JP3762946B2 - 複写防止模様を有する印刷物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、偽造、変造防止を必要とする印刷物において、デジタルカラー複写機及びデジタルモノクロ複写機(以下、複写機と称する)による複写やプロセス印刷によって複製した場合に、モアレや潜像による顕著な模様を発現させる複写防止模様を有する印刷物及びその作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の複写機の著しい普及に伴い、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の印刷物において、複写機による偽造、変造に対する防止策は重要な要素である。そうした複写機による複写物に対して、真正物であるか否かを判定する場合の有効な偽造防止策の一つにモアレによる模様がある。モアレによる模様は、一定の画線幅を有する直線や曲線が一定間隔で連続配列している印刷物上の模様と、複写時において複写機の走査入出力の走査線とが干渉し、干渉縞として発生するものである。
【0003】
又、印刷物を複写機で複写すると目視では認識できなかった潜像を現出するコピー防止画線等がある。しかし最近のカラー複写機の著しい普及に伴い、偽造、変造による犯罪が増加する危険性を有しており、より一層効果の高い偽造、変造防止策として技術の開発が望まれていた。
【0004】
前記偽造防止策としてのモアレによる模様を発生させる画線構成として、まず万線パターンによるものがある。例えば、実公平2−43747号公報によると、電子写真方式のカラー複写機コピーマシンによる複写偽造を防止するために、シート基材上に1つの色で万線パターンによる印刷層を形成し、更に該印刷層上に他の色で上記パターンと角度を変えて、万線パターン又は網点パターンによる印刷層を形成して、これをカラーコピーマシンによりコピーすると、カラーコピーマシンに用いられているレンズのレンズ収差により周辺部に歪みが生じるとともに、パターンを各々異なる色で構成しているので、色収差のために各色間でずれが生じ、本物の印刷物のモアレとは異なったモアレが発生するので、目視のみでカラーコピーマシンによる複写偽造のチェックができる複写偽造防止用印刷物が開示されており、
【0005】
又、実開平1−36866号公報によると、隣り合う放射状線相互の間隔が略一定になるようにして、被画線形成物上の基準点から放射する多数本の放射状線を具備し、被画線形成物を複写した際にCCDセンサーの走査方向と平行になる部分に確実にモアレを発生させて複写物であることを特定できる画像形成体が開示されている。しかし、前記いずれの考案も、万線パターンを利用しているので画線を構成する万線の角度に依存せざるを得ず、従って万線パターンの角度をかえた画線を多く組み合わせることが必要とされる。
【0006】
そこで前述した角度に依存せずにモアレを発生させるものとして、同心円パターンを用いた、例えば、実開平5−12173号公報によると、被複写紙上に一定間隔を隔てた多数の同心円、あるいは多数の放射線よりなる背景部を印刷形成し、デジタルコピー機による複写時に上記背景部中のいずれかの部分がデジタルコピー機の読取り方向に対してモアレを発生させる傾斜角度のアミ点あるいは線群とさせることにより、複写紙上にこの部分を被複写紙の背景部にはないモアレ発生部として現出させることによって、どのような読取り方向から複写した場合でも被複写紙と同一の複写を行なわさせず、複写紙上に差異部を現出させて被複写紙との違いを明確とさせることが可能な、デジタルコピー機による複写偽造防止用の被複写紙が開示されている。
【0007】
又、特開平6−262893号公報によると、基紙の表面に施された潜像と背景の一方が150線10%程度の網点で形成されると他方が同心円パターンで形成され、同心円パターンの円形を構成する細線が1/10mmの太さを有し、且つ細線相互の間隔Sが1/2mm程度であり、潜像と背景は同色であり、同心円パターンを構成する細線は網点同様無数に存在し、且つ目立たないため、通常は網点との識別がつかず、肉眼で潜像と背景は一様平面に観察されるが、コピーをすると複写機の形式を問わず、また光の走査方向や用紙の置き方にも関係なく潜像が明瞭に現出するとともにモアレが発生することによって、潜像の視認性とモアレの視認性によって偽造防止する複写機適応型コピー偽造防止用紙が開示されている。
【0008】
しかし、前記いずれの技術を用いても、モアレの発生は複写機の走査方向に応じて印刷物中の図柄の一部分で発現するので、単純なモアレによる模様とならざるを得ず、モアレによる模様そのものを知らない一般の人が、市場流通過程において真正な印刷物を複写した場合に発現するモアレによる模様によって、複写機による複写物であると判別するには、十分な真偽判別要素となり得ていないという問題点があった。
【0009】
そこで本願出願人は前述の問題点を解決するため、特開平9−20061号公報では、一定の画線幅の画線を有する複数の多角形に、前記多角形の辺をなす線分の外向には、多角形の線分と同一の画線幅の定量連続拡張した画線を施し、前記多角形の辺をなす線分の内向には、多角形の線分と同一の画線幅の収縮配列した画線を施し、前記多角形の辺をなす線分と、定量連続拡張した線画と、収縮配列した線画とが等差数列をなす線画の集合体で構成した複写防止模様の作成方法とその印刷物を出願している。
【0010】
又、印刷物を複写機で複写すると目視では認識できなかった潜像を現出するような方法の代表的な技術として、一般的にコピー防止画線と称する一連の技術がある。即ち複写機によって複写することにより、印刷物中に施してあった潜像が現出するものである。このような複写機による偽造防止に適する印刷物においては、例えば、特開昭57−20395号公報によると、基紙表面に例えば85線30%の網点である微細構成素子よりなる文字を表示した潜像を銀インキを用いて印刷し、次にこの潜像以外の余白部に前記潜像より粗または密(例えば150線30%)の網点で印刷を施すと共に、前記潜像の上面に彩紋や地紋等の印刷模様を施す、複写による偽造防止に適する潜像入り印刷物がある。
【0011】
又、特開昭60−79991号公報によると、用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背景は再現されると共に潜像は再現されず、背景と潜像の濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分かる、複写防止に適する印刷物がある。
【0012】
更に、特開昭60−87380号公報によると、150線10%の網点よりなる潜像をそなえ、且つ潜像周囲の白地面に50〜60線10%程度の万線よりなる背景を備えた潜像版を用いて、用紙の表面に濃色の印刷を施し、背景の万線と干渉した時にモアレ模様を形成する平行線よりなる波形パターンを備えたオーバープリント版を用いて、用紙表面に複写機で再生されない淡色の重ね刷りを施すことにより、印刷物の表面は肉眼を幻惑するモアレ模様が形成されるので潜像の存在は識別困難となり、複写機にかけると潜像と波形パターンは再生されずに背景のみが再生されるので、潜像が背景と区別して認められる、印刷物における複写防止用潜像カムフラージ法等が開示されている。
【0013】
前記公報等による印刷物は、いずれも網点もしくは万線等の点及び線が一定周期で連続配置する画線群(以下、スクリーンパターンと称する)の粗密によって潜像が施され、印刷面全体の模様が均一濃度を持ったスクリーンパターンとなっている。前記潜像が施された印刷物を複写機によって複写した際、再生されない密構成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスクリーンパターンに濃度差が生じて、再生される粗構成のスクリーンパターンに対して、再生されない密構成のスクリーンパターンの潜像部分が現出するようにして、複写物であることが一目瞭然となるようにしたものであるが、印刷面全体が均一濃度を持ったスクリーンパターンという特徴から、肉眼視においても同一印刷面上の異なるスクリーンパターンによって、スクリーン形状の違いによる異別感及びスクリーンパターンゆえに生ずる潜像の境界線との干渉部により、潜像の存在を識別できてしまう欠点がある。
【0014】
前記欠点を解決する方法として、前記公報等はいずれも潜像をカムフラージするために別の模様や薄色の透明インキ、淡色の重ね刷りを施しているが、前記方法は潜像を識別しにくくする点では有効であるが、工程数が増え経済的でないという欠点を有している。
【0015】
そこで本願出願人は前述の問題点を解決するため、特開平8−300800号公報の、曲線状の集合模様を、潜像を施さない部分の線画を連続線、潜像を施した部分の線画を基本曲線方向に一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、基本曲線方向に連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期に相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のうち、基本曲線方向における前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくなることを特徴としている。
【0016】
又、潜像を施さない部分の線画と潜像を施した部分の線画の線画上の境界線が、基本曲線と潜像の輪郭線との交点において前記基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となり、併せて、定周期断絶線上の画線部と非画線部の境界線が、基本曲線と定周期断絶線上の画線部と非画線部の境界線との交点において前記基本曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となることを特徴とする複写防止模様の作成方法と印刷物を出願した。
【0017】
しかし本願出願人が出願した特開平9−20061号公報及び特開平8−300800号公報の複写防止模様は、前者が複写時におけるモアレの現出であり、後者は複写時における潜像の現出であるから、各々の複写防止も模様が固有の効果を有するに過ぎない。そこで、本願出願人らは両者の特徴を一つの印刷物に集約できるものとして、実用新案登録第3030938号を既に登録している。しかし、前記登録出願においても元となる複数の多角形の配置によって、前記多角形の辺をなす線分の外向に、多角形の線分と同一の画線幅の定量連続拡張した等差数列をなす画線において、等差数列で割り切れない不都合な配列部分が生ずる場合がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、複写防止を必要とする各種証明書及び重要書類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印刷物において、複写機による複写や、通称プロセス印刷といわれるもののうち、幾何学的に規則正しく分布された点または線を用いた、例えばスクウェアドット、チェーンドット等の印刷スクリーン製版法により複製(以下複写機等により複写という)されたものであるか否かを、印刷物上の模様と複写時における複写機の走査入出力の走査線との干渉によって生じる模様(以下モアレ模様という)そのものを知らない一般の人であっても、真正物には存在しない図形状模様を、複写物には明瞭に発現させることによって、容易に、且つ、確実に複写物であると識別することができるだけでなく、通常は肉眼で識別できない潜像を施すことによって、カムフラージのための重ね刷りも必要とせず、デジタル複写機だけでなくアナログ複写機を含めた様々な機種に対応した偽造、変造防止効果を有する複写防止模様を有する印刷物の提供を目的としたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、複数の線画付き三角形の集合模様である複写防止模様を有する印刷物であって、上記線画付き三角形は、三角形の垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形から構成され、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺はその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割されており、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に斜辺から垂直に描画された一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群で線画が構成されていることを特徴とする複写防止模様を有する印刷物を提供する。
【0020】
本発明は、上記課題を解決するために、複数の線画付き三角形の集合模様である複写防止模様を有する印刷物であって、上記線画付き三角形は、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形とから構成され、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺はその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割されており、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に対辺から、斜辺に平行に描画された一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群で線画が構成されていることを特徴とする複写防止模様を有する印刷物を提供する。
【0021】
上記複数の線画付き三角形の集合模様は、複数の線画付き三角形が横方向に上下交互に並列して構成される段部を縦方向に複数配置し、縦方向に隣接する段部は、互いに隣接辺に対して対称の配置、又は互いに隣接辺に対して対象の配置としかつ該対称の配置から横方向にずれた配置のいずれか一つの配置である。
【0022】
上記集合模様は潜像を含むような構成としてもよく、この潜像を付与する構成としては、例えば、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、上記潜像を施した部分の二本線以上の画線は、該二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、上記潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、上記潜像を施さない部分の一本線から分岐している構成がある。
【0023】
同じく潜像を付与する構成としては、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、上記潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、上記潜像を施さない部分の連続線のうち、上記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいようにする構成がある。
【0024】
本発明は、上記課題を解決するために、三角形を、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形に画成し、上記部分三角形の夫々について、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺をその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割し、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に斜辺から垂直に一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群を描画して線画付き三角形を形成し、線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を形成することを特徴とする複写防止模様を有する印刷物の作成方法を提供する。
【0025】
本発明は、上記課題を解決するために、三角形を、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形に画成し、上記部分三角形の夫々について上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺をその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割し、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に対辺から、斜辺に平行な一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群を描画して線画付き三角形を形成し、線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を形成することを特徴とする複写防止模様を有する印刷物の作成方法を提供する。
【0026】
上記線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を有する印刷物の作成方法として、例えば、線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を有する印刷物の作成方法において、線画付き三角形を複数集合する場合は、線画付き三角形を複数横方向に上下交互に並列して段部を構成し、該段部を縦方向に複数配置し、縦方向に隣接する段部は、互いに隣接辺に対して対称の配置、又は互いに隣接辺に対して対象の配置としかつ該対称の配置から横方向にずれた配置のいずれか一つの配置とする作成方法がある。
【0027】
上記集合模様に潜像を含ませる構成としてもよく、この潜像を付与する方法として、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、上記潜像を施した部分の二本線以上の画線を、該二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、上記潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、上記潜像を施さない部分の一本線から分岐させるような方法がある。
【0028】
同じく、潜像を付与する方法として、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、上記潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積を、上記潜像を施さない部分の連続線のうち、上記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくするような方法である。
【0029】
なお、上記集合模様は地紋模様としてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る複写防止模様を有する印刷物の実施の形態を、実施例に基づいて図面を参照して説明する。本発明に係る複写防止模様を有する印刷物は、偽造が困難な地紋状の集合模様が印刷されで構成され、この集合模様は、複写をすると、複写機の走査線と集合模様との干渉により、複写物にモアレが生じて目視で複写による偽造であることが判別できるようにしたものである。
【0031】
この複写防止模様は、基本となる三角形(以下、基本三角形という。)の中に一定の画線幅を有する画線により描画された線画を有する三角形(以下、線画付き三角形という。)を基本要素として、この基本要素である線画付き三角形が複数組み合わされて構成される線画の集合模様である。
【0032】
(実施例1)
図1〜5は、本発明に係る複写防止模様を有する印刷物の実施例1を説明する図である。まず、図1〜4により、基本三角形、及び集合模様の基本要素である線画付き三角形について説明する。図1において、一辺が長さDの基本三角形(正三角形)1の各頂点Pから対辺の点P2へ垂線をひき、互いの垂線の交点(垂心)をP1とする。
【0033】
図2は、三角形1の一部である点P、P1、P2で構成される三角形(以下、部分三角形という。)の拡大図であり、この部分三角形P、P1、P2により線画の構成を説明する。部分三角形の底辺P、P2(長さA)及び斜辺P、P1(長さB)は、夫々の両端にa1及びb1の幅をとり、その間をa2及びb2の長さでもって等分割する。ここに、a2はa1の2倍の長さであり、b2のb1の2倍の長さである。この底辺及び斜辺の分割点を結んで複数の垂直な点線(下書き点線)が引かれる。
【0034】
図3は、図2のような部分三角形から構成される、基本三角形1全体についての上記下書き線の描かれた状態を示す図である。
【0035】
そして、図3の下書き線上に一定の画線幅を有する画線から成る画線群が描画されて線画から構成され、図4に示されるような線画付き三角形2が形成される。
【0036】
集合模様の基本要素となる線画付き三角形が複数組み合わされて、図5に示すような集合模様3が構成される。この集合模様3では、線画付き三角形(あるいは基本三角形1)が横方向に上下交互に並列して組み合わされて段4〜7の各段が構成されている。
【0037】
段4と段5は、互いに上下対象に配置されていおり、これにより、段4の三つの三角形及び段5の三つの三角形、合計六つの三角形の夫々の一つの頂点Pが互いに一点Oで重なり、この点Oを中心に、各三角形の線画の画線群が連成して複数の相似形の六角形の模様Rが形成されている。
【0038】
段5と段6とは、互いに上下対象の状態から互いに横方向に若干ずれて配置されており、これにより、段5の三つの三角形の夫々の一つの頂点Pが互いに重なる点G、及び段11の三角形の夫々の一つの頂点Pが互いに重なる点G’をそれぞれ中心とした二重の六角形状の螺旋模様W、W’が複数形成されている。
【0039】
図10に、上記集合模様3をA4枠13内の全体に印刷した印刷物を示す。そして、図10の円形枠内に、螺旋模様W、W’の要部拡大図を示す。この要部拡大図でも明確なように、線画付き三角形の線画を構成する画線群14は、互いに隣接する画線群が連成し六角形状の螺旋模様W、W’を構成している。
【0040】
同様に、段6と段7は、互いに上下対象の状態から互いに横方向に若干ずれて配置されており、これにより、段5の三つの三角形の夫々の一つの頂点Pが互いに重なる点H、及び段11の三角形の夫々の一つの頂点Pが互いに重なる点H’をそれぞれ中心とした二重の螺旋模様Y、Y’が複数形成されている。
【0041】
ところで、螺旋模様W、W’の中心となる点G、G’のずれと、螺旋模様Y、Y’の中心となる点H、H’のずれとは互いに異なり、これにより、螺旋模様W、W’と螺旋模様Y、Y’のそれぞれの螺旋径は異なる。このように上下隣接する段同士のずれを異ならせ集合模様3を微妙に異ならせることにより、複製を困難として偽造防止効果を高めている。
【0042】
図5の集合模様3を、デジタル複写機で複写した場合に、その複写物にモアレが発生する。このモアレのパターンは、集合模様の図柄等により左右されるから、このモアレのパターンをその真偽の判別の一要素とすることもできる。ところで、このモアレをできやすくするには、画線の間隔を400μm程度にし、画線の画線幅を50μm程度に設定するのが望ましい。但し、デジタル複写機の機種によって効果はことなるので、画線の間隔及び画線幅は前記寸法に限るものではなく、画線の間隔及び画線幅は適時設定する。
【0043】
そして、集合模様3の色については、白地に対し画線群が紺色、茶色等の高濃度色であることが望ましいが、デジタル複写機における複写時にモアレ効果を現出できるものであれば、特にこの限りではない。
【0044】
(実施例2)
図6〜9は、本発明に係る実施例2を説明する図である。まず、図6〜8により基本要素である線画付き三角形について説明する。図6は、図7で示される基本三角形1の部分三角形の要部拡大図である。この基本三角形1(一辺の長さがDの正三角形)は、実施例1と同様に、基本要素となる線画付き三角形を画成する三角形である。そして、三角形1の各頂点Pから対辺の点P2へ垂線を描き、互いの垂線の交点(垂心)をP1とする。上記部分三角形は、三角形1の中の点P、P1、P2で構成される三角形である。
【0045】
図6において、この部分三角形P、P1、P2により線画の構成を説明する。部分三角形の底辺P、P2(長さA)及び対辺P1、P2(長さC)は、両端に長さa1’及びc1の幅をとって、その間を長さa2’及びc2により夫々等分割する。ここに、a2’はa1’の2倍の長さであり、c2はc1の2倍の長さである。そして、夫々この底辺及び対辺の分割点を結んで複数の斜めの点線(下書き点線)が引かれる。この下書き点線は、幾何学的に部分三角形の斜線P、P1(幅B)に平行である。
【0046】
三角形1全体について、上記下書き線の描かれた状態を図7に示す。そして、図7の下書き線上に一定の画線幅を有する画線の画線群が描画され線画が構成され、図8に示すような線画付き三角形8が形成される。この線画付き三角形8が本発明に係る複写防止模様の基本要素となる。
【0047】
このような基本要素である線画付き三角形8が複数組み合わされて、図9に示されるような集合模様9が構成される。この集合模様9では、線画付き三角形が横方向に上下交互に並列して組み合わされ、段10〜13の各段が構成されている。
【0048】
段10と段11とは、互いに上下対象に配置されており、これにより、上下六つのの三角形8の夫々の一つの頂点Pが重なり、各三角形の線画の画線群により菱形の相似模様が、上下段10、11の集合辺に沿って、複数形成される。この状態の要部拡大図を図10に示す。
【0049】
段11と段12とは、互いに上下対象の状態から互いに横方向に若干ずれて配置されており、これにより、段11の三つの三角形の夫々の一つの頂点が重なる点と段12の三つの三角形の夫々の一つの頂点が重なる点は横方向のずれて、菱形状の螺旋模様が、上下段11、12の共有する辺に沿って、複数形成されている。
【0050】
段12と段13は、同様に互いに上下対象の状態から互いに横方向に若干ずれて配置されており、これにより、段12の三つの三角形の夫々の一つの頂点の重なる点と段13の三つの三角形の夫々の一つの頂点の重なる点は互いの横方向にずれて、菱形状の螺旋模様が、上下段12、13の共有する辺に沿って、複数形成されている。
【0051】
ところで、段11と段12のずれの度合いと、段12と段13のずれの度合いとは互いに異なっており、これにより夫々が形成する菱形状の螺旋模様の大きさが異なる。このように上下隣接する段同士のずれを異なら集合模様を微妙に異ならせることにより、偽造防止効果を高めている。
【0052】
実施例2においても実施例1同様に、図9の集合模様3を、デジタル複写機で複写した場合に、その複写物にモアレが発生し、このモアレを真偽判別に利用できる点、モアレが発生しやすい画線の寸法条件、色の条件等は実施例1と同様であるから、その説明は省略する。
【0053】
(実施例3)
次に、基本要素である三角形の線画を構成する画線群に潜像を施した複写防止模様について説明する。この潜像を施すことにより、実施例1や実施例2の複写防止模様を有する印刷物を複写機等により複写した場合、それが複写による偽造品であることが一目瞭然で確認でき、より偽造防止効果をあげることができる。
【0054】
複写防止のための線画の画線の潜像の付与方法については、すでに特開平8−197828号公報及び特開平8−300800号公報において紹介されているところである。図11(イ)は、特開平8−197828号公報に記載された潜像の構成であり、潜像を施さない部分の画線15を一本線、潜像を施した部分の画線16を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線16は、二本線以上の画線16の画線幅Cの合計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線15の画線幅Aと等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐している特徴を有している。複写防止効果によって適当な画線16の間隔Dを設ける。
【0055】
図11(ロ)は、特開平8−300800号公報に記載された潜像の構成であり、潜像を施さない部分の画線15を連続線で、潜像を施した部分の画線17を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さBに相当する部分の画線面積が、潜像を施さない部分の画線15のうち、前記一周期と同一の長さBに相当する部分の画線面積と等しくなるような、潜像を施さない部分の画線15の画線幅Fを満たしている特徴を有している。潜像を施した部分の画線17における一周期の長さBと長さEは、複写防止効果によって適当な寸法にする。
【0056】
即ち、前記一方及び他方の潜像の付与方法は、図12(ロ)で説明した一周期の長さBで図12(イ)に適用すると、図12(イ)ではA×B=(C+C)×Bであり、図12(ロ)ではA×B=E×Fを満たしている。
【0057】
(実施例3)
図12〜13は、本発明に係る複写防止模様を有する印刷物の実施例3を示す図であり、これは、実施例1記載の印刷物に、上記図11(イ)において説明した潜像を適用したものである。図12において、印刷物18は、基本的には、図10に示す実施例1同様の相似形の六角形や渦巻き等を含む集合模様9がA4版サイズの用紙枠13全体に収るまで描画されている。但し、この集合模様には、「VOID」という文字からなる潜像パターン19が含まれている。
【0058】
この潜像パターン19の構成は、図12の円形枠内にに要部拡大図として示されている。即ち、基本要素となる各線画付き三角形の線画を、一定幅かつ一本である、潜像を施さない画線から成る画線群(潜像を施さない画線群)20と、この画線群20に連成する二本の潜像を施した画線群(潜像を施した画線群)21とから構成する。そして、上記「VOID」という文字から成る潜像パターン19に相当する部分は、潜像を施した画線群21で構成する。
【0059】
図12において、印刷物18を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施した画線群21が二本線であるにもかかわらず、潜像を施さない画線群20と連成した一本の線画であるかのように肉眼では認識され。従って、観察者は印刷画線を拡大視を試みない限り、潜像パターン19の存在に気づかず、一様な地紋模様のように見える。
【0060】
図13は、図12の印刷物18を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複写した複製物22を示したものである。図12の円形枠内にその要部拡大図を示している。印刷物18中の潜像を施さない画線群20及び潜像を施した画線群21は、複製物22では、夫々要部拡大図において示されているように画線群23及び画線群24として複写される。
【0061】
この要部拡大図で明きらかなように、潜像を施した画線群21は複写機では再生不能となり、画線群21に対応する画線群24は認識できない(要部拡大図では説明の都合上一応画線群24として記入した。)。そして、潜像を施さない画線群20の複写である画線群23のみが再生でき、認識できる画線となる。これにより、潜像パターン19は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることが一目瞭然となり、これにより真偽判別が可能となる。
【0062】
さらに、図12の潜像を施さない画線群20は、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図13のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)の複写すると、部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の干渉によりモアレが顕著に発現することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。これらの各々のモアレは線画を構成する各種の画線群により、又線画の様々な形状の組み合わせによってモアレの発生個所や大きさを変えることができ、この点を真偽判別の要素として利用してもよい。
【0063】
(実施例4)
図14〜15は、本発明の複写防止模様を有する印刷物の実施例4を説明する図であり、実施例1記載の印刷物に上記図11(ロ)において説明した潜像を適用したものである。図14において、印刷物18は、基本的には、図10に示す実施例1同様の相似形の六角形、渦巻き等を含む集合模様がA4版サイズの用紙枠13全体に収るまで描画されている。但し、「VOID」という文字からなる潜像パターン19が含まれている。
【0064】
この潜像パターンの構成を、図14の円形枠内に要部拡大図として示す。基本要素となる線画付き三角形の線画は、一定幅かつ一本である、潜像を施さない画線から成る画線群(潜像を施さない画線群)20と、この画線群20に連成する定周期断絶線の潜像を施した画線群(潜像を施した画線群)21とから構成する。潜像パターン19に相当する部分は、潜像を施した画線群21により構成されている。
【0065】
図14の印刷物18を目視で観察した場合、観察者には、潜像を施した画線群21が定周期断絶線であるにもかかわらず、潜像を施さない画線群20と連続した一本の線画であるかのように肉眼では認識され、観察者は印刷画線を拡大して見ない限り、潜像パターン19の存在に気づかず、一様な地紋模様のように見える。
【0066】
図15は、図14の印刷物18を、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)によって複写した複製物28を示したものである。図15の円形枠内にその要部拡大図を示している。印刷物18中の潜像を施さない画線群20及び潜像を施した画線群21は、複製物28では、夫々上記要部拡大図において示されているように、画線群29及び画線群30として複写される。
【0067】
この要部拡大図で明きらかなように、潜像を施した画線群21は複写機では再生不能となり、画線群21に対応する画線群30は認識できない(この要部拡大図では説明の都合上一応画線群30として記入した。)。潜像を施さない画線群20を複写した画線群23のみが再生でき認識できる画線となる。これにより、潜像パターン19は顕像の状態となり、複写機を用いた複製物であることが一目瞭然となり、これにより真偽判別が可能となる。
【0068】
さらに、図14の潜像を施さない画線群20は、部分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、デジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア470)で複写すると、部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー複写機の走査線の線配列が干渉し、図15の複製物28において示されているように、モアレが顕著に発現する。これにより、複写機を用いた複製物であることは一目瞭然となる。
【0069】
これらの各々のモアレは、線画を構成する各種の画線群の様々な組み合わせをすることにによってモアレの発生個所や大きさを変えることができ、この点に着目して、モアレにより真偽判別の要素として利用してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の方法による複写防止模様を有する各種証明書及び重要書類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印刷物は、肉眼で視認した場合には単なる一様な地紋状模様として認識され、複写機等により複写した場合には、モアレ模様による図形化されたパターンが顕著に発現する。
【0071】
従って、本発明の方法による複写防止模様を施すことによって、前記有価証券等の印刷物が複写機等により複写されたものであるか否かを、モアレ模様そのものを知らない一般の人が、真正物には存在しない円形状等の模様を視認することによって、何等の器具、装置を用いずに真正物であるか複写物であるかの識別をすることができるだけでなく、複写機により複写した場合は潜像を施した部分が再生不能となり、潜像が顕像化されるので、複写機による偽造、変造を防止できる。
【0072】
又、本発明の地紋模様では、単色印刷においても容易に肉眼では潜像を識別できないことから、あえてカムフラージ模様を重ね刷りする必要がなく、前記地紋模様を単色の地紋模様として用いることもできる。
【0073】
本発明は、モアレ模様の発生と潜像の現出という一つの印刷物において二重の複写防止効果を有しており、一方の複写機にはモアレ模様の発生が効果を有したり、もう一方の複写機には潜像の現出の効果を有したり、更にもう一方ではモアレ模様の発生と潜像の現出が同時に生じたりすることによって、複写機おける複写で両者の模様の複写機による偽造、変造を防止しなければならない銀行券、株券、債券等の有価証券や、各種証明書及び重要書類等の複写機において、容易に、且つ、確実に複写物であると識別することができるだけでなく、デジタル複写機だけでなくアナログ複写機の様々な機種に対応した偽造、変造防止効果を有する技術として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の線画付き三角形の基本三角形を構成する基本線を示す図である。
【図2】基本三角形の一部の部分三角形を示す図である。
【図3】基本三角形の下書き線を示す図である。
【図4】 本発明の実施例1の複写防止模様の基本要素となる線画付き三角形を示す図である。
【図5】図4の線画付き三角形を集合して構成される本発明の集合模様である。
【図6】本発明の実施例2の基本三角形の一部の部分三角形を示す図である。
【図7】本発明の実施例2の基本三角形の下書き線を示す図である。
【図8】 本発明の実施例2の複写防止模様の基本要素となる線画付き三角形を示す図である。
【図9】 図8の線画付き三角形を集合して構成される集合模様である。
【図10】本発明の実施例の印刷物及びその要部拡大図を示す図である。
【図11】 潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画線構成を示した拡大図である。
【図12】本発明の実施例3を示す図であり、潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画線構成を示す要部拡大図である。
【図13】図12の印刷物を複写機で複写した複写物を示し、潜像パターンが顕像の状態を示す図である。
【図14】本発明の実施例4を示す図であり、潜像を施した部分と潜像を施さない部分の画線構成を示した要部拡大図である。
【図15】図14の印刷物を複写機で複写した複写物を示し、潜像パターンが顕像の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 基本三角形
2、8 線画付き三角形
3、9 本発明の集合模様(複写防止模様)
4〜7、10〜13 集合模様の格段
13 A4枠
14 画線群
15 潜像を施さない画線
16 潜像を施す画線
17 定期周期断絶線
18、22 印刷物
19 潜像パターン
20 潜像を施さない画線
21 潜像を施す画線群
22、28 複写による複製物
23、29 潜像を施さない画線の複製物における対応画線
24、30 潜像を施した画線の複製物における潜像を施した画線の対応画線
A 部分三角形の底辺の長さ
B 部分三角形の斜辺の長さ
C 部分三角形の対辺の長さ
D 基本三角形の一辺の長さ
P 基本三角形の頂点
G、G’、H、H’ 異なる線画付き三角形の頂点Pが重なる点
O 頂点Pが互いに重なる一点
R 相似形の六角形の模様
W、W’、Y、Y’ 螺旋模様

Claims (12)

  1. 複数の線画付き三角形を基本図形とした多角形から構成される複写防止模様を有する印刷物であって、上記線画付き三角形は、三角形の垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形から構成され、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺はその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割されており、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に斜辺から垂直に描画された一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群で線画が構成されていることを特徴とする複写防止模様を有する印刷物。
  2. 複数の線画付き三角形を基本図形とした多角形から構成される複写防止模様を有する印刷物であって、上記線画付き三角形は、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形とから構成され、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺はその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割されており、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に対辺から、斜辺に平行に描画された一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群で線画が構成されていることを特徴とする複写防止模様を有する印刷物。
  3. 複数の線画付き三角形の集合模様は、複数の線画付き三角形が横方向に上下交互に並列して構成される段部を縦方向に複数配置し、縦方向に隣接する段部は、互いに隣接辺に対して対称の配置、又は互いに隣接辺に対して対象の配置としかつ該対称の配置から横方向にずれた配置のいずれか一つの配置であることを特徴とする請求項1又は2記載の複写防止模様を有する印刷物。
  4. 上記集合模様は潜像を含むものであり、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、上記潜像を施した部分の二本線以上の画線は、該二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、上記潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、上記潜像を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の複写防止模様を有する印刷物。
  5. 上記集合模様は潜像を含むものであり、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、上記潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、上記潜像を施さない部分の連続線のうち、上記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しいことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の複写防止模様を有する印刷物。
  6. 上記集合模様が地紋模様であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の複写防止模様を有する印刷物。
  7. 三角形を、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形に画成し、上記部分三角形の夫々について、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺をその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割し、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に斜辺から垂直に一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群を描画して線画付き三角形を形成し、線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を形成することを特徴とする複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
  8. 三角形を、垂心P1と、上記垂心P1から各辺への垂線と各辺との交点P2と、上記三角形の各頂点Pで構成される複数の部分三角形に画成し、上記部分三角形の夫々について上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺をその両端に長さaを残して長さ2aづつに複数分割し、上記部分三角形における線画付き三角形の辺をなす辺の分割された点に対辺から、斜辺に平行な一定の画線幅を有する複数の画線から成る画線群を描画して線画付き三角形を形成し、線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を形成することを特徴とする複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
  9. 線画付き三角形を複数集合して集合模様である複写防止模様を有する印刷物の作成方法において、線画付き三角形を複数集合する場合は、線画付き三角形を複数横方向に上下交互に並列して段部を構成し、該段部を縦方向に複数配置し、縦方向に隣接する段部は、互いに隣接辺に対して対称の配置、又は互いに隣接辺に対して対象の配置としかつ該対称の配置から横方向にずれた配置のいずれか一つの配置とすることを特徴とする請求項7又は8記載の複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
  10. 上記集合模様は潜像を含むものであり、潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、上記潜像を施した部分の二本線以上の画線を、該二本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、上記潜像を施さない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、上記潜像を施さない部分の一本線から分岐させることを特徴とする請求項7、8又は9記載の複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
  11. 上記集合模様は潜像を含むものであり、潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、上記潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の画線面積を、上記潜像を施さない部分の連続線のうち、上記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくすることを特徴とする請求項7、8又は9記載の複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
  12. 上記集合模様を地紋模様とすることを特徴とする請求項7、8、9、10又は11記載の複写防止模様を有する印刷物の作成方法。
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