JP2017087633A - 立体印刷模様を有する形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、観察角度を変化させることにより発生するモアレ模様に伴い発現する階調により、立体的に視認できる形成体を提供する。
【解決手段】 基材と等色の凸画線が万線状に配置された凸画線群の上に、基材と異なる色の第1の波線が、第1の方向と異なる第2の方向に万線状に配置されて成る模様領域と、模様領域を囲んで配置され、基材と異なる色の第2の波線が、第2の方向と同じ又は異なる第3の方向に万線状に配置された背景領域から成る印刷模様を備えることで、基材を傾けた時に、凸画線群と模様領域により、台形又は三角形状の階調を有するモアレパターンが複数配置されて成る集合モアレ模様が形成され、模様領域と背景領域の画線密度差と階調差により、集合モアレ模様が、立体的に視認される。
【選択図】 図14

Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の分野において、モアレ模様を利用することで観察角度の変化に伴い立体的に視認できる形成体に関するものである。
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の印刷物において、偽造、改ざん防止策は、重要な要素である。これらの印刷物の偽造、改ざん防止策は、主に、幾何学模様を多様化した図柄をデザインに用いる方法と、印刷物に対し、何らかの手段と作用を加えることで目視では認識することができなかった潜像が現出するような方法がある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに広く用いられている地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、後者の代表的な例は、潜像凹版、カラー複写機で色が正常に再現されないような機能性インキ、コピー防止画線等がある。
幾何学模様を用いる偽造、改ざん防止策としては、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、基本的に一定の画線幅による曲画線の集合によって模様を構成しているものである。これらの模様は、印刷物のデザイン等の意匠性を加味し、偽造、改ざん防止策を施すことができる。模様を複雑にすることによって、偽造物に同一の模様を作製することを困難とし、カラー複写機では再現されにくい色彩を用いることや、複雑な曲画線を用いることでカラー複写機、モノクロ複写機又はスキャナの走査入出力に対してモアレ模様を発生させることで偽造防止策としての役割を高めている。
このモアレ模様を利用する技術は、複写防止技術だけではなく、目視にて観察角度を変化させることでモアレ模様を出現させることを利用した、偽造防止技術も数多く開発されてきている。
例えば、有色で同一ピッチの万線で構成された第1のパターンと、第1のパターンの少なくとも一部を共有するように万線状凹凸を有する画素で構成された第2のパターンが形成された形成体において、その形成体を第1のパターンの万線に直交する方向に傾けて第1のパターンを観察したときに第2のパターンによる潜像を生成する潜像パターンを有する形成体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、基材上に、第1の画像と第2の画像を重ね合わせて配置し、視認角度によって第1の画像と第2の画像が干渉したモアレ模様を視認することができる潜像印刷物において、第1の画像は、第1の方向で、かつ、同一の圧縮率により圧縮され、基材に対する凹形状又は凸形状から成る第1の要素を、所定のピッチにより第1の方向に複数配列して形成された第1の領域を一つ以上配置して成り、第2の画像は、画像領域内に、光輝性材料により形成された第2の要素を、第1の要素を配列する所定のピッチと異なる規則的なピッチにより第1の方向と同一の方向に複数配列して形成されて成り、第1の画像を形成する第1の要素に対し、第2の画像を形成する第2の要素を平行に印刷したことを特徴とする潜像印刷物を出願している(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−106311号公報 特開2010−179581号公報
特許文献1及び2に記載の技術に関しては、ある角度から観察しても一様の模様(例えば、万線模様)しか視認できず、観察角度を変化させると潜像模様が出現して視認できる技術であり、特に特許文献2に記載の技術については、出現した角度から更に観察角度を変化させながら連続的に観察すると、出現した潜像模様が動的効果を奏して視認できる視覚効果も備えた偽造防止技術ではあるが、潜像模様が出現しない観察角度では、単純な模様しか視認できないため、デザイン上、他の領域とのバランスが悪くなるため、デザイン性に優れたモアレ模様を利用した技術が望まれていた。
また、特許文献1及び2記載のモアレ技術を始めとした、数々のモアレ技術については、観察角度を変化させることや、対象物に対してフィルタ等を重ねることにより潜像としてモアレ模様が出現するものであり、複数の画線が交差するような構成となっていることで、モアレ模様が出現することが推測されてしまうという問題があった。
また、このモアレ模様は、万線状の画線が交差することにより出現するが、出現するモアレ模様は、画線同士のピッチや交差の角度等により決定されるものの、単純な模様に過ぎず、また、フィルタ等の重ね具合や観察角度によって、その都度異なってしまうため、モアレ模様を利用したデザインとすることができなかった。そこで、所望するモアレ模様を利用した意匠性に富んだ技術が望まれていた。
また、前述の幾何学模様については、証券印刷物等のデザインにおいて世界的に広く用いられていると同時に、銀行券、株券、債券等の金銭的価値を有する印刷物の模様として古くから用いられ、現在でも一般的に高級感を印象付けるデザインとして重要な模様となっている。したがって、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の印刷物において、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等は、デザイン上欠かすことのできない模様である。しかし、最近では、高機能化した写真製版装置、カラー複写機又はモノクロ複写機の出現によって、十分な偽造、改ざん防止効果をもたらしていないという問題がある。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、観察角度を変化させることで発生するモアレ模様に伴い発現する階調によって、立体的に視認できる形成体を提供する。
本発明の立体印刷模様を有する印刷物は、基材上の少なくとも一部に立体模様領域を備え、立体模様領域は、基材と等色の凸形状の凸画線が、第1の方向に万線状に配置された凸画線群と、凸画線群の上に、基材と異なる有色の印刷模様を備え、印刷模様は、基材と異なる色の第1の波線が、第1の方向と異なる第2の方向に万線状に配置されて成る模様領域と、模様領域の少なくとも一部を囲んで配置され、基材と異なる色の第2の波線が、第1の方向と異なり、第2の方向と同じ又は異なる第3の方向に万線状に配置された背景領域から成り、基材を傾けた時に、凸画線群と模様領域により、台形又は三角形状の階調を有するモアレパターンが複数配置されて成る集合モアレ模様が形成され、凸画線群と背景領域により、模様領域より高い画線密度を有するモアレパターンが複数配置されて成り、基材を傾けて観察すると、模様領域と背景領域の画線密度差と、模様領域内の階調差により、集合モアレ模様が、立体的に視認されることを特徴とする。
さらに、立体印刷模様を有する形成体において第1の波線と第2の波線が同じ色で形成された場合、i)第1の波線は、第2の波線より振幅が小さく、かつ、同じ周期で形成され、又は、ii)第1の波線は、第2の波線より周期が大きく、かつ、同じ振幅で形成されたことを特徴とする。
本発明の形成体は、観察角度の変化により、階調を有する複数のモアレパターンから成るモアレ模様となるように形成された模様領域と、その周囲に模様領域より高い画線密度で背景領域を形成することで、二つの領域の画線密度差及び階調差により、モアレ模様が立体的なモアレ模様として視認することが可能となる。
また、あらかじめモアレ模様を所望の模様に設計するため、発現するモアレ模様が確実に同じ形状の模様となるため、その模様を利用したデザインを設計することが可能となる。
また、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等の伝統的な幾何学模様を利用してモアレ模様を形成することが可能となり、顕像模様の不可視化という偽造防止技術に加え、高級感を持たせるデザイン性に富んだ形成体を提供できる。
また、モアレ模様を形成するために凸画線を用いていることから、目視による真偽判別が行えるだけではなく、複写機及びプリンタでは再現できないため、複写防止技術としても有効である。
さらに、印刷画線を多色化することで、グラデーションを有するモアレ模様が発現するため、意匠性も加味した形成体となる。
本発明における形成体を示す平面図。 本発明における立体模様領域を示す平面図の展開図。 本発明における凸画線群を示す平面図及び断面図。 本発明における印刷模様を示す展開図。 本発明における第1の波線及び第2の波線を示す平面図。 本発明における第1の波線の他の形態を示す平面図。 本発明における視認原理を説明する図。 本発明における第1の波線の角度とモアレの関係を説明する模式図。 本発明における図8(g)の拡大図。 本発明における第1の波線の周期とモアレの関係を説明する模式図。 本発明における第1の波線の振幅とモアレの関係を説明する模式図。 本発明における第1の波線の第二のピッチとモアレの関係を説明する模式図。 本発明における背景領域の他の形態を示す平面図。 本発明における形成体の視認状態を説明する模式図。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
まず、本発明について図面を用いて説明する。図1は、本発明におけるモアレ模様により立体的に視認される形成体(1)を示す平面図である。形成体(1)は、例えば、紙幣、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物であり、図1では、商品券を例とし、基材(2)上の少なくとも一部に本発明の特徴点となる立体模様領域(3)が形成されている。
本発明における基材(2)は、上質紙、コート紙、アート紙等の紙葉類、フィルム、プラスチック等を用いることができ、後述する立体模様領域(3)に形成される凸画線群(8)が形成可能であれば、特に限定されるものではない。また、立体模様領域(3)は、基材(2)上に形成されていれば、基材(2)全体に形成されていてもよく、特に大きさに限定はない。立体模様領域(3)は、基材(2)とは異なる色の印刷模様(4)が形成されている。
図2は、立体模様領域(3)の詳細を示す平面図の展開図である。図2(a)に示す立体模様領域(3)は、図2(b)に示す、凸画線(7)が万線状に配置された凸画線群(8)の上に、図2(c)に示す、第1の波線(10)及び第2の波線(13)が万線状に配置された印刷模様(4)が積層して成る。以下、第1の波線(10)と第2の波線(13)の二つを述べる場合、「印刷画線」という。なお、印刷画線についての詳細は、後述する。
原理については後述するが、盛り上がりを有する凸画線群(8)の上に、印刷模様(4)が形成されて成ることで、観察角度を変化させた際に発現する立体的なモアレ模様を形成することが可能となる。
次に、立体模様領域(3)を構成する、凸画線群(8)及び印刷模様(4)について詳細に説明する。
まず、凸画線群(8)について、図3を用いて説明する。図3(a)は、凸画線群(8)を模式的に示した平面図である。凸画線群(8)は、少なくとも立体模様領域(3)内に形成されており、凸画線(7)が、第1の方向(S1)に規則的に複数配列されている。画線が一定の規則に従って複数配列されている状態を、本発明では「万線状」という。この「万線状」を構成する画線は、直線でも曲線でも構わないが、以下、直線として説明する。
図3(b)は、図3(a)のA−A’断面図であり、図3(c)は、図3(b)の拡大図である。凸画線(7)は、基材(2)と等色で形成される。凸画線群(8)上に形成された印刷模様(4)を斜視(E1)で観察した際、図3(c)に示す凸画線(7)が、凸画線(7)の間及び側面(9’)に形成された印刷画線の一部を隠蔽することで、後述する角度変化により出現する立体的なモアレ模様が発現する。
凸画線(7)が基材(2)と異なる色で形成された場合、例えば、基材(2)と異なる色のインキで凸画線(7)を印刷した際には、凸画線(7)間に露出した基材(2)の色と、印刷模様(4)を構成する印刷画線の色も干渉を起こしてしまい、印刷模様(4)を構成する印刷画線と、凸画線(7)の干渉により生じるモアレ模様の視認性が低下する。よって、凸画線(7)は、角度変化により出現する立体的なモアレ模様の視認性に影響を与えないように、基材(2)と等色で形成することが好ましい。
なお、凸画線群(8)は、あくまでも、基材(2)を斜視した場合に、印刷模様(4)を構成する印刷画線の一部を隠蔽する役割を持つものであるため、印刷模様(4)を構成する印刷画線と異なる色であればよい。例えば、基材(2)と異なる色のインキで立体模様領域(3)をベタ印刷した後、ベタ印刷した領域上に、ベタ印刷したインキと等色で凸画線群(8)を形成してもよい。本発明では、基材(2)に対して、ベタ印刷で表面に色を付与する場合も、基材(2)の色とする。
凸画線(7)は、前述のとおり、斜視(E1)で印刷模様(4)を観察した際に、印刷模様(4)を構成する印刷画線の一部を隠蔽する機能が求められることから、凸画線(7)の高さ(h1)が重要となる。したがって、凸画線(7)の高さ(h1)は30〜60μmの範囲で形成する必要がある。高さ(h1)を30μm未満とした場合、斜視(E1)で立体的なモアレ模様を明瞭に視認することが困難となり、好ましくない。また、凸画線(7)の高さ(h1)を60μmより高くした場合、凸画線(7)上に印刷画線を印刷しづらくなり、好ましくない。
凸画線(7)のピッチである第一のピッチ(P1)は、印刷模様(4)を構成する印刷画線の画線幅及びピッチによって決定される。印刷画線のピッチが狭く、かつ、画線幅(W1)が太いと、凸画線(7)が隠蔽され、グラデーションを有するモアレ模様が発現しない。
一方、印刷画線のピッチを広くし過ぎた場合、印刷画線の一部を隠蔽する凸画線(7)の第一のピッチ(P1)及び画線幅(W1)も相応に広くする必要がある。図3(b)に示すように、凸画線(7)の側面(9’)、頂点部(9)及び凸画線(7)の間に印刷された印刷画線を、凸画線(7)が隠蔽するためには、斜視(E1)の観察角度を極端に浅く(基材(2)と斜視(E1)との角度が小さい)しないと、モアレ模様が生じない。したがって、実験の結果、凸画線(7)の第一のピッチ(P1)の範囲は、400〜1000μmが適正であった。
凸画線(7)の画線幅(W1)は、前述した凸画線(7)のピッチにより決定される。凸画線(7)の画線幅(W1)が狭い場合は、頂点部(9)に印刷される印刷画線の面積が小さくなるため、斜視(E1)で観察した際にモアレ模様の視認性が低下する。一方、凸画線(7)の画線幅(W1)を広くした場合、凸画線(7)の間隔が狭くなるため隠蔽される印刷画線の面積が小さくなり、モアレ模様の視認性が低下する。したがって、実験の結果、凸画線(7)の画線幅(W1)の範囲は、200〜700μmが適正であった。
凸画線(7)は、基材(2)が紙基材であれば、公知のすき入れ技術、エンボス加工又はレーザ加工により形成することができる。エンボス加工により凸画線(7)を形成した場合、形成後の時間経過(例えば、貴重印刷物として市場に流通している間)に伴い、凸形状が変形して崩れる可能性を有しているため、すき入れ技術又はレーザ加工により形成することが好ましい。また、プラスチック基材であれば、レーザ加工又はプレス加工により形成することも可能である。なお、カード等のプラスチック基材にプレス加工する場合には、印刷模様(4)を印刷した後、凸画線群(8)を加工したプレス盤でプレスすることでも形成することができる。
次に、印刷模様(4)について説明する。
図4(a)は、凸画線群(8)上に形成される印刷模様(4)を示す平面図である。印刷模様(4)は、図4(b)に示す円形状の模様領域(5)と、図4(c)に示す、模様領域(5)の少なくとも一部を囲む配置で構成された背景領域(6)から成る。
図4(a)に示す背景領域(6)の配置は、模様領域(5)の全体を囲んだ構成である。背景領域(6)が模様領域(5)を囲むことで、傾けて観察したときに、模様領域(5)と背景領域(6)の画線密度差及び階調差により、模様領域(5)を立体的なモアレ模様として視認可能となる。
なお、模様領域(5)が表す有意情報やその配置により、上記した効果が得られる場合、背景領域(6)は、模様領域(5)の全体を囲む必要がなく、図4(d)に示すように、模様領域(5)の周囲の少なくとも一部を囲む配置であってもよい。
まず、印刷模様(4)を構成する印刷画線について説明する。
図5は、印刷模様(4)を構成する印刷画線であり、図5(a)は、模様領域(5)を構成する印刷画線であり、図5(b)は、背景領域(6)を構成する印刷画線である。
模様領域(5)は、基材(2)と異なる色の第1の波線(10)が、凸画線(7)とは異なる方向である第2の方向(S2)に万線状に配置されて成る。
第1の波線(10)は、基材(2)と異なる有色であればよく、図5(a)においては、万線状に配置された第1の波線(10)は、赤色の第1aの波線(10a)と、青色の第1bの波線(10b)が交互に配置されて成る。
斜視からモアレ模様を視認するためには、凸画線(7)と第1の波線(10)が干渉する必要がある。よって、第1の波線(10)は、図5に示したように実線で形成することが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、波線形状であれば、図6に示すような様々な画線で形成することも可能である。
例えば、図6(a)は実線、図6(b)は破線となっている。また、図6(c)は、複数の点の集合体である点群から成り、図6(d)は、複数の画素の集合体である画素群から成る。さらに、図6(e)は、拡大図に示すように、複数の微小な文字の集合体である文字群から成る。
ただし、前述したように、第1の波線(10)は、凸画線群(8)との干渉でモアレ模様を形成する役目を有していることから、画線状である必要があり、図6(b)から図6(e)までの形状については、隣り合う線、点又は文字等の間は短くする必要がある。肉眼で、第1の波線(10)を1本の画線として視認できる程度の距離間とするために、隣り合う線、点又は文字等の間は、一般的なマイクロ文字又は微小文字の大きさと同等の50〜500μmの範囲とする。
次に、第1の波線(10)の画線幅(W2)について説明する。
第1の波線(10)の画線幅(W2)は、前述のとおり、凸画線(7)の第一のピッチ(P1)と画線幅(W1)により、適正範囲を選定する必要がある。例えば、凸画線(7)の第一のピッチ(P1)を500μm、画線幅(W1)を300μmとした場合、模様領域(5)を形成する第1の波線(10)の画線幅(W2)は、画線色にもよるが視認しやすく、かつ、簡易な複写機等で再現ができないことを考慮して80〜120μmとする。
本発明の印刷模様(4)は、模様領域(5)よりも背景領域(6)の画線密度を高くする必要がある。人間の目は、平面状の物体においても、物体の表面が濃淡を有することで、色濃度の淡い色(明るい色)の箇所を手前に、色濃度の濃い色(暗い色)の箇所を奥に認識する。斜視から観察した際に、模様領域(5)よりも背景領域(6)の画線密度を高くすることで、実際の印刷模様(4)は平面状であるが、画線密度の低い模様領域(5)は色濃度が淡い領域として視認され、画線密度の高い背景領域(6)が色濃度の濃い領域として視認される、よって、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)よりも、手前に認識されて、模様領域(5)を立体的なモアレ模様として視認可能となる。
よって、模様領域(5)と背景領域(6)を構成する画線を同じインキを用いて形成する場合、斜視から観察した際に、背景領域(6)を模様領域(5)よりも画線密度を高く構成し、濃度差を生じさせる必要がある。後述する模様領域(5)を構成する第1の波線(10)と、背景領域(6)を構成する第2の波線(13)のそれぞれの周期、振幅及び画線幅のいずれかを調整することで、模様領域(5)と背景領域(6)の画線密度の差に起因して色濃度に濃淡を付与することが可能となる。以下、画線密度の低い模様領域(5)を色濃度が低いといい、画線密度の高い背景領域(6)を、色濃度が高い領域という。
なお、同じ画線幅の印刷画線であっても、人間の目では、青色よりも赤色の方が太く、強い色として感じる。このような色のことを膨張色といい、例えば、交差点に設置されている信号もこの色特性を応用している。したがって、斜視で観察した際に視認できるモアレ模様のグラデーションについても、ユーザが強調したい色に合わせて、波線の周期、振幅及び画線幅の各要素のいずれかを調整することが好ましい。
次に、背景領域(6)を構成する印刷画線について説明する。
図5(b)は、背景領域(6)を構成する印刷画線であり、基材(2)と異なる色の波線形状の第2の波線(13)が、凸画線(7)とは異なる方向である第3の方向(S3)に万線状に配置されている。なお、第3の方向(S3)は、第2の方向(S2)と同じでも異なっていてもよい。
第2の波線(13)は、前述した第1の波線(10)と同様に、基材(2)と異なる有色であればよく、図5(b)においては、万線状に配置された第2の波線(13)は、赤色の第2aの波線(13a)と、青色の第2bの波線(13b)が交互に配置されて成る。
なお、原理についての詳細は後述するが、本発明は、斜視から観察した際に、図4に示す模様領域(5)内が階調を有するモアレパターンで視認され、かつ、模様領域(5)を囲んで配置された背景領域(6)が模様領域(5)よりも濃い色濃度で形成されることで、模様領域(5)と背景領域(6)における画線密度の差に起因した色の濃度差と、模様領域(5)内の階調差により、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認可能となるものである。よって、背景領域(6)は、前述した模様領域(5)よりも、濃い色濃度で形成される必要がある。
まず、模様領域(5)と背景領域(6)を同じインキ、具体的には、模様領域(5)を構成する第1aの波線(10a)と背景領域(6)を構成する第2aの波線(13a)を赤色で形成し、模様領域(5)を構成する第1bの波線(10b)と背景領域(6)を構成する第2bの波線(13b)を青色で形成し、形成する画線の配置や形状による構成で画線密度差を生じさせる構成について説明する。なお、形成する画線の配置や形状による構成で画線密度差を生じさせる構成については、模様領域(5)が斜視から観察した際に立体的なモアレ模様として視認される視認原理を説明したのち、後述する。
第2の波線(13)は、前述した第1の波線(10)と同様に、実線で形成することが好ましいが、これに限定されるものではなく、波線形状であれば、前述した図6に示すような色々な画線で形成することも可能である。
また、第2の波線(13)の画線幅(W3)については、前述した第1の波線(10)と同じ範囲内で形成することから、説明を省略する。
次に、前述した構成の模様領域(5)を斜視から観察した際に立体的なモアレ模様として視認される、本発明の視認原理について説明する。
図7は、本発明の視認原理を説明する図であり、膨らみの錯視又は市松模様の錯視と呼ばれている模様である。錯視模様(14)において、周囲領域(14a)は一様な市松模様で構成されているが、中心(14b)に近くなるにつれて市松模様の大きさが徐々に大きくなることで構成されている。図7に示すように、中心(14b)の市松模様は、中心(14b)よりも小さい周囲領域(14a)の市松模様と比べると、階調差を有して視認される。
さらに、周囲領域(14a)の市松模様は複数の四角形から構成されているが、中心(14b)の市松模様は、徐々に変形しながら大きくなることで、遠近感が生じ、中心(14b)の付近が周囲領域(14a)に対して丸みを帯びて手前に膨らんでいるように視認される。
本発明は、この視覚効果を利用して、印刷模様(4)における模様領域(5)を、図7における中心(14b)の市松模様の発現原理を用いて構成し、背景領域(6)を、周囲領域(14a)の市松模様の発現原理を用いて構成することで、基材(2)を傾けて観察した際に、図7の視覚効果と同様に、背景領域(6)に対して模様領域(5)が、立体的に視認されるものである。
従来、万線状の凸画線と、万線状の印刷画線が積層して成ることで、角度変化により、凸画線の頂点部が、側面上及び凸画線(7)の間上の印刷万線を隠蔽して干渉が発生してモアレ模様が出現することは知られているが、本発明は、市松模様の発現原理を用いて模様領域(5)を立体的に視認させるために、基材(2)を傾けて観察した際の模様領域(5)が、階調を有する台形又は三角形状のモアレパターン(12)が複数出現して成ることを最大の特徴とする。
模様領域(5)が、階調を有する台形又は三角形状のモアレパターン(12)が複数出現して成ることで、模様領域(5)内に階調差が生じるとともに、模様領域(5)と背景領域(6)に画線密度に起因して濃度差が生じ、図7に示した市松模様の視覚効果と同様に、模様領域(5)が立体的に視認可能となる。
この、図7の視覚効果を利用した、模様領域(5)に出現する本発明のモアレパターン(12)は、偶然に作り出された形状ではなく、凸画線(7)に対する第1の波線(10)の角度、周期、振幅及びピッチという四つの要素を設計して初めて、階調を有する台形又は三角形状のモアレパターン(12)として視認可能となるものである。そこで、以下、各要素について詳細に説明する。
まず、一つ目の要素である、凸画線(7)に対する、第1の波線(10)の角度(X1)について説明する。
図8は、干渉を模式的に説明する図であり、図8(a)は、凸画線群(8)を示す平面図、図8(b)は模様領域(5)を示す平面図であり、模様領域(5)は、図5に示した第1の波線(10)の周期(T1)、振幅(h2)及び第二のピッチ(P2)を一定としている。凸画線群(8)の上に模様領域(5)を形成した場合、角度変化により、凸画線(7)の頂点部(9)が、凸画線(7)の側面(9’)上及び凸画線(7)の間上の第1の波線(10)を隠蔽して干渉が発生してモアレ模様が出現する。
モアレ模様の形状は、凸画線(7)と第1の波線(10)を重ね合わせる際の角度(X1)により変化する。よって、次に、出現するモアレ模様が、階調を有する台形又は三角形状のモアレパターン(12)が複数出現して成る角度(X1)について、説明する。
図8(c)から図8(j)は、凸画線群(8)と模様領域(5)を重ね合わせることで、モアレ模様をシミュレーションしている。なお、後述する図10、図11及び図12も同様である。
図8(c)は、凸画線群(8)と模様領域(5)を、平行の方向(S4)で重ねている。この平行の方向(S4)を0度とし、図8(d)から図8(j)まで、模様領域(5)の角度(X1)を反時計回りに回転させて重ね合わせている。以下、凸画線群(8)と模様領域(5)を重ねる角度(X1)を「角度」という。
図8(d)に示す角度6度と、図8(e)に示す角度9度は、角度が小さ過ぎるため、モアレ模様の中にグラデーションは、ほぼ生じていない。図8(f)に示す角度12度は、グラデーションは生じているが、グラデーションの長さ(大きさ)が場所により異なっている。
図8(g)に示す角度15度は、モアレ模様の中に、複数のグラデーションが生じており、さらに、下方から生じているグラデーションと上方から生じているグラデーションの大きさがほぼ同一、かつ、左右方向も均一な三角形状のモアレパターン(12)が複数形成されて成る。例えば、図8(g)においては、モアレパターン(12)が6つ形成されて成る。
本発明においては、下方から生じているグラデーションと上方から生じているグラデーションの大きさがほぼ同一、かつ、左右方向も均一な台形又は三角形状のモアレパターン(12)を、「階調を有するモアレパターン(12)」という。
図9(a)は、図8(g)を詳細に示す図であり、図9(b)は、図9(a)における領域(Z)の拡大図である。図9(a)に示すように、モアレ模様内における、一つの階調を有するモアレパターン(12)は、図9(b)に示すように、第1の波線(10)と凸画線(7)により形成された「単体のモアレ(15)」が複数集合して形成され、そのモアレパターン(12)が、複数配置されることで、集合モアレ模様(11)が形成される。したがって、一般論としてのモアレ模様については、そのまま「モアレ模様」と記述するが、本発明のモアレパターン(12)が複数配置されて形成されたモアレ模様は、特に「集合モアレ模様(11)」と記述する。
本発明は、図9(a)に示すように、斜視で観察した際に、モアレパターン(12)が、図9(a)に点線で示すように、集合モアレ模様(11)内の中心(C)に対して、閉じた図形に形成されて出現することを特徴とする。具体的には、図9(b)に示すように、複数配置されたモアレパターン(12)の頂点(Q)が、第1の波線(10)の配列方向である第三の方向(S3)に出現した際、図9(c)に示すように、モアレパターン(12)が、L1と、L2に示すように、集合モアレ模様(11)の中心(C)に対して、幅が狭く形成されて出現することを、「集合モアレ模様(11)内の中心(C)に対して、閉じた図形に形成されて出現する」という。
なお、図8(g)において、モアレパターン(12)は三角形状となっているが、遠近法で視認可能な形状であれば、これに限定されず、台形でもよい。図9(c)に示すように、人間の目には、L1と、L1より幅の狭いL2では、遠近法により幅の広いL1がL2よりも、手前に存在するように視認される。このように、一つのパターンにおいて、少なくとも二箇所以上幅が異なることで生じる錯視を利用することで、前述した画線密度差及び階調差に加えて、遠近法の相乗効果により、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、立体的なモアレ模様として視認できる。
例えば、図9(a)では、モアレパターン(12)のうち、中心(C)に対して下方に形成されたモアレパターン(12a)は、下方が幅の広いL1で、上方が幅の狭いL2の三角形状である。また、モアレパターン(12)のうち、中心(C)に対して上方に形成されたモアレパターン(12b)は、下方が幅の狭いL2で、上方が幅の広いL1の三角形状である。前述のとおり、遠近法では、幅の広いL1がL2よりも、手前に存在するように視認されることから、図9(a)に示す集合モアレ模様(12)は、中心(C)が奥に、下方及び上方が手前に視認されることから、遠近法により集合モアレ模様(12)が、周囲の背景領域(6)に対して、立体的なモアレ模様として視認できる。
以下、本発明においては、少なくとも二箇所以上幅が異なるモアレパターン(12)を三角形状のモアレパターン(12)として説明する。
図8(h)に示す角度18度は、上下方向、左右方向ではグラデーションの長さが場所により異なっている。また、図8(i)に示す角度21度は、グラデーションの大きさは再び均等となっているが、上下方向のグラデーションの幅が、図8(g)と比べて狭いため、個々のグラデーションの間隔が広くなり、階調を有していない。さらに、図8(j)に示す角度24度は、図8(i)に比べ、上下方向のグラデーションの大きさは短くなっているが、グラデーションの幅は図8(i)と同等であり、個々のグラデーションの間隔が広くなり、階調を有していないことに変わりはない。
なお、図8(k)は、角度−15度である。モアレ模様の形状及びグラデーションは、図8(g)と同じであるが、モアレ模様の発生する方向が、凸画線群(8)の配列方向を中心として線対称となっている。
このように、模様領域(5)を構成する、第1の波線(10)の周期(T1)、振幅(h2)及び第二のピッチ(P2)を一定とした場合、凸画線群(8)と模様領域(5)を重ね合わせる角度により、モアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストが異なるが、本発明は、図8(g)及び図8(k)に示した、モアレ模様の中に階調を有し、少なくとも二箇所以上幅の異なる形状のモアレパターン(12)が、配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成ることで、斜視から観察した際に、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、立体的なモアレ模様として視認できることを特徴とする。
なお、図8(g)では、模様領域(5)を角度15度としたが、凸画線(7)の画線幅(W1)及び第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の第二のピッチ(P2)、周期(T1)及び振幅(h2)の各要素のうち、一つでも変わればモアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストは変化する。
よって、階調を有するモアレパターン(12)が、第三の方向(S3)に配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成るように、凸画線(7)の画線幅(W1)及び第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の第二のピッチ(P2)、周期(T1)及び振幅(h2)を、前述した角度15度を設定時の基準値として適宜調整する。第1の波線(10)の周期、振幅及びピッチにおいても、設定時の基準値については説明するが、同様に、前述した各要素のうち一つでも変わればモアレ模様は変化することから、適宜基準値をもとに調整する点については、説明を省略する。
次に、出現するモアレ模様が、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)として出現することが可能となる、二つ目の要素である、第1の波線(10)の周期について、説明する。
図10は、図5(a)に示す周期(T1)とモアレ模様の関係を説明する図である。図中の「折り返し(R)」とは、60mmの長さの直線を第1の波線(10)にするに当たり、何個の山を形成するかを示す値である。なお、折り返し(R)の回数については、折り返し回数ともいい、例えば、図10(a)は、折り返し回数0回である。折り返し(R)には、山(R1)と谷(R2)があるが、折り返し(R)のうち、隣り合う山(R1)間の距離と、隣り合う谷(R2)間の距離を、それぞれ第1の波線(10)における周期(T1)という。
例えば、図10(a)は、折り返し回数0回であり、図10(b)は、折り返し回数4回、図10(c)は、折り返し回数5回、図10(d)は、折り返し回数6回、図10(e)は、折り返し回数7回、図10(f)は、折り返し回数8回、図10(g)は、折り返し回数9回、図10(h)は、折り返し回数10回である。
折り返し回数が大きくなるほど周期(T1)は小さくなる。なお、凸画線群(8)の画線幅(W1)、第二のピッチ(P2)、第1の波線(10)の角度(X1)、第二のピッチ(P2)及び振幅(h2)は一定である。第1の波線(10)の角度(X1)は、図8に前述した、適正角度である15度としている。
図10(a)は、第1の波線(10)が折り返し回数0回の直線のため、グラデーションが生じないモアレ模様である。一方、図10(c)に示すように、折り返し回数5回とした場合、前述した図8(h)と同様に、上下方向、左右方向においてグラデーションの長さが場所により異なる。
前述した、図8(g)と同一のモアレ模様となるのは、図10(c)の折り返し回数5回の構成である。図10(c)は、モアレ模様の中に、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)が、連続して三角形状の頂点が同一方向(S3)に配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成ることで、斜視から観察した際に、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、画線密度差に起因した濃度差と階調差が生じることで、立体的なモアレ模様として視認できることを特徴とする。
なお、図10(d)の折り返し回数6回は、モアレ模様の形状が左右及び上下で異なり、図10(e)の折り返し回数7回及び図10(f)の折り返し回数8回は、左右方向ではモアレ模様の間隔が狭くなり、図10(g)の折り返し回数9回及び図10(h)の折り返し回数10回は、周期(T1)が、図10(f)と比べて小さ過ぎて、全面にわたるグラデーションとなっている。よって、本発明の特徴点である、斜視から観察した際に、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認することができない。
このように、模様領域(5)を構成する第1の波線(10)の振幅(T1)及び第二のピッチ(P2)を一定とした場合、模様領域(5)を構成する第1の波線(10)の周期(T1)により、モアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストが異なる。本発明では、図10(c)に示したモアレ模様の中に、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)が、連続して三角形状の頂点が第三の方向(S3)に配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成ることで、斜視から観察した際に、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、濃度差及び階調差が生じることで、立体的なモアレ模様として視認できることを特徴とする。
なお、図10(c)は、模様領域(5)を形成する第1の波線(10)を折り返し回数5回としたが、前述のとおり、凸画線(7)の画線幅(W1)及び第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の第二のピッチ(P2)、角度(X1)及び振幅(h2)の各要素のうち、一つでも変わればモアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストは変化するため、折り返し回数は適宜調整する。
次に、出現するモアレ模様が、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)として出現することが可能となる、三つ目の要素である、第1の波線(10)の振幅について、説明する。
図11は、図5(a)に示す振幅(h2)とモアレ模様の関係を説明する図である。なお、凸画線群(8)の画線幅(W1)、第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の角度(X1)、第二のピッチ(P2)及び周期(T1)は一定である。
図11(a)に示すように、第1の波線(10)の振幅(h2)が1mmの場合、モアレ模様のグラデーションが短くなり、さらに、上方からのグラデーションを見ることはできない。上方のグラデーションが見えないのは、振幅が小さくなるにつれ、上下方向のモアレ模様の間隔が広くなるからである。また、図11(b)に示すように、振幅(h2)が1.5mmの場合、上下方向、左右方向においてグラデーションの長さが場所により異なっている。
図11(c)に示すように、第1の波線(10)の振幅(h2)が2mmの場合、前述した、図8(g)及び図9(f)で示したモアレ模様と同様に、モアレ模様の中に、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)が、連続して三角形状の頂点が同一方向に配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成る。この、図11(c)の構成となることで、斜視から観察した際に、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、濃度差及び階調差が生じることで、立体的なモアレ模様として視認できることを特徴とする。
図11(d)及び図11(e)は、モアレ模様が長くなり、かつ、色濃度の濃いグラデーションとなっている。この理由は、振幅が大きくなり、一つの波線が、複数の凸画線(7)の頂点部(9)を跨いで配置されることで、頂点部(9)に第1の波線(10)がより多く掛かり、頂点部(9)に印刷される印刷画線の面積が大きくなるためである。
なお、本実施の形態では、模様領域(5)内の第1の波線(10)の振幅(h2)を150μm、背景領域(6)内の第1の波線(10)の振幅(h3)を400μmとしたが、凸画線(7)の画線幅(W1)及び第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の第二のピッチ(P2)、角度(X1)及び周期(T1)の各要素のうち、一つでも変わればモアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストは変化するため、前述した振幅(h3)400μmを設定時の基準値として適宜調整する。
最後に、出現するモアレ模様が、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)として出現することが可能となる、四つ目の要素である、第1の波線(10)のピッチについて、説明する。
図12は、図6(a)に示す第1の波線(10)のピッチである第二のピッチ(P2)とモアレ模様の関係を説明する図である。なお、凸画線群(8)の画線幅(W1)、第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の角度(X1)、振幅(h2)及び周期(T1)は一定である。
図12(a)に示すように、第二のピッチ(P2)が1.6mmの場合、ピッチが狭過ぎることで、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)とはなっていない。また、図12(b)に示す、第二のピッチ(P2)が1.9mmの場合と、図12(c)に示す2.2mmの場合は、モアレパターン(12)の幅が広く、かつ、グラデーションの幅が狭く、三角形状のモアレパターン(12)とはなっていない。
図12(d)に示す、第二のピッチ(P2)が2.5mmの場合、前述した、図8(g)、図10(f)及び図11(c)で示したモアレ模様と同様に、モアレ模様の中に、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)が、連続して三角形状の頂点が同一方向に配置された集合モアレ模様(11)が形成されて成る。この、図12(d)の構成となることで、斜視から観察した際に、模様領域(5)が、周囲の背景領域(6)に対して、濃度差及び階調差が生じることで、立体的なモアレ模様として視認できることを特徴とする。
図12(d)に比べて第二のピッチ(P2)が広い、図12(e)に示す、第二のピッチ(P2)が2.8mmの場合、モアレ模様の幅が広く、かつ、グラデーションの幅も狭くなり、三角形状のモアレ模様とはならない。また、それ以上に第二のピッチ(P2)が広い、図12(f)に示す、第二のピッチ(P2)が3.1mmの場合と、図12(g)に示す、第二のピッチ(P2)が3.4mmの場合においても、所望のモアレ模様とはなっていない。
本実施の形態では、模様領域(5)内の第1の波線(10)の第二のピッチ(P2)及び背景領域(6)内の第2の波線(13)の第三のピッチ(P3)は、いずれも250μmとしたが、凸画線(7)の画線幅(W1)及び第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の振幅(h2)、角度(S3)及び周期(T1)の各要素のうち、一つでも変わればモアレ模様に生じるグラデーションの形状及びコントラストは変化するため、前述した第二のピッチ(P2)250μmを設定時の基準値として適宜調整する。
以上、本発明は、出現するモアレ模様が、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)として出現することで、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認可能となるために、凸画線(7)に対する第1の波線(10)の角度、周期、振幅及びピッチという四つの要素を、前述した数値をもとに、適宜設定する。
本発明は、模様領域(5)が、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)として出現し、かつ、模様領域(5)を囲んで配置された背景領域(6)が模様領域(5)よりも濃い色濃度で形成されることで、図7に示した膨らみの錯視の模様と同様に、模様領域(5)と背景領域(6)における色の濃度差及び階調差により、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認可能となるものである。よって、背景領域(6)は、前述した模様領域(5)よりも、濃い色濃度で形成される必要がある。
模様領域(5)に対し、背景領域(6)を濃い色濃度で形成するためには、図8から図12までを用いて説明した、干渉に影響を与える、凸画線(7)に対する画線の角度、周期、振幅及びピッチという四つの要素のうち、振幅及び周期が大きく関わっている。模様領域(5)よりも、背景領域(6)の色濃度を濃く形成するためには、振幅及び周期が、次のいずれか一方のみの条件を満たす必要がある。
一点目は、第1の波線(10)と第2の波線(13)は、周期が同じであり、かつ、振幅が第1の波線(10)より第2の波線(13)が大きいという条件であり、二点目は、第1の波線(10)と第2の波線(13)は、振幅が同じであり、かつ、周期が、第2の波線(13)より第1の波線(10)が大きいという条件である。この、一点目と二点目のいずれか一方のみの条件を満たしたときに、模様領域(5)よりも、背景領域(6)の色濃度を濃く形成することが可能となる。
まず、一点目の条件について説明する。
図11を用いて、前述したように、凸画線群(8)の画線幅(W1)、第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の角度(X1)、第二のピッチ(P2)及び周期(T1)を一定とした場合、図11(a)に示す、振幅1mmから、0.5mmずつ振幅が大きくなり、図11(e)に示す振幅3mmまで、徐々に、モアレ模様のグラデーションが長く、かつ、色濃度の濃いグラデーションとなっている。
この理由は、振幅が大きくなることで、一つの波線が、複数の凸画線(7)の頂点部(9)を跨いで配置されることで、頂点部(9)及び側面に第1の波線(10)がより多く掛かり、頂点部(9)に印刷される第1の波線(10)の面積が大きくなるためである。
これは、第1の波線(10)に限らず、第2の波線(13)についても同様のことがいえることから、第1の波線(10)と第2の波線(13)を同じ周期とした場合、振幅が大きい波線の方が色濃度は濃くなる。本願は、前述のとおり、模様領域(5)よりも背景領域(6)の色濃度が濃いことが、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認されるための必須構成であることから、第1の波線(10)より第2の波線(13)の振幅を大きくする必要がある。
次に、二点目の条件について説明する。
図10は、前述のとおり、凸画線群(8)の画線幅(W1)、第一のピッチ(P1)、第1の波線(10)の角度(X1)、第二のピッチ(P2)及び振幅(h2)を一定とし、第1の波線(10)の角度(X1)を、図8で前述した、適正角度である15度とした場合、図10(a)に示す、折り返し回数0回から、図10(h)に示す折り返し回数10回までの条件でのモアレ模様のグラデーションの発生状態を示している。折り返し回数が多くなるにつれ、徐々にモアレ模様のグラデーションが長く、かつ、色濃度の濃いグラデーションとなっている。
なお、前述のとおり、折り返しの山と山の距離が周期(T1)である。折り返し回数が多くなることで、頂点部(9)に印刷される第1の波線(10)の面積が大きくなり、視認されるモアレ模様のグラデーションも、色濃度が濃くなる。
これは、第1の波線(10)に限らず、第2の波線(13)についても同様のことがいえ、第1の波線(10)と第2の波線(13)の振幅を同じとした場合、周期が小さい波線の方が、折り返し回数が多く、色濃度は濃くなる。本願は、前述のとおり、模様領域(5)よりも背景領域(6)の色濃度が濃いことが、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認されるための必須構成であることから、第1の波線(10)より第2の波線(13)の周期を小さくする必要がある。
以上、模様領域(5)と背景領域(6)を同じインキで形成し、形成する画線の配置や形状による構成で画線密度に起因した濃度差を生じさせるためには、第1の波線(10)と第2の波線(13)は、周期が同じであり、かつ、振幅が第1の波線(10)より第2の波線(13)を大きくするか、又は、第1の波線(10)と第2の波線(13)は、振幅が同じであり、かつ、周期が第2の波線(13)より第1の波線(10)が大きく形成する。
なお、第2の波線(13)の凸画線(7)に対する画線の角度及びピッチについては、前述した第1の波線(10)の範囲と同様に適宜設定するが、第2の波線(13)の凸画線に対する角度は、模様領域(5)を構成する第1の波線(10)と対となる角度とすることが、好ましい。
対となる角度とは、平行の方向(S4)を基準線とし、時計回り及び反時計周りに同じ角度であることをいい、例えば、図8(g)においては、模様領域(5)の角度(X1)が反時計回りに15度の角度であるが、その場合、背景領域(6)の角度(X1)を図8(k)に示すように、時計回りに15度の角度である−15度とする。
第2の波線(13)の凸画線(7)に対する画線の角度を、模様領域(5)を構成する第1の波線(10)と対となる角度とすることで、モアレ模様の形状及びグラデーションは、図8(g)と同じであるが、モアレ模様の発生する方向が、凸画線群(8)の配列方向を中心として線対称となる。
模様領域(5)と背景領域(6)が、対になる方向にモアレ模様のグラデーションが生じることで、模様領域(5)と背景領域(6)の境界が、同一方向にグラデーションが生じた場合と比べて明瞭になることから、斜視で観察した場合、より明瞭に模様領域(5)を立体的に視認することが、可能となる。
なお、前述した構成において、複数の第1の波線(10)と複数の第2の波線(13)は、それぞれ赤色と青色の二色の印刷画線で構成されていたが、第1の波線(10)と第2の波線(13)が、いずれも基材(2)と異なる色であればこれに限らず、例えば、複数の第1aの波線(10a)及び第1bの波線(10b)を赤色の印刷画線で構成し、複数の第2aの波線(13a)及び第2bの波線(13b)を青色の印刷画線で構成するように、それぞれ単色の印刷画線で構成することも可能である。
さらには、第1の波線(10)と第2の波線(13)を全て単色、かつ、同色の印刷画線、例えば、複数の第1の波線(10)及び複数の第2の波線(13)を、青色の一色の印刷画線で構成することも可能である。第1の波線(10)と第2の波線(13)を全て単色、かつ、同色の印刷画線とした場合、模様領域(5)に対し、背景領域(6)を濃い色濃度で形成するために、図8から図12までを用いて説明したように、干渉に影響を与える、凸画線(7)に対する画線の角度、周期、振幅及びピッチという四つの要素を適宜設定する。
なお、背景領域(6)は、画線である第2の波線(13)から成る構成として説明したが、模様領域(5)よりも、背景領域(6)の色濃度が濃く形成されていれば、これに限らず、図13に示すように、背景領域(6)をベタの印刷領域とすることも可能である。
背景領域(6)をベタの印刷領域とする場合、背景領域(6)の色は、第1の波線(10)を構成する第1aの波線(10a)と、第1bの波線(10b)の混色した色と、色濃度が同程度のベタの印刷領域とすることが、好ましい。
印刷模様(4)は、凸画線群(8)を基材(2)に形成した後、所定の印刷方式により凸画線群(8)上に形成する。なお、所定の印刷方式とは、公知のオフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷又は凹版印刷のいずれの方法でも構わない。ただし、凸画線群(8)の上に重ねて印刷するため、凸形状に影響を及ぼすような印刷方式は好ましくない。したがって、印圧が最も軽いオフセット印刷が好ましい。また、印刷版面を用いないインクジェットプリンタで印刷することも可能である。
次に、図14を用いて、形成体(1)の視認状態について説明する。図1から図12までに示した凸画線群(8)と、模様領域(5)及び背景領域(6)から成る印刷模様(4)を重ねて成る形成体(1)の観察角度を変化させると、図14(a)に示すように、集合モアレ模様(11)が視認できる。この集合モアレ模様(11)を見やすくするために、一部を拡大して平面的に示唆したのが図14(b)である。図14(b)に示すように、本発明の集合モアレ模様(11)は、モアレパターン(12)が複数規則的に配置されて成る。モアレパターン(12)は、階調を有する三角形状の模様である。
模様領域(5)が、集合モアレ模様(11)として視認され、背景領域(6)が、模様領域(5)よりも色濃度が濃く視認されることで、模様領域(5)と背景領域(6)の画線密度差に起因した濃度差と階調差により、模様領域(5)が立体的なモアレ模様として視認することが可能となる。
以下、前述の発明を実施するための形態に従って、具体的に作製した形成体の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例1について、図2を用いて説明をする。基材(2)は、上質紙(日本製紙製 NPI上質紙 81.4g/m)を用いた。基材(2)上に、スクリーン印刷機(RANAS製 MF−250)を用いて、スクリーン印刷用UV硬化型インキにより、凸画線群(8)を形成した。凸画線群(8)を構成する凸画線(7)は、直線で形成した万線状であり、第一のピッチ(P1)500μm、画線幅(W1)300μmとした。凸画線(7)の高さ(h1)は40μmとした。
印刷模様(4)のうち、模様領域(5)は、第1の波線(10)を画線幅(W2)120μm、振幅(h2)150μmとし、図8(g)に示した反時計回り15度の第2の方向(S2)に、第二のピッチ(P2)250μmで複数配置する画線データを作製した。
背景領域(6)は、第2の波線(13)を画線幅(W3)120μm、振幅(h3)400μmとし、図8(k)に示した時計回り15度の第3の方向(S3)に、第三のピッチ(P3)250μmで複数配置する画線データを作製した。
作製した模様領域(5)と背景領域(6)のそれぞれの画線データを基に、同色となるインキごとに、二つのオフセット版面を作製した。まず、同色となる、複数配置された第1の波線(10)のうち、図5(a)に示す第1aの波線(10a)と、複数配置された第2の波線(13)のうち、図5(b)に示す第2aの波線(13a)で構成するオフセット版面Iを作製した。次に、同色となる、複数配置された第1の波線(10)のうち、図5(a)に示す第1bの波線(10b)と、複数配置された第2の波線(13)のうち、図5(b)に示す第2bの波線(13b)で構成するオフセット版面IIを作製した。複数の第1の波線(10)において、第1aの波線(10a)と第1bの波線(10b)は、1本ずつ交互に配置し、複数の第2の波線(13)において、第2aの波線(13a)と第2bの波線(13b)は、1本ずつ交互に配置した。
基材(2)に対して、オフセット版面Iで、濃い藍色のオフセットインキ(T&K TOKA製 ベストキュア 藍)を用いて印刷した後、オフセット版面IIで、緑色のオフセットインキ(T&K TOKA製 BO特練PANTONE緑)を用いて印刷することで、印刷模様(4)を印刷した。用いた印刷機は、オフセット印刷機(下垣鉄工所製 EP−60)とした。
実施例1で作製した形成体(1)の立体模様領域(3)を、正面から肉眼で観察したところ、模様領域(5)と背景領域(6)は、いずれも濃い藍と緑が混色した、平面的な模様として視認できた。
次に、立体模様領域(3)を、図3(b)に示した斜視(E1)で観察したところ、図14(a)に示すように、印刷模様(4)のうち、模様領域(5)は、階調を有する三角形状のモアレパターン(12)が連続して発生し、発生したモアレパターン(12)は三角形状の頂点(Q)が第三の方向(S3)に配置されて成る集合モアレ模様(11)として視認された。また、背景領域(6)は、図10(e)よりも、更に画線密度の高い、密なモアレ模様となり、グラデーションを視認できない程度の濃さとなった。よって、模様領域(5)と背景領域(6)に画線密度差に起因した濃度差と階調差が生じて、図14(a)に示すように、模様領域(5)が、ドーム状に盛り上がったような、立体的なモアレ模様として視認できた。
1 形成体
2 基材
3 立体模様領域
4 印刷模様
5 模様領域
6 背景領域
7 凸画線
8 凸画線群
9 頂点部
10 第1の波線
11 集合モアレ模様
12 モアレパターン
13 第2の波線
14 錯視模様
14a 周囲領域
14b 中心
15 単体のモアレ
S1 第1の方向
S2 第2の方向
S3 第3の方向
S4 第4の方向
W1 凸画線の画線幅
W2 第1の波線の画線幅
W3 第2の波線の画線幅
P1 凸画線のピッチ
P2 第1の波線のピッチ
P3 第2の波線のピッチ
h1 凸画線の高さ
h2 第1の波線の振幅
h3 第2の波線の振幅

Claims (2)

  1. 基材上の少なくとも一部に立体模様領域を備え、
    前記立体模様領域は、前記基材と等色の凸形状の凸画線が、第1の方向に万線状に配置された凸画線群と、前記凸画線群の上に、前記基材と異なる有色の印刷模様を備え、
    前記印刷模様は、前記基材と異なる色の第1の波線が、前記第1の方向と異なる第2の方向に万線状に配置されて成る模様領域と、前記模様領域の少なくとも一部を囲んで配置され、前記基材と異なる色の第2の波線が、前記第1の方向と異なり、前記第2の方向と同じ又は異なる第3の方向に万線状に配置された背景領域から成り、
    前記基材を傾けた時に、前記凸画線群と前記模様領域により、台形又は三角形状の階調を有するモアレパターンが複数配置されて成る集合モアレ模様が形成され、前記凸画線群と前記背景領域により、前記模様領域より高い画線密度を有するモアレパターンが複数配置されて成り、
    前記基材を傾けて観察すると、前記模様領域と前記背景領域の画線密度差と、前記模様領域内の階調差により、前記集合モアレ模様が、立体的に視認されることを特徴とする立体印刷模様を有する形成体。
  2. 前記第1の波線と前記第2の波線が同じ色で形成された場合、
    i)前記第1の波線は、前記第2の波線より振幅が小さく、かつ、同じ周期で形成され、又は、
    ii)前記第1の波線は、前記第2の波線より周期が大きく、かつ、同じ振幅で形成されたことを特徴とする請求項1記載の立体印刷模様を有する形成体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107225889A (zh) * 2017-07-12 2017-10-03 常德金鹏印务有限公司 一种带放射状镭射3d图案的印刷品
CN111098617A (zh) * 2020-01-09 2020-05-05 武汉红金龙印务股份有限公司 一种潜影压纹防伪结构及其制备工艺
KR102638915B1 (ko) * 2023-11-02 2024-02-21 한국조폐공사 고밀도이차원보안코드의 생성 방법 및 위변조 방지 방법

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