JP4909453B2 - 電線用被覆材料及び該被覆材料を用いた電線 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線におけるシース層、絶縁層等に用いられる電線用被覆材料に関し
、詳しくは、外傷白化及び曲げ白化が極めて起こりにくく、しかも、優れた耐寒性、及び耐摩耗性を有する電線被覆材料及び該被覆材料を用いてなる電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線・ケーブルにおけるシース層、絶縁層等に用いられる被覆材料において、難燃性が要求される場合、当該被覆材料析料にはポリ塩化ビニル(以下、PVCと称す)が使用されてきた。しかし、電線の廃棄焼却時にPVCがダイオキンや塩化水素ガスなどの有毒ガスの発生原因となる疑いから、PVCの使用を制限し、環境負荷が少ないポリオレフィン系樹脂に金属水酸化物からなる難燃剤をブレンドしてなる難燃性ポリオレフィンが用いられるようになってきている。
【0003】
上記金属水酸化物からなる難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が一般的である。しかし、ポリオレフィン系樹脂に金属水酸化物からなる難燃剤をブレンドしてなる被覆材料は、優れた難燃性を有するものの、特にシース層に用いた場合に、他の物体との擦れや引っ掻き傷、電線同士の擦れ(例えば、複数本の電線が撚り合わさった組物電線での電線間の位置ずれによる電線同士の擦れ)等による白化(以下、外傷白化とも称す)や屈曲した時の屈曲部での白化(以下、曲げ白化とも称す)を生じるという問題点を有している。
【0004】
外傷白化は、電線・ケーブル製造時のガイドロールとの接触や、電線・ケーブルの布設作業時等での他の物体との接触によって起こるが、シース層の表面のみで生じるので、電線の物性に大きく影響はしないが、電線の外観(見栄え)が損なわれるため、商品価値が低下してしまう。一方、曲げ白化は電線・ケーブルの布設作業等において電線を屈曲させた時に起こり、金属酸化物とベースレジンの界面剥離によるミクロクラックが原因と考えられるため、ミクロクラックがシース層の最底部まで侵行することによる、シース層の物性低下が懸念される。
【0005】
特許第2825500号公報には、上記シース層の白化を、アミノシラン系カップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウムを用いることにより防止する提案がなされている。しかしながら、かかるアミノシラン系カップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウムを用いても、シース層が強く擦られた場合に白化が起こり、また、シース層のベースレジン(ポリオレフィン樹脂)が比較的柔らかい場合には白化(外傷白化)が起こる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、外傷白化及び曲げ白化が極めて起こりにくい電線用被覆材料を提供することを第1の目的としている。
また、外傷白化及び曲げ白化が極めて起こりにくく、しかも、優れた耐寒性及び耐摩耗性を有する電線用被覆材料を提供することを第2の目的としている。
また、上記電線被覆材料からなるシース層及び/または絶縁層を有する電線を提供することを第3の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、ポリオレフィン系樹脂からなるベース樹脂に、表面処理されていない水酸化マグネシウムとともに、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂をブレンドすると、白化が高いレベルで抑制され、しかも、耐寒性及び耐摩耗性等が向上した電線用被覆材料が得られることを知見し、該知見に基づき、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下の特徴を有している。
(1)以下のA成分、B成分およびC成分を含み、「A成分+B成分」を90重量部あたり任意成分としてD成分を10重量部以下含んでなり、配合重量比が、A成分:B成分=99:1〜65:35であり、(A成分+B成分+D成分):C成分=100:(50〜150)である電線用被覆材料。
A成分:ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)
B成分:α−オレフィン−酸無水物−アクリル系化合物三元共重合体、およびα−オレフィン−酸無水物−ビニルエステル系化合物三元共重合体の群から選ばれる少なくとも一種(B成分におけるアクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物の含有量は0.1〜40重量%)
C成分:表面処理がされていない水酸化マグネシウム
D成分:ポリイソブチレン
(2)以下のA成分、B成分、C成分およびD成分を含んでなり、
配合重量比が、A成分:B成分=99:1〜65:35であり、
(A成分+B成分):D成分=99.5:0.5〜90:10であり、
(A成分+B成分+D成分):C成分=100:(50〜150)である電線用被覆材料。
A成分:ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)
B成分:α−オレフィン−酸無水物−アクリル系化合物三元共重合体およびα−オレフィン−酸無水物−ビニルエステル系化合物三元共重合体の群から選ばれる少なくとも一種(B成分におけるアクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物の含有量は0.1〜40重量%)
C成分:表面処理がされていない水酸化マグネシウム
D成分:ポリイソブチレン
(3)上記(1)又は(2)に記載の電線用被覆材料からなるシース層および/または絶縁層を有する電線。
本発明における「電線用被覆材料」とは、シース材料および/または絶縁材料を含めた電線を被覆するための材料を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の電線用被覆材料は、下記A成分、B成分およびC成分を必須成分としている。
A成分:ポリオレフィン樹脂
B成分:酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂
C成分:表面処理されていない水酸化マグネシウム
【0010】
本発明において、A成分のポリオレフィン系樹脂は、主に電線用被覆材料に要求される基本物性(絶縁性、誘電率等の電気的性質、柔軟性、伸長性、引張強度等の機械的性質、耐薬品性等の化学的性質、加工性等)を担うベース成分であり、該ポリオレフィン系樹脂としては、通常、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂が使用される。該ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンと他のビニル化合物との共重合体、またはこれらの混合物などが使用され、エチレンと他のビニル化合物との共重合体としては、エチレンと他のα−オレフインとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル若しくはメチルアクリレート、若しくはエチルアクリレートとの共重合体などが好ましく、エチレンと他のα−オレフインとの共重合体におけるα−オレフインとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,4−メチル−1−ペンテン、へキセン−1、オクテン−1などが挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のビニル化合物との共重合体、またはこれらの混合物などが使用され、プロピレンと他のビニル化合物との共重合体としては、プロピレンと他のα−オレフインとの共重合体が好ましく、当該α−オレフインとしては、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、へキセン−1、オクテン−1などが挙げられる。
これらのうち、特に好ましいものは、機械的特性と熱的性質の点から、ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)である。また、ポリエチレンは水酸化マグネシウムの受容性の点から、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましく、特に好ましくは、密度が0.800〜0.930g/cm3の範囲にあるものである。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの含有量が5〜45重量%のものが好ましく、エチレン−メチルアクリレート共重合体はメチルアクリレートの含有量が5〜45重量%のものが好ましく、エチレン−エチルアクリレート共重合体はエチルアクリレートの含有量が5〜45重量%のものが好ましい。なお、上記密度はJIS K 6922に規定の測定方法による。
【0011】
B成分の酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂は、分子内に少なくとも1個のビニル基を有する酸無水物を共重合成分として含有するポリオレフィン系樹脂であり、主として被覆材料の白化の原因となる水酸化マグネシウムと樹脂との界面剥離を防止する作用を有する。該酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、α−オレフイン−酸無水物二元共重合体、α−オレフイン−酸無水物−アクリル系化合物、若しくはビニルエステル系化合物三元共重合体などが挙げれ、これらは何れか一方または両者を併用してもよい。
【0012】
上記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトランコン酸、無水グルタコン酸などが好ましく、特に好ましくは無水マレイン酸である。当該酸無水物が水酸化マグネシウムとの間に水素結合を形成して、水酸化マグネシウムと樹脂間に強い接着力が得られ、被覆材料中での水酸化マグネシウムと樹脂間の界面剥離が防止される。
【0013】
上記α−オレフインとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1などが好ましく、特に好ましくはエチレンである。当該α−オレフインは当該B成分のA成分(ポリオレフィン系樹脂)への親和性を担う成分であり、かかる観点から、当該α−オレフインとしては、A成分のポリオレフィン系樹脂の好適例として挙げたポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体に対して良好な親和性が得られるように、エチレンを用いるのが特に好ましい。
【0014】
上記アクリル系化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルなどが好ましく、特に好ましくはアクリル酸エチルである。また、上記ビニルエステル系化合物としては、酢酸ビニルなどが好ましい。
【0015】
当該酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂中の酸無水物の含有量は、例えば、α−オレフイン−酸無水物二元共重合体の場合、通常、0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜5.0重量%であり、α−オレフイン/酸無水物/アクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物三元共重合体の湯合、通常0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜5.0重量%である。当該樹脂の被覆材料中の樹脂成分と表面処理されていない水酸化マグネシウムとの配合比率にもよるが、酸無水物の含有量が上記範囲よりも少ない場合は十分な白化防止効果が得られにくく、多い場合は被覆材料の引張強度が低下する傾向を示す。
【0016】
本発明ではα−オレフイン−酸無水物−アクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物三元共重合体が白化防止の点で特に良好な結果を得ることができる。この理由としては、アクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物が共重合体の結晶化度を低下させ、かかる共重合体の結晶化度の低下により、成形収縮で発生する残留応力による水酸化マグネシウムと樹脂との界面の接着部の剥離が起こりにくくなり、また、共重合体の粘着力も向上して水酸化マグネシウムと樹脂間の接着力が向上し、白化防止効果が高まるためと考えられる。なお、上記三元共重合体におけるアクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物の含有量は、通常、0.1〜40重量%、好ましくは、2〜30重量%である。
【0017】
当該酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂の配合により、被覆材料の白化防止効果が得られるだけでなく、材料の耐摩耗性、耐寒性が大きく向上する。これは、水酸化マグネシウムと樹脂間に強い接着力が得られることによるものである。 通常水酸化マグネシウム にはカップリング剤などの表面処理をして樹脂との相容性を向上させているが、本発明のように、ポリオレフィン系樹脂と酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂とからなるベース樹脂、特にさらにポリイソブチレン含有させた場合には意外にも、水酸化マグネシウムに表面処理剤を使用すると耐外傷性、曲げ白化性が低下する傾向にある。
【0018】
C成分の表面処理されていない水酸化マグネシウムは、通常使用される合成品や天然品のいずれの水酸化マグネシウムでも良いが、被覆材料中での樹脂への接着性を向上させる点で、合成水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。 合成品の水酸化マグネシウムとしては、比表面積(BET)で3〜7m2/g程度、結晶粒子径が0.5〜1.0μm程度、天然品の水酸化マグネシウムとしては、比表面積(BET)で3〜7m2/g程度、結晶粒子径が5〜10μm程度のものを用いれば良い。
【0019】
後に詳しく説明するが、本発明では、水酸化マグネシウムと樹脂との接着界面にかかる衝撃力のより一層の緩和を目的に、A成分及びB成分とは別に、さらに、D成分としてポリイソブチレンを配合してもよい。
かかるD成分を配合しない態様、すなわち、被覆材料中のポリマー成分がA成分とB成分で構成される場合、これらA成分、B成分の配合重量比(A成分:B成分)は、通常、99:1〜50:50、好ましくは97:3〜65:35である。かかる範囲を外れてB成分の量が多くなると(A成分の量が少なくなると)、被覆材料の引張強度等の機械的強度および耐熱性が低下する傾向を示し、B成分の量が少なくなると(A成分の量が多くなると)、白化防止効果が低下する傾向を示し、また、被覆材料の耐磨耗性及び耐寒性が低下する傾向を示す。
【0020】
この種の被覆材料において、難燃剤に水酸化マグネシウムを用いる場合、十分な難燃性を得るには、概ね、材料中のポリマー成分100重量部当たり水酸化マグネシウムを50〜200重量部程度配合するのが一般的であるが、本発明の被覆材料においても、C成分の表面処理されていない水酸化マグネシウムは、被覆材料中のポリマー成分100重量部(すなわち、ポリイソブチレンを配合しない態様では、A成分とB成分の合計配合量100重量部、ポリイソブチレンを配合する態様では、A成分とB成分とポリイソブチレンの合計配合量100重量部)に対して、通常50〜150重量部、好ましくは70〜130重量部配合する。かかる範囲を外れてC成分の量が多くなると、被覆材料の柔軟性、伸長性、耐外傷白化性、耐曲げ白化性等が低下する傾向を示し、少なくなると、被覆材料の難燃性が低下する傾向を示す。
【0021】
本発明では、水酸化マグネシウムと樹脂との接着界面にかかる衝撃力のより一層の緩和を目的に、D成分:ポリイソブチレンを適量配合してもよく、当該D成分の配合により、被覆材料の外傷白化、曲げ白化がより高いレベルで防止される。
なお、ここでの引張弾性率はJIS K 7113の測定方法で測定された値である。
【0022】
当該D成分を配合する態様においては、被覆材料中におけるA成分とB成分の合計配合量に対するとD成分の配合比((A成分+B成分):ポリイソブチレン成分)は、通常、99.5:0.5〜90:10(重量比)で、好ましくは99:1〜95:5とする。かかる範囲を外れて、ポリイソブチレン成分の配合量が多くなると、被覆材料の引張強さ等の機械的強度および耐熱性が低下する傾向を示し、少なくなるとポリイソブチレンの配合による効果が得られ難くなる。
【0023】
本発明の被覆材料には、この種の分野で使用されている公知のハロゲンを含まない補助資材を適量配合してもよい。
かかる補助資材としては、安定剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、カーボンブラック、架橋剤、滑剤、加工性改良剤、帯電防止剤、難燃助剤等である。
【0024】
本発明の被覆材料は、上記A成分〜C成分を所望により上記各種補助配合材を加えて、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機等の公知の混練装置で混練し、該混練物を射出成形、押出成形、回転成形、プレス成形等によつて所望の形態に成形することで製造される。
【0025】
本発明の電線用被覆材料は、外傷白化及び曲げ白化が高いレベルで防止され、しかも、優れた耐寒性及び耐摩耗性を有するもので、電線のシース層及び絶縁層の両方に使用できるが、白化防止の観点からは、シース層に特に好適である。
【0026】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかるる実施例によって限定されるものではない。
【0027】
(実施例1〜3、比較例1〜4)表1の上欄に示す各成分をバンバリーミキサー(東洋精機製作所製)に一括投入し、20分間混練した後、プレス成形により160℃で10分間成形し、各実施例及び各比較例の試験シート及び試験片を作成し、それぞれについて以下の評価試験を行った。なお、各成分の配合量は重量部である。また、LDPE、EEA、および、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エチル三元共重合体のMFR(メルトフローレート)はJIS K 6992による測定値である。LDPEのD硬度はデュロメータ法に基づく値である。ポリイソブチレンの固有粘度は溶媒としてジイソブチレンを用いた測定値である。
【0028】
〔評価試験〕
・引張特性
厚さ1mmの試験シートについて、引張強さ(MPa)と伸び(%)をJISK7113に従って測定。
・耐寒性
厚さ2mmの試験シートについて、JIS C 3005に従って実施。試験温度は−50℃で、亀裂無し(○)、亀裂あり(△)、破断(×)の3段階で評価。
・耐摩耗性
厚さ1mmの試験シートについて、JIS K 6902に準拠して,摩耗試験1000回転後の重量減少量を測定。摩耗輪はテーバ社製H−18を使用し、荷重は4.9Nとした。
・耐曲げ白化性
厚さ1mm、幅20mm、長さ100mmの試験片を作製し、これを180度に2回折り曲げて目視により白化度を観察。白化せず(○)、部分的に白化(△)、全面的に白化(×)の3段階で評価。
・耐外傷白化性
耐磨耗試験実施後の試料の摩耗部の白化の度合いを、白化せず(○)、部分的に白化(△)、全面的に白化(×)の3段階で評価。
これらの試験結果が表1の下欄である。
【0029】
【表1】
Figure 0004909453
【0030】
表1から、実施例1〜3は曲げ白化、外傷白化が全く起こらず、しかも、優れた耐寒性及び耐摩耗性が得られることがわかる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明では、表面処理されていない水酸化マグネシウムと共に、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂を配合することにより、材料中での水酸化マグネシウムと樹脂間の接着性が向上し、外傷白化や曲げ白化が起こらず、しかも、優れた耐寒性及び耐摩耗性を有する電線・ケーブル用の被覆材料を得ることができる。

Claims (3)

  1. 以下のA成分、B成分およびC成分を含み、「A成分+B成分」を90重量部あたり任意成分としてD成分を10重量部以下含んでなり、配合重量比が、A成分:B成分=99:1〜65:35であり、(A成分+B成分+D成分):C成分=100:(50〜150)である電線用被覆材料。
    A成分:ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)
    B成分:α−オレフィン−酸無水物−アクリル系化合物三元共重合体およびα−オレフィン−酸無水物−ビニルエステル系化合物三元共重合体の群から選ばれる少なくとも一種(B成分におけるアクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物の含有量は0.1〜40重量%)
    C成分:表面処理がされていない水酸化マグネシウム
    D成分:ポリイソブチレン
  2. 以下のA成分、B成分、C成分およびD成分を含んでなり、配合重量比が、A成分:B成分=99:1〜65:35であり、(A成分+B成分):D成分=99.5:0.5〜90:10であり、(A成分+B成分+D成分):C成分=100:(50〜150)である電線用被覆材料。
    A成分:ポリオレフィン系樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)
    B成分:α−オレフィン−酸無水物−アクリル系化合物三元共重合体およびα−オレフィン−酸無水物−ビニルエステル系化合物三元共重合体の群から選ばれる少なくとも一種(B成分におけるアクリル系化合物若しくはビニルエステル系化合物の含有量は0.1〜40重量%)
    C成分:表面処理がされていない水酸化マグネシウム
    D成分:ポリイソブチレン
  3. 請求項1又は2に記載の電線用被覆材料からなるシース層および/または絶縁層を有する電線。
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