JP2004360806A - フレキシブルプレート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブルプレートの製造時の剛性の調整を容易にする。
【解決手段】円盤状部材13は、内周筒状部13bと本体部13cとを備える。内周筒状部13bは、本体部13cの縁から延びる。また、内周筒状部13bを縁立て加工する際に本体部13cの板厚が調整されている。
【選択図】 図1
【解決手段】円盤状部材13は、内周筒状部13bと本体部13cとを備える。内周筒状部13bは、本体部13cの縁から延びる。また、内周筒状部13bを縁立て加工する際に本体部13cの板厚が調整されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライホイール又はフライホイール組立体に用いられるフレキシブルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランクシャフトには、エンジンの燃焼変動に起因する振動を吸収するために、フライホイールが装着されている。さらに、フライホイールの軸方向トランスミッション側にクラッチ装置を設けている。クラッチ装置は、トランスミッションの入力シャフトに連結されたクラッチディスク組立体と、クラッチディスク組立体の摩擦連結部をフライホイールに付勢するクラッチカバー組立体とを備えている。クラッチディスク組立体は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構を有している。ダンパー機構は、回転方向に圧縮されるように配置されたコイルスプリング等の弾性部材を有している。
【0003】
一方、ダンパー機構を、クラッチディスク組立体ではなく、摩擦面付きフライホイール(出力側フライホイール)とクランクシャフトとの間に設けた構造も知られている。この場合は、摩擦面付きフライホイールがコイルスプリングを境界とする振動系の出力側に位置することになり、出力側の慣性が従来に比べて大きくなっている。この結果、共振回転数をアイドル回転数以下に設定することができ、大きな減衰性能を実現できる。このように、摩擦面付きフライホイールとダンパー機構とが組み合わさって構成される構造が、フライホイール組立体又はフライホイールダンパーである。
【0004】
このようなフライホイール組立体では、クランクシャフトから伝達される曲げ振動を低減するために、円板状の部材であるフレキシブルプレートを用いて、摩擦面付きフライホイールをクランクシャフトに連結している。フレキシブルプレートは、曲げ方向の剛性が低いため、クランクシャフトからの曲げ振動を吸収できる。また、イナーシャ部材(入力側フライホイール)をフレキシブルプレートによってクランクシャフトに固定したフライホイール組立体も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
フレキシブルプレートの剛性は、形状を変えることにより調節することができる。例えば、フレキシブルプレートの板厚を変更したり、孔空け加工を行ったりすることにより、剛性の調整を行っている。
フレキシブルプレートは、プレス加工により成形される場合が多い。しかし、プレス加工では、フレキシブルプレートの板厚精度が高くない。このため、プレス加工によりフレキシブルプレートの製造した場合には、剛性の調整を十分に行うことがむずかしい。よって、剛性を調整するためには、孔空け加工の過程が必要となる。だが、製造時の過程が増加するとコスト増につながる。
【0006】
本発明の課題は、フレキシブルプレートの製造時の剛性の調整を容易にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のフレキシブルプレートは、エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートであって、本体部と筒状部とを備える。筒状部は、本体部の縁から延びる。また、筒状部を縁立て加工する際に本体部の板厚が調整されている。
【0008】
このフレキシブルプレートは、円盤状の本体部から筒状部が縁立て加工により形成されている。さらに、フレキシブルプレートは、縁立て加工を行う際の本体部の板厚調整により、剛性を調整されている。これにより、フレキシブルプレートの剛性の調整を容易に行うことができる。
請求項2に記載のフレキシブルプレートは、請求項1に記載のフレキシブルプレートであって、縁立て加工がフローフォーミングである。
【0009】
このフレキシブルプレートは、フローフォーミングにより縁立て加工を行う。具体的には、本体部の板厚調整で余分となった材料を用いて筒状部を形成することができる。このため、材料の有効利用を図ることができる。
請求項3に記載のフレキシブルプレートの製造方法は、エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートの製造方法であって、円盤状の本体部を形成する本体部形成ステップと、本体部の板厚を調整しながら本体部の縁に筒状部を形成する縁立てステップとを備える。
【0010】
このフレキシブルプレートの製造方法では、まず本体部を形成し、次に本体部の板厚を調整しながら、本体部の縁に筒状部を形成する。このように、縁立てを行う際に本体部の板厚を調整できるため、フレキシブルプレートの剛性を調整することが容易となる。
請求項4に記載のフレキシブルプレートの製造方法では、請求項3において、縁立てステップでは、フローフォーミングを行う。
【0011】
このフレキシブルプレートの製造方法では、フローフォーミングにより縁立て加工を行う。具体的には、本体部の板厚調整で余分となった材料を用いて筒状部を形成することができる。このため、材料の有効利用を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るクラッチ装置1を図1に示す。
<全体の構成>
クラッチ装置1は、主に、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、クラッチカバー組立体8と、クラッチディスク組立体9と、レリーズ装置10とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5との組み合わせによって、ダンパー機構6を含むフライホイールダンパー11が構成されている。
【0013】
図1及び図2の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。クラッチ装置1はエンジン側のクランクシャフト2とトランスミッション側の入力シャフト3との間でトルクを断続するための装置である。
[第1フライホイール組立体]
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14とから構成されている。
【0014】
円盤状部材13は、環状部材14をクランクシャフト2に固定するための部材であり、板金製の薄板部材である。円板状部材13は、軸方向及び曲げ方向に剛性が低く、たわみ可能となっている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。また、円盤状部材13は、半径方向内周側で軸方向トランスミッション側に起立する内周筒状部13bと、平板円盤形状である本体部13cとを有する。本体部13cの内周部には、その外周側の部分より肉厚が薄い薄肉部13dが設けられている。環状部材14は、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されており、厚肉ブロック状の部材である。円板状部材13の外周端は溶接等によって環状部材14に固定されている。さらに、環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。
【0015】
内周筒状部13bは、後述する摩擦面付きフライホイール21やダンパー機構6、つまり第2フライホイール組立体5を芯出し、回転自在に支持するための構造である。
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。円板状部材13の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材19が貼られている。摩擦材19は、相対回転抑制機構24において、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。
【0016】
円盤状部材13の内周部の構造について説明する。円盤状部材13は、上記したように、軸方向トランスミッション側に起立する内周筒状部13bを内周側に有している。この内周筒状部13bは、ブッシュ33を介して第2フライホイール組立体5の内周部分に当接しており、第2フライホイール組立体5を半径方向に対して回転自在に支持する。また、円盤状部材13の内周部で且つ内周筒状部13bの半径方向外側には、薄肉部13dが形成される。この薄肉部13dは、円盤状部材13の剛性を調整する部分である。
【0017】
円盤状部材13は、図2に示すように、フローフォーミングにより、内周筒状部13bが形成される。円盤状部材13の製造方法について、以下でさらに詳しく説明する。本体部13cが形成された後に、図2に示されるローラ80は、本体部13cの内周部分の肉厚をその外周側よりも薄くするように材料の移動を行わせて、薄肉部13dを形成する。薄肉部13dを形成する際に余分となり内周側に移動させられた材料は、筒状の形成型81に当接することにより移動が妨げられる。これにより、内周筒状部13bの内周部分が形成される。さらに、図3に示すように、ローラ80で内周筒状部13bの形状を整えることにより内周筒状部13bの縁立て加工が完了する。
【0018】
本実施形態では、以上のようにして円盤状部材13の形成を行うため、薄肉部13dと内周筒状部13bとの形成が一行程で行える。よって、製造コストを抑えることができる。また、薄肉部13dで余分となった材料を利用して内周筒状部13bを形成するため、材料を無駄にせずに済む。さらに、内周筒状部13bが円盤状部材13と一体となっているため、内周筒状部13bを溶接などにより形成する場合に比べて、縁立て部の根元部分に損傷が生じず丈夫に形成することができる。
【0019】
[第2フライホイール組立体]
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21と、円板状プレート22とから構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向エンジン側に第1摩擦面21aが形成されている。第1摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール21には、さらに、軸方向トランスミッション側に第2摩擦面21bが形成されている。第2摩擦面21bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構7の摩擦摺動面として機能している。第2摩擦面21bは、摩擦材19に対して軸方向に対向している。
【0020】
円板状プレート22について説明する。円板状プレート22は、第1フライホイール組立体4と摩擦面付きフライホイール21との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート22は、外周部が複数のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されており、第1フライホイール組立体4と一体回転する部材として機能する。
【0021】
具体的に説明すると、円板状プレート22は、外周縁側から、外周固定部25と、筒状部26と、当接部27と、連結部28と、ばね支持部29と、内周部30と、内周側筒状部31とから構成されている。外周固定部25は、摩擦面付きフライホイール21の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。筒状部26は、外周固定部25の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分である。当接部27は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部27は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに対して軸方向に空間を介して対向している。連結部28は、当接部27より軸方向トランスミッション側に位置する平坦な部分であり、ばね支持プレート35が固定されている。ばね支持部29は、ダンパー機構6のコイルスプリング32を収納しかつ支持するための部分である。このように当接部27を有する円板状プレート22がばね支持部29を有していることで、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。内周側筒状部31は、ブッシュ33を介して、円板状部材13の内周筒状部13bによって回転自在に半径方向に支持されている。
【0022】
[ダンパー機構]
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフトと摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、複数のコイルスプリング32を含む弾性連結機構と、摩擦抵抗発生機構7とから構成されている。
【0023】
摩擦抵抗発生機構7は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング32と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定のヒステリシストルクを発生する。摩擦抵抗発生機構7は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート22の当接部27との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。
【0024】
[クラッチカバー組立体]
クラッチカバー組立体8は、弾性力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54を摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー48と、プレッシャープレート49と、ダイヤフラムスプリング50とから構成されている。
【0025】
クラッチカバー48は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト51によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。
プレッシャープレート49は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー48の内周側において摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート49は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに対向する押圧面49aを有している。また、プレッシャープレート49において押圧面49aと反対側の面には軸方向トランスミッション側に突出する複数の弧状突出部49bが形成されている。プレッシャープレート49は、弧状に延びる複数のストラッププレート(図示せず)によってクラッチカバー48に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態では、プレッシャープレート49に対してストラッププレートが摩擦面付きフライホイール21から離れる方向への荷重を付与している。
【0026】
ダイヤフラムスプリング50は、プレッシャープレート49とクラッチカバー48との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部50aと、弾性部50aから内周側に延びる複数のレバー部50bとから構成されている。弾性部50aの外周縁部は、プレッシャープレート49の弧状突出部49bに軸方向トランスミッション側から当接している。
【0027】
クラッチカバー48の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ48aが複数形成されている。タブ48aは、ダイヤフラムスプリング50の孔を貫通してプレッシャープレート49側に延びている。このタブ48aによって支持された2個のワイヤリング52が、ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部50aは、軸方向エンジン側に圧縮されており、プレッシャープレート49とクラッチカバー48とに軸方向エンジン側への弾性力を付与している。
【0028】
[クラッチディスク組立体]
クラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aとプレッシャープレート49の押圧面49aとの間に配置される摩擦フェーシング54を有している。摩擦フェーシング54は、円板状かつ環状のプレート55を介してハブ56に固定されている。ハブ56の中心孔には、入力シャフト3がスプライン係合している。
【0029】
[レリーズ装置]
レリーズ装置10は、クラッチカバー組立体8のダイヤフラムスプリング50を駆動することでクラッチディスク組立体9に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置10は、主に、レリーズベアリング58と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング58は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング58のアウターレースには、筒状のリティーナ59が装着されている。リティーナ59は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング50のレバー部50bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
【0030】
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン60とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン60との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン60は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング58のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン60はレリーズベアリング58を軸方向エンジン側に移動させる。
【0031】
<動作>
[トルク伝達]
このクラッチ装置1では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4からダンパー機構6を介して第2フライホイール組立体5に伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、図示しない支持プレート、コイルスプリング32、円板状プレート22の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
【0032】
[クラッチ連結・レリーズ動作]
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン60は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング58はダイヤフラムスプリング50の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aはプレッシャープレート49から離れる。これによりプレッシャープレート49はストラッププレートの付勢力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0033】
このクラッチレリーズ動作において、レリーズベアリング58からクラッチカバー組立体8に対して軸方向エンジン側に作用する荷重によって、第2フライホイール組立体5が軸方向エンジン側に付勢されて移動する。これにより、相対回転抑制機構24において円板状プレート22の当接部27が、摩擦材19に押し付けられて円板状部材13に摩擦係合する。すなわち、第2フライホイール組立体5が第1フライホイール組立体4に対して相対回転不能になる。
【0034】
ここでは、ダンパー機構6のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置10からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、相対回転抑制機構24が円板状部材13や円板状プレート22といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
<他の実施形態>
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態ではプッシュタイプのクラッチカバー組立体が用いられていたが、プルタイプのクラッチカバー組立体を含むクラッチ装置にも本発明を適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、縁立て加工に併せてフレキシブルプレートの剛性の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ装置の断面模式図。
【図2】円盤状部材の製造方法を示す図。
【図3】円盤状部材の製造方法を示す図。
【符号の説明】
4 第1フライホイール組立体
5 第2フライホイール組立体
8 クラッチカバー組立体
9 クラッチディスク組立体
10 レリーズ装置
11 フライホイールダンパー
13 円盤状部材 (フレキシブルプレート)
13a ボルト貫通孔
13b 内周筒状部
13c 本体部
13d 薄肉部
80 ローラ
81 形成型
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライホイール又はフライホイール組立体に用いられるフレキシブルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランクシャフトには、エンジンの燃焼変動に起因する振動を吸収するために、フライホイールが装着されている。さらに、フライホイールの軸方向トランスミッション側にクラッチ装置を設けている。クラッチ装置は、トランスミッションの入力シャフトに連結されたクラッチディスク組立体と、クラッチディスク組立体の摩擦連結部をフライホイールに付勢するクラッチカバー組立体とを備えている。クラッチディスク組立体は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機構を有している。ダンパー機構は、回転方向に圧縮されるように配置されたコイルスプリング等の弾性部材を有している。
【0003】
一方、ダンパー機構を、クラッチディスク組立体ではなく、摩擦面付きフライホイール(出力側フライホイール)とクランクシャフトとの間に設けた構造も知られている。この場合は、摩擦面付きフライホイールがコイルスプリングを境界とする振動系の出力側に位置することになり、出力側の慣性が従来に比べて大きくなっている。この結果、共振回転数をアイドル回転数以下に設定することができ、大きな減衰性能を実現できる。このように、摩擦面付きフライホイールとダンパー機構とが組み合わさって構成される構造が、フライホイール組立体又はフライホイールダンパーである。
【0004】
このようなフライホイール組立体では、クランクシャフトから伝達される曲げ振動を低減するために、円板状の部材であるフレキシブルプレートを用いて、摩擦面付きフライホイールをクランクシャフトに連結している。フレキシブルプレートは、曲げ方向の剛性が低いため、クランクシャフトからの曲げ振動を吸収できる。また、イナーシャ部材(入力側フライホイール)をフレキシブルプレートによってクランクシャフトに固定したフライホイール組立体も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
フレキシブルプレートの剛性は、形状を変えることにより調節することができる。例えば、フレキシブルプレートの板厚を変更したり、孔空け加工を行ったりすることにより、剛性の調整を行っている。
フレキシブルプレートは、プレス加工により成形される場合が多い。しかし、プレス加工では、フレキシブルプレートの板厚精度が高くない。このため、プレス加工によりフレキシブルプレートの製造した場合には、剛性の調整を十分に行うことがむずかしい。よって、剛性を調整するためには、孔空け加工の過程が必要となる。だが、製造時の過程が増加するとコスト増につながる。
【0006】
本発明の課題は、フレキシブルプレートの製造時の剛性の調整を容易にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のフレキシブルプレートは、エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートであって、本体部と筒状部とを備える。筒状部は、本体部の縁から延びる。また、筒状部を縁立て加工する際に本体部の板厚が調整されている。
【0008】
このフレキシブルプレートは、円盤状の本体部から筒状部が縁立て加工により形成されている。さらに、フレキシブルプレートは、縁立て加工を行う際の本体部の板厚調整により、剛性を調整されている。これにより、フレキシブルプレートの剛性の調整を容易に行うことができる。
請求項2に記載のフレキシブルプレートは、請求項1に記載のフレキシブルプレートであって、縁立て加工がフローフォーミングである。
【0009】
このフレキシブルプレートは、フローフォーミングにより縁立て加工を行う。具体的には、本体部の板厚調整で余分となった材料を用いて筒状部を形成することができる。このため、材料の有効利用を図ることができる。
請求項3に記載のフレキシブルプレートの製造方法は、エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートの製造方法であって、円盤状の本体部を形成する本体部形成ステップと、本体部の板厚を調整しながら本体部の縁に筒状部を形成する縁立てステップとを備える。
【0010】
このフレキシブルプレートの製造方法では、まず本体部を形成し、次に本体部の板厚を調整しながら、本体部の縁に筒状部を形成する。このように、縁立てを行う際に本体部の板厚を調整できるため、フレキシブルプレートの剛性を調整することが容易となる。
請求項4に記載のフレキシブルプレートの製造方法では、請求項3において、縁立てステップでは、フローフォーミングを行う。
【0011】
このフレキシブルプレートの製造方法では、フローフォーミングにより縁立て加工を行う。具体的には、本体部の板厚調整で余分となった材料を用いて筒状部を形成することができる。このため、材料の有効利用を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るクラッチ装置1を図1に示す。
<全体の構成>
クラッチ装置1は、主に、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、クラッチカバー組立体8と、クラッチディスク組立体9と、レリーズ装置10とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5との組み合わせによって、ダンパー機構6を含むフライホイールダンパー11が構成されている。
【0013】
図1及び図2の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。クラッチ装置1はエンジン側のクランクシャフト2とトランスミッション側の入力シャフト3との間でトルクを断続するための装置である。
[第1フライホイール組立体]
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14とから構成されている。
【0014】
円盤状部材13は、環状部材14をクランクシャフト2に固定するための部材であり、板金製の薄板部材である。円板状部材13は、軸方向及び曲げ方向に剛性が低く、たわみ可能となっている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。また、円盤状部材13は、半径方向内周側で軸方向トランスミッション側に起立する内周筒状部13bと、平板円盤形状である本体部13cとを有する。本体部13cの内周部には、その外周側の部分より肉厚が薄い薄肉部13dが設けられている。環状部材14は、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されており、厚肉ブロック状の部材である。円板状部材13の外周端は溶接等によって環状部材14に固定されている。さらに、環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。
【0015】
内周筒状部13bは、後述する摩擦面付きフライホイール21やダンパー機構6、つまり第2フライホイール組立体5を芯出し、回転自在に支持するための構造である。
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。円板状部材13の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材19が貼られている。摩擦材19は、相対回転抑制機構24において、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。
【0016】
円盤状部材13の内周部の構造について説明する。円盤状部材13は、上記したように、軸方向トランスミッション側に起立する内周筒状部13bを内周側に有している。この内周筒状部13bは、ブッシュ33を介して第2フライホイール組立体5の内周部分に当接しており、第2フライホイール組立体5を半径方向に対して回転自在に支持する。また、円盤状部材13の内周部で且つ内周筒状部13bの半径方向外側には、薄肉部13dが形成される。この薄肉部13dは、円盤状部材13の剛性を調整する部分である。
【0017】
円盤状部材13は、図2に示すように、フローフォーミングにより、内周筒状部13bが形成される。円盤状部材13の製造方法について、以下でさらに詳しく説明する。本体部13cが形成された後に、図2に示されるローラ80は、本体部13cの内周部分の肉厚をその外周側よりも薄くするように材料の移動を行わせて、薄肉部13dを形成する。薄肉部13dを形成する際に余分となり内周側に移動させられた材料は、筒状の形成型81に当接することにより移動が妨げられる。これにより、内周筒状部13bの内周部分が形成される。さらに、図3に示すように、ローラ80で内周筒状部13bの形状を整えることにより内周筒状部13bの縁立て加工が完了する。
【0018】
本実施形態では、以上のようにして円盤状部材13の形成を行うため、薄肉部13dと内周筒状部13bとの形成が一行程で行える。よって、製造コストを抑えることができる。また、薄肉部13dで余分となった材料を利用して内周筒状部13bを形成するため、材料を無駄にせずに済む。さらに、内周筒状部13bが円盤状部材13と一体となっているため、内周筒状部13bを溶接などにより形成する場合に比べて、縁立て部の根元部分に損傷が生じず丈夫に形成することができる。
【0019】
[第2フライホイール組立体]
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21と、円板状プレート22とから構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向エンジン側に第1摩擦面21aが形成されている。第1摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール21には、さらに、軸方向トランスミッション側に第2摩擦面21bが形成されている。第2摩擦面21bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構7の摩擦摺動面として機能している。第2摩擦面21bは、摩擦材19に対して軸方向に対向している。
【0020】
円板状プレート22について説明する。円板状プレート22は、第1フライホイール組立体4と摩擦面付きフライホイール21との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート22は、外周部が複数のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されており、第1フライホイール組立体4と一体回転する部材として機能する。
【0021】
具体的に説明すると、円板状プレート22は、外周縁側から、外周固定部25と、筒状部26と、当接部27と、連結部28と、ばね支持部29と、内周部30と、内周側筒状部31とから構成されている。外周固定部25は、摩擦面付きフライホイール21の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。筒状部26は、外周固定部25の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分である。当接部27は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部27は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに対して軸方向に空間を介して対向している。連結部28は、当接部27より軸方向トランスミッション側に位置する平坦な部分であり、ばね支持プレート35が固定されている。ばね支持部29は、ダンパー機構6のコイルスプリング32を収納しかつ支持するための部分である。このように当接部27を有する円板状プレート22がばね支持部29を有していることで、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。内周側筒状部31は、ブッシュ33を介して、円板状部材13の内周筒状部13bによって回転自在に半径方向に支持されている。
【0022】
[ダンパー機構]
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフトと摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、複数のコイルスプリング32を含む弾性連結機構と、摩擦抵抗発生機構7とから構成されている。
【0023】
摩擦抵抗発生機構7は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング32と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定のヒステリシストルクを発生する。摩擦抵抗発生機構7は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート22の当接部27との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。
【0024】
[クラッチカバー組立体]
クラッチカバー組立体8は、弾性力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54を摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー48と、プレッシャープレート49と、ダイヤフラムスプリング50とから構成されている。
【0025】
クラッチカバー48は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト51によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。
プレッシャープレート49は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー48の内周側において摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート49は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに対向する押圧面49aを有している。また、プレッシャープレート49において押圧面49aと反対側の面には軸方向トランスミッション側に突出する複数の弧状突出部49bが形成されている。プレッシャープレート49は、弧状に延びる複数のストラッププレート(図示せず)によってクラッチカバー48に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態では、プレッシャープレート49に対してストラッププレートが摩擦面付きフライホイール21から離れる方向への荷重を付与している。
【0026】
ダイヤフラムスプリング50は、プレッシャープレート49とクラッチカバー48との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部50aと、弾性部50aから内周側に延びる複数のレバー部50bとから構成されている。弾性部50aの外周縁部は、プレッシャープレート49の弧状突出部49bに軸方向トランスミッション側から当接している。
【0027】
クラッチカバー48の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ48aが複数形成されている。タブ48aは、ダイヤフラムスプリング50の孔を貫通してプレッシャープレート49側に延びている。このタブ48aによって支持された2個のワイヤリング52が、ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部50aは、軸方向エンジン側に圧縮されており、プレッシャープレート49とクラッチカバー48とに軸方向エンジン側への弾性力を付与している。
【0028】
[クラッチディスク組立体]
クラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aとプレッシャープレート49の押圧面49aとの間に配置される摩擦フェーシング54を有している。摩擦フェーシング54は、円板状かつ環状のプレート55を介してハブ56に固定されている。ハブ56の中心孔には、入力シャフト3がスプライン係合している。
【0029】
[レリーズ装置]
レリーズ装置10は、クラッチカバー組立体8のダイヤフラムスプリング50を駆動することでクラッチディスク組立体9に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置10は、主に、レリーズベアリング58と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング58は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング58のアウターレースには、筒状のリティーナ59が装着されている。リティーナ59は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング50のレバー部50bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
【0030】
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン60とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン60との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン60は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング58のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン60はレリーズベアリング58を軸方向エンジン側に移動させる。
【0031】
<動作>
[トルク伝達]
このクラッチ装置1では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4からダンパー機構6を介して第2フライホイール組立体5に伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、図示しない支持プレート、コイルスプリング32、円板状プレート22の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
【0032】
[クラッチ連結・レリーズ動作]
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン60は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング58はダイヤフラムスプリング50の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aはプレッシャープレート49から離れる。これによりプレッシャープレート49はストラッププレートの付勢力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0033】
このクラッチレリーズ動作において、レリーズベアリング58からクラッチカバー組立体8に対して軸方向エンジン側に作用する荷重によって、第2フライホイール組立体5が軸方向エンジン側に付勢されて移動する。これにより、相対回転抑制機構24において円板状プレート22の当接部27が、摩擦材19に押し付けられて円板状部材13に摩擦係合する。すなわち、第2フライホイール組立体5が第1フライホイール組立体4に対して相対回転不能になる。
【0034】
ここでは、ダンパー機構6のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置10からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、相対回転抑制機構24が円板状部材13や円板状プレート22といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
<他の実施形態>
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態ではプッシュタイプのクラッチカバー組立体が用いられていたが、プルタイプのクラッチカバー組立体を含むクラッチ装置にも本発明を適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、縁立て加工に併せてフレキシブルプレートの剛性の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ装置の断面模式図。
【図2】円盤状部材の製造方法を示す図。
【図3】円盤状部材の製造方法を示す図。
【符号の説明】
4 第1フライホイール組立体
5 第2フライホイール組立体
8 クラッチカバー組立体
9 クラッチディスク組立体
10 レリーズ装置
11 フライホイールダンパー
13 円盤状部材 (フレキシブルプレート)
13a ボルト貫通孔
13b 内周筒状部
13c 本体部
13d 薄肉部
80 ローラ
81 形成型
Claims (4)
- エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートであって、
円盤状の本体部と、
前記本体部の縁から延びる筒状部と、
を備え、
前記筒状部を縁立て加工する際に前記本体部の板厚が調整されている、
フレキシブルプレート。 - 前記縁立て加工は、フローフォーミングである、請求項1に記載のフレキシブルプレート。
- エンジンのクランクシャフトとフライホイールとの間に配置されるフレキシブルプレートの製造方法であって、
円盤状の本体部を形成する本体部形成ステップと、
前記本体部の板厚を調整しながら、前記本体部の縁に筒状部を形成する縁立てステップと、
を備える、
フレキシブルプレートの製造方法。 - 前記縁立てステップでは、フローフォーミングを行う、請求項3に記載のフレキシブルプレートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160573A JP2004360806A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | フレキシブルプレート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003160573A JP2004360806A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | フレキシブルプレート及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004360806A true JP2004360806A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34053314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003160573A Pending JP2004360806A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | フレキシブルプレート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004360806A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065750A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Aisin Seiki Co Ltd | ダンパ装置 |
JP2010223378A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
JP2019525841A (ja) * | 2016-08-03 | 2019-09-12 | シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG | 圧着プレートユニットを製造する方法、圧着プレートユニットおよび摩擦クラッチ |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160573A patent/JP2004360806A/ja active Pending
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JP2019525841A (ja) * | 2016-08-03 | 2019-09-12 | シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG | 圧着プレートユニットを製造する方法、圧着プレートユニットおよび摩擦クラッチ |
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