JPH0977917A - 難燃性樹脂組成物とそれを用いた電線 - Google Patents

難燃性樹脂組成物とそれを用いた電線

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JPH0977917A
JPH0977917A JP23180495A JP23180495A JPH0977917A JP H0977917 A JPH0977917 A JP H0977917A JP 23180495 A JP23180495 A JP 23180495A JP 23180495 A JP23180495 A JP 23180495A JP H0977917 A JPH0977917 A JP H0977917A
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JP
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flame
polyolefin
polyolefin resin
composition
resin composition
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JP23180495A
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English (en)
Inventor
Masato Inoue
正人 井上
Yutaka Kobayashi
裕 小林
Aiko Matsuda
愛子 松田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用レベルの難燃性と、高い引張破断強度と
を有するとともに、耐摩耗性にもすぐれた難燃性樹脂組
成物と、それを用いた電線とを提供する。 【解決手段】 難燃性樹脂組成物は、(a) 金属配位錯体
と活性化共触媒とを含む触媒組成物の存在下で、少なく
とも1種のオレフィンを重合させたポリオレフィン系樹
脂に、(b) 金属無機水和物と、(c) 分子中にカルボキシ
ル基を含むポリオレフィン系樹脂とを配合した。またポ
リオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポリ
オレフィン系樹脂(c) との配合比(重量比)はa/c=
70/30〜99/1とし、ポリオレフィン系樹脂(a)
と、カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹脂(c) と
の総量100重量部に対する、金属無機水和物(b) の配
合量は100〜200重量部とした。上記難燃性樹脂組
成物の引張破断強度は1.2kg/mm2 以上、酸素指
数は30以上であった。電線は、上記の難燃性樹脂組成
物により絶縁被覆を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリオレフィン
系樹脂を主体とする難燃性樹脂組成物と、それを絶縁被
覆に用いた、絶縁電線やケーブル等の電線に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線やケーブル等の電線において絶
縁被覆に用いられる合成樹脂としては、種々のものがあ
げられるが、とくに耐油性、耐薬品性、低温特性等が要
求される用途には、たとえば低密度ポリエチレン(LD
PE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超
低密度ポリエチレン(VLDPE)等のポリオレフィン
系樹脂が好適に使用される。
【0003】また上記ポリオレフィン系樹脂はそれ自
体、難燃性を有しないため、難燃性が要求される用途に
は、当該ポリオレフィン系樹脂をベースとして、難燃剤
である金属無機水和物と、分子中にカルボキシル基を含
むポリオレフィン系樹脂その他の添加剤とを配合した難
燃性樹脂組成物が使用される。上記難燃性樹脂組成物に
配合される金属無機水和物としては、たとえば水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム等があげられる。
【0004】また、分子中にカルボキシル基を含むポリ
オレフィン系樹脂は、上記金属無機水和物の、ポリオレ
フィン系樹脂に対する親和性を向上して、金属無機水和
物の配合による組成物の引張破断強度の低下を抑制した
り、あるいは当該金属無機水和物が製品の表面にしみ出
す、いわゆるブリードを防止したりするために配合され
るもので、たとえばポリオレフィン系の主鎖に、側鎖と
して、金属無機水和物に対する親和性を有する上記カル
ボキシル基を導入したもの等があげられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のポリオレフ
ィン系の難燃性樹脂組成物において、その難燃性を、J
IS K 7201に規定された酸素指数で表して30
以上という汎用のレベルに維持するためには、金属無機
水和物を、ポリオレフィン系樹脂と、カルボキシル基を
含むポリオレフィン系樹脂との総量に対して、重量比で
1〜2倍量程度の割合で配合しなければならない。
【0006】しかし、金属無機水和物を上記の割合で配
合したポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物は、カルボ
キシル基を含むポリオレフィン系樹脂を配合しているに
もかかわらず、その引張破断強度が1.2kg/mm2
未満という低レベルになるという問題があり、引張破断
強度の、より一層の向上が望まれている。たとえば前述
した従来のポリオレフィン系樹脂に代えて、エチレン−
エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン系の共
重合体を使用すると、組成物の引張破断強度を1.2k
g/mm2 以上に向上できることが広く知られている
が、かかる共重合体を用いた難燃性樹脂組成物は、従来
のポリオレフィン系樹脂を用いたものに比べて耐摩耗性
が低く、ASTM D−1044に準拠した測定による
摩耗量が6mgを超える、摩耗しやすいものになってし
まうという問題がある。
【0007】この発明の目的は、汎用レベルの難燃性
と、高い引張破断強度とを有するとともに、耐摩耗性に
もすぐれた難燃性樹脂組成物と、それを用いた、上記の
各特性にすぐれた絶縁被覆を有する電線とを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、種々のポリオレフィン系樹脂について
検討した。その結果、少なくとも1種のオレフィンを、
メタロセン等の金属配位錯体と活性化共触媒とを含む触
媒組成物の存在下で重合させた、弾性でかつ実質的に線
状であるポリオレフィン系樹脂を使用すると、前述した
従来の配合で、酸素指数30以上の汎用レベルの難燃性
と、引張破断強度1.2kg/mm2 以上の高い引張破
断強度とを兼ね備え、しかも、ASTM D−1044
に準拠した測定による摩耗量が6mg以下という、耐摩
耗性にもすぐれた難燃性樹脂組成物がえられることを見
いだし、上記ポリオレフィン系樹脂と、他の成分との配
合割合等についてさらに検討した結果、この発明を完成
するに至った。
【0009】すなわちこの発明の難燃性樹脂組成物は、
(a) 金属配位錯体と活性化共触媒とを含む触媒組成物の
存在下で、少なくとも1種のオレフィンを重合させたポ
リオレフィン系樹脂と、(b) 難燃剤である金属無機水和
物と、(c) 上記金属無機水和物(b) の、ポリオレフィン
系樹脂(a) に対する親和性を向上するための、分子中に
カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹脂と、を含有
し、上記ポリオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基
を含むポリオレフィン系樹脂(c) との配合比が、重量比
でa/c=70/30〜99/1の範囲内、ポリオレフ
ィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポリオレフィ
ン系樹脂(c) との総量100重量部に対する金属無機水
和物(b) の配合量が100〜200重量部の範囲内で、
かつ引張破断強度1.2kg/mm2 以上、酸素指数3
0以上であることを特徴とする。
【0010】また、この発明の電線は、上記この発明の
難燃性樹脂組成物からなる絶縁被覆を有することを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、この発明の難燃性樹脂組成
物について説明する。この発明の難燃性樹脂組成物は、
前述したように、(a) 金属配位錯体と活性化共触媒とを
含む触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のオレフィ
ンを重合させたポリオレフィン系樹脂と、(b) 難燃剤で
ある金属無機水和物と、(c) 分子中にカルボキシル基を
含むポリオレフィン系樹脂と、を含有するものである。
【0012】このうちポリオレフィン系樹脂(a) として
は、これに限定されないがたとえば、特開平6−306
121号公報、特表平7−500622号公報に開示さ
れた、弾性でかつ実質的に線状であるポリオレフィン系
樹脂が好適に使用される。かかる弾性でかつ実質的に線
状であるポリオレフィン系樹脂は、たとえばエチレンや
炭素数3〜20程度のα−オレフィンをいずれか1種単
独で、あるいはエチレンと、炭素数3〜20程度のα−
オレフィンとを2種以上併用して、メタロセン等の金属
配位錯体と活性化共触媒とを含む触媒組成物の存在下で
重合させることにより製造されるもので、密度が0.8
6〜0.94程度で、かつその主鎖を構成する炭素原子
1000個当り0.01〜3個、好ましくは0.01〜
1個、より好ましくは0.5〜1個の割合で、炭素数6
以上の長分岐鎖を有するものである。
【0013】上記のポリオレフィン系樹脂は、高分岐低
密度ポリエチレン(通常のLDPE)に似た加工性を有
するとともに、エチレンとα−オレフィンとをチーグラ
ー触媒によって重合させた不均一線状重合体(たとえば
L−LDPE等)と同程度の強度と靱性を備えており、
しかも前記のように、LDPEやL−LDPE、あるい
は上記L−LDPEと同様に、エチレンとα−オレフィ
ンとをチーグラー触媒によって重合させたVLDPE等
とは全く違った構造を有している。
【0014】上記の、弾性でかつ実質的に線状であるポ
リオレフィン系樹脂の具体例としては、これに限定され
ないがたとえば、米国ダウケミカル社(the Dow
Chemical Co.)製の商品名「AFFIN
ITY(アフィニティー)」シリーズがあげられる。上
記シリーズは、エチレンと1−オクテンとの共重合体で
あり、オクテン分の割合の違い等によって種々のグレー
ドのものが提供されている。
【0015】そのうち、この発明にとくに好適に使用さ
れるものとしては、たとえば商品名AFFINITY
PF1140〔オクテン分14.5重量%、メルトイン
デックス(MI)値1.6、密度0.895、引張破断
強度4.5kg/mm2 〕、AFFINITY PL1
880〔オクテン分12重量%、メルトインデックス
(MI)値1、密度0.902、引張破断強度4.8k
g/mm2 〕、AFFINITY FW1650〔オク
テン分12.0重量%、メルトインデックス(MI)値
3、密度0.902、引張破断強度3.8kg/m
2 〕等があげられる。これらのポリオレフィン系樹脂
はMI値が低く加工性にすぐれるため、押出成形等によ
る電線の製造が容易である。またこれらのポリオレフィ
ン系樹脂は、比較的低密度であるため電線を軽量化でき
るという利点もある。
【0016】つぎに、難燃剤である金属無機水和物(b)
としては、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等の従来と同様のものが使用できる。かかる金属
無機水和物としては、たとえば粉末状等の通常の形状の
ものがいずれも使用可能である。上記金属無機水和物
(b) の配合量は、前述したように、ポリオレフィン系樹
脂(a) と、カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹脂
(c) との総量100重量部に対して、100〜200重
量部の範囲内に限定される。
【0017】金属無機水和物(b) の配合量が100重量
部未満では、組成物の引張破断強度は向上するものの、
酸素指数が30未満となって、汎用レベルの難燃性がえ
られなくなり、逆に200重量部を超えた場合には、組
成物の難燃性は、酸素指数30以上の、汎用のレベル以
上に向上するものの、引張破断強度が1.2kg/mm
2 未満となってしまう。
【0018】なお、組成物の難燃性を重視した場合に
は、金属無機水和物(b) の配合量は、上記範囲内でも多
いほど好ましく、範囲の上限値つまり200重量部であ
るのが最も好ましい。この場合には、金属無機水和物
(b) の配合量が多くなるほど、組成物の引張破断強度な
らびに耐摩耗性が低下する傾向を示すが、前述したポリ
オレフィン系樹脂(a) の作用により、組成物は、たとえ
金属無機水和物(b) の配合量が上限値であっても、1.
2kg/mm2 以上の引張破断強度と、十分な耐摩耗性
とを有するので、実用上、問題はない。
【0019】また、後述するカルボキシル基を含むポリ
オレフィン系樹脂(c) の配合量を多くすれば、金属無機
水和物(b) の配合量の増加による、組成物の引張破断強
度ならびに耐摩耗性の低下分をカバーすることも可能で
あり、その場合には、難燃性、引張破断強度および耐摩
耗性の各特性にすぐれた組成物がえられる。上記金属無
機水和物(b) の、ポリオレフィン系樹脂(a) に対する親
和性を向上するための、分子中にカルボキシル基を含む
ポリオレフィン系樹脂(c) としては、前述したように、
同じポリオレフィン系の主鎖に、側鎖として金属無機水
和物に対する親和性を有するカルボキシル基を導入した
もの等、従来公知の種々の樹脂が使用できる。より詳し
くは、ポリエチレン等の主鎖に無水マレイン酸をグラフ
トさせた共重合体、たとえば、日石化学(株)製の商品
名NポリマーL6031、三井石油化学(株)製の商品
名アドマーNE065等や、あるいは主鎖に無水マレイ
ン酸を共重合させた共重合体、たとえば、住友化学
(株)製の商品名ボンダインAX−8390等が、上記
カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹脂(c) として
好適に使用される。
【0020】この発明の難燃性樹脂組成物においては、
ポリオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポ
リオレフィン系樹脂(c) との配合比が、前述したよう
に、重量比でa/c=70/30〜99/1の範囲内に
限定される。上記配合比の範囲よりもカルボキシル基を
含むポリオレフィン系樹脂(c) が少ない場合には、当該
樹脂(c) の添加による、金属無機水和物(b) の、ポリオ
レフィン系樹脂(a) に対する親和性を向上する効果がえ
られず、たとえ金属無機水和物(b) の配合量を、前記範
囲の下限値つまり100重量部としても、引張破断強度
が1.2kg/mm2 未満となってしまう。また逆に、
上記配合比の範囲よりもカルボキシル基を含むポリオレ
フィン系樹脂(c) が多い場合には、当該樹脂(c) のメル
トインデックス値が高いために組成物の加工性が低下し
て、押出加工等ができなくなってしまう。
【0021】なお上記カルボキシル基を含むポリオレフ
ィン系樹脂(c) の配合比は、組成物の引張破断強度を向
上するためには、上記範囲内であれば、できるだけ多い
ことが好ましい。とくに、前述したように組成物の難燃
性を向上すべく、金属無機水和物(b) の配合量を200
重量部またはその近傍まで増加させる場合には、ポリオ
レフィン系樹脂(a) に対して、カルボキシル基を含むポ
リオレフィン系樹脂(c) を、上記配合比の上限値(a/
b=70/30)またはその近傍まで増加させるのがよ
い。
【0022】この場合には、組成物の加工性が若干低下
する傾向を示すが、実用上、支障があるほどではなく、
たとえば押出加工の場合は押出温度や押出圧力等を調整
すれば、十分にカバーできる範囲である。この発明の難
燃性樹脂組成物は、上記3成分の他に、たとえばカーボ
ンブラック、滑剤、充てん剤、難燃助剤、老化防止剤等
の、各種添加剤を、従来と同程度の割合で含有してもよ
い。
【0023】この発明の難燃性樹脂組成物は、上記の各
成分を所定の割合で配合し、溶融、混練することで製造
される。つぎにこの発明の電線について説明する。この
発明の電線としては、導体表面に、この発明の難燃性樹
脂組成物からなる絶縁被覆を形成した絶縁電線や、絶縁
電線が複数本、組み合わされたケーブル等があげられ
る。
【0024】導体としては、銅、軟銅、銀、ニッケルめ
っき軟銅、すずめっき軟銅等の、従来公知の導体材料か
らなるものが、いずれも使用可能である。上記電線は、
従来と同様にして製造することができる。たとえば絶縁
電線は、この発明の難燃性樹脂組成物を、押出成形等に
よって導体の表面に被覆すればよい。またケーブルは、
絶縁電線を複数本、必要に応じて他の線材等とともに撚
り合わせる等した上にシースを被覆する等、ケーブルの
構造に合わせた通常の方法で製造すればよい。
【0025】電線における、絶縁被覆の厚みや導体の径
等はとくに限定されず、いずれも電線の規格等に適合さ
せた寸法とすればよい。上記この発明の電線は、この発
明の難燃性樹脂組成物により形成された絶縁被覆を有す
るため、汎用レベルの難燃性と、高い引張破断強度とを
有するとともに、耐摩耗性にもすぐれたものとなる。
【0026】なお、難燃性樹脂組成物からなる絶縁被覆
は、とくにその耐熱変形性を改善して、加熱下で外力を
受けた際に変形して絶縁性が低下したり、あるいは導体
の短絡が発生したりするのを防止するために、架橋させ
てもよい。
【0027】かかる架橋を行うと、絶縁被覆の引張破断
強度および耐摩耗性はさらに向上する。
【0028】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1 ポリオレフィン系樹脂(a) であるエチレン−1−オクテ
ン共重合体(EO、前出の商品名「AFFINITY
PF1140」、オクテン分14.5重量%、密度
0.895)92重量部と、金属無機水和物(b) である
水酸化マグネシウム120重量部と、カルボキシル基を
含むポリオレフィン系樹脂(c) (前出の商品名「Nポリ
マーL6031」)8重量部と、カーボンブラック5重
量部とを溶融、混練して難燃性樹脂組成物を製造した。 実施例2 ポリオレフィン系樹脂(a) として、オクテン分が12重
量%、密度が0.902であるエチレン−1−オクテン
共重合体(EO、前出の商品名「AFFINITY
PL1880」)を使用したこと以外は、実施例1と同
様にして難燃性樹脂組成物を製造した。 実施例3 ポリオレフィン系樹脂(a) として、オクテン分が12重
量%、密度が0.902であるエチレン−1−オクテン
共重合体(EO、前出の商品名「AFFINITY
FW1650」)を使用したこと以外は、実施例1と同
様にして難燃性樹脂組成物を製造した。 比較例1〜5 ポリオレフィン系樹脂(a) に代えて、下記の従来のポリ
オレフィン系樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同
様にして難燃性樹脂組成物を製造した。
【0029】比較例1:LDPE(日石化学(株)製の
商品名「レクスロンF22」) 比較例2:L−LDPE(日石化学(株)製の商品名
「リニレックスBF3710」) 比較例3:VLDPE(住友化学(株)製の商品名「エ
クセレンVL200」) 比較例4:EEA(日石化学(株)製の商品名「レクス
ロンA1150」) 比較例5:EVA(三井デュポン(株)製の商品名「エ
バフレックスV987」) 上記各実施例、比較例で製造した難燃性樹脂組成物につ
いて、以下の各試験を行い、その特性を評価した。 引張破断強度測定I 実施例、比較例の難燃性樹脂組成物から作製した試験片
を、インストロン引張試験機を用いて引張速度200m
m/分の速度で長さ方向に引っ張った際の破断強度を測
定した。 酸素指数測定 実施例、比較例の難燃性樹脂組成物の酸素指数(O.
I.)を、JIS K7201に準拠して測定して、当
該組成物の難燃性を評価した。 耐摩耗性試験 実施例、比較例の難燃性樹脂組成物の摩耗量(mg)
を、ASTM D−1044に準拠して測定して、当該
組成物の耐摩耗性を評価した。
【0030】また、各実施例、比較例で製造した難燃性
樹脂組成物をペレタイザーによってペレット化した後、
押出成形機を用いて押出成形することで、導体の表面
に、上記難燃性樹脂組成物からなる絶縁被覆を形成し
て、導体サイズ22mmsqの絶縁電線を製造した。そ
してこの絶縁電線について、以下の各試験を行い、上記
組成物の電線加工後の特性を評価した。 引張破断強度測定II 上記絶縁電線から絶縁被覆をはく離して長さ100mm
の試験片を作製し、この試験片を、インストロン引張試
験機を用いて引張速度200mm/分の速度で長さ方向
に引っ張った際の破断強度を測定した。 垂直トレイ燃焼試験 上記絶縁電線の、垂直トレイ燃焼試験における難燃性
を、IEEE383に準拠して測定した。
【0031】以上の結果を表1〜3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】上記各表に示した実施例、比較例のうち、
ポリオレフィン系樹脂としてLDPE、L−LDPE、
VLDPEを使用した比較例1〜3はいずれも、引張破
断強度I、IIがともに1.2kg/mm2 未満であるこ
とから、強度が不十分であることがわかった。またポリ
オレフィン系樹脂としてEEA、EVAを使用した比較
例4、5は摩耗量が6mgを超えることから、耐摩耗性
が十分でないことがわかった。
【0036】これに対し、実施例1〜3はいずれも、酸
素指数30以上でかつ垂直トレイ燃焼試験が合格である
ことから、汎用レベルの難燃性を有するとともに、引張
破断強度I、IIがともに1.2kg/mm2 以上である
ことから高強度で、しかも摩耗量が6mg以下であるこ
とから、耐摩耗性にもすぐれることが確認された。 実施例4〜6、比較例6 ポリオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポ
リオレフィン系樹脂(c) との総量100重量部に対す
る、金属無機水和物(b) である水酸化マグネシウムの配
合量を下記のとおりとしたこと以外は、実施例1と同様
にして難燃性樹脂組成物を製造した。
【0037】比較例6:80重量部 実施例4:100重量部 実施例5:180重量部 実施例6:200重量部 上記各実施例、比較例で製造した難燃性樹脂組成物、な
らびに各実施例、比較例の難燃性樹脂組成物から、前記
と同様にして製造した、導体サイズ22mmsqの絶縁
電線について、前記の各試験を行って、その特性を評価
した。結果を、前記実施例1の結果とともに表4、5に
示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】上記各表に示した実施例、比較例のうち、
水酸化マグネシウムの配合量が100重量部未満である
比較例6は、酸素指数が30未満であるとともに、垂直
トレイ燃焼試験が不合格であることから、難燃性が不十
分であることがわかった。これに対し、実施例1、4〜
6はいずれも、酸素指数30以上でかつ垂直トレイ燃焼
試験が合格であることから、汎用レベルの難燃性を有す
るとともに、引張破断強度I、IIがともに1.2kg/
mm2 以上であることから高強度で、しかも摩耗量が6
mg以下であることから、耐摩耗性にもすぐれることが
確認された。
【0041】また上記各実施例を比較すると、水酸化マ
グネシウムの配合量が多くなるほど難燃性は向上する
が、引張破断強度と耐摩耗性は低下する傾向にあること
がわかった。 実施例7、8、比較例7 ポリオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポ
リオレフィン系樹脂(c) との配合比(重量比)a/cを
下記のとおりとしたこと以外は、実施例6と同様にして
難燃性樹脂組成物を製造した。
【0042】実施例7:a/c=75/25 実施例8:a/c=70/30 比較例7:a/c=65/35 上記各実施例、比較例で製造した難燃性樹脂組成物、な
らびに各実施例、比較例の難燃性樹脂組成物から、前記
と同様にして製造した、導体サイズ22mmsqの絶縁
電線について、前記の各試験を行って、その特性を評価
した。結果を、前記実施例6の結果とともに表6、7に
示す。
【0043】なお、カルボキシル基を含むポリオレフィ
ン系樹脂(c) の配合比が請求項の範囲よりも多い比較例
7の組成物は加工性が悪く、押出加工により絶縁電線を
製造できなかったので、引張破断強度測定IIおよび垂直
トレイ燃焼試験の実施を断念した。
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】上記各表に示した実施例、比較例のうち、
カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹脂(c) の配合
比が多い比較例7は、前記のように組成物の加工性が悪
く、押出加工によって絶縁電線を製造できなかった。こ
れに対し、実施例6〜8はいずれも加工性がよく、押出
加工によって絶縁電線を製造できた。
【0047】また各実施例はいずれも、酸素指数30以
上でかつ垂直トレイ燃焼試験が合格であることから、汎
用レベルの難燃性を有するとともに、引張破断強度I、
IIがともに1.2kg/mm2 以上であることから高強
度で、しかも摩耗量が6mg以下であることから、耐摩
耗性にもすぐれることが確認された。さらに各実施例を
比較すると、カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹
脂(c) の配合比を多くするほど、引張破断強度および耐
摩耗性を向上できることがわかった。
【0048】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、汎用レベルの難燃性と、高い引張破断強度とを有す
るとともに、耐摩耗性にもすぐれた難燃性樹脂組成物
と、それを用いた、上記各特性にすぐれた絶縁被覆を有
する電線がえられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:26)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 金属配位錯体と活性化共触媒とを含む
    触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のオレフィンを
    重合させたポリオレフィン系樹脂と、 (b) 難燃剤である金属無機水和物と、 (c) 上記金属無機水和物(b) の、ポリオレフィン系樹脂
    (a) に対する親和性を向上するための、分子中にカルボ
    キシル基を含むポリオレフィン系樹脂と、を含有し、上
    記ポリオレフィン系樹脂(a) と、カルボキシル基を含む
    ポリオレフィン系樹脂(c) との配合比が、重量比でa/
    c=70/30〜99/1の範囲内、ポリオレフィン系
    樹脂(a) と、カルボキシル基を含むポリオレフィン系樹
    脂(c) との総量100重量部に対する金属無機水和物
    (b) の配合量が100〜200重量部の範囲内で、かつ
    引張破断強度1.2kg/mm2 以上、酸素指数30以
    上であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系樹脂が、エチレンと1−
    オクテンとの共重合体である請求項1記載の難燃性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】上記請求項1または2記載の難燃性樹脂組
    成物からなる絶縁被覆を有することを特徴とする電線。
JP23180495A 1995-09-08 1995-09-08 難燃性樹脂組成物とそれを用いた電線 Pending JPH0977917A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002526885A (ja) * 1998-09-25 2002-08-20 ピレリー・カビ・エ・システミ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 低煙性、自己消火性の送電ケーブルとその中で使用する難燃性組成物

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JP2002526885A (ja) * 1998-09-25 2002-08-20 ピレリー・カビ・エ・システミ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 低煙性、自己消火性の送電ケーブルとその中で使用する難燃性組成物

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