JPH10196782A - 自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置 - Google Patents
自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置Info
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Abstract
ヒルホールド解除を、ショックが小さくなる態様で、且
つ、好適なタイミングで行わせる。 【解決手段】 アクセルOFF時t1 までは、フォワー
ドクラッチを圧Pc の低下でスリップ状態にしてクリー
プ防止を行い、バンドブレーキを圧PB の上昇で締結状
態にしてヒルホールドを行う。瞬時t1 以降は、圧Pc
を勾配aで上昇させてフォワードクラッチを再締結し、
クリープ防止を解除する。タービン回転数Nt が0にな
る再締結完了時t2 に圧Pc を最大値にすると共に、圧
PB を締結容量限界圧PBSまで急減させた後、勾配bで
漸減させてバンドブレーキを解放させることによりヒル
ホールドも解除する。勾配aは、再締結所要時間Δtc
が好適範囲に納まるよう学習制御し、勾配bは、バンド
ブレーキの解放をショックの出ない範囲で最も速く完了
させるような値に予め定めておく。
Description
き摺り伝動により生ずる自動変速機のクリープ現象を防
止するための、自動変速機のクリープ防止装置に関する
ものである。
流体伝動装置を介して入力するため、自動変速機を走行
レンジにした動力伝達可能な状態での停車中に、該流体
伝動装置の引き摺りトルクが車両を微速走行させる、所
謂クリープ現象が発生するのを免れない。この微速走行
を運転者はブレーキを作動させて防止するが、この間、
燃費の悪化や、振動の問題を生じ易い。
動変速機を動力伝達可能な状態にするために油圧作動さ
れている発進用摩擦要素の作動油圧を低下させ、該発進
用摩擦要素をスリップ状態にすることで、流体伝動装置
によるクリープトルクが車輪に伝達されるのを低減する
ようにしたクリープ防止装置が提案されている。
状態の発進用摩擦要素が車輪を回転可能な状態にするこ
とから、車両が登坂路で停車している場合、車両は重力
により後退してしまう。そこでこの後退を防止するため
に、自動変速機における上記発進用摩擦要素を含む複数
の摩擦要素のうち、クリープ防止状態で作動させると変
速機出力軸の回転を阻止する摩擦要素を油圧作動させ、
これにより、登坂路での停車中に上記のクリープ防止制
御なされても車両が後退することのないようにした所謂
ヒルホールド付きのクリープ防止装置も既に提案されて
いる。
置においては、ブレーキペダルの釈放に呼応してクリー
プ防止制御を解除する場合、発進用摩擦要素を作動油圧
の上昇によりスリップ状態から再締結させると共に、ヒ
ルホールド可能な摩擦要素を作動油圧の低下により非作
動にして解放させる必要がある。
上昇およびヒルホールド可能な摩擦要素の作動油圧の低
下に関する制御態様としては従来、例えば特開昭63−
106449号公報に記載されているように、図8に示
すごとき油圧制御態様が提案されている。
チのON→OFF切換えにより示すように、車両を制動
状態から非制動状態にしたとすると、アクセルペダルを
踏み込まないアイドル運転のままでも(アイドルスイッ
チONの状態により示す)、以下のようにしてクリープ
防止制御を終了させる。つまり、当該ブレーキスイッチ
OFF瞬時t1 以降、発進用摩擦要素の作動油圧Pc を
一定勾配で上昇させ、この上昇を、作動油圧Pc が所定
値Pc0に達する瞬時t2 まで継続させると共に、当該瞬
時t2 に作動油圧Pc を一気に最大値へ上昇させる。
中のスリップ状態から再締結状態に向かい、そして瞬時
t2 にこの再締結を完了する。かように発進用摩擦要素
の再締結が進行するにつれ、流体伝動装置の出力回転数
であるタービン回転数Nt は実線で示すように低下さ
れ、瞬時t2 にほぼ0になったところでクリープ防止制
御を終了する。
能を果していた摩擦要素の作動油圧PB は、発進用摩擦
要素の作動油圧Pc が所定値Pc0に達する瞬時t2 に一
気に低下させ、これによりヒルホールド可能な摩擦要素
を解放することで、発進用摩擦要素の上記再締結と相俟
って発進変速段での発進走行を可能ならしめる。
来におけるクリープ防止制御の解除形態では、発進用摩
擦要素の摩擦係数に固体差があったり、当該摩擦係数が
経時変化した場合において以下の問題を生ずる。
い場合、同じ作動油圧Pc の上昇制御でも、タービン回
転数Nt が破線で示すように急速に低下して、瞬時t2
よりも前に0になることからも明らかなごとく、発進用
摩擦要素の再締結が早期に完了してしまう。
に小さい場合、同じ作動油圧Pc の上昇制御でも、ター
ビン回転数Nt が1点鎖線で示すようになかなか低下せ
ず、瞬時t2 よりも後で0になることからも明らかなご
とく、発進用摩擦要素の再締結完了が遅れてしまう。
速機出力トルクの破線で示すトルク波形から明らかなよ
うに、発進用摩擦要素の再締結が早すぎることに起因し
て瞬時t1 〜t2 間に大きなピークトルクが発生し、発
進用摩擦要素の大きな再締結ショックが発生するという
懸念がある。
ービン回転数Nt の1点鎖線で示す低下傾向から明らか
なように発進用摩擦要素の再締結完了が、ヒルホールド
可能な摩擦要素の解放(作動油圧PB の低下)瞬時t2
よりも遅くなり、結果として、発進用摩擦要素の再締結
完了前にヒルホールド可能な摩擦要素が解放されてしま
い、登坂路での車両の後退をクリープトルクの利用によ
り防止するという機能が得られなくなる。
要素の再締結がヒルホールド可能な摩擦要素の解放後で
あることに起因して、発進用摩擦要素の再締結ショック
が車輪にそのまま伝達され、これに、作動油圧PB の急
減が原因で発生するヒルホールド可能な摩擦要素の解放
ショックが加算されて、変速機出力トルクの1点鎖線で
示すトルク波形から明らかなごとく、瞬時t2 の直後に
大きなピークトルク、つまり大きなショックが発生する
という懸念がある。
が相対的に大きい場合、および小さい場合の問題である
が、当該摩擦係数がタービン回転数Nt の実線で示す低
下傾向を生ずるような設計仕様通りのままであったとし
ても、変速機出力トルクの実線で示すトルク波形から明
らかなごとく、作動油圧PB の急減が原因で発生するヒ
ルホールド可能な摩擦要素の大きな解放ショックが瞬時
t2 の直後に発生するという懸念を払拭し切れない。
係数にバラツキがあったり、これが経時変化しても、発
進用摩擦要素の再締結が確実に好適時間の経過時に完了
するようにし、これにより、発進用摩擦要素の再締結完
了が早すぎたり、遅すぎたりすることで生じていた従来
装置の前記問題を解消することを目的とする。
確実になるようにすることを目的とするものである。
最適タイミングでなされるようにすることで、ヒルホー
ルドの解除が早すぎたり、遅すぎたりすることで生ずる
問題を解消することを目的とする。
作用効果に加えて、請求項1および請求項2の発明によ
る作用効果も達成されるようにすることを目的とする。
て必要な発進用摩擦要素の再締結完了を正確に検知する
ようにすることで、請求項3の発明による前記作用効果
を一層確実なものにすることを目的とする。
できるだけ速やかに、しかしショックを生ずることなく
行わせるようにすることを目的とする。
上記の作用効果が一層確実になるようにすることを目的
とする。
請求項に記載の発明は以下の構成とする。請求項1に記
載された第1発明による自動変速機のヒルホールド付き
クリープ防止装置は、流体伝動装置を介してエンジンの
回転を入力され、複数の摩擦要素の選択的油圧作動によ
り選択された変速段でエンジン回転を変速して出力する
自動変速機に用いられ、停車中の制動状態において前記
流体伝動装置によるクリープトルクの伝達を低減するた
めに、前記複数の摩擦要素のうち、停車中に作動される
発進用摩擦要素の作動油圧を低下させることで、該発進
用摩擦要素をスリップ状態にするようにし、前記複数の
摩擦要素のうち、当該クリープ防止状態で作動させると
変速機出力軸の回転を阻止して車両のヒルホールドが可
能な摩擦要素を油圧作動させるようにした自動変速機の
ヒルホールド付きクリープ防止装置において、車両を制
動状態から非制動状態にしたことで行うべきクリープ防
止制御の解除時、前記発進用摩擦要素の作動油圧を、前
記スリップ状態から再締結完了までの再締結所要時間が
好適時間に維持されるような所定勾配で上昇させるよう
構成したことを特徴とするものである。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、上記第
1発明において、上記所定勾配を、上記スリップ状態か
ら再締結完了までの再締結所要時間が好適時間に維持さ
れるよう学習制御により定める構成にしたことを特徴と
するものである。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、流体伝
動装置を介してエンジンの回転を入力され、複数の摩擦
要素の選択的油圧作動により選択された変速段でエンジ
ン回転を変速して出力する自動変速機に用いられ、停車
中の制動状態において前記流体伝動装置によるクリープ
トルクの伝達を低減するために、前記複数の摩擦要素の
うち、停車中に作動される発進用摩擦要素の作動油圧を
低下させることで、該発進用摩擦要素をスリップ状態に
するようにし、前記複数の摩擦要素のうち、当該クリー
プ防止状態で作動させると変速機出力軸の回転を阻止し
て車両のヒルホールドが可能な摩擦要素を油圧作動させ
るようにした自動変速機のヒルホールド付きクリープ防
止装置において、車両を制動状態から非制動状態にした
ことで行うべきクリープ防止制御の解除時、前記発進用
摩擦要素を作動油圧の所定勾配での上昇により再締結さ
せ、該再締結の完了時に前記ヒルホールドが可能な摩擦
要素の作動油圧を低下させるよう構成したことを特徴と
するものである。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、上記第
3発明において、上記所定勾配を、上記スリップ状態か
ら再締結完了までの再締結所要時間が好適時間に維持さ
れるよう学習制御により定める構成にしたことを特徴と
するものである。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、上記第
3発明または第4発明において、前記再締結の完了を、
前記流体伝動装置の出力回転数がほぼ0になった時をも
って検知するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、上記第
3発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記ヒルホー
ルドが可能な摩擦要素の作動油圧を前記再締結の完了時
に、初期設定圧まで急減させ、以後、所定勾配で漸減さ
せるよう構成したことを特徴とするものである。
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置は、上記第
6発明において、前記初期設定圧を、前記ヒルホールド
可能な摩擦要素が締結を維持するのに必要な締結容量限
界圧に設定したことを特徴とするものである。
摩擦要素の選択的油圧作動により選択された変速段で、
流体伝動装置からのエンジンの回転を変速して出力す
る。
いて、上記流体伝動装置によるクリープトルクの伝達を
低減するに際し、上記複数の摩擦要素のうち、停車中に
作動される発進用摩擦要素の作動油圧を低下させること
により、該摩擦要素をスリップ状態にする。
ールド可能な摩擦要素を油圧作動させ、これにより変速
機出力軸の回転を阻止し、車両が坂道で上記のクリープ
防止状態にされる時も動かないようにしておくヒルホー
ルド機能を得る。
で行うべきクリープ防止制御の解除に際し、第1発明に
おいてはこれを特に以下のごとくに行う。つまり、上記
発進用摩擦要素の作動油圧を、クリープ防止用のスリッ
プ状態から再締結完了までの再締結所要時間が好適時間
に維持されるような所定勾配で上昇させる。
バラツキがあったり、これが経時変化した場合において
も、発進用摩擦要素がスリップ状態から再締結完了状態
になるのに要する再締結所要時間は確実に上記の好適時
間に保たれる。従って、発進用摩擦要素の再締結完了が
早すぎて大きな再締結ショックが発生するという懸念を
なくすことができるし、逆に、発進用摩擦要素の再締結
完了が遅れて当該再締結完了前にヒルホールド可能な摩
擦要素の解放がなされてしまい、発進用摩擦要素の再締
結ショックが車輪にそのまま伝達されるといった問題を
回避することができる。
て、当該再締結完了前にヒルホールド可能な摩擦要素が
解放されてしまい、ヒルホールド機能をクリープトルク
の利用で代替することができなくなるといった問題も回
避することができる。
記スリップ状態から再締結完了までの再締結所要時間が
好適時間に維持されるよう学習制御により定めることか
ら、当該学習制御により再締結所要時間を確実に上記の
好適時間にすることができ、第1発明による上記の作用
効果を更に確実なものにすることができる。
防止は第1発明におけると同様に遂行される。ところ
で、車両を制動状態から非制動状態にしたことで行うべ
きクリープ防止制御の解除に際しては、発進用摩擦要素
を作動油圧の所定勾配での上昇により再締結させ、該再
締結の完了時にヒルホールド可能な摩擦要素の作動油圧
を低下させることから、ヒルホールド可能な摩擦要素の
作動油圧を低下させて行うヒルホールドの解除が確実
に、発進用摩擦要素の再締結完了時に調時してなされる
こととなり、ヒルホールドの解除が発進用摩擦要素の再
締結完了前に行われた場合に生ずる問題、つまり、ヒル
ホールド機能をクリープトルクの利用で代替することが
できなくなるといった問題を回避することができるし、
逆にヒルホールドの解除が発進用摩擦要素の再締結完了
後に行われた場合に生ずる問題、つまり、一旦、発進用
摩擦要素およびヒルホールド可能な摩擦要素の双方が作
動された時の変速段に投入され、その後に、発進用摩擦
要素のみが作動された時の変速段に至るという頻繁な変
速が発生する問題を回避することができる。
記スリップ状態から再締結完了までの再締結所要時間が
好適時間に維持されるよう学習制御により定めることか
ら、当該学習制御により再締結所要時間を確実に一定時
間に保つことができ、第1発明および第2発明によると
同じ作用効果をも達成し得る。
要な発進用摩擦要素の再締結完了の検知を、流体伝動装
置の出力回転数がほぼ0になった時をもって検知するこ
とから、当該再締結完了の検知を、簡単にしかも正確に
行うことができる。
うヒルホールド可能な摩擦要素の作動油圧の低下に際し
て、この作動油圧を発進用摩擦要素の再締結完了時に初
期設定圧まで急減させ、以後、所定勾配で漸減させるこ
とから、ヒルホールド可能な摩擦要素の作動油圧の低下
により行うヒルホールドの解除をできるだけ速やかに、
しかしショックを生ずることなく行わせることができ
る。
期設定圧を、ヒルホールド可能な摩擦要素が締結を維持
するのに必要な締結容量限界圧に設定したことから、第
6発明の作用効果を更に確実なものにすることができ
る。
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態
になる自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置
を示すシステム図である。本実施の形態において自動変
速機の歯車伝動列は、日産自動車(株)発行「オートマ
チックトランスアクスル(RN4F02A型、RL4F
02A型)整備要領書」(A261C06)に記載され
たと同じものとし、当該歯車伝動列を内包する自動変速
機のために構成した本実施の形態になるヒルホールド付
きクリープ防止装置10は、自動変速機の前進第1速で
締結作動されるべき発進用摩擦要素であるフォワードク
ラッチ(F/C)11(上記文献ではロークラッチと称
されている)を半締結状態(スリップ状態)にしてクリ
ープ防止を行う他、かかるクリープ防止状態において作
動させると、フォワードクラッチ11がスリップ状態で
も、フォワードクラッチ11に関連して設けられたロー
ワンウエイクラッチ25(L/OWC)の係合と相俟っ
て、変速機出力軸の回転(前進時と逆方向の回転)を阻
止するバンドブレーキ26(B/B)の油圧作動によ
り、登坂路でのクリープ防止中も車両が後進することの
ないようにするヒルホールド機能を果たすよう構成す
る。従ってバンドブレーキ26(B/B)は、ヒルホー
ルド可能な摩擦要素を構成する。
すごとく、摩擦要素として上記のフォワードクラッチ1
1(F/C)、バンドブレーキ26(B/B)の他に、
リバースクラッチR/C、ハイクラッチH/C、ローリ
バースブレーキLR/Bを具え、更にフォワードクラッ
チ11(F/C)に関連してローワンウエイクラッチ2
5(L/OWC)を設けられており、摩擦要素を図2に
○で示す論理にしたがって選択的に油圧作動(締結)さ
せることにより、自動変速機は、対応した変速段(後進
変速段、前進第1速〜第4速)が選択された状態にする
ものとする。なお、図1における101は、上記歯車伝
動列およびリバースクラッチR/C、ハイクラッチH/
C、およびローリバースブレーキLR/Bを含むもので
ある。
(L/OWC)はフォワードクラッチ11(F/C)に
係わる回転メンバーであるフロントキャリアが前進時と
逆方向に回転する阻止し、ここでバンドブレーキ26
(B/B)を作動(締結)させると、フロントサンギヤ
が固定されるために、変速機出力軸に結合されているフ
ロントリングギヤが前進時と逆方向の回転を阻止され
る。
締結作動させると、フォワードクラッチ11(F/C)
がクリープ防止用にスリップ状態にされていても、変速
機出力軸の逆転を防止することができ、これにより、登
坂路でのクリープ防止中において車両が後進するのを防
止するヒルホールド機能が得られる。
おいて、12はトルクコンバータ(流体伝動装置)を示
し、ポンプインペラ12pと、タービンランナ12t
と、ステータ12sとで構成する。そしてトルクコンバ
ータ12は、ポンプインペラ12pをエンジンクランク
シャフト13に、また、タービンランナ12tを自動変
速機の入力軸14に結合し、ステータ12sを変速機ケ
ース15上にワンウエイクラッチ12oを介して乗せる
ことにより実用する通常のものとする。
流体を介してクランクシャフト13からのエンジン回転
(回転数Ne )を、トルク増大しつつ自動変速機の入力
軸14に伝達するもので、自動変速機への入力回転数を
Nt とする。
(F/C)およびバンドブレーキ26(B/B)を含む
複数の摩擦要素(図2参照)を具え、これら複数の摩擦
要素を図2の締結論理表にそって選択的に油圧作動(締
結)させることで、後進変速段、前進第1速〜第4速を
選択するものである。
進走行レンジにして停車している間に締結作動されて自
動変速機を前進第1速選択状態にするフォワードクラッ
チ11を半締結状態(スリップ状態)にしてクリープ防
止を行うようにするために、フォワードクラッチ11の
作動油圧PC を制御するオイルプレッシャモジュレータ
(圧力制御弁)16を設ける。
下、OPMと称する)16は、自動変速機のライン圧P
L を油路17から入力ポート18に供給され、出力ポー
ト19を油路20を経てフォワードクラッチ11の作動
油圧室11aに接続し、ドレンポート21を有するもの
で、スプール22の一端にソレノイド(アクチュエー
タ)23による電磁力を図中左向きに作用させ、スプー
ル22の他端が臨む室24にポート22aを経てポート
19の出力圧、つまり、フォワードクラッチ11の作動
油圧PC をフィードバックさせる。
ライン圧PL を元圧として、ソレノイド23への電流値
iX に応じた電磁力に対応する油圧PC を作りだすリニ
ヤソレノイド弁として機能し、この油圧PC を油路20
によりフォワードクラッチ11の作動油圧室11aにフ
ォワードクラッチ作動油圧として向かわせるものとす
る。ここで、フォワードクラッチ11は作動油圧PC に
比例した締結力を発生することができる。
クリープ防止中はフォワードクラッチ11がスリップ状
態でクリープトルクによる車両の後進防止(ヒルホール
ド)機能が得られず車両が後進することから、バンドブ
レーキ26(B/B)を締結作動させてヒルホールド機
能が得られるようにするために、バンドブレーキ26の
作動油圧PB を制御するオイルプレッシャモジュレータ
(圧力制御弁)27を設ける。
シャモジュレータ27(以下、OPMと称する)は、フ
ォワードクラッチ11用のオイルプレッシャモジュレー
タ16と同様のもので、入力ポートへのライン圧PL を
元圧として、ソレノイドへの電流値iY に応じた電磁力
に対応する油圧PB を作りだすリニヤソレノイド弁とし
て機能し、この油圧PB を油路28によりバンドブレー
キ26の作動油圧室26aにバンドブレーキ作動油圧と
して向かわせるものとする。ここで、バンドブレーキ2
6は作動油圧PB に比例した締結力を発生することがで
きる。
値(OPM電流)iX ,iY はそれぞれ、コントロール
ユニット30によりこれらを制御することとし、このコ
ントロールユニット30には、後述する入力センサ群3
1からの信号を供給する。
ロコンピュータを用いた車載型のものであり、入力回路
151、RAM152、ROM153、CPU154、
クロック回路155および出力回路156を具える周知
のものとする。
サからの入力信号をCPU154で演算処理し得るデジ
タル信号に変換して入力する回路である。またRAM1
52は、読み書きし得るメモリであり、各センサからの
入力信号の書き込みや、CPU154で演算中の情報の
書き込みや、書き込まれた情報の読み出しが行われる。
更にROM153は、読み出し専用メモリであり、CP
U154での演算処理に必要な情報等が予め記憶されて
おり、該情報は必要に応じてCPU154からの指令に
より読み出される。
条件に従って演算処理する装置であり、クリープ防止制
御や、ヒルホールド制御や、本発明によるクリープ防止
解除や、ヒルホールド解除のための、フォワードクラッ
チおよびバンドブレーキの作動制御時における入力情報
の処理を行うものであり、また、クロック回路155
は、CPU154における演算処理時間を設定する回路
である。出力回路156は、CPU154からの演算結
果信号に基づいて、OPM16,27に対しソレノイド
駆動電流iX ,iY を出力する回路である。
て、本実施の形態では、セレクト位置スイッチ161、
アイドルスイッチ162、油温センサ163、出力軸回
転数センサ164、エンジン回転数センサ165、ター
ビン回転数センサ166およびブレーキスイッチ167
を用いることとする。
機の選択レンジ(選択位置)に応じた信号を出力するス
イッチであり、本実施の形態では、選択レンジがニュー
トラルレンジ(Nレンジ)のときスイッチONとなり、
選択レンジが走行レンジ(ドライブレンジ;Dレンジ)
のときのみスイッチOFFとなってスイッチ信号PSWを
出力するものとする。
するスイッチ信号PSWは、NレンジからDレンジに切り
換わったこと(N→Dセレクト操作がなされたこと)を
示すため、ライン圧供給開始時期を決定する信号として
用いられる。
ロットルバルブが全閉状態(アイドル状態)か否かを検
出するスイッチであり、スロットルバルブが開状態のと
きスイッチOFFとなり、全閉状態のときのみON信号
によるスイッチ信号Idを出力する。なお、このアイド
ルスイッチ162の代わりにスロットルセンサを用いて
もよい。
TF温度)Tm を検出するセンサであり、油温信号T
atf を出力し、出力軸回転数センサ164は、変速機出
力軸の回転数Noを検出するセンサであり、この出力軸
回転数センサ164から出力される信号は車速を表わす
信号として用いる。
シャフト13の回転数(エンジン回転数)Ne を検出す
るセンサであり、タービン回転数センサ166は、変速
機入力軸14の回転数(タービン回転数)Nt を検出す
るセンサである。
ル等に配置され、フットブレーキまたはサイドブレーキ
の作動を検出するセンサであり、ブレーキ作動時にはブ
レーキ作動信号Bを出力する。
らの入力情報を基に、図3および図4のメインルーチン
を実行してクリープ防止制御およびヒルホールド制御、
並びに、クリープ防止からの発進制御(クリープ防止の
解除)およびヒルホールドの解除を以下のごとくに行う
と共に、後者のクリープ防止の解除およびヒルホールド
の解除を本発明の目的に叶うよう、特に図5のサブルー
チンにより後述のごとくに行うものとする。
群31の対応するセンサより夫々、信号PSW,Id,T
m ,No ,Bを読み込み、次のステップ51において、
信号PSWの有無により走行レンジ(Dレンジ)か否かの
判別を行い、走行レンジであれば制御をステップ52に
進めるが、走行レンジでなければ制御をステップ57に
進めて通常の走行制御を行う。
アイドルスイッチONのアイドル状態か否かを判別し、
アイドル状態であれば制御をステップ53に進めるが、
アイドル状態でなければ制御をステップ57に進めて通
常の走行制御を行う。
レーキONか否かを判別し、ブレーキONであれば制御
をステップ55に進めるが、ブレーキOFFであれば制
御をステップ57に進めて通常の走行制御を行う。
転数)No がほぼ0の停車中か否かを判別し、No がほ
ぼ0であればステップ55でフォワードクラッチ11を
介したクリープ防止制御の作動を開始すると共に、ステ
ップ56でバンドブレーキ26(B/B)を締結作動さ
せてヒルホールド作用を生起させるが、No がほぼ0で
なければ制御をステップ57に進めて通常の走行制御を
行う。
の作動開始、およびステップ56でのヒルホールド作用
は、「走行レンジ、アイドル状態、ブレーキON、車速
がほぼ0」という4つの条件が全て満たされた場合だけ
であり、それ以外の場合は通常の走行制御がなされるこ
とになる。
は、フォワードクラッチ11の作動油圧Pc を先ず、ク
ラッチが滑り出さない範囲内で定めた初期設定圧まで急
減させるよう、ソレノイド23への電流値iX を決定
し、その後、作動油圧Pc がクラッチの滑り始めまで所
定勾配で漸減するようソレノイド23への電流値iX を
決定し、当該瞬時以後は、トルクコンバータ12の入出
力回転数差で表されるトルクコンバータスリップ量が図
7の瞬時t1 以前における如き一定値(50rpm程
度)に保たれるよう作動油圧Pc を制御すべくソレノイ
ド23への電流値i X をフィードバック制御する。
で急減させ、以後、フォワードクラッチ11が滑り始め
るまで所定勾配で漸減させることにより、フォワードク
ラッチ11を開放ショックなしに速やかにスリップ状態
にして、クリープ防止を高応答で開始させることがで
き、また以後は、トルクコンバータスリップ量が一定値
に保たれるよう作動油圧Pc をフィードバック制御する
ことにより、確実なクリープ防止を実現することができ
る。
っては、バンドブレーキ26の作動油圧PB を先ず、バ
ンドブレーキ26が締結開始直前状態になる初期設定圧
まで急増させるよう、OPM27へのソレノイド駆動電
流iY を決定し、その後、作動油圧PB がブレーキの締
結ショックを生ずることのない所定勾配で漸増するよう
OPM電流値iY を決定し、最終的にOPM電流値iY
を最大値にして作動油圧PB を図7の瞬時t1 以前にお
ける如き上限値まで上昇させることによりバンドブレー
キ26を完全締結させる。
動変速機は出力軸を逆転不能にされ、登坂路でフォワー
ドクラッチ11をスリップ状態にしてクリープ防止を行
っている最中でも、車両が後進するのを防止することが
でき、所謂ヒルホールド作用が得られる。
止およびヒルホールドを実行した後、制御を図4に進
め、ステップ60においてこれらを更に継続したり、若
しくは終了させてステップ65〜69における後述の発
進制御プログラムに移行する。
スイッチ162から信号Id、エンジン回転数センサ1
65からの信号Ne 、出力軸回転数センサ164からの
信号No 、タービン回転数センサ166からの信号
Nt 、およびブレーキスイッチ167からの信号Bを読
み込む。
よりアイドルスイッチONのアイドル状態か否かを判別
し、アイドル状態(アクセルOFF)であれば制御をス
テップ63に進め、アイドルスイッチOFFのアクセル
ON状態となった場合には制御をステップ65に進め
て、アクセルON時における所定のフォワードクラッチ
締結制御(発進制御)を行う。
レーキONか否かを判別し、ブレーキONであれば制御
をステップ64に進め、ブレーキOFFであれば制御を
ステップ67に進めてアクセルOFF時における後述の
フォワードクラッチ締結制御(発進制御)を行う。
かを判別し、No がほぼ0の停車中であれば制御を上記
ステップ60に戻し、No がほぼ0よりも大きくなった
ら制御をステップ67に進めてアクセルOFF時のフォ
ワードクラッチ締結制御を後述するように行う。
ドル状態で、且つ、ブレーキONで、更に停車中である
と判定される限りは、制御をステップ60に戻して、ス
テップ55,56につき上述したクリープ防止およびヒ
ルホールドを継続することとする。
ドル状態でなくなったと判定する時は、先ずステップ6
5においてアクセルON時用のフォワードクラッチ11
(F/C)の再締結制御を行い、このクラッチをスリッ
プ状態から再締結させる。この再締結に当たっては、フ
ォワードクラッチ作動油圧Pc が所定棚圧ΔPだけ上昇
するようOPM電流iX を棚圧相当分だけ増大させ、こ
の状態を、ステップ66がフォワードクラッチ11(F
/C)の再締結完了を確認するまで継続する。
ダルのOFF→ON操作に伴ってエンジン回転が実際に
上昇するタイミングに調時してフォワードクラッチ11
(F/C)の再締結が完了するような値とする。また、
ステップ66における再締結完了の検知は、タービン回
転数Nt がほぼ0になった時をもって再締結完了である
と判定するのが実際的である。
止制御の作動を終了すべくOPM電流iX を最大値に
し、これによりフォワードクラッチ作動油圧Pc を調圧
上限値にしてフォワードクラッチ11(F/C)を如何
なる走行状態のもとでも決してスリップすることのない
ようにする。そして、ステップ69においてバンドブレ
ーキ26(B/B)を、ヒルホールドのために締結され
ていた状態から解放させるが、このバンドブレーキ解放
制御は、ステップ67におけるアクセルOFF時のフォ
ワードクラッチ締結制御(クリープ防止解除制御)と共
に本発明の要旨に係わるもので、以下に詳述するごとき
ものとする。
ーキOFFが検知されるか、またはステップ64で車速
Noが発生したと判定される(但し、アイドル状態)時
に実行されるもので、具体的には、ステップ68,69
の処理をも含むが、図5および図6に明示するごときも
のとする。
ワードクラッチ11(F/C)に係わるOPM電流iX
のクリープ防止解除指令時における瞬時値、つまりクリ
ープ防止用の最終OPM電流iXSを記憶する。この最終
OPM電流iXSは、図7の瞬時t1 にブレーキのOFF
がなされてクリープ防止の解除指令が発っせられる場合
につき説明すると、当該瞬時t1 におけるフォワードク
ラッチ作動油圧PcSを発生させているOPM電流であ
る。
t1 からの経過時間tを計測して、スリップ状態にされ
ていたフォワードクラッチ11(F/C)が再締結を完
了するのに要した再締結所要時間Δtc (図7参照)を
計測するためのタイマTMを起動する。次いでステップ
73において、フォワードクラッチ作動油圧Pc を図7
に示すように瞬時t1 における値PcSから所定勾配aで
上昇させるためのOPM電流i X を逐一iX =iXS+a
・tの演算により算出し、これをOPM16に出力す
る。かかるステップ73の処理は、次のステップ74で
タービン回転数Nt がほぼ0になったと判定するまで、
つまりフォワードクラッチ11(F/C)が再締結を完
了する図7の瞬時t2 まで継続する。
結を完了する瞬時t2 に、制御をステップ75に進め、
ここで当該瞬時t2 における前記タイマTMの計測値、
つまり瞬時t1 からの経過時間tを上記の再締結所要時
間Δtc にセットする。そしてステップ76,77で、
この再締結所要時間Δtc がショック対策上最も好適な
再締結所要時間目標値Δtt の1.1倍の上限許容値を
越えているか、再締結所要時間目標値Δtt の0.9倍
の下限許容値を下回っているか、これら上下限許容値間
の許容範囲に納まっているかチェックする。
t ×1.1)越えている場合、フォワードクラッチ11
(F/C)の再締結速度が遅すぎることから、ステップ
78において、フォワードクラッチ作動油圧Pc の上昇
勾配aをΔaだけ大きくする。逆に再締結所要時間Δt
c が下限許容値(Δtt ×0.9)に満たない場合、フ
ォワードクラッチ11(F/C)の再締結速度が速すぎ
ることから、ステップ79において、フォワードクラッ
チ作動油圧Pc の上昇勾配aをΔaだけ小さくする。そ
して、再締結所要時間Δtc が上下限許容値間の許容範
囲に納まっている場合、ステップ80においてフォワー
ドクラッチ作動油圧Pc の上昇勾配aを変更せず、現在
の値に保持する。
Δtc を上下限許容値間の許容範囲における好適時間に
維持することができることとなり、フォワードクラッチ
11(F/C)の摩擦係数にバラツキがあったり、これ
が経時変化した場合においても、図7の変速機出力トル
ク波形から明らかなように、フォワードクラッチ11
(F/C)の再締結完了が早すぎて大きな再締結ショッ
クが発生するという懸念をなくすことができると共に、
逆に、フォワードクラッチ11(F/C)の再締結完了
が遅れて当該再締結完了前にヒルホールド用に締結され
ていたバンドブレーキ26(B/B)が解放されてしま
い、発進用摩擦要素の再締結ショックが車輪にそのまま
伝達されるといった問題を回避することができる。
の再締結完了が遅れて、当該再締結完了前にヒルホール
ド用に締結されていたバンドブレーキ26(B/B)が
解放されてしまい、ヒルホールド機能をクリープトルク
の利用で代替することができなくなるといった問題も回
避することができる。
ドクラッチ作動油圧Pc の上昇勾配aを、再締結所要時
間Δtc が好適時間に維持されるよう学習制御すること
としたら、如何なる条件変化のもとでも再締結所要時間
Δtc を確実に好適時間に維持することができ、上記の
作用効果を更に確実なものにすることができる。
了をステップ74で判別した瞬時t 2 に行うべきバンド
ブレーキ26(B/B)のヒルホールド解除用の解放制
御は図6に示すごときもので、先ずステップ91におい
て、当該再締結完了瞬時t2からの経過時間tを計測す
るためにタイマTMを0にリセットした後、再起動す
る。次いでステップ92において、フォワードクラッチ
11(F/C)の作動油圧Pc を図7の瞬時t2 以降に
示すように調圧上限値にするために、対応するOPM電
流iX を最大値にする。
ンドブレーキ26(B/B)をヒルホールド解除用に解
放するために、対応するOPM電流iY を以下のごとく
制御する。つまり、バンドブレーキ作動油圧PB を図7
の瞬時t2 以降に示すごとく、先ず初期設定圧PBSに急
減させるために、ステップ93においてOPM電流iY
を対応するiYSに低下させ、以後ステップ94におい
て、バンドブレーキ作動油圧PB を初期設定圧PBSから
所定勾配bで低下させるために対応するOPM電流iY
を逐一iY =iYS−b・tの演算により算出し、これを
OPM27に出力する。
ーキ26(B/B)が締結状態を維持するのに必要なぎ
りぎりのバンドブレーキ作動油圧、つまり締結容量限界
圧に対応させるのが良く、また上記の所定勾配bは、バ
ンドブレーキ26(B/B)の解放をショックが生じな
い範囲内で最も高速に行わせ得る作動油圧PB の低下勾
配に対応させるのが良い。
プ95でOPM電流iY がバンドブレーキ26(B/
B)のリターンスプリング相当圧に対応した所定値iYR
未満になったと判定するまで、つまりバンドブレーキ2
6(B/B)がスリップし始める図7の瞬時t3 まで継
続させ、当該瞬時t3 に至ったところで、ステップ96
においてOPM電流iY を最小値にし、これによりバン
ドブレーキ作動油圧PB を図7の瞬時t3 以降に示すご
とく調圧下限値にすることで、バンドブレーキ26(B
/B)を完全に解放させ、ヒルホールドを解除する。
(ステップ63)に、前記したクリープ防止の解除(ス
テップ67,68)と共に行うべきバンドブレーキ26
(B/B)の解放を介したヒルホールドの解除(ステッ
プ69)に際し、これを上記した通り、フォワードクラ
ッチ11(F/C)の再締結完了の検知(ステップ7
4)により、当該再締結完了瞬時(図7の瞬時t2 )に
調時して行うこととしたから、バンドブレーキ26(B
/B)を作動油圧PB の低下により解放させて行うヒル
ホールドの解除が確実に、フォワードクラッチ11(F
/C)の再締結完了時t2 に調時してなされることとな
り、ヒルホールドの解除がフォワードクラッチ11(F
/C)の再締結完了前に行われた場合に生ずる問題、つ
まり、ヒルホールド機能をクリープトルクの利用で代替
することができなくなるといった問題を回避することが
できるし、逆にヒルホールドの解除がフォワードクラッ
チ11(F/C)の再締結完了後に行われた場合に生ず
る問題、つまり、一旦、フォワードクラッチ11(F/
C)およびバンドブレーキ26(B/B)の双方が作動
された時の変速段(実施形態では第2速)に投入され、
その後に、フォワードクラッチ11(F/C)のみが作
動された時の変速段(実施形態では第1速)に至るとい
う頻繁な変速が発生する問題を回避することができる。
動油圧PB を低下させるべきタイミングを判断する時に
必要な、フォワードクラッチ11(F/C)の再締結完
了を検知するに際し、タービン回転数Nt がほぼ0にな
った時をもって再締結完了と判定する(ステップ74)
から、当該再締結完了の検知を、簡単にしかも正確に行
うことができる。
動油圧PB を低下させるに際してこの作動油圧を、フォ
ワードクラッチ11(F/C)の再締結完了時(図7瞬
時t 2 )に先ず、締結容量限界圧に相当する初期設定圧
PBSまで急減させ(ステップ93)、以後、前記のごと
くに定めた所定勾配bで漸減させることから、バンドブ
レーキ26(B/B)の作動油圧PB を低下させて行う
ヒルホールドの解除をできるだけ速やかに、かといっ
て、大きなショックを生ずることなく行わせることがで
きる。
ホールド付きクリープ防止装置を示すシステム構成図で
ある。
擦要素の締結論理を示す図面である。
実行する、クリープ防止制御およびヒルホールド制御を
含む自動変速機の変速制御プログラムを、前半について
示すフローチャートである。
ートである。
時のクリープ防止解除制御およびヒルホールド解除制御
に関したサブルーチンを、前半について示すフローチャ
ートである。
である。
よびヒルホールド解除制御の動作タイムチャートであ
る。
ルホールド解除制御の動作タイムチャートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 流体伝動装置を介してエンジンの回転を
入力され、複数の摩擦要素の選択的油圧作動により選択
された変速段でエンジン回転を変速して出力する自動変
速機に用いられ、 停車中の制動状態において前記流体伝動装置によるクリ
ープトルクの伝達を低減するために、前記複数の摩擦要
素のうち、停車中に作動される発進用摩擦要素の作動油
圧を低下させることで、該発進用摩擦要素をスリップ状
態にするようにし、前記複数の摩擦要素のうち、当該ク
リープ防止状態で作動させると変速機出力軸の回転を阻
止して車両のヒルホールドが可能な摩擦要素を油圧作動
させるようにした自動変速機のヒルホールド付きクリー
プ防止装置において、 車両を制動状態から非制動状態にしたことで行うべきク
リープ防止制御の解除時、前記発進用摩擦要素の作動油
圧を、前記スリップ状態から再締結完了までの再締結所
要時間が好適時間に維持されるような所定勾配で上昇さ
せるよう構成したことを特徴とする自動変速機のヒルホ
ールド付きクリープ防止装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記所定勾配を、前
記スリップ状態から再締結完了までの再締結所要時間が
好適時間に維持されるよう学習制御により定める構成に
したことを特徴とする自動変速機のヒルホールド付きク
リープ防止装置。 - 【請求項3】 流体伝動装置を介してエンジンの回転を
入力され、複数の摩擦要素の選択的油圧作動により選択
された変速段でエンジン回転を変速して出力する自動変
速機に用いられ、 停車中の制動状態において前記流体伝動装置によるクリ
ープトルクの伝達を低減するために、前記複数の摩擦要
素のうち、停車中に作動される発進用摩擦要素の作動油
圧を低下させることで、該発進用摩擦要素をスリップ状
態にするようにし、前記複数の摩擦要素のうち、当該ク
リープ防止状態で作動させると変速機出力軸の回転を阻
止して車両のヒルホールドが可能な摩擦要素を油圧作動
させるようにした自動変速機のヒルホールド付きクリー
プ防止装置において、 車両を制動状態から非制動状態にしたことで行うべきク
リープ防止制御の解除時、前記発進用摩擦要素を作動油
圧の所定勾配での上昇により再締結させ、該再締結の完
了時に前記ヒルホールド可能な摩擦要素の作動油圧を低
下させるよう構成したことを特徴とする自動変速機のヒ
ルホールド付きクリープ防止装置。 - 【請求項4】 請求項3において、前記所定勾配を、前
記スリップ状態から再締結完了までの再締結所要時間が
好適時間に維持されるよう学習制御により定める構成に
したことを特徴とする自動変速機のヒルホールド付きク
リープ防止装置。 - 【請求項5】 請求項3または4において、前記再締結
の完了を、前記流体伝動装置の出力回転数がほぼ0にな
った時をもって検知するよう構成したことを特徴とする
自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置。 - 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれか1項におい
て、前記ヒルホールドが可能な摩擦要素の作動油圧を前
記再締結の完了時に、初期設定圧まで急減させ、以後、
所定勾配で漸減させるよう構成したことを特徴とする自
動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置。 - 【請求項7】 請求項6において、前記初期設定圧を、
前記ヒルホールド可能な摩擦要素が締結を維持するのに
必要な締結容量限界圧に設定したことを特徴とする自動
変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00370597A JP3465512B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10196782A true JPH10196782A (ja) | 1998-07-31 |
JP3465512B2 JP3465512B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=11564781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP00370597A Expired - Lifetime JP3465512B2 (ja) | 1997-01-13 | 1997-01-13 | 自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3465512B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-01-13 JP JP00370597A patent/JP3465512B2/ja not_active Expired - Lifetime
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DE102004035504B4 (de) * | 2003-07-22 | 2015-07-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Steuervorrichtung zum Starten von Fahrzeugen |
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