JP2005061488A5 - - Google Patents

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2マスフライホイール
本発明は、第2フライホイールをクランクシャフト側の部材に対して回転方向に弾性的に連結する2マスフライホイールに関する。
エンジンのクランクシャフトには、エンジンの燃焼変動に起因する振動を吸収するために、フライホイールが装着されている。さらに、フライホイールの軸方向トランスミッション側にクラッチ装置を設けている。クラッチ装置は、トランスミッションの入力シャフトに連結されたクラッチディスク組立体と、クラッチディスク組立体の摩擦連結部をフライホイールに付勢するクラッチカバー組立体とを備えている。クラッチディスク組立体は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構を有している。ダンパー機構は、回転方向に圧縮されるように配置されたコイルスプリング等の弾性部材を有している。
一方、ダンパー機構を、クラッチディスク組立体ではなく、フライホイールとクランクシャフトとの間に設けた構造も知られている。具体的には、フライホイールを2つに分割し、第1フライホイールをクランクシャフトに固定し、第2フライホイールをクランクシャフト又は第1フライホイールに対してダンパー機構を介して連結する。この場合は、第2フライホイールがコイルスプリングを境界とする振動系の出力側に位置することになり、出力側の慣性が従来に比べて大きくなっている。この結果、共振回転数をアイドル回転数以下に設定することができ、大きな減衰性能を実現できる。このように、フライホイールとダンパー機構とが組み合わさって構成される構造が、フライホイール組立体又は2マスフライホイールである(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平10−231897号公報
従来技術としての2マスフライホイールでは、第2フライホイールはクランクシャフト側の部材に対して軸受を介して回転自在に支持されている。ここでいう「クランクシャフト側の部材」とは、クランクシャフト、第1フライホイール、さらには第1フライホイール又はクランクシャフトに固定された部材のいずれかをいう。
軸受としては、例えば、ボールベアリングやブッシュが用いられている。ボールベアリングは、通常、インナーレースと、アウターレースと、複数のボールとから構成されている。ブッシュは筒状の単体の部材である。
ボールベアリングは、それ自体が、コストが高く、また半径方向の寸法が大きくスペースをとってしまうという問題がある。また、ボールベアリングは、軸の曲げ方向に対して剛性が低いため、2マスフライホイールに用いると曲げ振動に対して十分な抵抗を発生できない。
ブッシュは、耐久性が低く、さらにはクリアランス管理が難しく、そのためブッシュと第1及び第2フライホイールの周面との間の隙間が不要に大きくなりやすい。
本発明の課題は、2マスフライホイールの軸受構造を改善することにある。
請求項1に記載の2マスフライホイールは、エンジンのクランクシャフトからのトルクを伝達するための2マスフライホイールであって、第1フライホイールと、第2フライホイールと、ダンパー機構と、ニードルベアリングとを備えている。第1フライホイールはクランクシャフトに固定されている。第2フライホイールは第1フライホイールに相対回転可能に配置されている。ダンパー機構は、第2フライホイールをクランクシャフト側の部材に回転方向に弾性的に連結する。ニードルベアリングは、第2フライホイールをクランクシャフト側の部材に回転自在に支持する軸受であって、両部材の周面間に配置された複数のニードルを有する。ここで、クランクシャフト側の部材とは、クランクシャフトそのもの、又はクランクシャフトに固定された第1フライホイールや他の部材である。
この2マスフライホイールでは、第2フライホイールをクランクシャフト側の部材に回転自在に支持する軸受としてニードルベアリングが用いられているため、耐久性が向上し、さらにはクリアランス管理が容易になる。
請求項2に記載の2マスフライホイールでは、請求項1において、複数のニードルは、第2フライホイール及びクランクシャフト側の部材の周面の少なくとも一方に直接当接している。
この2マスフライホイールでは、複数のニードルは周面に直接当接しているため、その部分においては内外輪が不要となっている。そのため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
請求項3に記載の2マスフライホイールでは、請求項1又は2において、ニードルベアリングは、複数のニードルを保持する保持器をさらに有する。
この2マスフライホイールでは、複数のニードルは保持器によって保持されているため、複数のニードルの円周方向位置が安定する。
請求項4に記載の2マスフライホイールは、請求項1〜3のいずれかにおいて、ニードルベアリングが収納される周面間の空間に充填された潤滑剤と、潤滑剤を空間に閉じこめるシール部材とをさらに備えている。
この2マスフライホイールでは、ニードルベアリングが収納される空間には潤滑剤が充填されているため、軸受部分での摩耗が生じにくい。
請求項5に記載の2マスフライホイールでは、請求項4において、シール部材はOリングである。
この2マスフライホイールでは、Oリングを用いているため、シール部材を収納するための特別な構造不要になり、構造が簡単になる。
請求項6に記載の2マスフライホイールでは、請求項1〜3のいずれかにおいて、複数のニードル又は周面には潤滑処理が施されている。
この2マスフライホイールでは、潤滑処理によって軸受部分の摩耗が生じにくい。
請求項7に記載の2マスフライホイールは、請求項1〜6のいずれかにおいて、複数のニードルが空間から抜け出るのを防止する抜け止め部材をさらに備えている。
この2マスフライホイールでは、抜け止め部材によって複数のニードルの抜け出るのを防止している。
以上に述べたように、2マスフライホイールの軸受としてニードルベアリングを用いるため、2マスフライホイールの軸受構造が改善される。
1.第1実施形態
(1)構成
1)全体構造
図1〜図3に示す本発明の一実施形態としてのクラッチ装置1は、エンジン側のクランクシャフト2とトランスミッション側の入力シャフト3との間でトルクを断続するための装置である。クラッチ装置1は、主に、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、クラッチカバー組立体8と、クラッチディスク組立体9と、レリーズ装置10とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5との組み合わせによって、ダンパー機構6を含むフライホイールダンパー11(後述)が構成されている。
なお、図1及び図2のO−Oがクラッチ装置1の回転軸線であり、図1及び図2の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。以後、図1及び図2において左側を軸方向エンジン側といい、右側を軸方向トランスミッション側という。
2)第1フライホイール組立体
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14と、支持プレート37(後述)とから構成されている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。環状部材14は、厚肉ブロック状の部材であり、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されている。円板状部材13の外周端は溶接等によって環状部材14に固定されている。さらに、環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。なお、第1フライホイール組立体4は一体の部材から構成されていてもよい。
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。円板状部材13の外周部は平坦な形状である。
さらに、円板状部材13の外周縁には、軸方向トランスミッション側に延びる筒状部20が形成されている。筒状部20は、環状部材14の内周面に支持されており、その先端に複数の切り欠き20aが形成されている。切り欠き20aは、所定角度だけ回転方向に延びている。
3)第2フライホイール組立体
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21と、円板状プレート22とから構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向トランスミッション側に第1摩擦面21aが形成されている。第1摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール21には、さらに、軸方向エンジン側に第2摩擦面21bが形成されている。第2摩擦面21bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構7の摩擦摺動面として機能している。
円板状プレート22について説明する。円板状プレート22は、第1フライホイール組立体4と摩擦面付きフライホイール21との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート22は、外周部が複数のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されており、摩擦面付きフライホイール21と一体回転する部材として機能する。具体的に説明すると、円板状プレート22は、外周縁側から、外周固定部25と、外周側筒状部26と、当接部27と、内周側筒状部28の順番で構成されている。外周固定部25は、摩擦面付きフライホイール21の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。筒状部26は、外周固定部25の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分であり、円板状部材13の筒状部20の内周側に位置している。筒状部26には、複数の切り欠き26aが形成されている。切り欠き26aは、筒状部20の切り欠き20aに対応して形成されており、しかも回転方向の角度は大幅に大きい。したがって、各切り欠き26aの回転方向両端は、対応する切り欠き20aの回転方向両端より回転方向外側に位置している。当接部27は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部27は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに対して軸方向に空間を介して対向している。この空間内に、摩擦抵抗発生機構7の各部材が配置されている。このように摩擦抵抗発生機構7は第2フライホイール組立体5の円板状プレート22の当接部27と摩擦面付きフライホイール21との間に配置されているため、省スペースの構造が実現される。内周側筒状部28は、軸方向トランスミッション側に延びており、先端が摩擦面付きフライホイール21に近接している。
第1フライホイール組立体4の支持プレート37は、第2フライホイール組立体5を第1フライホイール組立体4に対して半径方向に支持するための部材である。支持プレート37は、円板状部37aと、その内周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状部37bとから構成されている。円板状部37aは、クランクシャフと2の先端面と円板状部材13との軸方向間に配置されている。円板状部37aには、ボルト貫通孔13aに対応してボルト貫通孔37cが形成されている。以上の構造により、支持プレート37は、円板状部材13及び入力側円板状プレート32とともに、ボルト15によってクランクシャフト2に固定されている。
4)ダンパー機構
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構である。
ダンパー機構6は、一対の出力側円板状プレート30,31と、入力側円板状プレート32と、複数のコイルスプリング33とから構成されている。
一対の出力側円板状プレート30,31は、軸方向エンジン側の第1プレート30と、軸方向トランスミッション側の第2プレート31とから構成されている。両プレート30,31は、円板状部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。各プレート30,31には、円周方向に並んだ複数の窓部30a,31aがそれぞれ形成されている。窓部30a,31aは、後述するコイルスプリング33を軸方向及び回転方向に支持するための構造であり、コイルスプリング33を軸方向に保持しかつその円周方向両端に当接する切り起こし部を有している。
第2プレート31の構造についてさらに詳細に説明する。第2プレート31の円板状本体には、円周方向に並んだ4個の窓部31aが形成されており、各窓部31aの円周方向間には後述するリベット68用の孔69が形成されている。第2プレート31の円板状本体の外周縁には、図3に示すように、軸方向エンジン側すなわち第1プレート30側に延びる複数のプレート連結部40が一体に形成されている。プレート連結部40は、軸方向延長部41と、その先端から半径方向内側に延びる固定部42とから構成されている。延長部41の先端は概ね第1プレート30の外周側まで軸方向に延びている。延長部41は、主面が半径方向両側を向いており、すなわち、半径方向幅がプレートの板厚と一致している。固定部42は第1プレート30の軸方向トランスミッション側面に当接しており、さらにリベット68によって固定されている。このようにして、プレート30,31は、一体回転するように互いに固定され、また軸方向の距離も維持されている。
入力側円板状プレート32は、プレート30,31の間に配置された円板状の部材である。入力側円板状プレート32は円周方向に延びる複数の窓孔32aを有しており、その窓孔32a内にコイルスプリング33が配置されている。入力側円板状プレート32において窓孔32aの円周方向間部分には、後述するリベット68が軸方向に通過可能な切り欠き32bが形成されている。また、入力側円板状プレート32の外周縁には、図3に示すように、延長部41から回転方向に離れているが当接可能な当接部32cが形成されている。以上より、この実施形態ではプレート連結部40と当接部32cによってダンパー機構のストッパー機構が構成されている。ただし、他の部分によってストッパー機構を構成していてもよい。
各コイルスプリング33は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねである。各コイルスプリング33は、各窓孔32a及び窓部30a,31a内に収容され、半径方向両側と回転方向両側とを支持されているまた、各コイルスプリング33は、窓部30a,31aによって軸方向両側も支持されている。
次に、出力側円板状プレート30,31と摩擦面付きフライホイール21とを連結する連結構造34について説明する。連結構造34はボルト35とナット36とから構成されている。第2プレート31の内周縁には、図3に示すように、軸方向トランスミッション側に切り起こされた複数の固定部31bが形成されている。第2プレート31の円板状本体は摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面からわずかに離れて配置されているが、固定部31bは摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面に当接している。各固定部31bには、軸方向トランスミッション側に突出するボルト35が溶接によって固定されている。摩擦面付きフライホイール21において固定部31b及びボルト35に対応する位置には、図2に示すように、凹部21cと孔21dとが形成されている。凹部21cは摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に形成されており、孔21dは凹部21cの中心を軸方向に貫通している。前述のボルト35は孔21d内に軸方向エンジン側から挿入されている。ナット36は、凹部21c及び孔21dに対して軸方向トランスミッション側から配置されており、ボルト35に螺合し、さらに凹部21cの底面に着座している。
5)軸受機構
以上より、フライホイールダンパー11(2マスフライホイール)は、クランクシャフトに固定された第1フライホイール(4,13,14,)と、第2フライホイール(5,21)と、第2フライホイールをクランクシャフト2及び第1フライホイールに回転方向に弾性的に連結するダンパー機構(6,30,31,32,33)とから構成されている。フライホイールダンパー11は、さらに、第2フライホイールをクランクシャフト2及び第1フライホイールに対して半径方向に支持するための軸受構造を有している。この実施形態の軸受構造はニードルベアリング43である。以下、ニードルベアリング43の配置位置や構造について詳細に説明する。
図4に詳細に示すように、摩擦面付きフライホイール21の内周面には、軸方向エンジン側に突出する筒状部21eが形成されている。筒状部21eの先端は入力側円板状プレート32に近接している。また、摩擦面付きフライホイール21の内周面21(一部は筒状部21eからなる)は、支持プレート37の筒状部37bの外周面37と、半径方向にわずかな隙間を介して対向している。なお、摩擦面付きフライホイール21の筒状部21eの先端には、半径方向内側に延びるフランジ21が形成されている。
ニードルベアリング43は、図4に示すように、摩擦面付きフライホイール21の内周面21と、支持プレート37の筒状部37bの外周面37との間の空間に配置されている。ニードルベアリング43は複数のニードル44を有している。ニードル44は、細い円柱状の部材である。各ニードル44は前記空間内で円周方向に並んで配置され、それぞれが筒状部37bの外周面37と摩擦面付きフライホイール21の内周面21とに当接している。ニードルベアリング43は、転動体として機能し、摩擦面付きフライホイール21が第1フライホイール組立体4に対して相対回転すると、周面21d,37cとの間で自ら回転しながら円周方向に移動する。さらに、ニードルベアリング43は、保持器45を有している。保持器45は、筒状の部材であり、各ニードル44を収容する複数の切り欠き窓部45aを有している。この保持器45によって、各ニードル44の円周方向位置が安定する。
入力側円板状プレート32の内周部の軸方向トランスミッション側には、環状のスラストプレート46が固定されている。スラストプレート46は、ニードルベアリング43及び摩擦面付きフライホイール21と対向しており、それら部材からの軸方向の荷重を受けることができる。
筒状部21eの先端には、環状の抜け止めプレート47が固定されている。抜け止めプレート47は、内周部が筒状部21eに固定され、ニードルベアリング43の軸方向トランスミッション側に配置されている。この抜け止めプレート47によって、ニードルベアリング43が前記空間から軸方向トランスミッション側に抜け出るの防止されている。また、ニードルベアリング43は前述のフランジ21によって軸方向エンジン側への移動が制限されている。
6)摩擦抵抗発生機構
摩擦抵抗発生機構7は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング33と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構7は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート22の当接部27との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。
7)クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体8は、弾性力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54を摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー48と、プレッシャープレート49と、ダイヤフラムスプリング50とから構成されている。
クラッチカバー48は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト51によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。
プレッシャープレート49は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー48の内周側において摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート49は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21a対向する押圧面49aを有している。また、プレッシャープレート49において押圧面49aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する複数の弧状突出部49bが形成されている。プレッシャープレート49は、弧状に延びる複数のストラッププレート53によってクラッチカバー48に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態ではプレッシャープレート49に対してストラッププレート53が摩擦面付きフライホイール21から離れる方向への荷重を付与している。
ダイヤフラムスプリング50は、プレッシャープレート49とクラッチカバー48との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部50aと、弾性部50aから内周側に延びる複数のレバー部50bとから構成されている。弾性部50aの外周縁部はプレッシャープレート49の突出部49bに軸方向トランスミッション側から当接している。
クラッチカバー48の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ48aが複数形成されている。タブ48aは、ダイヤフラムスプリング50の孔を貫通してプレッシャープレート49側に延びている。このタブ48aによって支持された2個のワイヤリング52が、ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部50aは、軸方向に圧縮されており、プレッシャープレート49とクラッチカバー48とに軸方向に弾性力を付与している。
8)クラッチディスク組立体
クラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aとプレッシャープレート49の押圧面49aとの間に配置される摩擦フェーシング54を有している。摩擦フェーシング54は、円板状かつ環状のプレート55を介してハブ56に固定されている。ハブ56の中心孔には、トランスミッション入力シャフト3がスプライン係合している。
9)レリーズ装置
レリーズ装置10は、クラッチカバー組立体8のダイヤフラムスプリング50を駆動することでクラッチディスク組立体9に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置10は、主に、レリーズベアリング58と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング58は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング58のアウターレースには、筒状のリティーナ59が装着されている。リティーナ59は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング50のレバー部50bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン60とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン60との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン60は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング58のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン60はレリーズベアリング58を軸方向エンジン側に移動させる。
(2)動作
1)トルク伝達
このクラッチ装置1では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4から第2フライホイール組立体5に対してダンパー機構6を介して伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、入力側円板状プレート32、コイルスプリング33、出力側円板状プレート30,31の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
2)捩り振動の吸収・減衰
クラッチ装置1にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構6において入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31とが相対回転し、その間で複数のコイルスプリング33が圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構7が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。コイルスプリング33の圧縮は、具体的には、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端部と出力側円板状プレート30,31の窓部30a,31aの回転方向端部との間で行われる。
3)クラッチ連結・レリーズ動作
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン60は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング58はダイヤフラムスプリング50の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aはプレッシャープレート49から離れる。これによりプレッシャープレート49はストラッププレート53の付勢力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54から離れ、クラッチ連結が解除される。
(3)本発明の効果
前述のフライホイールダンパー11では、第2フライホイール組立体5をクランクシャフト2側の部材に回転自在に支持する軸受としてニードルベアリング43が用いられているため、耐久性が向上し、さらにはクリアランス管理が容易になる。さらに、ニードルベアリング43はフライホイールダンパー11の軸受であるため、エンジン側からの曲げ振動が入力されると、大きな曲げ方向の荷重が作用しやすい。その場合でも、ニードルベアリング43はスリーブに比べて曲げ方向の剛性が高いため、曲げ振動に対して十分な抵抗を発生する。
ニードルベアリング43の複数のニードル44が摩擦面付きフライホイール21の内周面21及び支持プレート37の外周面37に直接当接しているため、内外輪が不要となっている。そのため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。なお、ニードルベアリングは一方の部材に対しては筒状のレースを介して当接していてもよい。
ニードルベアリング43の複数のニードル44は保持器45によって保持されているため、複数のニードル44の円周方向位置が安定する。
複数のニードル44又は周面21d,37cには固体潤滑剤が塗布されるなどの潤滑処理が施されていてもよい。その場合は、軸受部分の摩耗が生じにくい。
2.他の実施形態
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、支持プレート37は円板状部材13と一体に形成されていてもよい。
なお、ニードルベアリングを介して第2フライホイールを支持する部材としては、第1フライホイール、第1フライホイールに設けられた部材、クランクシャフト、又はクランクシャフトに固定された部材のいずれであってもよい。
さらに、第2フライホイールは一体の部材である必要がなく、摩擦面を有する部分と、それに固定されさらにニードルベアリングに支持される筒状部を有するプレート部材とから構成されていてもよい。
1)第1変形例
図5に示すニードルベアリング43’は、複数のニードル44’のみから構成されている。つまり、ニードルベアリング43’は、前記実施形態とは異なり、保持器を有していない。この場合は、前記実施形態に比べて部品点数が少なくなる。
2)第2変形例
図6に示す軸受構造では、ニードルベアリング43が収納される周面21d,37c間の空間には、潤滑オイル73が充填されている。さらに、その空間の軸方向両側には、潤滑オイルを空間に閉じこめるOリング71,72が配置されている。軸方向エンジン側のOリング71は、摩擦面付きフライホイール21の筒状部21e先端に形成されたフランジ21によって支持されている。軸方向トランスミッション側のOリング72は、抜け止めプレート47によって支持されている。
この軸受構造では、ニードルベアリング43が収納される空間に潤滑オイル73が充填されているため、軸受部分での摩耗が生じにくい。また、シール部材としてOリング71,72を用いているため、シール部材を収納するための特別な構造不要になり、構造が簡単になる。
3)第3変形例
図7に示す軸受構造は、保持器を有さないニードルベアリング43’(第1変形例)と、潤滑シール構造(第2変形例)との組み合わせである。
4)第4変形例
前記実施形態では、第2フライホイールはダンパー機構を介して直接クランクシャフトに連結された2マスフライホイールを示しているが、本発明は第2フライホイールがダンパー機構を介して第1フライホイールに連結された2マスフライホイールにも適用できる。つまり、その2マスフライホイールでは、第1フライホイールと第2フライホイールは、ダンパー機構を介して互いに連結されている。つまり、第2フライホイールはクランクシャフトに対しては第1フライホイールを介して連結されている。この実施形態でも、ニードルベアリング43によって、前記実施形態と同様の効果が得られる。
本発明に係る2マスフライホイールは、軸受構造が改善されており、車両のトルク伝達装置に適用できる。
本発明の一実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 本発明の一実施形態としての2マスフライホイールの縦断面概略図。 本発明の一実施形態としての2マスフライホイールの平面図。 図1の部分拡大図であり、軸受構造を説明するための縦断面図。 図4に対応する図であり、第1変形例を説明するための図。 図4に対応する図であり、第2変形例を説明するための図。 図4に対応する図であり、第3変形例を説明するための図。
符号の説明
4 第1フライホイール組立体(第1フライホイール)
5 第2フライホイール組立体(第2フライホイール)
6 ダンパー機構
11 フライホイールダンパー(2マスフライホイール)
43 ニードルベアリング
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