JPH10208774A - ポリマー電解質二次電池 - Google Patents

ポリマー電解質二次電池

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JPH10208774A
JPH10208774A JP9009502A JP950297A JPH10208774A JP H10208774 A JPH10208774 A JP H10208774A JP 9009502 A JP9009502 A JP 9009502A JP 950297 A JP950297 A JP 950297A JP H10208774 A JPH10208774 A JP H10208774A
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JP
Japan
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negative electrode
electrolyte layer
positive electrode
electrolyte
polymer electrolyte
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JP9009502A
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English (en)
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Toshiharu Kurisu
俊治 栗栖
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体ポリマー電解質層を改良することにより
製造時の内部短絡が防止され、かつ単位重量当りのエネ
ルギー密度が向上されたポリマー電解質二次電池を提供
する。 【解決手段】 活物質を含む正極3と、活物質を含む負
極1と、前記正極3及び前記負極1の間に配置され、補
強材、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを
含む固体ポリマー電解質層2とを具備し、前記電解質層
2の補強材は、有機物粒子を含むことを特徴とするポリ
マー電解質二次電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体ポリマー電解
質層を改良したポリマー電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達にともない、小型
で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放
電が可能な二次電池の開発が要望されている。このよう
な二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活
物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあ
るいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物
を活物質として含む懸濁液が塗布された集電体からなる
正極と非水電解液を具備した非水電解質二次電池が知ら
れている。
【0003】また、例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、
樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを
吸蔵放出する炭素質材料を含む懸濁液が塗布された集電
体を負極に用いた非水電解質二次電池が提案されてい
る。前記二次電池は、デンドライト析出による負極特性
の劣化を改善することができるため、電池寿命と安全性
を向上することができる。
【0004】一方、非水電解質二次電池の一例であるポ
リマー電解質二次電池は、例えば、以下に説明する方法
で製造される。まず、DBP(フタル酸ジブチル)のよ
うな後から除去することができる可塑剤と、ビニリデン
フロライド[VdF]とヘキサフルオロプロピレン[H
FP]の共重合体を溶媒の存在下で混合し、これをシー
ト状に成形して非水電解液未含浸の固体ポリマー電解質
層を作製する。一方、活物質と、前記可塑剤と、VdF
−HFP共重合体とを溶媒の存在下で混合し、これをシ
ート状に成形し、得られたシートを集電体に積層するこ
とにより非水電解液未含浸の正極を作製する。また、前
記可塑剤と、前記VdF−HFP共重合体と、リチウム
イオンを吸蔵放出し得る炭素質材料とを溶媒の存在下で
混合し、これをシート状に成形し、得られたシートを集
電体に積層することにより非水電解液未含浸の負極を作
製する。得られた正極、ポリマー電解質層、負極をこの
順番に積層した後、これらを熱圧着により一体化させ
る。ひきつづき、積層物中の可塑剤を例えば溶媒抽出に
より除去した後、非水電解液を含浸させることにより前
記電池を製造する。
【0005】しかしながら、前記ポリマー電解質層は圧
縮に対する強度が低いため、熱圧着による一体化工程の
際に前記電解質層がつぶれて正極と負極とが接触し、短
絡を生じるという問題点がある。また、ポリマー電解質
二次電池は、正極、負極及び電解質層を作製し、このよ
うな正極と負極の間に電解質層を介在し、これを渦巻状
に捲回し、非水電解液を含浸させることにより製造する
ことも可能である。しかしながら、前記ポリマー電解質
層の圧縮強度が低いため、捲回時に前記ポリマー電解質
層が伸びて正極と負極とが接触し、このような方法によ
ってもやはり短絡を生じる。
【0006】このようなことから、前記ポリマー電解質
層に酸化ケイ素(SiO2 )粉末のような無機フィラー
を添加することにより前記電解質層の圧縮強度を高め、
熱圧着や、捲回時の短絡を回避することが行われてい
る。しかしながら、前記無機フィラーを含むポリマー電
解質層を備えた二次電池は、単位重量当りのエネルギー
密度が低下するという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固体ポリマ
ー電解質層を改良することにより製造時の内部短絡が防
止され、かつ単位重量当りのエネルギー密度が向上され
たポリマー電解質二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリマー電
解質二次電池は、活物質を含む正極と、活物質を含む負
極と、前記正極及び前記負極の間に配置され、補強材、
非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む固
体ポリマー電解質層とを具備し、前記電解質層の補強材
は、有機物粒子を含むことを特徴とするものである。
【0009】本発明に係るポリマー電解質二次電池は、
活物質を含む正極と、活物質を含む負極と、前記正極及
び前記負極の間に配置され、補強材、非水電解液及びこ
の電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質
層とを具備し、前記電解質層の補強材は、融点が100
℃〜160℃の範囲である有機物粒子を含むことを特徴
とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポリマー電解
質二次電池に含まれる正極、負極及び電解質層について
説明する。 (正極)この正極は、活物質、非水電解液及びこの電解
液を保持するポリマーを含む正極層が集電体に担持され
たものから形成される。
【0011】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ばLiMn24 などのリチウムマンガン複合酸化物、
二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含
有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム
含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸
化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)
や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化
モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リ
チウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好まし
い。
【0012】前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶
解することにより調製される。前記非水溶媒としては、
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネー
ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチル
カーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DE
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチ
ロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリ
ル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプ
ロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることが
できる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上
混合して使用しても良い。
【0013】前記電解質としては、例えば、過塩素酸リ
チウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六
フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビスト
リフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN
(CF3 SO32 ]等のリチウム塩を挙げることがで
きる。
【0014】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ま
しい。前記非水電解液を保持するポリマーとしては、例
えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレン
オキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリ
デンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン
(HFP)との共重合体等を用いることができる。前記
HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依
存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0015】前記正極の集電体としては、例えばアルミ
ニウム製エキスパンドメタル、アルミニウム箔、アルミ
ニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を
用いることができる。
【0016】前記正極は、導電性を向上する観点から導
電性材料を含んでいてもよい。前記導電性材料として
は、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセ
チレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることが
できる。
【0017】(負極)この負極は、活物質、非水電解液
及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層が集電
体に担持されたものから形成される。
【0018】前記活物質としては、リチウムイオンを吸
蔵放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭
素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例え
ば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロー
ス等)を焼成することにより得られるもの、コークス
や、メソフェーズピッチを焼成することにより得られる
もの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表さ
れる炭素質材料を挙げることができる。中でも、500
℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メ
ソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用い
るのが好ましい。
【0019】前記非水電解液及び前記ポリマーとして
は、前述した正極で説明したものと同様なものが用いら
れる。前記負極の集電体としては、例えば、銅製エキス
パンドメタル、銅箔、銅製メッシュ、銅製パンチドメタ
ル等を用いることができる。
【0020】なお、前記負極シートは、人造グラファイ
ト、天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレン
ブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフ
ェニレン誘導体等の導電性材料、オレフィン系ポリマー
や炭素繊維等のフィラーを含むことを許容する。
【0021】(固体ポリマー電解質層)この電解質層
は、補強材、非水電解液及びこの電解液を保持するポリ
マーを含む。
【0022】前記非水電解液及び前記ポリマーとして
は、前述した正極で説明したものと同様なものが用いら
れる。前記補強材は、有機物粒子から形成すると良い。
前記有機物粒子の形状は、特に限定されるものではない
が、例えば、球状や、柱状にすることができる。前記有
機物粒子として、球状のものや、柱状のものを単独で使
用しても良いが、これらを併用しても良い。また、前記
有機物粒子は、一次粒子の形態で前記電解質層中に存在
していても良いが、二次粒子の形態であってもよい。前
記電解質層中には、一次粒子と二次粒子とが混在してい
ても良い。前記有機物としては、ポリオレフィン(例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド等を挙
げることができる。
【0023】前記有機物粒子の大きさは、前記電解質層
の厚さより小さければ良い。中でも、前記有機物粒子の
粒径は、0.5μm以上で、かつ前記電解質層の厚さの
50%以下に相当する大きさにすることが好ましい。前
記粒径を0.5μm未満にすると、電解質層の圧縮強度
が弱くなって短絡を生じる恐れがある。一方、前記粒径
が前記電解質層の厚さの50%を越えると、前記電解質
層の表面性が低下しやすく、熱圧着時に気泡が残留する
恐れがある。また、イオン導電性が低下する恐れがあ
る。前記有機物粒子の粒径は、走査電子顕微鏡(SE
M)か、もしくはレーザー回折法(ヘリウム(He)・
ネオン(Ne)レーザー)により測定することができ
る。
【0024】前記電解質層の前記補強材の含有量は、前
記補強材と前記非水電解液を保持するポリマーの合量に
対して5〜55重量%の範囲にすることが好ましい。こ
れは次のような理由によるものである。前記含有量を5
重量%未満にすると、前記電解質層の圧縮強度を製造時
の内部短絡を回避できるほどに向上させることが困難に
なる恐れがある。一方、前記含有量が55重量%を越え
ると、前記電解質層の非水電解液含浸量が不足し、イオ
ン導電性の低下を招く恐れがある。また、電解質層の弾
性が低下したり、あるいは固くなったりすることがある
ため、正極と負極の間に電解質層を介在し、捲回する際
に電解質層が裂けやすくなる恐れがある。
【0025】前記補強材は、前記二次電池が過充電や短
絡等により発熱した際の安全性を向上する観点から、融
点が100℃〜160℃の範囲である有機物粒子を含む
ことが好ましい。前記補強材は、このような融点を有す
る有機物の粒子のみから形成しても良いが、前記二次電
池の安全性をより向上する観点から、融点が前記範囲よ
りも高い有機物の粒子を含んでいると良い。
【0026】有機物粒子の融点を前記範囲に限定するの
は次のような理由によるものである。前記融点を100
℃未満にすると、通常の使用において有機物粒子が溶融
し、電解質層のリチウムイオン伝導度が低下し、放電容
量の低下を招く恐れがある。前記融点を100℃以上に
すると、前記二次電池に過充電や短絡等で異常が発生
し、発熱した時のみに有機物粒子を溶融させ、電流の流
れを止めることができる。しかしながら、前記融点が1
60℃を越えるような場合には、活物質と非水電解液と
の反応がより激しくなり、異常時に発火を招く恐れがあ
る。また、正極と負極と電解質層とを熱圧着によって一
体化する場合には、有機物粒子としては融点が熱圧着温
度より高いものを使用すると良い。融点が100℃〜1
60℃の範囲内である有機物としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等を挙げることができる。中でも、ポリ
プロピレンで、融点が150℃〜160℃の範囲のもの
は、熱圧着によって一体化を行う場合に好適である。ま
た、融点が160℃を越える有機物としては、ナイロン
66/12(30/70wt%)や、ナイロン6/12
(20/80wt%)のようなポリアミド等を挙げるこ
とができる。
【0027】前記正極、前記負極及び前記電解質層を備
えた二次電池は、例えば、以下に説明する方法により作
製することができる。すなわち、前記活物質、前記非水
電解液を保持するポリマー、前記導電材料及びフタル酸
ジブチル(DBP)のような可塑剤をアセトンなどの有
機溶媒中で混合し、ペーストを調製し、成膜することに
より正極シートを作製する。得られた正極シートを例え
ば熱圧着により集電体に接着し、非水電解液未含浸の正
極を作製する。一方、前記活物質、前記非水電解液を保
持するポリマー及びフタル酸ジブチル(DBP)のよう
な可塑剤をアセトンなどの有機溶媒中で混合し、ペース
トを調製し、成膜することにより負極シート作製する。
得られた負極シートを例えば熱圧着により集電体に接着
し、非水電解液未含浸の負極を作製する。また、前記非
水電解液を保持するポリマー、前記無機フィラー及びフ
タル酸ジブチル(DBP)のような可塑剤をアセトンな
どの有機溶媒中で混合し、ペーストを調製し、成膜し、
非水電解液未含浸の電解質層を作製する。このようにし
て得られた非水電解液未含浸の正極と非水電解液未含浸
の負極の間に、非水電解液未含浸の電解質層を介在し、
例えば熱圧着により一体化する。得られた積層物から可
塑剤を除去し、非水電解液を含浸させ、これをラミネー
トフィルムのような容器内に収納することにより前記二
次電池を製造をすることができる。
【0028】以上説明したような本発明に係るポリマー
電解質二次電池は、有機物粒子を含む補強材と、非水電
解液と、この電解液を保持するポリマーとを含有する固
体ポリマー電解質層を備える。このような二次電池は、
熱圧着による一体化や、渦巻状に捲回する際に内部短絡
が生じるのを防止することができる。また、前記二次電
池は、電解質層の補強材として無機フィラーを含む従来
の二次電池に比べて軽量化を図ることができるため、単
位重量当りのエネルギー密度を向上することができる。
【0029】本発明に係る別のポリマー電解質二次電池
は、融点が100〜160℃の有機物粒子を含む補強材
と、非水電解液と、この電解液を保持するポリマーとを
含有する固体ポリマー電解質層を備える。このような二
次電池は、製造時の内部短絡の発生を防止することがで
きると共に、単位重量当りのエネルギー密度を向上する
ことができる。更に、前記二次電池は、過充電や、短絡
などにより異常電流が流れて発熱すると、前記有機物粒
子が溶融してフィルム化し、前記電解質層のリチウムイ
オン伝導度を低下させることができるため、前記電解質
層によって異常電流を遮断することができる。その結
果、前記二次電池の温度上昇を停止することができるた
め、異常電流による発火を未然に防止することができ
る。
【0030】特に、融点が前記範囲の有機物粒子と融点
がそれよりも高い有機物粒子から補強材を形成すること
によって、異常時に融点が前記範囲の有機物粒子が溶融
し、フィルム化し、電解質層で異常電流を遮断すること
ができるため、温度上昇を抑制することができる。ま
た、融点がそれよりも高い有機物粒子はこの時にほとん
ど溶融しないため、前記電解質層の形状保持に寄与する
ことができる。その結果、異常時に電解質層の形状が崩
れて前記電解質層が正極と負極の間から流出するのを防
止することができるため、異常時に内部短絡が生じるの
を回避することができる。従って、過充電や、短絡等の
異常時の安全性を更に向上することが可能になる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例1) <正極の作製>活物質として組成式がLiMn24
表されるリチウムマンガン複合酸化物65.0重量%
と、カーボンブラック7.0重量%と、ビニリデンフロ
ライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)
の共重合体粉末9.0重量%と、可塑剤{フタル酸ジブ
チル(DBP)}19.0重量%とをN−N−ジメチル
ホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られ
たペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(P
ETフィルム)上に、厚さが125μm、幅が150m
mとなるように塗布し、シート化し、150mmの長さ
に切り出し、正極シートを作製した。得られたシートを
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両
面に熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含
浸の正極を作製した。
【0032】<負極の作製>活物質としてメソフェーズ
ピッチ炭素繊維65.0重量%と、ビニリデンフロライ
ド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共
重合体粉末9重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(D
BP)}26重量%とをN−N−ジメチルホルムアミド
中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストを
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)上に、厚さが120μm、幅が150mmとなるよ
うに塗布し、シート化し、150mmの長さに切り出
し、負極シートを作製した。得られた負極シートを銅製
エキスパンドメタルからなる集電体の両面に熱ロールで
加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製
した。
【0033】<固体ポリマー電解質層の作製>補強材と
して粒径が5μmのポリプロピレン粒子(融点は150
℃)25重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフル
オロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末30
重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}45
重量%とをN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、
ペースト状にした。得られたペーストをポリエチレンテ
レフタレートフィルム(PETフィルム)上に、厚さが
50μm、幅が160mmとなるように塗布し、シート
化し、160mmの長さに切り出し、非水電解液未含浸
の固体ポリマー電解質層を作製した。なお、前記電解質
層の前記補強材の含有量は、前記補強材と前記VdF−
HFPの共重合体粉末との合量に対して45重量%であ
った。
【0034】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比
で2:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としての
LiPF6 をその濃度が1mol/lになるように溶解
させて非水電解液を調製した。
【0035】<電池の組み立て>前記正極を2枚と前記
負極を1枚と前記セパレータシートを2枚用意し、前記
正極と前記負極をその間に前記セパレータシートを介在
させながら交互に積層し、これらを145℃に加熱した
剛性ロールにて加熱圧着し、積層物を作製した。このよ
うな積層物をメタノール中に浸漬し、前記積層物中のD
BPをメタノールによって抽出し、除去した。ひきつづ
き、乾燥し、前記組成の非水電解液に浸漬することによ
り前記積層物への電解液の含浸を行い、図1に示すよう
に積層した発電要素を備える理論容量が1200mAh
のポリマー電解質二次電池を製造した。
【0036】すなわち、負極1の両面には、固体ポリマ
ー電解質層2が配置されている。各固体ポリマー電解質
層2の外側の面には、正極3が積層されている。なお、
前記負極1は、集電体としての銅製エキスパンドメタル
4の両面に負極シート5が担持された構造を有する。前
記正極3は、集電体としてのアルミニウム製エキスパン
ドメタル6の両面に正極シート7が担持された構造を有
する。
【0037】(実施例2) <固体ポリマー電解質層の作製>補強材として粒径が2
0μmのポリエチレン粒子(融点は125℃)を25重
量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピ
レン(VdF−HFP)の共重合体粉末を30重量%
と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}45重量%
をN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペースト
状にした。得られたペーストをポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(PETフィルム)上に、厚さが50μ
m、幅が56mmとなるように塗布し、シート化し、4
57mmの長さに切り出し、非水電解液未含浸の固体ポ
リマー電解質層を作製した。なお、前記電解質層の前記
補強材の含有量は、前記補強材と前記VdF−HFPの
共重合体粉末との合量に対して45重量%であった。
【0038】一方、幅を50mmにし、長さを450m
mにすること以外は、実施例1と同様にして非水電解液
未含浸の正極シートを作製した。得られたシートをアル
ミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に
熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の
正極を作製した。また、幅を50mmにし、長さを45
0mmにすること以外は、実施例1と同様にして非水電
解液未含浸の負極シートを作製した。得られた負極シー
トを銅製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に熱
ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負
極を作製した。
【0039】前記正極を2枚と前記負極を1枚と前記セ
パレータシートを2枚用意し、前記正極と前記負極をそ
の間に前記セパレータシートを介在させながら交互に積
層し、これらを渦巻状に捲回した。このような積層物中
のDBPを実施例1と同様にして除去し、乾燥した後、
実施例1と同様な組成の非水電解液に浸漬することによ
り前記積層物への電解液の含浸を行い、理論容量が12
00mAhのポリマー電解質二次電池を製造した。
【0040】(比較例)以下に説明する方法で非水電解
液未含浸の電解質層を作製すること以外は、実施例1と
同様にしてポリマー電解質二次電池を製造した。
【0041】<固体ポリマー電解質層の作製>補強材と
して酸化硅素(SiO2 )粉末を25重量%と、ビニリ
デンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−
HFP)の共重合体粉末を30重量%と、可塑剤{フタ
ル酸ジブチル(DBP)}45重量%とをアセトン中で
混合し、ペースト状にした。得られたペーストをポリエ
チレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上
に、厚さが50μm、幅が160mmとなるように塗布
し、シート化し、160mmの長さに切り出し、非水電
解液未含浸の固体ポリマー電解質層を作製した。
【0042】得られた実施例1、2及び比較例の二次電
池について、240mAの電流で4.2Vまで定電流定
電圧充電した後、240mAの電流で2.8Vまで放電
した場合の放電容量を測定し、得られた放電容量から単
位重量当りのエネルギー密度を算出し、その結果を下記
表1に示す。
【0043】また、実施例1、2及び比較例の二次電池
について、2400mAの電流で15Vまで充電した際
の温度変化を測定し、その時の最高温度を下記表1に示
す。 表1 単位重量当りのエネルギー密度 過充電時の最高温度 実施例1 133(Wh/kg) 150(℃) 実施例2 134(Wh/kg) 125(℃) 比較例 128(Wh/kg) 165(℃) 発火し、破裂した 表1から明らかなように、本実施例1、2の二次電池
は、比較例に比べて単位重量当りのエネルギー密度が高
く、かつ過充電時の温度上昇を抑制することができるこ
とがわかる。これに対し、比較例の二次電池は、単位重
量当りのエネルギー密度が低いだけではなく、前述した
過充電試験の際に発火し、破裂を生じた。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、製
造時の内部短絡の発生を回避することができ、軽量化と
単位重量当りのエネルギー密度の向上を図ることが可能
なポリマー電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1、2のポリマー電解質二
次電池の発電要素を示す断面図。
【符号の説明】
1…負極、2…固体ポリマー電解質層、3…正極。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質を含む正極と、 活物質を含む負極と、 前記正極及び前記負極の間に配置され、補強材、非水電
    解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む固体ポリ
    マー電解質層とを具備し、 前記電解質層の補強材は、有機物粒子を含むことを特徴
    とするポリマー電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 活物質を含む正極と、 活物質を含む負極と、 前記正極及び前記負極の間に配置され、補強材、非水電
    解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む固体ポリ
    マー電解質層とを具備し、 前記電解質層の補強材は、融点が100℃〜160℃の
    範囲である有機物粒子を含むことを特徴とするポリマー
    電解質二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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