JP2005246746A - 画像形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上に第1の画線を印刷し、その上にスクリーン印刷やラミネート加工を使用し透明な材料の層を形成し、更にその上に第1の画線を遮蔽することが可能な第2の画線及び第3の画線を印刷することで、第2、第3の画線が遮蔽しない部分から第1の画線を選択的に観察できるため、透明なカード基材に表裏印刷を行うことでしか実現できなかったものを、紙などの不透明な基材上でも観察角度が変化することにより色彩及び画像が変化していく形成体に関する。
【解決手段】基材の一部又は全部に、前記基材の色とは異なるn色(nは整数)の複数の第1の画線2と、前記第1の画線と非画線の上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2及び第3の複数の画線4が構成され、前記第2の画線によりメッセージが形成されており、前記第3の画線により背景が形成されて成る画像形成体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、銀行券、郵券、旅券、株券、有価証券、通行回数券、カード等の偽造、変造を防止する必要のある印刷物に適用される形成体に関するものである。
従来ではコピー機やスキャナーを使用した偽造を防止するためにホログラムや観察角度を変化すると色彩が変わる光学的変化インキを使用したものがある。しかし、これらは非常に高価であるため、大量に製造するにはコストがかかる問題があった。そのため、カードなどの透明基材を利用して裏に印刷された画像と表面に印刷された画像により、裏面の画像を選択して出現させ、さらに、観察角度を変化させることで異なった画像を出現させるものがある(例えば特許文献1参照)。
また、透明性シートの表裏に、所定ピッチで並行した筋による縞柄を設け、少なくとも一方の縞柄が夫々色分けされ、少なくとも一方の縞柄は、筋のピッチをずらして模様を形成したものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2003−39862号公報(第5頁、図1) 特許第2802484号公報(第5頁、図5)
しかし、特開2003−39862号公報によると、コア層表面に印刷された第1の印刷層には、画像を形成するためのパターンはなく、コア層裏面の第2の印刷層に第1のパターン及び第2のパターンを印刷し第1の印刷層によって隠蔽することで画像の変化を付与している。また、特開2003−39862号公報に記載の偽造防止カードは、基材の表裏に印刷を行うことが必須条件であり、さらに裏面に印刷される万線模様には隠蔽層に使用される銀ベースの光学特性を表面に視認させるため、万線の間に間隙が作られており、且つ特開2003−39862号公報の効果を得るためには、透明なカード基材を使用することが前提とされており、紙などの基材上で再現することは不可能である。
また、特許第2802484号公報によると、縞柄の筋のピッチをずらすことにより模様を形成しているが、幅は均一であるため、模様が背景に対して際立って認識することは不可能である。
更に、特開2003−39862号公報及び特許第2802484号公報によると、基材の表裏に印刷を行うこと、及び透明なカード基材を使用することが前提とされており、紙などの基材上で再現することは不可能である。
本発明は、このような従来の問題を解決することを目的としたもので、基材上に画線からなる第1の画線を印刷し、その上に層としてスクリーン印刷やラミネート加工を使用し透明な材料を層に加工し、さらにその上に第1の画線及び層を遮蔽することが可能な第2の画線及び第3の画線の印刷を行うことで、第2、第3の画線が遮蔽しない部分から第1の画線を選択的に観察することにより、透明なカード基材に表裏印刷を行うことでしか実現できなかったものを、紙などの不透明な基材上でも色彩変化や画像のスイッチング効果、すなわち観察角度が変化することにより色彩及び画像が変化していくことが可能となり、偽造防止の必要な有価証券類等に幅広く提供する。
本発明は基材の一部又は全部に、前記基材の色とは異なるn色(nは整数)の複数の第1の画線と、前記第1の画線と非画線の上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2及び第3の複数の画線が構成され、前記第2の画線によりメッセージが形成されており、前記第3の画線により背景が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は基材の一部又は全部に、それぞれ異なるn色(nは整数)の第1の線、第2の線・・・第nの線からなる第1の画線が隙間なく形成され、前記第1の画線上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2及び第3の複数の画線が構成され、前記第2の画線によりメッセージが形成されており、前記第3の画線により背景が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第2の画線と第3の画線は、第1の画線のピッチとm倍(mは0以上の数)のピッチを有することを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線、第2の画線及び第3の画線が点線、波線、実線であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第2の画線及び第3の画線は、第1の画線、非画線及び層を遮蔽することができる材料であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第2の画線と第3の画線の画線幅が異なる又は画線がずれていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線の一部で画線幅が異なる又は画線がずれることによりメッセージを形成したことを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線の配列角度と第2、第3の画線の配列角度が異なっていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は透明又は半透明な層が、機能性材料を有していることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線、第2の画線、第3の画線及び透明又は半透明な層が印刷により施されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は基材の一部又は全部に、前記基材の色とは異なるn色(nは整数)の複数の第1の画線と、前記第1の画線と非画線の上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2の画線が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は基材の一部又は全部に、それぞれ異なるn色(nは整数)の第1の線、第2の線・・・第nの線からなる第1の画線が隙間なく形成され、前記第1の画線上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2の画線が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第2の画線は、第1の画線のピッチとm倍(mは0以上の数)のピッチを有することを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線及び第2の画線が点線、波線、実線であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第2の画線は、第1の画線及び層を遮蔽することができる材料であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線の一部で画線幅が異なる又は画線がずれることによりメッセージを形成したことを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線の配列角度と第2の画線の配列角度が異なっていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は透明又は半透明な層が、機能性材料を有していることを特徴とする画像形成体である。
本発明は第1の画線、第2の画線及び透明又は半透明な層が印刷により施されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明は、層の透明又は半透明な材料の厚みが1μmから3000μmの範囲であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は、各々の画線の線幅が10μmから1000μmの範囲であることを特徴とする画像形成体である。
本発明は、各々の画線のピッチが20μmから2000μmの範囲であることを特徴とする画像形成体である。
基材表面に施した第1の画線と、その上に透明又は半透明な材料により層を持たせ、さらにその上に施した第2の画線及び第3の画線からなる基材表面の画線の一部を遮蔽することができる程度の濃度を持った材料、すなわち黒色などを施すことにより、真上から観察したときは第1の画線の一部が観察でき、観察角度を変化することにより、遮蔽される第1の画線が変化することで、画線が色の配色である場合は色の変化が現れ、画線が破線や点線、または網点などを利用した図形であれば画像の変化が認識できる。
また、透明又は半透明な層をインキにより基材上に設けることで、従来ではカード基材など透明なフィルム素材でしかなしえなかった画像の変化が、上質紙などの紙の表面でも行えるようになり、有価証券類などに幅広く採用することが可能となる。
また、メッセージを形成する画線の幅と、背景を構成する画線の幅を異ならせることにより、同一の画線幅で画線をずらしてメッセージを形成するよりも、より一層メッセージを際立たせて認識することが可能となる。
また、第1の画線と透明又は半透明な層の上に施される第2、及び第3の画線の配列角度を異ならせることにより、基材に対してどの角度から観察しても、虹彩色に認識でき、装飾性がさらに向上する。
更に、透明又は半透明な層に、蓄光、ガラスフレーク、コレステリック液晶、紫外線発光、赤外線反射及び赤外線吸収等の光を透過する機能性顔料を入れることにより、更なる偽造防止効果が可能となる。
本発明の画像形成体は、銀行券、郵券、旅券、株券、有価証券、回数券、カード、入場券、証明書等の偽造や変造を防止する必要のある形成体はもちろんのこと、ブランドプロテクションと呼ばれるブランドの真贋判別のほか、品質を保証するためのタグに活用することや、クリスマスカードや贈答品メッセージカード等のグリーティングカードと呼ばれる装飾性を向上させたい一般的な印刷物に活用することも可能である。
次に図面を参照に本発明にかかる画像形成体の実施形態について説明する。
図1は本発明における基本構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A´断面図である。さらにaからcは第1の画線2と第2、第3の画線4とのレリーフ模様の重なり具合を拡大して示したものである。aでは第1の画線2に対して第2、第3の画線4のレリーフ模様が印刷されており、bでは非画線5に対して第2、第3の画線4のレリーフ模様が印刷されている状態を示している。cは第1の画線2と非画線5とまたがるように印刷されており、いずれの状態も本発明を構成することは可能であるが、第2の画線はaの状態で第3の画線はbの状態にて実施するとより好ましい。なお、第1の画線のピッチに対して、第2、第3の画線はm倍のピッチで構成することが好ましく、この場合のmは0以上の数となるが、より好ましいのは1以上の整数である。
図3は本発明における図1の基本原理を説明する図である。aでは形成体を真上から観察したときに第1の画線2は第2、第3の画線4によって一部が遮蔽されることにより、非画線5が観察され、bでは観察角度を変化することで層3の厚みにより第2、第3の画線4に遮蔽されていた第1の画線2が観察される。
また、層3における材料の高さ(非画線では基材からの高さ、第1の画線上では第1の画線からの高さ)は20μmから3000μmの範囲が好ましい。20μm以下であると画像のスイッチング効果が明瞭に現れず、また3000μm以上であれば、画像のスイッチング効果は明瞭になる。
層3に使用される透明又は半透明の材料は、インキのみならず透明又は半透明なラミネートフィルムや、ホログラムの貼付に使用される熱圧着による透明箔押し(ホットスタンピング)を応用することで本発明と同様の効果が得ることができる。また、層を透明な樹脂などで射出成型し、第1の画線及び基材に張り合わせることも可能である。
さらに層3に使用される材料内部に、蓄光、ガラスフレーク、コレステリック液晶、紫外線発光、赤外線反射及び赤外線吸収等の光を透過する機能性顔料を入れることにより、更なる偽造防止効果の向上を図ることができる。また、層3に使用される透明又は半透明な材料のうち少なくとも一つの材料は、第1の画線2の画線上に印刷した場合、第1の画線2が視認できる程度の透明性が好ましく、色調も特に限定されるものではない。
図4は第1の画線2において基材1を隠蔽したものを示す平面図であり、図5は図4におけるB−B´断面図である。さらに、aからcは第1の画線2と第2、第3の画線4の重なり具合を拡大して示したものである。aは第1の画線2の画線2本に対して第2、第3の画線4の画線1本が印刷されており(例えば第1の層において1本150μmの線が3本配列されて450μmの線が一つのパターンとしているとき、第2、第3の画線は線幅300μm、ピッチ450μmにすることが望ましい。)、bでは第1の画線2本に対してまたがるように印刷されており(aと画線幅及びピッチ配列は同様であるが第1の画線と第2、第3の画線において重なり具合が異なっている。)、cでは第1の画線2の画線1本に対して第2、第3の画線4の画線1本が印刷されており(例えば第1の画線において1本150μmの線が3本配列されて450μmの線が一つのパターンとしているとき、第2、第3の画線も線幅150μm、ピッチ450μmにすることが望ましい。)いずれの状態でも本発明を構成することは可能でありaからcの組み合わせも可能である。
図6は本発明における図4の基本原理を説明する図である。aでは形成体を真上から観察したときに第1の画線2は第2、第3の画線4によって一部が遮蔽されることにより、第1の画線2の一部が観察され、bでは観察角度を変化することで層3の厚みにより第2、第3の画線に遮蔽されていた第1の画線2の一部が観察される。cではbの観察角度と別角度から観察することで、bと異なった画像を認識することが可能となる。
図7は第1の画線、第2、第3の画線に使用される万線の状態を示した図である。aは実線であり、b及びcは点線であり、dは点線であるが線の間隔が不連続であることを示す。eは波線であるが波の大きさや振幅数は小さいものが好ましい。この図では正弦波を模しているが矩形波等を利用することも可能である。しかし、aに示すような直線が好ましい。f、g、hは一本の線から分岐されたものであり、部分的にこのような分岐線を利用することでさらなる偽造防止効果が得られる。fは分岐された線が接することなく分離している状態であり、gはfと比べ分岐された線が接している。hは分岐された線が2本ではなく3本となっている。また、分岐線にb、c、dのような点線を応用することも可能である。第1の画線及び第2、第3の画線にこれらすべてを応用することが可能であるがaに示すような実線がより好ましい。
また、第1の画線、及び第2、第3の画線に使用される各画線幅は10μmから1000μmの間で実施されることが好ましい。この範囲以外でも本発明を実施することは可能であるが層の高さが20μmから3000μmの範囲で実施するとき、本発明における画像の変化を明瞭に認識するには各画線幅を10μmから1000μmの範囲にすることがより好ましい。
図8は第1の画線2におけるメッセージ8と背景の万線の様子を示す図である。aはメッセージと背景に差がなく第1の画線と非画線のみの構成であり、bはメッセージと背景に差がなく画線のみの構成であり(aは非画線があり、bは非画線がない)、cは背景に比べてメッセージ8が細い(淡く認識)状態で構成されており、dは背景に比べてメッセージ8が太い(濃く認識)状態で構成されており、eは背景に比べてメッセージ8が細い(淡く認識)状態で画線のみにて構成されており(cは非画線が有るがeでは非画線はない)、fは背景に比べてメッセージ8が太い(濃く認識)状態で画線のみにて構成されており(dは非画線が有るがfでは非画線はない)、gは背景とメッセージ8のピッチをずらして構成したものであり(aの状態においてメッセージのピッチを背景とずらしてある)、hはgと同様であるが非画線がない状態である。第1の画線はいずれの状態においても実施可能である。
図9は第2、第3の画線4における第2の画線からなるメッセージ6と第3の画線からなる背景7の各万線の様子を示す図である。aはメッセージ6と背景7の差がなく万線のみの構成であり、bはメッセージ6と背景7のピッチがずれて構成されており、cは背景7に比べてメッセージ6が太い(濃く認識)状態で構成されており、dは背景7に比べてメッセージ6が細い(淡く認識)状態で構成されている。第2、第3の画線はいずれの状態においても実施可能である。
図10は第1の画線及び第2、第3の画線におけるメッセージと背景の万線の様子を示す図であり、aからeの図はメッセージと背景の画線の重なり具合を拡大して示すものである。aではメッセージと背景の画線が離れている状態であり、bでは画線がずれている状態であり、cではメッセージの画線が背景の画線に比べて太くなっている状態であり、dではメッセージの画線が背景の画線に比べて細くなっている状態であり、eではメッセージの画線が背景の画線と結合しながらもずれている状態(レリーフ模様)を示しており、いずれの状態でも本発明を構成することができaからeの組み合わせも可能である。
また、第1の画線及び第2、第3の画線がメッセージと背景に区分けされ、メッセージが背景に比べてピッチをずらしてレリーフ模様とする場合は、背景のピッチの範囲でレリーフ模様を立ち上げることが好ましい。すなわち画線幅150μm、ピッチ300μmの万線模様の場合、メッセージのピッチずれ間隔は1μmから299μmにするとよい。さらに100μmから200μmにすると視認性が向上するので好ましい。
さらに、第2、第3の画線に用いられる材料は、第1の画線及び層を遮蔽できる程度の濃度が必要であり、これを満たすものものであれば色彩は特に限定されるものではない。
また、第2、第3の画線におけるインキの高さ(層からの高さ)は20μm以下にしたほうがよい。好ましくは5μm以下である。これは第2、第3の画線のインキに必要以上の高さがあると、斜めから観察したときに、インキの高さによって第1の画線の隣り合う画線が認識しにくくなるためである。
図11は第1の画線、第2及び第3の画線の配列状態を示す図である。aは第1の画線における背景及び第3の画線(背景)と第1の画線におけるメッセージ及び第2の画線(メッセージ)が平行に配列されている様子を示したものである。bはメッセージを0度の配列とした場合、背景の配列角度(この図では配列角度を変化させていることを明確にするため45度程度とした)を変化させて配列されている様子を示したものである。cは第1の画線における背景と第3の画線(背景)を0度とし第1の画線におけるメッセージと第2の画線(メッセージ)の配列角度(この図では配列角度を変化させていることを明確にするため45度程度とした)を変化させたものを示した図である。a、bまたはcいずれの配列角度でも本発明を構成することは可能であるが、aに示すような平行がより好ましい。
また、第1の画線を0度とした場合、第2、第3の画線は0度から90度の範囲で配列角度を変化させることも可能であるが、本発明による効果を明瞭に得るには0度から45度の範囲が好ましい。さらにはデザインの装飾性などを考慮すると2度から10度の範囲がより好ましい。第1の画線と第2、第3の画線の配列角度を変化させることで互いの画線によるモアレ現象が発生し、第1の画線が赤、青、黄などで印刷したとき、第2、第3の画線によって互いの色が混色することでレインボー状になり装飾性がさらに向上する。
本発明の第1の画線及び第2、第3の画線を形成する材料は、紫外線硬化インキ、電子線硬化インキ、紫外線硬化及び酸化重合機能を併せ持つインキ、酸化重合インキ、溶剤蒸発乾燥型インキ、2液反応型インキなどが使用でき、さらには、インクジェットプリンター、レーザープリンターなど市販のプリンターを使用することも可能である。
また、層に使用される材料は、紫外線硬化インキ、電子線硬化インキ、紫外線硬化及び酸化重合機能を併せ持つインキ、酸化重合インキ、溶剤蒸発乾燥型インキ、2液反応型インキなどが使用できるが、紫外線硬化型インキを使用することが好ましい。
本発明で作製される第1の画線及び第2、第3の画線における各画線の形成は、オフセット印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、凸版印刷などの印刷機のみならず、市販のプリンターを使用することも可能である。また、層に使用される印刷機は、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などが使用できるが、透明または半透明なインキを5μmから10μm以上を一度に盛ることが可能な印刷機の場合は、スクリーン印刷機で印刷することが好ましい。もちろんオフセット印刷、グラビア印刷の重ね刷りにも使用すれば実施することは可能である。
本発明に使用される基材は、紙であればどのような紙でも使用可能である。例えば上質紙、アート紙、コート紙、微塗工紙などが使用できるが、平滑性の良い紙を使用することが好ましい。また、紙以外でも石油から作られる基材、例えば塩化ビニール、ペット樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等でもインキが定着するものであれば使用可能である。
また、第2、第3の画線にサーモクロミック(示温インキ)を背景またはメッセージのどちらか一方に入れ、もう一方には温度による変化をしないインキにて印刷することより、常温では観察角度を変化で画像のスイッチ効果が現れ、温度が変化することによりサーモクロミックインキが反応して別の画像が浮かび上がらせることも可能である。さらに、第2、第3の画線に赤外反射及び吸収のインキを使用することにより、可視光領域では本発明の効果が得られ、赤外光領域では別の画像が第2、第3の画線に現れることも可能となり、更なる偽造防止効果を得ることができる。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmピッチ300μmにて図8(a)のように黒色で配列したものをオフセット印刷で印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の線幅を150μmピッチ300μm、第2の画線を図9(b)のように150μmのピッチのズレとして図7(a)の実線を使用しメッセージ配列し黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図12は本発明における実施例1の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmにてそれぞれ赤、青、黄を線状に配列したものを一つのパターンとし、そのパターンをピッチ450μmで図8(b)のように配列したものをオフセット印刷にて印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の線幅を300μmピッチ450μm、第2の画線を図9(b)のように150μmのピッチのズレとしてメッセージ配列し黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図13は本発明における実施例2の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。実施例1と比較すると第1の画線に非画線が無く、画線によって基材が隠蔽されている。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmピッチ300μmの線の一部に図8(g)を用いて150μmのピッチのズレとして黒色でメッセージ配列したものをオフセット印刷で印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線を図9(a)のように線幅を150μmピッチ300μmとして図7(a)にて黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図14は本発明における実施例3の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。実施例1及び2と比べて第1の画線にメッセージを付与し第2、第3の画線は万線のみである。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmにてそれぞれ赤、青、黄を線状に配列したものを一つのパターンとし、そのパターンの一部に図8(h)のように150μmのピッチのズレとしてメッセージ配列したものをオフセット印刷にて印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の図9(a)のように線幅を300μmピッチ450μmとして図7(a)にて黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図15は本発明における実施例4の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。実施例3と比べて第1の画線に非画線が無く、画線によって基材が隠蔽されている。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmピッチ300μmにて図8(e)のように150μmのピッチのズレとしてメッセージ配列したものをオフセット印刷にて印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の線幅を150μmピッチ300μmとして図7(a)の実線にて図9(b)を用いて第2の画線を150μmのピッチのズレによってメッセージを配列し、黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図16は本発明における実施例5の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。第1の画線及び第2、第3の画線にメッセージを付与している。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmピッチ450μmにてそれぞれ赤、青、黄を線状に配列したものを一つのパターンとし、そのパターンに図8(e)のように150μmのピッチのズレとしてメッセージ配列したものをオフセット印刷にて印刷し、層を紫外線硬化型クリアインキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の線幅を300μmピッチ450μmとして図7(a)の実線にて図9(b)のように第2の画線を150μmのピッチのズレによってメッセージを配列し、黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
図17は本発明における実施例6の基材1、第1の画線2、層3及び第2、第3の画線4の構成を示す図である。実施例5と比べて第1の画線に非画線が無く、画線によって基材が隠蔽されている。
厚さ190μm白色微塗工紙からなる基材上に、第1の画線に図7(a)の実線を使用して線幅150μmピッチ450μmにてそれぞれ赤、青、黄を線状に配列したものを一つのパターンとし、そのパターンに図8(e)のように150μmのピッチのズレとしてメッセージ配列したものをオフセット印刷にて印刷し、層に液晶コレスティック顔料入りの紫外線硬化型インキにてインキの盛り150μmのスクリーン印刷によって印刷した上に、第2、第3の画線の線幅を300μmピッチ450μmとして図7(a)の実線にて図9(b)のように第2の画線を150μmのピッチのズレによってメッセージを配列し、黒色オフセット印刷を行い、形成体を得た。
実施例7は実施例6に使用されている層の材料中に機能性材料を混入したものを示すものであり、実施例7のように機能性材料をいれることにより、本発明の色彩変化に伴い、さらなる光学変化が得られ、偽造防止にも更には装飾性を向上させることが可能となる。
本発明の形成体を真上から示す図である。 図1におけるA−A´断面図を示す図である。 形成体を斜めから観察したときに画像が変化することを現した模式図である。 図1において第1の画線に赤、青、黄などの色を使用し基材を隠蔽した形成体を真上から示した模式図である。 図4におけるB−B´断面図を示す図である。 図4において形成体を斜めから観察したとき画像が変化することを現した模式図である。 形成体に使用される第1の画線、第2、第3の画線の万線を示す図である。 第1の画線の状態を示す図である。 第2及び第3の画線の状態を示す図である。 第1、第2及び第3、第4の画線における万線のズレ(レリーフ模様)の状態を示す図である。 第1の画線及び第2、第3の画線における配列角度を示す図である。 実施例1の構成を示す図である。 実施例2の構成を示す図である。 実施例3の構成を示す図である。 実施例4の構成を示す図である。 実施例5の構成を示す図である。 実施例6の構成を示す図である。
符号の説明
1 基材
2 第1の画線
3 層
4 第2、第3の画線
5 非画線
6 メッセージ
7 背景
8 第1の画線におけるメッセージ

Claims (19)

  1. 基材の一部又は全部に、前記基材の色とは異なるn色(nは整数)の複数の第1の画線と、前記第1の画線と非画線の上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2及び第3の複数の画線が構成され、前記第2の画線によりメッセージが形成されており、前記第3の画線により背景が形成されていることを特徴とする画像形成体。
  2. 基材の一部又は全部に、それぞれ異なるn色(nは整数)の第1の線、第2の線・・・第nの線からなる第1の画線が隙間なく形成され、前記第1の画線上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2及び第3の複数の画線が構成され、前記第2の画線によりメッセージが形成されており、前記第3の画線により背景が形成されていることを特徴とする画像形成体。
  3. 前記第2の画線と前記第3の画線は、前記第1の画線のピッチとm倍(mは0以上の数)のピッチを有することを特徴とする請求項1及び2記載の画像形成体。
  4. 前記第1の画線、前記第2の画線及び前記第3の画線が点線、波線、実線であることを特徴とする請求項1、2及び3記載の画像形成体。
  5. 前記第2の画線及び前記第3の画線は、前記第1の画線、前記非画線及び前記層を遮蔽することができる材料であることを特徴とする請求項1、2、3及び4記載の画像形成体。
  6. 前記第2の画線と前記第3の画線の画線幅が異なる又は画線がずれていることを特徴とする請求項1、2、3、4及び5記載の画像形成体。
  7. 前記第1の画線の一部で画線幅が異なる又は画線がずれることによりメッセージを形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5及び6記載の画像形成体。
  8. 前記第1の画線の配列角度と前記第2、第3の画線の配列角度が異なっていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の画像形成体。
  9. 前記透明又は半透明な層が、機能性材料を有していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の画像形成体。
  10. 前記第1の画線、第2の画線、第3の画線及び透明又は半透明な層が印刷により施されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の画像形成体。
  11. 基材の一部又は全部に、前記基材の色とは異なるn色(nは整数)の複数の第1の画線と、前記第1の画線と非画線の上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2の画線が形成されていることを特徴とする画像形成体。
  12. 基材の一部又は全部に、それぞれ異なるn色(nは整数)の第1の線、第2の線・・・第nの線からなる第1の画線が隙間なく形成され、前記第1の画線上に透明又は半透明な材料によって所定の厚さを有する層と、前記層の上に前記第1の画線に対応して第2の画線が形成されていることを特徴とする画像形成体。
  13. 前記第2の画線は、前記第1の画線のピッチとm倍(mは0以上の数)のピッチを有することを特徴とする請求項11及び12記載の画像形成体。
  14. 前記第1の画線及び前記第2の画線が点線、波線、実線であることを特徴とする請求項11、12及び13記載の画像形成体。
  15. 前記第2の画線は、前記第1の画線及び前記層を遮蔽することができる材料であることを特徴とする請求項11、12、13及び14記載の画像形成体。
  16. 前記第1の画線の一部で画線幅が異なる又は画線がずれることによりメッセージを形成したことを特徴とする請求項11、12、13、14及び15記載の画像形成体。
  17. 前記第1の画線の配列角度と前記第2の画線の配列角度が異なっていることを特徴とする請求項11、12、13、14、15又は16記載の画像形成体。
  18. 前記透明又は半透明な層が、機能性材料を有していることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16又は17記載の画像形成体。
  19. 前記第1の画線、第2の画線及び透明又は半透明な層が印刷により施されていることを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17又は18記載の画像形成体。
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