JPH10205522A - 開閉体用のヒンジ装置 - Google Patents

開閉体用のヒンジ装置

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JPH10205522A
JPH10205522A JP9019868A JP1986897A JPH10205522A JP H10205522 A JPH10205522 A JP H10205522A JP 9019868 A JP9019868 A JP 9019868A JP 1986897 A JP1986897 A JP 1986897A JP H10205522 A JPH10205522 A JP H10205522A
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JP
Japan
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pin
opening
hinge
hinge member
closing body
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JP9019868A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Suzuki
一喜 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 読取装置本体のプラテン上に載置された原稿
を押える圧板の長辺側と短辺側に係合部を設け、そのい
ずれかの係合部にヒンジ部材のピンを挿入し、そのヒン
ジ部材を介して圧板を読取装置本体に枢支するヒンジ装
置において、ヒンジ部材のピンを係合部に挿入したと
き、ヒンジ部材が係合部から脱落することを防止する。 【解決手段】 ヒンジ部材4のピン8を圧板3の係合部
21に挿入したとき、ピン8に設けた突起22が係合部
21に係合してピン8の脱抜を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉体を支持体に
対して回動開閉自在に枢着するヒンジ部材を備えた開閉
体用のヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車を初めとした各種車両、船舶、建
造物或いは電子機器などの機械、装置又は設備には、各
種の開閉体がその支持体に回動開閉自在に支持されてい
る。例えば、原稿画像を読み取る機能を備えた複写機、
プリンタ或いはファクシミリなどの原稿読取装置や、原
稿画像を読み取る機能のみを備えた原稿読取装置におい
ては、原稿の読み取り時に、読取装置本体のプラテン上
に原稿を載置し、その原稿を圧板によって押えるように
構成されているが、かかる圧板が開閉体の一例であり、
読取装置本体がその開閉体を支持する支持体の一例を構
成する。
【0003】このような開閉体は、通常、その一辺の側
がヒンジ部材を介して支持体に枢支され、常にその一辺
の側を基端部として回動開閉される。ところが、その開
閉体の利用者のなかには、開閉体の他の辺の側を基端部
として回動操作したいと考えるものもいる。
【0004】そこで、ヒンジ部材を支持体に対して着脱
可能に係止すると共に、開閉体の少なくとも2辺の側に
係合部をそれぞれ設け、その所望する側の係合部にヒン
ジ部材のピンを挿入できるように構成した開閉体用のヒ
ンジ装置が提案されている。かかるヒンジ装置によれ
ば、利用者が選択した係合部にヒンジ部材のピンを挿入
し、次いでそのヒンジ部材を支持体に係止することがで
きるので、開閉体の一辺の側だけではなく、他の辺の側
を基端部としてその開閉体を回動開閉させることができ
る。
【0005】このようなヒンジ装置を用いた場合、開閉
体を支持体に装着するとき、上にも説明したように、先
ずヒンジ部材のピンを開閉体の係合部に挿入し、次いで
そのヒンジ部材を支持体に係止するのであるが、ヒンジ
部材のピンを係合部に挿入した後、操作者が開閉体を保
持しながら、そのヒンジ部材を支持体に係止する際、ヒ
ンジ部材の自重によってピンが係合部から外れてしまう
おそれがある。特に不慣れな者がかかる装着作業を行う
と、ヒンジ部材が開閉体から脱落することが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した新
規な認識に基きなされたものであって、その目的とする
ところは、簡単な構成によって上述した従来の欠点を除
去できる開閉体用のヒンジ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、開閉体を支持する支持体に対し、該開閉体
を回動開閉自在に枢着するための少なくとも1つのヒン
ジ部材を具備し、該ヒンジ部材は、前記支持体に着脱可
能に係止されると共に少なくとも1つのピンを有し、前
記開閉体の少なくとも2辺の側には、前記ピンが挿入さ
れる係合部がそれぞれ設けられ、選択された係合部に前
記ピンを挿入してヒンジ部材を開閉体に取付け、そのヒ
ンジ部材を前記支持体に係止することにより、開閉体を
支持体に対して回動開閉自在に枢着する開閉体用のヒン
ジ装置において、前記ヒンジ部材のピンを前記係合部に
挿入したとき、該ピンがヒンジ部材の自重によって係合
部から外れることを阻止するピン抜け防止手段を設けた
ことを特徴とする開閉体用のヒンジ装置を提案する。
【0008】その際、上記ピン抜け防止手段が、前記ピ
ンの自由端部に形成され、かつ該ピンの半径方向に突出
すると共に、ピンを係合部に挿入したとき、該係合部に
係合して当該ピンが係合部から抜け出ることを阻止する
突起を具備し、該ピンの自由端部は、該自由端部に形成
された割りによって縮径方向に弾性変形可能に形成さ
れ、当該自由端部を縮径させることにより、前記突起と
係合部との係合を解除して当該ピンの係合部からの脱抜
を可能とするように構成されていると有利である。
【0009】また、上記ピン抜け防止手段が、係合部に
挿入されたピンの当該係合部からの抜け出しを阻止すべ
く、該ピンを押えるストッパより成り、該ストッパは、
係合部に対するピンの挿脱時に、その挿脱を許容すべ
く、ピンを押える位置から退避可能に開閉体に設けられ
ていると有利である。
【0010】さらに、上記ピン抜け防止手段が、前記ピ
ンを係合部に挿入したとき、そのピンと係合部の両者に
着脱可能に係合して該ピンが係合部から抜け出ることを
阻止する係止部材より成ると有利である。
【0011】また、支持体が原稿読取装置の読取装置本
体より成り、開閉体が読取装置本体のプラテンに載置さ
れた原稿を押える圧板より成るものに本発明に係るヒン
ジ装置を有利に採用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を複写機の圧板用の
ヒンジ装置として構成した実施形態例を図面に従って説
明し、併せて前述の従来の問題点を図面に即してより具
体的に明らかにする。
【0013】図1は原稿読取装置の一例である複写機の
外観斜視図である。ここに示した複写機は、読取装置本
体(本例では複写機本体)1と、その本体1の上部に設
けられた透明ガラスより成るプラテン2上に載置された
原稿(図示せず)を押える圧板3とを有している。圧板
3は、後に詳しく説明する開閉体用のヒンジ装置によっ
て読取装置本体1に回動開閉自在に支持され、プラテン
2上の原稿を押える閉位置と、その原稿を取り出し、又
はセットするときの開位置との間を矢印A方向に開閉さ
れる。このように、本例では圧板3が開閉体を構成し、
読取装置本体1がその開閉体を支持する支持体を構成し
ている。
【0014】図2は圧板3を読取装置本体1から離脱し
たときの様子を示す。この図から判るように、上述の開
閉体用のヒンジ装置は、少なくとも1つのヒンジ部材、
図の例では2個のヒンジ部材4,4aを具備する。これ
らのヒンジ部材4,4aは、互いに対称に形成されてい
るほかは実質的に同一の構造を有しているので、主とし
て一方のヒンジ部材4の構成を明らかにする。
【0015】図1のIII−III線拡大断面図である図3
と、図4乃至図8に示すように、本例のヒンジ部材4
は、基部5とその基部5に弾性連結片6を介して一体に
形成された可動部7とを有し、その全体が例えば合成樹
脂により構成されている。また可動部7には、少なくと
も1つのピン、図の例では2本のピン8が形成され、こ
れらのピン8は同じ向きに突出している。ピン8の横断
面形状はほぼ円形となっている。基部5は、互いに対向
した一対の側壁9と、これらの側壁9に一体に固定され
たベース壁10と、このベース壁10に対向した可動壁
11とを有している。可動壁11は、その基端部12が
ベース壁10の上端に固定されているが、その両側部は
側壁9に固定されておらず、従って当該可動壁11は、
その基端部12の側を中心として、その自由端側が図3
に矢印Bで示す向きに弾性的に曲げ変形可能である。
【0016】ベース壁10の下部と可動壁11の自由端
側には、それぞれ係止爪13,14が形成されている。
一方、読取装置本体上部のプラテン2の近傍の部位に
は、図2及び図3に示すように凹溝15が形成され、こ
の凹溝15にヒンジ部材4の基部5が係止される。この
状態で、各係止爪13,14が凹溝15を区画する縁部
16,17にそれぞれ係合し、これによってヒンジ部材
4が読取装置本体1に係止される。他方のヒンジ部材4
aも、図2に示すように、全く同様にして読取装置本体
1の上部に形成された凹溝15aに係止される。
【0017】圧板3は、図2及び図3に示すように合成
樹脂製の圧板本体18と、この本体18に固定された原
稿押え部19を有し、その全体がほぼ長方形に形成され
ている。かかる圧板3の一辺の側、この例ではその長辺
側に、図2及び図7に示す如く、ヒンジ部材4の各ピン
8,8に対応した位置に、ほぼ円弧状の架橋部20が一
体に形成され、かかる架橋部20によって筒状ないしは
リング状の係合部21が形成されている。この係合部2
1の中心孔31に、図3及び図8に示すようにヒンジ部
材4のピン8が挿入される。
【0018】同様に、他方のヒンジ部材4aのピン8a
も、図8に示すように、これに対応して圧板3の一辺側
に設けられた架橋部20aによって形成された筒状ない
しはリング状の係合部21aの中心孔31aに挿入され
る。
【0019】このように、係合部21,21aにはヒン
ジ部材4,4aのピン8,8aが挿入され、かかる係合
部21,21aはピン8,8aの雌側受け部を構成する
ものである。いずれの係合部21,21aもその形態に
相違はない。
【0020】図8から判るように、両ヒンジ部材4,4
aは、そのピン8,8aの突出する向きが相違するだけ
で他の構成に異なるところはない。各係合部21,21
aにピン8,8aがそれぞれ挿入され、このときそのピ
ン8,8aの突出する向きが相違しているので、各ピン
8,8aが各係合部21,21aの中心孔31,31a
からその軸線方向に抜け出ることが阻止される。この状
態で両ピン8,8aの中心軸線は互いに一致する。
【0021】上述のようにしてヒンジ部材4,4aが読
取装置本体1に係止され、そのヒンジ部材4,4aに圧
板3が連結され、これによって圧板3はヒンジ部材4,
4aを介して読取装置本体1に組付けられる。この状態
で、圧板3を、ヒンジ部材4,4aのピン8,8aを中
心として回動開閉させることができる。圧板3は、前述
の係合部21,21aの設けられた側を基端部として、
矢印A方向(図1及び図3)に回動開閉することができ
るのである。
【0022】また、開閉体用のヒンジ装置は、上述の如
く圧板3の一辺側を基端部として当該圧板3を回動開閉
可能に枢支できるほか、図9に示すように、圧板3の他
の辺の側を基端部としてその圧板3を回動開閉可能に枢
支できるように構成されている。すなわち、図10に示
すように、圧板3の他の辺、図の例ではその短辺側に
も、先に説明した架橋部20,20aと全く同様な架橋
部120,120aが設けられ、これによって筒状ない
しはリング状の係合部121,121aが形成されてい
る。また、圧板3の短辺側に沿う読取装置本体1の部分
には、先に説明した凹溝15,15aと全く同様に形成
された凹溝115,115aがそれぞれ形成されてい
る。
【0023】図2に示すようにヒンジ部材4,4aを前
述の凹溝15,15aから離脱し、そのヒンジ部材4,
4aのピン8,8aを係合部21,21aから外した
後、その各ヒンジ部材4,4aの各ピン8,8aを圧板
3の短辺側に設けられた係合部121,121aの中心
孔に挿入すると共に、その基部5,5aを図10に示し
た各凹溝115,115aに係止する。これにより、図
9に示すように、圧板3を、読取装置本体1に対して、
当該圧板の短辺側を基端部として矢印C方向に回動開閉
自在に支持することができる。
【0024】圧板3のさらに他の辺にも筒状ないしはリ
ング状の係合部を設け、これに対応する読取装置本体の
部位に凹溝を設ければ、圧板をその辺の側を基端部とし
て回動開閉自在に読取装置本体1に支持することができ
る。圧板3の少なくとも2辺の側に係合部を設け、これ
に対応する読取装置本体1の部分に凹溝を設けることに
より、圧板3の少なくとも2辺の側をそれぞれ基端部と
して、その圧板を回動開閉自在に枢支できるのである。
【0025】凹溝15に係止されたヒンジ部材4を、そ
の凹溝15から離脱するには、図3に示すように、例え
ば、圧板3を或る角度開いた状態で、操作者が片手でそ
の圧板3を保持し、他の手の指でヒンジ部材4の可動壁
11を矢印Dで示す方向に押し込む。これにより、可動
壁11は矢印D方向に弾性的に曲げ変形し、その係止爪
14が読取装置本体1の縁部17から外れる。従って、
この状態でヒンジ部材4を上方向に持ち上げれば、その
ヒンジ部材4を凹溝15から取り外すことできる。他方
のヒンジ部材4aも全く同様にして、凹溝15aから外
すことができる。次いで、各ヒンジ部材4,4aのピン
8,8aをその軸線方向に引いて、その各ピン8,8a
を係合部21,21aの中心孔31,31aから外すこ
とができる。
【0026】引き続き、圧板2の短辺側に配置された各
係合部121,121aの中心孔に、ヒンジ部材4,4
aのピン8,8aを、その軸線方向に押し込んで挿入
し、次いでその各ヒンジ部材4,4aの基部5,5aを
凹溝115,115aに挿入し、係止爪13,14を、
図3の縁部16,17に相当する凹溝115,115a
の縁部に係合する。例えば操作者が片手で圧板3を持
ち、他の手の指でヒンジ部材4の可動壁11を矢印D方
向(図3参照)に押し込み、そのヒンジ部材4を凹溝1
15に係止するのである。これにより、係止爪13,1
4を凹溝115の縁部に図3に示したところと全く同様
に係止させることができる。
【0027】このようにして、可動壁11の係止爪14
は凹溝115の縁部に弾性的に係止され、ヒンジ部材4
が凹溝115から抜け出ることが阻止される。他のヒン
ジ部材4aについても全く同様にして、凹溝115aに
係止させることができる。
【0028】再び、前述のようにしてヒンジ部材4,4
aを凹溝115,115aから外し、その基部5,5a
を、上述したところと全く同様にして凹溝15,15a
に係止させることができる。
【0029】上述のように、本例の開閉体用のヒンジ装
置は、圧板3より成る開閉体を支持する支持体の一構成
例である読取装置本体1に対し、その開閉体を回動開閉
自在に枢着するための少なくとも1つのヒンジ部材4,
4aを具備し、該ヒンジ部材4,4aは、読取装置本体
1より成る支持体に着脱可能に係止されると共に、少な
くとも1つのピン8,8aを有している。しかも圧板3
より成る開閉体の少なくとも2辺の側、図の例ではその
長辺側と短辺側に、上記ピン8,8aが挿入される係合
部21,21a,121,121aがそれぞれ設けら
れ、複写機のユーザによって選択された係合部、すなわ
ち圧板長辺側の係合部21,21aか、又は短辺側の係
合部121,121aにピン8,8aを挿入して、ヒン
ジ部材4,4aを圧板3より成る開閉体に取付け、しか
もそのヒンジ部材4,4aの基部5,5aを読取装置本
体1より成る支持体の凹溝15,15a又は115,1
15aに係止することにより、その開閉体を支持体に対
して回動開閉自在に枢着することができるように構成さ
れている。本例では、凹溝15,15a,115,11
5aが、ヒンジ部材4,4aを支持体に着脱可能に係止
する係止手段を構成している。
【0030】上述したヒンジ装置の基本構成自体は従来
より公知のものと変りはない。かかるヒンジ装置によれ
ば、ヒンジ部材4,4aを圧板3に組付けるときも、ま
たそのヒンジ部材4,4aを読取装置本体1の側に組付
けるときも、ねじなどの締結部材や、これを回わすため
のドライバなどの工具を用いる必要はない。これによ
り、容易に圧板3の回動中心側となる辺を変更すること
ができる。
【0031】ところが、従来のこの種のヒンジ装置によ
ると、ヒンジ部材4,4aを読取装置本体1の凹溝1
5,15a又は115,115aに係合させるとき、そ
のヒンジ部材4,4aが圧板3から脱落するおそれがあ
り、特に不慣れな者にとっては、その作業が大変煩しい
ものとなっていた。すなわち、先にも説明したように、
例えばヒンジ部材4を図3に示したように凹溝15に係
止させるには、先ずヒンジ部材4のピン8を、圧板3に
設けられた係合部21の中心孔31に挿入し、この状態
で圧板3を手で保持しながら、ヒンジ部材4を凹溝15
の上方にもたらし、当該ヒンジ部材4を凹溝15に挿入
してここに係止するのであるが、このような一連の操作
を行うとき、ピン8がヒンジ部材4の自重によって圧板
3の係合部21から抜け出して落下するおそれがあった
のである。他方のヒンジ部材4aについても全く同様で
ある。
【0032】そこで本例のヒンジ装置には、ヒンジ部材
4,4aのピン8,8aを、圧板3より成る開閉体に設
けられた係合部21,21a,121,121aに挿入
したとき、該ピン8,8aが、ヒンジ部材4,4aの自
重によって係合部21,21a,121,121aから
外れることを阻止するピン抜け防止手段が設けられてい
る。
【0033】図1乃至図10に示した例では、上記ピン
抜け防止手段が、図7及び図8に明示するように、ヒン
ジ部材4に設けられたピン8の自由端部に形成された突
起22により構成され、該突起22は、ピン8の半径方
向へ突出している。前述のようにヒンジ部材4を読取装
置本体1に組付けるには、その組付けに先立って、図7
に示したように、ピン8を係合部21の中心孔31に挿
入するが、その挿入を完了したとき、図8に示す如く、
突起22が係合部21の縁部に係合し、ピン8がその係
合部21から抜け出ることを阻止する。このため、操作
者は、ピン8が係合部21から抜け出ることに何ら気を
使わずに、ヒンジ部材4を読取装置本体1の凹溝15に
差し込んで、これを読取装置本体1に固定する作業を遂
行することができる。不慣れな作業も容易かつ短時間で
ヒンジ部材4を読取装置本体1に取付けることができる
のである。
【0034】また図7から明らかなように、ピン8の自
由端部には割り(スリット)23が形成され、その自由
端部は、この割り23によって、縮径方向に弾性変形可
能に形成されている。割り23はピン8の最先端からそ
の軸線方向に延びている。ピン8を係合部21の中心孔
31に挿入した状態で、そのピン8の自由端部を、指で
半径方向内側に向けて加圧すると、その自由端部はこれ
が縮径する向きに弾性変形する。これによって突起22
と係合部21との係合を解除することができ、該ピン8
を係合部21から脱抜することができる。このように、
ピン8に突起23が設けられてはいるが、ヒンジ部材4
を容易に係合部21から離脱することができるのであ
る。
【0035】図7及び図8に示した例では、ヒンジ部材
4の2本のピン8のうち、一方にだけ突起22と割り2
3を設けたが、両方のピン8にこれらを設けてもよい。
また他方のヒンジ部材4aにも、図8に示す如く、上述
したところと全く同様に、突起22と割り23を設ける
ことによって、ヒンジ部材4aを凹溝15aに係止する
とき、ヒンジ部材4aの自重によってそのピン8aが係
合部21aの中心孔31aから抜け出ることを阻止でき
る。またヒンジ部材4,4aのピン8,8aを係合部1
21,121aに挿入したときも、全く同じ作用を奏す
ることができる。
【0036】図11及び図12は、ピン抜け防止手段の
他の例をそれぞれ示す。これらの実施形態例において
は、ピン抜け防止手段が、圧板3より成る開閉体に形成
された係合部21に挿入されたピン8の当該係合部21
からの抜け出しを阻止すべく、該ピン8を押えるストッ
パ24より成る。このストッパ24は、係合部21に挿
入されたピン8の背部側の部位25を押え、そのピン8
が係合部21の中心孔31から抜け出ることを阻止す
る。これにより、操作者はヒンジ部材4が係合部21か
ら脱落することを気にかけずに、そのヒンジ部材4を読
取装置本体1のいずれかの凹溝に容易に係止させること
ができる。
【0037】ここで、ストッパ24は圧板自体に形成さ
れ、図11に示した例では、ピン8を係合部21の中心
孔31に挿入し、又は抜き出すとき、ストッパ24の突
設された圧板3の部分がヒンジ部材4によって加圧され
て弾性変形する。圧板3を合成樹脂によって構成するこ
とにより、係合部21へのピン8の挿脱時に、ストッパ
24を、ヒンジ部材4の加圧力によってヒンジ部材の挿
脱路から退避させることができるのである。これにより
支障なくピン8を係合部21に挿入又は脱抜することが
できる。
【0038】また図12に示す例では、合成樹脂より成
る圧板3に切込み26を形成することにより、弾性変形
可能なアーム部27を形成し、その自由端部にストッパ
24が一体に形成されている。かかる構成によると、係
合部21に対してピン8を挿入し、又は引き抜くとき、
ヒンジ部材4がストッパ24に当ることにより、アーム
部27を容易に弾性変形させることができるので、より
楽にピン8の挿脱を行うことが可能となる。
【0039】このように、図11及び図12のいずれの
例においても、ストッパ24は、係合部21に対するピ
ン8の挿脱時に、その挿脱を許容すべく、ピン8を押え
る位置から退避可能に圧板3より成る開閉体に設けられ
ている。但し、ヒンジ部材4の自重がストッパ24に作
用しただけでは、そのストッパ24がピン8を押える位
置から退避することはなく、これにより確実にピン8の
抜け出しを阻止できる。
【0040】上述したストッパ24の構成は、ヒンジ部
材4が挿入される他の係合部121や、他方のヒンジ部
材4aが挿入される係合部21a,121aに対しても
それぞれ設けることができ、これによって上述したとこ
ろと全く同様の作用効果を奏することができる。
【0041】図13及び図14はピン抜け防止手段のさ
らに他の例を示す。ここに示したピン抜け防止手段は、
ピン8を係合部21に挿入したとき、そのピン8と係合
部21の両者に着脱可能に係合して、当該ピン8が係合
部21から抜け出ることを阻止する係止部材28により
構成されている。
【0042】図示した例では、この係止部材28が、例
えば金属又は合成樹脂より成るばね性を持ったワイヤ状
部片のスプリングクリップより成り、ヒンジ部材4のピ
ン8を係合部21の中心孔31に挿入した後、係止部材
28の一端28aをピン8に形成した係止孔29に挿入
し、他端28bを係止部21の外周面に形成された溝3
0に係止する。このとき、係止部材28は、その弾性に
よってヒンジ部材4と係合部21に係止される。これに
よりピン8が係合部21の中心孔から抜け出ることを阻
止でき、操作者はヒンジ部材4が係合部21から脱落す
ることに気をかけずに、容易にそのヒンジ部材4を読取
装置本体1の凹溝に係止させることができる。その係止
作業を終えた後、係止部材28を外してもよいが、これ
を取付けたままとし、ピン8を係合部21から外すと
き、係止部材28をその係合部21とピン8から離脱さ
せるようにしてもよい。
【0043】図13及び図14に示したピン抜け防止手
段は、ヒンジ部材4を他の係合部121に挿入したとき
も全く同様に利用でき、またこの構成は他のヒンジ部材
4aを係合部21a又は121aに挿入したときも同様
に採用することができる。
【0044】図7、図8、図11及び図12に示したピ
ン抜け防止手段は、ピン8又は圧板3の弾性を利用し
て、ヒンジ部材を圧板に仮止め保持するものである。こ
の構成によると、ピン抜け防止手段専用の部材が不要で
あるため、構成を簡素化することができる。但し、その
反面、係合部へのピンの挿脱を何度も繰返すと、突起2
2又はストッパ24が摩耗によって削れ、又は破損する
ことが考えられる。このようになると突起22又はスト
ッパ24によるピンの抜け出し防止効果が失われる。
【0045】これに対し、図13及び図14に示したピ
ン抜け防止手段は、圧板3及びヒンジ部材とは別部材の
係止部材28を用いるので、上述の如き不具合の発生を
防止できる。また仮に、その係止部材28が疲労などに
よって劣化したときは、別の新たな係止部材28を使用
できるので、常にピン抜け出し防止効果を維持すること
ができる。
【0046】なお、図11乃至図14に示した例の他の
基本構成は、図1乃至図10に関連して先に説明した基
本構成と変りはない。
【0047】以上説明した例では、支持体が原稿読取装
置の読取装置本体1より成り、開閉体が、読取装置本体
1のプラテン2に載置された原稿を押える圧板3より成
る。本発明は、かかる読取装置における圧板用のヒンジ
装置として特に有利に適用できるが、先に例示した如き
他の各種開閉体用のヒンジ装置としても広く採用できる
ものである。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の構成によれば、ヒンジ
部材のピンを係合部に係合したとき、そのピンがヒンジ
部材の自重によって係合部から外れることを阻止できる
ので、不慣れな操作者も、そのヒンジ部材を支持体の側
に係止する作業を楽に遂行することができる。
【0049】請求項2に記載の構成によれば、ピン抜け
防止手段が、ピン自体に形成された突起より成るため、
ヒンジ装置の部品点数が増大する不具合を阻止でき、そ
のコストの上昇を防止できる。
【0050】請求項3に記載の構成によれば、ピン抜け
防止手段が、開閉体自体に設けられたストッパより成る
ので、ヒンジ装置の部品点数が増大する不具合を阻止で
き、そのコストの上昇を防止できる。
【0051】請求項4に記載の構成によれば、長期に亘
ってピンの抜け出し防止効果を維持できる。
【0052】請求項5に記載の構成によれば、読取装置
の圧板の枢着基端部の入れ替れを容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】原稿読取装置の一例である複写機の外観斜視図
である。
【図2】読取装置本体から圧板を外した状態を示す斜視
図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】ヒンジ部材の正面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4に示したヒンジ部材を背面側から見た図で
ある。
【図7】ヒンジ部材のピンを係合部に挿入するときの様
子を示す斜視図である。
【図8】係合部へピンを挿入し終えたときの正面図であ
る。
【図9】圧板の短辺側を基端部としてその圧板を読取装
置本体に装着したときの複写機の外観斜視図である。
【図10】図9に示した圧板を読取装置本体から外した
ときの斜視図である。
【図11】ピン抜け防止手段の他の例を示す斜視図であ
る。
【図12】ピン抜け防止手段のさらに他の例を示す斜視
図である。
【図13】ピン抜け防止手段のさらに別の例を示す斜視
図である。
【図14】図13の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 読取装置本体 2 プラテン 3 圧板 4 ヒンジ部材 4a ヒンジ部材 8 ピン 8a ピン 21 係合部 21a 係合部 22 突起 23 割り 24 ストッパ 28 係止部材 121 係合部 121a 係合部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉体を支持する支持体に対し、該開閉
    体を回動開閉自在に枢着するための少なくとも1つのヒ
    ンジ部材を具備し、該ヒンジ部材は、前記支持体に着脱
    可能に係止されると共に少なくとも1つのピンを有し、
    前記開閉体の少なくとも2辺の側には、前記ピンが挿入
    される係合部がそれぞれ設けられ、選択された係合部に
    前記ピンを挿入してヒンジ部材を開閉体に取付け、その
    ヒンジ部材を前記支持体に係止することにより、開閉体
    を支持体に対して回動開閉自在に枢着する開閉体用のヒ
    ンジ装置において、 前記ヒンジ部材のピンを前記係合部に挿入したとき、該
    ピンがヒンジ部材の自重によって係合部から外れること
    を阻止するピン抜け防止手段を設けたことを特徴とする
    開閉体用のヒンジ装置。
  2. 【請求項2】 前記ピン抜け防止手段が、前記ピンの自
    由端部に形成され、かつ該ピンの半径方向に突出すると
    共に、ピンを係合部に挿入したとき、該係合部に係合し
    て当該ピンが係合部から抜け出ることを阻止する突起を
    具備し、該ピンの自由端部は、該自由端部に形成された
    割りによって縮径方向に弾性変形可能に形成され、当該
    自由端部を縮径させることにより、前記突起と係合部と
    の係合を解除して当該ピンの係合部からの脱抜を可能と
    する請求項1に記載の開閉体用のヒンジ装置。
  3. 【請求項3】 前記ピン抜け防止手段が、係合部に挿入
    されたピンの当該係合部からの抜け出しを阻止すべく、
    該ピンを押えるストッパより成り、該ストッパは、係合
    部に対するピンの挿脱時に、その挿脱を許容すべく、ピ
    ンを押える位置から退避可能に開閉体に設けられている
    請求項1に記載の開閉体用のヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 前記ピン抜け防止手段が、前記ピンを係
    合部に挿入したとき、そのピンと係合部の両者に着脱可
    能に係合して該ピンが係合部から抜け出ることを阻止す
    る係止部材より成る請求項1に記載の開閉体用のヒンジ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記支持体が原稿読取装置の読取装置本
    体より成り、前記開閉体が読取装置本体のプラテンに載
    置された原稿を押える圧板より成る請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の開閉体用のヒンジ装置。
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