挙げることができ
る。その酸化防止剤の添加量は、上記低密度ポリエチレ
ン100重量部に対して0.2〜0.8重量部、好まし
くは0.2〜0.6重量部、特に好ましくは0.3〜
0.5重量部である。酸化防止剤の添加量が上記範囲を
超過する場合は有機過酸化物の架橋効率が低下し所定の
架橋度が得られないので問題である。また、上記範囲未
満では電線として所定の耐熱性が得られないので問題で
ある。
【0018】(2) 組成物の調製 (a) 配 合混 練 本発明の電線被覆用組成物は、上記成分A〜成分Cを上
記配合割合で配合して、ミキサー等でブレンドさせた
後、一軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサ
ー、ヘンシェルミキサー、ブラベンダープラストグラ
フ、ニーダーブラベンダー等の通常の混練機を用いて低
密度ポリエチレン樹脂を溶融混練し、更に造粒すること
によって本発明の電線被覆用組成物を得ることができ
る。上記低密度ポリエチレン樹脂を溶融混練するための
温度としては、一般に120〜140℃、好ましくは1
30〜140℃である。
【0019】配合方法 この場合、上記成分Aの低密度ポリエチレン樹脂中に、
上記成分Bの有機過酸化物及び成分Cの酸化防止剤を配
合する方法としては、特に規定されるものではないが、
より均一に分散させるためには、ロールミキサーを用い
て溶融混練、造粒することが好ましい。これらの成分A
〜成分Cを造粒する際には、上記各成分を一括で配合し
混練しても、或いは、性能の向上等を図るべく各成分A
〜成分Cを分割して配合し混練することもできる。ま
た、マスターバッチ方式で添加し練り込む方法も適用す
ることができる。
【0020】上記必須の成分以外に、本発明の効果を著
しく阻害しない範囲内で、以下に示す任意成分を添加す
ることもできる。この任意成分としては、例えば、エラ
ストマー成分や他の樹脂成分、或いは、架橋助剤、熱安
定剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴
剤、防錆剤、導電性付与剤、気泡調整剤(発泡促進
剤)、発泡剤分解温度調整剤、中和剤、分散剤、分子量
調整剤(ラジカル発生剤等)、造核剤、充填剤、滑剤、
難燃剤、難燃助剤、加工助剤、重金属不活性化剤、可塑
剤、蛍光増白剤、離型剤、軟化剤、光沢付与剤等の各種
添加剤成分等を挙げることができる。
【0021】[II] 用 途 上記電線被覆用組成物は、特定の性状の低密度ポリエチ
レンを用いることにより、架橋性に優れ、少量の架橋剤
でも高架橋度のものが得られ、架橋剤の分解残渣を極力
低減化して、電気絶縁性を顕著に向上させることができ
る材料であることから、得られた電線被覆用組成物は優
れた電気絶縁性と耐熱性とを合せ持つものであり、絶縁
電線・ケーブルの絶縁材料として極めて重要な材料であ
る。
【0022】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例によって、本発
明を更に具体的に説明する。 [I] 評価方法 引張強度: JIS−C3005に準拠して測定され
た。 引張強度: JIS−C3005に準拠して測定され
た。 架橋度 : JIS−C3005に準拠して測定され
た。
【0023】[II] 実施例及び比較例 実施例1低密度ポリエチレンの調製 触媒は特開昭61−130314号公報に記載された方
法で調製した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロ
ライド2.0ミリモルに東洋ストファー社製メチルアル
モキサンを上記錯体に対して1000モル倍加え、トル
エンで10リットルに希釈して、触媒溶液を調製し、以
下の重合を行なった。内容積1.5リットルの攪拌式オ
ートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセン
との混合物を1−ヘキセンの組成が68重量%となる様
に供給し、反応器内の圧力を1,300kg/cm2
保ち、150℃の温度で反応を行なった。反応終了後、
MFRが2.2g/10分、密度が0.920g/cm
3 のエチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。得られた
共重合体に酸化防止剤としてイルガノックス1076
(チバガイキー社製)を適量配合してエチレン・1−ヘ
キセン共重合体組成物を調製した。
【0024】架橋剤の添加 上記エチレン・1−ヘキセン共重合体組成物に架橋剤を
添加し、6インチロールを用いて、ロール表面温度を1
30℃に設定、回転比1.2、ロール間隔0.5mm、
混練のロール幅15cm、試料量200gのロール混練
条件下で混練した。ペレットがロールに巻き付いた時か
ら3分後に老化防止剤として4,4´−チオビス(6−
t−ブチル−3−メチルフェノール)0.3重量部を添
加し、更に1分後に架橋剤としてジクミルパーオキサイ
ド(DCP)2重量部を添加し、更に3分間混練した。
混練した試料は、そのままシート状にサンプリングし、
室温で放置して冷却した。
【0025】成形方法 上記コンパウンド品から所要の大きさに切り取り、1m
mのスペーサーのある30cm×30cmの金属板を両
面に挟み、160±2℃の熱板上に載せ、直ぐに100
kg/cm2 に加圧し、その状態を30分間保持した。
その後、そのままの状態で熱板温度を常温まで冷却し、
成形品を得た。成形品はそれぞれの用途に応じた評価を
実施した。その結果を表1に示す。
【0026】実施例2〜6 また、実施例1において、1−ヘキセンの組成及び反応
温度を変更し、種々のMFR、密度、GPC法により求
めた分子量分布(Mw/Mn)、及び、融解ピークの補
外融解終了温度(Tem)を示す性状の共重合体を調製
し、表1に示す性状の共重合体を使用した以外は、実施
例1に記載の方法と同様の方法で実施した。その結果を
表1に示す。
【0027】比較例1〜6 実施例1にて用いたエチレン・1−ヘキセン共重合体
を、表2に示す性状の、高圧法低密度ポリエチレン(三
菱化学社製「三菱ポリエチ−LD ZF30R」)、現
在市販されている中低圧法ポリエチレン(三菱化学社製
「三菱ポリエチ−LL SF230」)、及び、本発明
の低密度ポリエチレンの範囲外の材料に変更して用いた
以外は、上記実施例1に記載の方法と同様に行なった。
その結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【0030】
【発明の効果】このような本発明の電線被覆用組成物
は、架橋性に優れ、少量の架橋剤でも高架橋度が得ら
れ、架橋剤の分解残渣を極力低減化し、電気絶縁性を顕
著に向上させた材料であることから、優れた電気絶縁性
と耐熱性を合せ持つものであり、絶縁電線・ケーブルの
絶縁材料として極めて重要な材料である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記〜の性状の低密度ポリエチレン1
    00重量部に対して、有機過酸化物を0.3〜1.0重
    量部及び酸化防止剤を0.2〜0.8重量部を配合して
    なることを特徴とする電線被覆用組成物。 . MFRが0.1〜10g/10分であること。 . 密度(D)が0.880〜0.930g/cm3
    であること。 . GPC法により求めた分子量分布(Mw/Mn)
    が1.5〜3.3であること。 . 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られ
    る、該融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が65
    〜130℃の範囲内であり、かつ該補外融解終了温度
    (Tem)と密度(D)との関係が次の式を満たすこ
    と。 Tem≦286D−137
  2. 【請求項2】有機化酸化物として、ジクミルパーオキサ
    イド0.3〜1.0重量部を配合した請求項1に記載の
    電線被覆用組成物。
JP1674297A 1997-01-30 1997-01-30 電線被覆用組成物 Pending JPH10212377A (ja)

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