JP3055551B2 - 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
難燃性ポリオレフィン樹脂組成物Info
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Description
るいはシースとして押出加工する難燃性ポリオレフィン
樹脂組成物に関する。
ケーブルの絶縁被覆あるいはシース材料として、火災時
での発煙性が低く、ハロゲン化水素等の有害ガスの発生
がないノンハロゲン難燃性樹脂組成物が用いられるよう
になってきた。これらの樹脂組成物は、難燃剤として水
酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水和物
を、難燃助剤として赤燐や燐酸化合物等を使用するのが
一般的である。しかしながら、これらの樹脂組成物は次
に述べるような問題をもっている。
ン系難燃剤に比較するとそれ程大きくなく、十分な難燃
性を付与するためには充填量を増やす必要がある。金属
水和物の充填量を増加させると、樹脂組成物の剪断粘度
が上昇するため押出成形時のトルクが増大し、成形品の
外観が粗れ、成形線速を低下させる必要がある。 2)また、金属水和物の充填量を増加させると、樹脂組
成物の硬度や曲げ弾性率が増し、固く扱い難い電線ケー
ブルとなる。この原因は、金属水和物自体の硬さに加
え、金属水和物がベースポリマーの非晶部に優先的に充
填されるため、樹脂組成物に柔軟性を付与すべき前記非
晶部が減少するためと考えられる。
ィン樹脂とは本来相溶性が低いため、これらを配合した
樹脂組成物は溶融時の伸張粘度が低くなる。そのため押
出時に生じる伸張変形に耐えきれなくなり、押出加工時
の加工線速が上昇すると成形物表面が粗れる。 4)金属水和物や無機充填剤を多量に充填することと最
終製品(電線被覆)の機械特性を両立させるためには、
用いるポリオレフィン樹脂の分子量分布を狭くする方が
良いが、押出トルクが高くなり加工線速を上げることが
できない。すなわち、狭い分子量分布の樹脂は剪断速度
が上昇しても剪断粘度が低下せず、高速押出時に押出ト
ルクを上昇させ加工性を低下させることになる。
めに金属水和物の充填量を減らすと樹脂組成物の難燃性
は低下する。特に、極性モノマーを含有しないポリオレ
フィン樹脂をベースにした場合には、炭化速度が遅く、
長時間発熱・燃焼が継続するため、難燃性は極端に低下
する。
ても難燃性を保持できるようにするために、赤燐等の難
燃助剤を添加する場合があるが、赤燐添加により樹脂組
成物は赤褐色に着色し、白色や色物の被覆の色調を変え
てしまう。 7)また、水酸化マグネシウムは結晶水の放出温度が水
酸化アルミニウムより高いため、高剪断速度時の温度上
昇の際にも水分放出による発泡現象を抑えることがで
き、さらにブルーサイト鉱石を原料とする粉砕品は耐C
O2白化性(水酸化マグネシウムが空気中の水分及び二
酸化炭素と反応し、炭酸マグネシウムを生成するため、
成型品表面に白色の斑点を形成することがあるが、この
現象に対する耐性をいう)に優れるため好適に使用され
るが、コンパウンディング時や押出時の高温により赤褐
色に発色し、樹脂組成物の色調を悪化させる。この原因
は定かでないが、ブルーサイト中に存在する不純物が影
響していると考えられる。
リンを含むことなく高度な難燃性を維持しつつ、押出加
工性に優れ押出成形時の成形物表面が良好であるととも
に、コンパウンディングや押出加工時に着色し難い難燃
性ポリオレフィン樹脂組成物を得ることを課題とする。
々の問題点を考慮し、高度な難燃性と良好な押出加工性
を兼ね備える方策につき鋭意検討を行った結果、次に示
す解決策を見出し本発明を完成するに至った。なお、本
発明を構成する材料に関する次の物性は、以下に示す規
格と条件に基づき測定した値である。 a)分子量分布(MWD):ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)法により、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mn
より求めた。 b)MFR:JIS K7210に基づき、温度190
℃、荷重2.16kgの条件下、ダイス径2.095m
mで測定した。 c)ダイスウェル比:JIS K7199に示された方
法に基づき、温度200℃で測定した。使用するダイス
は、キャピラリーの長さ(l)と直径(d)の比(l/d)が4で
あるものを使用した。 d)粘度:ASTM D−445−46Tによるウッベ
ローデ粘度計を使用し、温度25℃で測定した。 e)鹸価度(鹸化価):酸価およびエステル価の和であ
り、約0.5Nの水酸化カリウムのアルコール溶液中で
試料を鹸化した後、過剰の水酸化カリウムを0.5N塩
酸で滴定することによって求めた。
金属水和物50〜140重量部、(C)ポリシロキサン
2〜10重量部、(D)反応性滑剤1〜10重量部を含
有せしめたことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂
組成物。ここで、(D)反応性滑剤とは、分子内に極性
基を有するモノマーと、オレフィン系モノマーを共重合
した化合物で、分子量が2000以上、50000以下
の化合物を指す。(請求項1)本発明者らは、(A)〜
(D)の材料を混合することにより電線被覆用のノンハ
ロゲン難燃材料として、これまで実現が難しかった高い
押出加工性達成できることを見出した。ここで、(A)
は絶縁材料として基本的な電気的、機械的特性を担い、
(B−1)はノンハロゲン難燃剤として難燃性を付与す
る役割を持つ。従来、これらを配合した難燃性樹脂組成
物は、押出時肌粗れ等が発生し易いという問題があった
が、難燃助剤として少量の(C)を添加することにより、
難燃性を大きく向上させる効果があり、(B-1)の配合量
を減らし、押出加工性を向上させるという利点がある。
また、(C)は無色透明であり樹脂組成物に添加しても色
がつかないため、樹脂組成物は着色可能である。さら
に、(D)は滑剤としての機能を持ち、その添加により
押出時の肌粗れを大幅に抑制できるという格別な効果を
発揮することが判った。
金属水和物50〜140重量部、(B−2)無機充填剤
10〜60重量部、(C)ポリシロキサン2〜10重量
部、(D)反応性滑剤1〜10重量部を含有せしめたこ
とを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。ここ
で、(D)反応性滑剤とは、分子内に極性基を有するモ
ノマーと、オレフィン系モノマーを共重合した化合物
で、分子量が2000以上、50000以下の化合物を
指す。(請求項2)(B−2)を(B−1)に共存させ
ることにより、樹脂成分が希釈され難燃効果を高めるこ
とができる。
ィン樹脂組成物における(A)ポリオレフィン樹脂が、
(A−1)エチレンとα―オレフィンを共重合してなる
直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略称す
る)30〜80重量%、と、(A−2)エチレン酢酸ビ
ニル共重合体以下(EVAと略称する)、エチレンーア
クリル酸エチル共重合体(以下EEAと略称する)もし
くはエチレンーアクリル酸メチル共重合体(以下EMA
と略称する)から成る群より選ばれた少なくとも1つを
20〜70重量%含むポリオレフィン混合物であること
を特徴とする。(請求項3)
性を保持するため、また(A−2)は押出加工性向上の
ために好ましい。また、(A−2)はその添加により難
燃性向上にも有効である。金属水和物や無機充填剤の添
加時に機械的特性を保持するため、(A−1)がポリオ
レフィン樹脂中に30重量%以上含まれることが好まし
いが、80重量%を超えると押出加工性が悪化してしま
う。押出加工性を向上させるためには、(A−2)が、
ポリオレフィン樹脂中に20重量%以上含まれることが
好ましいが、70重量%を超えると樹脂組成物としての
機械的特性が低下してしまう。
―オレフィンを共重合してなるLLDPE30〜80重
量%、と、(A−2)EVA、EEAもしくはEMAか
ら成る群より選ばれた少なくとも1つ、および、(A−
3)高圧重合法による低密度ポリエチレン(以下LDP
Eと略称する)を、(A−2)と(A−3)とを合せた
量で20〜70重量%含むポリオレフィン樹脂混合物で
あることを、もう一つ別の特徴とする。(請求項4)
たのと同じ理由により前記の範囲が好ましい。押出加工
性を向上させるためには、(A−2)と(A−3)を合
せた量が、ポリオレフィン樹脂中に20重量%以上含ま
れることが好ましいが、70重量%を超えると樹脂組成
物としての機械的特性が低下してしまう。(A−3)を
添加することにより、樹脂組成物の押出加工性をさらに
向上させることができる。
−オレフィンを共重合してなるLLDPEにおけるα−
オレフィンが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
ペンテン−1もしくはオクテン−1から成る群より選ば
れた少なくとも1つであることを特徴とする。(請求項
5)これらのα−オレフィンをコモノマーとするLLD
PEは、特に強度と柔軟性のバランスがよく、他の材料
と組合わせた時にも、機械的特性に優れた樹脂組成物を
形成する。
880〜0.920、分子量分布が3.0〜6.0、M
FRが0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする。
(請求項6)(A−1)として、前記のように、ポリオ
レフィン樹脂の中では密度が低く、分子量分布が比較的
広く、高分子量の成分をも含むポリマーを選択すれば、
樹脂組成物に対し、金属水和物や無機充填剤等を充填し
た際にも柔軟性を失わず、かつ押出加工性が良好で、し
かも電線被覆に必要な機械特性を持たせることができ
る。
酸ビニル(以下VAと略称する)、アクリル酸エチル
(以下EAと略称する)もしくはアクリル酸メチル(以
下MAと略称する)の含有量がいずれも10〜25重量
%であり、(A−2)のMFRが0.5〜5.0、ダイ
スウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴と
する。(請求項7)(A−2)に含まれる極性コモノマ
ーの量を10%以上にすることにより、柔軟性および難
燃性を向上させることができる。極性コモノマーの量が
増加すると、(A−1)との相溶性が低下するため、2
5重量%以下に抑えることが好ましい。また、(A−
2)のMFRおよびダイスウェル比を前記の範囲に設定
することにより、押出加工性を良好に保つことができ
る。
とを特徴とする。(請求項8)EVAは、EEAやEM
Aより炭化速度が大きく難燃性向上には適している。し
かもEVAは、安価で容易に入手でき、経済性の観点か
らも好ましい。
910〜0.920、MFRが0.5〜2.0、ダイス
ウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴とす
る。(請求項9)(A−3)の密度、MFRおよびダイ
スウェル比を前記の範囲に設定することにより、樹脂組
成物押出加工時の肌粗れ現象を起きにくくすることがで
きる。
マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜140
重量部配合したことを特徴とする。(請求項10)樹脂
組成物として十分な難燃効果を発揮させるために、(B
−1)の添加量は50重量部以上が好ましく、樹脂組成
物の押出加工性を良好に保つためには、添加量が140
重量部以下であることが好ましい。
ネシウムであり、その平均粒子径(D50)が1.0〜
7.0μmで、Mg(OH)2の含有量が85〜95重量
%のブルーサイト鉱石を原料とすることを特徴とする。
(請求項11)(B−1)としては、押出時の発泡現象
防止の観点から、脱水反応の温度が高い水酸化マグネシ
ウムが好ましい。また、水酸化マグネシウムの平均粒子
径を前記の範囲に設定することにより押出時の肌粗れの
程度を低くすることができる。さらに、水酸化マグネシ
ウムとして、前記のブルーサイト鉱石を原料とするもの
を用いることにより、耐CO2白化現象を低減させるこ
とができる。
化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜14
0重量部、(B−2)として炭酸カルシウムを10〜6
0重量部充填したことを特徴とする。(請求項12)
(B−1)については、先に述べたのと同じ理由によ
り、前記の範囲が好ましい。(B−2)の添加量は、難
燃効果に寄与させるためには、10重量部以上が好まし
く、押出加工性に悪影響を及ぼさないためには、60重
量部以下が好ましい。
(D50)1.0〜7.0μmの炭酸カルシウムである
ことを特徴とする。(請求項13)(B−2)の平均粒
子径を前記の範囲に設定することにより、押出時の肌粗
れ程度を低く抑えることができる。
〜25000cStの範囲にあるオルガノポリシロキサ
ンであることを特徴とする。(請求項14)前記(C)の
粘度が、6000cStを下回ると、樹脂組成物からブ
リードしやすくなり好ましくない。一方、25000c
Stを超えて高くなると、材料混合時に分散させること
が困難になりコンパウンドの質を低下させるため好まし
くない。(C)の添加量は、難燃性向上に寄与させるため
には2重量部以上が好ましいが、10重量部を超えると
難燃性向上が頭打ちとなり、またコストアップになるこ
とからも好ましくない。
キサンであることを特徴とする。(請求項15)ジメチ
ルシロキサンは他のオルガノポリシロキサンに比べ難燃
性向上効果が高く、ブルーサイト鉱石を原料とする水酸
化マグネシウムを添加した際に生じる樹脂組成物の赤褐
色変色を抑制するという特異な効果も大きいことが見出
された。
子内に極性基として酸無水物、アクリルエステル、ビニ
ルエステル、シラン、シラザン、ニトリル、フェニル、
アミドを有する化合物少なくとも1種類と、非極性基と
してαオレフィンを有する化合物少なくとも1種類を共
重合して得られる分子量が2000〜35000の化合
物であり、(A)100重量部に対する添加量が1〜1
0重量部であることを特徴とする。(請求項16)
(D)として、前記の化合物を添加することにより、
(A)ポリオレフィン樹脂と(B−1)金属水和物ある
いは(B−2)無機充填剤との相溶性を高めることがで
きるとともに、これらを混合した樹脂組成物の溶融時の
流れ性を高められることが判った。そのため、これらの
特性が相乗的に働いて、従来使われている滑剤を使用せ
ずに、押出時の肌粗れが防止できるという特異な効果が
発現すると考えられる。(D)の添加量が1重量部未満
では前記の効果が不十分であり、10重量部を超えると
効果が頭打ちになり、また経済性の面からも好ましくな
い。
子内に極性基として酸無水物を有する化合物と、分子内
に非極性基としてαオレフィンを有する化合物少なくと
も1種類を共重合して得られる、分子量が2500〜1
5000、鹸価度が100〜400KOH・mg/gの
化合物であることを特徴とする。(請求項17)前記、
分子内に酸無水基を有する化合物とαオレフィンを有す
る化合物を共重合してえられる化合物は、押出時の肌粗
れ防止効果の点で特に好ましい。また、分子量が250
0を下回る場合、樹脂と金属水和物や無機充填剤との相
互作用が不十分で、樹脂組成物押出時の肌粗れを抑えき
れない。分子量が15000を超える場合、押出加工時
のスクリュウトルクが上昇し線速を上げられなくなる。
また、材料混合時、分子量が小さすぎると液体となり扱
い難く、大きすぎると融点が上がりやはり扱い難い。鹸
価度は100を下回ると前記相互作用の効果が小さく、
400を超えると水分を含みやすくなり成型加工時の高
温により発泡現象を招くことになる。
と無機充填剤を添加した難燃性樹脂組成物は、次の理由
により押出加工性が悪い。すなわち、金属水和物と無
機充填剤添加により粘度が上昇し押出トルクが上がる。
樹脂と充填剤の相溶性が悪いため押出時に肌粗れが生
じやすい。の対策として従来は、外部滑剤としてステ
アリン酸やステアリン酸の金属塩等の金属石鹸類を添加
してやることにより滑り性を上げ、粘度の低下を行って
きたが、に対しては効果のある手法は報告されておら
ず、ステアリン酸等の添加も効果がなかった。本発明に
おいて、(D)金属水和物、無機充填剤と親和性の高い極
性基とポリオレフィンと親和性の高い非極性のパラフィ
ン系炭化水素基とを分子内に併せ持つ化合物である反応
性滑剤は、次に示す様に、前記両方への対策となる
と考えられる。すなわち、分子内の非極性基と極性基が
それぞれポリオレフィン樹脂混合物および金属水和物も
しくは無機充填剤の間で相溶性を向上させる役割を果た
すと共に、混合あるいは押出加工時の温度上昇により粘
度が低下するため、滑剤の役割をも発揮するのである。
脂としては、エチレンやα−オレフィンのホモポリマー
あるいは共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の共重
合体等を、単独であるいは2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのポリオレフィン樹脂の中でも、先
に述べたように、(A-1)と(A-2)さらには(A-3)を選択的
に組合わせることにより、電気的特性、機械的特性のみ
ならず押出成形時の加工性に優れた樹脂ベースを提供で
きる。
してなるLLDPEとしては、メタロセン触媒に代表さ
れるシングルサイト触媒、いわゆるチーグラー系触媒
(チタン系、クロム系等)に代表されるマルチサイト触
媒、いずれによって重合されたものでも使用可能であ
る。この中でも、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチ
ルペンテン−1もしくはオクテン−1をα−オレフィン
コモノマーとする直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい
が、樹脂組成物の柔軟性を考慮した場合、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等の嵩高い
コモノマーを使用したものが、ラメラが薄く柔軟性に寄
与するため特に好ましい。(A-1)に用いるポリマーの密
度は0.880〜0.920の範囲が好ましいが、耐油
性能を考慮した場合、低密度のポリマーは不利であり、
上記記載範囲以下のものは性能不良を起こす危険性が高
い。例えば密度が0.880未満の樹脂を使用した場合
には、JIS C3005に規定された電線被覆材に要
求される耐油性能が満足できなくなる。
(MWD=1)に近いほど材料強度が高くなる傾向があ
り、充填剤の高充填化には効果的だが、高剪断時の剪断
粘度低下が小さく、押出トルクが高くなり加工性が悪く
なる。一方、分子量分布が広くなると低分子量成分をよ
り多く含む結果となり高剪断時の剪断粘度低下効率が高
く、高速押出時のスクリュウトルク低減に寄与するた
め、押出加工性は向上するが、逆に材料強度が低下す
る。よって(A-1)に用いるポリマーの分子量分布として
は、加工性と材料強度のバランスを考慮したばあい、
3.0〜6.0の範囲が最適となる。ポリマーのMFR
は平均分子量の指標である。MFRが小さいと高分子量
成分が多くなり、押出加工が難しくなる。一方、MFR
が大きいと低分子量成分が過剰になり材料強度が低下す
る。よって、「電気用品の技術基準及び取扱細目」に規
定された強度特性を得るためには、(A-1)に用いるポリ
マーのMFRは、0.5〜2.0の範囲にあることが好
ましい。前記の密度、分子量分布、MFRの条件に適合
する(A-1)のポリマーとしては、例えば、ブテン−1ま
たはヘキセン−1をコモノマーとして気相法により重合
した樹脂や、4−メチルペンテン−1またはオクテン−
1をコモノマーとして溶液重合法により重合した樹脂、
ブテン−1、ヘキセン−1をコモノマーとして用い高圧
イオン重合法により重合した樹脂等があげられる。
EMAが使用できるが、極性コモノマーであるVA、E
A、MAの添加量が10〜25重量%、MFRが0.5
〜5.0、スウェル比が1.2〜2.5の範囲にあるポ
リマーが特に好ましい。これらの極性基を有するコポリ
マーはエチレンホモポリマーに比べフィラー充填系での
発熱時間が短く、難燃性材料への使用に適する。特に使
用時の材料特性(強度等)を考慮すると上記MFRの範
囲をもたらす平均分子量を有するものがよい。極性基の
含有率は低すぎると発熱量低減効果が低下し、高すぎる
とブレンド相手であるLLDPEとの相溶性が低下し材
料特性を低下させる。また極性基はポリエチレン骨格の
結晶性を低下させるため含有率が高いほど柔軟性を向上
させることができるが、高すぎる含有率は上記の通り特
性を悪化させるため好ましくない。
る低密度ポリエチレンで、密度が0.910〜0.92
0、MFRが0.5〜2.0、スウェル比が1.2〜
2.5の範囲にあるものが特に好ましい。(A-3)は(A-2)
に比較して安価であるため、(A-3)を加えて(A-2)の比率
を減らせば、コスト的に有利になる。但し、難燃性の低
下を防ぐため、(A-2)に対する(A-3)の比率は66%の範
囲を超えないことが好ましい。なお、本発明のポリオレ
フィン樹脂混合物において、難燃性の効果を発揮させる
に必要な極性コモノマーの全樹脂成分に対する割合PR
(極性率)は7〜12重量%が好ましいので、(A-2)の
極性モノマー含有率を考慮して、(A-1)、(A-2)および(A
-3)の比率を決めれば良い。
り、高剪断時の剪断粘度低下に効果を発揮する。そのた
め高速押出時に押出機スクリュウを高速回転させた場合
のトルク上昇を低く抑えることができる。さらに長鎖分
岐を有するために溶融時の張力(メルトテンション)が
高く、押出ダイ通過直後に生じる肌粗れ現象を低減する
のに効果がある。フィラー充填材料の押出では、しばし
ばこの肌粗れ現象が問題になるがこれはフィラー充填材
料のメルトテンションが低いからであり、この対策とし
てメルトテンションの高い長鎖分岐ポリマーの効果が必
要である。ただし分岐の程度が低い場合はメルトテンシ
ョンも低く効果的でないため、分岐度が指定した範囲に
あることが必要となる。ダイスウェル比は長鎖分岐の数
を便宜的に評価する指標である。分岐数が大きい樹脂ほ
どダイスウェル比の値が大きくなる。長鎖分岐数が大き
い樹脂は分子同士の絡み合い頻度が大きく、結果として
高いメルトテンションを有する樹脂材料となる。
は、水酸化マグネシウムあるいは水酸化アルミニウムが
適しており、これらを単独あるいは混合して使用でき
る。加工時の加熱温度を考慮すると、水酸化アルミニウ
ムは約250℃で吸着水の放出がピークとなる。その前
後の温度域で水分の放出により成型品中に気泡が発生す
る傾向がある。このため加工温度が上昇しやすい高速押
出加工に用いる材料の場合、水酸化マグネシウムの使用
が好ましい。水和物系の充填剤は吸湿性を有するために
材料の絶縁抵抗が低下する傾向があるとされるが、ステ
アリン酸等で十分に表面処理を受けたものを使用するこ
とにより絶縁抵抗の低下を防ぐことができる。また水酸
化マグネシウムは空気中の水分及び二酸化炭素と反応
し、炭酸マグネシウムを生成することにより成型品表面
に白色の斑点を形成することがあるが、ブルーサイト鉱
石を原料とする水酸化マグネシウムはこの白色斑点形成
を抑制する効果(いわゆる耐CO2白化性)があり好ま
しい。
は、樹脂成形材料に使用されるタルク、クレー、酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が使
用可能である。この中でも特に炭酸カルシウムは二次凝
集が起きにくいために扱いやすく好ましい。炭酸カルシ
ウムは、二次凝集をおこしやすい(B-1)金属水和物と配
合した時に、金属水和物の分散性も向上させる役割を果
たすと考えられる。
併用して用いた時には、難燃性効果を高めるため、その
添加により前記の無機系充填剤の添加量を減らすことが
でき、押出加工性には有利に働く。それに加え、本発明
者らは、ポリシロキサンが、ブルーサイト鉱石を原料と
する水酸化マグネシウムを添加した際に生じる樹脂組成
物の赤褐色変色を、抑制するという特異な効果があるこ
とをも見出した。本発明で用いる(C)ポリシロキサンと
しては、ストレート系、変性系等のオルガノポリシロキ
サンが適している。本発明者らは、その中でも、いわゆ
るストレート系のメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、ジメチルポリシロキサン等の難燃化効果が高く、前
記の赤褐色変色抑制効果にも優れていることを見出し
た。ストレート系ポリシロキサンの中でも、ジメチルポ
リシロキサンが最も難燃性向上効果が高く、赤褐色変色
抑制効果も大きいため、特に好ましい。ポリシロキサン
は、粘度が6000〜25000cStの範囲にあること
が好ましい。前記粘度が、6000cStを下回ると、材
料からのブリードが生じ好ましくない。また、2500
0cStを上回ると材料混合時に分散させることが困難に
なりコンパウンドの質を低下させる。
は、酸無水物、アクリルエステル、ビニルエステル、シ
ラン、シラザン、ニトリル、フェニル、アミド等の極性
基を有するモノマーと、αオレフィン等のオレフィン系
モノマー共重合した化合物が適している。滑剤として有
効に機能するためには、(D)の分子量は50000以下
であることが好ましい。特に、分子量は2000〜35
000の範囲であれば、滑剤効果が大きく、押出線速向
上を図ることができ押出成型品の表面状態が良好にな
る。前記の中でも、酸無水物とαオレフィンの共重合物
の使用が有効で、特に、分子量2500〜15000、
鹸価度100〜400KOH・mg/gであるものが好
ましい。上記の分子量の範囲であれば、滑剤としての効
果を十分発揮し、鹸化度により指定される範囲の酸無水
基の存在により金属水和物や無機充填剤との相溶化が容
易となる。さらに、酸無水物としてはコハク酸無水物、
マレイン酸無水物(無水マレイン酸)等の使用が可能で
ある。経済的な効果を考慮すると無水マレイン酸の使用
が好ましい。α−オレフィンとしては、エチレン、ブテ
ン、ヘキセン、オクテンおよびこれらを重合したものの
使用が可能である。その中でも、エチレンを低重合度で
重合して得た分子式:CH3(CH2)nCH=CH2
(n=20〜28)で表されるものが、前記酸無水物と
共重合した化合物の滑剤として特に効果が大きく、好ま
しい。
を阻害しない範囲で、酸化防止剤、銅害防止剤、紫外線
吸収剤、紫外線隠蔽剤、カーボンその他着色用顔料等、
一般的に樹脂成形材料に使用される添加剤を配合しても
よい。特に酸化防止剤としてはDL−α−トコフェロー
ル(ビタミンE)、紫外線吸収剤としては有機骨格系の
ヒンダートアミン系紫外線吸収剤等が、人体や環境への
悪影響がなく、食品衛生上問題のないため、好ましい。
特に、DL−α−トコフェロールは、低添加量で効果が
あり、炭素骨格自体に対する酸素ラジカルの攻撃を抑え
る働きがあるため、従来の酸化防止剤(ビスフェノール
系等)の多量添加や紫外線吸収剤添加等による樹脂組成
物のコスト上昇を抑えることができる。
軸混練押出機、混練ニーダー、混練ロール等のコンパウ
ンディング設備で溶融混合し、必要に応じ適当な形状に
造粒等を行うことにより製造できる。また、こうして製
造したペレット等を用いて電線・ケーブルの絶縁あるい
はシース等の被覆については、通常の方法に準じて押出
機等を使用して行なうことができる。また、(C)ポリシ
ロキサンおよび(D)反応性滑剤については、前記のよう
に、樹脂と金属水和物や無機充填剤等の充填剤を混合す
る時に他の添加剤と同様に添加しても、予め充填剤に表
面処理剤として塗布しておき混合時にその充填剤を用い
ても同様に押出時の加工性改善に効果を発揮する。
載の規格および条件により測定を行い評価した。 1)引張特性:樹脂組成物から厚さ1mmのプレスシー
トを作製し、JIS C3005に規定された方法で、
JIS改3号ダンベルを打ち抜き、常温において引張速
度200mm/分で引張り、抗張力と破断伸び率を測定
した。ケーブルの絶縁材料あるいはシース材料として用
いるためには、抗張力と破断伸び率は、それぞれ10M
Pa以上、350%以上であることが好ましい。 2)曲げ弾性率:JIS K7171に規定された方法
で、標準試験片を作製し試験速度50mm/分にて測定
・評価した。曲げ弾性率は絶縁材料あるいはシース材料
の柔軟性を示す指標となり、ケーブルの取り扱いやすさ
を考慮すると、350MPa以下であることが好まし
い。
し、設定温度200℃、ダイスはオリフィス径0.5m
mφ、ランド長8mmでキャピラリーレオメータを使用
して剪断速度3000/secで測定し、見掛けの剪断
粘度からラヴィノヴィッチ補正を行なって真の粘度を算
出した。高剪断速度下での剪断粘度が低い樹脂材料ほ
ど、高速押出時の押出トルク上昇を低く押さえることが
できるので、押出加工には有利であり、70Pa・se
c以下の値を取ることが好ましい。 4)押出外観:前項の剪断粘度測定においてキャピラリ
ーレオメータを使用して押出した成形品について、JI
S B0601に規定された方法に基づき平均表面粗さ
を測定し評価した。ケーブル材料として平均表面粗さR
aは5μm以下であることが好ましい。
て測定した。難燃性の指標としては27以上であること
が好ましい。 6)電線燃焼試験:150mmφ押出機により、設定温
度170℃で、外径6mmの撚線導体に1.5mm厚で
樹脂組成物を押出被覆し、外径約9.4mmの絶縁電線
を作製した。この絶縁電線について、JISC3005
に規定された方法に従って燃焼試験を行った。評価は、
電気用品の技術基準及び取扱細目に則り、60秒以内に
自消する場合を○、それ以外を×として表した。
体的な実施態様を説明する。 (実施例1)表1に示す、LLDPE−1、EVA−1
およびLDPE−1を、無水マレイン酸−αオレフィン
共重合体(分子量9000、鹸価度165KOHmg/
g)、ジメチルポリシロキサン(粘度が25000cS
t)、水酸化マグネシウム(平均粒子径3.5μm、M
g(OH)2の含有量が85〜95重量%のブルーサイト
鉱石を原料とするもの)、および炭酸カルシウム(平均
粒子径1.2μm)と、表2に示す重量部数で混合し白
色の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。この組成
物を、180℃、10トンプレスによりプレスシート
を、前記電線燃焼試験の項で記載した方法で絶縁電線を
作製し、前記の特性を測定し、その結果を表2に示し
た。なお、プレスシートおよび電線の被覆は前記樹脂組
成物と同等の色合いで、加工による着色等は見られなか
った。
び表2に示す配合材料を用い、これら配合材料の部数を
表2とする以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィ
ン樹脂組成物を得た。この組成物からプレスシートおよ
び絶縁電線を作製し前記の特性を測定し、その結果を表
2および表3に示した。これら樹脂組成物、プレスシー
トおよび絶縁電線の被覆はいずれも加工による着色等は
見られなかった。
ポリシロキサンを含む樹脂組成物に、反応性滑剤である
無水マレイン酸−αオレフィン共重合体あるいはメチル
メタアクリル酸エステル−αオレフィン共重合体を添加
した実施例1〜7においては、押出外観を示す平均表面
粗さの値が低く、押出成形後のサンプル表面状態が良好
であった。これに対し、反応性滑剤を添加しなかった比
較例1、2、5においては、平均表面粗さの値が高く、
目視上も表面状態の粗れを観察することができた。ま
た、絶縁電線を作製した時の押出線速は、比較例の場合
に比べ実施例の場合が3〜10倍と高く、これらの添加
物が高速押出時の押出外観を良好に保つのに大きく寄与
していることが判る。実施例4を比較例5と比較する
と、剪断粘度が低く、平均表面粗さも小さい値を示す。
これは、添加した無水マレイン酸−αオレフィン共重合
体が滑剤として働くとともに、樹脂と充填剤の相溶化剤
として作用するためと考えられる。そのため、押出加工
時には、スクリュウ回転数を上げても負荷が上昇せず、
加工速度を上げることができる。無水マレイン酸グラフ
トLDPEを加えた比較例3、4では、平均表面粗さは
低い値をもつが、剪断粘度が上昇する傾向にある。その
ため、実際に押出加工を行ってみると押出時の負荷電流
が上昇し、押出線速を下げざるを得ない。この原因は、
無水マレイン酸グラフトLDPEの分子量が、実施例に
あげた反応性滑剤に比較して大きいためと考えられる。
が低い値を示すが、押出加工品の平均表面粗さの値は大
きい。これは、EVAでは水酸化マグネシウム等の無機
充填剤に対する親和性が低く、押出成型時に樹脂と充填
剤の相溶化剤としては不十分であるためと考えられる。
比較例1では、押出成型品の押出外観(平均表面粗さ)
さらに悪化するが、前記のように、樹脂と充填剤の相溶
化剤や滑剤として働く成分が存在しないためと考えられ
る。
み、ジメチルポリシロキサンと水酸化マグネシウムが共
存する例では、いずれも酸素指数が高い値を示し、電線
燃焼試験に合格する。比較例1は、EVAを含まない
が、電線燃焼試験が不合格となり、EVAが難燃性向上
に寄与することが判る。また、いずれの例でも、ブルー
サイト鉱石を原料とする水酸化マグネシウムを添加した
際に生じる樹脂組成物の赤褐色変色が発生しなかったの
は、ジメチルポリシロキサン添加の効果と考えられる。
物は、ハロゲンやリンを含まないでも高度な難燃性をも
ちながら、押出加工性に優れ高速押出時に表面粗れ等の
問題が起こりにくいため、電線・ケーブルの絶縁体やシ
ースに用いれば、火災時での発煙性が低く、ハロゲン化
水素等の有害ガスの発生がない電線・ケーブルを低コス
トで製造することができる。また、本発明の難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物は、材料混合時や押出時に着色が
起こりにくいため、白色や色物ので電線にも適してお
り、より広範囲の電線・ケーブルにも利用できる。
Claims (17)
- 【請求項1】(A)ポリオレフィン樹脂100重量部
に、(B−1)金属水和物50〜140重量部、(C)
ポリシロキサン2〜10重量部、(D)反応性滑剤1〜
10重量部を含有せしめたことを特徴とする難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物。ここで、(D)反応性滑剤と
は、分子内に極性基を有するモノマーと、オレフィン系
モノマーを共重合した化合物で、分子量が2000以
上、50000以下の化合物を指す。 - 【請求項2】(A)ポリオレフィン樹脂100重量部
に、(B−1)金属水和物50〜140重量部、(B−
2)無機充填剤10〜60重量部、(C)ポリシロキサ
ン2〜10重量部、(D)反応性滑剤1〜10重量部を
含有せしめたことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物。ここで、(D)反応性滑剤とは、分子内に極
性基を有するモノマーと、オレフィン系モノマーを共重
合した化合物で、分子量が2000以上、50000以
下の化合物を指す。 - 【請求項3】(A)ポリオレフィン樹脂が、(A−1)
エチレンとα―オレフィンを共重合してなる直鎖状低密
度ポリエチレン30〜80重量%、と、(A−2)エチ
レン酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル
共重合体もしくはエチレンーアクリル酸メチル共重合体
から成る群より選ばれた少なくとも1つを20〜70重
量%含むポリオレフィン混合物であることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の難燃性ポリオレフィン
樹脂組成物。 - 【請求項4】(A)ポリオレフィン樹脂が、(A−1)
エチレンとα―オレフィンを共重合してなる直鎖状低密
度ポリエチレン30〜80重量%、と、(A−2)エチ
レン酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル
共重合体もしくはエチレンーアクリル酸メチル共重合体
から成る群より選ばれた少なくとも1つ、および、(A
−3)高圧重合法による低密度ポリエチレンを、(A−
2)と(A−3)とを合せた量で20〜70重量%含む
ポリオレフィン樹脂混合物であることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂
組成物。 - 【請求項5】(A−1)エチレンとα―オレフィンを共
重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンにおけるα―オ
レフィンが、ブテンー1、ヘキセンー1、4―メチルペ
ンテンー1もしくはオクテンー1から成る群より選ばれ
た少なくとも1つであることを特徴とする請求項3また
は請求項4に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項6】(A−1)の密度が0.880〜0.92
0、分子量分布が3.0〜6.0、MFRが0.5〜
2.0の範囲にあることを特徴とする請求項3または請
求項4に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項7】(A−2)に含まれる酢酸ビニル、アクリ
ル酸エチルもしくはアクリル酸メチルの含有量がいずれ
も10〜25重量%であり、(A−2)のMFRが0.
5〜5.0、ダイスウエル比が1.2〜2.5の範囲に
あることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項8】(A−2)がエチレン酢酸ビニル共重合体
であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載
の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項9】(A−3)の密度が0.910〜0.92
0、MFRが0.5〜2.0、ダイスウエル比が1.2
〜 2.5の範囲の範囲にあることを特徴とする請求項
4に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項10】(B−1)が水酸化マグネシウムまたは
水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の難然性樹脂組成物。 - 【請求項11】(B−1)が水酸化マグネシウムであ
り、その平均粒子径(D50)が1.0〜7.0μm
で、Mg(OH)2 の含有量が85〜95重量%のブル
ーサイト鉱石を原料とすることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成
物。 - 【請求項12】(B−1)が水酸化マグネシウムまたは
水酸化アルミニウムであり、(B−2)が炭酸カルシウ
ムであることを特徴とする請求項2に記載の難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物。 - 【請求項13】(B−2)が平均粒子径(D50)1.
0〜7.0μmの炭酸カルシウムであることを特徴とす
る請求項2に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項14】 (C)が、粘度が6000〜25000
cStの範囲にあるオルガノポリシロキサンであること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物。 - 【請求項15】 (C)がジメチルポリシロキサンである
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の難燃性
ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項16】(D)反応性滑剤が、分子内に極性基と
して酸無水物、アクリルエステル、ビニルエステル、シ
ラン、シラザン、ニトリル、フェニル、アミドを有する
化合物少なくとも1種類と、非極性基としてα―オレフ
ィンを有する化合物少なくとも1種類を共重合して得ら
れる、分子量が2000〜35000の化合物であるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性
ポリオレフィン樹脂組成物。 - 【請求項17】(D)反応性滑剤が、分子内に極性基と
して酸無水物を有する化合物と、分子内に、非極性基と
してα―オレフィンを有する化合物少なくとも1種類を
共重合して得られる、分子量が2500〜15000、
鹸価度が100〜400K0H・mg/gの化合物であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難
燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
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