JPH10205580A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JPH10205580A
JPH10205580A JP1054897A JP1054897A JPH10205580A JP H10205580 A JPH10205580 A JP H10205580A JP 1054897 A JP1054897 A JP 1054897A JP 1054897 A JP1054897 A JP 1054897A JP H10205580 A JPH10205580 A JP H10205580A
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JP
Japan
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spring
vibration damping
plate
circumferential direction
damper
Prior art date
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Application number
JP1054897A
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English (en)
Inventor
Kanehisa Nagao
金久 長尾
Mamoru Okubo
護 大久保
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Publication date
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Priority to US08/925,484 priority patent/US6062548A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で振動減衰のためのダンパー機能
を得る。 【解決手段】 振動減衰ばね121は、第1回転部材と
第2回転部材との間に両回転部材が相対回転するとその
間で圧縮されるように配置され、複数の屈曲部124,
126と屈曲部124,126同士を連結する複数のレ
バー部125とからなり円周方向に並べられた複数の板
ばね122と、少なくとも1つの板ばね122のレバー
部125間に配置され板ばね122が圧縮されるときに
弾性変形する複数の弾性体123とを含む。ばね受けス
ライダ90は、複数の板ばね122間に配置されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動減衰ばね及び
それが用いられたダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば車輌においては、エンジン側の
部材とトランスミッション側の部材との間にエンジンの
トルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられて
いる。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフラ
イホイール組立体に組み込まれている。ダンパー機構
は、互いに相対回転可能な入力側部材及び出力側部材
と、両部材が相対回転するときにその回転を制限するよ
うに配置されたコイルスプリング及び円弧状コイルスプ
リングなどの金属ばね部材と、両部材が相対回転すると
きに摩擦抵抗を発生させて、例えばエンジンの始動・停
止時の大振動を減衰するための大摩擦抵抗発生機構と走
行時などの微小振動を減衰するための機構とを含んでい
る。また、大摩擦抵抗発生機構の代わりに粘性抵抗を発
生させて大振動を減衰する粘性抵抗発生機構を用いたも
のがある。粘性抵抗発生機構は、摩擦発生機構に比べて
大きな抵抗を発生できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のダンパー機
構では、粘性抵抗発生機構を用いるため、流体を収容す
るための流体チャンバ及びそのシール機構が必要にな
る。また、金属ばね部材と粘性抵抗発生機構の2種類の
機構を必要とするため、構造が複雑になる。大摩擦抵抗
発生機構を用いたものは、摩擦プレート、摩擦材、押し
付け力付加機構を備える必要があり、構造が複雑にな
る。また、弧状ロングストロークばね部材を用いた低剛
性により微小振動減衰機構は、ダンパー収容室の外周側
内壁とばね外周部との摺動摩擦抵抗により微小振動減衰
能力が著しく阻害される。
【0004】本発明の目的は、簡単な構造で振動減衰の
ためのダンパー機能を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、第1回転部材と第2回転部材と振動減衰ばね
と支持部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転
部材と相対回転可能に配置されている。振動減衰ばね
は、第1回転部材と第2回転部材との間に両回転部材が
相対回転するとその間で圧縮されるように配置され、複
数の屈曲部と屈曲部同士を連結する複数のレバー部とか
らなり円周方向に並べられた複数の板ばねと、少なくと
も1つの板ばねのレバー部間に配置され板ばねが圧縮さ
れるときに弾性変形する複数の弾性体とを含む。支持部
材は、複数の板ばね間に配置されている。
【0006】請求項1に記載のダンパー機構では、板ば
ねと弾性体とからなる簡単なばね要素により、従来のば
ね部材と摩擦発生機構との両方の機能を実現しているた
め、コンパクトな構造で高機能の性能が得られる。ま
た、複数の分割された板ばねを用いることで各板ばね部
分に異なる特性を持たせること可能なので振動減衰ばね
全体の特性を調整が容易である。各板ばね部分に異なる
特性を持たせる例としては、以下の方法がある。複数の
板ばねは弾性体が配置されたものと配置されていないも
のとがあるようにする。複数の板ばねは、ばね内に配置
された弾性体の数、形状または位置が異なるものがある
ようにする。複数の板ばねはばね定数が異なるものがあ
るようにする。
【0007】請求項2に記載のダンパー機構では、請求
項1において、支持部材は、支持部材の円周方向両側の
板ばねに係合し板ばねの半径方向外方への移動を制限す
る係合部を有する。第1回転部材と第2回転部材とが相
対回転するときに、複数の板ばねが円周方向に圧縮され
る。複数の板ばねは圧縮時に半径方向外側に迫り出そう
とするが、支持部材が係合部を介して板ばねの半径方向
外方への移動を制限しているため、複数の板ばねが半径
方向外方に移動しにくい。その結果、振動減衰ばねと他
の部材との間で生じる摺動摩擦抵抗が少なくなる。
【0008】請求項3に記載のダンパー機構では、請求
項1又は2において、第1及び第2回転部材は、振動減
衰ばねと支持部材を収納するダンパー収容室を形成して
いる。支持部材はダンパー収容室の外周内側壁に円周方
向に摺動自在な摺動面を有している。請求項4に記載の
ダンパー機構では、請求項2または3において、支持部
材は、複数の板ばね間に配置されたばね受け部と、ばね
受け部の半径方向外側端部から円周方向両側に延び、板
ばねの半径方向外側部の一部に当接している支持部とを
有している。
【0009】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1〜図3に示すモジュラークラッチ1は、主に、フレ
キシブルプレート7とイナーシャ部材17と第2フライ
ホイール2とクラッチカバー組立体3とクラッチディス
ク組立体4とダンパー機構9とから主に構成されてい
る。図2及び図3の左側にはエンジン(図示せず)が配
置されており、右側にはトランスミッション(図示せ
ず)が配置されている。このモジュラークラッチ1は、
エンジンのクランクシャフト5からのトルクをトランス
ミッション側から延びるメインドライブシャフト6に伝
達あるいは遮断するための装置である。図2及び図3に
おいてO−Oがモジュラークラッチ1の回転軸線であ
る。
【0010】クランクシャフト5の先端には、フレキシ
ブルプレート7とイナーシャ部材17(第1フライホイ
ール)が設けられている。フレキシブルプレート7は円
板状の板金製プレート部材であり、内周部に円板状のプ
レート部材14がリベット15により固定されている。
フレキシブルプレート7の内周部はプレート部材14と
ともにエンジン側のクランクシャフト5に円周方向に並
んだ複数のボルト12により固定される。フレキシブル
プレート7の半径方向中間部には、円周方向に等間隔で
複数の丸い孔7aが形成されている。フレキシブルプレ
ート7は円周方向には剛性が高く、曲げ方向には撓み可
能である。
【0011】フレキシブルプレート7の外周端には、リ
ベット16によりイナーシャ部材17が固定されてい
る。イナーシャ部材17は、軸方向に長く延びる筒状の
部材である。また、イナーシャ部材17にはリングギア
13が固定されている。イナーシャ部材17には、円周
方向に等間隔で3か所に内周側と外周側とを連通する操
作孔17aが形成されている。
【0012】このように予めクランクシャフト5側にフ
レシキブルプレート7及びイナーシャ部材17が設けら
れており、これらに対してモジュラークラッチ1の残り
部分が取り付けられる。ダンパー機構9は、主に、入力
側部材(第1回転部材)としての第1及び第2入力プレ
ート42と、出力側部材(第2回転部材)としてのドリ
ブン部材43と、入力側部材と出力側部材との間に配置
されトルク伝達と振動減衰を行うための振動減衰ばね1
21とから構成されている。第1入力プレート41はフ
レキシブルプレート7の側方に配置された円板状の板金
製プレート部材である。第1入力プレート41の外周部
はイナーシャ部材17の内周面に当接している。また、
第1入力プレート41の半径方向中間部はトランスミッ
ション側に突出しトランスミッション側から見ると環状
凹部を形成している。第2入力プレート42は、第1入
力プレート41の側方に配置された円板状の板金製プレ
ート部材である。第2入力プレート42の外周端はイナ
ーシャ部材4の内周面に当接している。また、第2入力
プレート42の外周部と第1入力プレート41の外周部
とは互いに当接しており、リベット48により互いに固
定されている。第1入力プレート41の内周部は、第2
入力プレート42の内周よりさらに内周側に延びてい
る。第1入力プレート41の内周部には、エンジン側に
筒状に突出する内周突出部41bとなっている。さら
に、第1及び第2入力プレート41,42の外周部は、
円周方向に等間隔で3か所に3本ずつのボルト11によ
りイナーシャ部材17に固定されている。ボルト11
は、トランスミッション側から固定される。また、各ボ
ルト11に対応する部分にはイナーシャ部材17に溝1
7bが形成されている。
【0013】第1入力プレート41の環状凹部と第2入
力プレート42とによって形成される環状空間は、ダン
パー収容室20となっている。ダンパー収容室20の外
周内壁及び1対の側方内壁は第1入力プレート42によ
り形成されている。このダンパー収容室20内には、1
対の振動減衰ばね121が配置されている。振動減衰ば
ね121は、ダンパー機構9において、トルク伝達を行
うとともにエンジンのトルク変動に起因する捩じり振動
を減衰するための振動減衰機構である。図4に示すよう
に、各振動減衰ばね121は、円周方向に並べられたた
3つの分割振動減衰ばね121A,121B,121C
により構成されている。分割振動減衰ばね121Aと1
21Bとの間、及び121Bと121Cとの間にはそれ
ぞればね受けスライダ90(支持部材)が配置されてい
る。
【0014】各分割振動減衰ばね121A,121B,
121Cは、円周方向に延びる板ばね122と、板ばね
122に設けられた複数の弾性体123とから構成され
ている。板ばね122は金属製であり具体的にはバネ鋼
からなる。板ばね122は細長いリボン状部材が交互に
折り曲げられながら円周方向に延び、図4〜図7に示す
ように、複数の半径方向外側の第1屈曲部124と、複
数の半径方向内側の第2屈曲部126と、屈曲部12
4,126の両端同士を連結する複数のレバー部125
とから構成されている。図6から明らかなように、板ば
ね122は、全体にわたって幅W(軸方向長さ)及び厚
みTが一定である。板ばね122のレバー部125長手
方向(半径方向)の長さをLは、ダンパー収容室20の
半径方向長さよりやや短い。板ばね122の幅Wは、ダ
ンパー収容室20の軸方向寸法よりわずかに短い、ある
いはほぼ同じである。第1屈曲部124の径は、第2屈
曲部126の径より大きい。また、個々の屈曲部124
または126から延びる1対のレバー部125は、各屈
曲部124または126の両端から対向する側の屈曲部
124または126側に直線状に延びており、対向する
側の屈曲部124または126側に近づくにつれて互い
に対してしだいに接近するように傾斜している。
【0015】複数の弾性体123は、各分割振動減衰ば
ね121A,121B,121Cにおいて、板ばね12
2の第1屈曲部124の内側に、すなわち第1屈曲部1
24の両端から延びる各1対のレバー部125間に配置
されている。弾性体123は例えばゴム製であり、板ば
ね122の屈曲部124側の内側面にモールドされてい
る。弾性体123は、両側のレバー部125に沿って半
径方向に長く延びている。弾性体123は、図5に示す
ように、屈曲部124側の部分を密着部123aとし、
密着部123aからレバー部125が延びる方向に延び
る部分を突出部123bとする。密着部123aは屈曲
部124に沿った形状であり、屈曲部124の内面とレ
バー部125の屈曲部124側とにモールド成形されて
いる。突出部123bは1対のレバー部125との間に
隙間Gを有している。突出部123bは、先端に向かっ
て円周方向長さが徐々に短くなっており、レバー部12
5との隙間Gが徐々に長くなっている。図7に示すよう
に、弾性体123は幅W方向長さが板ばね122よりわ
ずかに短い。
【0016】ばね受けスライダ90は、例えば樹脂製材
料からなり、ダンパー収容室20内を円周方向に移動自
在に配置されている。ばね受けスライダ90は、ばね受
け部90aと支持部90bとから構成されている。ばね
受け部90aはダンパー収容室20と半径方向長さがほ
ぼ等しい。ばね受け部90aは円周方向両側の面がほぼ
平坦であり、各振動減衰ばね121A,121B,12
1Cのレバー部125に当接している。支持部90bは
ばね受け部90aの半径方向外側端部から円周方向に延
びている。ばね受け部90a及び支持部90bの外周側
は、ダンパー収容室20の外周壁に摺動可能な滑らかに
湾曲した摺動面90cとなっている。また、支持部90
bは、両側の第1屈曲部124の半径方向外側を支持し
ている。このようにばね受けスライダ90の支持部90
bが各分割振動減衰ばね121A,121B,121C
の板ばね122部分とダンパー収容室20の外周壁との
間に配置されているため、各分割振動減衰ばね121
A,121B,121Cとダンパー収容室20の外周壁
との間には隙間が確保されている。この結果、振動減衰
ばね121の圧縮時に第1屈曲部124がダンパー収容
室20の外周壁に摺動しにくい。また、ダンパー収容室
20の外周内壁には摩擦係数が極小のコーティング、例
えばテフロン系、二流化モリブデン系、グラファイト
系、フッ素系のコーティング及び侵窒化処理などを施
す。ばね受けスライダ90には摩擦係数が低い部材を用
いている。この結果、ばね受けスライダ90とダンパー
収容室20の外周壁との間の摺動抵抗が少ない。
【0017】振動減衰ばね121を3つの分割振動減衰
ばね121A,121B,121Cに分割することで、
各振動減衰ばねに異なる特性を有するものを用いること
ができる。例えば、形状(厚み、幅、ピッチ)の異なる
板ばねを組み合わせてもよい。その結果、振動減衰ばね
121全体の特性の調整が容易である。これが円周方向
に長い1枚の板ばねであれば、板ばねの厚みや幅を部分
的に変化させる必要があり、製造コストが高くなる。
【0018】振動減衰ばね121の円周方向両端すなわ
ち分割振動減衰ばね121A,121Cの円周方向外側
端部では、第1屈曲部124Aからレバー部125Aが
半径方向中間まで延びており、その第1屈曲部124A
内には短いレバー部125Aとほぼ同じ長さの弾性体1
23Aが配置されている。なお、円周方向両端のレバー
部を半径方向内側まで延ばして、円周方向両端の弾性体
の半径方向寸法を他の弾性体と同じように長くしてもよ
い。
【0019】ドリブン部材43は円板状の部材であり、
円板状部分から一体に径方向外側に延びる1対の係合部
43aを有している。係合部43aは半径方向に対向す
る2か所においてダンパー収容室20内に延びており、
それぞれ1対の振動減衰ばね121の円周方向両端に当
接している。また、第1及び第2入力プレート41,4
2は、半径方向に対向する2か所において軸方向に突出
し振動減衰ばね121の円周方向両端に当接する支持部
41a,42aを有している。
【0020】第2フライホイール2は、イナーシャ部材
17の内側でダンパー機構9のトランスミッション側に
配置されており、外周部のトランスミッション側に平坦
な摩擦面2aを有している。また、第2フライホイール
2には、摩擦面2aより内周側で両面を連通する連通孔
2jが形成されている。フライホイール2の内周部に
は、ドリブン部材43の内周部がリベット51により固
定されている。第2フライホイール2とドリブン部材4
3の内周部は、軸受61を介して第1入力プレート41
の内周突出部41bに支持されている。フライホイール
2の外周面トランスミッション側には円周方向に等間隔
で3か所に係合部2kが形成されている。係合部2kは
半径径方向外側に突出している。また、係合部2kのエ
ンジン側端面は半径方向内側にいくにしたがって深くな
るように傾斜している。
【0021】クラッチカバー組立体3は、主に、クラッ
チカバー21とプレッシャープレート22とダイヤフラ
ムスプリング23と連結プレート28とスタッドピン2
6と2本のワイヤリング27とコーンスプリング29と
から構成されている。クラッチカバー21は、真ん中に
大径の孔が形成された皿形状のプレート部材であり、そ
の外周部には円周方向に等間隔で3か所に所定の幅を有
しかつフライホイール2側に延びる延長部62が形成さ
れている。各延長部62の先端には、内周側に折り曲げ
られた折曲げ部63が形成されている。折曲げ部63は
第2フライホイール2の係合部2kに係合している。こ
れにより、クラッチカバー21はフライホイール2に対
してトランスミッション側に移動不能になっている。ま
た、延長部62の先端には円周方向に延びる切欠きが形
成されており、この切欠きには同じく円周方向に延びる
プレート64が係合している。プレート64はボルト6
5により第2フライホイール2の外周面2bに固定され
ている。このようにして、クラッチカバー21はフライ
ホイール2に対して相対回転不能となっている。また、
このようにフライホイール2のボルト取付座を廃止する
ことにより、フライホイール2が半径方向に小型化して
いる。
【0022】プレッシャープレート22は、クラッチカ
バー21内に配置された環状の部材である。プレッシャ
ープレート22には、フライホイール2の摩擦面2aに
対向する押圧面22aが形成されている。また、プレッ
シャープレート22において押圧面22aと反対側の面
にはトランスミッション側に突出する環状突出部22b
が形成されている。さらに、プレッシャープレート22
には、径方向内側に延びるフランジ部22cが形成され
ている。
【0023】ダイヤフラムスプリング23は円板状の部
材であり、クラッチカバー21の底部とプレッシャープ
レート22との間に配置されている。ダイヤフラムスプ
リング23は環状の弾性部23aと、そこから内周側に
延びる複数のレバー部23bとから構成されている。複
数のレバー部23b間の外周側には第1孔23cが形成
されている。また、各スリットにおいて円周方向に等間
隔で3か所には第2孔23dが形成されている。第2孔
23dは第1孔23cより径方向内方に長く延びてお
り、プレッシャープレート22のフランジ部22c付近
まで延びている。環状の弾性部23aは内周端の両側面
が後述するワイヤリング27により支持されており、外
周部がプレッシャープレート22の環状の突出部22b
に当接している。この状態で弾性部23aはプレッシャ
ープレート21をフライホイール2側に付勢している。
【0024】ダイヤフラムスプリング23を支持するた
めの支持構造25について説明する。クラッチカバー2
1の底部の内周端に固定された複数のスタッドピン26
はダイヤフラムスプリング23の第1孔23cを貫通し
てプレッシャープレート22側に延びている。各スタッ
ドピン26の他端には、連結プレート28(後述)が固
定されている。各スタッドピン26より外周側において
連結プレート28とダイヤフラムスプリングとの間及び
ダイヤフラムスプリング23とクラッチカバー21の底
部との間にはそれぞれワイヤリング27が配置されてい
る。すなわち、ダイヤフラムスプリング23の弾性部2
3aの内周部は1対のワイヤリング27に挟まれてい
る。
【0025】連結プレート28は環状のプレート部材で
あり、その内周部には円周方向R1側(図1)に弧状に
長く延びる3本の連結部28aが一体に形成されてい
る。この連結部28aの先端は、リベット22cにより
プレッシャープレート22のフランジ部22cに固定さ
れている。リベット22cの位置はダイヤフラムスプリ
ング23の第2孔23dに対応している。連結部28a
は円周方向に剛性が高く軸方向に撓み可能となってい
る。連結部28aはクラッチ連結状態でプレッシャープ
レート22を第2フライホイール2から離れる方向に付
勢している。
【0026】コーンスプリング29は、連結プレート2
8の外周部に配置されている。コーンスプリング29の
内周端は連結プレート28に支持され、外周端がダイヤ
フラムスプリング23の外周端すなわちプレッシャープ
レート22の環状突出部22bに近接する部分をプレッ
シャープレート22から離れる方向に付勢している。以
上に述べたように、連結プレート28はクラッチカバー
21とプレッシャープレート22とを連結するととも
に、コーンスプリング29を支持している。以上のよう
に連結プレート28に複数の機能を持たせることで部品
点数を減らしている。
【0027】複数の係止部材84は固定ピン65により
プレッシャープレート22に固定され、一端がダイヤフ
ラムスプリング23の外周端部をプレッシャープレート
22の環状突出部22bとの間に挟持している。なお、
この係止部材84に対応する延長部62の位置には孔2
1cが形成されている。クラッチディスク組立体4は、
前述したクラッチ連結部31とハブ34とプレート66
とから主に構成されている。クラッチ連結部31はフラ
イホイール2の摩擦面2aとプレッシャープレート22
の押圧面22aとの間に配置されている。ハブ34は、
トランスミッションから延びるメインドライブシャフト
6にスプライン係合している。プレート66は、内周部
がリベット19によりハブ34のフランジに固定され、
外周部がリベット18によりクラッチ連結部31に固定
されている。プレート66には、円周方向に等間隔で複
数の孔66aが形成されている。
【0028】メインドライブシャフト6は、先端がクラ
ンクシャフト5に軸受69を介して支持されている。レ
リーズ装置8は、メインドライブシャフト6の回りに軸
方向に移動可能に配置されている。レリーズ装置8は一
端がダイヤフラムスプリング23のレバー部23b先端
のトランスミッション側の側面に係合している。レリー
ズ装置8がエンジン側に移動してレバー部23bをエン
ジン側に移動させると、弾性部23aからプレッシャー
プレート22への付勢力は解除される。
【0029】なお、図2においてボルト70が図示され
ているものの、モジュラークラッチ1の使用時にボルト
70は用いられない。ボルト70はクラッチカバー組立
体3をフライホイール2に組付けまたは分解するときに
用いる。複数のボルト70は、クラッチカバー21の底
部の内周側に形成された孔を貫通してさらにダイヤフラ
ムスプリング23の第1孔23cを通りさらに連結プレ
ート28を通ってプレッシャープレート22に螺合して
いる。 〔動作〕次に、モジュラークラッチ1の動作について説
明する。
【0030】エンジンのクランクシャフト5が回転する
と、トルクがフレキシブルプレート7を介してモジュラ
ークラッチ1に伝達される。トルクはダンパー機構9を
介してフライホイール2に伝達され、さらにクラッチデ
ィスク組立体4に出力される。プレッシャープレート2
2は、連結プレート28を介してクラッチカバー21と
一体回転する。このようにプレッシャープレート22の
回転駆動はプレッシャープレート22の内周部とクラッ
チカバー21の内周部とを連結する連結プレート28で
行われている。したがって、従来とは異なり、クラッチ
カバー21の外周部にストラッププレートを収容するた
めの切欠きを設ける必要がない。
【0031】イナーシャ部材17が第1及び第2入力プ
レート41,42に固定されているため、振動減衰ばね
121を介して入力系と出力系に分かれる動力の入出力
系において入力系の慣性モーメントを充分に確保でき
る。その結果、共振周波数をエンジンの実用回転数領域
以下に設定できる。イナーシャ部材17が外周部に配置
されているため、ダンパー収容室20を構成する部材で
ある第1及び第2入力プレート41,42を軸方向に薄
くできる。その結果、モジュラークラッチ1全体が軸方
向に小型化される。さらに、イナーシャ部材17は軸方
向に長く延びているため、全体が半径方向に大型化しな
い。イナーシャ部材17をダンパー機構9の外周部に設
けても装置全体が半径方向に大型化しなくなったのは、
第2フライホイール2からクラッチ取付座を廃止して、
イナーシャ部材17をより半径方向内側に配置できるよ
うになったからである。
【0032】クランクシャフト5から曲げ振動が伝達さ
れた場合は、フレキシブルプレート7が曲げ方向にたわ
むことで振動を吸収する。エンジン側から捩じり振動が
伝達されると、ダンパー機構9において、第1及び第2
入力プレート41,42とドリブン部材43が周期的な
相対回転を行う。このとき、振動減衰ばね121が円周
方向に圧縮される。ここでは、振動減衰ばね121は、
屈曲部124、1対のレバー部125及び弾性体123
からなる複数のばね要素が円周方向に直列に作用してい
ると考えられるため、広捩じり角度で低剛性の特性が得
られる。
【0033】捩じり振動伝達時における振動減衰ばね1
21の動作について詳細に説明する。エンジンのトルク
変動に起因する微小捩じり振動が伝達されると、振動減
衰ばね121の各分割振動減衰ばね121A,121
B,121Cにおける各ばね要素が図5の状態と図8の
状態との間で交互に変化する。振動減衰ばね121は、
図5の状態から図8の状態に移行する際に、第2屈曲部
126が主に弾性変形し、低剛性が得られる。図8にお
いては、レバー部125の第2屈曲部126側部分は弾
性体123の突出部123bに当接している。しかし、
レバー部125全体が弾性体123を強く挟みつけるこ
とはない。そのため、弾性体123では大きな内部摩擦
は発生しない。このようにして、低剛性・小抵抗の特性
により、微小捩じり振動がフライホイール2側に伝達さ
れにくくなっている。
【0034】また、前述したように、ばね受けスライダ
90により、振動減衰ばね121がダンパー収容室20
の外周内壁に摺動しにくくなっているため、全体の抵抗
(ヒステリシストルク)が大きくならない。そのため、
微小捩じり振動がトランスミッション側に伝達されにく
い。低回転数領域での共振点通過時にダンパー機構9に
過大トルク変動が生じると、振動減衰ばね121の変位
角度が大きくなり、それに伴いレバー部125のたわみ
量大きくなるとともに、弾性体123の弾性変形量が大
きくなり高ヒステリシストルクが発生する。その結果、
過大トルク変動が減衰される。具体的に説明すると、振
動減衰ばね121は、図5の状態から図8の状態を経て
図9の状態に移行する。図8に示す状態から図9に示す
状態に移行する際に、第1屈曲部124の変形も大きく
なり、弾性体123は両側のレバー部125に強く挟み
つけられて弾性変形する。このとき、弾性体123で大
きな内部摩擦が発生する。
【0035】図9に示す変位角度が最大の状態では、板
ばね122の第1屈曲部124側同士が円周方向に当接
する。この状態では、弾性体123が円周方向に直列に
当接しており、振動減衰ばね121の所定角度以上の弾
性変形を防止している。すなわち、弾性体123は、ダ
ンパー機構9のストッパーとして機能している。運転者
がクラッチペダルを踏むと、レリーズ装置8の一端がダ
イヤフラムスプリング23のレバー部23bをエンジン
側に移動させる。その結果、弾性部23aの外周端部が
プレッシャープレート22の環状突出部22bから離れ
る。すると、連結プレート28の連結部28aの付勢力
と係止部材86とにより、プレッシャープレート22が
クラッチディスク組立体4のクラッチ連結部31から離
れる。この結果、第2フライホイール2からクラッチデ
ィスク組立体4へのトルク伝達が遮断される。以上に述
べるレリーズ動作時において、コーンスプリング29が
ダイヤフラムスプリング23にトランスミッション側へ
の荷重を与えているので、レリーズ荷重が下がって平坦
になり、ペダル踏力が低減される。 〔有利な効果〕振動減衰ばね121は、板ばね122と
弾性体123との組み合わせだけで従来の弾性部材と摩
擦発生機構の両方の機能を実現しているため、コンパク
トな構造で機能が高い。その結果、ダンパー機構9の寸
法を小さくできる。また、板ばね122は板を折り曲げ
た形状であるため、従来のコイルスプリングに比べて振
動減衰ばね121の幅W寸法を短くできる。その結果、
ダンパー機構9及びモジュラークラッチ1全体の軸方向
寸法を短くできる。
【0036】さらに、この実施形態では、各分割振動減
衰ばね121A,121Bにおいて、弾性体123を配
置した屈曲部124と弾性体を配置しない屈曲部126
を設けることで、高剛性の部分と低剛性の部分が直列に
作用するようにしている。この結果、ダンパー機構9に
おいて捩じり角度の小さな範囲では第2屈曲部126に
よる小さな抵抗を得て、捩じり角度の大きな範囲では第
1屈曲部124における弾性体123による大きな抵抗
を得ている。
【0037】振動減衰ばね121は、板ばね122に複
数の弾性体123を組み合わせるだけで従来以上あるい
は少なくとも同様の振動減衰特性を得られるため、粘性
抵抗を用いる必要がない。その結果、ダンパー収容室2
0にシール機構が不要になり、ダンパー機構9が大幅に
簡素化する。第2実施形態 第1実施形態では弾性体は同じ材料からなることを前提
としている。しかし、異なる材料からなる弾性体を配置
してもよい。第3実施形態 弾性体123の数、種類、形状または配置位置を各分割
振動減衰ばねにおいて異ならせてもよい。たとえば、図
10に示す振動減衰ばね121では、円周方向両側に配
置された分割振動減衰ばね121A,121Cは、中間
の分割振動減衰ばね121Bに比べて弾性体123の数
が少なくなっている。この結果、第1実施形態に比べて
振動減衰ばね121全体の剛性が低くなっている。さら
に、弾性体が配置されていない分割振動減衰ばね(すな
わち板ばねのみからなる分割振動減衰ばね)を弾性体が
設けられた分割振動減衰ばねと組み合わせてもよい。
【0038】本発明に係るダンパー機構は、フライホイ
ール部分以外にも他の動力伝達装置、例えばクラッチデ
ィスク組立体やトルクコンバータのロックアップクラッ
チに用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る振動減衰ばねでは、板ばね
と弾性体とからなる簡単なばね要素により、従来のばね
部材と摩擦発生機構との両方の機能を実現しているた
め、コンパクトな構造で高機能の性能が得られる。ま
た、複数の分割された板ばねを用いることで各板ばね部
分に異なる特性を持たせること可能なので振動減衰ばね
全体の特性を調整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の平
面図。
【図2】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図4】振動減衰ばねの平面図。
【図5】図4の部分拡大図。
【図6】板ばねの部分斜視図。
【図7】図5のVII-VII 断面図。
【図8】振動減衰ばねの動作状態を示す部分平面図。
【図9】振動減衰ばねの動作状態を示す部分平面図。
【図10】他の実施形態における、振動減衰ばねの平面
図。
【符号の説明】
5 ダンパー機構 20 ばね収容室 41 第1入力プレート 42 第2入力プレート 43 ドリブンプレート 90 ばね受けスライダ(支持部材) 90a ばね受け部 90b 支持部 90c 摺動面 121 振動減衰ばね 121A,121B,121C 分割振動減衰ばね 122 板ばね 123 弾性体 124 第1屈曲部 125 レバー部 126 第2屈曲部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回転部材と、 前記第1回転部材と相対回転可能に配置された第2回転
    部材と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に前記両回
    転部材が相対回転するとその間で圧縮されるように配置
    され、複数の屈曲部と前記屈曲部同士を連結する複数の
    レバー部とからなり円周方向に並べられた複数の板ばね
    と、少なくとも1つの前記板ばねの前記レバー部間に配
    置され前記板ばねが圧縮されるときに弾性変形する複数
    の弾性体とを含む振動減衰ばねと、 前記複数の板ばね間に配置された支持部材と、を備えた
    ダンパー機構。
  2. 【請求項2】前記支持部材は、前記支持部材の円周方向
    両側の前記振動減衰ばねに係合し前記振動減衰ばねの半
    径方向外方への移動を制限する係合部を有する、請求項
    1に記載のダンパー機構。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2回転部材は、前記振動減
    衰ばねと前記支持部材を収納するダンパー収容室を形成
    し、 前記支持部材は前記ダンパー収容室の外周内側壁に円周
    方向に摺動自在な摺動面を有している、請求項1又は2
    に記載のダンパー機構。
  4. 【請求項4】前記支持部材は、前記複数の板ばね間に配
    置されたばね受け部と、前記ばね受け部の半径方向外側
    端部から円周方向両側に延び、前記板ばねの半径方向外
    側部の一部に当接している前記支持部とを有している、
    請求項2又は3に記載のダンパー機構。
JP1054897A 1996-09-11 1997-01-23 ダンパー機構 Pending JPH10205580A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1054897A JPH10205580A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 ダンパー機構
US08/925,484 US6062548A (en) 1996-09-11 1997-09-05 Vibration attenuating spring and damper mechanism using the same spring
DE19739939A DE19739939B4 (de) 1996-09-11 1997-09-11 Schwingungsdämpfungsfeder

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1054897A JPH10205580A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 ダンパー機構

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