JP3912569B2 - 複写防止模様を有する構造物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造、変造防止を必要とする印刷物において、デジタルカラー複写機及びデジタルモノクロ複写機(以下、複写機と称する)による複写やプロセス印刷によって複製した場合に、モアレや潜像による顕著な模様を発現させる複写防止模様の作成方法及びその印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の複写機の著しい普及に伴い、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、複写機による偽造、変造に対する防止策は重要な要素である。そうした複写機による複写物に対して、真正物であるか否かを判定する場合の有効な偽造防止策の一つにモアレによる模様がある。モアレによる模様は、一定の画線幅を有する直線や曲線が一定間隔で連続配列している印刷物上の模様と、複写時において複写機の走査入出力の走査線とが干渉し、干渉縞として発生するものである。また、印刷物を複写機で複写すると目視では認識できなかった潜像を現出するコピー防止画線等がある。しかし最近のカラー複写機の著しい普及に伴い、偽造、変造による犯罪が増加する危険性を有しており、より一層効果の高い偽造、変造防止策として技術の開発が望まれていた。
【0003】
前記偽造防止策としてのモアレによる模様を発生させる画線構成として、まず万線パターンによるものがある。例えば、実公平2−43747号公報によると、電子写真方式のカラーコピーマシンによる複写偽造を防止するために、シート基材上に1つの色で万線パターンによる印刷層を形成し、更に該印刷層上に他の色で上記パターンと角度を変えて、万線パターン又は網点パターンによる印刷層を形成して、これをカラーコピーマシンによりコピーすると、カラーコピーマシンに用いられているレンズのレンズ収差により周辺部に歪みが生じるとともに、パターンを各々異なる色で構成しているので、色収差のために各色間でずれが生じ、本物の印刷物のモアレとは異なったモアレが発生するので、目視のみでカラーコピーマシンによる複写偽造のチェックができる複写偽造防止用印刷物が開示されており、また、実開平1−36866号公報によると、隣り合う放射状線相互の間隔が略一定になるようにして、被画線形成物上の基準点から放射する多数本の放射状線を具備し、被画線形成物を複写した際にCCDセンサーの走査方向と平行になる部分に確実にモアレを発生させて複写物であることを特定できる画像形成体が開示されている。しかし、前記いずれの考案も、万線パターンを利用しているので画線を構成する万線の角度に依存せざるを得ず、従って万線パターンの角度をかえた画線を多く組み合わせることが必要とされる。
【0004】
そこで前述した角度に依存せずにモアレを発生させるものとして、同心円パターンを用いた、例えば、実開平5−12173号公報によると、被複写紙上に一定間隔を隔てた多数の同心円、あるいは多数の放射線よりなる背景部を印刷形成し、デジタルコピー機による複写時に上記背景部中のいずれかの部分がデジタルコピー機の読取り方向に対してモアレを発生させる傾斜角度のアミ点あるいは線群とさせることにより、複写紙上にこの部分を被複写紙の背景部にはないモアレ発生部として現出させることによって、どのような読取り方向から複写した場合でも被複写紙と同一の複写を行なわさせず、複写紙上に差異部を現出させて被複写紙との違いを明確とさせることが可能な、デジタルコピー機による複写偽造防止用の被複写紙が開示されている。また、特開平6−262893号公報によると、基紙の表面に施された潜像と背景の一方が150線10%程度の網点で形成されると他方が同心円パターンで形成され、同心円パターンの円形を構成する細線が1/10mmの太さを有し、且つ細線相互の間隔Sが1/2mm程度であり、潜像と背景は同色であり、同心円パターンを構成する細線は網点同様無数に存在し、且つ目立たないため、通常は網点との識別がつかず、肉眼で潜像と背景は一様平面に観察されるが、コピーをすると複写機の形式を問わず、また光の走査方向や用紙の置き方にも関係なく潜像が明瞭に現出するとともにモアレが発生することによって、潜像の視認性とモアレの視認性によって偽造防止する複写機適応型コピー偽造防止用紙が開示されている。
【0005】
しかし、前記いずれの技術を用いても、モアレの発生は複写機の走査方向に応じて印刷物中の図柄の一部分で発現するので、単純なモアレによる模様とならざるを得ず、モアレによる模様そのものを知らない一般の人が、市場流通過程において真正な印刷物を複写した場合に発現するモアレによる模様によって、複写機による複写物であると判別するには、十分な真偽判別要素となり得ていないという問題点があった。
【0006】
そこで本願出願人は前述の問題点を解決するため、特願平7−192674号では、一定の画線幅の画線を有する複数の多角形に、前記多角形の辺をなす線分の外向には、多角形の線分と同一の画線幅の定量連続拡張した画線を施し、前記多角形の辺をなす線分の内向には、多角形の線分と同一の画線幅の収縮配列した画線を施し、前記多角形の辺をなす線分と、定量連続拡張した線画と、収縮配列した線画とが等差数列をなす線画の集合体で構成した複写防止模様の作成方法とその印刷物を出願している。
【0007】
また、印刷物を複写機で複写すると目視では認識できなかった潜像を現出するような方法の代表的な技術として、一般的にコピー防止画線と称する一連の技術がある。即ち複写機によって複写することにより、印刷物中に施してあった潜像が現出するものである。このような複写機による偽造防止に適する印刷物においては、例えば、特開昭57−20395号公報によると、基紙表面に例えば85線30%の網点である微細構成素子よりなる文字を表示した潜像を銀インキを用いて印刷し、次にこの潜像以外の余白部に前記潜像より粗または密(例えば150線30%)の網点で印刷を施すと共に、前記潜像の上面に彩紋や地紋等の印刷模様を施す、複写による偽造防止に適する潜像入り印刷物があり、また、特開昭60−79991号公報によると、用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背景は再現されると共に潜像は再現されず、背景と潜像の濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分かる、複写防止に適する印刷物があり、更に、特開昭60−87380号公報によると、150線10%の網点よりなる潜像をそなえ、且つ潜像周囲の白地面に50〜60線10%程度の万線よりなる背景を備えた潜像版を用いて、用紙の表面に濃色の印刷を施し、背景の万線と干渉した時にモアレ模様を形成する平行線よりなる波形パターンを備えたオーバープリント版を用いて、用紙表面に複写機で再生されない淡色の重ね刷りを施すことにより、印刷物の表面は肉眼を幻惑するモアレ模様が形成されるので潜像の存在は識別困難となり、複写機にかけると潜像と波形パターンは再生されずに背景のみが再生されるので、潜像が背景と区別して認められる、印刷物における複写防止用潜像カムフラージ法等が開示されている。
【0008】
前記公報等による印刷物は、いずれも網点もしくは万線等の点及び線が一定周期で連続配置する画線群(以下、スクリーンパターンと称する)の粗密によって潜像が施され、印刷面全体の模様が均一濃度を持ったスクリーンパターンとなっている。前記潜像が施された印刷物を複写機によって複写した際、再生されない密構成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスクリーンパターンに濃度差が生じて、再生される粗構成のスクリーンパターンに対して、再生されない密構成のスクリーンパターンの潜像部分が現出するようにして、複写物であることが一目瞭然となるようにしたものであるが、印刷面全体が均一濃度を持ったスクリーンパターンという特徴から、肉眼視においても同一印刷面上の異なるスクリーンパターンによって、スクリーン形状の違いによる異別感及びスクリーンパターンゆえに生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の存在を識別できてしまう欠点がある。前記欠点を解決する方法として、前記公報等はいずれも潜像をカムフラージするために別の模様や薄色の透明インキ、淡色の重ね刷りを施しているが、前記方法は潜像を識別しにくくする点では有効であるが、工程数が増え経済的でないという欠点を有している。
【0009】
そこで本願出願人は前述の問題点を解決するため、特願平7−138879の、曲線状の集合模様を、潜像を施さない部分の線画を連続線、潜像を施した部分の線画を基本曲線方向に一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、基本曲線方向に連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期に相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、基本曲線方向における前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくなることを特徴としている。また、潜像を施さない部分の線画と潜像を施した部分の線画の線画上の境界線が、基本曲線と潜像の輪郭線との交点において前記基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となり、併せて、定周期断絶線上の画線部と非画線部の境界線が、基本曲線と定周期断絶線上の画線部と非画線部の境界線との交点において前記基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となることを特徴とする複写防止模様の作成方法と印刷物を出願した。
【0010】
しかし本願出願人が出願した特願平7−192674及び特願平7−138879の複写防止模様は、前者が複写時におけるモアレの現出であり、後者は複写時における潜像の現出であるから、各々の複写防止も模様が固有の効果を有するに過ぎない。そこで、本願出願人らは両者の特徴を一つの印刷物に集約できるものとして、実用新案登録第3030938号を既に登録している。しかし、前記登録出願においても元となる複数の多角形の配置によって、前記多角形の辺をなす線分の外向に、多角形の線分と同一の画線幅の定量連続拡張した等差数列をなす画線において、等差数列で割り切れない不都合な配列部分が生ずる場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本考案は上述の点に鑑みなされたもので、複写防止を必要とする各種証明書及び重要書類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印刷物において、複写機による複写や、通称プロセス印刷といわれるもののうち、幾何学的に規則正しく分布された点または線を用いた、例えばスクウェアドット、チェーンドット等の印刷スクリーン製版法により複製(以下複写機等により複写という)されたものであるか否かを、印刷物上の模様と複写時における複写機の走査入出力の走査線との干渉によって生じる模様(以下モアレ模様という)そのものを知らない一般の人であっても、真正物には存在しない図形状模様を、複写物には明瞭に発現させることによって、容易に、且つ、確実に複写物であると識別することができるだけでなく、通常は肉眼で識別できない潜像を施すことによって、カムフラージのための重ね刷りも必要とせず、デジタル複写機だけでなくアナログ複写機を含めた様々な機種に対応した偽造、変造防止効果を有する複写防止模様を有する印刷物の提供を目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第1閉図形と、第1〜第n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜第n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第2〜n閉図形とを有し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形が一定の画線幅を有する直線による線群であることを特徴とする、複写したときに複写物にモアレが生じる機能を有する集合模様を備えた構造物である。
【0013】
第2の発明は、複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に第1閉図形の線分を得、
第1〜n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に第2〜n閉図形の線分を得、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形を一定の画線幅を有する直線による線群としたことを特徴とする、複写したときに複写物にモアレが生じる機能を有する集合模様の作成方法である。
【0014】
第3の発明は、複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第1閉図形と、第1〜第n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜第n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第2〜n閉図形とを有し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形が一定の画線幅を有する直線による線群であることを特徴とする、複写したときに複写物にモアレが生じる機能を有する集合模様を備えた印刷物である。
【0015】
第4の発明は、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴とする第1の発明の集合模様を備えた構造物である。
【0016】
第5の発明は、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴とする第2の発明の集合模様の作成方法である。
【0017】
第6の発明は、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴とする3の発明の集合模様の印刷物である。
【0018】
第7の発明は、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする第1の発明の集合模様を備えた構造物である。
【0019】
第8の発明は、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする第2の発明の集合模様の作成方法である。
【0020】
第9の発明は、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする第3の発明の集合模様の印刷物である。
【0021】
第10の発明は、前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする第1、4または7の発明記載の集合模様を備えた構造物である。
【0022】
第11の発明は、前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする第2、5または8の発明記載の集合模様の作成方法である。
【0023】
第12の発明は、前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする第3、6または9の発明記載の集合模様の印刷物である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の効果を奏する模様は、複数の多角形(三角形、六角形、菱形等)を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群で構成した線画の集合模様である。
【0025】
更に、前記多角形から得た線群において、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐している特徴を有する画線の複写防止機能、もしくは潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくなるような潜像を施さない部分の画線の画線幅を満たしている特徴を有する画線の複写防止機能を施した集合模様である。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本発明の効果を奏する模様は、複数の多角形(三角形、六角形、菱形等)を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群で構成した線画の集合模様である。
【0027】
先ず、図1に示すような60度かならる角度(a)で配置している基本線(b)の集合図形(1)において、基本となる多角形は、基本線(b)の交点(p)間を結ぶ辺で構成するものである。従って図2に示すように、交点(p)を結ぶ距離によって小三角形(2)、中三角形(3)、大三角形(4)等を構成できる。また図3に示すように、三角形に限らず、菱形(5)、六角形(6)も構成できる。
【0028】
図4は、図2及び図3の三角形、六角形、菱形からなる複数の多角形(本実施例では三角形)を基本に、前記多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線(以下、α線という)群の描画方法を示したものである。まず本発明の偽造防止模様を構成する線画は、図4(イ)に示す三角形から内向する第1閉図形の線分(α1)で、収縮配列をなす線画である。即ち、基本線(b)の交点(p)間を結ぶ辺で構成した三角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、三角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡に等しい位置に得る。従って、三角形より内向する線分(α1)の間隔(r1')は、半径(r1)の円(R1)の中心が描く軌跡に等しくなる。更に、第2閉図として、線分(α1)の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、線分(α1)の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡に等しい位置に得る。従って、三角形より内向する線分(α2)の間隔(r2')は、半径(r2)の円(R2)の中心が描く軌跡に等しくなる。図4(ロ)に示すように、半径(r2)の円(R2)を用いることでα線を次々と増加することにより、三角形群から内向した等差数列をなし、且つ一定の画線幅の線画を有する直線で構成するn個の線群が描画できる。円(R1)の半径(r1)と円(R2)の半径(r2)が2倍の長さの関係にある理由は後述にて説明する。
【0029】
そして、線分(α2)から円(R2)によって描ききれる線分(αn)まで描画する。更に描画した線分(α2)から線分(αn)に、任意の画線幅を設定することにより、図5に示すような多角形(本実施では三角形)から内向した等差数列をなし、且つ一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群(7)を得ることができる。
【0030】
次に、図6では、図1に示すような60度かならる角度(a)で配置している基本線(b)の集合図形(1)において、図2に示した交点(p)を結ぶ距離によって得た小三角形(2)と同じ大きさの図形に、前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を使い、図6に示すα線群(8)を得ることができた。前述に示した円(R1)の半径(r1)と円(R2)の半径(r2)が2倍の長さの関係にあるのは、基本線(b)を挟んだα線の間隔が他のα線の間隔と同じにするためである。
【0031】
また、図7では、交点(p)を結ぶ距離の組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形(2)及び中三角形(3)と同じ大きさの図形を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を使い、図7に示すα線群(9)を得ることができた。
【0032】
また、図8では、交点(p)を結ぶ距離の組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形(2)及び大三角形(4)と同じ大きさの図形を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を使い、図8に示すα線群(10)を得ることができた。
【0033】
また、図9では、交点(p)を結ぶ距離の組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形(2)及び図3に示した菱形(5)と同じ大きさの図形を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を使い、図9に示すα線群(11)を得ることができた。
【0034】
また、図10では、交点(p)を結ぶ距離の組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形(2)及び図3に示した六角形(6)と同じ大きさの図形を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を使い、図10に示すα線群(12)を得ることができた。
【0035】
図6、図7、図8、図9及び図10の各種α線群で構成する集合模様を、デジタル複写機で複写した場合に複写物のモアレ発生しやすくするには、α線の間隔を400μm程度にし、α線の画線幅を50μm程度に設定するのが望ましい。但し、デジタル複写機の機種によって効果はことなるので、α線の間隔及び画線幅は適時設定する。従って、α線の間隔及び画線幅は前記寸法に限るものではない。また、図1の集合図形(1)の交点(p)を結ぶ多角形は本実施例に限るものではなく、多角形の組み合わせも限定しない。更に、各種α線群で構成する集合模様の色についても、白地に対しα線群が紺色、茶色等の高濃度色であることが望ましいが、デジタル複写機における複写時にモアレ効果を現出できるものであれば、この限りではない。
(実施例2)
【0036】
次に、前述したα線群の描画方法によって、複写機等により複写された偽造品が一目瞭然となるように、一定の図柄パターンを想定した場合の複写防止模様の作成方法について説明する。
【0037】
まず図11に示すように、例えば三角形を構成する基本線(b)を、A4版サイズの用紙枠(13)に、適当に配置し、前述したα線の描画方法によってα線(14)を得る。そして、α線群(14)がA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画する。
【0038】
次に、前記描画したα線(14)に潜像を施すため、線画構成を図によって説明する。本発明の線画構成による複写防止模様は、特願平6−206140号及び特願平7−192674号の潜像の付与方法に基づいている。従って、潜像部における画線の設計方法は前記出願らに準拠している。潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画線構成を図12で簡単に説明する。
【0039】
先ず、一方の潜像の付与方法である特願平6−206140号を簡単に説明すると、画線の拡大図である図12(イ)に示すように、潜像を施さない部分の画線(15)を一本線、潜像を施した部分の画線(16)を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線(16)は、二本線以上の画線(16)の画線幅(C)の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線(15)の画線幅(A)と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐している特徴を有している。複写防止効果によって適当な画線(16)の間隔(D)を設ける。
【0040】
他方の潜像の付与方法である特願平7−192674号を簡単に説明すると、画線の拡大図である図12(ロ)に示すように、潜像を施さない部分の画線(15)を連続線で、潜像を施した部分の画線(17)を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さ(B)に相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の画線(15)のうち、前記一周期と同一の長さ(B)に相当する部分の画線面積と等しくなるような、潜像を施さない部分の画線(15)の画線幅(F)を満たしている特徴を有している。潜像を施した部分の画線(17)における一周期の長さ(B)と長さ(E)は、複写防止効果によって適当な寸法にする。
【0041】
即ち、前記一方及び他方の潜像の付与方法は、図12(ロ)で説明した一周期の長さ(B)で図12(イ)に適用すると、図12(イ)ではA×B=(C+C)×Bであり、図12(ロ)ではA×B=E×Fを満たしている。
【0042】
次に、図13に示すように、図12(イ)による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(18)は、潜像を施さないα線群(20)をA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ「VOID」という文字からなる潜像パターン(19)の内側を、潜像を施したα線群(21)にしたものである。
【0043】
図13の印刷物(18)を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施したα線群(21)が二本線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(20)と連続した一本の線画であるかのように認識されることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくすることを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡大視を試みない限り、潜像パターン(19)の存在をまったく視認することができず、一様な地紋模様のように見える。
【0044】
図14は、本発明の複写防止模様を有する図13の印刷物(18)を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製した複製物(22)を示したものである。図13に示す潜像を施したα線群(21)に対置する図14の潜像を施したα線群(24)は、複写機で再生不能となり、潜像を施さないα線群(23)のみが認識できる画線となることから潜像パターン(19)は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。これによって真偽判別が可能となる。
【0045】
更に、図13の潜像を施さないα線群(20)は、前述したように、前述の描画方法によって、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図14のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)の複製物(23)において、図複写すると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変えることができる。
【0046】
次に、図15に示すように、図12(ロ)による他方の潜像の付与方法を用いた印刷物(25)は、潜像を施さないα線群(26)をA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ「VOID」という文字からなる潜像パターン(19)の内側を、潜像を施したα線群(27)にしたものである。
【0047】
図15の印刷物(25)を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施したα線群(27)が定周期断絶線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(26)と連続した一本の線画であるかのように認識されることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくすることを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡大視を試みない限り、潜像パターン(19)の存在をまったく視認することができず、一様な地紋模様のように見える。
【0048】
図16は、本発明の複写防止模様を有する図15の印刷物(25)を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製した複製物(28)を示したものである。図15に示す潜像を施したα線群(27)に対置する図16の潜像を施したα線群(30)は、複写機で再生不能となり、潜像を施さないα線群(29)のみが認識できる画線となることから潜像パターン(19)は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。これによって真偽判別が可能となる。
【0049】
更に、図16の潜像を施さないα線群(26)は、前述したように、前述の描画方法によって、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図16のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)の複製物(28)において、図複写すると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変えることができる。
(実施例3)
【0050】
次に、潜像パターンが本発明の集合模様を構成する複数の多角形と同じ形状であることを特徴とする例について説明する。
【0051】
まず図17に示すように、例えば三角形と六角形を構成する基本線(b)を、A4版サイズの用紙枠(13)に、適当に配置し、前述したα線の描画方法によってα線(31)を得る。そして、α線群(31)がA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画する。
【0052】
次に、図18に示すように、図12(イ)による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(32)は、潜像を施さないα線群(34)をA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ前記α線群(31)中、任意に六角形を構成する基本線(b)で囲われた領域を(33)とし、領域を潜像パターン(33)の内側を、潜像を施したα線群(35)にしたものである。
【0053】
図18の印刷物(32)を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施したα線群(35)が二本線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(34)と連続した一本の線画であるかのように認識されることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくすることを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡大視を試みない限り、潜像パターン(33)の存在をまったく視認することができず、一様な地紋模様のように見える。
【0054】
図19は、本発明の複写防止模様を有する図18の印刷物(32)を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製した複製物(36)を示したものである。図18に示す潜像を施したα線群(35)に対置する図19の潜像を施したα線群(38)は、複写機で再生不能となり、潜像を施さないα線群(37)のみが認識できる画線となることから潜像パターン(33)は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。これによって真偽判別が可能となる。
【0055】
更に、図18の潜像を施さないα線群(34)は、前述したように、前述の描画方法によって、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図19のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)の複製物(36)において、図複写すると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変えることができる。
【0056】
次に、図20に示すように、図12(ロ)による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(39)は、潜像を施さないα線群(41)をA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ前記α線群(41)中、任意に六角形を構成する基本線(b)で囲われた領域を潜像パターン(40)とし、領域を潜像パターン(40)の内側を、潜像を施したα線群(42)にしたものである。
【0057】
図20の印刷物(39)を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施したα線群(42)が定周期断絶線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(41)と連続した一本の線画であるかのように認識されることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくすることを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡大視を試みない限り、潜像パターン(40)の存在をまったく視認することができず、一様な地紋模様のように見える。
【0058】
図21は、本発明の複写防止模様を有する図20の印刷物(39)を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製した複製物(42)を示したものである。図20に示す潜像を施したα線群(42)に対置する図21の潜像を施したα線群(46)は、複写機で再生不能となり、潜像を施さないα線群(45)のみが認識できる画線となることから潜像パターン(40)は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。これによって真偽判別が可能となる。
【0059】
更に、図20の潜像を施さないα線群(41)は、前述したように、前述の描画方法によって、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図20のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)の複製物(43)において、図複写すると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変えることができる
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の方法による複写防止模様を有する各種証明書及び重要書類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印刷物は、肉眼で視認した場合には単なる一様な地紋状模様として認識され、複写機等により複写した場合には、モアレ模様による図形化されたパターンが顕著に発現する。従って、本発明の方法による複写防止模様を施すことによって、前記有価証券等の印刷物が複写機等により複写されたものであるか否かを、モアレ模様そのものを知らない一般の人が、真正物には存在しない円形状等の模様を視認することによって、何等の器具、装置を用いずに真正物であるか複写物であるかの識別をすることができるだけでなく、複写機により複写した場合は潜像を施した部分が再生不能となり、潜像が顕像化されるので、複写機による偽造、変造を防止できる。また、本発明の地紋模様では、単色印刷においても容易に肉眼では潜像を識別できないことから、あえてカムフラージ模様を重ね刷りする必要がなく、前記地紋模様を単色の地紋模様として用いることもできる。
【0061】
本発明は、モアレ模様の発生と潜像の現出という一つの印刷物において二重の複写防止効果を有しており、一方の複写機にはモアレ模様の発生が効果を有したり、もう一方の複写機には潜像の現出の効果を有したり、更にもう一方ではモアレ模様の発生と潜像の現出が同時に生じたりすることによって、複写機における複写で両者の模様の複写機による偽造、変造を防止しなければならない銀行券、株券、債券等の有価証券や、各種証明書及び重要書類等の複写機において、容易に、且つ、確実に複写物であると識別することができるだけでなく、デジタル複写機だけでなくアナログ複写機の様々な機種に対応した偽造、変造防止効果を有する技術として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多角形を構成する基本線を示した図
【図2】 基本線の交点を結ぶ三角形を示した図
【図3】 基本線の交点を結ぶ菱形と六角形を示した図
【図4】 α線群の描画方法を示した図
【図5】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図6】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図7】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図8】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図9】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図10】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成するα線群を示した図
【図11】 α線群をΑ5版サイズの大きさに収るまで描画した図
【図12】 潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画線構成を示した拡大図
【図13】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図14】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物を示した図
【図15】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図16】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物を示した図
【図17】 α線群をΑ5版サイズの大きさに収るまで描画した図
【図18】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図19】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物を示した図
【図20】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図21】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物を示した図
【符号の説明】
1 基本線の集合図形
2 小三角形
3 中三角形
4 大三角形
5 菱形
6 六角形
7 α線群
8 α線群
9 α線群
10 α線群
11 α線群
12 α線群
13 A4版サイズの用紙枠
14 α線
15 潜像を施さない部分の画線
16 潜像を施した部分の画線
17 潜像を施した部分の画線
18 一方の潜像の付与方法を用いた印刷物
19 潜像パターン
20 潜像を施さないα線群
21 潜像を施したα線群
22 複製物
23 潜像を施さないα線群
24 潜像を施したα線群
25 他方の潜像の付与方法を用いた印刷物
26 潜像を施さないα線群
27 潜像を施したα線群
28 複製物
29 潜像を施さないα線群
30 潜像を施したα線群
31 α線
32 一方の潜像の付与方法を用いた印刷物
33 潜像パターン
34 潜像を施さないα線群
35 潜像を施したα線群
36 複製物
37 潜像を施さないα線群
38 潜像を施したα線群
39 他方の潜像の付与方法を用いた印刷物
40 潜像パターン
41 潜像を施さないα線群
42 潜像を施したα線群
43 複製物
44 潜像を施さないα線群
45 潜像を施したα線群
a 角度
b 基本線
p 交点
r1 円の半径
R1 円
r1'間隔
r2 円の半径
R2 円
r2'間隔
α1 線分
α2 線分
αn 線分
A 画線幅
B 一周期の長さ
C 画線幅
D 間隔
E 長さ
F 画線幅

Claims (9)

  1. 複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、
    前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第1閉図形と、
    第1〜n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第2〜n閉図形とを有し、
    かつ、第1閉図形及び第2〜n閉図形が一定の画線幅を有する直線による線群であり、
    前記第1閉図形及び第2〜n閉図形は、潜像部分を備え、
    潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本以上の画線で表現し、
    潜像を施した部分の二本以上の画線は、二本線以上の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、かつ、潜像を施さない部分の一本線から分岐させ、
    デジタル複写機において複写すると、部分的に、前記一定の画線幅を有する直線による線群の線配列と、
    前記デジタル複写機の走査線の線配列が干渉し、
    複写物にモアレが生じ、かつ、潜像模様が発現する機能を有する集合模様を備えた構造物。
  2. 複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、
    前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に第1閉図形の線分を得、
    第1〜n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に第2〜n閉図形の線分を得、
    かつ、第1閉図形及び第2〜n閉図形を一定の画線幅を有する直線による線群とし、
    前記第1閉図形及び第2〜n閉図形は、潜像部分を備え、
    潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、かつ、潜像を施さない部分の一本線から分岐させ、
    デジタル複写機において複写すると、部分的に、前記一定の画線幅を有する直線による線群の線配列と、
    前記デジタル複写機の走査線の線配列が干渉し、
    複写物にモアレが生じ、かつ、潜像が発現する機能を有する集合模様を、
    製版して、印刷して得た構造物の作成方法。
  3. 複数の多角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、
    前記多角形の各線分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、前記多角形の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第1閉図形と、
    第1〜n−1閉図形の線分の内周を円(R1)の2倍の長さを持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、第1〜n−1閉図形の線分の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡と等しい位置に線分を有する第2 〜n閉図形とを有し、
    かつ、第1閉図形及び第2〜n閉図形が一定の画線幅を有する直線による線群であり、
    前記第1閉図形及び第2〜n閉図形は、潜像部分を備え、
    潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本以上の画線で表現し、
    潜像を施した部分の二本以上の画線は、二本線以上の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、かつ、潜像を施さない部分の一本線から分岐させ、
    デジタル複写機において複写すると、部分的に、前記一定の画線幅を有する直線による線群の線配列と、
    前記デジタル複写機の走査線の線配列が干渉し、
    複写物にモアレが生じ、かつ、潜像が発現する機能を有する集合模様を備えた印刷物。
  4. 潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする請求項1記載の集合模様を備えた構造物。
  5. 潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする請求項2記載の構造物の作成方法。
  6. 潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする請求項3記載の集合模様を備えた構造物。
  7. 前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする請求項1又は4記載の集合模様を備えた構造物。
  8. 前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする請求項2又は5記載の構造物の作成方法。
  9. 前記集合模様が地紋模様であることを特徴とする請求項3又は6記載の集合模様を備えた構造物。
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