JPH10205582A - 振動減衰ばね及びダンパー機構 - Google Patents

振動減衰ばね及びダンパー機構

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JPH10205582A
JPH10205582A JP1054797A JP1054797A JPH10205582A JP H10205582 A JPH10205582 A JP H10205582A JP 1054797 A JP1054797 A JP 1054797A JP 1054797 A JP1054797 A JP 1054797A JP H10205582 A JPH10205582 A JP H10205582A
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vibration damping
portions
lever
spring
damping spring
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JP1054797A
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Kanehisa Nagao
金久 長尾
Mamoru Okubo
護 大久保
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Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で振動減衰のためのダンパー機能
を実現する。 【解決手段】 振動減衰ばねは、板ばね122と弾性体
123とからなるばね要素131を備えている。板ばね
122は、互いに接近するレバー支点132を有する第
2リング部126と、レバー支点132から延びる1対
のレバー部125とを有する。弾性体123は、1対の
レバー部125間に配置され1対のレバー部125が互
いに接近する方向に変形する際に弾性変形させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動減衰ばね及び
それが用いられたダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば車輌においては、エンジン側の
部材とトランスミッション側の部材との間にエンジンの
トルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられて
いる。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフラ
イホイール組立体に組み込まれている。ダンパー機構
は、互いに相対回転可能な入力側部材及び出力側部材
と、両部材が相対回転するときにその回転を制限するよ
うに配置されたコイルスプリング及び円弧状コイルスプ
リングなどの金属ばね部材と、両部材が相対回転すると
きに摩擦抵抗を発生させて、例えばエンジンの始動・停
止時の大振動を減衰するための大摩擦抵抗発生機構と走
行時などの微小振動を減衰するための機構とを含んでい
る。また、大摩擦抵抗発生機構の代わりに粘性抵抗を発
生させて大振動を減衰する粘性抵抗発生機構を用いたも
のがある。粘性抵抗発生機構は、摩擦発生機構に比べて
大きな抵抗を発生できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のダンパー機
構では、粘性抵抗発生機構を用いるため、流体を収容す
るための流体チャンバ及びそのシール機構が必要にな
る。また、金属ばね部材と粘性抵抗発生機構の2種類の
機構を必要とするため、構造が複雑になる。大摩擦抵抗
発生機構を用いたものは、摩擦プレート、摩擦材、押し
付け力付加機構を備える必要があり、構造が複雑にな
る。また、弧状ロングストロークばね部材を用いた低剛
性により微小振動減衰機構は、ダンパー収容室の外周側
内壁とばね外周部との摺動摩擦抵抗により微小振動減衰
能力が著しく阻害される。
【0004】本発明の目的は、簡単な構造で振動減衰の
ためのダンパー機能を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の振動減
衰ばねは、板ばねと弾性体とからなるばね要素を備えて
いる。板ばねは、互いに接近するレバー支点部を有する
リング部と、レバー支点部から延びる1対のレバー部と
を有する。弾性体は、1対のレバー部間に配置され1対
のレバー部が互いに接近する方向に変形する際に弾性変
形させられる。そのときに、弾性体で内部摩擦が発生す
る。1対のレバー部に対して互いに接近する方向に外力
が作用すると、1対のレバー部が弾性変形する。1対の
レバー部はリング部のレバー支点部同士が当接した状態
においてレバー支点部を支点として弾性変形し、弾性部
材を圧縮する。そのため、弾性体と板ばねに応力が配分
され、板ばねに応力集中が生じにくい。特にこの振動減
衰ばねでは、板ばねと弾性体とからなる簡単なばね要素
により、従来のばね部材と摩擦発生機構との両方の機能
を実現しているため、コンパクトな構造で高機能の性能
が得られる。
【0006】請求項2に記載の振動減衰ばねでは、請求
項1において、弾性体は、1対のレバー部間で移動可能
に配置されている。1対のレバー部の変位が小さな範囲
では、弾性体は1対のレバー部に挟持されていない。1
対のレバー部の変位が大きくなると、弾性体は1対のレ
バー部に挟持されて弾性変形する。その結果、弾性体に
内部摩擦が発生する。
【0007】ここでは、ダンパー機構は簡単な構造で、
微小振動減衰機能と、弾性体と板ばねとを組み合わせた
大摩擦抵抗発生機構による大振動減衰機能との両方を実
現している。請求項3に記載の振動減衰ばねでは、請求
項1又は2において、リング部のレバー支点部間には隙
間が確保されている。1対のレバー部の変位が小さな範
囲では、板ばねはリング部の頂点を支点として弾性変形
する。1対のレバー部の変位が大きくなると、レバー支
点部が当接し、1対のレバー部はレバー支点部を支点と
して弾性変形する。このときに高剛性の特性が得られ
る。このようにして、剛性の変化する特性が得られる。
【0008】請求項4に記載の振動減衰ばねでは、請求
項1〜3のいずれかにおいて、弾性体はゴムからなり、
板ばねは金属からなる。ゴム製の弾性体は弾性変形する
際に大きな内部摩擦を発生する。請求項5に記載の振動
減衰ばねでは、互いに接近するレバー支点部を有するリ
ング部と、レバー支点部から延びる1対のレバー部とを
有する板ばねと、1対のレバー部間に配置され1対のレ
バー部が互いに接近する方向に変形する際に弾性変形さ
せられる弾性体とからなる複数のばね要素を備えてい
る。複数のばね要素は、直列に作用するように接続され
ている。複数のばね要素が直列に作用するため、たわみ
量が大きく低剛性の特性が得られる。
【0009】請求項6に記載の振動減衰ばねは、板ばね
と複数の弾性体とを備えている。板ばねは交互に折り曲
げられて延びる形状であり、互いに接近するレバー支点
部を有する複数のリング部と、複数のリング部が直列に
作用するように複数のリング部のレバー支点部同士を接
続する複数のレバー部とを有する。複数の弾性体はレバ
ー部間に配置され、レバー部が互いに接近する方向に変
形する際に弾性変形させられる。ここでは、振動減衰ば
ねに対して複数のレバー部が接近する方向に外力が作用
すると、複数のレバー部及び弾性体が弾性変形する。複
数のレバー部は、リング部のレバー支点部同士が当接し
た状態において、レバー支点部を支点として弾性変形す
る。弾性体と板ばねとに応力が分散されるため、板ばね
の寿命が延びる。特に、板ばねと弾性体とからなる簡単
な構造により、従来のばね部材と摩擦発生機構とを実現
しているため、コンパクトな構造で高機能の性能が得ら
れる。
【0010】特に、この振動減衰ばねでは、板ばねが複
数のリング部及びレバー部を有し、累積たわみ量が大き
くばね定数の低い特性であり、すぐれた微小捩じり振動
減衰機能を有している。請求項7に記載の振動減衰ばね
では、請求項6において、弾性体は、複数のレバー部間
に移動可能に配置されている。複数のレバー部の変位が
小さな範囲では、弾性体は複数のレバー部に挟持されて
いない。複数のレバー部の変位が大きくなると、弾性体
は複数のレバー部に挟持されて弾性変形する。その結
果、弾性体に内部摩擦が発生する。
【0011】請求項8に記載の振動減衰ばねでは、請求
項6又は7において、レバー支点部間には隙間が確保さ
れている。複数のレバー部の変位が小さな範囲では、板
ばねはリング部の頂点を支点として弾性変形する。複数
のレバー部の変位が大きくなると、レバー支点部が当接
し、複数のレバー部はレバー支点部を支点として弾性変
形する。このときに高剛性の特性が得られる。このよう
にして、2段階の剛性が得られる。
【0012】請求項9に記載の振動減衰ばねでは、請求
項6〜8のいずれかにおいて、弾性体はゴムからなり、
板ばねは金属からなる。ゴム製の弾性体は弾性変形する
際に大きな内部摩擦を発生する。請求項10に記載のダ
ンパー機構は、入力側回転体と、出力側回転体と、請求
項5〜9のいずれかに記載の前記振動減衰ばねとを備え
ている。出力側回転体は、入力側回転体と相対回転可能
に配置されている。振動減衰ばねは、入力側回転体と出
力側回転体との間に、両回転体が相対回転すると両回転
体間で回転方向に圧縮されるように配置されている。振
動減衰ばねは、ダンパー機構において入力側回転体と出
力側回転体との間でトルク伝達を行うとともに、前述し
た振動減衰の機能を有している。そのため、ダンパー機
構の構造が簡単になる。
【0013】請求項11に記載のダンパー機構は、請求
項10において、振動減衰ばねの外周側に配置された円
周方向に揺動可能な摺動摩擦抵抗低減機構をさらに備え
ている。摺動摩擦抵抗低減機構は、ダンパー機構の振動
減衰ばねの外周部に配置され、振動減衰ばねが圧縮され
るときの振動減衰ばねと外周側の壁との間の摩擦抵抗を
減らしている。
【0014】摺動摩擦抵抗低減部材としては、例えば転
がり軸受が用いられる。転がり軸受は、複数の転動コロ
と、転動コロ保持部材と、振動減衰ばねの外周に支持さ
れる支持部と転動コロの転動面になる外周面とを有する
リテーナとから構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1〜図3に示すモジュラークラッチ1は、主に、フレ
キシブルプレート7とイナーシャ部材17と第2フライ
ホイール2とクラッチカバー組立体3とクラッチディス
ク組立体4とダンパー機構9とから主に構成されてい
る。図2及び図3の左側にはエンジン(図示せず)が配
置されており、右側にはトランスミッション(図示せ
ず)が配置されている。このモジュラークラッチ1は、
エンジンのクランクシャフト5からのトルクをトランス
ミッション側から延びるメインドライブシャフト6に伝
達あるいは遮断するための装置である。図2及び図3に
おいてO−Oがモジュラークラッチ1の回転軸線であ
る。
【0016】クランクシャフト5の先端には、フレキシ
ブルプレート7とイナーシャ部材17(第1フライホイ
ール)が設けられている。フレキシブルプレート7は円
板状の板金製のプレート部材であり、内周部に円板状の
プレート部材14がリベット15により固定されてい
る。フレキシブルプレート7の内周部はプレート部材1
4とともにエンジン側のクランクシャフト5に円周方向
に並んだ複数のボルト12により固定される。フレキシ
ブルプレート7の半径方向中間部には、円周方向に等間
隔で複数の丸い孔7aが形成されている。フレキシブル
プレート7は円周方向には剛性が高く、曲げ方向には撓
み可能である。
【0017】フレキシブルプレート7の外周端には、リ
ベット16によりイナーシャ部材17が固定されてい
る。イナーシャ部材17は、軸方向に長く延びる筒状の
部材である。また、イナーシャ部材17にはリングギア
13が固定されている。イナーシャ部材17には、円周
方向に等間隔で3か所に内周側と外周側とを連通する操
作孔17aが形成されている。
【0018】このように予めクランクシャフト5側にフ
レシキブルプレート7及びイナーシャ部材17が設けら
れており、これらに対してモジュラークラッチ1の残り
の部分が取り付けられる。ダンパー機構9は、主に、入
力側部材(第1回転部材)としての第1及び第2入力プ
レート42と、出力側部材(第2回転部材)としてのド
リブン部材43と、入力側部材と出力側部材との間に配
置されトルク伝達と振動減衰を行うための振動減衰ばね
121と、摺動摩擦抵抗低減機構50とから主に構成さ
れている。第1入力プレート41はフレキシブルプレー
ト7の側方に配置された円板状の板金製プレート部材で
ある。第1入力プレート41の外周部はイナーシャ部材
17の内周面に当接している。また、第1入力プレート
41の半径方向中間部はトランスミッション側に突出
し、トランスミッション側から見ると環状凹部となって
いる。第2入力プレート42は、第1入力プレート41
の側方に配置された円板状の板金製プレート部材であ
る。第2入力プレート42の外周端はイナーシャ部材4
の内周面に当接している。また、第2入力プレート42
の外周部と第1入力プレート41の外周部とは互いに当
接しており、リベット48により互いに固定されてい
る。第1入力プレート41の内周部は、第2入力プレー
ト42の内周よりさらに内周側に延びている。第1入力
プレート41の内周部には、エンジン側に筒状に突出す
る内周突出部41bとなっている。
【0019】さらに、第1及び第2入力プレート41,
42の外周部は、円周方向に等間隔で3か所に3本ずつ
のボルト11によりイナーシャ部材17に固定されてい
る。ボルト11は、トランスミッション側から固定され
る。また、各ボルト11に対応する部分にはイナーシャ
部材17に溝17bが形成されている。第1入力プレー
ト41の環状凹部と第2入力プレート42とによって形
成される環状空間は、ダンパー収容室20となってい
る。ダンパー収容室20内のの外周には、筒状のサポー
トリング130が配置されている。サポートリング13
0は第1及び第2入力プレート41,42と一体回転す
るように形成されている。サポートリング130はダン
パー収容室20の外周内壁を構成している。サポートリ
ング130を省略して第1及び第2入力プレート41,
42によりダンパー収容室20の外周内壁を形成しても
よい。ダンパー収容室42内の1対の側方内壁は第1入
力プレート41と第2入力プレート42により形成され
ている。このダンパー収容室20内には、1対の振動減
衰ばね121と摺動摩擦抵抗低減機構50が配置されて
いる。
【0020】振動減衰ばね121は、ダンパー機構9に
おいて、トルク伝達を行うとともにエンジンのトルク変
動に起因する捩じり振動を減衰するためのダンパー装置
である。図4に示すように、振動減衰ばね121は弧状
に湾曲した状態でダンパー収容室20内に配置されてい
る。振動減衰ばね121は、円周方向に延びる板ばね1
22と、板ばね122に設けられた複数の弾性体123
とから構成されている。板ばね122は金属製であり具
体的にはバネ鋼からなる。振動減衰ばね121は自由状
態で直線方向に延びていてもよいし、弧状に延びていて
もよい。
【0021】板ばね122は、図4に詳細に示すよう
に、細長い所定の幅の金属製板部材を波状に交互に折り
曲げたものであり、弧状に長く約180度延びている。
板ばね122は交互に折り曲げられことにより、図4に
示すように、半径方向外側の第1リング部124と、半
径方向内側の第2リング部126と、第1及び第2リン
グ部124と126を円周方向に直列に連結するための
複数のレバー部125とを備えている。板ばね122は
軸方向長さがダンパー収容室20とほぼ同じであり、軸
方向両端が両側方内壁面(第1及び第2入力プレート4
1,42)に当接または近接している。
【0022】第1リング部124と第2リング部126
は円周方向に交互に配置されている。第1及び第2リン
グ部124,126は、開環形状のリングであり、両端
部を有している。両端部は互いに接近して間に円周方向
に隙間を有している。第1及び第2リング部124,1
26の各々からは、1対のレバー部25がリング部とは
反対側に延びている。レバー部125は各リング部12
4,126側から見るとリング部と反対側に向かうにし
たがって隙間が広くなるように開いている。
【0023】第1リング部124の両端部付近、すなわ
ち第1リング部124とレバー部125との接続部分
は、それぞれ互いに接近しかつ円周方向に隙間のあいた
1対の第1レバー支点132となっている。第2リング
部126の両端部付近、すなわち第2リング部126と
レバー部125との接続部分は、それぞれ互いに接近し
かつ円周方向に隙間のあいた1対の第2レバー支点13
3となっている。第1レバー支点132及び外周レバー
支点133では、互いに対向する当接面が滑らかに湾曲
しており、当接後にレバー部125の変位にしたがって
支点位置が移動可能である。第1及び第2リング部12
4,126は、それぞれ第1及び第2レバー支点13
2,133から中央部に向かって徐々に厚みが小さくな
る変断面を有している。なお、第1リング部124は第
2リング部126より径が大きい。
【0024】各弾性体123は、軸方向長さがダンパー
収容室20とほぼ同じである円柱形状のゴム製部材であ
る。弾性体123は、図5に詳細に示すように、1対の
レバー部125の半径方向外側部間に配置されている。
弾性体123は、両側の1対のレバー部125に挟持さ
れて半径方向及び円周方向に移動不能である。振動減衰
ばね121の円周方向両端では、レバー部125が第1
リング部124からばね収容室121の半径方向中間ま
で延びている。
【0025】以上の構造では、振動減衰ばね121は、
図5に示すばね要素131が円周方向に直列に作用する
ように接続された部材であるとみなせる。ばね要素13
1は、第2リング部126と、第2リング部126から
延びる1対のレバー部125とからなる板ばねと、1対
のレバー部125間に挟まれて1対のレバー部125が
互いに接近するように外力が作用すると1対のレバー部
125間で弾性変形させられる弾性体123から構成さ
れている。
【0026】摺動摩擦抵抗低減機構50は、振動減衰ば
ね121とダンパー収容室20の外周内壁(サポートリ
ング130)との間の摩擦抵抗を減らすための機構であ
り、特にエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動
が入力されたときに大きな摺動摩擦抵抗が発生するのを
抑えて微小捩じり振動減衰機能を低下させないことを目
的としている。摺動摩擦抵抗発生機構50は、ダンパー
収容室20の外周内壁(サポートリング130)と振動
減衰ばね121の外周との間に配置された複数のニード
ルベアリング51から構成されている。ニードルベアリ
ング51は、各振動減衰ばね121に対して2個ずつ、
合計4個配置されている。図12〜図15に詳細に示す
ように、ニードルベアリング51は、複数の金属性転動
コロ52と、転動コロ52を回転自在に支持する保持部
材53と、曲がり板ばね19の外周側屈曲部に固定され
るとともに転動コロ52及び保持部材53を支持するリ
テーナ54とから構成されている。
【0027】転動コロ52は、軸方向に延びる円柱形状
でフライホイールの軸方向に延びる回転軸を有してい
る。保持部材53は、複数のコロ収納孔53aを有し弧
状に長く延びる板形状である。保持部材53のコロ収納
孔53a内で転動コロ52は回転可能に配置されてい
る。また、転動コロ52は、保持部材53の内周面及び
外周面より外側に突出している。リテーナ54は、弧状
に延び保持部材53よりさらに円周方向に長く延びる金
属性部材であり、保持部材53の内周側に配置され、外
周面には転動コロ52が当接している。なお、転動コロ
52は、ダンパー収容室20の外周内壁にも当接してい
る。リテーナ54は、円周方向両側に保持部材53の移
動を制限するための規制部55を有している。自由状態
で保持部材53の円周方向両端と規制部55との間には
円周方向隙間が確保されている。また、リテーナ54の
内周側には、板ばね122の屈曲部124に相対回転不
能に係合する支持突起部56が形成されている。
【0028】以上に述べた構造により、ニードルベアリ
ング51は、振動減衰ばね121の円周方向圧縮運動に
追従し、外周内壁に摺動可能になっている。転動コロ5
2はサポートリング130とリテーナ54との間で回転
するとともに保持部材53と一体になって円周方向に移
動する。従来のように曲がり板ばねが直接に外周側内壁
に摺動していた例では、大きな摺動摩擦抵抗が発生して
いた。それに対して、本願では従来の摺動摩擦を転がり
摩擦に置き換えることにより、大幅な摩擦低減を実現し
ている。その結果、微小振動伝達時に不要な摩擦抵抗が
発生することなく、振動減衰性能が向上する。ドリブン
部材43は円板状の部材であり、円板状部分から一体に
形成され半径方向外側に延びる1対の係合部43aを有
している。係合部43aは半径方向に対向する2か所に
おいてダンパー収容室20内に延びており、それぞれ1
対の振動減衰ばね121の円周方向両端に当接してい
る。また、第1及び第2入力プレート41,42は、半
径方向に対向する2か所において軸方向に突出し振動減
衰ばね121の円周方向両端に当接する支持部41a,
42aを有している。
【0029】第2フライホイール2は、イナーシャ部材
17の内側でダンパー機構9のトランスミッション側に
配置されている。外周部のトランスミッション側に平坦
な摩擦面2aを有している。また、第2フライホイール
2には、摩擦面2aより内周側で両面を連通する複数の
連通孔2jが形成されている。フライホイール2の内周
端には、ドリブン部材43がリベット60により固定さ
れている。第2フライホイール2とドリブン部材43の
内周部は、軸受61を介して第1入力プレート41の内
周突出部41bに支持されている。フライホイール2の
外周面エンジン側には円周方向に等間隔で3か所に係合
部2kが形成されている。係合部2kは径方向外側に突
出している。また、係合部2kのエンジン側端部は半径
方向内側にいくにしたがって深くなるように傾斜してい
る。
【0030】クラッチカバー組立体3は、主に、クラッ
チカバー21とプレッシャープレート22とダイヤフラ
ムスプリング23と連結プレート28とスタッドピン2
6と2本のワイヤリング27とコーンスプリング29と
から構成されている。クラッチカバー21は、真ん中に
大径の孔が形成された皿形状のプレート部材であり、そ
の外周部には円周方向に等間隔で3か所に所定の幅を有
しかつフライホイール2側に延びる延長部62が形成さ
れている。各延長部62の先端には、内周側に折り曲げ
られた折曲げ部63が形成されている。折曲げ部63は
第2フライホイール2の係合部2kに係合している。こ
れにより、クラッチカバー21はフライホイール2に対
してトランスミッション側に移動不能になっている。ま
た、延長部62の先端には円周方向に延びる切欠きが形
成されており、この切欠きには同じく円周方向に延びる
プレート64が係合している。プレート64はボルト6
5により第2フライホイール2の外周面2bに固定され
ている。このようにして、クラッチカバー21はフライ
ホイール2に対して相対回転不能となっている。また、
このようにフライホイール2のボルト取付座を廃止する
ことにより、フライホイール2が半径方向に小型化して
いる。
【0031】プレッシャープレート22は、クラッチカ
バー21内に配置された環状の部材である。プレッシャ
ープレート22には、フライホイール2の摩擦面2aに
対向する押圧面22aが形成されている。また、プレッ
シャープレート22において押圧面22aと反対側の面
にはトランスミッション側に突出する環状突出部22b
が形成されている。さらに、プレッシャープレート22
には、半径方向内側に延びるフランジ部22cが形成さ
れている。
【0032】ダイヤフラムスプリング23は円板状の部
材であり、クラッチカバー21の底部とプレッシャープ
レート22との間に配置されている。ダイヤフラムスプ
リング23は環状の弾性部23aと、そこから内周側に
延びる複数のレバー部23bとから構成されている。複
数のレバー部23b間の外周側には第1孔23cが形成
されている。また、各スリットにおいて円周方向に等間
隔で3か所には第2孔23dが形成されている。第2孔
23dは第1孔23cより径方向内方に長く延びてお
り、プレッシャープレート22のフランジ部22c付近
まで延びている。環状の弾性部23aは内周端の両側面
が後述するワイヤリング27により支持されており、外
周部がプレッシャープレート22の環状の突出部22b
に当接している。この状態で弾性部23aはプレッシャ
ープレート21をフライホイール2側に付勢している。
【0033】ダイヤフラムスプリング23を支持するた
めの支持構造25について説明する。クラッチカバー2
1の底部の内周端に固定された複数のスタッドピン26
はダイヤフラムスプリング23の第1孔23cを貫通し
てプレッシャープレート22側に延びている。各スタッ
ドピン26の他端には、連結プレート28(後述)が固
定されている。各スタッドピン126より外周側におい
て連結プレート28とダイヤフラムスプリングとの間及
びダイヤフラムスプリング23とクラッチカバー21の
底部との間にはそれぞれワイヤリング27が配置されて
いる。すなわち、ダイヤフラムスプリング23の弾性部
23aの内周部は1対のワイヤリング27に挟まれてい
る。
【0034】連結プレート28は環状のプレート部材で
あり、その内周部には円周方向R1側(図1)に弧状に
長く延びる3本の連結部28aが一体に形成されてい
る。この連結部28aの先端は、リベット22cにより
プレッシャープレート22のフランジ部22cに固定さ
れている。リベット22cの位置はダイヤフラムスプリ
ング23の第2孔23dに対応している。連結部28a
は円周方向に剛性が高く軸方向に撓み可能となってい
る。連結部28aはクラッチ連結状態でプレッシャープ
レート22を第2フライホイール2から離れる方向に付
勢している。
【0035】コーンスプリング29は、連結プレート2
8の外周部に配置されている。コーンスプリング29の
内周端は連結プレート28に支持され、外周端がダイヤ
フラムスプリング23の外周端すなわちプレッシャープ
レート22の環状突出部22bに近接する部分をプレッ
シャープレート22から離れる方向に付勢している。以
上に述べたように、連結プレート28はクラッチカバー
21とプレッシャープレート22とを連結するととも
に、コーンスプリング29を支持している。以上のよう
に連結プレート28に複数の機能を持たせることで部品
点数を減らしている。
【0036】複数の係止部材84は固定ピン65により
プレッシャープレート22に固定され、一端がダイヤフ
ラムスプリング23の外周端部をプレッシャープレート
22の環状突出部22bとの間に挟持している。なお、
この係止部材84に対応する延長部62の位置には孔2
1cが形成されている。クラッチディスク組立体4は、
前述したクラッチ連結部31とハブ34とプレート66
とから主に構成されている。クラッチ連結部31はフラ
イホイール2の摩擦面2aとプレッシャープレート22
の押圧面22aとの間に配置されている。ハブ34は、
メインドライブシャフト6にスプライン係合している。
プレート66は、内周部がリベット19によりハブ34
のフランジに固定され、外周部がリベット18によりク
ラッチ連結部31に固定されている。プレート66に
は、円周方向に等間隔で複数の孔66aが形成されてい
る。
【0037】メインドライブシャフト6は、先端がクラ
ンクシャフト5に軸受69を介して支持されている。レ
リーズ装置8は、メインドライブシャフト6の回りに軸
方向に移動可能に配置されている。レリーズ装置8は一
端がダイヤフラムスプリング23のレバー部23b先端
のトランスミッション側の側面に係合している。レリー
ズ装置8がエンジン側に移動してレバー部23bをエン
ジン側に移動させると、弾性部23aからプレッシャー
プレート22への付勢力は解除される。
【0038】なお、図2においてボルト70が図示され
ているものの、モジュラークラッチ1の使用時にこのボ
ルト70は用いられない。ボルト70はクラッチカバー
組立体3をフライホイール2に組付けまたは分解すると
きに用いる。複数のボルト70は、クラッチカバー21
の底部の内周側に形成された孔を貫通してさらにダイヤ
フラムスプリング23の第1孔23cを通りさらに連結
プレート28を通ってプレッシャープレート22に螺合
している。 〔動作〕次に、モジュラークラッチ1の動作について説
明する。
【0039】エンジン側のクランクシャフト5が回転す
ると、トルクがフレキシブルプレート7を介してモジュ
ラークラッチ1に伝達される。トルクはダンパー機構9
を介してフライホイール2に伝達され、さらにクラッチ
ディスク組立体4に出力される。プレッシャープレート
22は、連結プレート28を介してクラッチカバー21
と一体回転する。このようにプレッシャープレート22
の回転駆動はプレッシャープレート22の内周部とクラ
ッチカバー21の内周部とを連結する連結プレート28
で行われている。したがって、従来とは異なり、クラッ
チカバー21の外周部にストラッププレートを収容する
ための切欠きを設ける必要がない。
【0040】イナーシャ部材17が第1及び第2入力プ
レート41,42に固定されているため、振動減衰ばね
121を介して入力系と出力系に分かれる動力の入出力
系において入力系の慣性モーメントを充分に確保でき
る。その結果、共振周波数をエンジンの実用回転数領域
以下に設定できる。イナーシャ部材17が外周部に配置
されているため、ダンパー収容室20を構成する部材で
ある第1及び第2入力プレート41,42を軸方向に薄
くできる。その結果、モジュラークラッチ1全体が軸方
向に小型化される。さらに、イナーシャ部材17は軸方
向に長く延びているため、全体が径方向に大型化しな
い。イナーシャ部材17をダンパー機構9の外周部に設
けても装置全体が径方向に大型化しなくなったのは、第
2フライホイール2からクラッチ取付座を廃止して、イ
ナーシャ部材17をより半径方向内側に配置できるよう
になったからである。
【0041】クランクシャフト5から曲げ振動が伝達さ
れた場合は、フレキシブルプレート7が曲げ方向にたわ
むことで振動を吸収する。エンジン側から捩じり振動が
伝達されると、ダンパー機構9において、第1及び第2
入力プレート41,42とドリブン部材43が周期的な
相対回転を行う。このとき、振動減衰ばね121が円周
方向に圧縮される。ここでは、振動減衰ばね121は、
複数のばね要素130が円周方向に直列に配置されてい
ると考えられるため、広捩じり角度で低剛性の特性が得
られる。
【0042】捩じり振動伝達時における振動減衰ばね1
21の動作について詳細に説明する。エンジンのトルク
変動に起因する微小捩じり振動が伝達されると、振動減
衰ばね121のばね要素130は図5の状態から円周方
向に圧縮される。すると、1対のレバー部125は互い
に接近する方向に弾性変形する。このとき、1対のレバ
ー部125及び第2リング部126が第2リング部12
6の頂点を支点として弾性変形する。このときの板ばね
122の剛性は低い。また、弾性体123の弾性変形量
は小さい。したがって低剛性・小抵抗の特性により、微
小捩じり振動がフライホイール2側に伝達されにくい。
【0043】このとき、振動減衰ばね121は円周方向
に圧縮され、振動減衰ばね121に対して遠心力及び圧
縮力により外周方向に押し付ける力が作用するが、ニー
ドルベアリング51からなる摺動摩擦抵抗低減機構50
により、ダンパー収容室20の外周側内壁と振動減衰ば
ね121の外周との間での摺動摩擦抵抗を大幅に減少す
なわち極小化している。そのため、微小捩じり振動減少
のための特性が悪化しにくい。ニードルベアリング51
が配置されていなければ、微小捩じり振動伝達時に大き
な摺動摩擦抵抗が発生し微小捩じり振動が減衰されずに
トランスミッション側に伝達されてしまう。
【0044】低回転数領域での共振点通過時にダンパー
機構9に過大トルク変動が生じると、振動減衰ばね12
1の変位角度が大きくなり、それに伴い板ばねの剛性が
高くなるとともに弾性体123の弾性変形量が大きくな
り大摩擦抵抗が発生する。その結果、過大振動が減衰さ
れる。具体的に説明すると、振動減衰ばね121は図5
の状態から前述の動作を行いさらに第2レバー支点13
3同士が互いに当接するところまで弾性変形する。これ
以後はレバー部125は第2レバー支点133を支点と
して弾性変形する。レバー部125の支点は変形量が増
大するにつれて第2リング部126から離れる方向に移
動していく。そのため、レバー部125がレバーとして
機能する部分が短くなり、剛性が高くなる。さらに、1
対のレバー部125により挟み付けられるため、図6に
示すように弾性体123の弾性変形量が大きくなる。こ
の結果、弾性体123で大きな内部摩擦が発生する。以
上に述べた高剛性・大摩擦の特性により、大捩じり振動
が減衰される。以上の動作において、ばね要素130は
互いに当接する第2レバー支点33を有しているため、
レバー部125の長手方向で応力分布が均一になる。レ
バー支点がない板ばねでは、リング部の頂点に応力が集
中する。また、レバー部125と弾性体123の両方が
弾性変形するため、応力が分散され、板ばね122の寿
命が延びる。
【0045】振動減衰ばね121は、板ばね122と弾
性体123との組み合わせだけで弾性部材と摩擦発生機
構の両方を実現しているため、コンパクトな構造で機能
が高い。その結果、ダンパー機構9の寸法を小さくでき
る。また、板ばね122は板を折り曲げた形状であるた
め、従来のコイルスプリングに比べて振動減衰ばね12
1の軸方向寸法を短くできる。その結果、ダンパー機構
9及びモジュラークラッチ1の全体の軸方向寸法を短く
できる。
【0046】振動減衰ばね121は、板ばね122に複
数の弾性体123を組み合わせるだけで従来と同様のま
たはそれ以上の振動減衰特性を得られるため、粘性抵抗
を用いる必要がない。その結果、ダンパー収容室20に
シール機構が不要になり、ダンパー機構9が大幅に簡素
化される。第2実施形態 図7に示す振動減衰ばね121では、弾性体123は板
ばね122の円周方向中間部のみ配置されている。すな
わち、円周方向両側には弾性体123は配置されていな
い。このように板ばね122に弾性体123を配置する
部分と配置しない部分とを設けることにより、振動減衰
ばね121の特性を調整できる。この実施形態では、前
記実施形態に比べて全体の剛性が低下している。第3実施形態 前記第1実施形態においては、弾性体123はすべて同
一の材料からなるとしている。しかし、異なる材料から
なり異なる剛性を有する弾性体を配置してもよい。それ
により、振動減衰ばね121全体の特性を調整可能であ
る。第4実施形態 前記第1実施形態では、弾性体123は自由状態で1対
のレバー部125に当接していた。これは、図8に示す
ように、弾性体123を1対のレバー部125間で円周
方向に移動可能にしてもよい。すなわち、自由状態で弾
性体123と1対のレバー部125との間には隙間が確
保されている。この実施形態では、ダンパー機構9の捩
じり角度の小さな範囲では弾性体123は圧縮されな
い。そのため、捩じり角度の小さな微小捩じり振動に対
しては弾性体123は内部摩擦等の抵抗を発生させな
い。第5実施形態 図9に示すばね要素80は、振動減衰を目的として用い
られる。ばね要素80は、板ばね81と弾性体82とか
ら構成されている。板ばね81は、一定の幅及び厚みを
有する金属製の板ばね部材を折り曲げて形成された部材
である。板ばね81は、リング部83とリング部83の
両端からリング部83と反対側に延びる1対のレバー部
84とから主に構成されている。リング部83は開環形
状であり、互いに接近する両端部を有している。1対の
レバー部84はリング部83の両端から延びている。リ
ング部83両端部すなわち1対のレバー部84との境目
にあたる部分は互いに接近する方向に屈曲している。こ
の部分は、1対のレバー部84が互いに接近する方向に
弾性変形する際にレバー支点85として機能する。1対
の支点85は、対向する側が滑らかに湾曲している。1
対のレバー部84の先端は互いに接近する方向に折り曲
げられている。1対のレバー部84間には円柱形状のゴ
ム製の弾性体82が挟まれている。
【0047】1対のレバー部84に対して互いに接近す
る方向に外力が作用すると、1対のレバー部84及びリ
ング部83がリング部83の頂点を支点として弾性変形
する。このときには低剛性の特性が得られる。対向する
レバー支点85が互いに当接すると、以後は1対のレバ
ー部84はレバー支点85を支点として弾性変形し、弾
性体82を圧縮する。また、レバー支点85周辺におい
てレバー部84の支点は徐々にリング部83と反対の方
向に変位していく。その結果、レバー部84のレバー長
さが短くなり剛性が高くなっていく。このとき、高剛性
・大内部摩擦の特性が得られる。このように、このばね
要素80を用いると、振動の種類により異なる特性を発
揮して振動減衰に効果的である。第6実施形態 弾性体82を1対のレバー部84間で円周方向に移動可
能に配置してもよい。その場合は、1対のレバー部84
のたわみ量が小さな範囲では、弾性体82は圧縮されな
い。第7実施形態 図11に示すように、ばね要素80を直列に作用するよ
うに接続して振動減衰ばね90を形成してもよい。すな
わち、ばね要素80のリング部83が互い違いに配置さ
れるようにレバー部84同士を当接させる。すると、機
能的にはレバー部84同士が互いに接続された状態にな
る。このようにばね要素80を互いに直列に作用するよ
うに配置することにより、たわみ量が大きくしかも低剛
性の特性が得られる。その他の効果は、個々のばね要素
80の場合と同様である。振動減衰ばね90を第1実施
形態におけるダンパー機構に用いてもよい。すなわち、
板ばね81の形状を調整することにより、複数のばね要
素80が弧状に配置されるようにする。 〔変形例〕弾性体の形状は円柱に限定されない。
【0048】弾性体は板ばねに固定されていてもよい。
板ばねの各リング部の両端部(レバー支点)は自由状態
で互いに当接していてせよい。本発明に係るダンパー機
構は、フライホイール組立体以外の動力伝達装置に採用
可能である。例えば、トルクコンバータのロックアップ
クラッチやクラッチディスク組立体に用いることができ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る振動減衰ばねでは、板ばね
と弾性体とからなる簡単なばね要素により、従来のばね
部材と摩擦発生機構の両方の機能を実現しているため、
コンパクトな構造で高機能の性能が得られる。1対のレ
バー部は、リング部の両端部同士が当接した状態におい
て、両端部を支点として弾性変形する。このとき同時に
1対のレバー部に挟持された弾性体が弾性変形して、応
力が板ばねと弾性体に配分される。そのため、板ばねに
応力集中が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の平
面図。
【図2】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図4】振動減衰ばねの平面図。
【図5】図4の部分拡大図。
【図6】振動減衰ばねの動作を示す図。
【図7】第2実施形態の振動減衰ばねの平面図。
【図8】第4実施形態の振動減衰ばねの部分平面図。
【図9】第5実施形態の振動減衰ばねの部分平面図。
【図10】第6実施形態の振動減衰ばねの部分平面図。
【図11】第7実施形態の振動減衰ばねの部分平面図。
【図12】図1の部分拡大図であり、摺動摩擦抵抗低減
機構を示す図。。
【図13】保持部と転動コロの平面図。
【図14】図13のXIV 矢視図。
【図15】図14のXV-XV 断面図。
【符号の説明】
5 ダンパー機構 20 ばね収容室 41 第1入力プレート 42 第2入力プレート 43 ドリブン部材 50 摺動摩擦抵抗低減機構 51 ニードルベアリング 121 振動減衰ばね 122 板ばね 123 弾性体 124 第1リング部 125 レバー部 126 第2リング部 130 サポートリング 131 ばね要素 132 第1支点 133 第2支点

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに接近するレバー支点部を有するリン
    グ部と、前記レバー支点部から延びる1対のレバー部と
    を有する板ばねと、 前記1対のレバー部間に配置され前記1対のレバー部が
    互いに接近する方向に変形する際に弾性変形させられる
    弾性体とからなるばね要素を備えた振動減衰ばね。
  2. 【請求項2】前記弾性体は、前記1対のレバー部間で移
    動可能に配置されている、請求項1に記載の振動減衰ば
    ね。
  3. 【請求項3】前記リング部の前記レバー支点部間には隙
    間が確保されている、請求項1又は2に記載の振動減衰
    ばね。
  4. 【請求項4】前記弾性体はゴムからなり、前記板ばねは
    金属からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の振動減
    衰ばね。
  5. 【請求項5】互いに接近するレバー支点部を有するリン
    グ部と、前記レバー支点部から延びる1対のレバー部と
    を有する板ばねと、 前記1対のレバー部間に配置され前記1対のレバー部が
    互いに接近する方向に変形する際に弾性変形させられる
    弾性体とからなる複数のばね要素を備え、前記複数のば
    ね要素は直列に作用するように接続されている、振動減
    衰ばね。
  6. 【請求項6】交互に折り曲げられて延びる形状であり、
    互いに接近するレバー支点部を有する複数のリング部
    と、前記複数のリング部が直列に作用するように前記複
    数のリング部の前記レバー支点部同士を接続する複数の
    レバー部とを有する板ばねと、 前記レバー部間に配置され、前記レバー部が互いに接近
    する方向に変形する際に弾性変形させられる複数の弾性
    体と、を備えた振動減衰ばね。
  7. 【請求項7】前記弾性体は、前記複数のレバー部間に移
    動可能に配置されている、請求項6に記載の振動減衰ば
    ね。
  8. 【請求項8】前記リング部の前記レバー支点部間には隙
    間が確保されている、請求項6又は7に記載の振動減衰
    ばね。
  9. 【請求項9】前記弾性体はゴムからなり、前記板ばねは
    金属からなる、請求項6〜8のいずれかに記載の振動減
    衰ばね。
  10. 【請求項10】入力側回転体と、 前記入力側回転体と相対回転可能に配置された出力側回
    転体と、 前記入力側回転体と前記出力側回転体との間に、前記両
    回転体が相対回転すると前記両回転体間で回転方向に圧
    縮されるように配置された請求項5〜9のいずれかに記
    載の前記振動減衰ばねと、を備えたダンパー機構。
  11. 【請求項11】前記ダンパー機構は、前記振動減衰ばね
    の外周側に配置された円周方向に揺動可能な摺動摩擦抵
    抗低減機構をさらに備えている、請求項10に記載のダ
    ンパー機構。
JP1054797A 1996-09-11 1997-01-23 振動減衰ばね及びダンパー機構 Pending JPH10205582A (ja)

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JP1054797A JPH10205582A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 振動減衰ばね及びダンパー機構
US08/925,484 US6062548A (en) 1996-09-11 1997-09-05 Vibration attenuating spring and damper mechanism using the same spring
DE19739939A DE19739939B4 (de) 1996-09-11 1997-09-11 Schwingungsdämpfungsfeder

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