JP7329800B2 - 潜像印刷物 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施の形態における潜像印刷物(1)の基本的な構成について、図1から図8までを用いて説明する。図1に、本発明の潜像印刷物(1)を示す。潜像印刷物(1)は、基材(2)上に印刷画像(3)を有して成る。基材(2)は、印刷画像(3)が形成可能な面を備えていれば、材質は特に限定されるものではなく、上質紙、コート紙、プラスティック、金属等を用いることができる。その他、基材(2)の色彩や大きさについても特に制限はない。印刷画像(3)の色彩については、基材(2)と異なる色彩であれば、いかなる色彩でもよい。
続いて、潜像要素群(6)について図4を用いて説明する。潜像要素群(6)は、正反射時に出現する潜像画像(13)の元となる基画像(8)を、例えば、特許第5200284号公報に記載の方法で加工することで形成する。具体的には、図4(a)に示す基画像(8)を設定し、基画像(8)を第一の方向(S1)に一定の幅で切り出し、特定の縮率で第一の方向(S1)に圧縮することで、一つの潜像要素(9)を作製する。基画像(8)を切り出す位置を同じピッチ(P1)で第一の方向(S1)にずらしながら、切り出しから圧縮を繰り返して潜像要素(9)を順番に作製し、それぞれの潜像要素(9)を蒲鉾状要素(7)のピッチ(P1)と同じピッチ(P1)で第一の方向(S1)に規則的に配列することで、図4(b)に示す潜像要素群(6)を作製することができる。図4(b)に示すように、隣り合う潜像要素(9)同士は、基画像(8)から取り出す際の位置をずらして切り出されるため、互いの形状が異なる。ここでは、基画像(8)として、図4(a)に示す「桜の花びら」をネガの状態で現した図柄を設定した例について説明する。
続いて、色彩要素群(4)について、図5を用いて説明する。色彩要素群(4)は、図5に示すように、潜像要素群(6)とはネガポジ反転した関係の構成となっており、複数の色彩要素(10)が規則的に配列されて成る。また、色彩要素群(4)は、潜像要素群(6)の色彩とは異なるとともに、潜像画像(13)に色彩要素群(4)の色彩を付与するために有色とする必要がある。
続いて、色彩要素群(4)の色彩制限に関する説明をする。実際には、印刷画像(3)における色彩制限であるが、印刷画像(3)の主たる色彩は、色彩要素群(4)、蒲鉾状要素群(5)、潜像要素群(6)の三つの要素の減法混色によって決定される。印刷画像(3)の色彩の設計の段階において、それぞれの色彩の境目において適用する色彩について考慮する必要がある。色彩の境目において、色差が大きすぎる色彩同士を隣接し、隣り合う色彩として配置した場合、本発明の効果は生じないか、その効果が著しく低下する。例えば、極めて濃い赤と完全な白を色彩の境目で隣り合わせた場合、いかに潜像要素群(6)や色彩要素群(4)の構成で工夫を凝らしたとしても、本発明の効果は生じない。そのため、色彩の境目で隣り合う色彩は、一定の色差の範囲に収める必要がある。
続いて、図6に本発明の潜像印刷物(1)の印刷画像(3)の積層順について説明する。印刷画像(3)は、図6(a)に示すように、基材(2)をベースにして(図示せず)、まず色彩要素群(4)を形成し、その上に蒲鉾状要素群(5)、更にその上に潜像要素群(6)を積層した構成か、又は、図6(b)に示すように、基材(2)をベースにして(図示せず)、まず蒲鉾状要素群(5)、その上に色彩要素群(4)と潜像要素群(6)を積層した構成とする。なお、図6(a)に示す積層順の場合、蒲鉾状要素群(5)の下に形成された色彩要素群(4)の色彩を潜像画像(13)に付与するため、蒲鉾状要素(7)は、光透過性を備える構成とする必要がある。
続いて、本発明の潜像印刷物(1)の効果について、図8を用いて説明する。なお、潜像印刷物(1)の効果について説明するため、一例として、潜像要素群(6)の色彩が水色で構成され、色彩要素群(4)の色彩が桃色で構成された潜像印刷物(1)について説明する。
図9は、本発明の色彩要素群(4)と比較のため、特開2019-126977号公報に記載の色彩要素群(14)の構成を示す図である。前述のように、正反射光下で潜像画像(13)の「桜の花びら」が桃色、その背景が水色として視認されるために、従来の色彩要素群(14)は、図9に示すように、桃色の色彩要素群(14A)と、水色の色彩背景部(14B)を備える構成とする必要があったが、本発明の色彩要素群(4)は、水色の色彩背景部(14B)を備えることがなく、潜像要素群(6)自体が水色で構成される。このため、特開2019-126977号公報に記載の潜像要素群を設ける必要がないことから、印刷画像(3)を構成する色数も従来の技術よりも1色少なく構成でき、さらに透明インキを用いる必要がないために品質管理が容易になる。また、本発明は、有色の潜像要素群(6)が印刷画像(3)の最表面に積層した場合、潜像要素群(6)による色彩が鮮やかな潜像画像(13)を視認できるという効果がある。
本実施の形態では、図4に示す潜像要素群(6)と図5に示す色彩要素群(4)を備えた印刷画像(3)の構成について説明したが、図10(a)に示すように、潜像要素群(6)は、「桜の花びら」をポジの状態で現した基画像(図示せず)を基に作製してもよく、その場合、色彩要素群(4)は、図10(b)に示すように、「桜の花びら」をネガの状態で現した基画像(図示せず)に対応した構成となる。
図11は、色彩要素群(4)の色彩が部分的に異なる構成を示す図であり、「桜の花びら」を彩る領域(4A)が桃色で構成され、「桜の花びらの中心部」を彩る領域(4B)が黄色で構成された例を示している。図11に示す構成において、色彩要素群(4)を構成する色彩要素(10)は、図11の拡大図に示すように、領域(4A)に対応した色彩要素(10A)と領域(4B)に対応した色彩要素(10B)から成り、色彩要素(10A)と色彩要素(10B)の色彩が異なる。
図12は、図11に示す色彩要素群(4)の構成に対して、「桜の花びらの中心部」を彩る領域(4B)を除いた構成(色を付与しない)の色彩要素群(4)の構成を示す図である。この場合、潜像印刷物(1)を正反射光下で観察した際に、潜像画像(13)の「桜の花びらの中心部」は、色彩要素群(4)の色彩が施されていないため、色彩要素群(4)の下の基材(2)の色彩が視認される。すなわち、基材(2)の色彩が、図11に示す色彩要素(10B)の役割を果たし、潜像画像(13)の色彩を表現することができる。図12に示すように、色彩要素群(4)の一部の領域に色彩を付与せず、基材(2)の色で置き換える構成は、印刷画像(3)を形成するインキを少なくでき、セキュリティ印刷物を印刷するための印刷ユニットの数の制約の課題の解決、更には、コスト削減できるという効果がある。なお、図12では、「桜の花びらの中心部」を彩る領域(4B)を除いた構成(色彩を付与しない)について説明したが、「桜の花びら」を彩る領域(4A)を除いた(色彩を付与しない)構成としてもよい。
第1の実施の形態の印刷画像(3)は、色彩要素群(4)と潜像要素群(6)が嵌り合うように印刷する必要があるが、第2の実施の形態は、色彩要素群(4)と潜像要素群(6)を容易に位置合わせして作製できる潜像印刷物(1)である。なお、第2の実施の形態の潜像印刷物(1)について、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
図14は、第2の実施の形態の潜像印刷物(1)の印刷画像(3)の積層順について説明する図である。第2の実施の形態においても、図14(a)に示すように、基材(2)をベースにして(図示せず)、まず色彩要素群(4)と色彩部(16)を形成し、その上に蒲鉾状要素群(5)、更にその上に潜像要素群(6)を積層した構成か、又は、図14(b)に示すように、基材(2)をベースにして(図示せず)、まず蒲鉾状要素群(5)、その上に色彩要素群(4)と色彩部(16)を形成し、更にその上に潜像要素群(6)を積層した構成とする。なお、潜像要素群(6)の濃度が高い場合には、蒲鉾状要素群(5)の上に潜像要素群(6)を重ね、その上に色彩要素群(4)を配置することも可能である(図示せず)。
図14に示す積層構造の第2の実施の形態の潜像印刷物(1)において、色彩部(16)を設けることにより、正反射光下で視認される潜像画像(13)の「桜の花びら」以外の領域にも、色彩部(16)の色彩が現れてしまう。具体的には、潜像要素群(6)の濃度が低く、その下に積層されている色彩部(16)の色彩が見えてしまう場合がある。このような場合に、潜像要素群(6)は、その下に形成される色彩要素群(4)の色彩の一部を完全に覆い隠すために、光遮断性が高いことが望ましい。光遮断性を高めるには、潜像要素群(6)の色彩の濃度を高めることも一つの手段であるが、濃度が高すぎると、色彩要素群(4)の色彩も制限されるとともに、動画効果が低下する可能性がある。このため、潜像要素群(6)は低い濃度(淡い色彩)で、かつ、高い光遮断性を有することがより望ましい。この構成を満たすには、白色顔料のような、色彩を淡くし、かつ、光遮断性を高める顔料を、潜像要素群(6)を形成するインキに混合することが適している。具体的には、着色インキにチタン白を混合することで、色彩は淡く、かつ、光遮断性を高めたインキとすることが最も好ましい。
実施例1の潜像印刷物(1)は、図1に示すように、基材(2)上に、桃色、黄色、水色の色彩から成る印刷画像(3)を有して成る。基材(2)には、白色の微塗工紙(グラディオスCC 日本製紙製)を用いた。
2 基材
3 印刷画像
4 色彩要素群
4-1 第1の色彩要素群(実施例1)
4-2 第2の色彩要素群(実施例1)
5 蒲鉾状要素群
6 潜像要素群
7 蒲鉾状要素
8 基画像
8’ 基画像
9 潜像要素
10 色彩要素
11 光源
12 観察者
13 潜像画像
13A、13B 潜像画像(実施例1)
14 従来技術の色彩要素群
16 色彩部
Claims (5)
- 基材の少なくとも一部に、色彩要素群、蒲鉾状要素群及び潜像要素群が順に積層された印刷画像を備え、
前記蒲鉾状要素群は、明暗フリップフロップ性及び光透過性を有し、盛り上がりを有する蒲鉾状要素が規則的に配列されて成り、
前記潜像要素群は、所定の色彩を有し、かつ、基画像が分割又は分割圧縮された潜像要素が規則的に配列されて成り、
前記色彩要素群は、前記基材及び前記潜像要素と異なる色彩であって、前記潜像要素とネガポジ関係にある色彩要素が規則的に配列されて成り、
前記印刷画像において、異なる色彩で隣接する領域の色差ΔEが30以下であり、前記潜像要素群に少なくとも前記色彩要素群が嵌り合って配置され、
正反射光下で観察すると、前記色彩要素群と前記潜像要素群の色彩を有する潜像画像が視認されることを特徴とする潜像印刷物。 - 基材の少なくとも一部に、蒲鉾状要素群の上に、色彩要素群及び潜像要素群が積層された印刷画像を備え、
前記蒲鉾状要素群は、明暗フリップフロップ性を有し、盛り上がりを有する蒲鉾状要素が規則的に配列されて成り、
前記潜像要素群は、所定の色彩を有し、かつ、基画像が分割又は分割圧縮された潜像要素が規則的に配列されて成り、
前記色彩要素群は、前記基材及び前記潜像要素と異なる色彩であって、前記潜像要素とネガポジ関係にある色彩要素が規則的に配列されて成り、
前記印刷画像において、異なる色彩で隣接する領域の色差ΔEが30以下であり、前記潜像要素群に少なくとも前記色彩要素群が嵌り合って配置され、
正反射光下で観察すると、前記色彩要素群と前記潜像要素群の色彩を有する潜像画像が視認されることを特徴とする潜像印刷物。 - 前記色彩要素群の色彩が部分的に異なることを特徴とする請求項1又は2記載の潜像印刷物。
- 前記印刷画像は、前記色彩要素群に隣接し、前記色彩要素群と同じ色彩で形成された色彩部を備え、前記潜像要素群に、前記色彩要素群の一部と前記色彩部の一部が嵌り合って配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の潜像印刷物。
- 前記潜像要素群が、最表面に積層され、かつ、光遮断性のインキにより形成されたことを特徴とする請求項4記載の潜像印刷物。
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