JPH10207006A - 熱可塑性支持体の熱処理方法及びこれを用いた写真用支持体 - Google Patents

熱可塑性支持体の熱処理方法及びこれを用いた写真用支持体

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JPH10207006A
JPH10207006A JP1301597A JP1301597A JPH10207006A JP H10207006 A JPH10207006 A JP H10207006A JP 1301597 A JP1301597 A JP 1301597A JP 1301597 A JP1301597 A JP 1301597A JP H10207006 A JPH10207006 A JP H10207006A
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JP
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heat treatment
layer
support
temperature
heat
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JP1301597A
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English (en)
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Isao Ikuhara
功 生原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10207006A publication Critical patent/JPH10207006A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で巻き癖をつきにくくでき、平面性に
優れた支持体の熱処理方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも2以上50以下の熱処理ゾー
ンを搬送しながら熱可塑性支持体を熱処理する方法にお
いて、該熱処理ゾーンの温度がガラス転移温度(Tg )
−70℃以上Tg 以下であり、かつ該熱処理ゾーンの少
なくとも一組の温度差が0.5℃以上50℃以下である
ことを特徴とする熱可塑性支持体の熱処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は支持体の熱処理方法に関
するものであり、短時間で巻き癖をつきにくくでき、平
面性に優れた支持体の熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の支持体の巻き癖を小さく
するため、ロール状支持体をTg 以下の温度で熱処理
(Below Tg Annealing、以下BTAと略することがあ
る)することがUS−4141735号明細書に記載さ
れている。工業的規模で長尺の支持体を熱処理しようと
するとロール状態で熱処理するのが一般的であり、例え
ば特開平6−171239号公報及び特開平6−214
366号公報等に記載があるが、これらは熱処理中に発
生するフィルムの収縮、膨張に伴う変形により、平面性
が大きく低下する。例えば幅方向に数十cm周期の波状の
凹凸が発生したり、直径数cm程度の窪みが周期的に発生
しやすく、高い平面性を要求する写真用支持体では得率
の低下が課題であった。このような熱処理中による平面
性低下を改良する手法として、特開平5−51155号
公報や特開昭64−5825号公報に記載されているよ
うなロール中の介在空気量を規定する熱処理方法や、特
開昭62−270327号公報に記載されているような
巻取り張力を規定した熱処理方法等が知られている。し
かしこれらの手法を用いても平面性を十分に改良するこ
とができず問題であった。一方、特開平6−17528
5号公報には、支持体を搬送しながら熱処理する方法が
記載されている。これによりロール状での熱処理のよう
な平面性の低下は大幅に改善されるが、搬送しながらの
熱処理のため十分な時間熱処理できず、十分に巻き癖を
付きにくくすることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短時間で巻
き癖をつきにくくでき、平面性に優れた支持体の熱処理
方法の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの課題は、2以上
50以下の熱処理ゾーンを搬送しながら熱可塑性支持体
を熱処理する方法において、該熱処理ゾーンの温度がガ
ラス転移温度(Tg )−70℃以上Tg 以下であり、か
つ該熱処理ゾーンの少なくとも一組の温度差が0.5℃
以上50℃以下であることを特徴とする該支持体の熱処
理方法によって達成された。本発明は、熱処理ゾーンの
少なくとも一組の温度差を0.5℃以上50℃以下、よ
り好ましくは1.5℃以上30℃以下、さらに好ましく
は3.5℃以上20℃以下異なる温度にすることによっ
て効率よく短時間で実施できることを見いだした点にあ
る。即ち一定温度でBTA処理するよりも、途中で不連
続に温度変化させることにより、巻癖を効率的に付きに
くくすることができる。不連続に変化させる温度がこの
範囲より小さいと、巻癖を付きにくくする効果を十分に
発揮できない。一方この範囲を上回ると、急激な温度変
化に伴う支持体の寸法変化に伴い、平面性が低下しやす
い。熱可塑性樹脂の大きな自由体積を減少させるための
熱処理がBTA処理であり、分子を熱で揺することで自
由体積の小さな平衡状態にすることができるが、この時
に不連続に温度変化を与え、急激な体積変化をおこさせ
ることで、より分子を揺すり効率的に自由体積を小さく
しているものと推定される。
【0005】さらに本発明の熱処理は、基本的に高温側
から低温側に不連続に温度変化させるほうが好ましい。
より具体的には、熱処理ゾーンの温度(℃)が送り出し
側から順にT1 、T2 、・・・Tn 、Tn+1 、・・であ
るとき、Tn ≧Tn+1 となる組み合わせが少なくとも半
数以上全数以下、より好ましくは2/3以上全数以下、
より好ましくは4/5以上全数以下であるのが好まし
い。この範囲ではより効率的に巻癖を付きにくくするこ
とができより好ましい。また本発明の熱処理は、Tg −
70℃以上Tg 以下で行うのが好ましく、Tg−50℃
以上Tg 以下がより好ましく、Tg −40℃以上Tg 以
下で行うのがさらに好ましい。熱処理ゾーンの数は2以
上50以下が好ましく、3以上20以下がより好まし
く、4以上10以下がさらに好ましい。この範囲未満で
は巻癖を付きにくくする効果を十分に達成できない。各
熱処理ゾーンの支持体搬送長は1m以上1500m以下
が好ましく、3m以上1000m以下がより好ましく、
10m以上500m以下がさらに好ましい。搬送は空気
浮上で行っても良く、ロール搬送で行ってもよい。本発
明の熱処理は10分以上5時間以下が好ましく、15分
以上3時間以下がより好ましく、20分以上1時間以下
がさらに好ましい。
【0006】本発明の熱処理は複数の熱処理ゾーンを連
結し、各々の設定温度を変えることで容易に達成でき
る。また一つの熱処理ゾーンの中を仕切って、各ゾーン
への吹き込み風の温度、風速を変えることでも達成する
ことができる。本発明を達成するには各ゾーン間で急激
に温度を変化させることが必要である。即ちゾーンの間
の支持体搬送用のスリットの開口部をなるべく小さくす
る必要がある。好ましいスリット幅は支持体幅+1cm
以上30cm以下、より好ましくは支持体幅+2cm以
上25cm以下、さらに好ましくは支持体幅+3cm以
上20cm以下である。スリットの高さも好ましくは1
mm以上200mm以下、より好ましくは2mm以上1
50mm以下、さらに好ましくは3mm以上100mm
以下である。さらに隣接する熱処理ゾーン間の圧力差を
小さくすることも好ましい。そうすると、隣の熱処理ゾ
ーンの風が吹き込むことを防止し温度変化を急激にする
ことができる。隣接ゾーンの圧力差は300mmH2
以下が好ましく、250mmH2 O以下がより好まし
く、200mmH2 O以下がさらに好ましい。
【0007】さらに本発明の熱処理の前にTg以上20
0℃以下の温度で、より好ましくはTg+10℃以上1
95℃以下の温度で、さらに好ましくはTg+20℃以
上190℃以下の温度で前処理することにより、より効
率的に巻癖を付きにくくでき好ましい。前処理の時間は
0.5分以上1時間以下が好ましく、1分以上40分以
下が好ましく、2分以上20分以下がさらに好ましい。
このような前処理は本発明の熱処理と連続で行っても良
く、切り放して(別工程で)行っても良い。本発明の熱
処理を行うときの好ましい張力は2kg/m以上30k
g/m以下が好ましく、3kg/m以上25kg/m以
下がより好ましく、4kg/m以上20kg/m以下が
さらに好ましい。本発明の熱処理を行うときの好ましい
搬送速度は0.1m/分以上150m/分以下が好まし
く、0.3m/分以上70m/分以下がより好ましく、
0.5m/分以上30m/分以下がさらに好ましい。本
発明の熱処理後ロールに巻取るが、巻取った支持体の温
度は10℃以上Tg−5℃以下が好ましく、15℃以上
Tg −10℃以下がより好ましく、20℃以上Tg −3
0℃がより好ましい。このような巻取り時の支持体の温
度の調整は、この温度に設定した風を吹き付けることで
容易に達成できる。
【0008】このような本発明の熱処理は、製膜から下
塗りおよび、またはバック層塗布までの間に連続して実
施するほうがより効率的であり好ましい。即ち製膜に引
き続き熱処理と、下塗り層塗布and/orバック層塗布を実
施することが好ましい。下塗り塗布、バック層塗布、熱
処理はどの順番で実施しても良く、例えば次のような例
を挙げることができる。このようにして製膜後、表面処
理、下塗り、バック層の塗設を行うが本発明の熱処理は
この間のどこで実施してもよい。例えば下記のような組
合わせを考えることができる。 (1) 製膜→熱処理→表面処理→下塗り、バック層塗布 (2) 製膜→表面処理→熱処理→下塗り、バック層塗布 (3) 製膜→表面処理→下塗り、バック層塗布→熱処理 これらのうちいずれの方法で実施しても良い。さらに、
これらの製膜、表面処理、下塗り、バック層塗布、熱処
理を連続工程で実施するのが効率のうえで最も好まし
く、下記のような組合せをより具体的な例として挙げる
ことができる。(下記〜の→は連続して実施するこ
とを意味する)
【0009】製膜→表面処理(グロー放電処理)→下
塗り→バック第1層(導電層)→バック第2層(オーバ
ーコート層)→バック第3層(滑り層)→前処理→BT
A処理→巻き取り 製膜→表面処理(グロー放電処理)→下塗り(第1
層:ポリマーラテックス層)→下塗り(第2層:ゼラチ
ン層)→バック第1層(導電層)→バック第2層(オー
バーコート層)→バック第3層(滑り層)→前処理→B
TA処理→巻き取り 製膜→表面処理(コロナ処理)→下塗り(第1層:ポ
リマーラテックス層)→下塗り(第2層:ゼラチン層)
→前処理→BTA処理→巻き取り(バック第1層(導電
層)、バック第2層(オーバーコート層)、バック第3
層(滑り層)は別工程) 製膜→表面処理(紫外線処理)→バック第1層(導電
層)→バック第2層(オーバーコート層)→バック第3
層(滑り層)→前処理→BTA処理→巻き取り(下塗り
は別工程) 製膜→前処理→BTA処理→表面処理(グロー放電処
理)→下塗り→バック第1層(導電層)→バック第2層
(オーバーコート層)→巻き取り 製膜→表面処理(グロー放電処理)→下塗り(第1
層:ポリマーラテックス層)→バック第1層(導電層)
→バック第2層(オーバーコート層)→前処理→BTA
処理→巻き取り(下塗り(第2層:ゼラチン層)、バッ
ク第3層(滑り層)は別工程) 製膜→表面処理(グロー放電処理)→前処理→BTA
処理→巻き取り(下塗り(第1層:ポリマーラテックス
層)、バック第1層(導電層)、バック第2層(オーバ
ーコート層)、下塗り(第2層:ゼラチン層)、バック
第3層(滑り層)は別工程) 製膜→表面処理(グロー放電処理)→下塗り→バック
第1層(導電層)→バック第2層(オーバーコート層)
→前処理→BTA処理→巻き取り
【0010】本発明で使用される熱可塑性樹脂は、ポリ
エステル、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、セルロース誘導体(トリアセチルセルロ
ース等)、シンジオタクチック−ポリスチレン等に広く
用いることができるが、より好ましいのがポリエステ
ル、シンジオタクチック−ポリスチレンであり、さらに
好ましいのがポリエステル樹脂である。
【0011】ポリエステルはジカルボン酸とジオ−ルか
ら構成されるが、好ましいジカルボン酸として、(2,
6−、1,5−、1,4−、2,7−)ナフタレンジカ
ルボン酸(NDCA)、テレフタル酸(TPA)、イソ
フタル酸(IPA)、オルトフタル酸(OPA)、パラ
フェニレンジカルボン酸(PPDC)およびそのエステ
ル形成体を挙げることができる。この中で、さらに2,
6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−NDCA)およ
びそのエステル形成体が好ましい。しかし、3−スルフ
ォイソフタル酸塩やスルフォナフタレンジカルボン酸塩
のような親水性モノマ−を共重合させると、現像処理中
に吸水に起因する力学強度(特に曲げ弾性)の低下を引
き起こし好ましくない。ジオールは、エチレングリコー
ル(EG)、シクロヘキサンジメタノール(CHD
M)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ビスフェノ
ールA(BPA)、ビフェノール(BP)が好ましく、
さらにエチレングリコ−ルが好ましい。ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等のポリアルキレングリコールは、現像
処理中に吸水に起因する力学強度(特に曲げ弾性)の低
下を引き起こし好ましくない。
【0012】このようなポリエステルを達成する上で好
ましいのが、全ジカルボン酸ユニット中に含まれる2,
6−ナフタレンジカルボン酸の含率が50mol%以上
100mol%以下のものが好ましく、より好ましくは
60mol%以上100mol%以下、さらに好ましく
は、70mol%以上100mol%以下である。これ
は、共重合体であってもよく、ポリマーブレンドであっ
てもよい。共重合体の場合、ナフタレンジカルボン酸ユ
ニットとエチレングリコールユニット以外に、テレフタ
ル酸、ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール
等のユニットを共重合させたものも好ましく、最も好ま
しいのがテレフタル酸ユニットを共重合したものであ
る。2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とテレフタル
酸成分の共重合体の場合、両者の混合状態はナフタレン
ジカルボン酸成分(N)−エチレングリコール成分
(E)−テレフタル酸成分(T)とするとき、N/E/
T、N/E/N、T/E/Tの3本のピーク面積(この
割合は核磁気共鳴法を用いて測定できる。)の和に対す
るN/E/Tの占める割合が5%以上50%以下、より
好ましくは8%以上40%以下、さらに好ましくは10
%以上35%以下にすることである。
【0013】上記共重合体は原料のジカルボン酸とジア
ルコ−ルを1から2kg/mm2の加圧下あるいは大気圧下で
180〜280℃、より好ましくは230〜270℃で
0.5〜8時間、さらに好ましくは2〜4時間反応させ
エステル交換させた後、50〜1mmHgの真空にした
240〜290℃で1〜3時間加熱することで重合させ
てえることができる。即ち、ナフタレンジカルボン酸あ
るいはそのジエステルとテレフタル酸あるいはそのジエ
ステルを微粒子にし、エチレングリコール中に分散させ
スラリーとして供給する。
【0014】ポリマーブレンドの好ましい相手は、相溶
性を考えるとポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリアリレート(PAr)、ポリカーボネイト(P
C)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフテレート
(PCT)等のポリエステルを挙げることができるが、
なかでも力学強度、コストの観点から好ましいのがPE
Tとのポリマーブレンドである。このようなポリマーブ
レンドの場合も、混練押し出しする間にエステル交換が
進行し、共重合に変化してゆく。この場合も、PETと
PENをブレンドした場合、N/E/Tの占める割合が
5%以上50%以下、より好ましくは8%以上40%以
下、さらに好ましくは10%以上35%以下にするのが
ポイントである。このようなポリマーブレンドを形成す
るには、押し出し機内で5分以上30分以下、より好ま
しくは8分以上25分以下、さらに好ましくは10分以
上20分以下混練するのが好ましい。混練は事前の乾燥
を30分以上、より好ましくは1時間以上、さらに好ま
しくは3時間以上、Tg 以上200℃以下で実施するこ
とである。また、2軸押し出し機を用いることも好まし
い。
【0015】本発明で使用されるポリエステルはガラス
転移温度(Tg)が65℃以上のものが好ましく、より
好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上
である。前記ポリエステルの重合時、必要に応じて、エ
ステル交換反応触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、
耐熱安定化剤(例えば亜リン酸、リン酸、トリメチルフ
ォスフェ−ト、トリエチルフォスフェ−ト、テトラエチ
ルアンモニウム)を添加してもよい。具体的には、高分
子実験学第5巻「重縮合と重付加」(共立出版、198
0年)第103頁〜第136頁、“合成高分子V”(朝
倉書店、1971年)第187頁〜第286頁の記載や
特開平5−163337、同3−179052、同2−
3420、同1−275628、特開昭62−2907
22、同61−241316等を参照されたい。このよ
うにして重合したポリマーは、オルソクロロフェノール
溶媒中にて、35℃で測定した極限粘度が0.40以
上、0.9以下のものが好ましく、0.45〜0.70
のものがさらに好ましい。
【0016】本発明に用いるポリエステルの好ましい具
体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定されるもの
ではない。 ポリエステル ホモポリマー例 HP−1:ポリエチレンナフタレート(PEN) 〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ HP−2:ポリエチレンテレフタレート(PET) {テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG)(100/ 100)}(PET) Tg=69℃ ポリエステル コポリマー例(括弧内の数字はモル比を示す) CP−1:2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=90℃ CP−2:2,6−NDCA/TPA/EG(80/20/100) Tg=105℃ CP−3:2,6−NDCA/TPA/EG(90/10/100) Tg=110℃ CP−4:2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ CP−5:2,6−NDCA/EG/BPA(100/25/75) Tg=155℃ CP−6:2,6−NDCA/EG/CHDM/BPA(100/25/25 /50) Tg=150℃ CP−7:2,6−NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=145℃ CP−8:2,6−NDCA/EG/BP(100/20/80) Tg=130℃
【0017】 ポリエステル ポリマーブレンド例(括弧内の数字は重量比を示す) PB−1:PEN/PET(50/50) Tg= 92℃ PB−2:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ PB−3:PEN/PET(90/10) Tg=109℃ PB−4:PAr/PEN(15/85) Tg=138℃ PB−5:PAr/PCT/PEN(10/10/80) Tg=135℃ PB−6:PAr/PC/PEN(10/10/80) Tg=140℃ これらのポリエステル中に経時安定性付与の目的で紫外
線吸収剤を添加しても良い。紫外線吸収剤としては、可
視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつその添加
量はポリマーフィルムの重量に対して通常0.5重量%
ないし20重量%、好ましくは1重量%ないし10重量
%程度である。0.5重量%未満では紫外線劣化を抑え
る効果を期待できない。紫外線吸収剤としてはベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系等の紫
外線収剤が挙げられる。
【0018】また、芳香族系ポリエステルの屈折率は、
1.6〜1.7と高いのに対し、この上に塗設する感光
層の主成分であるゼラチンの屈折率は1.50〜1.5
5とこの値より小さいので、ライトパイピング現象(縁
被り)を起しやすい。ライトパイピング現象を回避する
ため、フィルムに不活性無機粒子等を含有させる方法な
らびに染料を添加する方法等が知られている。染料添加
による方法はフィルムヘイズを著しく増加させないので
好ましい。フィルム染色に使用する染料については、色
調は感光材料の一般的な性質上グレー染色が好ましい。
染料としては、上記の観点から三菱化成製のDiare
sin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用
として市販されている染料を混合することにより目的を
達成することが可能である。特に、耐熱性のよいアント
ラキノン系の染料がすすめられる。例えば、特開平7−
168309号公報や特開平8−122970号公報に
記載されているものを好ましく用いることができる。こ
れらの染料等の好ましい添加量は、吸光度が未添加のも
のに比べて0.03から0.5増加するようにするのが
好ましい。
【0019】フィルムに易滑性を与えるには不活性無機
化合物を練り込んだりあるいは界面活性剤を塗布すれば
よい。不活性無機粒子としてはSiO2 、TiO2 、B
aSO4 、CaCO3 、タルク、カオリン等が例示され
る。前記粒子はポリエステル製造時に添加される。ポリ
エステルの重合反応時に添加する触媒等を析出させる内
部粒子系による易滑性付与方法もある。外部粒子系とし
てはポリエステルフィルムと比較的近い屈折率をもつS
iO2 、あるいは析出する粒子径の小さい内部粒子系が
望ましい。添加量は5ppm以上1000ppm以下、
好ましくは10ppm以上500ppm以下、さらに好
ましくは20ppm以上200ppm以下である。また
添加する粒子の大きさは0.01μm 以上10μm 以下
が好ましく、0.05μm以上5μm 以下がより好まし
く、0.1μm 以上2μm 以下がさらに好ましい。
【0020】次にこれらのポリエステル支持体の製膜法
について述べる。上述のような方法で重合したポリマー
をペレット化し、これを80℃〜200℃で1時間以上
乾燥する。この後、そのポリマーの融点温度(Tm)以
上、330℃以下で溶融する。この後、フィルターを用
いて溶融ポリマーをあらかじめろ過しておくほうが好ま
しい。フィルターとしては、金網、焼結金網、焼結金
属、サンド、グラスファイバーなどが挙げられる。これ
をT−ダイから溶融押し出しを行い未延伸フィルムを製
膜する。2種以上のポリマーブレンドを行うときは、通
常の多軸混練押し出し機を利用するのが好ましい。ま
た、積層体を製膜するときは、共押し出し法、インライ
ンラミネート法、オフラインラミネート法いずれで行っ
ても良い。T−ダイから押しだした溶融ポリマーは、T
g −80℃〜Tg (Tg:ポリエステルのガラス転移温
度)、より好ましくはTg −60℃〜Tg −10℃にし
たキャスティングドラム上に押し出す。この時、静電印
加法あるいは液膜形成法方法で行ってもよい。
【0021】上記の方法で形成した未延伸フィルムを一
軸方向(縦方向または横方向)に(Tg−10℃)〜
(Tg+70℃)、より好ましくは(Tg)〜(Tg+
50℃)、さらに好ましくは(Tg+5℃)〜(Tg+
35℃)で2.5〜4.5倍、より好ましくは2.7〜
4.0倍、さらに好ましくは2.8〜3.8倍に延伸す
る。このような延伸は、例えば出口のローラー速度を入
り口のローラー速度を早くすることで達成できる。次い
で上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の場合
には、二段目延伸は横方向となる)にTg(℃)〜(T
g+70)℃の温度で2.5〜4.5倍の倍率で延伸す
ることで製造できる。より好ましくは、2.8〜4.2
倍、更に好ましくは、3.0〜4.0倍である。縦、横
とも延伸倍率がこの範囲以下では、弾性率が低下し、支
持体の薄手化を達成することができない。一方、延伸倍
率がこの範囲以上では、熱収縮率が大きくなりやすく、
好ましくない。
【0022】この後、二軸延伸フィルムは(Tg+3
0)℃〜溶融温度(Tm)、より好ましくは、Tg+4
0℃〜Tm−10℃、さらに好ましくは、Tg+60℃
〜Tm−20℃の温度で熱固定する。好ましい熱固定時
間は10秒以上3分以下、より好ましくは15秒以上1
分30秒以下さらに好ましくは20秒以上60秒以下で
ある。さらに熱固定に引き続き熱緩和を行うことも好ま
しい。この時の温度は(Tg+30)℃〜Tm、より好
ましくは、Tg+40℃〜Tm−10℃、さらに好まし
くは、Tg+60℃〜Tm−20℃である。好ましい緩
和量は0%以上15%以下、より好ましくは2%以上1
2%以下、さらに好ましくは3%以上10%以下であ
る。またこれらのポリエステル支持体の両端あるいは片
端の0.2cmから10cmに、1μm から100μm
の高さのエンボス加工(ナーリング)を付与すること
も、取扱い性を向上させる上で好ましい。ベース厚みは
80μm 以上200μm 以下が好ましい。より好ましく
は85μm 以上150μm 以下が好ましく、さらに好ま
しくは90μm 以上120μm 以下である。この範囲を
下回ると、ベースのスチフネス(腰の強さ)が弱くなり
低湿化で発生する感光層の収縮応力によるねじれカール
が大きくなり易く好ましくない。
【0023】シンジオタクチック−ポリスチレン樹脂
(以下SPS樹脂と略することがある)は特開平8−1
90172号公報記載の方法で合成することができる。
SPSを構成するモノマーはスチレン単独であっても良
く、他のビニル系モノマーとの共重合体であっても良
い。好ましい共重合モノマーは、アルキルスチレン、ハ
ロゲン化スチレン、水素化スチレンを挙げることができ
るが、より好ましいのはアルキルスチレンであり、さら
に好ましいのがメチルスチレンである。好ましい共重合
モノマーの添加量は0%以上25%以下が好ましく、1
%以上20%以下がより好ましく、3%以上15%以下
がさらに好ましい。好ましい化合物例を以下に挙げるが
これに限定されるものではない。 SPS-1 シンジオタクチック−ポリ(スチレン+p−メチルスチレン) コポリマー Tg=99℃ スチレン:p−メチルスチレン=95:5(モル比) SPS-2 シンジオタクチック−ポリスチレン ホモポリマー Tg=100℃ SPS-3 シンジオタクチック−ポリ(スチレン+p−メチルスチレン) コポリマー Tg=97℃ スチレン:p−メチルスチレン=90:10(モル比) SPS-4 SPS-1+SPS-3 ポリマーブレンド Tg=98℃ SPS-1:SPS-3=1:1(重量比) SPS-5 シンジオタクチック−ポリ(スチレン+p−メチルスチレン) コポリマー Tg=99℃ スチレン:p−メチルスチレン=98:2(モル比) この樹脂も前述のポリエステル支持体と同様に多軸延伸
し製膜できる。また、上述のポリエステル支持体と同様
に両端のエンボス加工を行ったり、また、染料や不活性
微粒子を添加してもよい。
【0024】このようにして調製した支持体に感光層、
バック層を塗設するが、その前に表面処理を施すことが
好ましい。表面処理には、薬品処理、機械的処理、コロ
ナ処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー処
理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾ
ン酸化処理などが挙げられ、これらの中でもコロナ処
理、紫外線処理、グロー処理、火焔処理が特に効果があ
り、さらににグロ−処理が有効である。これらについて
は「発明協会公開技法 公技番号94−6023号」に
記載の方法に従って実施することができる。
【0025】本発明の支持体には、帯電防止層を付与す
ることが好ましい。このような帯電防止剤は特に制限さ
れず、導電性の帯電防止剤でも良いし、帯電列調整作用
を有する化合物でも良い。導電性帯電防止剤としては、
金属酸化物やイオン性化合物などを挙げることができ、
本発明で好ましく用いられる導電性の帯電防止剤は、現
像処理後も帯電防止性が失活しない導電性金属酸化物及
びその誘導体,導電性金属,炭素繊維,π共役系高分子
(ポリアリーレンビニレン等)などであり、この中でも
特に好ましく用いられる導電性材料は結晶性の金属酸化
物粒子である。この導電性金属酸化物粒子の最も好まし
い物は、ZnO、TiO2 、SnO2、Al2 3 、I
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2
5 の中から選ばれた少なくとも1種の結晶性の金属酸
化物或いはこれらの複合金属酸化物の微粒子である。こ
の中で特に好ましい物は、SnO2 を主成分とし酸化ア
ンチモン約5〜20%含有させ及び/又はさらに他成分
(例えば酸化珪素、ホウ素、リンなど)を含有させた導
電性材料である。これらの導電性の結晶性酸化物、或い
はその複合酸化物の微粒子はその体積抵抗率が107 Ω
cm以下、よりこのましくは106 Ω以下、さらに好ま
しくは105 Ωcm以下である。これらの導電性素材お
よび塗設方法の詳細はは「発明協会公開技法 公技番号
94−6023号」に記載されており、これに従って実
施することができる。このような導電層の付与は、密着
向上の観点から上記表面処理後に行うことが好ましい。
【0026】下塗り層は重層法と単層法とがある。重層
法における下塗り第1層では、例えば、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ブタジエン、酢酸ビニル、スチレン、ア
クリロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の中か
ら選ばれた単量体を出発原料とする共重合体、エポキシ
樹脂、ゼラチン、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニルな
どが用いられる。下塗り第2層では、主としてゼラチン
が用いられる。
【0027】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。上記の下塗りポリマーは、
硬化することができる。硬膜剤としては例えば、クロム
塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデ
ヒド、グルタールアルデヒドなど)、エポキシ化合物
類、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、エ
ピクロルヒドリン樹脂、ポリアマイド−エピクロルヒド
リン樹脂、シアヌルクロリド系化合物)、ビニルスルホ
ンあるいはスルホニル系化合物、カルバモイルアンモニ
ウム塩系化合物、アミジニウム塩系化合物、カルボジイ
ミド系化合物、ピリジニウム塩系化合物などを挙げるこ
とができる。
【0028】下塗り層には各種の添加剤を含有させるこ
とができる。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハ
レーション剤着色用染料、顔料、塗布助剤、カブレ防止
剤等である。画像の透明性や粒状性を実質的に損なわな
い程度に無機または、有機の微粒子をマット剤として含
有させることができる。無機の微粒子のマット剤として
はシリカ(SiO2 ),二酸化チタン(TiO2 ),炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用することが
できる。有機の微粒子マット剤としては、ポリメチルメ
タクリレート、セルロースアセテートプロピオネート、
ポリスチレン、米国特許第4、142、894号に記載
されている処理液可溶性のもの、米国特許第4、39
6、706号に記載されているポリマーなどを用いるこ
とができる。これらの微粒子マット剤の平均粒径は0.
01〜10μmのものが好ましい。より好ましくは、
0.05〜5μmである。また、その含有量は0.5〜
600mg/m2 が好ましく、更に好ましくは、1〜4
00mg/m2 である。本発明に使用される支持体を膨
潤させる化合物として、レゾルシン、クロルレゾルシ
ン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロルフ
ェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノー
ル、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラール等が用いられる。この中で好ましい
のはレゾルシンとp−クロルフェノールである。これら
の下塗り素材の詳細は「発明協会公開技法 公技番号9
4−6023号」に記載されており、これに従って実施
することができる。
【0029】これらの下塗り液は、一般によく知られた
塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコー
ト法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤー
バーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許第
2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用す
るエクストルージョンコート法等により塗布することが
できる。このような下塗り層の塗設は本発明の熱処理後
に実施するのが好ましい。
【0030】バック層は、例えば、密着層、帯電防止
層、耐傷性付与層、滑り層、耐くっつき防止層、カール
防止層などを挙げることができる。さらに、特開平6−
59357号公報に記載されているような透明磁気記録
層を塗設してもよい。各層の厚さは、好ましくは、0.
0001μm〜10μmであり、0.001μm〜5μ
mがより好ましい。全層の厚さは、0.001〜10μ
mが好ましい。
【0031】また、滑り層を付与する場合、用いられる
滑り剤としては、例えば、特公昭53−292号公報に
開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特
許第4、275、146号明細書に開示されているよう
な高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、
英国特許第927、446号明細書或いは特開昭55−
126238号及び同58−90633号公報に開示さ
れているような高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24
の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエステ
ル)、そして、米国特許第3、933、516号明細書
に開示されているような高級脂肪酸金属塩、また、特開
昭58−50534号公報に開示されているような、直
鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステル、世界公
開90108115.8に開示されているような分岐ア
ルキル基を含む高級脂肪酸−高級アルコールエステル等
が知られている。
【0032】高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコー
ル及びその誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸の
金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級
脂肪酸の多価アルコールエステル等、また、高級脂肪族
アルコール、高級脂肪族アルコールのモノアルキルフォ
スファイト、ジアルキルフォスファイト、トリアルキル
フォスファイト、モノアルキルフォスフェート、ジアル
キルフォスフェート、トリアルキルフォスフェート、高
級脂肪族のアルキルスルフォン酸、そのアミドこれらの
滑り層を構成する素材の詳細はは「発明協会公開技法
公技番号94−6023号」に記載されており、これに
従って実施することができる。
【0033】これらの滑り剤の使用量は特に限定されな
いが、その含有量は十分な滑り、耐傷性を発現するため
には0.001〜0.1g/m2 が好ましく、より好ま
しくは0.005〜0.05g/m2 である。これらの
滑り剤はトルエンやキシレン等の非極性の有機溶剤中に
溶解する方法または塗布液中に分散する方法があるが、
非極性有機溶剤は取扱い難いため分散する方法が好まし
い。滑り剤を分散する方法としては、一般的に知られて
いる乳化、分散法を利用する事が出来る。具体的には、
有機溶剤に溶解しておいて水中で乳化する方法、滑り剤
を高温で溶融して水中で乳化する方法、ボールミル、サ
ンドグラインダーによる固体分散法等である。このよう
な乳化分散法については、刈米、小石、日高編集、「乳
化・分散技術応用ハンドブック」(サイエンスフォーラ
ム版)等の成書に記載されている。
【0034】このようにして下塗り層、バック層を塗設
した支持体上にハロゲン化銀感光層を塗設する。さらに
このようにして作成した感材をスリットする。スリット
幅は10mm以上100mm以下が好ましく、15mm
以上80mm以下がより好ましく、20mm以上70m
m以下がさらに好ましい。またパーフォレーションはつ
けてもつけなくてもよい。また、好ましいフィルム長は
20cm以上5m以下が好ましく、30cm以上4m以下が
より好ましく、40cm以上3m以下がさらに好ましい。
これをスプールに巻き込む。この後、必要に応じてカー
トリッジ(パトローネ)に収納する。
【0035】最後に、本発明で採用した評価・測定法に
ついて説明する。 (1)ガラス転移温度(Tg) 下記方法に従い、示差熱分析計(DSC)を用いて測定
する。 (1) 窒素気流中で10mgのサンプルをアルミニウム製
のパンの中にセット。 (2) 20℃/分で300℃まで昇温(1st run ) (3) 室温まで急冷し、非晶とする (4) 再び20℃/分で昇温(2nd run ) 2nd run でベースラインから偏奇しはじめる温度と新
たなベースラインに戻る温度の算術平均をTg とした。 (2)搬送張力 熱処理ゾーン中の搬送ロ−ルに差同トランス式張力試験
機(例えば三菱電気製LX−TC−100)を設置し測
定する。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例−1 (1)ポリエステルの調製 (1-1) PENの重合 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部、エチレングリコ−ル58部、酢酸マンガン4水和
物0.029部、三酸化アンチモン0.028部、平均
粒径0.3μmの球状シリカ粒子を0.1%を加え、攪
拌しながら200℃に加熱した。副生するメタノールを
除去しつつ235℃まで昇温した。メタノールの副生が
終了後トリメチルリン酸0.03部を添加し、285℃
に昇温しながら0.3Torrに減圧し2時間反応させ
た。さらに固形分に対して、1,5−ビス(p−アニシ
ジノ)アントラキノン、1,4−ビス(tert−ブチルア
ニリノ)−5,8−ジヒドロキシアントラキノンをそれ
ぞれ54ppm加えた。この固有粘度は0.62であっ
た。 (1-2) ポリマーブレンド(PB−1、PB−2)の作成 常法により調製した固有粘度0.58のPETと上記方
法で作成したPENをそれぞれ5:5、2:8の重量比
で混ぜた後160℃で19時間乾燥後、2軸押し出し機
を用い310℃で押しだした。押し出し機内の滞留時間
は4分であった。 (1-3) 共重合体(CP−1、CP−2)の作成 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル:テ
レフタル酸ジメチルエステル(CP−1=50部:50
部、CP−2=80部:20部)をエチレングリコール
58部に分散した後、酢酸マンガン4水和物0.029
部、三酸化アンチモン0.028部、平均粒径0.3μ
mの球状シリカ粒子を0.1%を加え、攪拌しながら2
00℃に加熱した。副生するメタノールを除去しつつ2
35℃まで昇温した。メタノールの副生が終了後トリメ
チルリン酸0.03部を添加し、285℃に昇温しなが
ら0.3Torrに減圧し2時間反応させた。さらに固
形分に対して、1,5−ビス(p−アニシジノ)アント
ラキノン及び1,4−ビス(tert−ブチルアニリノ)−
5,8−ジヒドロキシアントラキノンをそれぞれ54p
pm加えた。この固有粘度はCP−1=0.65、CP
−1=0.63であった。
【0037】(2)ポリエステル支持体の製膜 上記方法で調製したポリエステルをペレットに成形し、
160℃減圧化で19時間乾燥した。これを10μm の
メッシュフィルターを装着した押し出し機にを用い31
0℃で溶融した後、Tダイから50℃のキャスティング
ドラム上の押し出し未延伸フィルムを調製した。この時
の厚みムラを表1に示した。これを赤外線ヒーターを用
い、PENの場合は130℃に加熱しながら、PB−
1、CP−1の場合は100℃に加熱しながらPB−
2、CP−2の場合は110℃に加熱しながら縦(M
D)方向に3.2倍延伸した。さらに、PENの場合は
140℃に加熱しながら、PB−1、CP−1の場合は
120℃に加熱しながら、PB−2、CP−2の場合は
130℃に加熱しながら横(TD)方向に3.5倍延伸
した。この後、PENの場合は245℃に加熱しなが
ら、PB−1、CP−1の場合は225℃、PB−2、
CP−2の場合は235℃に加熱しながら20秒間熱固
定した。これらのPEN、PB−1、CP−1、PB−
2、CP−2の熱固定後の製膜幅は、それぞれ2m、4
m、3m、5m、1.5mであった。これらの支持体の
両端に、それぞれ10mm幅で高さ20μm 、20mm
幅で高さ10μm 、15mm幅で高さ15μm 、25m
m幅で高さ30μm 、10mm幅で高さ25μmのナー
リング加工を、それぞれ20℃、60℃、100℃、1
50℃、180℃で付与した。このようにして製膜した
PB−2,CP−2支持体のエチレングリコール成分を
挟んでナフタレンジカルボン酸成分とテレフタル酸成分
がとなりあう割合(N/E/T比)は各々28%と31
%であった。PB−1,CP−1支持体のN/E/T比
は各々48%と47%であった。PEN、PB−1、C
P−1、PB−2、CP−2のTg はそれぞれ119
℃、90℃,92℃、104℃、105℃であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】(3)感材の作成 上記の方法で作成した支持体(PEN、PB−1、CP
−1、PB−2、CP−2)に、特開平8−57951
号公報の実施例1の表面処理し、バック第1層(導電性
金属酸化錫層)、下塗り層の塗設、バック第2層(オー
バーコート層)の塗設、バック第3層(滑り層)の塗
設、特開平6−175285号公報(対応US5462
824)に記載された実施例1のカラーネガ感光層の塗
設を実施した。本発明の前熱処理およびBTA処理は表
1記載の条件で実施した。表1記載の各水準の、これら
の工程順は下記に示した。 工程順(→:連続して実施、/:一度巻取った後不連続
に実施) 本発明1〜4、22、24、比較例1、2 製膜→前熱処理→BTA処理→表面処理→バック第1層
塗布→下塗層塗布→バック第2層塗布→バック第3層塗
布→巻き取り/カラーネガ感光層塗布 本発明5〜8、23、25 製膜→表面処理→バック第1層塗布→前熱処理→BTA
処理→下塗層塗布→バック第2層塗布→バック第3層塗
布→巻き取り/カラーネガ感光層塗布 本発明9〜12、26、28 製膜→表面処理→下塗層塗布→バック第1層塗布→バッ
ク第2層塗布→バック第3層塗布→前熱処理→BTA処
理→巻き取り/カラーネガ感光層塗布 本発明13〜16、27 製膜→前熱処理→BTA処理/表面処理→バック第1層
塗布→下塗層塗布→バック第2層塗布→バック第3層塗
布→巻き取り/カラーネガ感光層塗布 本発明17〜21、29 製膜→BTA処理→表面処理→バック第1層塗布→下塗
層塗布→バック第2層塗布→バック第3層塗布→巻き取
り/カラーネガ感光層塗布
【0042】(4)評価 (3-1) 平面性 BTA処理終了後の支持体を3000m目視で評価しス
リ傷、凹凸、スジの発生を確認し、その発生長を示し
た。これらが全く発生しないものを”問題無し”とし
た。 (3-2) 巻癖カール 以下の方法で感材の巻癖カールを測定した。 感光層塗布後のサンプルを35mm幅、1.2m長に
裁断する。 25℃60%RHで一晩調湿後、感光層を内巻にして
直径7mmのスプールに巻き付ける。 密封容器中で80℃2時間コアセット後、一晩放冷す
る。 25℃60%RH下開放後直ちにでANSI PH
1.29−1985 TESTMETHOD Aに従いカール版を
用いて最内周のカール値=1/R(曲率半径(m) )を測
定した。これを現像前カール値とした。 この後直ちにミニラボ自動現像機(富士写真フイルム
(株)製FP−550B)を用い現像し、直ちにと同
様にして最内周のカール値を測定した。これを現像後カ
ール値とした。 (5)結果 本発明を実施することで、熱処理に要する時間を大幅に
短縮できた。又、巻き癖をつきにくくでき、平面性に優
れた支持体の熱処理方法を提供できた。
【0043】実施例−2 (1)SPSの調製 特開平8−190172の実施例1に従って、下記組成
のSPS-1,2,3 を調製した。 SPS-1 シンジオタクチック−ポリ(スチレン+p−メチルスチレン) コポリマー Tg=99℃ スチレン:p−メチルスチレン=95:5(モル比) SPS-2 シンジオタクチック−ポリスチレン ホモポリマー Tg=100℃ SPS-3 シンジオタクチック−ポリ(スチレン+p−メチルスチレン) コポリマー Tg=97℃ スチレン:p−メチルスチレン=90:10(モル比) (2)SPS支持体の製膜 特開平8−190172の実施例1の水準1-1,1-12の方
法に従ってそれぞれ100μm と200μm のSPS-1,2,
3 の支持体を製膜した。
【0044】
【表4】
【0045】(3)感材の作成 上記の方法で作成した支持体(SPS−1、2、3)
に、特開平8−190172の実施例1の表面処理、下
塗り層を塗設し、さらに本発明の前熱処理およびBTA
処理は表2記載の条件で実施した。表2記載の各水準の
工程順は下記に示した。 工程順(→:連続して実施) 水準30、33、34 製膜→表面処理→下塗り→前熱処理→BTA処理→巻き
取り 水準31、35、37 製膜→前熱処理→BTA処理→表面処理→下塗り→巻き
取り 水準32、36 製膜→表面処理→下塗り→BTA処理 これに特開平8−190172の実施例1の導電層(導
電性金属酸化錫層)、バック層の塗設、白黒感光層(乳
剤層,保護層下層、保護層上層)の塗設を実施した。
【0046】(4)評価 (3-1) 平面性 実施例−1と同様に支持体を3000m目視で評価しス
リ傷、凹凸、スジの発生を確認し、その発生長を示し
た。これらが全く発生しないものを”問題無し”とし
た。 (3-2) 巻癖カール 以下の方法で感材の巻癖カ−ルを測定した。 感光層塗布後のサンプルをA−4サイズに裁断する。 25℃60%RHで一晩調湿後、感光層を内巻にして
直径50mmのスプールに、フィルムの長手方向に巻き
付ける。 密封容器中で50℃16時間コアセット後、一晩放冷
する。 25℃60%RH下開放後直ちにでANSI PH
1.29−1985 TESTMETHOD Aに従いカール版を
用いて最内周のカール値=1/R(曲率半径(m) )を測
定した。これを現像前カール値とした。 この後直ちにミニラボ自動現像機(富士写真フイルム
(株)製FG−660F:現像液SR−D1、定着液S
R−F1)を用い現像し、直ちにと同様にして最内周
のカ−ル値を測定した。これを現像後カール値とした。 (5)結果 本発明を実施することで、短時間で巻き癖をつきにくく
でき、平面性に優れた支持体の熱処理方法を提供でき
た。
【0047】
【発明の効果】従来のロール状での熱処理法にくらべ熱
処理に要する時間を大幅に短縮することができた。又、
巻き癖をつきにくくでき、平面性に優れた支持体を製造
することが可能になった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2以上50以下の熱処理ゾー
    ンを搬送しながら熱可塑性支持体を熱処理する方法にお
    いて、該熱処理ゾーンの温度がガラス転移温度(Tg )
    −70℃以上Tg 以下であり、かつ該熱処理ゾーンの少
    なくとも一組の温度差が0.5℃以上50℃以下である
    ことを特徴とする該支持体の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 該熱処理ゾーンの温度(℃)が送り出し
    側から順にT1 、T2 、・・・Tn 、Tn+1 、・・であ
    るとき、Tn >Tn+1 となる組み合わせが少なくとも半
    数以上であることを特徴とする請求項1に記載の支持体
    の熱処理方法。
  3. 【請求項3】 該熱処理ゾーンの該熱処理時間の総和が
    10分以上5時間以下であることを特徴とする請求項
    1、2に記載の支持体の熱処理方法。
  4. 【請求項4】 Tg以上200℃以下の温度で前処理
    後、連続して、あるいは一度巻取った後、該熱処理を行
    うことを特徴とする請求項1〜3に記載の支持体の熱処
    理方法。
  5. 【請求項5】 該熱処理が2kg/m以上30kg/m
    以下の張力で搬送しながらなされたことを特徴とする請
    求項1〜4に記載の支持体の熱処理方法。
  6. 【請求項6】 該熱処理後10℃以上Tg −5℃以下で
    巻取ったことを特徴とする請求項1〜5に記載の支持体
    の熱処理方法。
  7. 【請求項7】 該熱処理が製膜から下塗りおよび、また
    はバック層塗布までの間に連続して成されたことを特徴
    とする請求項1〜6に記載の支持体の熱処理法。
  8. 【請求項8】 該支持体のTgが50℃以上200℃以
    下、厚み80μm 以上200μm 以下のポリエステルで
    あることを特徴とする請求項1〜7に記載の支持体の熱
    処理法。
  9. 【請求項9】 該ポリエステルのジカルボン酸ユニット
    の50モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸ユ
    ニットからなることを特徴とする請求項8に記載の支持
    体の熱処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の方法で熱処理されたこ
    とを特徴とする写真用支持体。
JP1301597A 1997-01-27 1997-01-27 熱可塑性支持体の熱処理方法及びこれを用いた写真用支持体 Pending JPH10207006A (ja)

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