JP6966747B2 - 透過潜像画像発現構造及び透過潜像画像形成体 - Google Patents

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本発明は、偽造防止効果を必要とする銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、通行券等の貴重印刷物の分野において、透過光下で傾けると、画像が変化して視認できる透過潜像画像発現構造及び透過潜像画像発現構造を応用して作製する透過潜像画像形成体に関するものである。
近年のスキャナ、プリンタ、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そこで、前述したデジタル機器による複製や偽造を防止するため、プリンタやコピー機では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
この偽造防止技術の一つとして、用紙の粗密や厚薄によって模様を形成して透過光下で視認させる、いわゆるすかし技術が存在する。このようなすかし技術の例としては、用紙の製造工程において、抄紙機上のすかし模様が凹凸形状としてロール部材に形成された円網やダンディロールを用いて、用紙に厚薄を施す「すき入れ技術」が古くから行われている。円網やダンディロールによって形成された、相対的に用紙の厚さが薄い部分を透過光下で観察すると、透過光量が高くなって明るく視認され、相対的に用紙の厚さが厚い部分を透過光下で観察すると、透過光量が低くなって暗く視認される。
また、用紙の粗密や厚薄による構成とは異なり、印刷技術によって、すかしを形成する技術もあり、具体的には、紙基材に浸透することで、光の透過率を上昇させるすかしインキを用いる「透かし技術」や、紙基材に印刷して光の透過率を低下させる遮光インキを用いる「透かし技術」がある。
これらのすかし技術は、通常の反射光下での観察では、模様が視認できないことから、貴重印刷物の他のデザインに影響することなく、一定量以上の光さえ存在すれば、あらゆる環境下で模様を確認することで真偽判別が可能であり、知名度も抜群に高いことから、貴重印刷物の分野で広く用いられている。なお、本明細書では、抄紙機を用いて用紙にすかし模様を施す技術を「すき入れ技術」といい、インキを用いたり、レーザー加工により用紙を削ってすかし模様を施す技術を「透かし技術」といい、それら全てを総称して「すかし技術」という。
一方、すかし技術のように、透過光下で模様が視認できるだけでなく、傾けて観察すると、立体視可能な画像が変化するカードが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のカードは、透過性の基材に、視差画像を構成する帯状の画線を順に印刷し、その上にレンズを積層した構成であり、透過光下で傾けて観察する角度に応じて、視差画像が変化するものである。なお、透過光下でカラーの視差画像を形成するためのインキには、染料を用いることが好ましいことが開示されている。
特開平10−217655号公報
しかしながら、円網やダンディロールにより用紙基材を加工するすき入れ技術や、すかしインキを用いた透かし技術による従来のすかし技術は、反射光下では不可視の状態から、透過光下で観察したときに模様が視認できるものであるが、特許文献1のように、観察角度を変化させた際に、画像が変化するものではなかった。
一方、特許文献1の技術は、透過光下の観察する角度に応じて立体視可能な画像が変化して視認できるものであるが、印刷によって画像を形成しているため、通常の反射光下の観察でも印刷による画線が視認されてしまうものであった。特に、立体視可能な画像は、左目用の画線と右目用の画線が順に形成されたもので、レンズを通した場合には、立体視の効果があるが、画線全体をそのまま見た場合には、無意味な画像として見えるだけであり、立体視画像が形成されたカード、又は印刷物のデザイン性が低下するという問題があった。
また、特許文献1の技術は、左目用の画線と右目用の画線がそのまま見えてしまうことで、レンズを通して視認されるはずの画像が初めから類推されてしまい、偽造者の複製の対象となりやすいという問題があった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、反射光下では潜像画像が不可視であることで、貴重印刷物のデザインに影響することがないとともに、偽造の防止を図り、透過光下の観察角度の変化により画像が変化する透過潜像画像発現構造及びそれを備えた透過潜像画像形成体を提供する。
本発明の透過潜像画像発現構造は、基材の少なくとも一部に、基画像が分割及び/又は圧縮された潜像要素が一定のピッチで複数形成されて成る潜像画像と、潜像要素に対応したレンズ要素又は光遮断要素が複数配置されたフィルタとを含む透過潜像画像発現構造であって、潜像要素は、反射光下では基材と等色で、かつ、基材とは光透過性が異なり、潜像画像とフィルタを重ねて、透過光下で観察すると基画像が潜像として視認され、観察角度又はフィルタの位置を変化させると潜像画像が変化して視認されることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像発現構造は、潜像要素は、基材とは厚さが異なることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像発現構造は、複数形成された潜像要素において、部分的に厚さが異なり、潜像が濃淡を有して視認されることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像発現構造は、潜像要素は、すかしインキ又は光遮断性のインキにより形成されたことを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、基材の一方の面の少なくとも一部に、反射光下では基材と等色で基材とは光透過性が異なり、かつ、基画像が分割及び/又は圧縮された潜像要素が一定のピッチで複数形成されて成る潜像画像が形成され、潜像画像の上又は基材の他方の面の潜像画像に重畳する位置に、潜像要素に対応した複数のレンズ要素又は複数の光遮断要素を備えたフィルタが形成され、透過光下で観察すると基画像が潜像として視認され、観察角度を変化させると潜像画像が変化して視認されることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、潜像要素は、基材とは厚さが異なることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、複数形成された潜像要素において、部分的に厚さが異なり、潜像が濃淡を有して視認されることを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、潜像要素は、すかしインキ又は光遮断性のインキにより形成されたことを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、複数のレンズ要素を備えたフィルタが、基材の他方の面に形成される場合、レンズ要素は、基材の他方の面に設けた凹部に形成されたことを特徴とする。
また、本発明の透過潜像画像形成体は、基材と異なる色の色要素が、潜像要素の少なくとも一部に重畳して形成されたことを特徴とする。
本発明の透過潜像画像発現構造及びそれを一体化して備える透過潜像画像形成体は、反射光下で観察した場合に潜像が不可視であり、透過光下のみ潜像が視認できることから、偽造防止効果に優れる。また、透過光下で観察する角度又はフィルタの位置を変化させると、視認できる潜像も変化することから、認証性が高いという効果を奏する。
本発明の透過潜像画像形発現構造の概要を示す図である。 潜像画像の構成を示す図である。 光透過性が高い潜像要素の構成を示す図である。 光透過性が低い潜像要素の構成を示す図である。 フィルタの一例であり、レンチキュラーレンズの構成を示す図である。 レンズ要素と潜像要素の関係を示す図である。 透過潜像画像発現構造を透過光下で観察した場合の効果を示す図である。 厚さが異なる潜像要素の構成を示す図である。 厚さが異なる潜像要素の別の構成を示す図である。 一つの潜像要素において厚さが異なる構成を示す図である。 別のフィルタの例であり、万線フィルタの構成を示す図である。 光遮断要素と潜像要素の関係を示す図である。 万線フィルタを用いて透過潜像画像発現構造を透過光下で観察した場合の効果を示す図である。 二つ目の潜像画像の構成を示す図である。 二つ目の構成の潜像画像を備えた透過潜像画像発現構造を透過光下で観察した場合の効果を示す図である。 三つ目の潜像画像の構成を示す図である。 三つ目の構成の潜像画像を備えた透過潜像画像発現構造を透過光下で観察した場合の効果を示す図である。 本発明の透過潜像画像形成体の構成を示す図である。 基材に設けた凹部にレンズ要素が形成された状態を示す図である。 色要素の構成について説明する図である。 潜像要素と異なる方向に配置された色要素の構成を示す図である。 異なる色の色要素が形成された例を示す図である。 実施例1の潜像画像の構成を示す図である。 実施例1のフィルタの構成を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の透過潜像画像発現構造(1)を示す。透過潜像画像発現構造(1)は、図1(a)に示すように、潜像画像(10)とフィルタ(20)から成る。図1(b)に示すように、潜像画像(10)とフィルタ(20)を重ねて、反射光下で観察した際に、潜像は不可視であるが、透過光下で観察角度を変化させて観察すると、潜像が変化して視認できる。以下、第1の実施の形態の透過潜像画像発現構造(1)の詳細な構成について説明する。
本発明において潜像画像(10)を形成するための基材(2)は、光透過性の材料であれば良く、紙又はポリマー等を基材(2)として用いることができる。
基材(2)に紙を用いる場合、基材(2)を構成する繊維の種類は、特に限定されるものでなく、各種木材を原料とするKP、SP等の化学パルプ、GP、TMP、CTMP等の機械パルプ、古紙再生パルプを使用することができる。また、イネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹等の非木材も使用することができる。これらの木材又は非木材から得られる繊維を単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。有色の紙として、各色の顔料又は染料を配合して作製された紙を基材(2)として用いてもよい。なお、紙の材料として、一般的に用いられるサイズ剤、紙力増強剤等の薬品、添料は、必要に応じて配合することができる。
また、本発明において、基材(2)に紙を用いる場合、紙の厚さ、坪量は特に限定されるものではなく、一般的な範囲で用いることができ、薄紙の例としては、坪量20〜30g/m、厚さ30〜50μm程度であり、厚紙の例としては、坪量250〜300g/m、厚さ300〜500μm程度であるが、これに限定されるものではない。なお、透過潜像画像形成体(1)の取扱性や耐久性の点から坪量80〜100g/m、厚さ90〜120μm程度の紙を用いることが好ましい。
基材(2)にポリマーを用いる場合、透過光が視認できる材料であれば、透明に限らず、着色されたものでもよい。樹脂の種類としては、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸エステル等を使用することができる。
(潜像画像)
続いて、潜像画像(10)の構成について説明するが、本発明の潜像画像(10)は、三つの構成があり、順に説明する。
(分断画線)
一つ目の潜像画像(10)は、透過光下でフィルタ(20)を重ねて観察角度を変化させると、複数の潜像の図柄が変化して視認できる効果を奏する。ここでは、構成を簡単に説明するため、観察角度を変化した際にアルファベットの文字「A」と、アルファベットの文字「B」で潜像が変化する例について説明する。
図2(a)は、一つ目の潜像画像(10)の構成を示す図であり、潜像画像(10)は、アルファベットの文字「A」を現す第1の潜像要素群(10A)と、アルファベットの文字「B」を現す第2の潜像要素群(10B)によって構成される。また、第1の潜像要素群(10A)と第2の潜像要素群(10B)は、複数の潜像要素(11)によって構成される。
図2(b)は、第1の潜像要素群(10A)の構成を示す図であり、一定の画線幅(W1)の潜像要素(11)が、第1の方向(S1)に、一定のピッチ(P1)で、万線状に配置されて成る。なお、第1の潜像要素群(10A)を構成する潜像要素(11)を、以降、第1の潜像要素(11A)として説明する。図2(b)に示すように、第1の潜像要素群(10A)を構成する各々の第1の潜像要素(11A)は、潜像として出現する基画像の「A」の文字(図示せず)を分割した各々の画線に対応しており、複数の第1の潜像要素(11A)が合わさることで「A」の文字を現す構成となっている。なお、本明細書において「万線状」とは、要素が規則的に複数配列されている状態をいう。
図2(c)は、第2の潜像要素群(10B)の構成を示す図であり、一定の画線幅(W2)の潜像要素(11)が、第1の方向(S1)に、第1の潜像要素(11A)の配置と同じピッチ(P1)で、万線状に配置されて成る。なお、第2の潜像要素群(10B)を構成する潜像要素(11)を、以降、第2の潜像要素(11B)という。なお、以降の説明において、個別の潜像要素(11A、11B)を指すのではなく、潜像要素全般を指す場合には潜像要素(11)として説明する。図2(c)に示すように、第2の潜像要素群(10B)を構成する各々の第2の潜像要素(11B)は、潜像として出現する基画像の「B」の文字(図示せず)を分割した各々の画線に対応しており、複数の第2の潜像要素(11B)が合わさることで「B」の文字を現す構成となっている。
第1の潜像要素(11A)の画線幅(W1)は全て同じであり、第2の潜像要素(11B)の画線幅(W2)も全て同じである必要があるが、第1の潜像要素(11A)の画線幅(W1)と第2の潜像要素(11B)の画線幅(W2)の値は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、それぞれの第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)の位置関係について説明する。第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)は重なり合ってはならない。具体的に第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)は、第1の方向(S1)に位相がずれている必要がある。図2(a)は、その一例として、ピッチ(P1)の2分の1ずれて配置された状態を示している。仮に、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)が重なり合って配置された場合には、透過光下の観察角度において、第1の潜像要素群(10A)が現す「A」の文字と、第2の潜像要素群(10B)が現す「B」の文字が重なり合った不明瞭な画像が出現するため、そのような構成は避けなければならない。
(潜像要素の加工)
潜像要素(11)は、反射光下では基材(2)と同じ色で不可視であり、透過光下で視認できる構成で基材(2)に形成される。透過光下で視認できる潜像要素(11)は、具体的には、潜像要素(11)の周囲の基材(2)に対して、部分的に光透過性が高い構成か、部分的に光透過性が低い構成である。
部分的に光透過性が高い潜像要素(11)を形成する方法としては、紙を製造する工程で、円網やダンディロールによる公知のすき入れ技術を用いて、部分的に厚さが薄い構成とすればよい。図3(a)は、紙の基材(2)にすき入れ技術を用いて、基材(2)より厚さが薄い潜像要素(11)が形成された状態を示す図であり、図2(a)に示す配置に対応して、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)が交互に形成される。図3(a)に示す構成の潜像要素(11)は、紙又はポリマーの基材(2)にレーザ加工により、基材(2)の一部を除去することでも形成することができる。
図3(b)は、紙から成る基材(2)に、メジウム等の透明インキ又は透明ニス等によるすかしインキを印刷することで、潜像要素(11)を形成した透かし技術の例であり、この場合、基材(2)にすかしインキが浸透して、光透過性が高い潜像要素(11)が形成される。
図3(c)は、紙から成る基材(2)に、基材(2)と等色の光遮断性のインキにより、潜像要素(11)以外の領域を覆うことで、基材(2)自体の光透過性を利用し、部分的に光透過性が高い潜像要素(11)を形成した透かし技術の例である。光遮断性のインキは、基材(2)と等色であれば限定はないが、金属顔料を含むインキは光遮断性が高く、潜像要素(11)のコントラストが高くなることから好ましい。なお、図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、基材(2)に潜像要素(11)が配置される方向(S1)における断面図を示したものである。
また、部分的に光透過性が低い潜像要素(11)を形成する方法としては、紙を製造する工程で、円網やダンディロールによる公知のすき入れ技術を用いて、部分的に厚さが厚い構成とすればよい。図4(a)は、紙の基材(2)にすき入れ技術を用いて、基材(2)より厚さが厚い潜像要素(11)が形成された状態を示す図である。図4(a)に示す構成の潜像要素(11)は、紙又はポリマーの基材(2)にレーザ加工により、潜像要素(11)の周囲の基材(2)の一部を除去することでも形成することができる。
図4(b)は、紙又はポリマーの基材(2)に、基材(2)と等色の光遮断性のインキを印刷して光透過性の低い潜像要素(11)を形成した透かし技術の例を示す図である。光遮断性のインキは、前述のように基材(2)と等色であれば、限定はないが、金属顔料を含むインキは光遮断性が高く、潜像要素(11)のコントラストが高くなることから好ましい。なお、図4(a)及び図4(b)は、基材(2)に潜像要素(11)が配置される第1の方向(S1)における断面図を示したものである。
本発明において、潜像要素(11)は、図3及び図4に示すいずれの構成でもよく、図3及び図4に示す構成を組み合わせてもよい。例えば、第1の潜像要素(11A)を図3に示す構成のいずれか一つで構成し、第2の潜像要素(11B)を図4に示す構成のいずれか一つで構成してもよい。また、潜像画像(10)を構成する複数の潜像要素(11)は、基材(2)の一部の領域に形成してもよいし、基材(2)の全体に形成してもよい。
(フィルタ)
次に、本発明を構成する透過潜像画像発現構造(1)を実現する上で、潜像画像(10)に対応して重なることで潜像を出現させるために必要なフィルタ(20)について説明する。図5(a)にフィルタ(20)の平面図、図5(b)にその断面図を示す。図5に示すフィルタ(20)は、公知のレンチキュラーレンズの構成であり、図5(a)に示すように、所定の画線幅(T1)のレンズ要素(21)が、第1の方向(S1)に、潜像要素(11)と同じピッチ(P1)で万線状に配置されて成る。また、図5(b)に示すように、各レンズ要素(21)は、所定の高さ(H)を有している。このレンズ要素(21)の画線高さ(H)については、特に限定されるものではなく、一般的に市販されている公知のレンチキュラーレンズと同様の形状である。なお、図5に示すレンチキュラーレンズは、レンズ要素(21)が離れて配置された状態を示しているが、レンズ要素(21)同士が隣接して一体型となっている構成であってもよいし、ベース層の上にレンズ要素(21)が離れて複数配置されて一体型となっている構成でもよい。また、図5(a)では、図面上分かりやすいように、一部を色付けして図示しているが、本発明におけるレンチキュラーレンズは、透明又は半透明であるため、実際には、ほぼ視認できない色彩となっている。
図6(a)は、潜像画像(10)とフィルタ(20)の関係を示す図であり、一例として、図3(a)に示す構成の潜像画像(10)にレンチキュラーレンズを重ねた状態を示している。レンチキュラーレンズを構成するレンズ要素(21)は、図6(a)に示すように、交互に配置された第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)に、一つのレンズ要素(21)が重なる必要がある。このため、レンズ要素(21)の幅(T1)は、第1の潜像要素(11A)の幅(W1)と第2の潜像要素(11B)の幅(W2)の和よりも大きい形状とする必要がある。なお、第1の潜像要素(11A)及び第2の潜像要素(11B)を配置するピッチ(P1)と、レンズ要素(21)を配置するピッチ(P1)は、同じであることから、図6に示すように、レンズ要素(21)に対する第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)の位置は、全てのレンズ要素(21)において同じ位置に配置される。
なお、それぞれの画線の幅(W、T)については、前述のピッチ(P1)の幅よりも細ければ特に限定はない。また、フィルタ(20)については、前述のとおり、潜像を発現させることができればよく、少なくとも潜像画像(10)を覆う範囲のフィルタ(20)であればよい。
図6(a)は、潜像要素(11)が形成された側の基材(2)の表面にレンズ要素(21)が重なる状態を示しているが、図6(b)に示すように、潜像要素(11)が形成された基材(2)の表面と反対側の表面にレンズ要素(21)を重ねてもよい。また、図3(b)、図3(c)、図4(a)及び図4(b)に示す潜像要素(11)においても、これと同様にして、レンズ要素(21)を重ねてもよい。
(効果)
本発明の透過潜像画像発現構造(1)は、反射光下で観察すると、潜像画像(10)は、基材(2)と等色であることから視認することはできない。一方、図7(a)に示すように、基材(2)に対して傾いた角度(α1)から透過光下で観察すると、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)を透過する光のうち、レンズ要素(21)から成るレンチキュラーレンズを通して第2の潜像要素(11B)のみがサンプリングされることで、複数の第2の潜像要素(11B)から構成された「B」の文字が潜像として視認できる。また、図7(a)に示すように、光透過性が高い潜像要素(11)が形成されている場合、「B」の文字の潜像は、基材(2)より明るく視認できる。
また、図7(b)に示すように、基材(2)に対して傾いた別の角度(α2)から透過光下で観察すると、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)を透過する光のうち、レンズ要素(21)から成るレンチキュラーレンズを通して第1の潜像要素(11A)のみがサンプリングされることで、複数の第1の潜像要素(11A)から構成された「A」の文字が、潜像として基材(2)より明るく視認できる。
以上のように本発明の透過潜像画像発現構造(1)は、反射光下で潜像画像(10)は不可視であるが、フィルタ(20)を用いて傾けて観察すると潜像画像(10)が視認でき、更に異なる角度で傾けると潜像画像(10)が変化して視認できる効果がある。なお、潜像画像(10)とレンチキュラーレンズの位置をずらすことでも、レンズ要素(21)によってサンプリングされる潜像要素(11)が変わることから、視認できる潜像が変化する効果が得られる。
ここでは、潜像画像(10)の構成を簡単に説明するため、「A」と「B」の文字が視認できる例について説明したが、別の図柄に対応した潜像要素(11)を第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)と重ならない配置で形成することで、更に多くの図柄の潜像を形成することもできる。また、潜像画像(10)の図柄は、文字に限定されるものではなく、記号、図形や任意の絵柄等であってもよい。また、ここでは、図3(a)に示す構成の潜像要素(11)にフィルタ(20)を重ねた場合の効果について説明したが、潜像要素(11)を、図4に示すような部分的に光透過性が低い構成とした場合、基材(2)より暗く視認できる潜像が視認される。
また、透過潜像画像発現構造(1)において、図7(a)に示すように、第2の潜像要素(11B)の厚さが一定の場合は、一様な明るさの「B」の文字の潜像が視認されるが、図8(a)に示すように、第2の潜像要素(11B)の厚さを異ならせた場合、厚さが薄い程、明るく視認されることから、潜像画像(10)が明暗を伴って視認される。また、図8(a)では、複数配置される第2の潜像要素(11B)の一端から他端にかけて徐々に厚さが薄くなる構成であることから、図8(b)に示すように、潜像画像(10)となる「B」の文字も、一端から他端にかけて徐々に明るくなるグラデーションとして視認される。
また、図9に示すように、基材(2)より厚い第2の潜像要素(11B)から、基材(2)より薄い第2の潜像要素(11B)まで、厚さを徐々に薄く形成してもよく、この場合もまた、潜像画像(10)となる「B」の文字も、一端から他端にかけて徐々に明るく視認される。特に、図9に示す構成のように、基材(2)より厚い第2の潜像要素(11B)と基材(2)より薄い第2の潜像要素(11B)を備える場合、潜像画像(10)として表現できる明暗の範囲が広がることから、好ましい。なお、図8及び図9に示すように、複数配置される第2の潜像要素(11B)の一端から他端にかけて徐々に厚さが薄い構成に限定されず、所望とする潜像の図柄の明るさに応じた厚さの第2の潜像要素(11B)を形成すればよい。第1の潜像要素(11A)及び以下に説明する潜像要素(11)についても、これと同様にしてもよい。
また、一つの潜像要素(11)において、部分的に厚さが異なってもよい。図10(a)は、その一例として、第2の潜像要素群(10B)が形成された基材(2)の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)のB−B’線における断面図である。図10(b)は、一つの第2の潜像要素(11B)において、一端から他端に向かって徐々に薄く形成された例であり、この場合、第2の潜像要素(11B)も、一端(B−B’線におけるB’側)から他端(B−B’線におけるB側)にかけて徐々に明るく視認される。なお、一つの潜像要素(11)において、部分的に厚さが異なる場合において、一端から他端にかけて徐々に厚さが薄い構成に限定されず、所望とする潜像の図柄の明るさに応じた厚さの第2の潜像要素(11B)を形成すればよい。第1の潜像要素(11A)及び以下に説明する潜像要素(11)についても、これと同様にしてもよい。
潜像が明暗を伴って視認できる効果は、以上に説明した基材(2)の厚さを部分的に異ならせる構成だけでなく、図3(b)のすかしインキによって潜像要素(11)を形成する場合でも可能である。この場合、すかしインキによって形成する潜像要素(11)の面積率又は基材(2)に浸透させるすかしインキの量を部分的に異ならせればよい。同様に、図3(c)及び図4(b)の光遮断性のインキによって潜像要素(11)を形成する場合において、光遮断性のインキを印刷して形成する潜像要素(11)の面積率又は基材(2)に印刷する光遮断性のインキの量を部分的に異ならせればよい。なお、ここでいう潜像要素(11)の面積率とは、単位面積当たりの基材(2)に付与されるすかしインキ又は光遮断性のインキの面積の割合のことである。
本発明において、フィルタ(20)の例としたレンチキュラーレンズを構成するレンズ要素(21)は、図5に示す半球状の構成の他に、フレネルレンズでもよく、この場合、透過潜像画像発現構造(1)全体の厚さが薄くなることから好ましい。
(別のフィルタ)
図11は、レンチキュラーレンズとは別のフィルタ(20)の構成を示す図であり、万線フィルタの構成であり、図11(a)は、万線フィルタの平面図、図11(b)は、その断面図である。この場合、図11(a)に示すように、所定の画線幅(T2)の光遮断要素(22)が、第1の方向(S1)に潜像要素(11)と同じピッチ(P1)で万線状に配置されて成る。万線フィルタは、一般的には、透明フィルム(23)に黒色のインキによって光遮断要素(22)が万線状に配置されたものがあり、その透明フィルム(23)を潜像画像(10)に重ねて観察に用いる。
図12(a)は、潜像画像(10)と万線フィルタの関係を示す図であり、図3(a)に示す構成の潜像画像(10)に万線フィルタを重ねた状態を示している。なお、図12(a)では、光遮断要素(22)が配置される透明フィルム(23)は、省略して図示している。図12(a)に示すように、潜像画像(10)と万線フィルタが重なるとき、光遮断要素(22)は、透過する光を遮断する。このとき、第1の潜像要素(11A)のみ光が透過することから、複数の第1の潜像要素(11A)から構成された「A」の文字を視認することができる。また、図12(a)に示す潜像画像(10)と万線フィルタの配置に対して、位置をずらして、図12(b)に示す配置とした場合には、第2の潜像要素(11B)のみ光が透過することから、複数の第2の潜像要素(11B)から構成された「B」の文字を視認することができる。図12(a)及び図12(b)に示すように、潜像画像(10)と光遮断要素(22)が接している場合、基材(2)に対して傾けて観察する必要はなく、潜像画像(10)と万線フィルタの位置をずらすことで、視認できる潜像画像(10)が変化する効果が得られる。
図13は、図12に示すように、万線フィルタをずらすことなく、潜像画像(10)と万線フィルタの位置を固定して観察する状態を示す図である。この場合、図13に示すように、光遮断要素(22)の死角を利用して、基材(2)に対して傾いた方向から観察すると、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)のうち、一方の潜像要素(11)のみがサンプリングされ、別の傾いた方向から観察すると他方の潜像要素(11)のみがサンプリングされることで、視認できる潜像画像(10)が変化する効果が得られる。
続いて、本発明の潜像画像(10)の二つ目の構成について説明する。なお、二つ目の潜像画像(10)の符号は、説明の便宜上、「(10a)」として説明する。図14(a)は、インテグラルフォトグラフィ方式の立体画像の形成方法を利用して、透過光下の観察で基画像(13)が潜像画像(10)として出現し、傾けて観察する角度により、出現した基画像(13)が動いて見える、動画効果を生じさせることが可能な潜像画像(10a)の形態である。ここでは、図14(b)に示す「桜」の図柄を基画像(13)とした例について説明する。
図14(a)は、インテグラルフォトグラフィ方式の立体画像の形成方法を利用する潜画像(10a)の構成を示す図であり、潜像画像(10a)は、図14(b)に示す「桜」の図柄の基画像(13)を一定の幅で分割して取り出して、取り出した画像を第1の方向(S1)に圧縮して画線幅(W3)とした潜像要素(11a)を、一定のピッチ(P1)で複数配置した構成である。図14(a)の拡大図に示すように、隣り合う潜像要素(11a)同士は、基画像(13)から取り出す際の位相を一ピッチ分だけずらして圧縮しているため、わずかに形状が異なる。なお、インテグラルフォトグラフィ方式の立体画像の形成方法の詳細については、例えば、特許第5200284号公報に記載されており、特許第5200284号公報に記載の画線、画素の構成を本発明の潜像要素(11a)の構成に応用することができる。
(効果)
図14(a)に示した潜像画像(10a)を備えた透過潜像画像発現構造(1)を反射光下で観察すると、潜像画像(10a)は、基材(2)と等色であることから視認することはできない。一方、図15(a)に示すように、透過潜像画像発現構造(1)を透過光下で観察すると、基画像(13)である「桜」の図柄が潜像として視認でき、さらに、図15(b)及び図15(c)に示すように、観察する角度を変化させていくと、潜像が一定の方向に動く様子を視認することができる。
続いて、本発明の潜像画像(10)の三つ目の構成について説明する。なお、三つ目の潜像画像の符号は、説明の便宜上、「(10b)」として説明する。図16(a)は、モアレ拡大現象を利用して潜像として拡大モアレが出現し、傾けて観察する角度により、出現した拡大モアレが動いて見える動画効果が生じる潜像画像(10b)の形態である。ここでは、図16(b)に示す「J」の文字を基画像(13)とした例について説明する。
モアレ拡大現象を利用する潜像画像(10b)は、図16(a)に示すように、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタの方向と直交する第1の方向(S1)に基画像(13)を圧縮した潜像要素(11b)を、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタのピッチ(P1)と異なるピッチ(P2)で複数配置した構成を有する。潜像要素(11b)を配置するピッチ(P2)は、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタのピッチ(P1)より大きくてもよいし、小さくてもよいが、モアレ拡大現象が生じるために、一方のピッチの値が、他方のピッチの値で割り切れる数値であってはならない。なお、一方のピッチの値が、他方のピッチの値の80%から120%(100%を除く)程度の数値である場合、視認性が高く、動画効果も高い拡大モアレが出現することから好ましい。また、このモアレ拡大現象を利用した画線構成は、図16に記載の構成に限定されるものではなく、特許第4844894号公報、特許第5131789号公報等に記載のその他の画線構成を用いてもよい。
(効果)
図16(a)に示した潜像画像(10b)を備えた透過潜像画像発現構造(1)を反射光下で観察すると、潜像画像(10b)は、基材(2)と等色であることから視認することはできない。一方、図17(a)に示すように、透過潜像画像発現構造(1)を透過光下で観察すると、モアレ拡大現象により、「J」の文字の拡大モアレが潜像画像(10)として視認でき、さらに、図17(b)及び図17(c)に示すように、観察する角度を変化させていくと、潜像画像(10)が一定の方向に動く様子を視認することができる。
本発明の透過潜像画像発現構造(1)は、以上に説明した潜像画像(10)の構成により、透過光下で傾けて観察することで、様々な効果を生み出すことができる。
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施形態として、第1の実施の形態で説明した透過潜像画像発現構造(1)を応用して作製する透過潜像画像形成体(100)について説明する。透過潜像画像形成体(100)は、前述の透過潜像画像発現構造(1)の潜像画像(10)とフィルタ(20)とを一体化した技術であって、前述の透過潜像画像発現構造(1)とは異なり、観察者は、フィルタ(20)を別に用意する必要がなく、可視光下で容易に潜像を視認することができるため、真偽判別性に優れた技術である。
図18は、第2の実施の形態の透過潜像画像形成体(100)の概要を示す図であり、図18(a)は、透過潜像画像形成体(100)の平面図であり、図18(b)は、図18(a)のA−A’線における断面図である。図18(a)及び図18(b)に示すように、透過潜像画像形成体(100)は、基材(2)の一部に、潜像画像(10)とフィルタ(20)を備える。図18の例では、基材(2)の一部に、潜像画像(10)とフィルタ(20)を備えた構成であるが、基材(2)全体に潜像画像(10)とフィルタ(20)を形成してもよい。また、図18の例では、額面(101)、記番号(102)が印刷された商品券の例を示しているが、本発明の透過潜像画像形成体(100)は、銀行券、諸証券等の形態であってもよい。
基材(2)については、前述のように光透過性の材料であればよく、紙又はポリマー等を基材(2)として用いることができる。
(潜像画像)
第2の実施の形態において、潜像画像(10)は、図2、図14及び図16に示す構成のいずれの構成であってもよい。ここでは一例として、図14に示す構成の潜像画像(10a)が、基材(2)に形成された構成について説明する。また、潜像画像(10a)を構成する潜像要素(11a)は、図3及び図4を用いて説明したように、潜像要素(11a)の周囲の基材(2)に対して、部分的に光透過性が高い構成と部分的に光透過性が低い構成があるが、ここでは、図3(a)に示すように、部分的に厚さが薄く光透過性が高い潜像要素(11a)が形成された例について説明する。なお、潜像要素(11a)を形成する方法については、前述のとおりであり、紙の基材(2)にすき入れ技術を用いたり、紙又はポリマーの基材(2)にレーザ加工を施す透かし技術を用いて形成することができる。
図18の潜像要素(11a)は、図14(a)に示すインテグラルフォトグラフィ方式の立体画像の形成方法を利用した構成であり、基画像(13)の一例として、図14(b)に示す「桜」の図柄を一定の幅で分割して取り出して、取り出した画像を第1の方向(S1)に圧縮して画線幅(W3)とした潜像要素(11a)を、一定のピッチ(P1)で複数配置した構成である。
(フィルタ)
第2の実施の形態において、フィルタ(20)は、レンチキュラーレンズの構成でもよいし、万線フィルタの構成でも良く、ここでは、レンチキュラーレンズの例で説明する。レンチキュラーレンズの構成は前述のとおりであり、潜像要素(11a)と同じピッチ(P1)で、レンズ要素(21)を複数配置した構成である。また、レンズ要素(21)の幅(T1)は、潜像要素(11a)の幅(W3)より大きく、ピッチ(P1)より小さければ特に限定はない。また、フィルタ(20)は、潜像画像(10a)を発現させることができればよく、少なくとも潜像画像(10a)を覆う範囲のフィルタ(20)であればよい。
基材(2)に、レンチキュラーレンズから成るフィルタ(20)を形成する方法としては、市販されているフィルタ(20)から、潜像要素(11a)のピッチ(P1)に対応したレンチキュラーレンズを適宜選択して用い、接着剤により基材(2)に固定すればよい。なお、あらかじめ選択したレンチキュラーレンズに対応したピッチ(P1)の潜像要素(11a)を基材(2)に形成してもよい。また、スクリーン印刷や凹版印刷、UVインキジェットプリンタのような盛りのある印刷ができる印刷装置によって、透明な樹脂を印刷材料として用いて印刷し、レンズ要素(21)を形成してもよい。この際、基材(2)の表面を平滑にするための塗工層を設けてもよい。また、基材(2)に所定の厚さの樹脂を塗布した後、エンボス成型により、レンズ要素(21)を形成してもよい。なお、レンズ要素(21)を形成するための透明な樹脂としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート等の紫外線硬化型樹脂がある。
また、透過潜像画像形成体(100)全体の厚みを抑えるために、図19に示すように、レンチキュラーレンズが形成される側の基材(2)をあらかじめ薄く加工した凹部(3)を形成し、レンチキュラーレンズを形成してもよい。
ここでは、レンチキュラーレンズの構成のフィルタ(20)が基材(2)に形成される例について説明したが、万線フィルタの構成のフィルタ(20)を形成する場合には、市販されているフィルタから、潜像要素(11a)のピッチ(P1)に対応した万線フィルタを適宜選択して用い、接着剤により基材(2)に固定すればよい。また、黒色や紫色の濃いインキや酸化チタンのような光遮断性の高いインキを基材(2)に印刷することで、光遮断要素(22)を形成することも可能である。ただし、印刷による光遮断要素(22)を形成する場合、死角を生じさせるために、潜像要素(11a)が形成されている面とは反対側の面に、光遮断要素(22)を形成する必要がある。
(効果)
以上の構成で成る第2の実施の形態の透過潜像画像形成体(100)を反射光下で観察すると、潜像画像(10a)は、基材(2)と等色であることから視認することはできない。一方、図15(a)に示すように、透過潜像画像形成体(100)を透過光下で観察すると、基画像(13)である「桜」の図柄が潜像画像(10a)として視認でき、さらに、図15(b)及び図15(c)に示すように、観察する角度を変化させていくと、潜像画像(10a)が一定の方向に動く様子を視認することができる。前述のように、第2の実施の形態の透過潜像画像形成体(100)は、フィルタ(20)を別に用意する必要がなく、可視光下で容易に潜像画像(10a)を視認することができる。
第2の実施の形態で説明した透過潜像画像形成体(100)において、更に基材(2)と異なる色の色要素(31)を形成することで、透過光下で視認される潜像に色彩を付与した構成としてもよい。
図20(a)は、色要素(31)と潜像画像(10a)の関係を示す平面図であり、潜像画像(10a)と重畳するように、基材(2)と異なる色の色要素(31)を形成することで、透過光下で観察すると潜像要素(11a)に色要素(31)が有する色が付与されて、潜像が基材(2)と異なる色で視認される。
図20(b)は、図20(a)のA−A’線における断面図であり、幅(W4)の色要素(31)が潜像要素(11a)のピッチ(P1)と同じピッチ(P3)で、潜像要素(11a)の配置と同じ第1の方向(S1)に、複数配置された状態を示している。仮に、潜像画像(10a)全体に色を付与する場合には、色要素の幅(W4)を潜像要素(11a)の幅(W3)と同じか、それより大きくし、潜像要素(11a)の位置に対応して色要素(31)を形成すればよい。なお、潜像画像(10a)全体に色を付与する場合には、色要素(31)を基材(2)に隙間なく配置した構成、いわゆるベタ印刷した構成でもよい。
一方、色要素(31)の幅(W4)が、潜像要素(11a)の幅(W3)より小さい場合は、潜像の一部に色要素(31)の色が付与されることとなるが、当該構成としてもよい。また、潜像画像(10a)の一部に色要素(31)の色を付与したい場合、色要素(31)を破線、波線、点線等の構成としてもよい。
図20(b)に示す構成に対して、色要素(31)のピッチ(P3)が潜像要素(11a)のピッチ(P1)と異なる場合、色要素(31)と潜像要素(11a)が重なる位置が徐々にずれることにより、観察する角度によって潜像画像(10a)に色要素(31)の色が付与される部分も変化して視認できることから、視覚効果が高い構成である。また、図20(a)に示す構成に対して、図21に示すように、色要素(31)の配置する方向(図中S2方向)を潜像要素(11a)の配置する第1の方向(S1)と異ならせた場合も、観察する角度によって潜像画像(10a)に色要素(31)の色が付与される部分も変化して視認できることから、視覚効果が高い構成である。
また、色要素(31)は、一つの色に限定されることなく、図22に示すように、二つの異なる色の色要素(31A、31B)を形成してもよい。この場合、観察する角度によって潜像画像(10a)の色が変化して視認できる。ここでは、二つの異なる色の色要素(31A、31B)が形成された例について説明したが、更に多くの色要素(31)を形成してもよい。なお、複数の異なる色の色要素(31)を形成する場合において、前述のように、色要素のピッチ(P3)は、潜像要素(11a)のピッチ(P1)と同じでもよいし、異なってもよい。また、複数の異なる色の色要素(31)を形成する場合において、色要素(31A、31B)は、潜像要素(11a)と異なる方向に配置してもよい。
(色要素の加工)
色要素(31)を形成する方法は、凸版印刷、平版印刷方式による印刷機又はインキジェットプリンタ、レーザプリンタ等により形成することができ、インキについては、基材(2)と異なる色を備えていれば特に限定はなく、プロセスインキ、特色インキ等を用いることができる。
ここでは、色要素(31)を備えた透過潜像画像形成体(100)について、図20(b)に示すように、基材(2)に潜像要素(11a)が形成された面とは反対側に、色要素(31)が形成された例について説明したが、潜像要素(11a)が形成された面と同じ面に色要素(31)を形成してもよい。
また、本発明において色要素(31)は、透過光下で視認できる潜像に色を付与することに加えて、引用文献1の技術や、第2の実施の形態で説明した構成の潜像画像(10)を、潜像要素(11)とは重ならない位置に、基材(2)と異なる色のインキを用いて形成してもよい。その場合、透過光下の観察と反射光下の観察で、潜像画像(10)が変化する効果が得られる。
以下、前述の発明を実施するための形態に従って、具体的に作製した透過潜像画像形成体の実施例について詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施の形態で説明した透過潜像画像発現構造(1)である。実施例1の透過潜像画像発現構造(1)について図面を用いて説明する。
図23(a)は、実施例1の潜像画像(10)の構成を示す図であり、潜像画像(10)は、図23(b)に示す「鳳凰」の図柄を構成する第1の潜像要素群(10A)及び図23(c)に示す「桜」の図柄を構成する第2の潜像要素群(10B)を含んで成る。
第1の潜像要素群(10A)を構成する第1の潜像要素(11A)及び第2の潜像要素群(10B)を構成する第2の潜像要素(11B)は、いずれも幅(W1、W2)を172μmとし、ピッチ(P1)を635μmとして、第1の方向(S1)に複数形成した。なお、第1の潜像要素(11A)と第2の潜像要素(11B)は、第1の方向(S1)に250μmずらした配置とした。このような画線構成の潜像要素(11)を公知のすき入れ技術を用いて、紙から成る基材(2)に形成した。なお、すき入れ技術による加工を施していない基材(2)の厚さは、100μmであり、厚さが70μmの潜像要素(11A、11B)を形成した。
判別具として用いるフィルタ(20)として、図24に示すレンチキュラーレンズを用い、レンチキュラーレンズは、線数40Lpi、高さ(H)が830μm、レンズ部の高さ(h)が162μm、視野角(β)が49°のものを用いた。
実施例1の透過潜像画像発現構造(1)の効果について説明する。基材(2)に形成された潜像画像(10)は、反射光下の観察では、基材(2)と等色であるため視認することができなかった。また、潜像画像(10)にフィルタ(20)としてレンチキュラーレンズを重ね、反射光下で観察しても、レンチキュラーレンズのみ視認され、潜像画像(10)を視認することができなかった。一方、潜像画像(10)に、フィルタ(20)としてレンチキュラーレンズを重ね、透過光下でレンズ要素(21)に対して一方の側から観察すると、「鳳凰」の図柄が明るく視認され、レンズ要素(21)に対して他方の側から観察すると「桜」の図柄が明るく視認された。以上のように、潜像画像(10)にフィルタ(20)を重ね、観察角度を変更することで視認される画像がチェンジする効果を有することが確認できた。
(実施例2)
実施例2は、第2の実施の形態で説明した透過潜像画像形成体(100)である。実施例2の透過潜像画像形成体(100)において、基材(2)には、白色の上質紙(しらおい 日本製紙製)を用いた。
実施例2の潜像画像(10)は、図14に示す構成とし、図14(b)に示す「桜」の図柄を基画像(13)として、一定の幅で分割して取り出して、取り出した画像を第1の方向(S1)に圧縮した潜像要素(11a)を一定のピッチで複数配置した。なお、潜像要素(11a)の画線幅(W3)を172μmとし、635μmのピッチ(P1)で複数配置した。また、潜像要素(11a)は、酸化チタンを顔料とした白インキ(No.3 UVLカートン白 T&K TOKA製)を用いて、基材(2)にウェットオフセット印刷により形成した。
判別具として用いるフィルタ(20)は、実施例1と同じ構成のレンチキュラーレンズであり、基材(2)に潜像画像(10)を形成した面に、接着剤を用いてレンチキュラーレンズを貼り付けることで、透過潜像画像形成体(100)を作製した。
実施例2の透過潜像画像形成体(100)を反射光下で観察すると、潜像画像(10)は、基材(2)と等色であることから視認することはできなかった。一方、透過潜像画像形成体(100)を透過光下で観察すると、基画像(13)である「桜」の図柄が、周囲より暗く見える潜像として視認でき、さらに、観察する角度を変化させていくと、潜像画像(10)が一定の方向に動く様子を視認することができた。
1 透過潜像画像発現構造
2 基材
3 凹部
10、10a 潜像画像
10A 第1の潜像要素群
10B 第2の潜像要素群
11、11a 潜像要素
11A 第1の潜像要素
11B 第2の潜像要素
20 フィルタ
21 レンズ要素
22 光遮断要素
31 色要素
100 透過潜像画像形成体
101 額面
102 記番号

Claims (10)

  1. 基材の少なくとも一部に、基画像が分割及び/又は圧縮された潜像要素が一定のピッチで複数形成されて成る潜像画像と、前記潜像要素に対応したレンズ要素又は光遮断要素が複数配置されたフィルタとを含む透過潜像画像発現構造であって、前記潜像要素は、反射光下では前記基材と等色で、かつ、前記基材とは光透過性が異なり、前記潜像画像と前記フィルタを重ねて、透過光下で観察すると前記基画像が潜像として視認され、観察角度又は前記フィルタの位置を変化させると前記潜像が変化して視認されることを特徴とする透過潜像画像発現構造。
  2. 前記潜像要素は、前記基材とは厚さが異なることを特徴とする請求項1記載の透過潜像画像発現構造。
  3. 前記複数形成された前記潜像要素において、部分的に厚さが異なり、前記潜像が濃淡を有して視認されることを特徴とする請求項2記載の透過潜像画像発現構造。
  4. 前記潜像要素は、すかしインキ又は光遮断性のインキにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の透過潜像画像発現構造。
  5. 基材の一方の面の少なくとも一部に、反射光下では前記基材と等色で前記基材とは光透過性が異なり、かつ、基画像が分割及び/又は圧縮された潜像要素が一定のピッチで複数形成されて成る潜像画像が形成され、前記潜像画像の上又は前記基材の他方の面の前記潜像画像に重畳する位置に、前記潜像要素に対応した複数のレンズ要素又は複数の光遮断要素を備えたフィルタが形成され、透過光下で観察すると前記基画像が潜像として視認され、観察角度を変化させると前記潜像が変化して視認されることを特徴とする透過潜像画像形成体。
  6. 前記潜像要素は、前記基材とは厚さが異なることを特徴とする請求項5記載の透過潜像画像形成体。
  7. 前記複数形成された前記潜像要素において、部分的に厚さが異なり、前記潜像が濃淡を有して視認されることを特徴とする請求項6記載の透過潜像画像形成体。
  8. 前記潜像要素は、すかしインキ又は光遮断性のインキにより形成されたことを特徴とする請求項5記載の透過潜像画像形成体。
  9. 前記複数のレンズ要素を備えたフィルタが、前記基材の他方の面に形成される場合、前記レンズ要素は、前記基材の他方の面に設けた凹部に形成されたことを特徴とする請求項5から8までのいずれか1項に記載の透過潜像画像形成体。
  10. 前記基材と異なる色の色要素が、前記潜像要素の少なくとも一部に重畳して形成されたことを特徴とする請求項5から9までのいずれか1項に記載の透過潜像画像形成体。
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