JP2008066528A - 電気二重層キャパシタ電極用炭素材およびこれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ電極用炭素材およびこれを用いた電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 石油生コークスを原料とし、それを賦活して得られる活性炭を電極用炭素材とする電気二重層キャパシタにおいて、充電時に電極膨張率の小さい電気二重層キャパシタを与える活性炭を提供する。
【解決手段】偏光顕微鏡観察下での光学的異方性組織の割合が90%以上であり、かつ、光学的異方性組織における球状と分類される異方性組織の割合が50%以上である石油生コークスを賦活して得られる活性炭により上記課題が達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は電気二重層キャパシタ電極用炭素材およびこれを用いた電気二重層キャパシタに関する。
キャパシタの電極として、炭素材料を主要な要素とする炭素電極が用いられており、この炭素材料としては活性炭が知られている。活性炭は、コークスやピッチなどの石炭・石油系原料由来の炭素源、フェノール樹脂などの合成高分子系炭素源、あるいは椰子殻などの植物由来の炭素源を炭素化し、賦活処理して得ることができる。賦活は二酸化炭素や水蒸気を含んだ酸化性ガス中で500〜1000℃に加熱する方法、あるいは原料炭化物をアルカリ金属水酸化物と混合して熱処理する方法が知られている。
かくして得られる活性炭を電気二重層キャパシタに用いた場合、(1)エネルギー密度が高いこと、(2)内部抵抗が低いこと等が要求され、これらを満足させるものとして、易黒鉛化材料である石油コークスが提案されている。しかしながら、これらの多孔質炭素材料を電気二重層キャパシタに使用した場合には、充放電時に電極の膨張が著しく、電気二重層キャパシタが膨張してしまうという問題が指摘されている。たとえば、特許文献1には、石油コークスややし殻炭等の炭素材料に賦活処理を施して得た層間距離が0.365〜0.385nmの黒鉛類似の微結晶炭素からなる炭素質材料を電気二重層キャパシタの分極性電極として用いた場合には、大きな静電容量が得られる反面、電圧印加時に炭素材料が大きく膨張することが記載されている。また、特許文献2には、易黒鉛化材料に、比較的膨張率の小さい難黒鉛化材料を混合して膨張率を低減することが提案されているが、電極膨張率は10〜20%程度であり、さらに低減させることが望まれた。
特開平11−317333号公報 特開2002−83748号公報
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の石油生コークスをアルカリ賦活することにより、充電時に電極膨張率の小さい電気二重層キャパシタを与える活性炭が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、石油生コークスを原料とし、それを賦活して得られる炭素材を電極用炭素材とする電気二重層キャパシタにおいて、該石油生コークスが、偏光顕微鏡観察下での光学的異方性組織の割合が90%以上であり、かつ、光学的異方性組織における球状と分類される異方性組織の割合が50%以上であることを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用炭素材に関する。
また、本発明は、該電気二重層キャパシタ電極用炭素材を用いた電気二重層キャパシタに関する。
本発明の電気二重層キャパシタの電極用炭素材は、それを用いた電極の充電時の膨張率が小さく、またコストの安い電極が得られるため、その工業的意義は極めて大きい。
以下、本発明について詳述する。
本発明において原料として用いる石油生コークスは、偏光顕微鏡観察下での光学的異方性組織の割合が90%以上であることが必要であり、好ましくは95%以上であり、かつ、光学的異方性組織における球状と分類される異方性組織の割合が50%以上であることが必要であり、好ましくは60%以上であることを特徴とするものである。光学的異方性組織の割合が90%未満では、石油生コークスとして未成熟なため微粉体製造が困難となり、また光学的異方性組織における球状と分類される異方性組織の割合が50%未満では、キャパシタ充電時の電極の膨張率が大きく、キャパシタが膨張し、ひいては容器の破壊につながるため好ましくない。
ここで、光学的異方性は次のようにして求める。すなわち、石油生コークスから試料小片を切り出し、熱硬化性エポキシ樹脂を用いて成形機で型込めし、型込め試料を研磨機で粗研磨を、次いで酸化マグネシウムを用いて仕上げ研磨を行う。しかる後、反射型偏光顕微鏡(Leitz社製ORTHOPLAN)を用いて、直交ニコル下色検板を挿入して、研磨試料を写真撮影し、次いでその写真の試料中における光学的異方相の面積率を常法(光学組織の形状と寸法の分類(「最新の炭素材料実験技術」炭素材料学会編p.5、「新炭素材料入門」炭素材料学会編p.15))により算出し、これを光学的異方性組織の割合とする。
なお、本発明における光学的異方性組織において球状と分類される異方性組織とは、偏光顕微鏡観察により、超微細モザイク、微細モザイク、ファインモザイク、メディアムモザイク、コースモザイク、スモールドメイン、ドメインと認められる球状の形状を有する組織をいう(「新炭素材料入門」炭素材料学会編p.15)。
一般に石油精製過程で得られる各種重質油をディレードコーカーでコーキングして得られる石油生コークスは光学的異方性を示す。光学的異方性は大きく球状と流れ状に分けられる。賦活により活性炭を得るとき水酸化カリウム等の賦活剤とコークスを混合するが、このときコークスを1〜100μm程度に粉砕して混合する。コークス粉砕においては、粉砕後の形状は、その組織の影響を受けるため、球状組織の場合は比較的球状に、流れ状組織の場合は、比較的針状に粉砕される。針状に粉砕されると、賦活時の賦活剤との混合や、電極材料作成時の活性炭の密充填等の面から好ましくなく、以上の観点から、粉砕後の形状は球状であること、粉砕前の石油生コークスの光学的異方性は球状であることが好ましい。さらに石油生コークスの光学的異方性が球状であると、次のような利点がある。すなわち、比表面積のより大きな活性炭を得るためには、賦活剤/コークス比を大きくするが、コークスが球状組織の方が賦活剤との混合が、流れ状組織のものより比較的均一に行われるため、賦活剤量が少なくて済む。また、球状組織は偏光顕微鏡でモザイク状に観察されるように、それを構成する多環縮合芳香族の積層体がランダムに存在するため、賦活における層面からの賦活剤の作用が多方向からなされ、細孔形成が容易となり、より高比表面積の活性炭を得ることができる。さらに、炭素層面が多方向であることは、活性炭に対する電解液の浸入が比較的容易となり、キャパシタが低抵抗になる。以上の効果に加えて、石油生コークスの光学的異方性組織の50%以上が球状であることにより、それを用いて得られた炭素材(活性炭)を電気二重層キャパシタに応用した場合、充電時の電極膨張率が小さくなるという効果を有することが本発明者らにより見出された。
本発明で出発原料として使用する石油生コークスは、アルキル側鎖を持つ多環芳香族化合物の積層した集合体で、熱不融の固体である。
石油コークスは石油の重質留分を400〜600℃程度の高温で熱分解(コーキング)して得られる固形の炭素を主成分とする製品であり、通常の石炭系のコークスに対して石油コークスと呼ぶ。石油コークスにはディレード・コーキング法によるものとフルイド・コーキング法によるものとがあり、現在においては前者によるものが大半を占めている。本発明においては、この石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態である石油生コークスを用いる。ディレード・コーキング法により生産される石油生コークスは揮発分が6〜13質量%であり、フルイド・コーキング法により生産される生コークスは揮発分が4〜7質量%である。本発明においてはいずれの方法による生コークスを用いてもよいが、容易に入手が可能でかつ品質の安定したディレード・コーキング法により生産される石油生コークスが特に好適である。
本発明では、かくして得られた石油生コークスをアルカリ金属水酸化物により賦活することが好ましいが、石油生コークスをさらに焼成し炭化してから、アルカリ金属水酸化物により賦活しても良い。この際、焼成は500〜900℃、より好ましくは500〜800℃の温度範囲にて不活性ガス中で実施される。その際、昇温速度については特に制限はないが、あまりに遅すぎても処理工程に時間が掛かり、逆にあまりに急激な温度上昇は揮発分の爆発的な揮散を招き、結晶構造を破壊することがあり、また、装置コストも高くなるので、通常は30〜600℃/時、より好ましくは60〜300℃/時程度の昇温速度とするのが望ましい。
目標の焼成温度に達した後、一定時間その温度を保持する。この保持時間は、例えば10分〜2時間程度である。
本発明では、石油生コークス、または上記のように焼成して得られた炭化品(以後、両者を総称して炭素原料と呼ぶ。)を、公知の方法にて賦活して活性炭とする。賦活工程における賦活反応の反応条件はこの反応を充分に進行させることができれば特に限定されず、通常の活性炭の製造で行われる公知の賦活反応と同様の反応条件のもとで賦活反応を行うことができる。例えば、賦活反応は、上記炭素原料をアルカリ金属水酸化物と混合し、好ましくは400℃以上、より好ましくは600℃以上、更に好ましくは700℃以上の高温の温度条件のもと加熱することにより行うことができる。なお、この加熱温度の上限は賦活反応が支障なく進行する温度であれば特に限定されないが、通常900℃以下が好ましい。また、反応時間は、温度との関連で適宜選択できるが、例えば3〜6時間である。
賦活工程における賦活反応に使用するアルカリ金属水酸化物としては、例えば、KOH、NaOH、RbOH、CsOHなどが挙げられる。中でも賦活効果の観点からKOHが特に好ましい。
また、炭素原料と賦活剤との混合割合は特に限定されるものではないが、通常、両者の質量比(炭素原料:賦活剤)が1:0.5〜1:5の範囲が好ましく、1:1〜1:3の範囲がより好ましい。
本発明では、このように賦活処理された後、通常、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、乾燥、粉砕工程を経て電気二重層キャパシタ電極用炭素材となる。賦活剤として、アルカリ金属化合物を使用した場合、炭素材中に残留するアルカリ金属の量については、電気二重層キャパシタとした場合に悪影響を及ぼす可能性のある水準よりも低い量(好ましくは1000質量ppm以下)であれば特に限定されないが、通常、例えば、洗浄排水のpHが7〜8程度になるように洗浄すると共に、できるだけアルカリ金属分を除去するように洗浄することが望ましい。また、粉砕工程は、公知の方法により行われ、通常、平均粒径0.5〜50μm、好ましくは1〜20μm程度の微粉体とすることが望ましい。
このように賦活処理して得られる炭素材は、100〜2400m/gの比表面積を有し、賦活処理後の活性炭の窒素ガス吸着法による細孔直径が0.1〜50nmの細孔容積が0.1〜3ml/g、水銀圧入法による細孔直径が0.05〜300μmの細孔容積が0.4〜5ml/g、アルカリ金属量は200質量ppm以下である。
次に、本発明の電気二重層キャパシタについて説明する。
本発明の電気二重層キャパシタは、前記のように調製された電極用炭素材を含む電極を備えることを特徴とするものである。
該電極は、例えば、電極用炭素材と結着剤、さらに好ましくは導電剤を加えて構成され、またさらに集電体と一体化した電極であっても良い。
ここで使用する結着剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。電極中における結着剤の含有量は特に限定されないが、電極用炭素材と結着剤の合計量に対して、通常0.1〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン、酸化ルテニウム等の粉末が用いられる。電極中における導電剤の配合量は、配合目的に応じて適宜選択されるが、電極用炭素材、結着剤及び導電剤の合計量に対して、通常1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%程度の範囲内で適宜選択される。
なお、電極用炭素材、結着剤、導電剤を混合する方法としては、公知の方法が適宜適用され、例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を上記成分に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法や、あるいは溶媒を加えないで上記成分を混練した後に常温または加熱下で加圧成形する方法が採用される。
また、集電体としては、公知の材質および形状のものを使用することができ、例えば、アルミニウム、チタン、タンタル、ニッケル等の金属、あるいはステンレス等の合金を用いることができる。
本発明の電気二重層キャパシタの単位セルは、一般に上記電極を正極及び負極として一対用い、セパレータ(ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等)を介して対向させ、電解液中に浸漬することによって形成される。
電解液としては、公知の水系電解液、有機系電解液を使用することができるが、有機系電解液を用いることがより好ましい。このような有機系電解液としては、電気化学の電解液の溶媒として使用されているものを用いることができ、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン誘導体、3−メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、グルタロニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルフォルメート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等を挙げることができる。なお、これらの電解液を混合して使用してもよい。
また、有機電解液中の支持電解質としては、特に限定されないが、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類等の各種のものが使用でき、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられ、(CNBF、(C(CH)NBF、(CPBF、(C(CH)PBF等が好ましいものとして挙げられる。電解液中のこれらの塩の濃度は、通常0.1〜5mol/l、好ましくは0.5〜3mol/l程度の範囲内で適宜選択される。
電気二重層キャパシタのより具体的な構成は特に限定されないが、例えば、厚さ10〜500μmの薄いシート状またはディスク状の一対の電極(正極と負極)の間にセパレータを介して金属ケースに収容したコイン型、一対の電極をセパレータを介して捲回してなる捲回型、セパレータを介して多数の電極群を積み重ねた積層型等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[ディレードコーカーによる生コークスの製造]
石油精製プロセスにおける減圧蒸留や連続接触分解等で製造される重質油等に、ディレードコーカーからの留出油重質分を混合したものを原料油として、加熱炉で加熱してコークチャンバーと呼ばれる反応塔へ張り込んだ。加熱炉の温度は400〜600℃程度、コークチャンバーの圧力は300〜800kPa程度に調整した。原料油を張り込むに従ってコークチャンバー内では熱分解や重縮合反応によりコークスが生成、堆積し、分解油は系外へ留出された。
所定量のコークスが生成したら通油を止め、コークチャンバーの圧力を下げ、内部を放冷した後、ジェット水でコークスを切り出し(デコーキング)、石油生コークスA,BおよびCを得た。
上記の操作は、コークスチャンバーを2基持つことにより、運転とデコーキングの相互切り替え式で連続的に行った。
各石油生コークスの偏光顕微鏡写真を図1〜図3に示す。また各石油生コークスの物性を表1に示す。
〔活性炭の製造〕
上記石油生コークス100質量部に対して水酸化カリウムが220質量部となるように混合し、窒素ガス雰囲気中、750℃で1時間賦活反応を進行せしめ、反応後に水洗及び酸洗浄(塩酸を使用)を繰り返し、炭素材中に残存する金属カリウムを除去し、乾燥して賦活物(電気二重層キャパシタ電極用炭素材)を得た。得られた活性炭の表面積を表1に示した。
〔電気二重層キャパシタの作製〕
電気二重層キャパシタ電極用炭素材0.8g、ケッチェンブラック0.1g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.1gを乳鉢にて混合・混練して一体化させた。上記の混合物を0.1mm厚のトリアセテートフィルム2枚の間に挟み、幅160mm、上下ロール間隔0.4mm、加圧力235kgf/cm(23.0MPa)としたニップロールの間に20回通して圧延した。上記のように作製したカーボン電極シートから1cm×1cmの大きさに2枚切り取り、正極・負極とした。
上記の正極・負極用カーボン電極シート片を、カーボン塗料(日本黒鉛社製バニーハイト)を用いてそれぞれ集電体のエッチドアルミ箔(厚み30μm)上に接着し、電極板とした。集電体には取り出し端子としてアルミ製タブを溶接した。2枚の電極板間に厚さ50μmセルロース製セパレータを挟み、これを電極素子とした。電極素子に電解液(1M EtMeNBF/PC:プロピレンカーボネイト中にEtMeNBFを1mol/L溶解させたもの。Etはエチル基、Meはメチル基を示す。)を含浸させ、減圧下にてアルミラミネートフィルム内に封入し密閉した。
[電極膨張率の測定]
上記のように作製した電気二重層キャパシタセルに、電極面垂直方向に0.02MPaの圧力を加えながら2.5Vの電圧を印加し、30分間保持した。正極・負極用カーボン電極シート片についてのエッチドアルミ箔厚みを含まない合計厚み(Te)と、電圧印加前のセル厚み(Tsb)、30分間電圧印加後のセル厚み(Tsa)から、次式にて電極膨張率を算出した。
電極膨張率[%]=(Tsa−Tsb)×100/Te
測定方法の概略図を図4に、電圧変化に対する電極膨張率の変化を図5に示す。また、得られたキャパシタの評価結果を表1に示した。
[実施例1]
表1に示すように、光学的異方性組織割合100%、異方性球状組織割合60%をもつ石油生コークスAをアルカリ賦活して得られた活性炭を電気二重層キャパシタ電極に用いた場合、充電後の電極膨張率は2%と極めて小さかった。
[実施例2]
表1に示すように、光学的異方性組織割合100%、異方性球状組織割合70%をもつ石油生コークスBをアルカリ賦活して得られた活性炭を電気二重層キャパシタ電極に用いた場合、充電後の電極膨張率は1%と極めて小さかった。
[比較例1]
表1に示すように、光学的異方性組織割合100%、異方性球状組織割合20%をもつ石油生コークスCをアルカリ賦活して得られた活性炭を電気二重層キャパシタ電極に用いた場合、充電後の電極膨張率は8%と比較的大きかった。
石油生コークスAの偏光顕微鏡写真を示す。 石油生コークスBの偏光顕微鏡写真を示す。 石油生コークスCの偏光顕微鏡写真を示す。 電極膨張率の測定法の概略図を示す。 充電時、放電時の膨張率の変化を示す。

Claims (2)

  1. 石油生コークスを原料とし、それを賦活して得られる炭素材を電極用炭素材とする電気二重層キャパシタにおいて、該石油生コークスが、偏光顕微鏡観察下での光学的異方性組織の割合が90%以上であり、かつ、光学的異方性組織における球状と分類される異方性組織の割合が50%以上であることを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用炭素材。
  2. 請求項1に記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材を用いた電気二重層キャパシタ。
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