JP2000263911A - 複写防止模様を有する印刷物 - Google Patents

複写防止模様を有する印刷物

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JP2000263911A JP7240299A JP7240299A JP2000263911A JP 2000263911 A JP2000263911 A JP 2000263911A JP 7240299 A JP7240299 A JP 7240299A JP 7240299 A JP7240299 A JP 7240299A JP 2000263911 A JP2000263911 A JP 2000263911A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写防止を必要とする各種証明書及び重要書
類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の
地紋模様等に、肉眼で見ると一様状の模様として視認さ
れ、複写機等により複写した場合に、モアレ模様による
図形化されたパターン及び任意の図形の潜像が顕著に発
現しする複写防止模様を有する印刷物の提供を目的とし
ている。 【解決手段】 複数の多角形を基本とし、前記多角形の
各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から任
意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記任
意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図形
で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定の
画線幅の線画を有する直線による線群で構成した線画の
集合模様であり、且つ前記多角形から得た線群であるこ
とを特徴とする線画の集合模様を備えた構造物及び、そ
の作成方法と印刷物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造、変造防止を
必要とする印刷物において、デジタルカラー複写機及び
デジタルモノクロ複写機(以下、複写機と称する)によ
る複写やプロセス印刷によって複製した場合に、モアレ
や潜像による顕著な模様を発現させる複写防止模様の作
成方法及びその印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の複写機の著しい普及に伴い、銀行
券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類
等の印刷物において、複写機による偽造、変造に対する
防止策は重要な要素である。そうした複写機による複写
物に対して、真正物であるか否かを判定する場合の有効
な偽造防止策の一つにモアレによる模様がある。モアレ
による模様は、一定の画線幅を有する直線や曲線が一定
間隔で連続配列している印刷物上の模様と、複写時にお
いて複写機の走査入出力の走査線とが干渉し、干渉縞と
して発生するものである。また、印刷物を複写機で複写
すると目視では認識できなかった潜像を現出するコピー
防止画線等がある。しかし最近のカラー複写機の著しい
普及に伴い、偽造、変造による犯罪が増加する危険性を
有しており、より一層効果の高い偽造、変造防止策とし
て技術の開発が望まれていた。
【0003】前記偽造防止策としてのモアレによる模様
を発生させる画線構成として、まず万線パターンによる
ものがある。例えば、実公平2−43747号公報によ
ると、電子写真方式のカラーコピーマシンによる複写偽
造を防止するために、シート基材上に1つの色で万線パ
ターンによる印刷層を形成し、更に該印刷層上に他の色
で上記パターンと角度を変えて、万線パターン又は網点
パターンによる印刷層を形成して、これをカラーコピー
マシンによりコピーすると、カラーコピーマシンに用い
られているレンズのレンズ収差により周辺部に歪みが生
じるとともに、パターンを各々異なる色で構成している
ので、色収差のために各色間でずれが生じ、本物の印刷
物のモアレとは異なったモアレが発生するので、目視の
みでカラーコピーマシンによる複写偽造のチェックがで
きる複写偽造防止用印刷物が開示されており、また、実
開平1−36866号公報によると、隣り合う放射状線
相互の間隔が略一定になるようにして、被画線形成物上
の基準点から放射する多数本の放射状線を具備し、被画
線形成物を複写した際にCCDセンサーの走査方向と平
行になる部分に確実にモアレを発生させて複写物である
ことを特定できる画像形成体が開示されている。しか
し、前記いずれの考案も、万線パターンを利用している
ので画線を構成する万線の角度に依存せざるを得ず、従
って万線パターンの角度をかえた画線を多く組み合わせ
ることが必要とされる。
【0004】そこで前述した角度に依存せずにモアレを
発生させるものとして、同心円パターンを用いた、例え
ば、実開平5−12173号公報によると、被複写紙上
に一定間隔を隔てた多数の同心円、あるいは多数の放射
線よりなる背景部を印刷形成し、デジタルコピー機によ
る複写時に上記背景部中のいずれかの部分がデジタルコ
ピー機の読取り方向に対してモアレを発生させる傾斜角
度のアミ点あるいは線群とさせることにより、複写紙上
にこの部分を被複写紙の背景部にはないモアレ発生部と
して現出させることによって、どのような読取り方向か
ら複写した場合でも被複写紙と同一の複写を行なわさせ
ず、複写紙上に差異部を現出させて被複写紙との違いを
明確とさせることが可能な、デジタルコピー機による複
写偽造防止用の被複写紙が開示されている。また、特開
平6−262893号公報によると、基紙の表面に施さ
れた潜像と背景の一方が150線10%程度の網点で形
成されると他方が同心円パターンで形成され、同心円パ
ターンの円形を構成する細線が1/10mmの太さを有
し、且つ細線相互の間隔Sが1/2mm程度であり、潜
像と背景は同色であり、同心円パターンを構成する細線
は網点同様無数に存在し、且つ目立たないため、通常は
網点との識別がつかず、肉眼で潜像と背景は一様平面に
観察されるが、コピーをすると複写機の形式を問わず、
また光の走査方向や用紙の置き方にも関係なく潜像が明
瞭に現出するとともにモアレが発生することによって、
潜像の視認性とモアレの視認性によって偽造防止する複
写機適応型コピー偽造防止用紙が開示されている。
【0005】しかし、前記いずれの技術を用いても、モ
アレの発生は複写機の走査方向に応じて印刷物中の図柄
の一部分で発現するので、単純なモアレによる模様とな
らざるを得ず、モアレによる模様そのものを知らない一
般の人が、市場流通過程において真正な印刷物を複写し
た場合に発現するモアレによる模様によって、複写機に
よる複写物であると判別するには、十分な真偽判別要素
となり得ていないという問題点があった。
【0006】そこで本願出願人は前述の問題点を解決す
るため、特願平7−192674号では、一定の画線幅
の画線を有する複数の多角形に、前記多角形の辺をなす
線分の外向には、多角形の線分と同一の画線幅の定量連
続拡張した画線を施し、前記多角形の辺をなす線分の内
向には、多角形の線分と同一の画線幅の収縮配列した画
線を施し、前記多角形の辺をなす線分と、定量連続拡張
した線画と、収縮配列した線画とが等差数列をなす線画
の集合体で構成した複写防止模様の作成方法とその印刷
物を出願している。
【0007】また、印刷物を複写機で複写すると目視で
は認識できなかった潜像を現出するような方法の代表的
な技術として、一般的にコピー防止画線と称する一連の
技術がある。即ち複写機によって複写することにより、
印刷物中に施してあった潜像が現出するものである。こ
のような複写機による偽造防止に適する印刷物において
は、例えば、特開昭57−20395号公報によると、
基紙表面に例えば85線30%の網点である微細構成素
子よりなる文字を表示した潜像を銀インキを用いて印刷
し、次にこの潜像以外の余白部に前記潜像より粗または
密(例えば150線30%)の網点で印刷を施すと共
に、前記潜像の上面に彩紋や地紋等の印刷模様を施す、
複写による偽造防止に適する潜像入り印刷物があり、ま
た、特開昭60−79991号公報によると、用紙の表
面に網点で潜像を印刷し、万線で潜像と同濃度の背景を
同時印刷し、背景を含む潜像の上面に装飾模様をコピー
で再現されない程度の薄色の透明性インキで重ね刷りす
ることにより、印刷物表面を体裁よく仕上げ、コピーに
かけると模様は見えなくなり、背景は再現されると共に
潜像は再現されず、背景と潜像の濃度差が歴然となって
複写物であることが一見して分かる、複写防止に適する
印刷物があり、更に、特開昭60−87380号公報に
よると、150線10%の網点よりなる潜像をそなえ、
且つ潜像周囲の白地面に50〜60線10%程度の万線
よりなる背景を備えた潜像版を用いて、用紙の表面に濃
色の印刷を施し、背景の万線と干渉した時にモアレ模様
を形成する平行線よりなる波形パターンを備えたオーバ
ープリント版を用いて、用紙表面に複写機で再生されな
い淡色の重ね刷りを施すことにより、印刷物の表面は肉
眼を幻惑するモアレ模様が形成されるので潜像の存在は
識別困難となり、複写機にかけると潜像と波形パターン
は再生されずに背景のみが再生されるので、潜像が背景
と区別して認められる、印刷物における複写防止用潜像
カムフラージ法等が開示されている。
【0008】前記公報等による印刷物は、いずれも網点
もしくは万線等の点及び線が一定周期で連続配置する画
線群(以下、スクリーンパターンと称する)の粗密によ
って潜像が施され、印刷面全体の模様が均一濃度を持っ
たスクリーンパターンとなっている。前記潜像が施され
た印刷物を複写機によって複写した際、再生されない密
構成のスクリーンパターンと、再生される粗構成のスク
リーンパターンに濃度差が生じて、再生される粗構成の
スクリーンパターンに対して、再生されない密構成のス
クリーンパターンの潜像部分が現出するようにして、複
写物であることが一目瞭然となるようにしたものである
が、印刷面全体が均一濃度を持ったスクリーンパターン
という特徴から、肉眼視においても同一印刷面上の異な
るスクリーンパターンによって、スクリーン形状の違い
による異別感及びスクリーンパターンゆえに生ずる潜像
の境界線との干渉部により、潜像の存在を識別できてし
まう欠点がある。前記欠点を解決する方法として、前記
公報等はいずれも潜像をカムフラージするために別の模
様や薄色の透明インキ、淡色の重ね刷りを施している
が、前記方法は潜像を識別しにくくする点では有効であ
るが、工程数が増え経済的でないという欠点を有してい
る。
【0009】そこで本願出願人は前述の問題点を解決す
るため、特願平7−138879の、曲線状の集合模様
を、潜像を施さない部分の線画を連続線、潜像を施した
部分の線画を基本曲線方向に一定の間隔で配列された所
定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像を
施した部分の定周期断絶線のうち、基本曲線方向に連続
した一つの画線部と非画線部からなる一周期に相当する
部分の画線面積が、潜像を施さない部分の連続線のう
ち、基本曲線方向における前記一周期と同一の長さに相
当する部分の画線面積と等しくなることを特徴としてい
る。また、潜像を施さない部分の線画と潜像を施した部
分の線画の線画上の境界線が、基本曲線と潜像の輪郭線
との交点において前記基本曲線に接する直線に対し、略
直角に交わる直線となり、併せて、定周期断絶線上の画
線部と非画線部の境界線が、基本曲線と定周期断絶線上
の画線部と非画線部の境界線との交点において前記基本
曲線に接する直線に対し、略直角に交わる直線となるこ
とを特徴とする複写防止模様の作成方法と印刷物を出願
した。
【0010】しかし本願出願人が出願した特願平7−1
92674及び特願平7−138879の複写防止模様
は、前者が複写時におけるモアレの現出であり、後者は
複写時における潜像の現出であるから、各々の複写防止
も模様が固有の効果を有するに過ぎない。そこで、本願
出願人らは両者の特徴を一つの印刷物に集約できるもの
として、実用新案登録第3030938号を既に登録し
ている。しかし、前記登録出願においても元となる複数
の多角形の配置によって、前記多角形の辺をなす線分の
外向に、多角形の線分と同一の画線幅の定量連続拡張し
た等差数列をなす画線において、等差数列で割り切れな
い不都合な配列部分が生ずる場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本考案は上述の点に鑑
みなされたもので、複写防止を必要とする各種証明書及
び重要書類等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価
証券等の印刷物において、複写機による複写や、通称プ
ロセス印刷といわれるもののうち、幾何学的に規則正し
く分布された点または線を用いた、例えばスクウェアド
ット、チェーンドット等の印刷スクリーン製版法により
複製(以下複写機等により複写という)されたものであ
るか否かを、印刷物上の模様と複写時における複写機の
走査入出力の走査線との干渉によって生じる模様(以下
モアレ模様という)そのものを知らない一般の人であっ
ても、真正物には存在しない図形状模様を、複写物には
明瞭に発現させることによって、容易に、且つ、確実に
複写物であると識別することができるだけでなく、通常
は肉眼で識別できない潜像を施すことによって、カムフ
ラージのための重ね刷りも必要とせず、デジタル複写機
だけでなくアナログ複写機を含めた様々な機種に対応し
た偽造、変造防止効果を有する複写防止模様を有する印
刷物の提供を目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の多
角形を基本とし、前記多角形の各辺は隣り合う多角形の
辺と共有し、前記多角形から任意寸法で内向した第1閉
図形と、第1閉図形から前記任意寸法の2倍で内向した
等差数列をなす第2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図
形及び第2〜n閉図形は一定の画線幅の線画を有する直
線による線群であることを特徴とする線画の集合模様を
備えた構造物である。
【0013】第2の発明は、複数の多角形を基本とし、
前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記
多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図
形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第
2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉
図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群であ
ることを特徴とする線画の集合模様の作成方法である。
【0014】第3の発明は、複数の多角形を基本とし、
前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記
多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図
形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第
2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉
図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群であ
ることを特徴とする線画の集合模様の印刷物である。
【0015】第4の発明は、潜像を施さない部分の画線
を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線
で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二
本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さ
ない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像
を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴と
する第1の発明の集合模様を備えた構造物である。
【0016】第5の発明は、潜像を施さない部分の画線
を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線
で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二
本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さ
ない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像
を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴と
する第2の発明の集合模様の作成方法である。
【0017】第6の発明は、潜像を施さない部分の画線
を一本線、潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線
で表現し、潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二
本線以上の画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さ
ない部分の一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像
を施さない部分の一本線から分岐していることを特徴と
する打3の発明の集合模様の印刷物である。
【0018】第7の発明は、潜像を施さない部分の画線
を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配
列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成
し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した
一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当す
る部分の画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線
幅と、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面
積と等しいことを特徴とする第1の発明の集合模様を備
えた構造物である。
【0019】第8の発明は、潜像を施さない部分の画線
を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配
列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成
し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した
一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当す
る部分の画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線
幅と、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面
積と等しいことを特徴とする第2の発明の集合模様の作
成方法である。
【0020】第9の発明は、潜像を施さない部分の画線
を連続線で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配
列された所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成
し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した
一つの画線部と非画線部からなる一周期の長さに相当す
る部分の画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線
幅と、前記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面
積と等しいことを特徴とする請求項3記載の集合模様の
印刷物である。
【0021】第10の発明は、前記集合模様が地紋模様
であることを特徴とする第1、4または7の発明記載の
集合模様を備えた構造物である。
【0022】第11の発明は、前記集合模様が地紋模様
であることを特徴とする第2、5または8の発明記載の
集合模様の作成方法である。
【0023】第12の発明は、前記集合模様が地紋模様
であることを特徴とする第3、6または9の発明記載の
集合模様の印刷物である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の効果を奏する模様は、複
数の多角形(三角形、六角形、菱形等)を基本とし、前
記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多
角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形
から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2
〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図
形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群で構成
した線画の集合模様である。
【0025】更に、前記多角形から得た線群において、
潜像を施さない部分の画線を一本線、潜像を施した部分
の画線を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分
の二本線以上の画線は、二本線以上の画線の画線幅の合
計の画線幅が、潜像を施さない部分の一本線の画線の画
線幅と等しく、且つ、潜像を施さない部分の一本線から
分岐している特徴を有する画線の複写防止機能、もしく
は潜像を施さない部分の画線を連続線で、潜像を施した
部分の画線を一定の間隔で配列された所定の形状の画線
からなる定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定
周期断絶線のうち、連続した一つの画線部と非画線部か
らなる一周期の長さに相当する部分の画線面積が、潜像
を施さない部分の画線の画線幅と、前記一周期と同一の
長さに相当する部分の画線面積と等しくなるような潜像
を施さない部分の画線の画線幅を満たしている特徴を有
する画線の複写防止機能を施した集合模様である。
【0026】
【実施例】(実施例1)本発明の効果を奏する模様は、
複数の多角形(三角形、六角形、菱形等)を基本とし、
前記多角形の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記
多角形から任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図
形から前記任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第
2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉
図形は一定の画線幅の線画を有する直線による線群で構
成した線画の集合模様である。
【0027】先ず、図1に示すような60度かならる角
度(a)で配置している基本線(b)の集合図形(1)
において、基本となる多角形は、基本線(b)の交点
(p)間を結ぶ辺で構成するものである。従って図2に
示すように、交点(p)を結ぶ距離によって小三角形
(2)、中三角形(3)、大三角形(4)等を構成でき
る。また図3に示すように、三角形に限らず、菱形
(5)、六角形(6)も構成できる。
【0028】図4は、図2及び図3の三角形、六角形、
菱形からなる複数の多角形(本実施例では三角形)を基
本に、前記多角形から任意寸法で内向した第1閉図形
と、第1閉図形から前記任意寸法の2倍で内向した等差
数列をなす第2〜n閉図形で構成し、且つ第1閉図形及
び第2〜n閉図形は一定の画線幅の線画を有する直線に
よる線(以下、α線という)群の描画方法を示したもの
である。まず本発明の偽造防止模様を構成する線画は、
図4(イ)に示す三角形から内向する第1閉図形の線分
(α1)で、収縮配列をなす線画である。即ち、基本線
(b)の交点(p)間を結ぶ辺で構成した三角形の各線
分の内周を半径(r1)の円(R1)を用いて、三角形
の各線分の内周と円(R1)の外周が接する状態で円
(R1)を周回させる時に、円(R1)の中心が描く軌
跡に等しい位置に得る。従って、三角形より内向する線
分(α1)の間隔(r1')は、半径(r1)の円(R
1)の中心が描く軌跡に等しくなる。更に、第2閉図と
して、線分(α1)の内周を円(R1)の2倍の長さを
持つ半径(r2)の円(R2)を用いて、線分(α1)
の内周と円(R2)の外周が接する状態で円(R2)を
周回させる時に、円(R2)の中心が描く軌跡に等しい
位置に得る。従って、三角形より内向する線分(α2)
の間隔(r2')は、半径(r2)の円(R2)の中心
が描く軌跡に等しくなる。図4(ロ)に示すように、半
径(r2)の円(R2)を用いることでα線を次々と増
加することにより、三角形群から内向した等差数列をな
し、且つ一定の画線幅の線画を有する直線で構成するn
個の線群が描画できる。円(R1)の半径(r1)と円
(R2)の半径(r2)が2倍の長さの関係にある理由
は後述にて説明する。
【0029】そして、線分(α2)から円(R2)によ
って描ききれる線分(αn)まで描画する。更に描画し
た線分(α2)から線分(αn)に、任意の画線幅を設
定することにより、図5に示すような多角形(本実施で
は三角形)から内向した等差数列をなし、且つ一定の画
線幅の線画を有する直線で構成するα線群(7)を得る
ことができる。
【0030】次に、図6では、図1に示すような60度
かならる角度(a)で配置している基本線(b)の集合
図形(1)において、図2に示した交点(p)を結ぶ距
離によって得た小三角形(2)と同じ大きさの図形に、
前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画する手法を
使い、図6に示すα線群(8)を得ることができた。前
述に示した円(R1)の半径(r1)と円(R2)の半
径(r2)が2倍の長さの関係にあるのは、基本線
(b)を挟んだα線の間隔が他のα線の間隔と同じにす
るためである。
【0031】また、図7では、交点(p)を結ぶ距離の
組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形
(2)及び中三角形(3)と同じ大きさの図形を組み合
わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画す
る手法を使い、図7に示すα線群(9)を得ることがで
きた。
【0032】また、図8では、交点(p)を結ぶ距離の
組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形
(2)及び大三角形(4)と同じ大きさの図形を組み合
わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用いて描画す
る手法を使い、図8に示すα線群(10)を得ることが
できた。
【0033】また、図9では、交点(p)を結ぶ距離の
組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形
(2)及び図3に示した菱形(5)と同じ大きさの図形
を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用い
て描画する手法を使い、図9に示すα線群(11)を得
ることができた。
【0034】また、図10では、交点(p)を結ぶ距離
の組み合わせを部分的に変えて、図2に示した小三角形
(2)及び図3に示した六角形(6)と同じ大きさの図
形を組み合わせた。前記円(R1)及び円(R2)を用
いて描画する手法を使い、図10に示すα線群(12)
を得ることができた。
【0035】図6、図7、図8、図9及び図10の各種
α線群で構成する集合模様を、デジタル複写機で複写し
た場合に複写物のモアレ発生しやすくするには、α線の
間隔を400μm程度にし、α線の画線幅を50μm程
度に設定するのが望ましい。但し、デジタル複写機の機
種によって効果はことなるので、α線の間隔及び画線幅
は適時設定する。従って、α線の間隔及び画線幅は前記
寸法に限るものではない。また、図1の集合図形(1)
の交点(p)を結ぶ多角形は本実施例に限るものではな
く、多角形の組み合わせも限定しない。更に、各種α線
群で構成する集合模様の色についても、白地に対しα線
群が紺色、茶色等の高濃度色であることが望ましいが、
デジタル複写機における複写時にモアレ効果を現出でき
るものであれば、この限りではない。(実施例2)
【0036】次に、前述したα線群の描画方法によっ
て、複写機等により複写された偽造品が一目瞭然となる
ように、一定の図柄パターンを想定した場合の複写防止
模様の作成方法について説明する。
【0037】まず図11に示すように、例えば三角形を
構成する基本線(b)を、A4版サイズの用紙枠(1
3)に、適当に配置し、前述したα線の描画方法によっ
てα線(14)を得る。そして、α線群(14)がA4
版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画する。
【0038】次に、前記描画したα線(14)に潜像を
施すため、線画構成を図によって説明する。本発明の線
画構成による複写防止模様は、特願平6−206140
号及び特願平7−192674号の潜像の付与方法に基
づいている。従って、潜像部における画線の設計方法は
前記出願らに準拠している。潜像を施した部分と潜像を
施さない部分の画線構成を図12で簡単に説明する。
【0039】先ず、一方の潜像の付与方法である特願平
6−206140号を簡単に説明すると、画線の拡大図
である図12(イ)に示すように、潜像を施さない部分
の画線(15)を一本線、潜像を施した部分の画線(1
6)を二本線以上の画線で表現し、潜像を施した部分の
二本線以上の画線(16)は、二本線以上の画線(1
6)の画線幅(C)の合計の画線幅が、潜像を施さない
部分の一本線の画線(15)の画線幅(A)と等しく、
且つ、潜像を施さない部分の一本線から分岐している特
徴を有している。複写防止効果によって適当な画線(1
6)の間隔(D)を設ける。
【0040】他方の潜像の付与方法である特願平7−1
92674号を簡単に説明すると、画線の拡大図である
図12(ロ)に示すように、潜像を施さない部分の画線
(15)を連続線で、潜像を施した部分の画線(17)
を一定の間隔で配列された所定の形状の画線からなる定
周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線
のうち、連続した一つの画線部と非画線部からなる一周
期の長さ(B)に相当する部分の画線面積が、潜像を施
さない部分の画線(15)の画線幅(A)と、前記一周
期と同一の長さ(B)に相当する部分の画線面積と等し
くなるような、潜像を施さない部分の画線(15)の画
線幅(F)を満たしている特徴を有している。潜像を施
した部分の画線(17)における一周期の長さ(B)と
長さ(E)は、複写防止効果によって適当な寸法にす
る。
【0041】即ち、前記一方及び他方の潜像の付与方法
は、図12(ロ)で説明した一周期の長さ(B)で図1
2(イ)に適用すると、図12(イ)ではA×B=(C
+C)×Bであり、図12(ロ)ではA×B=E×Fを
満たしている。
【0042】次に、図13に示すように、図12(イ)
による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(18)
は、潜像を施さないα線群(20)をA4版サイズの用
紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ「VOID」
という文字からなる潜像パターン(19)の内側を、潜
像を施したα線群(21)にしたものである。
【0043】図13の印刷物(18)を目視で観察した
場合、観察者には、潜像を施したα線群(21)が二本
線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(2
0)と連続した一本の線画であるかのように認識される
ことにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくする
ことを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡
大視を試みない限り、潜像パターン(19)の存在をま
ったく視認することができず、一様な地紋模様のように
見える。
【0044】図14は、本発明の複写防止模様を有する
図13の印刷物(18)を、デジタルカラー複写機(キ
ャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製し
た複製物(22)を示したものである。図13に示す潜
像を施したα線群(21)に対置する図14の潜像を施
したα線群(24)は、複写機で再生不能となり、潜像
を施さないα線群(23)のみが認識できる画線となる
ことから潜像パターン(19)は顕像の状態となり、複
写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。こ
れによって真偽判別が可能となる。
【0045】更に、図13の潜像を施さないα線群(2
0)は、前述したように、前述の描画方法によって、部
分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図
14のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザ
ーコピア470)の複製物(23)において、図複写す
ると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー
複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現
することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然
となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図
9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の
組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変える
ことができる。
【0046】次に、図15に示すように、図12(ロ)
による他方の潜像の付与方法を用いた印刷物(25)
は、潜像を施さないα線群(26)をA4版サイズの用
紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ「VOID」
という文字からなる潜像パターン(19)の内側を、潜
像を施したα線群(27)にしたものである。
【0047】図15の印刷物(25)を目視で観察した
場合、観察者には、潜像を施したα線群(27)が定周
期断絶線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群
(26)と連続した一本の線画であるかのように認識さ
れることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなく
することを可能にしている。従って、観察者は印刷画線
の拡大視を試みない限り、潜像パターン(19)の存在
をまったく視認することができず、一様な地紋模様のよ
うに見える。
【0048】図16は、本発明の複写防止模様を有する
図15の印刷物(25)を、デジタルカラー複写機(キ
ャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製し
た複製物(28)を示したものである。図15に示す潜
像を施したα線群(27)に対置する図16の潜像を施
したα線群(30)は、複写機で再生不能となり、潜像
を施さないα線群(29)のみが認識できる画線となる
ことから潜像パターン(19)は顕像の状態となり、複
写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。こ
れによって真偽判別が可能となる。
【0049】更に、図16の潜像を施さないα線群(2
6)は、前述したように、前述の描画方法によって、部
分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図
16のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザ
ーコピア470)の複製物(28)において、図複写す
ると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー
複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現
することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然
となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図
9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の
組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変える
ことができる。(実施例3)
【0050】次に、潜像パターンが本発明の集合模様を
構成する複数の多角形と同じ形状であることを特徴とす
る例について説明する。
【0051】まず図17に示すように、例えば三角形と
六角形を構成する基本線(b)を、A4版サイズの用紙
枠(13)に、適当に配置し、前述したα線の描画方法
によってα線(31)を得る。そして、α線群(31)
がA4版サイズの用紙枠(13)全体に収るまで描画す
る。
【0052】次に、図18に示すように、図12(イ)
による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(32)
は、潜像を施さないα線群(34)をA4版サイズの用
紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ前記α線群
(31)中、任意に六角形を構成する基本線(b)で囲
われた領域を(33)とし、領域を潜像パターン(3
3)の内側を、潜像を施したα線群(35)にしたもの
である。
【0053】図18の印刷物(32)を目視で観察した
場合、観察者には、潜像を施したα線群(35)が二本
線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群(3
4)と連続した一本の線画であるかのように認識される
ことにより、肉眼では潜像をまったく識別できなくする
ことを可能にしている。従って、観察者は印刷画線の拡
大視を試みない限り、潜像パターン(33)の存在をま
ったく視認することができず、一様な地紋模様のように
見える。
【0054】図19は、本発明の複写防止模様を有する
図18の印刷物(32)を、デジタルカラー複写機(キ
ャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製し
た複製物(36)を示したものである。図18に示す潜
像を施したα線群(35)に対置する図19の潜像を施
したα線群(38)は、複写機で再生不能となり、潜像
を施さないα線群(37)のみが認識できる画線となる
ことから潜像パターン(33)は顕像の状態となり、複
写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。こ
れによって真偽判別が可能となる。
【0055】更に、図18の潜像を施さないα線群(3
4)は、前述したように、前述の描画方法によって、部
分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図
19のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザ
ーコピア470)の複製物(36)において、図複写す
ると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー
複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現
することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然
となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図
9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の
組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変える
ことができる。
【0056】次に、図20に示すように、図12(ロ)
による一方の潜像の付与方法を用いた印刷物(39)
は、潜像を施さないα線群(41)をA4版サイズの用
紙枠(13)全体に収るまで描画し、且つ前記α線群
(41)中、任意に六角形を構成する基本線(b)で囲
われた領域を潜像パターン(40)とし、領域を潜像パ
ターン(40)の内側を、潜像を施したα線群(42)
にしたものである。
【0057】図20の印刷物(39)を目視で観察した
場合、観察者には、潜像を施したα線群(42)が定周
期断絶線であるにもかかわらず、潜像を施さないα線群
(41)と連続した一本の線画であるかのように認識さ
れることにより、肉眼では潜像をまったく識別できなく
することを可能にしている。従って、観察者は印刷画線
の拡大視を試みない限り、潜像パターン(40)の存在
をまったく視認することができず、一様な地紋模様のよ
うに見える。
【0058】図21は、本発明の複写防止模様を有する
図20の印刷物(39)を、デジタルカラー複写機(キ
ャノン・カラーレーザーコピア470)によって複製し
た複製物(42)を示したものである。図20に示す潜
像を施したα線群(42)に対置する図21の潜像を施
したα線群(46)は、複写機で再生不能となり、潜像
を施さないα線群(45)のみが認識できる画線となる
ことから潜像パターン(40)は顕像の状態となり、複
写機を用いた複製物であることは一目瞭然であった。こ
れによって真偽判別が可能となる。
【0059】更に、図20の潜像を施さないα線群(4
1)は、前述したように、前述の描画方法によって、部
分的に方向性の異なる直万線状態を有することから、図
20のデジタルカラー複写機(キャノン・カラーレーザ
ーコピア470)の複製物(43)において、図複写す
ると部分的に直万線状態部分の線配列とデジタルカラー
複写機の走査線の線配列が干渉し、干渉縞が顕著に発現
することで複写機を用いた複製物であることは一目瞭然
となる。これらの各々の干渉縞は図6、図7、図8、図
9で説明したような各種α線群であり、様々な多角形の
組み合わせによって干渉縞の発生個所や大きさを変える
ことができる
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の方
法による複写防止模様を有する各種証明書及び重要書類
等をはじめ、銀行券、株券、債券などの有価証券等の印
刷物は、肉眼で視認した場合には単なる一様な地紋状模
様として認識され、複写機等により複写した場合には、
モアレ模様による図形化されたパターンが顕著に発現す
る。従って、本発明の方法による複写防止模様を施すこ
とによって、前記有価証券等の印刷物が複写機等により
複写されたものであるか否かを、モアレ模様そのものを
知らない一般の人が、真正物には存在しない円形状等の
模様を視認することによって、何等の器具、装置を用い
ずに真正物であるか複写物であるかの識別をすることが
できるだけでなく、複写機により複写した場合は潜像を
施した部分が再生不能となり、潜像が顕像化されるの
で、複写機による偽造、変造を防止できる。また、本発
明の地紋模様では、単色印刷においても容易に肉眼では
潜像を識別できないことから、あえてカムフラージ模様
を重ね刷りする必要がなく、前記地紋模様を単色の地紋
模様として用いることもできる。
【0061】本発明は、モアレ模様の発生と潜像の現出
という一つの印刷物において二重の複写防止効果を有し
ており、一方の複写機にはモアレ模様の発生が効果を有
したり、もう一方の複写機には潜像の現出の効果を有し
たり、更にもう一方ではモアレ模様の発生と潜像の現出
が同時に生じたりすることによって、複写機における複
写で両者の模様の複写機による偽造、変造を防止しなけ
ればならない銀行券、株券、債券等の有価証券や、各種
証明書及び重要書類等の複写機において、容易に、且
つ、確実に複写物であると識別することができるだけで
なく、デジタル複写機だけでなくアナログ複写機の様々
な機種に対応した偽造、変造防止効果を有する技術とし
て有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多角形を構成する基本線を示した図
【図2】 基本線の交点を結ぶ三角形を示した図
【図3】 基本線の交点を結ぶ菱形と六角形を示した図
【図4】 α線群の描画方法を示した図
【図5】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成する
α線群を示した図
【図6】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成する
α線群を示した図
【図7】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成する
α線群を示した図
【図8】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成する
α線群を示した図
【図9】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成する
α線群を示した図
【図10】 一定の画線幅の線画を有する直線で構成す
るα線群を示した図
【図11】 α線群をΑ5版サイズの大きさに収るまで
描画した図
【図12】 潜像を施した部分と潜像を施さない部分の
画線構成を示した拡大図
【図13】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図14】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物
を示した図
【図15】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図16】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物
を示した図
【図17】 α線群をΑ5版サイズの大きさに収るまで
描画した図
【図18】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図19】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物
を示した図
【図20】 潜像パターンを施した印刷物を示した図
【図21】 潜像パターンが顕像の状態になった複製物
を示した図
【符号の説明】
1 基本線の集合図形 2 小三角形 3 中三角形 4 大三角形 5 菱形 6 六角形 7 α線群 8 α線群 9 α線群 10 α線群 11 α線群 12 α線群 13 A4版サイズの用紙枠 14 α線 15 潜像を施さない部分の画線 16 潜像を施した部分の画線 17 潜像を施した部分の画線 18 一方の潜像の付与方法を用いた印刷物 19 潜像パターン 20 潜像を施さないα線群 21 潜像を施したα線群 22 複製物 23 潜像を施さないα線群 24 潜像を施したα線群 25 他方の潜像の付与方法を用いた印刷物 26 潜像を施さないα線群 27 潜像を施したα線群 28 複製物 29 潜像を施さないα線群 30 潜像を施したα線群 31 α線 32 一方の潜像の付与方法を用いた印刷物 33 潜像パターン 34 潜像を施さないα線群 35 潜像を施したα線群 36 複製物 37 潜像を施さないα線群 38 潜像を施したα線群 39 他方の潜像の付与方法を用いた印刷物 40 潜像パターン 41 潜像を施さないα線群 42 潜像を施したα線群 43 複製物 44 潜像を施さないα線群 45 潜像を施したα線群 a 角度 b 基本線 p 交点 r1 円の半径 R1 円 r1'間隔 r2 円の半径 R2 円 r2'間隔 α1 線分 α2 線分 αn 線分 A 画線幅 B 一周期の長さ C 画線幅 D 間隔 E 長さ F 画線幅

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の多角形を基本とし、前記多角形
    の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から
    任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記
    任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図
    形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定
    の画線幅の線画を有する直線による線群であることを特
    徴とする線画の集合模様を備えた構造物。
  2. 【請求項2】 複数の多角形を基本とし、前記多角形
    の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から
    任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記
    任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図
    形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定
    の画線幅の線画を有する直線による線群であることを特
    徴とする線画の集合模様の作成方法。
  3. 【請求項3】 複数の多角形を基本とし、前記多角形
    の各辺は隣り合う多角形の辺と共有し、前記多角形から
    任意寸法で内向した第1閉図形と、第1閉図形から前記
    任意寸法の2倍で内向した等差数列をなす第2〜n閉図
    形で構成し、且つ第1閉図形及び第2〜n閉図形は一定
    の画線幅の線画を有する直線による線群であることを特
    徴とする線画の集合模様の印刷物。
  4. 【請求項4】 潜像を施さない部分の画線を一本線、
    潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、
    潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の
    画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の
    一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない
    部分の一本線から分岐していることを特徴とする請求項
    1記載の集合模様を備えた構造物。
  5. 【請求項5】 潜像を施さない部分の画線を一本線、
    潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、
    潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の
    画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の
    一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない
    部分の一本線から分岐していることを特徴とする請求項
    2記載の集合模様の作成方法。
  6. 【請求項6】 潜像を施さない部分の画線を一本線、
    潜像を施した部分の画線を二本線以上の画線で表現し、
    潜像を施した部分の二本線以上の画線は、二本線以上の
    画線の画線幅の合計の画線幅が、潜像を施さない部分の
    一本線の画線の画線幅と等しく、且つ、潜像を施さない
    部分の一本線から分岐していることを特徴とする請求項
    3記載の集合模様の印刷物。
  7. 【請求項7】 潜像を施さない部分の画線を連続線
    で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された
    所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像
    を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画
    線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の
    画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線幅と、前
    記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等し
    いことを特徴とする請求項1記載の集合模様を備えた構
    造物。
  8. 【請求項8】 潜像を施さない部分の画線を連続線
    で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された
    所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像
    を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画
    線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の
    画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線幅と、前
    記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等し
    いことを特徴とする請求項2記載の集合模様の作成方
    法。
  9. 【請求項9】 潜像を施さない部分の画線を連続線
    で、潜像を施した部分の画線を一定の間隔で配列された
    所定の形状の画線からなる定周期断絶線で構成し、潜像
    を施した部分の定周期断絶線のうち、連続した一つの画
    線部と非画線部からなる一周期の長さに相当する部分の
    画線面積が、潜像を施さない部分の画線の画線幅と、前
    記一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等し
    いことを特徴とする請求項3記載の集合模様の印刷物。
  10. 【請求項10】 前記集合模様が地紋模様であることを
    特徴とする請求項1、4または7記載の集合模様を備え
    た構造物。
  11. 【請求項11】 前記集合模様が地紋模様であることを
    特徴とする請求項2、5または8記載の集合模様の作成
    方法。
  12. 【請求項12】 前記集合模様が地紋模様であることを
    特徴とする請求項3、6または9記載の集合模様の印刷
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009285843A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 National Printing Bureau 秘匿情報を有する偽造防止印刷物
JP2011034535A (ja) * 2009-08-06 2011-02-17 Toshiba Corp 本人確認書類真贋判定装置
KR101854221B1 (ko) 2017-12-22 2018-05-03 한국조폐공사 이차원 바코드가 인쇄된 인쇄물

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