JP2003206121A - 活性炭およびその製造方法 - Google Patents

活性炭およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003206121A
JP2003206121A JP2002001172A JP2002001172A JP2003206121A JP 2003206121 A JP2003206121 A JP 2003206121A JP 2002001172 A JP2002001172 A JP 2002001172A JP 2002001172 A JP2002001172 A JP 2002001172A JP 2003206121 A JP2003206121 A JP 2003206121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
raw material
weight
oxygen
activated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002001172A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeji Mizutori
重司 水取
Hiroshi Hamaoka
寛 浜岡
Hiroyuki Tajiri
博幸 田尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2002001172A priority Critical patent/JP2003206121A/ja
Publication of JP2003206121A publication Critical patent/JP2003206121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的異方性組織を有する活性炭原料を用い
て、高比表面積の活性炭を簡単、且つ安価に製造する方
法を提供する。 【解決手段】 光学的異方性組織を50%以上有する活
性炭原料を、酸素含量が15〜35重量%となるように
酸素架橋重合により安定化処理し、次いで賦活処理する
活性炭の製造方法;および該方法で得られる、BET法
における比表面積が1000m2/g以上で、平均細孔
半径が0.8〜1.5nmで、細孔容積が0.8ml/
g以上で、且つ真比重が1.9以上である活性炭。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多環芳香族が発達
して優れた電気導電性を有する活性炭およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、情報通信機や
家庭用電気製品等のバックアップ用電源または補助電源
として利用されている。しかしながら、電気二重層キャ
パシタの欠点は、二次電池に比べてエネルギー密度が低
いことである。
【0003】電気二重層キャパシタの電極材料として
は、通常、椰子殻、石炭、フェノール樹脂等の難黒鉛系
炭素を原料とし、これにガス化賦活処理または薬剤賦活
処理を行って得た活性炭が用いられているか、または、
異方性組織を有するピッチ、石油コークス、石炭系ピッ
チコークス等の易黒鉛系原料に、強アルカリ金属を用い
て賦活処理を行って得た活性炭が用いられている。
【0004】特開平10−70049号においては、難
黒鉛系炭素のフェノール樹脂に薬品賦活と水蒸気賦活を
繰り返し、さらに熱処理を行うという複雑な工程で活性
炭を調製している。
【0005】一方、易黒鉛系炭素を原料とした活性炭の
製造方法としては、特開平10−199767号に、石
油コークスや石炭系ピッチコークスを炭化処理してコー
クス中の揮発成分量を調整した後、アルカリ金属化合物
を用いて賦活処理を行い、活性炭を製造する方法が提案
されている。また、特開平11−222732号には、
メソフェーズピッチを紡糸し、不融化処理、炭化処理し
た後に繊維を粉砕し、粉砕した繊維をアルカリ金属で賦
活処理を行って活性炭を製造する方法が提案されてい
る。
【0006】このように、易黒鉛化性の原料である光学
的異方性組織(以下、「異方性組織」という)を有する
原料から活性炭を調製する際には、塩化亜鉛、燐酸ナト
リウム等を用いた薬剤賦活では高比表面積の活性炭を得
るのが困難であるので、KやNa等の強アルカリ金属を
用いて賦活を行う方法で活性炭を得ている。しかしなが
ら、この方法は、取り扱いが複雑な上、安全性にも問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、異方
性組織を有する活性炭原料に、取り扱いが容易な塩化亜
鉛や燐酸ナトリウム等を用いて賦活処理を行なうことに
より、高比表面積の活性炭を簡単、且つ安価に製造する
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、石油系生コ
ークス、石炭系生コークス、メソカーボンマイクロビー
ズ(MCMB)およびピッチ等の異方性組織を有する活
性炭原料を、酸素を含む気体、または、酸素、オゾンも
しくはNOx等を含む気体を用いて安定化処理し、活性
炭原料を構成する分子を酸素架橋重合した後、当原料に
塩化亜鉛、燐酸ナトリウム等を加えて賦活反応を行な
い、目的とする活性炭を容易に製造する方法を見出し
た。
【0009】すなわち、本発明は、下記に示すとおりの
活性炭およびその製造方法を提供するものである。 項1. 光学的異方性組織を50%以上有する活性炭原
料を、酸素含量が15〜35重量%となるように酸素架
橋重合により安定化処理し、次いで賦活処理する活性炭
の製造方法。 項2. 活性炭原料が、光学的異方性組織を50%以上
有する石油系生コークス、同じく石炭系生コークス、同
じくメソカーボンマイクロビーズ、または同じくピッチ
である項1に記載の方法。 項3. 塩化亜鉛または燐酸ナトリウムを賦活助剤とし
て用いて賦活処理を行う項1または2に記載の方法。 項4. 項1〜3のいずれかに記載の方法で得られる、
BET法における比表面積が1000m2/g以上で、
平均細孔半径が0.8〜1.5nmで、細孔容積が0.
8ml/g以上で、且つ真比重が1.9以上である活性
炭。
【0010】
【発明の実施の形態】[活性炭原料]本発明で用いられ
る活性炭原料の異方性組織視野率(異方性組織分率)は
50%以上であり、好ましくは60〜100%である。
このような活性炭原料としては、異方性組織視野率が5
0%以上の石油系生コークス、同じく石炭系生コーク
ス、同じく生メソカーボンマイクロビーズ(以下、「M
CMB」という)、および同じくピッチ等が挙げられ
る。ここで、ピッチとしては、石油系重質油または石炭
系重質油を熱処理して得られる軟化点200℃以上の光
学的異方性組織を有するピッチ、ナフタレンやアントラ
セン等の縮合多環水素化合物の誘導体をHFおよびBF
3等の触媒を用いて調製した軟化点200℃以上の光学
的異方性組織を有するピッチ等が挙げられる。
【0011】これらの活性炭原料は、平均粒径で3〜5
0μm、最大粒径で100μm以下に粉砕し、粉末のま
まで用いても良いし、粉末を0.1〜5mm程度の大き
さに成形して用いても良い。成形物の大きさが5mmを
超える場合は、成形物内部の酸素架橋重合が充分達成で
きないことがある。
【0012】粉砕後の活性炭原料の最大粒子径が100
μmを超える場合は、酸素による架橋結合が不均一とな
り、高比表面積の活性炭を収率よく製造するのが困難と
なる。一方、平均粒子径が3μm未満の粉砕原料を用い
ても良いが、粉砕コストが高くなるので平均粒子径を3
μm未満とする必要はない。
【0013】活性炭原料の成形物に酸素架橋処理を行な
う場合、成形物にそれほど大きな強度は必要でなく、処
理工程で形状が保てれば良い。そのため、水を加えるだ
けでも粒状物(成形物)を得ることができる。また、澱
粉、および、メチルセルロース、ポリエチレン、ポリビ
ニルアルコール、セルロース、フェノール樹脂等を0.
01〜10重量%(好ましくは0.1〜5重量%)添加
して成形するか、成形物を、上記樹脂をエチルアルコー
ル等の有機溶媒にあらかじめ溶解した溶液中に浸漬した
後に取り出して酸素架橋処理を行うと、成形物の形状保
持はより安定する。
【0014】成形物の形状は、球状、チップ状等の所定
の形状で良く、特に限定されるものではない。また、成
形方法は、転動法、ノズルからの押し出し法、プレス法
等の一般的な成形方法で良い。
【0015】[酸素架橋重合処理]上記の粉末状または
粒状の活性炭原料を、空気、または空気に酸素、オゾ
ン、もしくはNOx等を混合した気体の雰囲気下で、最
高処理温度100〜450℃、好ましくは150〜40
0℃において処理する。これらの気体中の酸素濃度は、
15〜30容量%であるのが好ましく、18〜25容量
%であるのがより好ましい。酸素架橋重合(以下、「架
橋」という)処理した後の原料中の酸素含量(濃度)が
15〜35重量%、好ましくは17〜30重量%となる
ように処理する。原料中の酸素含量は、測定装置:ヤナ
コ社製CHNコーダーMT−5、標準物質にアンチピリ
ンおよびベンゾイックアシッドを用い、測定する。処理
時間は特に限定されないが、5〜35時間であるのが好
ましい。
【0016】[賦活処理]次いで、架橋処理を行なった
上記の活性炭原料に、賦活助剤を加えて均一に混合す
る。賦活助剤としては、塩化亜鉛、燐酸ナトリウム等の
無機塩を用いることが好ましい。賦活助剤は、架橋後の
原料に対し、0.5〜8倍重量程度、好ましくは1〜6
倍重量程度加える。また、これらの混合に際しては、水
を加えなくても良いが、水を加えることで、架橋処理後
の活性炭原料に賦活助剤をより均一に分散させることが
できる。このとき加える水の量は、特に限定されない。
【0017】架橋処理後の原料と賦活助剤を上記のよう
にして混合した原材料混合物(以下、「原材料」とい
う)を容器に入れて賦活処理を行なっても良いが、取り
扱いを容易とするために、原材料をチップ状や球状等の
所定の形状に成形して賦活処理を行っても良い。また、
必要に応じて、形状を保持するために、澱粉、および、
メチルセルロース、ポリエチレン、ポリビニルアルコー
ル、セルロース、フェノール樹脂等を0.01〜10重
量%(好ましくは0.1〜5重量%)添加して成形する
か、成形物を、上記樹脂をエチルアルコール等の有機溶
媒にあらかじめ溶解した溶液中に浸漬した後に取り出し
て賦活処理を行うと、成形物の形状保持はより安定す
る。成形物の形状は、球状、チップ状等の所定の形状で
良く、特に限定されるものではない。また、成形方法
は、転動法、ノズルからの押し出し法、プレス法等の一
般的な成形方法で良い。
【0018】次いで、原材料の成形物または未成形物
に、窒素、アルゴン、真空等の不活性雰囲気下で熱処理
を行う。熱処理温度は、原材料の組成、熱処理条件(昇
温速度、熱処理時間、熱処理雰囲気等)に応じて適宜選
択されるが、通常500〜700℃程度の範囲内であ
り、さらに、ピーク温度を550〜700℃程度とする
ことが好ましい。昇温速度は、0.1〜200℃/分で
あるのが好ましく、0.2〜100℃/分であるのがよ
り好ましい。熱処理時間は、0.5〜5時間であるのが
好ましい。
【0019】[洗浄および乾燥]次いで、上記のように
して得られる賦活反応処理物(以下、「賦活物」とい
う)中の無機塩を、洗浄剤を用いて除去する。洗浄剤
は、無機塩を洗浄・除去し得る物であれば特に限定され
ない。一般には、希塩酸で洗浄した後、さらに水を用い
て洗浄し、塩酸を除去すれば良い。洗浄後の賦活物を乾
燥することにより、目的とする活性炭が得られる。
【0020】以上のようにして製造される活性炭の物性
は、BET法における比表面積が1000m2/g以上
(好ましくは1300〜2500m2/g)で、平均細
孔半径が0.8〜1.5nm(好ましくは1.0〜1.
3nm)で、細孔容積が0.8ml/g以上(好ましく
は0.9〜1.5ml/g)で、且つ真比重が1.9以
上(好ましくは2〜2.3)である。
【0021】上記の方法で製造した活性炭の原料は異方
性組織を有することから、得られる活性炭は易黒鉛化性
炭素であり、黒鉛化構造に近い構造を有しており、電気
抵抗が低く、キャパシタ等の電極用材料として優れてい
る。
【0022】また、本発明の製造方法においては、強ア
ルカリを使用しないので、処理設備が比較的簡単であ
り、賦活温度も低く、製造コストが安価であり、工業的
価値が大きい。
【0023】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0024】なお、架橋処理した後の活性炭原料中の酸
素含量は、測定装置:ヤナコ社製CHNコーダーMT−
5、標準物質にアンチピリンおよびベンゾイックアシッ
ドを用い、測定した。
【0025】実施例1 異方性組織分率が98%で、平均粒子径が10.2μm
のMCMB粉末を、空気雰囲気下で、常温から350℃
までを2℃/分の平均速度で昇温を行い、350℃で3
0時間架橋処理を行った。架橋処理後のMCMB中の酸
素量は24.6重量%であった。
【0026】次いで、この架橋後のMCMB100重量
部に対し、塩化亜鉛を2.5倍量加え、混合しながら水
を適量加えてペースト状とした後、2mmφのノズルか
ら押し出してチップを得た。このチップ100重量部を
金属容器に入れ、小型管状炉内で窒素雰囲気下、常温か
ら600℃までを5℃/分の平均速度で昇温を行い、6
00℃で2時間保持して賦活処理を行った。賦活処理物
を1規定の希塩酸で洗浄して賦活処理物中の残存無機塩
を除去した後、さらに純水でpH7となるまで洗浄を繰
り返した。洗浄後、賦活処理物を乾燥して活性炭を得
た。
【0027】得られた活性炭の比表面積、平均細孔半径
および細孔容積を、ユアサアイオニックス社製AUTO
SRB−6を用いて測定した。真比重の測定は、ピクノ
メーター法により行った。
【0028】次いで、上記の活性炭を粉砕し、この粉末
100重量部に対し、カーボンブラック10重量部とポ
リテトラフルオロエチレン樹脂粉末(バインダーとし
て)8重量部を混合した後、プレス成形を行い、厚さ
0.5mmの電極を得た。
【0029】上記で得られたシート状電極を15mm×
15mmにカットし、150℃で2時間乾燥を行った
後、電極を正極および負極とし、集電体として厚さ0.
2mmのステンレスメッシュを用い、セパレーターとし
て充分に乾燥した電解コンデンサー紙を用い、電解液に
濃度1.0mol/lのテトラエチルアンモニウム・テ
トラフルオロボレート(Et4NBF4)/プロピレンカ
ーボネート(PC)溶液を用いて、ドライボックス内で
キャパシタを組み立てた。
【0030】次いで、得られたキャパシタを用いてイオ
ン吸着量を求めた。イオン吸着量は、キャパシタの電気
容量(F/g)として測定した。すなわち、キャパシタ
の最大充電電流を50mAに規制し、2.5Vで1時間
充電した後、1mAの定電流にてキャパシタ電圧が0V
になるまで放電した。放電曲線の傾きから電気容量
(F)を求め、正極/負極の全容量と電気容量から、電
極の重量当たりの容量(F/g)を求めた。また、電気
伝導度については四端子法を用いて測定を行った。表1
に、これら一連の実験結果を示す。
【0031】実施例2 異方性組織分率が96%で、平均粒子径が3.6μmの
MCMB粉末を、空気雰囲気下で、常温から350℃ま
でを1℃/分の平均速度で昇温を行い、350℃で25
時間架橋処理を行った。架橋処理後のMCMB中の酸素
量は18.6重量%であった。
【0032】次いで、この架橋後のMCMB100重量
部に対し、塩化亜鉛を3倍量加え、混合しながら水を適
量加えてペースト状とした。このペースト状物100重
量部を金属容器に入れ、小型管状炉内で窒素雰囲気下、
常温から630℃までを2℃/分の平均速度で昇温を行
い、630℃で1時間保持して賦活処理を行った。
【0033】以下、実施例1と同じ方法で、洗浄と乾燥
を行い、得られた活性炭の物性とキャパシタ特性を同様
に測定した。表1に実験結果を示す。
【0034】実施例3 異方性組織分率が80%で、平均粒子径が25.1μm
の石油系生コークスに水を加えながら転動し、粒径が約
3mmの造粒物を得た。この造粒物を、実施例1と同様
に、空気雰囲気下で、常温から350℃までを5℃/分
の平均速度で昇温を行い、350℃で25時間架橋処理
を行った。架橋処理後の生コークス中の酸素量は27.
6重量%であった。
【0035】次いで、この架橋後の石油系コークス10
0重量部に対し、塩化亜鉛を3倍量加え、二軸の混練機
内で混合しながら水を適量加えてペースト状とした後、
2mmφのノズルから押し出してチップを得た。このチ
ップ100重量部を金属容器に入れ、小型管状炉内で窒
素雰囲気下、常温から600℃までを3℃/分の平均速
度で昇温を行い、600℃で1.5時間保持して賦活処
理を行った。
【0036】以下、実施例1と同じ方法で、洗浄と乾燥
を行い、得られた活性炭の物性とキャパシタ特性を同様
に測定した。表1に実験結果を示す。
【0037】実施例4 異方性分率が100%の石炭系のメソフェーズピッチを
平均粒径30.2μmに微粉砕し、粉末状態で、空気雰
囲気下、常温から350℃までを2℃/分の平均速度で
昇温を行い、350℃で30時間架橋処理を行った。架
橋処理後のメソフェーズピッチ中の酸素量は28.8重
量%であった。
【0038】次いで、この架橋後のメソフェーズピッチ
100重量部に対し、塩化亜鉛を2.5倍量加え、混合
しながら水を適量加えてペースト状とした。このペース
ト状物100重量部を金属容器に入れ、小型管状炉内で
窒素雰囲気下、常温から590℃までを1℃/分の平均
速度で昇温を行い、590℃で3時間保持して賦活処理
を行った。賦活処理物を1規定の希塩酸で洗浄して賦活
処理物中の残存無機塩を除去した後、さらに純水でpH
7となるまで洗浄を繰り返した。洗浄後、賦活処理物を
乾燥して活性炭を得た。
【0039】以下、実施例1と同じ方法で、得られた活
性炭の物性とキャパシタ特性を測定した。表1に実験結
果を示す。
【0040】比較例1 実施例1と同じMCMB粉末原料を、粉末の状態で、空
気雰囲気下、常温から350℃までを2℃/分の平均速
度で昇温を行い、350℃で3時間架橋処理を行った。
架橋処理後のMCMB中の酸素量は10.1重量%であ
った。
【0041】以下、実施例1と同じ条件で賦活処理を行
い、洗浄、乾燥を行って活性炭を得た。実施例1と同じ
方法で、得られた活性炭の物性とキャパシタ特性を測定
した。得られた活性炭の比表面積は小さかった。表1に
実験結果を示す。
【0042】比較例2 実施例4と同じ微粉砕ピッチ原料を、粉末の状態で、空
気雰囲気下、常温から350℃までを2℃/分の平均速
度で昇温を行い、350℃で45時間架橋処理を行っ
た。架橋処理後のメソフェーズピッチ中の酸素量は3
6.6重量%であった。
【0043】この架橋後のメソフェーズピッチに、実施
例1と同じ条件で賦活処理を行い、洗浄、乾燥を行って
活性炭を得た。次いで、実施例1と同じ方法で、得られ
た活性炭の物性とキャパシタ特性を測定した。得られた
活性炭の比表面積は大きかったが、活性炭の収率は低か
った。表1に実験結果を示す。
【0044】比較例3 実施例4と同じ微粉砕ピッチ原料に水を加えてペースト
状とした後、10mmφのノズルから押し出して10m
mφ×10mmのペレットを成形した。このペレット
を、空気雰囲気下で、常温から350℃までを2℃/分
の平均速度で昇温を行い、350℃で30時間架橋処理
を行った。架橋処理後のメソフェーズピッチ中の酸素量
は13.6重量%であった。
【0045】この架橋後のメソフェーズピッチに、実施
例1と同じ条件で賦活処理を行い、洗浄、乾燥を行って
活性炭を得た。次いで、実施例1と同じ方法で、得られ
た活性炭の物性とキャパシタ特性を測定した。得られた
活性炭の比表面積は小さかった。表1に実験結果を示
す。
【0046】比較例4 光学的等方性組織が100%で軟化点が280.3℃の
ピッチを平均粒子径29.1μmに微粉砕し、以下、実
施例1と同じ条件で架橋処理、賦活処理、洗浄および乾
燥を行って、活性炭を得た。次いで、実施例1と同じ方
法で、得られた活性炭の物性とキャパシタ特性を測定し
た。比表面積の大きい活性炭を高収率で得られたが、電
極特性が実施例に比べて劣っていた。表1に実験結果を
示す。
【0047】なお、表1において、「原料」は「活性炭
原料」を意味する。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、光学的異方性組織を有
する活性炭原料を用いて、高比表面積の活性炭を簡単、
且つ安価に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田尻 博幸 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4G046 HA06 HA07 HB05 HC04 HC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性組織を50%以上有する活
    性炭原料を、酸素含量が15〜35重量%となるように
    酸素架橋重合により安定化処理し、次いで賦活処理する
    活性炭の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性炭原料が、光学的異方性組織を50
    %以上有する石油系生コークス、同じく石炭系生コーク
    ス、同じくメソカーボンマイクロビーズ、または同じく
    ピッチである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 塩化亜鉛または燐酸ナトリウムを賦活助
    剤として用いて賦活処理を行う請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で
    得られる、BET法における比表面積が1000m2
    g以上で、平均細孔半径が0.8〜1.5nmで、細孔
    容積が0.8ml/g以上で、且つ真比重が1.9以上
    である活性炭。
JP2002001172A 2002-01-08 2002-01-08 活性炭およびその製造方法 Pending JP2003206121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001172A JP2003206121A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 活性炭およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001172A JP2003206121A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 活性炭およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003206121A true JP2003206121A (ja) 2003-07-22

Family

ID=27641362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002001172A Pending JP2003206121A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 活性炭およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003206121A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005347517A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Nisshinbo Ind Inc 電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法
JP2006131461A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Japan Organo Co Ltd 活性炭及びその製造方法並びに腎疾患治療薬
JP2006131465A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Jfe Chemical Corp 多孔質炭素材料とその製造方法および電気二重層キャパシタ
JP2008066528A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Nippon Oil Corp 電気二重層キャパシタ電極用炭素材およびこれを用いた電気二重層キャパシタ
JP2010219323A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 National Univ Corp Shizuoka Univ 電気二重層キャパシタ用電極
WO2011081086A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005347517A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Nisshinbo Ind Inc 電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法
JP2006131461A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Japan Organo Co Ltd 活性炭及びその製造方法並びに腎疾患治療薬
JP2006131465A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Jfe Chemical Corp 多孔質炭素材料とその製造方法および電気二重層キャパシタ
JP4693030B2 (ja) * 2004-11-08 2011-06-01 オルガノ株式会社 活性炭の製造方法
JP2008066528A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Nippon Oil Corp 電気二重層キャパシタ電極用炭素材およびこれを用いた電気二重層キャパシタ
JP2010219323A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 National Univ Corp Shizuoka Univ 電気二重層キャパシタ用電極
WO2011081086A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法
JP2011136856A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Jx Nippon Oil & Energy Corp 電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法
US8993478B2 (en) 2009-12-28 2015-03-31 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Activated carbon for electric double layer capacitor electrode and method for producing the activated carbon

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3446339B2 (ja) 活性炭の製造方法
US5891822A (en) Production process of active carbon used for electrode for organic solvent type electric double layer capacitor
JP6553307B2 (ja) 炭素質材料およびその製造方法
JP4054746B2 (ja) 電気二重層キャパシタ、その電極用活性炭とその製造方法
JP7061107B2 (ja) 炭素質材料およびその製造方法
JP2012101948A (ja) 活性炭の製造方法
KR100878262B1 (ko) 비지를 이용한 고성능 활성탄의 제조방법
KR101910461B1 (ko) 전기이중층 커패시터 전극용 활성탄의 제조방법 및 이로부터 제조된 전기이중층 커패시터 전극용 활성탄
KR101956993B1 (ko) 고성능 다공성 활성탄 및 그의 제조방법
JP2003206121A (ja) 活性炭およびその製造方法
JP2000138140A (ja) 電気二重層キャパシタ分極性電極用炭素多孔体の製造方法
JP2006024747A (ja) 電気二重層キャパシタ電極用炭素材料およびその製造方法
JP2009105186A (ja) 電気二重層キャパシタ電極用活性炭及びその製造方法
JP2007269518A (ja) 多孔質炭素材料およびその製造方法、電気二重層キャパシタ用分極性電極ならびに電気二重層キャパシタ
JP4615868B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用多孔質炭素の製造方法、該製造方法により得られた電気二重層キャパシタ用多孔質炭素、及び、該電気二重層キャパシタ用多孔質炭素を用いた電気二重層キャパシタ
JP4503134B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用活性炭
JP2010215474A (ja) 活性炭の製造方法および該製造方法により得られた活性炭を用いた電気二重層キャパシタ
Tamai et al. Mesoporous activated carbon as electrode for electric double layer capacitor
JP2003183014A (ja) 多孔質炭素材料、その製造方法および電気二重層キャパシタ
JP2000138141A (ja) 電気二重層キャパシタ分極性電極用炭素多孔体の製造方法
JP2016026985A (ja) 活性炭の製造方法
JP2001316103A (ja) 多孔質炭素材料、その製造方法および電気二重層キャパシタ
JP5208160B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用多孔質炭素の製造方法、該製造方法により得られた電気二重層キャパシタ用多孔質炭素、及び、該電気二重層キャパシタ用多孔質炭素を用いた電気二重層キャパシタ
JP6597754B2 (ja) 活性炭の製造方法
JP2004059387A (ja) 活性炭の製造方法、分極性電極及び電気二重層キャパシタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080806