JP3368330B2 - 複写防止模様の作成方法及びその印刷物 - Google Patents

複写防止模様の作成方法及びその印刷物

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JP3368330B2
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正人 木内
たい子 横川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偽造、変造防止を必要
とする印刷物において、該印刷物をデジタル複写機によ
る複写や、プロセス印刷によって複製した場合に、モア
レによる顕著な模様を発現させる複写防止模様の作成方
法及びその印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のデジタル複写機の著しい普及に伴
い、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び
重要書類等の印刷物において、デジタル複写機による偽
造、変造に対する防止策は重要な要素である。そうした
デジタル複写機による複写物に対して、真正物であるか
否かを判定する場合の有効な偽造防止策の一つにモアレ
による模様がある。モアレによる模様は、一定の画線幅
を有する直線や曲線が一定間隔で連続配列している印刷
物上の模様と、複写時においてデジタル複写機の走査入
出力の走査線とが干渉し、干渉縞として発生するもので
ある。
【0003】前記偽造防止策としてのモアレによる模様
を発生させる画線構成として、まず万線パターンによる
ものがある。例えば、実公平2−43747号公報に
は、電子写真方式のカラーコピーマシンによる複写偽造
を防止するために、シート基材上に1つの色で万線パタ
ーンによる印刷層を形成し、更に該印刷層上に他の色で
上記パターンと角度を変えて、万線パターン又は網点パ
ターンによる印刷層を形成して、これをカラーコピーマ
シンによりコピーすると、カラーコピーマシンに用いら
れているレンズのレンズ収差により周辺部に歪みが生じ
るとともに、パターンを各々異なる色で構成しているの
で、色収差のために各色間でずれが生じ、本物の印刷物
のモアレとは異なったモアレが発生するので、目視のみ
でカラーコピーマシンによる複写偽造のチェックができ
る複写偽造防止用印刷物が開示されており、また、実開
平1−36866号公報に開示されるように、隣り合う
放射状線相互の間隔が略一定になるようにして、被画線
形成物上の基準点から放射する多数本の放射状線を具備
し、被画線形成物を複写した際にCCDセンサーの走査
方向と平行になる部分に確実にモアレを発生させて複写
物であることを特定できる画像形成体がある。しかし、
前記いずれの考案も、万線パターンを利用しているので
画線を構成する万線の角度に依存せざるを得ず、従って
万線パターンの角度をかえた画線を多く組み合わせるこ
とが必要とされる。
【0004】そこで前述した角度に依存せずにモアレを
発生させるものとして、同心円パターンを用いた、例え
ば、実開平5−12173号公報には、被複写紙上に一
定間隔を隔てた多数の同心円、あるいは多数の放射線よ
りなる背景部を印刷形成し、デジタルコピー機による複
写時に上記背景部中のいずれかの部分がデジタルコピー
機の読取り方向に対してモアレを発生させる傾斜角度の
アミ点あるいは線群とさせることにより、複写紙上にこ
の部分を被複写紙の背景部にはないモアレ発生部として
現出させることによって、どのような読取り方向から複
写した場合でも被複写紙と同一の複写を行なわさせず、
複写紙上に差異部を現出させて被複写紙との違いを明確
とさせることが可能な、デジタルコピー機による複写偽
造防止用の被複写紙が開示されている。また、特開平6
−262893号公報に開示されるように、基紙の表面
に施された潜像と背景の一方が150線10%程度の網
点で形成されると他方が同心円パターンで形成され、同
心円パターンの円形を構成する細線が1/10mmの太さ
を有し、且つ細線相互の間隔Sが1/2mm程度であり、
潜像と背景は同色であり、同心円パターンを構成する細
線は網点同様無数に存在し、且つ目立たないため、通常
は網点との識別がつかず、肉眼で潜像と背景は一様平面
に観察されるが、コピーをすると複写機の形式を問わ
ず、また光の走査方向や用紙の置き方にも関係なく潜像
が明瞭に現出するとともにモアレが発生することによっ
て、潜像の視認性とモアレの視認性によって偽造防止す
る複写機適応型コピー偽造防止用紙がある。
【0005】しかし、前記いずれの技術を用いても、モ
アレの発生は複写機の走査方向に応じて印刷物中の図柄
の一部分で発現するので、単純なモアレによる模様とな
らざるを得ず、モアレによる模様そのものを知らない一
般の人が、市場流通過程において真正な印刷物を複写し
た場合に発現するモアレによる模様によって、複写機に
よる複写物であると判別するには、十分な真偽判別要素
となり得ていないという問題点があった。
【0006】また、前記いずれの技術も、印刷模様に所
望の意味文言を有する文字や紋章、即ち、太ゴシック書
体のようなロゴタイプ等の文字やベタ面積の大きいシン
ボルマークを合成する場合において、ロゴタイプ等の文
字及びシンボルマークが、切抜き合成されることによっ
て、前記それぞれの技術に用いられている万線パター
ン、同心円パターン等の構成子と無関係に配置されるだ
けでなく、モアレによる模様の発現効果を奏する万線パ
ターン、同心円パターン等の構成子をロゴタイプ等の文
字及びシンボルマークが隠蔽してしまうので、肉眼視に
おいてロゴタイプ等の文字及びシンボルマークがモアレ
の発生を妨害してしまう欠点がある。従って、ロゴタイ
プ等の文字及びシンボルマークを合成する場合において
は、更に真偽判別要素となり得なくなるという問題点が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みなされたもので、複写防止を必要とする各種証明書等
の重要書類をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証
券等や、所望の意味文言を有する文字や紋章を常時認識
できるような広告効果を有する印刷物が、デジタル複写
機による複写や、通称プロセス印刷といわれるもののう
ち、幾何学的に規則正しく分布された点または線を用い
た、例えばスクウェアドット、チェーンドット等の印刷
スクリーン製版法により複製(以下複写機等により複写
という)されたものであるか否かを、印刷物上の模様と
複写時におけるデジタル複写機の走査入出力の走査線と
の干渉によって生じる模様(以下モアレ模様という)を
真偽判別の要素として、そのモアレ模様を知らない一般
の人であっても、真正物には存在しない顕著なモアレ模
様を、複写物には明瞭に発現させることによって、容易
に、且つ、確実に複写物であると識別することができる
複写防止模様の作成方法及びその印刷物の提供を目的と
したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
一定の画線幅の画線を有する複数のロゴタイプ等の文字
及びシンボルマークの輪郭線に、前記輪郭線の線分から
外向する前記輪郭線より太い画線幅を有する直線及び曲
線で構成する線は、輪郭線の各線文の外周を半径χの円
Rを用いて、輪郭線の各線分の外周と円Rの外周が接す
る状態で円Rを周回させる時に、円Rの中心が描く軌跡
に等しい位置に、定量連続拡張による画線を施し、前記
輪郭線の線分から内向する前記輪郭線より太い画線幅を
有する直線及び曲線で構成する線は、輪郭線の各線分の
外周を半径χの円Rを用いて、輪郭線の各線分の外周と
円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる時に、円R
の中心が描く軌跡に等しい位置に、収縮配列をなす画線
を施し、前記輪郭線より太い画線幅を有する直線及び曲
線で構成する線を増加することにより、前記輪郭線の線
分から外向又は内向した等差数列をなす直線及び曲線で
構成する前記輪郭線の線分より太い画線幅を有する直線
及び曲線で構成する線群が形成されることを特徴とする
複写防止模様の作成方法である。
【0009】本発明の第2の発明は、一定の画線幅の画
線を有する複数のロゴタイプ等の文字及びシンボルマー
クの輪郭線に、前記輪郭線の線分から外向する前記輪郭
線より太い画線幅を有する直線及び曲線で構成する線
は、輪郭線の各線文の外周を半径χの円Rを用いて、輪
郭線の各線分の外周と円Rの外周が接する状態で円Rを
周回させる時に、円Rの中心が描く軌跡に等しい位置
に、定量連続拡張による画線を施し、前記輪郭線の線分
から内向する前記輪郭線より太い画線幅を有する直線及
び曲線で構成する線は、輪郭線の各線分の外周を半径χ
の円Rを用いて、輪郭線の各線分の外周と円Rの外周が
接する状態で円Rを周回させる時に、円Rの中心が描く
軌跡に等しい位置に、収縮配列をなす画線を施し、前記
輪郭線より太い画線幅を有する直線及び曲線で構成する
線を増加することにより、前記輪郭線の線分から外向又
は内向した等差数列をなす直線及び曲線で構成する前記
輪郭線の線分より太い画線幅を有する直線及び曲線で構
成する線群を形成し、前記線群を画線構成とし、刷版を
作製して印刷することを特徴とする複写防止模様を有す
る印刷物である。
【0010】なお、定量連続拡張した画線とは、ロゴタ
イプ等の文字及びシンボルマークの輪郭線の線分を基準
として、該線分の外向方向に一定間隔で拡張を繰り返し
た画線をいい、収縮配列した画線とは、前記輪郭線の線
分を基準として、該線分の内向方向に一定間隔で収縮を
繰り返した画線をいう。
【0011】
【作用】本発明の複写防止模様の作成方法によれば、一
定の画線幅の画線を有する複数のロゴタイプ等の文字及
びシンボルマークの輪郭線を基本とした、前記ロゴタイ
プ等の文字及びシンボルマークの部分を強調するため、
ロゴタイプ等の文字及びシンボルマークの輪郭線群に、
前記輪郭線群の各線分の外向には前記輪郭線群の画線幅
より太い画線幅の画線を定量連続拡張した画線で、前記
輪郭線群の各線分の内向には前記輪郭線群より太い画線
幅の画線を収縮配列した画線の各々の間隔が同一の画線
の集合体とすることによって、通常の観察時にはロゴタ
イプ等の文字及びシンボルマークのみが認知でき、ロゴ
タイプ等の文字及びシンボルマークの他の部分は、ロゴ
タイプ等の文字及びシンボルマークの部分の画線幅より
太く、且つ、画線間隔を同一としているので一様の地紋
状模様として視認されるが、複写機等により複写する
と、本発明の複写防止模様中には、前記ロゴタイプ等の
文字及びシンボルマークの輪郭線を基準に、外向、内向
に等差数列的な画線構成をしているから、異なる方向の
直万線状態の直線画線構成領域と、開口方向が異なる同
心円弧万線状態の扇状画線構成領域と、基準とする文字
図形の曲線に相関する曲率に従った開口方向の異なる任
意曲線構成領域とが形成されているので、これらの各々
の異なる方向の画線と複写機の走査線の線配列とが干渉
し顕著なモアレ模様が発現する。
【0012】
【実施例】本発明の効果を奏する模様は、一定の画線幅
の画線を有する複数のロゴタイプ等の文字及びシンボル
マークの輪郭線を基本に、前記輪郭線から内向及び外向
した等差数列をなし、且つ前記輪郭線の線分の画線幅よ
り太い画線幅を有する直線及び曲線による線群で構成し
た画線の集合体であり、前記輪郭線の形状に制限はな
い。また、隣接する前記輪郭線の長さや面積及び書体等
が異なっても、本発明の効果を奏する模様が作成され
る。
【0013】(実施例1) 本実施例では、発明の技術的内容をより明確にするため
に、図1に示すように2次元座標上において、頂点a1
〜a11で構成されるヘルベチカ書体の文字図形「A」
と、頂点b1〜b13で構成されるヘルベチカ書体の文
字図形「B」で構成される文字の図形群によって、本発
明の複写防止模様の作成方法を説明する。
【0014】図2は、図1の文字図形群を構成する輪郭
線の各線分を基に、文字図形群から内向及び外向した等
差数列をなし、且つ前記文字図形群の輪郭線の線分の画
線幅より太い画線幅を有する直線及び曲線で構成する線
(以下、α線という)群の描画方法を示したものであ
る。このとき、図2に示す頂点a1、a2、a3、a
4、a5、a6、a7、a8、a1で形成される文字図
形「A」の輪郭線を外輪線と定義する。また、文字図形
「A」の頂点a9、a10、a11、a9で形成され
る、文字図形「A」の輪郭線を内輪線と定義する。な
お、文字図形「B」についても同様に称する。更に、図
2に示す文字図形群「A、B」の内輪線の内側領域は、
文字図形の外側であると定義する。
【0015】まず本発明の偽造防止模様を構成する画線
は、図2に示す文字図形群「A、B」の外輪線から外向
するα線は定量連続拡張による画線、即ち、各々の文字
図形の外輪線を半径χの円Rを用いて、各々の文字図形
の外輪線と円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる
時に、円Rの中心が描く軌跡に等しい位置に、また各々
の文字図形の外輪線と内輪線で囲まれた領域(本実施例
の場合は各々「A」、「B」の画線部分)のα線は、そ
れぞれ内輪線からは外向する定量連続拡張する画線を、
また、外輪線からは内向する収縮配列をなす画線、即
ち、各々の文字図形の外輪線の内向方向を半径χの円R
を用いて、各々の文字図形の外輪線の内向と円Rの外周
が接する状態で円Rを周回させる時に、円Rの中心が描
く軌跡に等しい位置に得る。従って、文字図形群に形成
されるα線は、例えば図2のχ′に示すように、半径χ
の円Rの中心が描く軌跡に等しくなる。また、各々の文
字図形(本実施例では「A」、「B」)の外輪線は、各
々に円Rを用いて描くα線が、いずれかのα線を描く円
Rの外周と接した時点以降は、いずれかのα線を描く円
Rを用いて、両方の文字のα線を描くようにする。即
ち、図2を用いて更に詳細に説明すると、図2に示した
「A」と「B」の各々の外輪線の最小間隔a3とb5の
間隔が、仮に600μmとすると、まず始めのα線のα
1は各々の文字図形毎に半径250μmの円Rの中心が
描く軌跡に等しい位置に得る。次のα線のα2は、前記
a3とb5の外輪線の最小間隔が各々の文字図形のα線
のα1の形成によって100μmの間隔となり、円Rの
直径未満となる。このような場合は、文字図形「A」の
α線のα2を描く円Rの外周が文字図形「B」のα線の
α1と接した時点で文字図形「B」のα線のα2を描画
する。又、前述した文字図形の外輪線と内輪線で囲まれ
た領域のα線は、外輪線から内向するα線と内輪線から
外向するα線の間隔が、α線を描く円の直径未満になっ
た時点で描画を終了する。以上のように、各々の文字図
形の内輪線と外輪線を基本に、外向及び内向にα線を次
々と増加することにより、等差数列をなす直線及び曲線
で構成するα線群、即ち、模様が形成される。
【0016】図3は、円Rの半径χをχ=250μmと
した時の、前記α線群の描画方法に従い作成した模様で
ある。作成された模様から分かるように、文字図形群
「A、B」を構成する輪郭線の各々の線分から外向する
α線は、例えば文字図形群「A、B」が隣接した部分
の、文字図形「A」の頂点a2とa3を結んだ辺と、文
字図形「B」の頂点b1とb5を結んだ辺に囲まれる領
域に、直万線状態の直線構成領域f1、f1′が、文字
図形群の隣接しない文字図形「A」の頂点a1とa8の
各々の部分には、同心円弧万線状態の扇状構成領域f
2、f2′が、また、文字図形群の隣接しない文字図形
「B」の頂点b2とb3及び頂点b3とb4を結んだ曲
線が構成する部分には、各々の曲率に従った任意曲線構
成領域f3、f3′が構成され、さらにこれらと同様の
領域が異なる方向に構成され一体模様とすることで、複
写機等での複写時における入出力走査線との干渉を顕著
化する複写防止機能を高めている。
【0017】(実施例2) 次に、前述したα線群の描画方法によって、複写機等に
より複写された偽造品が一目瞭然となるように、より顕
著なパターンを現出させる複写防止模様の作成方法及び
印刷物について説明する。
【0018】まず図4に示すように、「鳳凰」の図柄の
輪郭線(1)を原稿サイズ内に配置する。
【0019】次に、「鳳凰」の図柄の輪郭線(1)に対
して、図2の説明の項で前述したα線の描画方法によっ
てα線群を形成する。図5は、前記図4をα線群の描画
方法に従い、円Rの半径χをχ=250μmとして模様
作成をしたものの一部拡大図である。前記輪郭線の形状
に相対して、直線構成領域並びに扇状構成領域、さらに
は任意曲線構成領域等の組み合わせとなり、しかも直線
構成領域の直万線方向が異なったり、扇状構成領域及び
任意曲線構成領域の開口方向が異なったりすることによ
って、複写時の入出力走査線との干渉部分を多様化して
いる。
【0020】次に、図5の「鳳凰」の図柄の輪郭線
(1)の画線を50μm、α線群(2)の画線の画線幅
を100μmとし、市販のコンピュータグラフィックス
によって描画し、レーザープロッターを用いて製版用フ
ィルム原版を得、市販のポジタイプPS版で背景部の刷
版を得、インキのレオロジー適性を、粘度99ポアズ、
タック値4.4とした市販のオフセットインキ(グレ
ー)で、印刷機器の調整は一般の平版オフセット印刷に
等しく、特別に調整することなくオフセット印刷を行
い、図6の印刷物(3)を得た。該印刷物(3)を肉眼
で見た場合には、画線幅を100μmとしたα線群
(5)は、印刷物(3)の全体のデザイン上の一部分と
して、ベタ状、即ち、一様な濃度による地紋状模様とし
て視認され、画線幅50μmとした「鳳凰」の図柄の輪
郭線(4)のみが強調されて図柄として認識されるが、
これを複写機により複写すると、図7の複写物(6)の
「鳳凰」の図柄の輪郭線(4’)の周囲のα線群
(5’)にモアレによる模様が現出し、複写物であるこ
とが明瞭に判断できた。
【0021】前記実施例による複写物である図7は、デ
ジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザーコピア
470)によって複製したものであり、前述したよう
に、ロゴタイプ等の文字及びシンボルマーク等の輪郭線
の各々の線分から、外向、内向に等差数列により構成さ
れ、複雑な画線形状を形成しているので、部分的には直
万線状態であったり、曲万線状態であったりしているこ
とから、複写すると部分的に直万線状態部分の線配列
と、部分的に曲万線状態部分の線配列と、デジタルカラ
ー複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が発生す
る。これらの各々の干渉縞が合成されて、図6に示す印
刷物の背景の一様の地紋状模様が、複写機等により複写
した場合には図7に示すように、文字図形群周囲に模様
が顕著に発現し、複写機を用いた複製物であることは一
目瞭然となる。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の方
法による複写防止模様を有する各種証明書及び重要書類
等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印
刷物は、肉眼で視認した場合には、所望の意味文言を有
する文字や紋章即ち、ロゴタイプ等の文字及びシンボル
マークが認識され、その他の部分は単なる一様な地紋状
模様として認識される。該印刷物を複写機等により複写
した場合には、一様な地紋状部分にモアレ模様による図
形化されたパターンが顕著に発現する。従って、本発明
の方法による複写防止模様を施した、前記有価証券等の
印刷物が複写機等により複写されたものであるか否か
を、モアレ模様そのものを知らない一般の人が、真正物
には存在しない顕著な模様を視認することによって、何
等の器具、装置を用いずに容易に、且つ、確実に、真正
物であるか複写物であるかの識別をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 文字図形群。
【図2】 α線群の描画方法を示した図。
【図3】 α線群の描画方法に従い作成した模様を拡大
して示した図。
【図4】 実施例2の「鳳凰」の図柄の輪郭線を示した
図。
【図5】 実施例2の「鳳凰」の図柄の輪郭線をα線群
の描画方法に従い作成した模様の一部拡大図。
【図6】 実施例2による印刷物。
【図7】 実施例2による印刷物を複写機により複写し
た複写物を示した図。
【符号の説明】
1、4 「鳳凰」の図柄の輪郭線 2、5 α線群 3 印刷物 4’ 複写物の「鳳凰」の図柄の輪郭線 5’ 複写物のα線群 6 複写物 a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、a8、a
9、a10、a11文字図形「A」の各頂点 b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b
9、b10、b11、b12、b13 文字図形
「B」の各頂点 f1、f1′ 直線構成領域 f2、f2′ 扇状構成領域 f3、f3′ 任意曲線構成領域 R 円 χ 円Rの半径 χ′ 各々の線分の間隔 α1、α2、α3、α4、α5 α線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の画線幅の画線を有する複数のロゴ
    タイプ等の文字及びシンボルマークの輪郭線に、 前記輪郭線の線分から外向する前記輪郭線より太い画線
    幅を有する直線及び曲線で構成する線は、輪郭線の各線
    文の外周を半径χの円Rを用いて、輪郭線の各線分の外
    周と円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる時に、
    円Rの中心が描く軌跡に等しい位置に、定量連続拡張に
    よる画線を施し、 前記輪郭線の線分から内向する前記輪郭線より太い画線
    幅を有する直線及び曲線で構成する線は、輪郭線の各線
    分の外周を半径χの円Rを用いて、輪郭線の各線分の外
    周と円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる時に、
    円Rの中心が描く軌跡に等しい位置に、収縮配列をなす
    画線を施し、 前記輪郭線より太い画線幅を有する直線及び曲線で構成
    する線を増加することにより、前記輪郭線の線分から外
    向又は内向した等差数列をなす直線及び曲線で構成する
    前記輪郭線の線分より太い画線幅を有する直線及び曲線
    で構成する線群が形成される ことを特徴とする複写防止
    模様の作成方法。
  2. 【請求項2】一定の画線幅の画線を有する複数のロゴタ
    イプ等の文字及びシンボルマークの輪郭線に、 前記輪郭線の線分から外向する前記輪郭線より太い画線
    幅を有する直線及び曲線で構成する線は、輪郭線の各線
    文の外周を半径χの円Rを用いて、輪郭線の各線分の外
    周と円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる時に、
    円Rの中心が描く軌跡に等しい位置に、定量連続拡張に
    よる画線を施し、 前記輪郭線の線分から内向する前記輪郭線より太い画線
    幅を有する直線及び曲線で構成する線は、輪郭線の各線
    分の外周を半径χの円Rを用いて、輪郭線の各線分の外
    周と円Rの外周が接する状態で円Rを周回させる時に、
    円Rの中心が描く軌跡に等しい位置に、収縮配列をなす
    画線を施し、 前記輪郭線より太い画線幅を有する直線及び曲線で構成
    する線を増加することにより、前記輪郭線の線分から外
    向又は内向した等差数列をなす直線及び曲線で構 成する
    前記輪郭線の線分より太い画線幅を有する直線及び曲線
    で構成する線群を形成し、 前記線群を画線構成とし、刷版を作製して印刷する こと
    を特徴とする複写防止模様を有する印刷物。
JP23590095A 1995-08-23 1995-08-23 複写防止模様の作成方法及びその印刷物 Expired - Lifetime JP3368330B2 (ja)

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