JPH10202999A - 複写防止模様の作成方法及びその印刷物 - Google Patents

複写防止模様の作成方法及びその印刷物

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JPH10202999A
JPH10202999A JP2444197A JP2444197A JPH10202999A JP H10202999 A JPH10202999 A JP H10202999A JP 2444197 A JP2444197 A JP 2444197A JP 2444197 A JP2444197 A JP 2444197A JP H10202999 A JPH10202999 A JP H10202999A
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Noriko Nishimura
典子 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、地紋、彩紋模様をはじめとする三角
関数により生成される周期性を持った曲画線の集合模様
に対して、通常は肉眼で識別できない周波数のみが異な
る曲画線の集合模様を混在させる印刷物及びその作成方
法に関するものである。 【解決手段】 本発明は、銀行券、株券、債券等の有価
証券、各種証明書及び、重要書類等の複写機による偽造
防止効果を付与することが必要な印刷物において、三角
関数により生成される周期性を持った曲画線の集合模様
と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
のみを変化させた三角関数により生成される曲画線の集
合模様を有し、あたかも同じ曲画線の集合模様の単なる
繰り返しであるかのように配置し、一定区間における画
線占有面積が、前記曲画線の集合模様と等しくなるよう
に、前記周波数が変化した曲画線の集合模様の画線幅を
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行券、株券、債
券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の偽造変造
防止を必要とする印刷物において、複写機により複写し
た場合に、偽造変造を困難にする画線構成を用いた、複
写防止模様の作成方法及びその印刷物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券、債券等の有価証券、各種
証明書及び重要書類等の印刷物において偽造、変造防止
策は重要な要素である。これら印刷物の偽造、変造防止
策は主に幾何学模様を多用化した図柄をデザインに用い
る方法と、印刷物に対し何等かの手段と作用を加えると
目視では認識できなかった潜像を現出するような方法が
ある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに
広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模様等が
あり、後者の代表的な例は潜像凹版、複写機で色が正常
に再現されないような機能性インキ、コピー防止画線等
がある。しかし最近のカラー複写機の著しい普及に伴
い、偽造、変造による犯罪が増加する危険性を有してお
り、より一層効果の高い偽造、変造防止策として技術の
開発が望まれていた。
【0003】前記の幾何学模様を用いる偽造、変造防止
策としては、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、
基本的に一定の画線幅による曲画線の集合によって模様
を構成しているものである。これらの模様は印刷物のデ
ザイン等の意匠性を加味し、偽造、変造防止策を施すこ
とができ、模様を複雑にすることによって偽造物におけ
る同一の模様を作製しようとするのを困難とし、写真製
版装置による抽出または複写機では再現されにくい色彩
を用いたり、複雑な曲画線にして複写機及びスキャナー
の走査入出力に対するモアレを発生させたりすることで
偽造防止策としての役割を高めている。また、前記模様
類は証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く 用
いられていると同時に、銀行券、株券、債券等の金銭的
価値を有する印刷物の模様として古くから用いられてい
たことにより、現在でも一般的に高級感を印象づけるデ
ザインとして重要な模様となっている。従って、銀行
券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類
等の印刷物において、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等
はデザイン上欠かすことのできない模様である。しか
し、最近では高機能化した写真製版装置または複写機の
出現によって充分な偽造、変造防止効果をもたらしてい
ないという欠点がある。
【0004】また前記の印刷物に対し何等かの手段と作
用を加えると、目視では認識できなかった潜像を現出す
るような方法の代表的な技術として、一般的にコピー防
止画線と称する一連の技術がある。即ち複写機によって
複写することにより、印刷物中に施してあった潜像が現
出するものであり、例えば、特開昭57ー20395号
公報、特開昭60ー79991号公報、特開昭60ー8
7380号公報等が開示されている。
【0005】しかしながら、前記公報等による印刷物は
いずれも網点もしくは万線等の点及び線が一定周期で連
続配置する画線群(以下、スクリーンパターンと称す
る)の粗密によって潜像が施され、印刷面全体の模様が
均一濃度を持ったスクリーンパターンとなっている。前
記潜像が施された印刷物を複写機によって複写した際、
再生されない密構成のスクリーンパターンと、再生され
る粗構成のスクリーンパターンとは濃度差が生じて、再
生される粗構成のスクリーンパターンに対し再生されな
い密構成のスクリーンパターンの潜像部分を現出するよ
うにして、複写物であることが一目瞭然となるようにし
たものであるが、印刷面全体が均一濃度を持ったスクリ
ーンパターンという特徴から、肉眼視においても同一印
刷面上の異なるスクリーンパターンによって、スクリー
ン形状の違いによる異別感及びスクリーンパターンゆえ
に生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の存在を
識別できてしまう欠点がある。
【0006】前記欠点を解決する方法として、前記公報
等はいずれも潜像をカムフラージュするために別の模様
や薄色の透明インキ、淡色の重ね刷りを施しているが、
前記方法は潜像を識別しにくくする点では有効である
が、工程数が増え経済的でないという欠点と、更に、あ
くまでも文書等の背景をなす地紋模様にしか活用でき
ず、潜像を施した単色印刷画線模様そのものを彩紋模様
のごとく自由なデザイン化した模様にしたり、装飾効果
を持った美術的な印刷物にすることは不可能である。ま
た、前記した従来技術の方法はいずれも網点もしくは万
線等の点及び線の粗密からなるスクリーンパターンでな
ければならないため、地紋、彩紋模様を多様している銀
行券、株券、債券などの有価証券等の既存製品に用いる
には適さないという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
偽造変造防止を必要とする印刷物において、従来技術は
何れもスクリーンパターンにより潜造を施しているた
め、視認は容易であり、単色印刷物では、印刷物に別途
上書きされる文字等の情報がカムフラージュの役割を果
たさなければならなく、複写機を用いた複写による偽造
変造を確実に防止することが困難であるという問題があ
った。
【0008】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに成されたもので、複写機を用いた複写による偽造変
像の防止を必要とする印刷物に対して、確実に防止する
ことができる画線構成とした、複写防止模様の作成方法
及びその印刷物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の複写防止模様の
作成方法及びその印刷物において、任意の一定区間の距
離をD、振幅をH及び周波数をFとする三角関数
【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線と同一であ
るような三角関数
【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
成される周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定
区間における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数
のみが変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよ
うに、前記曲画線と前記周波数のみが変化した曲画線の
画線幅を設定することにより、偽造変造を防止する画線
構成としている。
【0010】更に、前記設定した画線構成を印刷するこ
とにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有する印
刷物としている。
【0011】また、本発明の複写防止模様の作成方法及
びその印刷物において、任意の一定区間の距離をD、振
幅をH及び周波数をFとする三角関数
【数3】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線と同一であ
るような三角関数
【数4】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
成される周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定
区間における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数
のみが変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよ
うに、前記曲画線と前記周波数のみが変化した曲画線の
画線幅を設定することにより、偽造変造を防止する画線
構成としている。
【0012】更に、前記設定した画線構成を印刷するこ
とにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有する印
刷物としている。
【0013】また、前記画線構成とした複写防止模様を
連結して配置することにより、偽造変造を防止する手段
としている。
【0014】更にまた、前記連結して配置した画線構成
を印刷することにより、偽造変造を防止する複写防止模
様を有する印刷物としている。
【0015】前記曲画線の集合模様を地紋、彩紋模様と
することにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有
する印刷物としている。
【0016】前記画線構成とした複写防止模様を、他の
曲画線の集合模様と上下に隣接して配置する場合に、前
記曲画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模
様との間に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化
した曲画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合
模様との間に生ずる非画線部分とを同一にするため、前
記曲画線の集合模様を生成する三角関数の振幅よりも、
前記周波数が変化した曲画線の集合模様を生成する三角
関数の振幅を、前記曲画線の集合模様と前記周波数が変
化した曲画線の集合模様との画線幅の差の分だけ変化さ
せることにより、偽造変造を防止する手段としている。
【0017】更にまた、前記振幅も変化させた画線構成
を印刷することにより、偽造変造を防止する複写防止模
様を有する印刷物としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の画線構成は三角関数によ
り生成される周期性を有する曲画線と、前記曲画線を生
成する三角関数の係数のうちの周波数のみを変化させ、
その他の係数は前記曲画線と同一であるような三角関数
により生成される周期性を有する曲画線とを形成し、任
意の一定区間における前記曲画線の画線占有面積率と前
記周波数のみが変化した曲画線の画線占有面積率とが等
しくなるように画線幅をそれぞれ設定しているので、本
発明の複写防止模様を印刷時の変化、即ち膨張値等を加
味した画線で印刷した印刷物とし、該印刷物の全体を観
察した場合、観察者には周波数の異なった曲画線が混在
していることや、周波数のみが変化した曲画線の画線幅
が、前記曲画線の画線幅と異なるにもかかわらず、あた
かも前記曲画線の単なる繰り返しであるかのように認識
されることにより、肉眼では周波数のみが異なる曲画線
の混在を識別できなくすることを可能にしている。従っ
て、本発明の複写防止模様を有した印刷物を複写機によ
り複写すると、複写機の解像度から前記曲画線と前記周
波数が変化した曲画線のうち画線幅が太い方の曲画線は
再生され、画線幅が細い方の曲画線は再生されないかも
しくは再生不良となり、前記曲画線と前記周波数のみが
変化した曲画線との間に濃度差が生じ、明らかに複写物
であることが確認される。
【0019】具体的に本発明の複写防止模様の画線構成
について説明する。任意の一定区間の距離をDとし、振
幅をHとし、周波数をFとする数式(1)
【数1】により生成される曲画線と、前記曲画線を生成
する数式(1)の係数のうち周波数のみをδだけ変化さ
せ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一である
ような三角関数、数式(2)
【数2】により生成される周期性を有する曲画線とで構
成される。但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
任意の関数とする。
【0020】本発明において、周波数の変化とは、周波
数の増加と減少を意味するが、本実施の形態において
は、周波数が増加する場合について詳述する。減少する
場合についても同様に説明される。
【0021】前記数式(1)において、f(θ)=0、 g
(θ)=0 とした時、数式(5)
【数5】 により生成される曲画線で構成される本発明の複写防止
模様について説明する。
【0022】図1(a)は一定区間X1における本発明の複
写防止模様の画線構成を示すものであり、数式(6)
【数6】 により生成される曲画線P1であり、図1(b)は、前記曲
画線P1を生成する三角関数の係数である振幅H1、周波数
F1、水平方向の距離X1のうち周波数のみがδ1だけ増加
した、数式(7)
【数7】 により生成される曲画線P1’である。前記曲画線P1の画
線幅をW1、曲画線全体の長さをLとし、前記周波数のみ
が増加した曲画線P1’の画線幅をW1’、曲画線全体の長
さをL’とする。更に、前記曲画線P1とP1’を印刷した
際に画線部の周囲に生じる膨張(または収縮)値をαと
すると、印刷物上において前記曲画線P1の画線幅はW1+
α、前記周波数のみが増加した曲画線P1’の画線幅はW
1’+αとなる。前記画線構成により得られた複写防止模
様を印刷する場合、前述のような本発明の作用及び効果
を生じさせるためには、一定区間X1における前記曲画線
P1の画線面積L×(W1+α)と前記周波数のみが増加した
曲画線P1’の画線面積L’×(W1’+α)が等しくなけれ
ばならない。即ち、本発明の効果を奏する線画構成とす
るには、線画設計の段階において前記曲画線P1の画線幅
W1に対して、前記周波数のみが増加した曲画線P1’の画
線幅W1’がW1’= { L×(W1+α)}/(L1’+α)の関
係を満足しなければならない。つまり、一定区間X1にお
ける前記曲画線P1の濃度と、前記周波数のみが増加した
曲画線P1’の濃度とが均一になるようにP1’の画線幅が
設定されなければならない。
【0023】更に、本発明の複写防止模様の画線構成は
曲画線の周波数のみが異なり、一定区間内における画線
面積率が等しくなるような2本の曲画線で構成されてい
るので、肉眼で印象づけられる前記曲画線P1を形成する
画線周期の上下の頂点を結んだ線として捉えられる仮の
線(以下、包絡線という)M1、M2の形状が、前記周波数
のみが増加した曲画線P1’の包絡線M3、M4と同一の形
状となり、前記曲画線P1と前記周波数のみが増加した
曲画線P1’の違いが判別し難いことを特徴としてい
る。また、前記周波数のみが増加した曲画線P1’の画
線幅は、印刷物上で前記曲画線P1との違いが肉眼で認識
されず、且つ複写機では解像されにくい20μ〜30μ
で設定すると良い。
【0024】更に、前記操作を三角関数で生成される2
本以上の曲画線の集合模様に施すことによって、周波数
のみが異なる曲画線の混在を肉眼で識別することをより
困難にすることができる。
【0025】本発明の複写防止模様の画線構成として2
本以上の曲画線の集合模様を用いた場合について詳しく
説明する。図2(a)に示した三角関数により生成される
曲画線の集合模様P2は、位相を(360/画線の本数)度
ずつずらした2本以上の曲画線で構成される。つまり、
前記曲画線の集合模様P2がn本の曲画線で構成されてい
るとすると、前記曲画線の集合模様P2は、数式(8)で
表わされるn個の三角関数、
【数8】 により生成される。図2(b)は、前記曲画線の集合模様P
2に対して同じ本数の曲画線で構成され、前記曲画線の
集合模様P2を生成する三角関数の係数のうち周波数F2の
みをδ2増加させ、他の係数はP2と同一にして生成され
た曲画線の集合模様がP2’である。つまり、前記周波数
のみが増加した曲画線の集合模様P2’はn個の三角関
数、数式(9)
【数9】 により生成される。前記曲画線の集合模様P2の一定区間
X2における総画線面積をS2、前記周波数のみが増加した
曲画線の集合模様 P2’の総画線面積をS2’とすると、
印刷物上においてS2=S2’を満たすように、前記曲画線
の集合模様P2と、前記周波数のみが増加した曲画線の集
合模様P2’の画線面積率が等しくなるように、前記周波
数のみが増加した曲画線の集合模様P2’の画線幅を設定
する。本発明の複写防止模様を構成する曲画線として、
前記一本の曲画線を使用する場合に比べると、複数の曲
画線の集合模様を使用する場合は、前記曲画線の集合模
様から形成される包絡線M5、M6と、前記周波数のみが増
加した曲画線の集合模様から形成される方絡線M7、M8で
示されるように、すべての曲画線に接する包絡線の形状
が肉眼で明確に認識されることにより、観察者には包絡
線M5と包絡線M6の形状が前記曲画線の集合模様P2の形状
として印象づけられ、包絡線M7と包絡線M8の形状が前記
周波数のみが増加した曲画線の集合模様P2’の形状とし
て印象づけられるため、前記曲画線の集合模様P2と前記
周波数のみが増加した曲画線の集合模様P2’との違いが
肉眼では認識し難くなる。
【0026】更にまた、前記曲画線の集合模様と、前記
周波数のみが変化した曲画線の集合模様とを連結して配
置することは、観察者には一つの連続した曲画線である
かのように認識させるという点で効果的であり、前記曲
画線の集合模様と、前記周波数のみが増加した曲画線の
集合模様の位相が、等間隔にずらした複数本の曲画線で
構成されている場合は、(1/曲画線の本数)倍の値で
周波数を設定することによって、前記曲画線の集合模様
と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様とを連
結して配置した際に、各々の集合模様が接する境界点
で、前記曲画線の集合模様と前記周波数のみが変化した
曲画線の集合模様とが連続した曲画線のようにつなが
り、肉眼で識別することをより困難にすることができ
る。
【0027】図3に示すように、本発明の複写防止画線
を構成する際に、三角関数により生成される曲画線P3
と、前記曲画線P3に対して周波数のみが増加した曲画線
P3’との違いを認識し難くさせるために、前記周波数の
みが増加した曲画線P3’をあたかも前記曲画線P3の繰り
返しであるかのように連結して配置する場合について詳
しく説明する。数式(10)
【数10】 により生成される曲画線P3と、前記曲画線P3を生成する
三角関数の係数のうち周波数のみがδ3増加した三角関
数、数式(11)
【数11】 により生成される曲画線P3’の周波数F3及びF3+δ3を
それぞれ整数値で設定すると、前記曲画線P3と前記周波
数のみが増加した曲画線P3’の境界部分が一本の連続し
た画線のようにつながるため、前記曲画線P3と前記周波
数のみが増加した曲画線P3’の違いが肉眼では判別し難
くなる。
【0028】また、図4に示すように、三角関数により
生成される曲画線P4に対して、前記曲画線P4を生成する
三角関数の係数のうち周波数のみを増加させた三角関数
により生成された曲画線P4’の周波数を浮動小数点を含
む数値で設定し、前記曲画線P4と前記周波数のみが増加
した曲画線P4’を連結して配置すると、前記曲画線P4と
前記周波数のみが増加した曲画線P4’の境界部分が、破
線C3上に示されるようにスムーズにつながらず違和感が
生じ、肉眼でも前記曲画線P4と前記周波数のみが増加し
た曲画線P4’の違いをはっきりと認識されてしまう。
【0029】次に、図5に示すように、位相を(360/
画線の本数)度ずつずらして構成した2本以上の曲画線
の集合模様P5に対して、同じ本数の曲画線で構成され、
前記曲画線P5を生成する三角関数の係数のうち周波数の
みを増加させた三角関数により生成された曲画線の集合
模様P5’を、あたかも前記曲画線の集合模様P5の繰り返
しであるかのように連結して配置する場合の周波数の設
定値について説明する。数式(12)で表わされるn個
の三角関数、
【数12】 により生成される位相を(360/n)度ずつずらしたn本
の曲画線の集合模様P5と、前記集合模様P5と同様にn本
の曲画線で構成され、前記曲画線の集合模様P5を生成す
る三角関数の係数のうち周波数のみをδ5増加させ、他
の係数は前記曲画線の集合模様P5と同一であるようなn
個の三角関数、数式(13)
【数13】 により生成された曲画線の集合模様P5’を連結して配置
する場合は、前記曲画線の集合模様P5の周波数F5と前記
周波数のみを増加させた曲画線の集合模様 P5’の周波
数F5+δ5をそれぞれ(1/n)の倍数値で設定すると、
前記曲画線の集合模様P5と前記周波数のみが増加した曲
画線の集合模様P5’の境界部分D2において、n本の曲画
線がそれぞれ連続した曲画線のようにつながり、前記曲
画線の集合模様P5と前記周波数のみが増加した曲画線の
集合模様P5’の違いが肉眼では認識しづらくなる。ま
た、前記周波数が増加した曲画線の集合模様 P5’の画
線幅は一定区間X5における前記曲画線の集合P5の画線面
積と前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P5’の
画線面積が等しくなるように設定される。
【0030】また、三角関数で生成される2本以上の曲
画線の集合模様が地紋、彩紋模様をなしている場合も、
前記地紋、彩紋模様を構成する曲画線を生成する三角関
数の係数のうち、周波数のみを変化させた三角関数によ
り2本以上の曲画線の地紋、彩紋模様を生成することに
よって、前記効果が得られる。
【0031】更に本発明の複写防止模様が、地紋、彩紋
模様をなしている場合の詳しい説明として、数式(1
4)
【数14】 により生成される曲画線で構成される複写防止模様につ
いて説明する。
【0032】前記数式(14)において、f ( θ )はθ
を変数に持つ任意の関数を表わす。図6のように、数式
(15)で表わされるn個の三角関数
【数15】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P6に対して、前記曲画線の集合模様P6を生成する三角
関数の係数のうち周波数のみがδ6増加したn個の三角関
数、数式(16)
【数16】 により生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集
合模様 P6’を配置しても、観察者には前記曲画線の集
合模様P6から形成される包絡線M9とM10の形状が前記曲
画線の集合模様P6の形状として認識され、前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P6’から形成される包絡
線M11とM12の形状が前記周波数のみが増加した曲画線の
集合模様P6’の形状として認識される。前記曲画線の集
合模様P6を生成する三角関数の係数と、前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P6を生成する三角関数の係
数は周波数以外すべて同一であるため、包絡線M9、M10
と包絡線M11、M12は同一の形状となる。よって観察者に
は前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P6’が前
記曲画線の集合模様P6の単なる繰り返しのように認識さ
れる。
【0033】次に本発明の複写防止模様が地紋、彩紋模
様をなしている場合の詳しい説明として、数式(17)
【数17】 により生成される曲画線で構成される場合について説明
する。
【0034】前記数式(17)において、g ( θ )はθ
を変数に持つ任意の関数を表わす。図7のように、数式
(18)で表わされるn個の三角関数
【数18】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P7に対して、前記曲画線の集合模様P7を生成する三角
関数の係数のうち周波数のみがδ7増加したn個の三角関
数、数式(19)
【数19】 により生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集
合模様 P7’を配置しても、観察者には前記曲画線の集
合模様P7から形成される包絡線M13とM14の形状が前記曲
画線の集合模様P7の形状として認識され、前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P7’から形成される包絡
線M15とM16の形状が、前記周波数のみが増加した曲画線
の集合模様P7’の形状として認識される。前記曲画線の
集合模様P7を生成する三角関数の係数と、前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P7を生成する三角関数の
係数は周波数以外すべて同一であるため、包絡線M13、M
14と包絡線M15、M16は同一の形状となる。よって観察者
には前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P7’が
前記曲画線の集合模様P7の単なる繰り返しのように認識
される。
【0035】次に本発明の複写防止模様が地紋、彩紋模
様をなしている場合の詳しい説明として、数式(1)
【数1】により生成される曲画線で構成される場合につ
いて説明する。
【0036】前記数式(1)において、f ( θ )とg (
θ )はθを変数に持つ任意の関数を表わす。図8のよう
に、数式(20)で表わされるn個の三角関数
【数20】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P8に対して、前記曲画線の集合模様P8を生成する三角
関数の係数のうち周波数のみがδ8増加したn個の三角関
数、数式(21)
【数21】 により生成される曲画線の集合模様 P8’を配置して
も、観察者には前記曲画線の集合模様P8から形成される
包絡線M17とM18の形状が、前記曲画線の集合P8の形状と
して認識され、前記周波数のみが増加した曲画線の集合
模様P8’から形成される包絡線M19とM20の形状が、前記
周波数のみが増加した曲画線の集合模様P8’の形状とし
て認識される。前記曲画線の集合模様P8を生成する三角
関数の係数と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合
模様P8’を生成する三角関数の係数は周波数以外すべて
同一であるため、包絡線M17、M18と包絡線M19、M20は同
一の形状となる。よって観察者には前記周波数のみが増
加した曲画線の集合模様P8’が前記曲画線の集合模様P8
の繰り返しのように認識される。任意の関数f(θ)とg
(θ)が複雑になるほど曲画線集合模様のデザイン、つま
り包絡線M17、M18、M19、M20の形状が複雑になり、観察
者には前記曲画線の集合模様の形状として包絡線M17、M
18、M19、M20の形状が強い印象を与えるため、前記曲画
線の集合模様P8と前記周波数のみが増加した曲画線の集
合模様P8’の周波数の違いを判別し難くさせることがで
きる。また、地紋、彩紋模様も前述の三角関数によって
生成されるため本発明の複写防止画線を地紋、彩紋模様
として使用することも可能である。
【0037】またさらに、前記曲画線の集合模様と、前
記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が他の曲画線
の集合模様と上下に隣接する場合に、前記曲画線の集合
模様と隣接する曲画線の集合模様との間に生ずる非画線
部分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様と
前記隣接する他の曲画線の集合模様との間に生ずる非画
線部分とを同一にするため、前記曲画線の集合模様を生
成する三角関数の振幅よりも、前記周波数が変化した曲
画線の集合模様を生成する三角関数の振幅を、前記曲画
線の集合模様と前記周波数が変化した曲画線の集合模様
との画線幅の差の分だけ変化させることにより、本発明
の複写防止模様を他の地紋、彩紋模様をはじめとする曲
画線の集合模様中に施した際に不自然な非画線部分が生
じるの防ぐことができる。
【0038】まず、図9(a)において、前記曲画線の
集合模様と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模
様が他の曲画線の集合模様と上下に隣接する場合に、前
記曲画線の集合模様と隣接する曲画線の集合模様との間
に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化した曲画
線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模様との
間に生ずる非画線部分に、前記画線幅の差の分だけ振幅
を変化させる処理を施さない場合に生じる問題について
説明する。図9(a)に示すように、前述の条件を満た
すような数式(22)で表わされるn個の三角関数
【数22】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P9と、前記曲画線の集合模様P9を生成する三角関数の
係数のうち周波数のみがδ9増加したn個の三角関数、数
式(23)
【数23】 により生成されるn本の曲画線の集合模様 P9’とを連結
して配置し、更に他の曲画線の集合模様Q9と上下に並べ
て配列した場合に、図9(b)の拡大図に示すように前
記曲画線の集合模様P9と、前記周波数のみが増加した曲
画線の集合模様P9’の画線幅が異なるため、前記曲画線
の集合模様P9が形成する上側の包絡線と前記曲画線の集
合模様Q9が形成する下側の包絡線とで囲まれる空白部分
と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P9’が
形成する上側の包絡線と前記曲画線の集合模様Q9が形成
する下側の包絡線とで囲まれる空白部分とに差が生じて
しまう。前記曲画線の集合模様P9の画線幅がW9で、一定
区間X9における前記P9の総画線面積と、前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P9’の一定区間X9における
総画線面積が等しくなるように設定された前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P9’の画線幅をW9’とす
ると、前記曲画線の集合模様P9の上側の包絡線M21と、
曲画線の集合模様Q9の下側の包絡線M23に囲まれる空白
部分K9に対して、前記周波数のみが増加した曲画線の集
合模様 P9’の上側の包絡線M22と、前記曲画線の集合模
様Q9の下側の包絡線M23に囲まれる空白部分K9’はK9’
=K9+{(W9−W9’)}/2という関係になる。つまり肉
眼で印象づけられる前記曲画線の集合模様P9の上側の包
絡線と、前記曲画線の集合模様Q9の下側の包絡線とに囲
まれる空白部分K9よりも、前記周波数のみが増加した曲
画線の集合模様 P9’の上側の包絡線と、前記曲画線の
集合模様Q9の下側の包絡線とに囲まれる空白部分K9’の
方が大きくなり、肉眼でも前記曲画線の集合模様P9と前
記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P9’との違い
がはっきりと認識されてしまう。
【0039】そこで、本発明の複写防止画線を複数の地
紋、彩紋模様の画線構成に取り入れ、前記曲画線の集合
模様と前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様と
を、連結して配置し、他の曲画線の集合模様と上下に並
列して配置した場合に生ずる曲画線の集合模様が形成す
る包絡線で囲まれた空白部分の処理が必要となる。
【0040】前記曲画線画を形成する包絡線で囲まれた
空白部分の処理、即ち、包絡線で囲まれた空白部分を同
一にするため、前記周波数のみが増加した曲画線の集合
模様を生成する三角関数の係数のうち振幅を、前記曲画
線の集合模様を生成する三角関数の振幅よりも、前記曲
画線の集合模様の画線幅と前記周波数のみが増加した曲
画線の集合模様の画線幅との差の分(w9-w9’)/2だけ
大きくするような、数式(24)
【数24】 により、本発明の複写防止模様を他の地紋、彩紋模様を
はじめとする曲画線の集合模様に施した際に、曲画線の
集合模様から形成される包絡線で囲まれた部分に不自然
な空白が生じるのを防ぐことができる。
【0041】次に、図10に示すように、前記曲画線の
集合模様と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模
様が、他の曲画線の集合模様と上下に隣接する場合に、
前記曲画線の集合模様と隣接する曲画線の集合模様との
間に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化した曲
画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模様と
の間に生ずる非画線部分に不自然な空白が生じないよう
に、前記周波数が増加した曲画線の集合模様を生成する
三角関数の係数のうちの振幅を前記画線幅の差の分だけ
変化させる処理について説明する。曲画線の集合模様P1
0の画線幅をW10とし、前記曲画線の集合模様P10に対し
て、前記曲画線の集合模様P10を生成する三角関数の周
波数が増加した三角関数によって生成される曲画線の集
合模様をP10’とし、一定区間X10における前記曲画線の
集合模様P10の総画線面積と、前記周波数のみが増加し
た曲画線の集合模様P10’の総画線面積が等しくなるよ
うに、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P1
0’の画線幅を設定する。しかし、このままでは曲画線
の集合模様P10から形成される上側の包絡線と、曲画線
の集合模様Q10から形成される下側の包絡線とで囲まれ
た空白部分よりも、前記周波数のみが増加した曲画線の
集合模様P10’から形成される上側の包絡線と前記曲画
線の集合模様Q10から形成される下側の包絡線とで囲ま
れた空白部分の方が、前述のように(W10−W10’)/2
だけ広がってしまうので、前記周波数が増加した曲画線
の集合模様P10’の振幅を、前記曲画線の集合模様P10の
振幅よりも(W10−W10’)/2だけ大きくする。その結
果、図(10)(b)の拡大図に示すように、曲画線の
集合模様Q10の下側の包絡線M26と前記周波数が増加した
曲画線の集合模様P10’の上側の包絡線M25とで囲まれた
空白部分は、前記曲画線の集合模様Q10の下側の包絡線M
26と、前記曲画線の集合模様P10の上側の包絡線M24との
空白部分に等しくなり、前記曲画線の集合模様P10と前
記周波数が増加した曲画線の集合模様P10’との違いが
肉眼で識別しづらくなるという効果を得る。
【0042】更に図11のように、本発明の複写防止模
様を地紋、彩紋模様としてより複雑に組み合わせること
によって、印刷物上において周波数の異なる彩紋模様が
混在していることを肉眼では判別しづらくできる。彩紋
模様R1、R2、R3、R4を図11(a)のように配置した集
合彩紋模様をΣとする。前記彩紋模様R1、R2、R3、R4に
対してそれぞれ前述の方法で生成した周波数が増加し、
画線幅の差の分だけ振幅が増加した彩紋模様R1’、R
2’、R3’、R4’を図(11)(b)のように前記集合彩
紋模様ΣにおけるR1、R2、R3、R4と同様に配置した集合
彩紋模様をΣ’とする。観察者には前記集合彩紋模様Σ
の形状としてR1、R2、R3、R4の包絡線の形状が、また、
前記集合彩紋模様Σ’の形状としてR1’、R2’、R3’、
R4’の包絡線の形状が認識され、前記集合彩紋模様Σと
前記集合彩紋模様Σ’が異なる彩紋模様であるにもかか
わらず、同一の彩紋模様の単なる繰り返しのように識別
される。
【0043】図12は、本発明の複写防止模様で構成さ
れる彩紋模様を有する図11の集合彩紋模様ΣとΣ’を
上下左右交互に配置した印刷物であり、 図13は、前
記図12の印刷物を市販のカラー複写機(キャノン製、
Pixel Duo CLC700)によって複製した複製物を示した
ものである。図13において周波数が増加した彩紋模様
R1’、R2’、R3’、R4’の集合彩紋模様Σ’は複写機で
再生不能となり、印刷物上では前記集合彩紋模様Σと
Σ’が均一な濃度の彩紋模様であるにもかかわらず、複
製物上では集合彩紋模様ΣとΣ’との間に濃度差が生じ
複製物であることが一目瞭然となる。
【0044】以上、実施の形態において、周波数を増加
した場合について説明したが、周波数が減少した場合も
同様に説明される。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明では曲画線
を生成する三角関数の係数のうち周波数のみが異なる2
種類の曲画線の集合模様を印刷物上に配置し、一定範囲
の濃度が均一に保たれるように画線幅を設定しているた
め肉眼では異なった彩紋模様であることが認識できず、
且つ、複写機により複写した場合は、周波数が増加した
分画線幅が細くなっている曲画線が再生不能となり、濃
度差が生じ複写物であることが一目瞭然となるので、複
写機による偽造、変造防止に有効である。更に、本発明
では彩紋模様の中に複写防止画線を取り入れるのではな
く、彩紋模様を構成する曲画線の周波数に前述のような
操作を施すことが可能であることから、彩紋模様の存在
そのものが複写防止効果を有し、デザイン上の制約がな
く装飾効果を有する美術的な印刷物に仕上げることを可
能としている。また、彩紋模様を構成する曲画線の集合
模様の包絡線の形状が、観察者には彩紋模様の形状とし
て認識されるため、周波数の違いが肉眼では認識でき
ず、あえてカムフラージュ模様を重ね刷りする必用がな
く、前記彩紋模様を単色の地紋模様として用いることも
できる。これにより、本発明は複写機による偽造、変造
を防止しなければならい銀行券、株券、債券等の有価証
券や各種証明書及び重要書類等の複写機による偽造、変
造を防止する技術として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複写防止模様として数式(6)、数
式(7)により生成される一本の曲画線の周波数F1を操
作した際の説明図
【図2】 数式(8)、数式(9)により生成される二
本以上の曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模
様の説明図
【図3】 周波数が増加した曲画線と元の曲画線とを連
結して配置した図
【図4】 周波数が増加し、周波数を浮動小数点を含む
値で設定した曲画線の集合模様を元の曲画線の集合模様
と連結して配置した図
【図5】 二本以上の曲画線の集合模様からなる本発明
の複写防止模様として、周波数が増加した曲画線の集合
模様と元の曲画線の集合模様とを連結して配置した図
【図6】 数式(15)、数式(16)により生成され
る曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模様の説
明図
【図7】 数式(18)、数式(19)により生成され
る曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模様の説
明図
【図8】 数式(20)、数式(21)から生成される
二本以上の曲画線で構成された集合模様を、周波数が増
加した集合模様と元の曲画線の集合模様とを連結して配
置した図
【図9】 本発明の複写防止模様が他の曲画線の集合模
様と上下に配列され、画線幅の違いを考慮していない場
合の、周波数が増加した曲画線の集合模様と元の曲画線
の集合模様と隣接している他の曲画線の集合模様との境
界部分の拡大図
【図10】本発明の複写防止模様が他の曲画線の集合模
様と上下に配列され、画線幅の違いを考慮されている場
合の、周波数が増加した曲画線の集合模様と元の画線の
集合模様と隣接している曲画線の模様との境界部分の拡
大図
【図11】複数の彩紋模様で構成される本発明の複写防
止模様
【図12】図11に示す複写防止模様を、周波数が増加
した彩紋模様と元の彩紋模様とを交互に配置した印刷物
【図13】図12に示す複写防止模様の印刷物の複写物
【符号の説明】
P1 数式(6)により生成される曲画線 P1’ 数式(7)により生成される曲画線 P2 数式(8)により生成される二本以上の曲画線の
集合模様 P2’ 数式(9)により生成される二本以上の曲画線の
集合模様 P3 数式(10)により生成される二本以上の曲画線
の集合模様 P3’ 数式(11)により生成される二本以上の曲画線
の集合模様 P4 三角関数により生成される曲画線 P4’ 曲画線P4を生成する三角関数の係数のうち周波数
のみを増加しそれ以外の係数は前記曲画線P4と同一であ
るような三角関数により生成される曲画線 P5 数式(12)により生成される曲画線の集合模様 P5’ 数式(13) により生成される曲画線の集合模
様 P6 数式(15)により生成される曲画線の集合模様 P6’ 数式(16)により生成される曲画線の集合模様 P7 数式(18)により生成される曲画線の集合模様 P7’ 数式(19)により生成される曲画線の集合模様 P8 数式(20)により生成される曲画線の集合模様 P8’ 数式(21)により生成される曲画線の集合模様 Q9、Q10、R1、R2、R3、R4 彩紋模様 P9、P10 三角関数により生成される曲画線の集合模様 P9’ 曲画線の集合模様P9を生成する三角関数の係数の
うち周波数のみを増加しそれ以外の係数はP9と同一であ
る様な三角関数から生成される曲画線の集合模様 P10’ 曲画線の集合模様P10を生成する三角関数の係数
のうち周波数のみを増加しそれ以外の係数はP10と同一
である様な三角関数から生成される曲画線の集合模様 R1’ 彩紋模様R1を生成する三角関数の係数のうち周波
数のみを増加しそれ以外の係数はR1と同一であるような
三角関数から生成される彩紋模様 R2’ 彩紋模様R2を生成する三角関数の係数のうち周波
数のみを増加しそれ以外の係数はR2と同一であるような
三角関数から生成される彩紋模様 R3’ 彩紋模様R3を生成する三角関数の係数のうち周波
数のみを増加しそれ以外の係数はR3と同一であるような
三角関数から生成される彩紋模様 R4’ 彩紋模様R4を生成する三角関数の係数のうち周波
数のみを増加しそれ以外の係数はR4と同一であるような
三角関数から生成される彩紋模様 Σ 彩紋模様R1、R2、R3、R4で構成される集合彩紋模
様 Σ’ 彩紋模様R1’、R2’、R3’、R4’をそれぞれ集合
彩紋模様Σにおける彩紋模様R1、R2、R3、R4と同様の位
置に配置した集合彩紋模様 X1、X3、X4 曲画線の水平方向の長さ X2、X5、X6、X7、X8、X9、X10 曲画線の集合模様の水平方
向の長さ X11 集合彩紋模様Σの水平方向の長さ M1、M2、M3、M4 曲画線から形成される包絡線 M5、M6、M7、M8、M9、M10、M11、M12、M13、M14、M15、M16、M17、M1
8、M19、M20、 M21、M22、M23、M24、M25、M26 曲画線の集合
模様から形成される包絡線 H1 曲画線P1の振幅 H2 曲画線の集合模様P2の振幅 W1、W1’ 曲画線の画線幅 W2、W2’、W9、W9’、W10、W10’ 曲画線の集合模様の画線
幅 K9 曲画線の集合模様P9の上側の包絡線と曲画線の
集合模様Q9の下側の包絡線とで囲まれた空白部分の幅 K9’ 曲画線の集合模様P9’の上側の包絡線と曲画線
の集合模様Q9の下側の包絡線とで囲まれた空白部分の幅 K10 曲画線の集合模様P10の上側の包絡線と曲画線の
集合模様Q10の下側の包絡線とで囲まれた空白部分の幅 C1 曲画線P4の始点 C2 曲画線P4と曲画線P4’の境界点 C3 曲画線P4’と曲画線P4の境界点 C4 曲画線P4の終点 D1 曲画線の集合模様P5の始点 D2 曲画線の集合模様P5と曲画線の集合模様P5’の
境界点 D3 曲画線の集合模様P5の終点
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 複写防止模様の作成方法及びその印刷
【特許請求の範囲】
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅
を設定することを特徴とする複写防止模様の作成方法。
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅
を設定し、印刷することを特徴とする複写防止模様を有
する印刷物。
【数3】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数4】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅
を設定することを特徴とする複写防止模様の作成方法。
【数3】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数4】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅
を設定し、印刷することを特徴とする複写防止模様を有
する印刷物。
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、前記曲画線と、
前記周波数のみが変化した曲画線とを連結して配置する
ことを特徴とする前記請求項1記載の複写防止模様の作
成方法。
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一
であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、前記曲画線と、
前記周波数のみが変化した曲画線とを連結して配置し、
印刷することを特徴とする前記請求項2記載の複写防止
模様を有する印刷物。
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線の集合
模様と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周
波数のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成
要素と同一であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線の集合模様とを形成し、更
に、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様を生成
する三角関数の係数のうち振幅を変化させることによっ
て、前記曲画線の集合模様が形成する包絡線と隣接する
他の曲画線の集合が形成する包絡線とで囲まれる空白部
分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が形
成する包絡線と隣接する他の曲画線の集合が形成する包
絡線とで囲まれる空白部分を等しくすることを特徴とす
る前記請求項1、3、5、または請求項7記載の複写防
止模様の作成方法。
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線の集合
模様と、前記曲画線の集合模様を生成する三角関数の係
数のうち周波数のみを変化させ、その他の係数は前記曲
画線の構成要素と同一であるような三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線の集合模様とを形成し、更
に、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様を生成
する三角関数の係数のうち振幅を変化させることによっ
て、前記曲画線の集合模様が形成する包絡線と隣接する
他の曲画線の集合が構成する包絡線とで囲まれる空白部
分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が形
成する包絡線と隣接する他の曲画線の集合が構成する包
絡線とで囲まれる空白部分を等しくし、印刷することを
特徴とする前記請求項2、4、6または請求項8記載の
複写防止模様を有する印刷物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行券、株券、債
券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の偽造変造
防止を必要とする印刷物において、複写機により複写し
た場合に、偽造変造を困難にする画線構成を用いた、複
写防止模様の作成方法及びその印刷物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券、債券等の有価証券、各種
証明書及び重要書類等の印刷物において偽造、変造防止
策は重要な要素である。これら印刷物の偽造、変造防止
策は主に幾何学模様を多用化した図柄をデザインに用い
る方法と、印刷物に対し何等かの手段と作用を加えると
目視では認識できなかった潜像を現出するような方法が
ある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに
広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模様等が
あり、後者の代表的な例は潜像凹版、複写機で色が正常
に再現されないような機能性インキ、コピー防止画線等
がある。しかし最近のカラー複写機の著しい普及に伴
い、偽造、変造による犯罪が増加する危険性を有してお
り、より一層効果の高い偽造、変造防止策として技術の
開発が望まれていた。
【0003】前記の幾何学模様を用いる偽造、変造防止
策としては、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、
基本的に一定の画線幅による曲画線の集合によって模様
を構成しているものである。これらの模様は印刷物のデ
ザイン等の意匠性を加味し、偽造、変造防止策を施すこ
とができ、模様を複雑にすることによって偽造物におけ
る同一の模様を作製しようとするのを困難とし、写真製
版装置による抽出または複写機では再現されにくい色彩
を用いたり、複雑な曲画線にして複写機及びスキャナー
の走査入出力に対するモアレを発生させたりすることで
偽造防止策としての役割を高めている。また、前記模様
類は証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く 用
いられていると同時に、銀行券、株券、債券等の金銭的
価値を有する印刷物の模様として古くから用いられてい
たことにより、現在でも一般的に高級感を印象づけるデ
ザインとして重要な模様となっている。従って、銀行
券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類
等の印刷物において、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等
はデザイン上欠かすことのできない模様である。しか
し、最近では高機能化した写真製版装置または複写機の
出現によって充分な偽造、変造防止効果をもたらしてい
ないという欠点がある。
【0004】また前記の印刷物に対し何等かの手段と作
用を加えると、目視では認識できなかった潜像を現出す
るような方法の代表的な技術として、一般的にコピー防
止画線と称する一連の技術がある。即ち複写機によって
複写することにより、印刷物中に施してあった潜像が現
出するものであり、例えば、特開昭57−20395号
公報、特開昭60−79991号公報、特開昭60−8
7380号公報等が開示されている。
【0005】しかしながら、前記公報等による印刷物は
いずれも網点もしくは万線等の点及び線が一定周期で連
続配置する画線群(以下、スクリーンパターンと称す
る)の粗密によって潜像が施され、印刷面全体の模様が
均一濃度を持ったスクリーンパターンとなっている。前
記潜像が施された印刷物を複写機によって複写した際、
再生されない密構成のスクリーンパターンと、再生され
る粗構成のスクリーンパターンとは濃度差が生じて、再
生される粗構成のスクリーンパターンに対し再生されな
い密構成のスクリーンパターンの潜像部分を現出するよ
うにして、複写物であることが一目瞭然となるようにし
たものであるが、印刷面全体が均一濃度を持ったスクリ
ーンパターンという特徴から、肉眼視においても同一印
刷面上の異なるスクリーンパターンによって、スクリー
ン形状の違いによる異別感及びスクリーンパターンゆえ
に生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の存在を
識別できてしまう欠点がある。
【0006】前記欠点を解決する方法として、前記公報
等はいずれも潜像をカムフラージュするために別の模様
や薄色の透明インキ、淡色の重ね刷りを施しているが、
前記方法は潜像を識別しにくくする点では有効である
が、工程数が増え経済的でないという欠点と、更に、あ
くまでも文書等の背景をなす地紋模様にしか活用でき
ず、潜像を施した単色印刷画線模様そのものを彩紋模様
のごとく自由なデザイン化した模様にしたり、装飾効果
を持った美術的な印刷物にすることは不可能である。ま
た、前記した従来技術の方法はいずれも網点もしくは万
線等の点及び線の粗密からなるスクリーンパターンでな
ければならないため、地紋、彩紋模様を多様している銀
行券、株券、債券などの有価証券等の既存製品に用いる
には適さないという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
偽造変造防止を必要とする印刷物において、従来技術は
何れもスクリーンパターンにより潜造を施しているた
め、視認は容易であり、単色印刷物では、印刷物に別途
上書きされる文字等の情報がカムフラージュの役割を果
たさなければならなく、複写機を用いた複写による偽造
変造を確実に防止することが困難であるという問題があ
った。
【0008】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに成されたもので、複写機を用いた複写による偽造変
像の防止を必要とする印刷物に対して、確実に防止する
ことができる画線構成とした、複写防止模様の作成方法
及びその印刷物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の複写防止模様の
作成方法及びその印刷物において、任意の一定区間の距
離をD、振幅をH及び周波数をFとする三角関数
【数1】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線と同一であるよう
な三角関数
【数2】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と前記周波数のみが変化した曲画線の画
線幅を設定することにより、偽造変造を防止する画線構
成としている。
【0010】更に、前記設定した画線構成を印刷するこ
とにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有する印
刷物としている。
【0011】また、本発明の複写防止模様の作成方法及
びその印刷物において、任意の一定区間の距離をD、振
幅をH及び周波数をFとする三角関数
【数3】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数)により生成される周期性を有する曲画線と、前
記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを
変化させ、その他の係数は前記曲画線と同一であるよう
な三角関数
【数4】 (但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意
の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生成さ
れる周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間
における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみ
が変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよう
に、前記曲画線と前記周波数のみが変化した曲画線の画
線幅を設定することにより、偽造変造を防止する画線構
成としている。
【0012】更に、前記設定した画線構成を印刷するこ
とにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有する印
刷物としている。
【0013】また、前記画線構成とした複写防止模様を
連結して配置することにより、偽造変造を防止する手段
としている。
【0014】更にまた、前記連結して配置した画線構成
を印刷することにより、偽造変造を防止する複写防止模
様を有する印刷物としている。
【0015】前記曲画線の集合模様を地紋、彩紋模様と
することにより、偽造変造を防止する複写防止模様を有
する印刷物としている。
【0016】前記画線構成とした複写防止模様を、他の
曲画線の集合模様と上下に隣接して配置する場合に、前
記曲画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模
様との間に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化
した曲画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合
模様との間に生ずる非画線部分とを同一にするため、前
記曲画線の集合模様を生成する三角関数の振幅よりも、
前記周波数が変化した曲画線の集合模様を生成する三角
関数の振幅を、前記曲画線の集合模様と前記周波数が変
化した曲画線の集合模様との画線幅の差の分だけ変化さ
せることにより、偽造変造を防止する手段としている。
【0017】更にまた、前記振幅も変化させた画線構成
を印刷することにより、偽造変造を防止する複写防止模
様を有する印刷物としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の画線構成は三角関数によ
り生成される周期性を有する曲画線と、前記曲画線を生
成する三角関数の係数のうちの周波数のみを変化させ、
その他の係数は前記曲画線と同一であるような三角関数
により生成される周期性を有する曲画線とを形成し、任
意の一定区間における前記曲画線の画線占有面積率と前
記周波数のみが変化した曲画線の画線占有面積率とが等
しくなるように画線幅をそれぞれ設定しているので、本
発明の複写防止模様を印刷時の変化、即ち膨張値等を加
味した画線で印刷した印刷物とし、該印刷物の全体を観
察した場合、観察者には周波数の異なった曲画線が混在
していることや、周波数のみが変化した曲画線の画線幅
が、前記曲画線の画線幅と異なるにもかかわらず、あた
かも前記曲画線の単なる繰り返しであるかのように認識
されることにより、肉眼では周波数のみが異なる曲画線
の混在を識別できなくすることを可能にしている。従っ
て、本発明の複写防止模様を有した印刷物を複写機によ
り複写すると、複写機の解像度から前記曲画線と前記周
波数が変化した曲画線のうち画線幅が太い方の曲画線は
再生され、画線幅が細い方の曲画線は再生されないかも
しくは再生不良となり、前記曲画線と前記周波数のみが
変化した曲画線との間に濃度差が生じ、明らかに複写物
であることが確認される。
【0019】具体的に本発明の複写防止模様の画線構成
について説明する。任意の一定区間の距離をDとし、振
幅をHとし、周波数をFとする数式(1)
【数1】 により生成される曲画線と、前記曲画線を生成する数式
(1)の係数のうち周波数のみをδだけ変化させ、その
他の係数は前記曲画線の構成要素と同一であるような三
角関数、数式(2)
【数2】 により生成される周期性を有する曲画線とで構成され
る。但し、f(θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任
意の関数とする。
【0020】本発明において、周波数の変化とは、周波
数の増加と減少を意味するが、本実施の形態において
は、周波数が増加する場合について詳述する。減少する
場合についても同様に説明される。
【0021】前記数式(1)において、f(θ)=0、
g(θ)=0 とした時、数式(5)
【数5】 により生成される曲画線で構成される本発明の複写防止
模様について説明する。
【0022】図1(a)は一定区間X1における本発明
の複写防止模様の画線構成を示すものであり、数式
(6)
【数6】 により生成される曲画線P1であり、図1(b)は、前
記曲画線P1を生成する三角関数の係数である振幅H
1、周波数F1、水平方向の距離X1のうち周波数のみ
がδ1だけ増加した、数式(7)
【数7】 により生成される曲画線P1’である。前記曲画線P1
の画線幅をW1、曲画線全体の長さをLとし、前記周波
数のみが増加した曲画線P1’の画線幅をW1’、曲画
線全体の長さをL’とする。更に、前記曲画線P1とP
1’を印刷した際に画線部の周囲に生じる膨張(または
収縮)値をαとすると、印刷物上において前記曲画線P
1の画線幅はW1+α、前記周波数のみが増加した曲画
線P1’の画線幅はW1’+αとなる。前記画線構成に
より得られた複写防止模様を印刷する場合、前述のよう
な本発明の作用及び効果を生じさせるためには、一定区
間X1における前記曲画線P1の画線面積L×(W1+
α)と前記周波数のみが増加した曲画線P1’の画線面
積L’×(W1’+α)が等しくなければならない。即
ち、本発明の効果を奏する線画構成とするには、線画設
計の段階において前記曲画線P1の画線幅W1に対し
て、前記周波数のみが増加した曲画線P1’の画線幅W
1’がW1’={L×(W1+α)}/(L1’+α)
の関係を満足しなければならない。つまり、一定区間X
1における前記曲画線P1の濃度と、前記周波数のみが
増加した曲画線P1’の濃度とが均一になるようにP
1’の画線幅が設定されなければならない。
【0023】更に、本発明の複写防止模様の画線構成は
曲画線の周波数のみが異なり、一定区間内における画線
面積率が等しくなるような2本の曲画線で構成されてい
るので、肉眼で印象づけられる前記曲画線P1を形成す
る画線周期の上下の頂点を結んだ線として捉えられる仮
の線(以下、包絡線という)M1、M2の形状が、前記
周波数のみが増加した曲画線P1’の包絡線M3、M4
と同一の形状となり、前記曲画線P1と前記周波数のみ
が増加した曲画線P1’の違いが判別し難いことを特徴
としている。また、前記周波数のみが増加した曲画線P
1’の画線幅は、印刷物上で前記曲画線P1との違いが
肉眼で認識されず、且つ複写機では解像されにくい20
μ〜30μで設定すると良い。
【0024】更に、前記操作を三角関数で生成される2
本以上の曲画線の集合模様に施すことによって、周波数
のみが異なる曲画線の混在を肉眼で識別することをより
困難にすることができる。
【0025】本発明の複写防止模様の画線構成として2
本以上の曲画線の集合模様を用いた場合について詳しく
説明する。図2(a)に示した三角関数により生成され
る曲画線の集合模様P2は、位相を(360/画線の本
数)度ずつずらした2本以上の曲画線で構成される。つ
まり、前記曲画線の集合模様P2がn本の曲画線で構成
されているとすると、前記曲画線の集合模様P2は、数
式(8)で表わされるn個の三角関数、
【数8】 により生成される。図2(b)は、前記曲画線の集合模
様P2に対して同じ本数の曲画線で構成され、前記曲画
線の集合模様P2を生成する三角関数の係数のうち周波
数F2のみをδ2増加させ、他の係数はP2と同一にし
て生成された曲画線の集合模様がP2’である。つま
り、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P2’
はn個の三角関数、数式(9)
【数9】 により生成される。前記曲画線の集合模様P2の一定区
間X2における総画線面積をS2、前記周波数のみが増
加した曲画線の集合模様P2’の総画線面積をS2’と
すると、印刷物上においてS2=S2’を満たすよう
に、前記曲画線の集合模様P2と、前記周波数のみが増
加した曲画線の集合模様P2’の画線面積率が等しくな
るように、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様
P2’の画線幅を設定する。本発明の複写防止模様を構
成する曲画線として、前記一本の曲画線を使用する場合
に比べると、複数の曲画線の集合模様を使用する場合
は、前記曲画線の集合模様から形成される包絡線M5、
M6と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様か
ら形成される方絡線M7、M8で示されるように、すべ
ての曲画線に接する包絡線の形状が肉眼で明確に認識さ
れることにより、観察者には包絡線M5と包絡線M6の
形状が前記曲画線の集合模様P2の形状として印象づけ
られ、包絡線M7と包絡線M8の形状が前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P2’の形状として印象づ
けられるため、前記曲画線の集合模様P2と前記周波数
のみが増加した曲画線の集合模様P2’との違いが肉眼
では認識し難くなる。
【0026】更にまた、前記曲画線の集合模様と、前記
周波数のみが変化した曲画線の集合模様とを連結して配
置することは、観察者には一つの連続した曲画線である
かのように認識させるという点で効果的であり、前記曲
画線の集合模様と、前記周波数のみが増加した曲画線の
集合模様の位相が、等間隔にずらした複数本の曲画線で
構成されている場合は、(1/曲画線の本数)倍の値で
周波数を設定することによって、前記曲画線の集合模様
と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様とを連
結して配置した際に、各々の集合模様が接する境界点
で、前記曲画線の集合模様と前記周波数のみが変化した
曲画線の集合模様とが連続した曲画線のようにつなが
り、肉眼で識別することをより困難にすることができ
る。
【0027】図3に示すように、本発明の複写防止画線
を構成する際に、三角関数により生成される曲画線P3
と、前記曲画線P3に対して周波数のみが増加した曲画
線P3’との違いを認識し難くさせるために、前記周波
数のみが増加した曲画線P3’をあたかも前記曲画線P
3の繰り返しであるかのように連結して配置する場合に
ついて詳しく説明する。数式(10)
【数10】 により生成される曲画線P3と、前記曲画線P3を生成
する三角関数の係数のうち周波数のみがδ3増加した三
角関数、数式(11)
【数11】 により生成される曲画線P3’の周波数F3及びF3+
δ3をそれぞれ整数値で設定すると、前記曲画線P3と
前記周波数のみが増加した曲画線P3’の境界部分が一
本の連続した画線のようにつながるため、前記曲画線P
3と前記周波数のみが増加した曲画線P3’の違いが肉
眼では判別し難くなる。
【0028】また、図4に示すように、三角関数により
生成される曲画線P4に対して、前記曲画線P4を生成
する三角関数の係数のうち周波数のみを増加させた三角
関数により生成された曲画線P4’の周波数を浮動小数
点を含む数値で設定し、前記曲画線P4と前記周波数の
みが増加した曲画線P4’を連結して配置すると、前記
曲画線P4と前記周波数のみが増加した曲画線P4’の
境界部分が、破線C3上に示されるようにスムーズにつ
ながらず違和感が生じ、肉眼でも前記曲画線P4と前記
周波数のみが増加した曲画線P4’の違いをはっきりと
認識されてしまう。
【0029】次に、図5に示すように、位相を(360
/画線の本数)度ずつずらして構成した2本以上の曲画
線の集合模様P5に対して、同じ本数の曲画線で構成さ
れ、前記曲画線P5を生成する三角関数の係数のうち周
波数のみを増加させた三角関数により生成された曲画線
の集合模様P5’を、あたかも前記曲画線の集合模様P
5の繰り返しであるかのように連結して配置する場合の
周波数の設定値について説明する。数式(12)で表わ
されるn個の三角関数、
【数12】 により生成される位相を(360/n)度ずつずらした
n本の曲画線の集合模様P5と、前記集合模様P5と同
様にn本の曲画線で構成され、前記曲画線の集合模様P
5を生成する三角関数の係数のうち周波数のみをδ5増
加させ、他の係数は前記曲画線の集合模様P5と同一で
あるようなn個の三角関数、数式(13)
【数13】 により生成された曲画線の集合模様P5’を連結して配
置する場合は、前記曲画線の集合模様P5の周波数F5
と前記周波数のみを増加させた曲画線の集合模様P5’
の周波数F5+δ5をそれぞれ(1/n)の倍数値で設
定すると、前記曲画線の集合模様P5と前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P5’の境界部分D2にお
いて、n本の曲画線がそれぞれ連続した曲画線のように
つながり、前記曲画線の集合模様P5と前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P5’の違いが肉眼では認
識しづらくなる。また、前記周波数が増加した曲画線の
集合模様P5’の画線幅は一定区間X5における前記曲
画線の集合P5の画線面積と前記周波数のみが増加した
曲画線の集合模様P5’の画線面積が等しくなるように
設定される。
【0030】また、三角関数で生成される2本以上の曲
画線の集合模様が地紋、彩紋模様をなしている場合も、
前記地紋、彩紋模様を構成する曲画線を生成する三角関
数の係数のうち、周波数のみを変化させた三角関数によ
り2本以上の曲画線の地紋、彩紋模様を生成することに
よって、前記効果が得られる。
【0031】更に本発明の複写防止模様が、地紋、彩紋
模様をなしている場合の詳しい説明として、数式(1
4)
【数14】 により生成される曲画線で構成される複写防止模様につ
いて説明する。
【0032】前記数式(14)において、f(θ)はθ
を変数に持つ任意の関数を表わす。図6のように、数式
(15)で表わされるn個の三角関数
【数15】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P6に対して、前記曲画線の集合模様P6を生成する
三角関数の係数のうち周波数のみがδ6増加したn個の
三角関数、数式(16)
【数16】 により生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集
合模様P6’を配置しても、観察者には前記曲画線の集
合模様P6から形成される包絡線M9とM10の形状が
前記曲画線の集合模様P6の形状として認識され、前記
周波数のみが増加した曲画線の集合模様P6’から形成
される包絡線M11とM12の形状が前記周波数のみが
増加した曲画線の集合模様P6’の形状として認識され
る。前記曲画線の集合模様P6を生成する三角関数の係
数と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P6
を生成する三角関数の係数は周波数以外すべて同一であ
るため、包絡線M9、M10と包絡線M11、M12は
同一の形状となる。よって観察者には前記周波数のみが
増加した曲画線の集合模様P6’が前記曲画線の集合模
様P6の単なる繰り返しのように認識される。
【0033】次に本発明の複写防止模様が地紋、彩紋模
様をなしている場合の詳しい説明として、数式(17)
【数17】 により生成される曲画線で構成される場合について説明
する。
【0034】前記数式(17)において、g(θ)はθ
を変数に持つ任意の関数を表わす。図7のように、数式
(18)で表わされるn個の三角関数
【数18】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P7に対して、前記曲画線の集合模様P7を生成する
三角関数の係数のうち周波数のみがδ7増加したn個の
三角関数、数式(19)
【数19】 により生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集
合模様P7’を配置しても、観察者には前記曲画線の集
合模様P7から形成される包絡線M13とM14の形状
が前記曲画線の集合模様P7の形状として認識され、前
記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P7’から形
成される包絡線M15とM16の形状が、前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P7’の形状として認識
される。前記曲画線の集合模様P7を生成する三角関数
の係数と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様
P7を生成する三角関数の係数は周波数以外すべて同一
であるため、包絡線M13、M14と包絡線M15、M
16は同一の形状となる。よって観察者には前記周波数
のみが増加した曲画線の集合模様P7’が前記曲画線の
集合模様P7の単なる繰り返しのように認識される。
【0035】次に本発明の複写防止模様が地紋、彩紋模
様をなしている場合の詳しい説明として、数式(1)
【数1】 により生成される曲画線で構成される場合について説明
する。
【0036】前記数式(1)において、f(θ)とg
(θ)はθを変数に持つ任意の関数を表わす。図8のよ
うに、数式(20)で表わされるn個の三角関数
【数20】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P8に対して、前記曲画線の集合模様P8を生成する
三角関数の係数のうち周波数のみがδ8増加したn個の
三角関数、数式(21)
【数21】 により生成される曲画線の集合模様P8’を配置して
も、観察者には前記曲画線の集合模様P8から形成され
る包絡線M17とM18の形状が、前記曲画線の集合P
8の形状として認識され、前記周波数のみが増加した曲
画線の集合模様P8’から形成される包絡線M19とM
20の形状が、前記周波数のみが増加した曲画線の集合
模様P8’の形状として認識される。前記曲画線の集合
模様P8を生成する三角関数の係数と、前記周波数のみ
が増加した曲画線の集合模様P8’を生成する三角関数
の係数は周波数以外すべて同一であるため、包絡線M1
7、M18と包絡線M19、M20は同一の形状とな
る。よって観察者には前記周波数のみが増加した曲画線
の集合模様P8’が前記曲画線の集合模様P8の繰り返
しのように認識される。任意の関数f(θ)とg(θ)
が複雑になるほど曲画線集合模様のデザイン、つまり包
絡線M17、M18、M19、M20の形状が複雑にな
り、観察者には前記曲画線の集合模様の形状として包絡
線M17、M18、M19、M20の形状が強い印象を
与えるため、前記曲画線の集合模様P8と前記周波数の
みが増加した曲画線の集合模様P8’の周波数の違いを
判別し難くさせることができる。また、地紋、彩紋模様
も前述の三角関数によって生成されるため本発明の複写
防止画線を地紋、彩紋模様として使用することも可能で
ある。
【0037】またさらに、前記曲画線の集合模様と、前
記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が他の曲画線
の集合模様と上下に隣接する場合に、前記曲画線の集合
模様と隣接する曲画線の集合模様との間に生ずる非画線
部分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様と
前記隣接する他の曲画線の集合模様との間に生ずる非画
線部分とを同一にするため、前記曲画線の集合模様を生
成する三角関数の振幅よりも、前記周波数が変化した曲
画線の集合模様を生成する三角関数の振幅を、前記曲画
線の集合模様と前記周波数が変化した曲画線の集合模様
との画線幅の差の分だけ変化させることにより、本発明
の複写防止模様を他の地紋、彩紋模様をはじめとする曲
画線の集合模様中に施した際に不自然な非画線部分が生
じるの防ぐことができる。
【0038】まず、図9(a)において、前記曲画線の
集合模様と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模
様が他の曲画線の集合模様と上下に隣接する場合に、前
記曲画線の集合模様と隣接する曲画線の集合模様との間
に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化した曲画
線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模様との
間に生ずる非画線部分に、前記画線幅の差の分だけ振幅
を変化させる処理を施さない場合に生じる問題について
説明する。図9(a)に示すように、前述の条件を満た
すような数式(22)で表わされるn個の三角関数
【数22】 で生成されるn本の曲画線で構成される曲画線の集合模
様P9と、前記曲画線の集合模様P9を生成する三角関
数の係数のうち周波数のみがδ9増加したn個の三角関
数、数式(23)
【数23】 により生成されるn本の曲画線の集合模様P9’とを連
結して配置し、更に他の曲画線の集合模様Q9と上下に
並べて配列した場合に、図9(b)の拡大図に示すよう
に前記曲画線の集合模様P9と、前記周波数のみが増加
した曲画線の集合模様P9’の画線幅が異なるため、前
記曲画線の集合模様P9が形成する上側の包絡線と前記
曲画線の集合模様Q9が形成する下側の包絡線とで囲ま
れる空白部分と、前記周波数のみが増加した曲画線の集
合模様P9’が形成する上側の包絡線と前記曲画線の集
合模様Q9が形成する下側の包絡線とで囲まれる空白部
分とに差が生じてしまう。前記曲画線の集合模様P9の
画線幅がW9で、一定区間X9における前記P9の総画
線面積と、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様
P9’の一定区間X9における総画線面積が等しくなる
ように設定された前記周波数のみが増加した曲画線の集
合模様P9’の画線幅をW9’とすると、前記曲画線の
集合模様P9の上側の包絡線M21と、曲画線の集合模
様Q9の下側の包絡線M23に囲まれる空白部分K9に
対して、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様P
9’の上側の包絡線M22と、前記曲画線の集合模様Q
9の下側の包絡線M23に囲まれる空白部分K9’はK
9’=K9+{(W9−W9’)}/2という関係にな
る。つまり肉眼で印象づけられる前記曲画線の集合模様
P9の上側の包絡線と、前記曲画線の集合模様Q9の下
側の包絡線とに囲まれる空白部分K9よりも、前記周波
数のみが増加した曲画線の集合模様P9’の上側の包絡
線と、前記曲画線の集合模様Q9の下側の包絡線とに囲
まれる空白部分K9’の方が大きくなり、肉眼でも前記
曲画線の集合模様P9と前記周波数のみが増加した曲画
線の集合模様P9’との違いがはっきりと認識されてし
まう。
【0039】そこで、本発明の複写防止画線を複数の地
紋、彩紋模様の画線構成に取り入れ、前記曲画線の集合
模様と前記周波数のみが増加した曲画線の集合模様と
を、連結して配置し、他の曲画線の集合模様と上下に並
列して配置した場合に生ずる曲画線の集合模様が形成す
る包絡線で囲まれた空白部分の処理が必要となる。
【0040】前記曲画線画を形成する包絡線で囲まれた
空白部分の処理、即ち包絡線で囲まれた空白部分を同一
にするため、前記周波数のみが増加した曲画線の集合模
様を生成する三角関数の係数のうち振幅を、前記曲画線
の集合模様を生成する三角関数の振幅よりも、前記曲画
線の集合模様の画線幅と前記周波数のみが増加した曲画
線の集合模様の画線幅との差の分(W9−W9’)/2
だけ大きくするような、数式(24)
【数24】 により、本発明の複写防止模様を他の地紋、彩紋模様を
はじめとする曲画線の集合模様に施した際に、曲画線の
集合模様から形成される包絡線で囲まれた部分に不自然
な空白が生じるのを防ぐことができる。
【0041】次に、図10に示すように、前記曲画線の
集合模様と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模
様が、他の曲画線の集合模様と上下に隣接する場合に、
前記曲画線の集合模様と隣接する曲画線の集合模様との
間に生ずる非画線部分と、前記周波数のみが変化した曲
画線の集合模様と前記隣接する他の曲画線の集合模様と
の間に生ずる非画線部分に不自然な空白が生じないよう
に、前記周波数が増加した曲画線の集合模様を生成する
三角関数の係数のうちの振幅を前記画線幅の差の分だけ
変化させる処理について説明する。曲画線の集合模様P
10の画線幅をW10とし、前記曲画線の集合模様P1
0に対して、前記曲画線の集合模様P10を生成する三
角関数の周波数が増加した三角関数によって生成される
曲画線の集合模様をP10’とし、一定区間X10にお
ける前記曲画線の集合模様P10の総画線面積と、前記
周波数のみが増加した曲画線の集合模様P10’の総画
線面積が等しくなるように、前記周波数のみが増加した
曲画線の集合模様P10’の画線幅を設定する。しか
し、このままでは曲画線の集合模様P10から形成され
る上側の包絡線と、曲画線の集合模様Q10から形成さ
れる下側の包絡線とで囲まれた空白部分よりも、前記周
波数のみが増加した曲画線の集合模様P10’から形成
される上側の包絡線と前記曲画線の集合模様Q10から
形成される下側の包絡線とで囲まれた空白部分の方が、
前述のように(W10−W10’)/2だけ広がってし
まうので、前記周波数が増加した曲画線の集合模様P1
0’の振幅を、前記曲画線の集合模様P10の振幅より
も(W10−W10’)/2だけ大きくする。その結
果、図(10)(b)の拡大図に示すように、曲画線の
集合模様Q10の下側の包絡線M26と前記周波数が増
加した曲画線の集合模様P10’の上側の包絡線M25
とで囲まれた空白部分は、前記曲画線の集合模様Q10
の下側の包絡線M26と、前記曲画線の集合模様P10
の上側の包絡線M24との空白部分に等しくなり、前記
曲画線の集合模様P10と前記周波数が増加した曲画線
の集合模様P10’との違いが肉眼で識別しづらくなる
という効果を得る。
【0042】更に図11のように、本発明の複写防止模
様を地紋、彩紋模様としてより複雑に組み合わせること
によって、印刷物上において周波数の異なる彩紋模様が
混在していることを肉眼では判別しづらくできる。彩紋
模様R1、R2、R3、R4を図11(a)のように配
置した集合彩紋模様をΣとする。前記彩紋模様R1、R
2、R3、R4に対してそれぞれ前述の方法で生成した
周波数が増加し、画線幅の差の分だけ振幅が増加した彩
紋模様R1’、R2’、R3’、R4’を図(11)
(b)のように前記集合彩紋模様ΣにおけるR1、R
2、R3、R4と同様に配置した集合彩紋模様をΣ’と
する。観察者には前記集合彩紋模様Σの形状としてR
1、R2、R3、R4の包絡線の形状が、また、前記集
合彩紋模様Σ’の形状としてR1’、R2’、R3’、
R4’の包絡線の形状が認識され、前記集合彩紋模様Σ
と前記集合彩紋模様Σ’が異なる彩紋模様であるにもか
かわらず、同一の彩紋模様の単なる繰り返しのように識
別される。
【0043】図12は、本発明の複写防止模様で構成さ
れる彩紋模様を有する図11の集合彩紋模様ΣとΣ’を
上下左右交互に配置した印刷物であり、 図13は、前
記図12の印刷物を市販のカラー複写機(キャノン製、
Pixel Duo 700)によって複製した複製物
を示したものである。図13において周波数が増加した
彩紋模様R1’、R2’、R3’、R4’の集合彩紋模
様Σ’は複写機で再生不能となり、印刷物上では前記集
合彩紋模様ΣとΣ’が均一な濃度の彩紋模様であるにも
かかわらず、複製物上では集合彩紋模様ΣとΣ’との間
に濃度差が生じ複製物であることが一目瞭然となる。
【0044】以上、実施の形態において、周波数を増加
した場合について説明したが、周波数が減少した場合も
同様に説明される。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明では曲画線
を生成する三角関数の係数のうち周波数のみが異なる2
種類の曲画線の集合模様を印刷物上に配置し、一定範囲
の濃度が均一に保たれるように画線幅を設定しているた
め肉眼では異なった彩紋模様であることが認識できず、
且つ、複写機により複写した場合は、周波数が増加した
分画線幅が細くなっている曲画線が再生不能となり、濃
度差が生じ複写物であることが一目瞭然となるので、複
写機による偽造、変造防止に有効である。更に、本発明
では彩紋模様の中に複写防止画線を取り入れるのではな
く、彩紋模様を構成する曲画線の周波数に前述のような
操作を施すことが可能であることから、彩紋模様の存在
そのものが複写防止効果を有し、デザイン上の制約がな
く装飾効果を有する美術的な印刷物に仕上げることを可
能としている。また、彩紋模様を構成する曲画線の集合
模様の包絡線の形状が、観察者には彩紋模様の形状とし
て認識されるため、周波数の違いが肉眼では認識でき
ず、あえてカムフラージュ模様を重ね刷りする必用がな
く、前記彩紋模様を単色の地紋模様として用いることも
できる。これにより、本発明は複写機による偽造、変造
を防止しなければならい銀行券、株券、債券等の有価証
券や各種証明書及び重要書類等の複写機による偽造、変
造を防止する技術として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複写防止模様として数式(6)、数
式(7)により生成される一本の曲画線の周波数F1を
操作した際の説明図
【図2】 数式(8)、数式(9)により生成される二
本以上の曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模
様の説明図
【図3】 周波数が増加した曲画線と元の曲画線とを連
結して配置した図
【図4】 周波数が増加し、周波数を浮動小数点を含む
値で設定した曲画線の集合模様を元の曲画線の集合模様
と連結して配置した図
【図5】 二本以上の曲画線の集合模様からなる本発明
の複写防止模様として、周波数が増加した曲画線の集合
模様と元の曲画線の集合模様とを連結して配置した図
【図6】 数式(15)、数式(16)により生成され
る曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模様の説
明図
【図7】 数式(18)、数式(19)により生成され
る曲画線の集合模様からなる本発明の複写防止模様の説
明図
【図8】 数式(20)、数式(21)から生成される
二本以上の曲画線で構成された集合模様を、周波数が増
加した集合模様と元の曲画線の集合模様とを連結して配
置した図
【図9】 本発明の複写防止模様が他の曲画線の集合模
様と上下に配列され、画線幅の違いを考慮していない場
合の、周波数が増加した曲画線の集合模様と元の曲画線
の集合模様と隣接している他の曲画線の集合模様との境
界部分の拡大図
【図10】本発明の複写防止模様が他の曲画線の集合模
様と上下に配列され、画線幅の違いを考慮されている場
合の、周波数が増加した曲画線の集合模様と元の画線の
集合模様と隣接している曲画線の模様との境界部分の拡
大図
【図11】複数の彩紋模様で構成される本発明の複写防
止模様
【図12】図11に示す複写防止模様を、周波数が増加
した彩紋模様と元の彩紋模様とを交互に配置した印刷物
【図13】図12に示す複写防止模様の印刷物の複写物
【符号の説明】 P1 数式(6)により生成される曲画線 P1’ 数式(7)により生成される曲画線 P2 数式(8)により生成される二本以上の曲画線
の集合模様 P2’ 数式(9)により生成される二本以上の曲画線
の集合模様 P3 数式(10)により生成される二本以上の曲画
線の集合模様 P3’ 数式(11)により生成される二本以上の曲画
線の集合模様 P4 三角関数により生成される曲画線 P4’ 曲画線P4を生成する三角関数の係数のうち周
波数のみを増加しそれ以外の係数は前記曲画線P4と同
一であるような三角関数により生成される曲画線 P5 数式(12)により生成される曲画線の集合模
様 P5’ 数式(13) により生成される曲画線の集合
模様 P6 数式(15)により生成される曲画線の集合模
様 P6’ 数式(16)により生成される曲画線の集合模
様 P7 数式(18)により生成される曲画線の集合模
様 P7’ 数式(19)により生成される曲画線の集合模
様 P8 数式(20)により生成される曲画線の集合模
様 P8’ 数式(21)により生成される曲画線の集合模
様 Q9、Q10、R1、R2、R3、R4 彩紋模様 P9、P10 三角関数により生成される曲画線の集合
模様 P9’ 曲画線の集合模様P9を生成する三角関数の係
数のうち周波数のみを増加しそれ以外の係数はP9と同
一である様な三角関数から生成される曲画線の集合模様 P10’曲画線の集合模様P10を生成する三角関数の
係数のうち周波数のみを増加しそれ以外の係数はP10
と同一である様な三角関数から生成される曲画線の集合
模様 R1’ 彩紋模様R1を生成する三角関数の係数のうち
周波数のみを増加しそれ以外の係数はR1と同一である
ような三角関数から生成される彩紋模様 R2’ 彩紋模様R2を生成する三角関数の係数のうち
周波数のみを増加しそれ以外の係数はR2と同一である
ような三角関数から生成される彩紋模様 R3’ 彩紋模様R3を生成する三角関数の係数のうち
周波数のみを増加しそれ以外の係数はR3と同一である
ような三角関数から生成される彩紋模様 R4’ 彩紋模様R4を生成する三角関数の係数のうち
周波数のみを増加しそれ以外の係数はR4と同一である
ような三角関数から生成される彩紋模様 Σ 彩紋模様R1、R2、R3、R4で構成される
集合彩紋模様 Σ’ 彩紋模様R1’、R2’、R3’、R4’をそ
れぞれ集合彩紋模様Σにおける彩紋模様R1、R2、R
3、R4と同様の位置に配置した集合彩紋模様 X1,X3、X4 曲画線の水平方向の長さ X2、X5、X6、X7、X8、X9、X10 曲画
線の集合模様の水平方向の長さ X11 集合彩紋模様Σの水平方向の長さ M1、M2、M3、M4 曲画線から形成される包絡線 M5、M6、M7、M8、M9、M10、M11、M1
2、M13、M14、M15、M16、M17、M1
8、M19、M20、M21、M22、M23、M2
4、M25、M26 曲画線の集合模様から形成される
包絡線 H1 曲画線P1の振幅 H2 曲画線の集合模様P2の振幅 W1、W1’ 曲画線の画線幅 W2、W2’、W9、W9’、W10、W10’ 曲画
線の集合模様の画線幅 K9 曲画線の集合模様P9の上側の包絡線と曲画線
の集合模様Q9の下側の包絡線とで囲まれた空白部分の
幅 K9’ 曲画線の集合模様P9’の上側の包絡線と曲画
線の集合模様Q9の下側の包絡線とで囲まれた空白部分
の幅 K10 曲画線の集合模様P10の上側の包絡線と曲画
線の集合模様Q10の下側の包絡線とで囲まれた空白部
分の幅 C1 曲画線P4の始点 C2 曲画線P4と曲画線P4’の境界点 C3 曲画線P4’と曲画線P4の境界点 C4 曲画線P4の終点 D1 曲画線の集合模様P5の始点 D2 曲画線の集合模様P5と曲画線の集合模様P
5’の境界点 D3 曲画線の集合模様P5の終点

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数1】 (但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意の関
    数)により生成される周期性を有する曲画線と、前記曲
    画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを変化
    させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一であ
    るような三角関数 【数2】 (但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意の関
    数であり、δは周波数の変化を示す)により生成される
    周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間にお
    ける前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみが変
    化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるように、前
    記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅を設定
    することを特徴とする複写防止模様の作成方法。
  2. 【請求項2】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
    と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
    のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素
    と同一であるような三角関数 【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定
    区間における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数
    のみが変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよ
    うに、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線
    幅を設定し、印刷することを特徴とする複写防止模様を
    有する印刷物。
  3. 【請求項3】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数
    【数3】 (但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意の関
    数)により生成される周期性を有する曲画線と、前記曲
    画線を生成する三角関数の係数のうち周波数のみを変化
    させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素と同一であ
    るような三角関数 【数4】 (但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ任意の関
    数であり、δは周波数の変化を示す)により生成される
    周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定区間にお
    ける前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数のみが変
    化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるように、前
    記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線幅を設定
    することを特徴とする複写防止模様の作成方法。
  4. 【請求項4】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数3】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
    と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
    のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素
    と同一であるような三角関数 【数4】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線とを形成し、任意の一定
    区間における前記曲画線の画線占有面積率と前記周波数
    のみが変化した曲画線の画線占有面積率が等しくなるよ
    うに、前記曲画線と周波数のみが変化した曲画線の画線
    幅を設定し、印刷することを特徴とする複写防止模様を
    有する印刷物。
  5. 【請求項5】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
    と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
    のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素
    と同一であるような三角関数 【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線とを形成し、前記曲画線
    と、前記周波数のみが変化した曲画線とを連結して配置
    することを特徴とする前記請求項1記載の複写防止模様
    の作成方法。
  6. 【請求項6】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線
    と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のうち周波数
    のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の構成要素
    と同一であるような三角関数 【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線とを形成し、前記曲画線
    と、前記周波数のみが変化した曲画線とを連結して配置
    し、印刷することを特徴とする前記請求項2記載の複写
    防止模様を有する印刷物。
  7. 【請求項7】 前記三角関数により生成される曲画線の
    集合模様が地紋、彩紋模様であることを特徴とする前記
    請求項1、3、または請求項5記載の複写防止模様の作
    成方法。
  8. 【請求項8】 前記三角関数により生成される曲画線の
    集合模様が地紋、彩紋模様であることを特徴とする前記
    請求項2、4、または請求項6記載の複写防止模様を有
    する印刷物。
  9. 【請求項9】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH及び
    周波数をFとする三角関数 【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線の
    集合模様と、前記曲画線を生成する三角関数の係数のう
    ち周波数のみを変化させ、その他の係数は前記曲画線の
    構成要素と同一であるような三角関数 【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線の集合模様とを形成し、
    更に、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様を生
    成する三角関数の係数のうち振幅を変化させることによ
    って、前記曲画線の集合模様が形成する包絡線と隣接す
    る他の曲画線の集合が形成する包絡線とで囲まれる空白
    部分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が
    形成する包絡線と隣接する他の曲画線の集合が形成する
    包絡線とで囲まれる空白部分を等しくすることを特徴と
    する前記請求項1、3、5、または請求項7記載の複写
    防止模様の作成方法。
  10. 【請求項10】 任意の一定区間の距離をD、振幅をH
    及び周波数をFとする三角関数 【数1】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数)により生成される周期性を有する曲画線の
    集合模様と、前記曲画線の集合模様を生成する三角関数
    の係数のうち周波数のみを変化させ、その他の係数は前
    記曲画線の構成要素と同一であるような三角関数 【数2】(但し、f (θ)とg(θ)は位相θを変数に持つ
    任意の関数であり、δは周波数の変化を示す)により生
    成される周期性を有する曲画線の集合模様とを形成し、
    更に、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様を生
    成する三角関数の係数のうち振幅を変化させることによ
    って、前記曲画線の集合模様が形成する包絡線と隣接す
    る他の曲画線の集合が構成する包絡線とで囲まれる空白
    部分と、前記周波数のみが変化した曲画線の集合模様が
    形成する包絡線と隣接する他の曲画線の集合が構成する
    包絡線とで囲まれる空白部分を等しくし、印刷すること
    を特徴とする前記請求項2、4、6または請求項8記載
    の複写防止模様を有する印刷物。
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