本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他いろいろな実施の形態が含まれる。
図1は、本発明における特殊潜像画像形成体(1)(以下、「形成体」という。)が付与された偽造防止印刷物(S)(以下、「印刷物」という。)を示す平面図である。印刷物(S)は一例として、商品券としている。
印刷物(S)は、紙、プラスチックカード等の印刷可能な基材(2)上に、店舗名、券種等の印刷物(S)に関する情報が、シアン、マゼンタ等の一般的に用いられるインキにより付与されている。印刷物(S)は、基材(2)上における少なくとも一部に、潜像画像形成領域(Z)(以下、「領域」という。)を備えている。領域(Z)内には、形成体(1)が配置されており、形成体(1)は、複数の画像を有している。
図2は、形成体(1)が有する複数の画像を示す平面図である。形成体(1)は、図2(a)に示す第1の模様部(3a)及び第1の背景部(3b)から成る可視画像(3)と、図2(b)に示す第2の模様部(4a)及び第2の背景部(4b)から成る第1の潜像画像(4)と、図2(c)に示す第3の模様部(5a)及び第3の背景部(5b)から成る第2の潜像画像(5)と、図2(d)に示す第3の潜像画像(6)とを有する。
可視画像(3)は、基材(2)に対して真上から観察した場合に視認可能となる画像であり、第1の潜像画像(4)は、基材(2)を傾けて観察した場合に視認可能となる画像である。また、第2の潜像画像(5)は、基材(2)を第1の潜像画像(4)を視認する時とは反対側へ傾けて観察した場合に視認可能となる画像であり、第3の潜像画像(6)は、基材(2)を透過光下で観察した場合に視認可能となるすかし模様である。
形成体(1)が有する各画像(3、4、5、6)は、それぞれ印刷要素や、基材(2)に凹凸形状を付与することで形成された要素等、異なる要素により構成されている。以下、形成体(1)を構成する各要素について、詳細に説明する。
図3は、凸形状の要素である第1の要素(7)を示す平面図(図3(a))及び断面図(図3(b))である。図3(a)に示すように、基材(2)の少なくとも一部に備えた領域(Z)内に、一部拡大図に示すような第1の要素(7)が複数形成されている。
図3(b)は、図3(a)のA−A’断面図である。図3(b)に示すように、凸形状の第1の要素(7)は、第1の方向(X1)に第1のピッチ(P1)で複数形成されている。複数の第1の要素(7)は、各々が第1の側部(7L)、第2の側部(7R)及び頂上部(7T)を有している。また、複数配置された隣り合う第1の要素(7)の間には底面(10)を有している。
第1の要素(7)を配置する第1のピッチ(P1)は、印刷方式、用いる基材(2)及び後述する第1の要素(7)上に印刷する第3の要素(9)の画線幅を考慮し、400〜1800μmの範囲内で適宜設定が可能である。
第1のピッチ(P1)が400μm未満である場合には、第1の要素(7)上に第3の要素(9)を印刷する際に必要な面積が充分に得られないことにより、第3の要素(9)の画線幅が細くなり、可視画像(3)、第1の潜像画像(4)及び第2の潜像画像(5)の視認性が低下し、好ましくない。
反対に、第1のピッチ(P1)が1800μm以上である場合には、第1の要素(7)上に印刷する第3の要素(9)の一つ一つを肉眼で識別することが可能となり、各画像(3、4、5、6)を視認した場合にノイズが発生し、好ましくない。なお、図3(a)では、第1のピッチ(P1)を一定ピッチで図示しているが、前述した400〜1800μmの範囲内であれば、一部異なるピッチとすることも可能である。
なお、第1の要素(7)を、全て同じ規則的なピッチである第1のピッチ(P1)で配置した場合について説明したが、複数の第1の要素(7)においては、ランダムなピッチとすることも可能である。
図4は、第1の要素(7)を第1の方向(X1)に配置した他の形態を示す平面図及び断面図である。図4(a)の一部拡大図に示すように、第1の要素(7)は、第1の方向(X1)に、ランダムなピッチ(PL)で配置されている。図4(b)は、図4(a)におけるA−A’断面図である。ランダムなピッチ(PL)で配置する場合には、その一つ一つのピッチは、前述した第1のピッチ(P1)の範囲と同様に、400〜1800μmの範囲内で適宜設定することが可能である。また、ピッチ(PL)を、400〜1800μmの範囲内とする理由については、前述した第1のピッチ(P1)と同様であることから説明を省略する。以下、本実施の形態においては、第1の要素(7)は第1のピッチ(P1)で形成してあるとして説明する。
第1の要素(7)の幅(W1)は、第1のピッチ(P1)及び後述する第3の要素(9)の幅を考慮し、0.1〜1.0mmの範囲内で適宜設定される。第1の要素(7)の幅(W1)を0.1mm未満とした場合、第1の要素(7)上に第3の要素(9)を印刷しづらい為、好ましくない。
また、第1の要素(7)の幅(W1)を1.0mmより広くした場合には、印刷物(S)を傾けた際に第1の潜像画像(4)及び第2の潜像画像(5)を明瞭に視認することが困難となり好ましくない。
第1の要素(7)の高さ(h1)は、第1のピッチ(P1)及び後述する第3の要素(9)の幅を考慮し、30μm〜70μmの範囲内で適宜設定することが可能である。高さ(h1)を30μm未満とした場合、印刷物(S)を傾けた際に第1の潜像画像(4)及び第2の潜像画像(5)を明瞭に視認することが困難となり好ましくない。
また、第1の要素(7)の高さ(h1)を70μmより高くした場合には、第1の要素(7)上に第3の要素(9)を印刷しづらくなり、好ましくない。
なお、第1の要素(7)は直線状としているが、直線状に限らず第1の要素(7)上に第3の要素(9)を印刷可能であれば波線状、破線状等とすることが可能である。
また、第1の要素(7)を複数集合させて形成される形状は、領域(Z)内に形成可能であれば、図5に示す各種形状とすることが可能であることは、言うまでも無い。
さらに、第1の要素(7)の断面形状は、前述した図3のA−A’断面図に示す形状に限らず、第1の要素(7)上に、後述する印刷要素である第3の要素(9)を形成することが可能であり、かつ、隣り合う第1の要素(7)の間に後述する透過画像を形成する第2の要素(8)を形成することが可能であれば、図6に示す、各種の断面形状とすることが可能である。なお、図6は、前述した図3と同様に、基材(2)を第1の方向(X1)に対して平行に切断した断面図である。
次に、透過光下で観察した場合に視認可能となるすかし模様である第3の潜像画像(6)について説明する。第3の潜像画像(6)は、図7(a)に示すように、凸形状の複数の第1の要素(7)において、隣り合う第1の要素(7)同士の間の底面(10)に、複数の凹形状の第2の要素(8)で形成されている。第3の潜像画像(6)は、透過潜像部(14)と、その透過背景部(15)から成り、第3の潜像画像(6)が文字の「NPB」と視認できるように配置されている。
なお、図7(a)については、発明を詳細に説明する為に、第3の潜像画像(6)である「NPB」の一文字である「N」を第3の潜像画像(6)として図示しているが、実際には図2、図3及び図4において前述のとおり、第3の潜像画像(6)は、文字「NPB」である。以下、本実施形態においては、第3の潜像画像(6)である「NPB」の一文字である「N」を第3の潜像画像(6)として図示している場合においても、文字「NPB」のことを表しているとして説明する。
図7(b)は、図7(a)のB−B’線の断面図である。本発明において、「透過潜像部(14)」とは、凸形状の複数の第1の要素(7)の間の底面(10)に配置された第2の要素(8)によって構成した第3の潜像画像(6)である。また、「透過背景部(15)」とは、透過潜像部(14)に対して背景となる部分である。つまり、図7(a)に示すように第3の潜像画像(6)は、透過潜像部(14)と透過背景部(15)との区分けにより表示されている。
図7(a)では、第3の潜像画像(6)の文字の「NPB」を形成するために、透過潜像部(14)に第2の要素(8)を配置して形成しているが、これとは逆に、透過背景部(15)へ第2の要素(8)を配置し、透過潜像部(14)には第2の要素(8)を配置しない、所謂、ネガポジの関係となる配置にすることも可能である。この第3の潜像画像(6)についての詳細は後述する。
なお、第3の潜像画像(6)は、図7(a)に示す「NPB」の文字に限定されず、数字、記号、図形、マーク等で形成されても良い。
第3の潜像画像(6)は、図7(a)のB−B’線の断面図である図7(b)に示すように、隣り合う第1の要素(7)の凸形状間の底面(10)に、凹形状の第2の要素(8)で形成する。形成方法としては、すき入れ、レーザ加工によって形成することができる。
図8(a)は、図7(a)の領域(V)の拡大図である。図8(b)は、図8(a)のC−C’線の断面図である。図8(b)では、隣り合う第1の要素(7)の凸形状間の底面(10)に、凹形状の第2の要素(8)が形成されていることを、第1の要素(7)の高さ(h1)と第2の要素(8)の深さ(h2)で示している。
図8(a)に示すように、第2の要素(8)における第1の方向(X1)の幅を第2の要素の幅(W2)とする。第2の要素の幅(W2)は、第1のピッチ(P1)から第1の要素の幅(W1)を引いた幅である第1の要素(7)の間の底面距離(U1)より狭ければ、特に制限を受けるものではない。例えば、第1のピッチ(P1)が1000μm、第1の要素の幅(W1)が400μmであった場合、第2の要素の幅(W2)は600μmより狭いものであれば良い。
第2の要素(8)の深さ(h2)の範囲については、基材(2)を貫通することがなければ特に制限はない。第2の要素(8)は、基材(2)の厚みが最も薄いため、透過光で観察した場合に、最も明るく見えることから第3の潜像画像(6)を文字の「NPB」として視認することができる。
第2の要素(8)は、図7(a)に示したように全て同一形状、同一面積、同一ピッチ及び同一密度で配置しても良い。この時、第3の潜像画像(6)は、単一な明暗を持つ画像として視認される。
第2の要素(8)は図9(a)に示すような円形に限定されるものではなく、図9(b)や図9(c)に示すように楕円形状や画線形状、その他、図10に示すような画素、またはこれらの組合せであっても良い。
また、第2の要素(8)は、面積率を異ならせること及び深さを異ならせることで、第3の潜像画像(6)の明るさに明暗の階調を持たせた第3の潜像画像(6)を表現することができる。
面積率を異ならせることで階調を表現する例として、第3の潜像画像(6)である「NPB」に階調表現を施したときの平面図である図11(a)と、その拡大図として図11(b)から図11(d)を用いて説明する。
図11(a)の第3の潜像画像(6)である「NPB」は、透過光下で観察すると、図11(b)に示すように、第2の要素(8)の面積が小さい領域では、透過潜像部(14)に占める第2の要素(8)の割合が少ないため透過光量が少なく、第1の方向(X1)に向かう程、第2の要素(8)の面積が大きくなるため、透過光量が多くなることから明るさの明暗による階調画像を形成している。
また、透過潜像部(14)における第2の要素(8)の面積率を異ならせて第3の潜像画像(6)に明暗の階調を持たせる別の方法としては、図11(c)に示すように、同じ大きさの第2の要素(8)の単位面積当たりの数を増減すること、又は、複数種類の大きさや形状の異なる第2の要素(8)の単位面積当たりの数を増減することにより、第2の要素(8)の粗密を作り、明るさの階調画像を形成しても良い。
さらに、第3の潜像画像(6)に明暗の階調を持たせる別の方法としては、図11(d)に示すように、第2の要素(8)が画線である場合、画線数を増減すること、または一つの画線において幅を異ならせることにより、第2の要素(8)の粗密や面積を異ならせることで、明るさの階調画像を形成しても良い。
第2の要素(8)の深さを異ならせることで第3の潜像画像(6)に明暗の階調を持たせる例としては、第3の潜像画像(6)である「NPB」に階調表現を施したときの平面図である図12(a)と、その破線D−D’の断面図である図12(b)を用いて説明する。
図12(a)の第3の潜像画像(6)である「NPB」は、透過光下で観察すると、図12(b)に示すように、透過潜像部(14)における第2の要素(8)の深さ(h2)が浅い領域では基材の厚みがあるため透過光量が少ないが、第1の方向(X’1)に向かう程、深さ(h’2)が深く基材の厚みが薄くなるため透過光量が多くなることを利用し、明るさの明暗による階調画像を形成している。
すなわち、第2の要素(8)の深さ(h2)の範囲については、基材(2)を貫通することがなければ特に制限はなく、明るさに明暗の階調を持たせた第3の潜像画像(6)を形成することができる。
また、前述したように、第2の要素(8)を用いて第3の潜像画像(6)を形成する別の方法として、ネガ画像として表現する方法がある。
図13(a)は、透過背景部(15)に第2の要素(8)を設けて第3の潜像画像(6)をネガ画像で形成した一例を示す図である。
図12までの図面では、透過潜像部(14)に第2の要素(8)を設けることで、透過光下で観察したときに、透過潜像部(14)が透過背景部(15)より明るく見えることから、第3の潜像画像(6)が「NPB」のポジ画像として視認できる。
また、図13(a)の領域(V’)の拡大図である図13(b)に示すように、透過背景部(15)に第2の要素(8)を設けることで、透過光下で観察したときに、透過背景部(15)が第3の潜像画像(6)として明るく見えることから、透過潜像部(14)が暗く見え、「NPB」のネガ画像として視認できる。以上のとおり、本発明における第3の潜像画像(6)は、ポジ画像状態で形成してもよく、また、ネガ画像状態で形成しても良い。
次に、傾けて視認可能となる潜像画像を形成する、第3の要素(9)について説明する。図14(a)は、基材(2)を傾けることで視認可能となる第1の潜像画像(4)を示す平面図であり、図14(b)は、図14(a)に黒枠で示す領域を拡大した模式図である。なお、図14(b)において、実際は、第1の要素(7)の両側部(7L、7R)に第3の要素(9)が配置されているが省略している。
図14(b)に示すように、第1の側部(7L)に配置された第3の要素(9)は、第1の画像要素(9a1)及び第1の背景要素(9b1)から成る。第1の画像要素(9a1)は、基材(2)とは異なる色の第1の色であり、第1の背景要素(9b1)は、基材(2)及び第1の色とは異なる色の第2の色である。第1の画像要素(9a1)は、第1の色の第1の色材から成り、第1の背景要素(9b1)は、第2の色の第2の色材から成る。このように、第1の潜像画像(4)を形成する第3の要素(9)は、基材(2)とは異なる第1の色及び第2の色により第1の画像要素(9a1)と第1の背景要素(9b1)に区分けされる。
第1の画像要素(9a1)と第1の背景要素(9b1)が基材(2)と同じ色である場合、基材(2)上に印刷した第3の要素(9)を、肉眼で区別して視認することができない。よって、
第1の画像要素(9a1)及び第1の背景要素(9b1)は基材(2)とは異なる色の色材で形成する。
本発明における異なる色とは、同じ色相で濃度が異なる色としてもよく、例えば、第1の画像要素(9a1)を形成する色材を淡い赤色とし、第1の背景要素(9b1)を形成する色材を濃い赤色とすることも可能である。
なお、本発明において、後述する第2の潜像画像(5)を形成する色材についても、それぞれの色材の色が同じ色又は異なる色として視認される際の定義については、第1の画像要素(9a1)と第1の背景要素(9b1)の色の関係と同様であることから、以下説明を省略する。
第1の画像要素(9a1)が複数配置されることで、図14(a)に示す第1の潜像画像(4)における第2の模様部(4a)が形成される。また、第1の背景要素(9b1)が複数配置されることで、図14(a)に示す第1の潜像画像(4)における第2の背景部(4b)が形成される。
次に、第2の潜像画像(5)について説明する。図15(a)は、基材(2)を傾けることで視認可能となる第2の潜像画像(5)を示す平面図であり、図15(b)は、図15(a)に黒枠で示す領域を拡大した模式図である。なお、図15(b)と、前述した図14(b)は、同一の第1の要素(7)の一つを拡大した模式図である。また、図15(b)において、実際は、第1の要素(7)の両側部(7L、7R)に第3の要素(9)が配置されているが省略している。
図15(b)に示すように、第2の側部(7R)に配置された第3の要素(9)は、第2の画像要素(9a2)及び第2の背景要素(9b2)から成る。第2の画像要素(9a2)は、第2の色であり、第2の背景要素(9b2)は、第1の色である。第2の画像要素(9a2)は、第2の色材から成り、第2の背景要素(9b2)は、第1の色材から成る。このように、第2の潜像画像(5)を形成する第3の要素(9)は、基材(2)とは異なる第1の色及び第2の色により第2の画像要素(9a2)と第2の背景要素(9b2)に区分けされる。
第2の画像要素(9a2)が複数配置されることで、図15(a)に示す第2の潜像画像(5)における第3の模様部(5a)が形成される。また、第2の背景要素(9b2)が複数配置されることで、図15(a)に示す第2の潜像画像(5)における第3の背景部(5b)が形成される。
次に、可視画像(3)について説明する。図16(a)は、可視画像(3)を示す平面図であり、図16(b)は、図16(a)に示す黒枠で領域を拡大した模式図である。なお、図16(b)と、前述した図14(b)及び図15(b)は、同一の第1の要素(7)の一つを拡大した模式図である。可視画像(3)は、第1の側部(7L)及び第2の側部(7R)に配置したすべての第3の要素(9)から成る。つまり、可視画像(3)は、第1の側部(7L)に配置した第3の要素(9)から成る第1の潜像画像(4)と、第2の側部(7R)に配置した第3の要素(9)から成る第2の潜像画像(5)の合成画像である。
なお、第1の要素(7)上に配置した第3の要素(9)の他の構成並びに配置については、本出願人が先に出願した特開2012−6168号、特開2012−6169号、特願2010−267219号及び特願2010−267219号に記載された構成及び配置とすることが可能である。したがってここでの説明は省略する。
本発明において第3の要素(9)とは、画線や、複数の点が同一方向に配置された網点群又は複数の画素が同一方向に配置された画素群のことである。図17は、本発明における第3の要素(9)の一例を示す図である。画線とは、図17(a)に示す直線、図17(b)に示す破線、図17(c)に示す波線、図17(d)に示す破線状の波線である。画線幅は、一般的に60〜200μmが用いられる。網点とは、網目スクリーン、コンタクトスクリーン等により、印刷物上に構成された点である。
画素とは、図形、文字等の二次元画像を縦横の線で分割し、分割した最小単位のことである。網点及び画素は、直線状又は波線状に複数配置されて、画線状に構成される。画素は、図17(e)に示す円形状、図17(f)に示す楕円形状、図17(g)に示す三角形状とする。さらに画素は、図17(g)に示すように、回転させて配列しても良く、また、図17(h)に示すように文字形状としてもよい。さらに、図17(i)及び図17(j)に示すように、一つの要素内において、画線、網点又は画素の少なくとも二種類以上を組み合わせて同一方向に配置しても良い。
次に、前述した各画像を視認するための観察角度について説明する。図18は、形成体(1)が付与された基材(2)を観察した際の視点(E1、E2、E3、E4)を示す図である。なお、第1の要素(7)は、基材(2)上における第1の方向(X1)に配置されている。
本発明においては、基材(2)に対して、視点が(E1)に示す位置関係にあるとき、第1の観察角度(E1)から観察したとし、視点が(E2)に示す位置関係にあるとき、第2の観察角度(E2)から観察したとし、視点が(E3)に示す位置関係にあるとき、第3の観察角度(E3)から観察したとし、視点が基材(2)に対して(E4)に示す位置関係であり、かつ、透過光下で観察した場合、第4の観察角度(E4)で観察したとする。
次に、形成体(1)を各観察角度(E1、E2、E3、E4)から観察した際の、視認原理について説明する。図19は、形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から観察した際の平面図及び断面図である。なお、図19においては、前述した図7に示した複数の第2の要素(8)から成る第3の潜像画像(6)が付与されている。
図19に示すように、基材(2)を第1の観察角度(E1)から観察した際には、第1の要素(7)における両側部(7L、7R)は、いずれも隣り合う第1の要素(7)の影となることなく視認可能である。よって、複数の第3の要素(9)から成る可視画像(3)が視認される。
図20は、形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察した際の平面図及び断面図である。図20に示すように、基材(2)を第2の観察角度(E2)から観察した際には、第1の要素(7)における第1の側部(7L)は、隣り合う第1の要素(7)の影となることなく視認可能である。一方、第2の側部(7R)は、隣り合う第1の要素(7)の影となり視認することができない。
よって、基材(2)を第2の観察角度(E2)から観察した際には、第1の側部(7L)に配置された第3の要素(9)のみが視認可能となり、複数の第1の画像要素(9a1)から成る第2の模様部(4a)と、複数の第1の背景要素(9b1)から成る第2の背景部(4b)とで構成された第1の潜像画像(4)が視認される。なお、第1の潜像画像(4)は、第2の模様部(4a)が第1の色で視認され、第2の背景部(4b)が第2の色で視認される。
図21は、形成体(1)を、第3の観察角度(E3)から観察した際の平面図及び断面図である。図21に示すように、基材(2)を第3の観察角度(E3)から観察した際には、第1の要素(7)における第2の側部(7R)は、隣り合う第1の要素(7)の影となることなく視認可能である。一方、第1の側部(7L)は、隣り合う第1の要素(7)の影となり視認することができない。
よって、基材(2)を第3の観察角度(E3)から観察した際には、第2の側部(7R)に配置された第3の要素(9)のみが視認可能となり、複数の第2の画像要素(9a2)から成る第3の模様部(5a)と、複数の第2の背景要素(9b2)から成る第3の背景部(5b)とで構成された第2の潜像画像(5)が視認される。なお、第2の潜像画像(5)は、第3の模様部(5a)が第2の色で視認され、第3の背景部(5b)が第1の色で視認される。
なお、形成体(1)には、透過画像である第3の潜像画像(6)が形成されているが、反射光下における第1の観察角度(E1)、第2の観察角度(E2)及び第3の観察角度(E3)から視認した際には、いずれも、可視画像(3)、第1の潜像画像(4)及び第2の潜像画像(5)が主体的に視認されることから、第3の潜像画像(6)の存在は認識されない。
図22は、形成体(1)を、第4の観察角度(E4)から観察した際の平面図及び断面図である。前述のとおり、図22における第3の潜像画像(6)は、複数の第2の要素(8)により形成されている。図22に示すように、第2の要素(8)と底面(10)は、深さが異なる。よって、基材(2)を第4の観察角度(E4)から観察した際には、第2の要素(8)は、基材(2)及び底面(10)より透過率が高くなり、基材(2)、第1の要素(7)及び底面(10)と比べ、明るく視認される。よって、複数の第2の要素(8)により形成された第3の潜像画像(6)が透過画像として視認される。
なお、第1の要素(7)及び底面(10)をエンボス加工により形成した場合には、第1の要素(7)と底面(10)は、同じ透過率となる。よって、第4の観察角度(E4)から観察した場合には、基材(2)、第1の要素(7)及び底面(10)は同じ明るさで視認され、第3の潜像画像(6)は、基材(2)、第1の要素(7)及び底面(10)よりも明るく視認される。
一方、第1の要素(7)及び底面(10)をすき入れ又はレーザ加工により形成した場合には、第1の要素(7)と底面(10)は、異なる透過率となる。よって、第4の観察角度(E4)から観察した場合には、基材(2)、第1の要素(7)及び底面(10)は異なる明るさで視認される。例えば、図22に示す形成体(1)において、第1の要素(7)及び底面(10)をすき入れにより形成した場合には、底面(10)は、第1の要素(7)と比べ基材(2)が薄いことから透過率が高くなる。よって、第1の要素(7)が暗く視認され、底面(10)が明るく視認される。
なお、説明を簡潔にするため、複数の第3の要素(9)において図示しないが、実際には第4の観察角度(E4)である透過光下で観察した場合は、前述した可視画像(3)内に第3の潜像画像(6)が視認される。
以下、実施例1を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。実施例1として、図1に示した形成体(1)を作製した。基材(2)は、坪量83g/m2、紙厚85μmとし、公知の抄紙機を用いて形成した。また、基材(2)の色は、不透明度を80%(JIS−P8149)にするため顔料及び添量を適宜加えて卵黄色とした。
第1の要素(7)は、幅(W1)300μm、高さ(h1)50μmの直線状であり、第1のピッチ(P1)を500μmとして形成した。
第2の要素(8)及び底面(10)の幅(W2)は、いずれも200μmの直線状とした。また、第2の要素(8)の厚さは20μm(デジタルリニアゲージ DG−925 小野測器製)とし、底面(10)の厚さは40μm(デジタルリニアゲージ DG−925 小野測器製)とした。
第2の要素(8)は、不透明度が60%(JIS−P8149)であり、基材(2)、第1の要素(7)及び底面(10)と比べ、透過率を高く形成した。
第1の要素(7)、第2の要素(8)及び底面(10)は、公知の長網抄紙機を用いて基材(2)を製造する工程において、公知のすき入れ方法により、形成した。
第3の要素(9)は、図13及び図14に示した130μmの一定幅の画線として形成した。また、第1の画像要素(9a1)及び第2の背景要素(9b2)は、オフセットインキ(T&K TOKA製 ベストキュア 藍)を用いて印刷し、第1の背景要素(9b1)及び第2の画像要素(9a2)は、オフセットインキ(T&K TOKA製 ベストキュア 紅)を用いて印刷した。なお、第3の要素(9)は、オフセット印刷機(下垣鉄工所製 EP―60)により第1の要素(7)上に印刷することで形成した。
実施例1にて作製した形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から肉眼で観察したところ、可視画像(3)が視認できた。次に、形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察したところ、第1の潜像画像(4)における、第2の模様部(4a)がシアン色で視認でき、第2の背景部(4b)がマゼンタ色で視認できた。次に、形成体(1)を第3の観察角度(E3)から観察したところ、第2の潜像画像(5)における第3の模様部(5a)が、マゼンタ色で視認でき、第3の背景部(5b)がシアン色で視認できた。さらに、形成体(1)を、第4の観察角度(E4)である透過光下で観察したところ、「NPB」の文字形状の第3の潜像画像(6)が透過画像として視認できた。