JPH10199767A - 電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法

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JPH10199767A
JPH10199767A JP9000638A JP63897A JPH10199767A JP H10199767 A JPH10199767 A JP H10199767A JP 9000638 A JP9000638 A JP 9000638A JP 63897 A JP63897 A JP 63897A JP H10199767 A JPH10199767 A JP H10199767A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比し静電容量の点でさらに性能を一段
と高めた電気二重層コンデンサ用炭素材を製造する方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 石油コークスまたは石炭ピッチコークス
からなる素材を炭化処理することにより、炭化処理後の
性状において揮発分が 1.0〜 5.0重量%でかつ水素と炭
素の原子数比H/Cが0.05〜0.30の条件を満足するよう
になす。ついでその炭化処理後の素材を水酸化カリウム
(KOH)などのアルカリ金属水酸化物で賦活処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量の大きい
電気二重層コンデンサ用の炭素材を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサ(キャパシタ)の
分極性電極材として、種々の炭素質原料からアルカリ賦
活して得られる活性炭を用いる方法が提案されている。
【0003】たとえば、国際公開WO91/12203
号には、活性炭原料をアルカリ金属の水酸化物浴中70
0℃未満で熱処理して得られる高静電容量炭素質素材に
つき開示がある。ここで活性炭原料としては、一般に活
性炭を製造するための炭素質原料であればいかなるもの
でもよく、その例としてはたとえばヤシ殻、木粉、石
炭、樹脂などがあげられるとしてあり、実施例では、ヤ
シ殻、木粉、石炭、フェノール樹脂を炭化したものを用
いている。アルカリ金属の水酸化物としては、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム、リチウムなどの水酸化物が用
いられるとしてあるが、実施例では専ら水酸化ナトリウ
ムを用いている。
【0004】特開平8−162375号公報には、フェ
ノール樹脂、フラン樹脂およびポリアクリロニトリル樹
脂から選ばれる樹脂を炭化して炭素材とした後、溶融状
態の水酸化カリウムを用いる賦活法で賦活した活性炭を
主体とする分極性電極を用いた電気二重層コンデンサお
よびその製造法が示されている。
【0005】特開平8−51045号公報には、紙基材
フェノール樹脂積層板を粉砕して温度500〜900℃
で炭化処理した後、アルカリ金属水酸化物にて温度40
0〜900℃で賦活処理して得た炭素材からなる電気二
重層キャパシタ用炭素材が示されている。比較例とし
て、石油コークスを用いた場合(ただし炭化はしていな
い)についても示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の国際公開WO9
1/12203号には、原料素材として石油コークスま
たは石炭ピッチコークスについて記載がない。
【0007】特開平8−162375号公報には、石油
コークスまたは石炭ピッチコークスを炭化したものを賦
活のために用いることにつき記載がない。なおこの特開
平8−162375号公報の実施例の[0022]の個
所には炭化処理につき言及があるが、これはフェノール
樹脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、やしが
ら、おがくずの場合は炭化処理することを意味し、すで
に炭化されている石油コークスをさらに炭化処理するこ
とを意味していない。というのは、この公報の[000
8]における「フェノール樹脂、フラン樹脂及びポリア
クリロニトリル樹脂から選ばれる一種以上を炭化処理し
た炭素材を、溶融状態の水酸化カリウムを用いる賦活処
理法により賦活した活性炭を使用する。」の記載を受け
て、[0009]では「この活性炭は、前記特定の樹脂
を炭化処理して得られた炭素材と水酸化カリウムとを混
合した状態で加熱し、溶融状態の水酸化カリウムの存在
下で炭素材を賦活して得られる。この活性炭は、比表面
積が大きいとともに、『上記石油コークスを溶融水酸化
カリウムを用いる賦活処理法で賦活処理した従来の活性
炭』と比べて表面官能基の濃度が低く、かつ出発原料に
由来する重金属の不純物が少ないという特徴がある。」
とあるからである。
【0008】特開平8−51045号公報の比較例3に
は、石油コークスを水酸化カリウムで賦活した例が示さ
れているが、これは石油コークスを炭化したものを賦活
した例ではない。
【0009】上に従来技術を引用したように、炭化品で
ない種々の炭素質原料から炭化処理を経て水酸化カリウ
ム等でアルカリ賦活して得られる活性炭、あるいは石油
コークスの如きすでに炭化されている炭素質原料を水酸
化カリウム等でアルカリ賦活して得られる活性炭を、電
気二重層コンデンサの分極性電極材として用いること
は、すでに試みられていることである。
【0010】しかしながら、このようにして得た活性炭
は、単位容積当りの静電容量がなお低目であり、年々高
まっていく高性能化の要求の下には、電気二重層コンデ
ンサの分極性電極材としてなお改良を図らなければなら
ない。
【0011】本発明は、このような背景下において、従
来に比し静電容量の点でさらに性能を一段と高めた電気
二重層コンデンサ用炭素材を製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電気二重層コン
デンサ用炭素材の製造法は、石油コークスまたは石炭ピ
ッチコークスからなる素材を炭化処理することにより、
炭化処理後の性状において揮発分が 1.0〜 5.0重量%で
かつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.05〜0.30の条件を
満足するようになした後、その炭化処理後の素材をアル
カリ金属水酸化物で賦活処理することを特徴とするもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明においては、素材として、石油コー
クスまたは石炭ピッチコークスを用いる。石油コークス
または石炭ピッチコークスを素材として用いることは、
これらが低価格であること、安定して大量に入手できる
ことなどの点で有利である。
【0015】ここで石油コークスとは、石油の重質留分
を500℃程度の高温で熱分解(コーキング)して得ら
れる固形の炭素を主成分とする製品で、通常の石炭系の
コークスに対して石油コークスと呼ぶ。石油コークスに
はディレード・コーキング法によるものとフルイド・コ
ーキング法によるものとがあり、現在においては前者に
よるものが大半を占めている。本発明においては、この
石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態で
ある生石油コークスを用いることができる。ディレード
・コーキング法により生産される生石油コークスは揮発
分が10〜13重量%であり、フルイド・コーキング法
により生産される生石油コークスは揮発分が4〜7重量
%である。本発明においてはいずれの方法による生石油
コークスを用いてもよいが、容易に入手が可能でかつ品
質の安定したディレード・コーキング法により生産され
る生石油コークスが特に好適である。
【0016】石炭を乾留してコークスを製造するときに
コールタールが副生する。これを蒸留してタール軽油、
カルボル油、ナフタリン油、洗浄油などを得るが、この
際約70%が釜残のコールタールピッチとなる。このコ
ールタールピッチを炭化したものが石炭ピッチコークス
(単にピッチコークスとも言う)であり、現在では石油
コークスと同じくほとんどディレード・コーキング法で
作られる。このディレードコーカーから出てきた石炭ピ
ッチコークスが生ピッチコークス(生コークスとも言
う)であり、揮発分はたとえば5,6重量%から10重
量%程度である。本発明においては、このディレードコ
ーカーから出てきた生ピッチコークスである石炭ピッチ
コークスを用いることができる。
【0017】そして本発明においては、このような特定
の素材を炭化処理することにより、炭化処理後の性状に
おいて揮発分が 1.0〜 5.0重量%(好ましくは 1.1〜
4.0重量%)でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.05
〜0.30(好ましくは0.06〜0.27)である条件の双方を満
足するようになす。炭化処理を行っても、揮発分が 5.0
重量%を越えていたり、H/Cの原子数比が0.30を越え
ていたりするときは、たとえどちらか一方が上記の範囲
にあっても、静電容量の向上の目的を充分には達しえな
い。また揮発分が 0.1重量%未満の場合や、水素と炭素
の原子数比H/Cが0.05未満の場合は、たとえどちらか
一方が上記の範囲内にあっても、炭化が過多になって、
やはり静電容量の向上の目的を充分には達しえない。
【0018】上記素材の炭化処理は、典型的には、該素
材を不活性ガス雰囲気下に温度550〜900℃(好ま
しくは600〜900℃、さらに好ましくは650〜8
50℃)で加熱処理することによりなされる。加熱処理
温度が余りに低いとき、あるいは余りに高いときには、
静電容量の大きな炭素材が得られがたい。
【0019】そして上述の揮発分および水素と炭素の原
子数比H/Cの条件の双方を満足するように炭化処理を
行った後は、その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸
化物で賦活処理する。
【0020】賦活処理は、アルカリ金属水酸化物を用い
て行われる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カ
リウムが特に好適であり、そのほか、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどを用いること
もできる。
【0021】炭化物とアルカリ金属水酸化物との混合割
合は、重量比で、1:0.5 〜1:10(好ましくは1:
1〜1:5)とすることが多い。アルカリ金属水酸化物
の過少は賦活不足を招き、その過多は得られる炭素材
(活性炭)の脆化を招く。
【0022】賦活処理に際しては、アルカリ金属水酸化
物の固体またはその水溶液を用いる。固体を用いるとき
は、アルカリ金属水酸化物が吸湿性であることから、保
管に際して空気中の湿分を遮断する必要があり、また賦
活前の原料と均等に混ぜる操作が必要である。アルカリ
金属水酸化物の水溶液を用いるときは、市販されている
水溶液を用いて、その水溶液に賦活前の原料を混入する
だけでよい。ただし高温で賦活処理を行うので、その水
溶液の水分を飛ばすだけの熱量をより多く必要とする。
そこで、市販されている水溶液のうち最大の濃度のもの
を用いることが好ましい。
【0023】賦活処理時の温度は400〜900℃、好
ましくは600〜900℃、さらに好ましくは700〜
900℃が適当であり、温度が余りに低いときは静電容
量の大きな炭素材が得られがたく、一方温度が余りに高
いときには装置の材質に大きな制約が加わるので実際的
でなくなる。
【0024】賦活処理後は、アルカリ洗浄、酸洗浄、脱
水、粉砕、造粒などの精製工程や二次加工工程に供す
る。
【0025】このようにして得た炭素材は、たとえば、
BET比表面積が200〜2000m2/g程度、細孔容積
が0.15〜0.80ml/g程度であるが、比表面積や細孔容積の
値の如何にかかわらず、静電容量の大きな電気二重層コ
ンデンサ用炭素材として好適に用いることができる。
【0026】電気二重層コンデンサは、たとえば、(a)
上記で得た炭素材の粉末品、導電材料、バインダーおよ
び溶媒を混合してペースト状の混合物を調製してからシ
ート状に成形して電極材料となし、該シート2枚をセパ
レータを介して重ねて外装容器に収容し、この中に電解
液を注入する方法、(b) 上記で得た炭素材の粉末品と電
解液との混合物を調製してペースト状となし、これをセ
パレータを介在させた状態で外装容器に収容する方法、
(c) 上記で得た炭素材の粉末品に樹脂系粉末品(たとえ
ばフェノール樹脂)を混合した後、高温(600〜10
00℃)で熱処理して炭素成形体を作り、電解液を含浸
させて、これをセパレータを介在させた状態で外装容器
に収容する方法をはじめ、従来採用されている各種の方
法により作製される。電解液としては、水溶液系電解液
や非水溶媒系電解液が用いられる。
【0027】〈作用〉本発明の方法により得られる電気
二重層コンデンサ用炭素材は、石油コークスまたは石炭
ピッチコークスからなる素材を用い、該素材を炭化処理
することにより炭化処理後の性状において揮発分が 1.0
〜 5.0重量%でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.05
〜0.30の条件の双方を満足するようになした後、その炭
化処理後の素材をアルカリ金属水酸化物で賦活処理する
ことにより得ている。
【0028】図1は、石油コークスまたは石炭ピッチコ
ークスからなる素材を炭化処理したときの揮発分および
H/Cの変遷を模式的に示したグラフであり、縦軸が揮
発分VM、横軸が水素と炭素の原子数比H/Cである。
素材の段階の石油コークスまたは石炭ピッチコークスの
特性値は図1の右上寄りにあるが、それを炭化していく
と特性値はしだいに図の左下の方に移行し、炭化を徹底
的に行うと左下のカルサインコークスとなる。そして電
気二重層コンデンサ用にとって好適な炭素材は、図1の
左下寄りに四角で示した特定の領域内にまで炭化を行っ
た後、その炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活処理し
たものである。
【0029】本発明の炭素材がすぐれた静電容量を示す
理由は、石油コークスまたは石炭ピッチコークスを用
い、炭化処理により結晶化を適度に進ませ、さらにそれ
をアルカリ金属賦活という特定の賦活法により炭素材
(活性炭)となしているため、電圧印加において活性炭
表面の電子の流れが良くなり、電気二重層に有効に活用
される界面が増大したためと思われる。
【0030】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で示したも
のである。
【0031】実施例 〈炭素材の製造〉素材としての石油コークス(米国テキ
サコ社製のディレード生石油コークス)および石炭ピッ
チコークス(三菱化学株式会社製の生ピッチコークス)
を、窒素ガス雰囲気下に、後述の表1に記載の所定の温
度で所定時間炭化処理し、得られた炭化物の揮発分およ
び水素と炭素の原子数比H/Cを測定した。
【0032】ついで、炭化処理後の炭化物(または比較
のための炭化処理を行う前の素材)100部を、水酸化
カリウム(KOH)の48%濃度の水溶液にKOHが1
50部、170部、200部または300部となるよう
に混合して混合物を調製し、窒素ガス雰囲気下に温度8
00℃で4時間または24時間賦活反応を行った。賦活
反応後は、得られた炭素材(活性炭)をアルカリ洗浄お
よび酸洗浄して該炭素材に含まれる金属を充分に除去
し、ついで乾燥した。
【0033】〈セルの組み立て〉上記で得た炭素材(活
性炭)を平均粒径10〜15μm に粉砕し、130℃で
一夜乾燥した。この炭素材4g(80%)、ポリテトラ
フルオロエチレン粉末 0.5g(10%)およびカーボン
ブラック 0.5g(10%)を混練機に仕込み、乾燥状態
のままペースト状態になるまで2時間以上混練した。つ
いでミニブレンダーで粉砕し、500μm のステンレス
鋼製篩でふるって粒度を揃えた。次に、直径1インチの
金型を用い、プレス後の厚みが 0.5mmになるように仕込
み量を調節し、500kg/cm2の圧力でプレス成型して、
電極を作製した。
【0034】この電極を200℃で5時間以上真空乾燥
した後、グローブボックス内で有機電解液(テトラエチ
ルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカ
ーボネート溶液、1モル/リットル)を真空含浸させ
た。ついでグローブボックス内で、図2に示したセルを
組み立てた。セルを構成する各部材の意味は図2に付記
してある。なおセパレータとセパレータ間の電極は、充
電に必要な電解液を供給するために設けた。グローブボ
ックス内で手締めしたセルに、50kg/cm2の圧をかけた
状態でさらに手締めした。
【0035】〈静電容量の測定〉図2のセルを用い、2
0mAの定電流で 3.5Vの電圧まで充電し、その後 3.5V
の定電圧充電に切り換えた後、充電開始1時間後に10
mAの定電流放電を行った。放電後の電流密度は1.88mA/c
m2である。静電容量は、放電時のエネルギー量から、W
=CV2 /2(Cは静電容量(F/cm3) 、Vは電圧(V) )
の式により算出した。
【0036】〈条件および結果〉炭化処理条件、炭化物
の特性と賦活条件、および静電容量の測定結果を、下記
の表1に示す。表1に関する注釈は次の通りである。 ・ 「実」は実施例、「比」は比較例である。 ・ 「PCD 」は石油コークス(ディレード生石油コー
クス)、「PCF 」は石油コークス(フルイド生石油コ
ークス)、「PCC 」は石油コークス(カルサイン)、
「CPC」は石炭ピッチコークスである。 ・ 「H/C」は水素/炭素原子数比、「KOH/C」
は素材に対するKOHの重量比である。 ・ 比較例1〜2は、炭化処理は行ったものの、炭化物
の特性が本願規定の範囲から外れる場合である。 ・ 比較例3〜6と比較例8〜9は、炭化処理を行って
いないものを賦活処理した場合である。比較例7は、す
でに炭化が完全に行われている市販のカルサインコーク
スを用いた場合である。なお比較例3〜9においては、
入手した素材につき特別の炭化処理を行っていないが、
素材の特性を便宜上「炭化物の特性」の欄に記載してあ
る。
【0037】
【表1】 炭化処理条件 炭化物の特性 賦活処理条件 素材 温度 時間 揮発分 H/C 温度 時間 KOH/C 静電容量 (℃) (hr) (%) (-) (℃) (hr) (-) (F/cm3) 実1 PCD 800 4.0 1.6 0.12 800 24 2.0 26.7 実2 PCD 800 4.0 1.6 0.12 800 24 3.0 25.0 実3 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 24 1.5 25.6 実4 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 24 2.0 26.0 実5 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 4 2.0 25.8 実6 PCD 700 12.0 3.4 0.25 800 24 1.5 26.0実7 PCD 700 12.0 3.4 0.25 800 24 2.0 26.6 比1 PCD 700 1.0 7.3 0.39 800 24 1.5 22.4 比2 PCD 700 1.0 7.3 0.39 800 24 2.0 22.2 比3 PCD - - 11.5 0.50 800 24 1.5 22.1 比4 PCD - - 11.5 0.50 800 24 2.0 19.7 比5 PCF - - 7.8 0.27 800 24 1.5 22.9 比6 PCF - - 7.8 0.27 800 24 2.0 22.3比7 PCC - - 0.9 0.00 800 24 2.0 11.6 実8 CPC 750 1.0 3.3 0.18 800 24 2.0 26.0 比8 CPC - - 5.3 0.36 800 24 1.5 22.4比9 CPC - - 5.3 0.36 800 24 2.0 22.8
【0038】〈解析〉表1から、石油コークスまたは石
炭ピッチコークスを炭化処理して揮発分が 1.0〜 5.0%
以下で水素と炭素の原子数比H/Cが0.05〜0.30の条件
を満足するようにしたときは(実施例1〜8)、大きな
静電容量が得られることがわかる。ただし、炭化処理を
行っても、揮発分または水素と炭素の原子数比H/Cが
上記の条件を満たさないときは、静電容量の向上が望み
えない(比較例1〜2)。また石油コークスまたは石炭
ピッチコークスを素材として用いても、炭化処理を経る
ことなくKOH賦活したときには、やはり静電容量の向
上が望みえない(比較例3〜6、比較例8〜9)。比較
例7は石油コークス(カルサイン)を素材として用いた
ものであるが、すでに炭化が進みすぎているため、これ
をKOH賦活しても静電容量は極めて小さい。
【0039】なお、表1には記載していないが、フェノ
ール樹脂を温度700℃で4時間炭化して揮発分 3.0重
量%、H/C 3.0とした後、温度800℃、KOH/C
= 1.7でKOH賦活したときは、静電容量の測定結果は
20.7F/cm3 にすぎなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法により得られる炭素材は、
CV2 /2で表わされるエネルギー密度が高く、電気二
重層コンデンサ用炭素材としてすぐれている。従って、
本発明によれば、従来のこの目的の炭素材に比し、静電
容量の点でさらに性能を一段と高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】石油コークスまたは石炭ピッチコークスからな
る素材を炭化処理したときの揮発分VMおよび水素と炭
素の原子数比H/Cの変遷を模式的に示したグラフであ
る。
【図2】実施例において使用した電気二重層コンデンサ
用のセルの構造図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石油コークスまたは石炭ピッチコークスか
    らなる素材を炭化処理することにより、炭化処理後の性
    状において揮発分が 1.0〜 5.0重量%でかつ水素と炭素
    の原子数比H/Cが0.05〜0.30の条件を満足するように
    なした後、その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸化
    物で賦活処理することを特徴とする電気二重層コンデン
    サ用炭素材の製造法。
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