JPH10195731A - 軽量布帛 - Google Patents

軽量布帛

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JPH10195731A
JPH10195731A JP8345253A JP34525396A JPH10195731A JP H10195731 A JPH10195731 A JP H10195731A JP 8345253 A JP8345253 A JP 8345253A JP 34525396 A JP34525396 A JP 34525396A JP H10195731 A JPH10195731 A JP H10195731A
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JP
Japan
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fiber
shrinkage
fabric
fibers
feeling
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Application number
JP8345253A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Okamoto
佳久 岡本
Mamoru Shinomiya
守 四宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で,かつふくらみ感,ドライ感,シャリ
感等の新規な風合を有する軽量布帛を提供する。 【解決手段】 沸水収縮率が10%以下で,中空率が5
〜30%,異形度1.5〜3.5の井型横断面形状の低収縮
繊維と,沸水収縮率が16%以上で,最大熱応力値が0.
2g/d以上の高収縮繊維とからなる混合糸条を布帛の
30%以上用いてなる軽量布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,軽量感でふくらみ
感があり,かつシャリ感,ドライ感等の新規な風合を有
する軽量布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,合成繊維の断面形状を異形化
することにより合成繊維特有の光沢やヌメリ感を除去し
て,合成繊維布帛に絹様の光沢と風合を付与する試みが
種々行われてきた。例えば,三角断面や星状の突起を有
する異形断面糸は,従来の丸断面の合成繊維では得られ
なかった光沢とヌメリ感を除去した風合を付与するもの
として実用化されている。
【0003】一方,異収縮混繊糸を用いたものは,豊か
な光沢,良好なドレープ性,まろやかでふくらみ感のあ
る風合を有し,秋から冬にかけてのファッション素材と
しては好ましいものであるが,春から夏にかけての素材
としては暑苦しい感じのものである。近時,春から夏に
かけての素材として,布帛にさわやかなドライ感,ふく
らみ感,シャリ感があり,さらに,軽量感のあるものが
強く要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,ふくらみ感とともにドラ
イ感,シャリ感に優れた新規な風合を有する軽量布帛を
得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,沸水収縮率が10%以下で,中空率5〜30
%,異形度1.5〜3.5の井型横断面形状の低収縮繊維
と,沸水収縮率が16%以上で,最大熱応力値が0.2g
/d以上の高収縮繊維とを混合してなる混合糸条を布帛
の30%以上用いてなることを特徴とする軽量布帛を要
旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。本発明では,まず,布帛を構成する繊維として,
沸水収縮率が10%以下であり,中空率5〜30%,異
形度1.5〜3.5の井型横断面形状の低収縮繊維(以下,
井型中空繊維という。)と,沸水収縮率が16%以上
で,最大熱応力値が0.2g/d以上の高収縮繊維とを混
合した混合糸条を用いる。
【0007】この井型中空繊維は,溶融紡糸可能な熱可
塑性重合体であればいかなるものでもよく,特に制限は
ない。得られる繊維性能より,ポリアミド重合体あるい
はポリエステル重合体を用いるのが好ましい。ポリアミ
ド重合体繊維としてはナイロン6繊維,ナイロン66繊
維等を,ポリエステル重合体繊維としてはポリエチレン
テレフタレート繊維,ポリブチレンテレフタレート繊維
等を好ましく用いることができる。これらの熱可塑性重
合体は,繊維性能の向上のため,第3成分が添加あるい
は共重合されていてもよい。
【0008】上述のごときポリアミド重合体またはポリ
エステル重合体よりなる熱可塑性繊維の中空率は,次式
による中空率が5〜30%程度であることが好ましい。 中空率(%)=〔A/(A+B)〕×100 (ただし,Aは中空部の面積,Bは非中空部の面積) 中空率が5%よりも小さくなると,通常の非中空繊維と
の重量差が少なく,軽量性に欠ける結果となり,逆に,
中空率が30%よりも大きくなると,軽量性は向上する
が,溶融紡糸が難しく,製糸性に劣る悪い傾向になり,
さらに,繊維の強度低下,耐摩耗性が弱くなり,フィブ
リル化の問題が発生するので好ましくない。
【0009】中空繊維の異形度は,繊維横断面の外接円
の直径を内接円の直径で除算した値で表すことができ
る。本発明では,その異形度が1.5〜3.5の範囲にある
ことが必要である。異形度が1.5より低くなると,繊維
横断面の外周部に微細な突起部が形成されず,普通糸の
丸断面形状に近い形状となり,繊維横断面の外周部が微
細な突起部を有している井型横断面形状に起因する風合
のドライ感,シャリ感に劣り,一般的に好まれないヌメ
リ感の強い風合になってしまうので注意をする必要があ
る。逆に,異形度が3.5よりも高くなると,ドライ感,
シャリ感の風合には優れるが,耐摩耗性が弱くなるので
不適である。
【0010】また,本発明で用いる高収縮繊維として
は,沸水収縮率が16%以上で,最大熱応力値が0.2g
/d以上の糸質性能を満足する溶融紡糸可能な熱可塑性
重合体よりなる繊維であればいかなるものでもよく,特
に制限はないが,得られる繊維性能より,ポリアミド重
合体あるいはポリエステル重合体よりなる繊維を用いる
のが好ましい。より好ましくは,ポリアミド重合体繊維
としてナイロン66の割合が5〜20%であるナイロン
6/66共重合体繊維や,鞘成分を構成するポリアミド
と芯成分を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体との
成分比が1:0.4〜2.4の芯鞘型複合繊維等を用いるの
がよく,また,ポリエステル重合体繊維としては,エチ
レングリコールとテレフタル酸の合計が85モル%以上
であり,イソフタル酸が15モル%以下よりなる3元共
重合体ポリエステル繊維を用いるのがよい。これらの熱
可塑性重合体には,繊維性能向上のため,他の成分が添
加あるいは共重合されていてもよい。
【0011】本発明では,上述のごとき沸水収縮率が1
6%以上の高収縮繊維と10%以下の井型中空繊維の2
種類の糸条を混合して用いるが,高収縮繊維の沸水収縮
率は16%以上であることが必要である。沸水収縮率が
16%より低くなると,井型中空繊維との収縮差が少な
くなり,井型中空繊維のループを十分に顕現させにく
く,また,目的とする単糸間の空隙が得られにくく,軽
量効果が少なくなり,ふくらみ感が得られなくなるので
好ましくない。井型中空繊維の沸水収縮率は10%以下
であることが必要である。沸水収縮率が10%以上にな
ると,高収縮繊維との収縮差が少なくなり,本発明の目
的とするふくらみ感,ドライ感,シャリ感風合や,より
一層の軽量化が得られにくくなるので好ましくない。
【0012】ここで,沸水収縮率は,次の方法で測定さ
れる。すなわち,綛上げ機で糸条を一定長だけ捲き上
げ,その初荷重1g/d下での長さl0 を測定し,次
に,無拘束の状態で沸騰する熱水中で15分間処理し,
自然乾燥後,初荷重1g/d下での長さl1 を測定し,
次式によって算定される値である。 沸水収縮率(%)=〔(l0 −l1)/l0 〕×100
【0013】また,高収縮繊維の最大熱応力値は,0.2
g/d以上であることが必要であり,最大熱応力値が0.
2g/d未満になると,沸水収縮率が16%以上あって
も,編織物に十分な収縮を与えることができず,その表
面に井型中空繊維を十分に顕現させにくく,軽量効果が
少なくなり,ふくらみ感が得られなくなるので好ましく
ない。ここで,最大熱応力値は,次の方法で測定され
る。すなわち,市販の乾熱収縮応力測定器を用いて,試
料を15cm径の輪とし,その初張力を60mg/dに設定
して,昇温速度300℃/分のもとで測定を行い,その
発現された最大の応力値を測定する。
【0014】本発明では,上述の低収縮井型中空繊維と
高収縮繊維を混合して混合糸条を形成する。混合糸条の
形成方法としては,低収縮井型中空繊維よりなるマルチ
フィラメント糸条と高収縮繊維よりなるマルチフィラメ
ント糸条とを混繊したり,あるいは合撚したりすればよ
い。混繊加工に際しては,特に高収縮繊維を芯部に,低
収縮井型中空繊維を鞘部とする芯鞘構造を形成するのが
より好ましく推奨される。
【0015】この混合糸条は,本発明では,布帛中に少
なくとも30重量%以上含有されていることが必要であ
る。混合糸条の量が30重量%未満になると,布帛に十
分な収縮を与えることができないので好ましくない。本
発明の布帛の編織組織は,従来公知の種々のものを任意
に採用することができる。また,混合糸条のサイジング
に際して高温度で乾燥したり,製編織後の乾燥に際して
高温度で乾燥したりしない方がよい。これは,高収縮繊
維の収縮性を阻害するおそれがあるためである。
【0016】この後,本発明では,上述の布帛にリラッ
クス処理や染色仕上げ加工を施す。このリラックス処理
は,独立して行ってもよいが,通常は染色仕上げ加工を
兼ねて行うと合理的である。染色仕上げ加工は,従来よ
り公知の方法で任意に行うとよい。例えば,温水中で通
常のリラックスおよび精練を行い,ナイロン繊維布帛で
は,酸性染料または含金属染料等で,通常の染色を10
0℃で30分程度行い,ポリエステル繊維布帛では,分
散染料で,通常の染色を130℃で30分程度行う。
【0017】このとき,高収縮繊維が大きく収縮して芯
糸となり,低収縮繊維が芯糸の周りにループを形成する
ため,単糸間の空隙が大きくなり,布帛における軽量効
果がさらに増加するようになる。すなわち,高収縮繊維
と低収縮井型中空繊維を混合することにより,その中空
率により中空に起因する軽量効果を有するとともに,単
糸間の空隙の増加による軽量化を合わせ有し,軽量効果
がより一層増大し,ふくらみ感を増す。このとき,布帛
は所望の色相に染色される。以上のようにして,ふくら
み感とともにドライ感,シャリ感に優れた新規な風合を
有する軽量織物を得ることができる。
【0018】
【作用】本発明のごとく,高収縮繊維と低収縮井型中空
繊維の2種の糸条を混合した混合糸条を用いて織編物を
構成し,これにリラックス処理や染色仕上げ加工を施す
と,高収縮繊維と低収縮井型中空繊維の間に収縮差が発
現して,低収縮井型中空繊維が高収縮繊維の周りにルー
プを形成し,単糸間の空隙が大きくなり,ふくらみ感と
ともに低収縮井型中空繊維の井型横断面形状によるドラ
イ感,シャリ感に優れた風合を得ることができ,繊維の
井型中空に起因する軽量効果と上記単糸間空隙の増加が
相まって,布帛の軽量化がより一層図られるようにな
る。
【0019】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の評価は,下
記の方法で行った。 (1)風合 布帛のふくらみ感やドライ感,シャリ感をハンドリング
による官能検査により相対的に次の4段階で評価した。 ◎:非常に良好 ○:良 好 △:やや不良 ×:不 良
【0020】(2)軽量性 被測定試料の厚み(mm)と1m2 当たりの重量(g)を
測定し,1m2 当たりの重量を厚みで除算した値で評価
した。数値が小さいほど軽量であることを示す。
【0021】実施例1 相対粘度(1g/100ミリリットル,98%H2 SO
4 ,25℃)が2.6のナイロン6チップを用い,繊維断
面が井型中空断面となる紡糸口金にて,従来より公知の
方法により,紡糸速度1200m/分にて一旦捲き取っ
た後,延伸倍率3.05倍,延伸速度1100m/分にて
延伸を行う2工程方式により30デニール/8フィラメ
ントの井型中空繊維を得た。この井型中空繊維の繊度は
30.1デニール,中空率が23%,異形度が2.1,沸水
収縮率が8.5%であった。次に,ナイロン66の割合が
15%であるナイロン6/66共重合体チップ(相対粘
度2.6)を用い,繊維断面が丸型断面となる紡糸口金に
て,従来より公知の方法により,紡糸速度1600m/
分で一旦捲き取った後,延伸倍率3.0倍,延伸速度11
00m/分にて延伸を行う2工程方式により30デニー
ル/6フィラメントの高収縮繊維を得た。この高収縮繊
維の繊度は30.3デニール,沸水収縮率21%,最大熱
応力値0.3g/dであった。続いて,上述の井型中空繊
維と高収縮繊維を用いてインターレース加工を行うに際
し,デュポン製社インターレーサーJD−1を用いて,
スピンドル回転数が12000rpm ,オーバーフィード
率0.4%,空気圧2.0kg/cm2 ,糸速800m/分の加
工条件で混繊加工を行い,60デニール/14フィラメ
ントの混繊糸を得た。この混繊糸を経糸,緯糸に用い
て,経糸密度118本/吋,緯糸密度84本/吋の平織
物を製織した。次に,この織物をサーキュラー型液流染
色機(日阪製作所株式会社製)に投入し,下記処方1に
より80℃,20分間のリラックス,精練後,糸表面に
顕現したループを損傷しないように経方向,緯方向に過
剰な加工張力を避けて,ピンテンター(市金工業株式会
社製,ヒートセッター)で170℃,1分間のプレセッ
トを行った。
【0022】処方1 サンモール FL 1g/リットル (日華化学株式会社製,界面活性剤) NaOH(フレーク) 1g/リットル
【0023】続いて,同じ液流染色機を用いて,下記処
方2により100℃,30分間の染色を行い,乾燥後,
ピンテンターで170℃,1分間の仕上げセットを行っ
て,経糸密度135本/吋,緯糸密度96本/吋のふく
らみ感,ドライ感,シャリ感のある本発明の無地染織物
を得た。
【0024】処方2 スミノールファーストブルー G 0.75%owf (住友化学工業株式会社製,酸性染料) テロンネービーブルー R(182%) 0.145%owf (バイエルジャパン株式会社製,酸性染料) レベラン NKD 2.0%owf (丸菱油化株式会社製,均染剤) メイサン PC 1g/リットル (明成化学株式会社製,pH調整剤)
【0025】本発明との比較のため,本実施例において
高収縮繊維として沸水収縮率8.2%,最大熱応力値0.3
g/dのものに変更した以外は,本実施例とまったく同
一の方法により比較用の無地染織物(比較例1)を得
た。また,本発明との比較のため,本実施例において高
収縮繊維として沸水収縮率21%,最大熱応力値0.13
g/dのものを使用する以外は,本実施例とまったく同
一の方法により比較用の無地染織物(比較例2)を得
た。
【0026】さらに,本発明との比較のため,本実施例
で用いた同一のナイロンを使用し,低収縮側の繊維断面
が丸断面形状となる紡糸口金を用いて,従来より公知の
方法により,紡糸速度1300m/分で一旦捲き取った
後,延伸倍率3.10倍,延伸速度1200m/分にて延
伸を行う2工程方式により30デニール/8フィラメン
トの中空繊維を得た。この丸型中空繊維の繊度は30.3
デニール,中空率25%,沸水収縮率は8.3%であっ
た。ここで,上述の沸水収縮率が8.3%の丸型中空繊維
と本実施例で用いた高収縮繊維とを本実施例と同一の方
法で混繊し,60デニール/14フィラメントの混繊糸
を得た。この混繊糸を経糸,緯糸に用いて,経糸密度1
19本/吋,緯糸密度85本/吋の平織物を製織した
後,本実施例とまったく同一の方法により染色仕上げ加
工を行い,比較用の無地染織物(比較例3)を得た。
【0027】また,本実施例において経糸に井型中空繊
維30デニール/8フィラメントの2本引揃え糸を使用
し,緯糸にこの井型中空繊維と本実施例の井型中空繊維
と高収縮繊維の混合糸条を1本おきに交互に使用して,
布帛全体に対する混合糸条の使用量を21重量%とする
他は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の無
地染織物(比較例4)を得た。本発明および比較用の織
物の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示
した。
【0028】
【表1】
【0029】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
って得られた織物は,比較用の織物に比べて良好なふく
らみ感を有し,風合も良好なドライ感,シャリ感を有
し,軽量性も非常に良好であった。
【0030】実施例2 酸化チタンを0.18重量%含有するポリエチレンテレフ
タレートを溶融紡糸するに際し,繊維断面が井型中空断
面となる孔数16の紡糸口金を用いて,紡糸温度285
℃にて,延伸後の繊度が60デニールとなるように吐出
量を調整し,紡糸速度1400m/分にて未延伸糸を8
フィラメントずつ個別に採取した。続いて,延伸装置を
用いて延伸を行うに際し,延伸倍率2.65倍にてホット
ロール(温度85℃),ヒータープレート(温度140
℃)に接触の条件で延伸し,延伸速度700m/分で捲
き取り,30デニール/8フィラメントの井型中空繊維
を得た。この井型中空繊維は,中空率24%,異形度2.
0,沸水収縮率8.1%であった。一方,エチレングリコ
ール成分とテレフタル酸成分以外にイソフタル酸成分を
12モル%添加してポリエステルを溶融紡糸し,30デ
ニール/6フィラメントの高収縮繊維を得た。この高収
縮繊維の沸水収縮率は25%であり,最大熱応力値は0.
5g/dであった。次に,上述の井型中空繊維と高収縮
繊維を用いて実施例1と同様のインターレース処理を行
い,60デニール/14フィラメントの混繊糸を得た。
この混繊糸を経糸,緯糸に用いて,経糸密度118本/
吋,緯糸密度84本/吋の平織物を製織した。さらに,
この織物をサーキュラー型液流染色機(日阪製作所株式
会社製)に投入し,下記処方3により80℃,20分間
のリラックス,精練後,糸表面に顕現したループを損傷
しないように経方向,緯方向に過剰な加工張力を避け
て,ピンテンター(市金工業株式会社製,ヒートセッタ
ー)で180℃,1分間のプレセットを行った。
【0031】処方3 サンモール FL 1g/リットル (日華化学株式会社製,界面活性剤) NaOH(フレーク) 1g/リットル
【0032】続いて,同じ液流染色機を用いて,下記処
方4により130℃,30分間の染色を行い,乾燥後,
ピンテンターで170℃,1分間の仕上げセットを行っ
て,経糸密度141本/吋,緯糸密度99本/吋のふく
らみ感,ドライ感,シャリ感のある本発明の無地染織物
を得た。
【0033】処方4 ダイアニックスイエロー U-SE (200%) 0.1%owf (ダイスタージャパン株式会社製,分散染料) ダイアニックスレッド U-SE 0.07%owf (ダイスタージャパン株式会社製,分散染料) ダイアニックスブルー UN-SE 0.07%owf (ダイスタージャパン株式会社製,分散染料) サンソルト SN-130 0.5g/リットル (日華化学株式会社製,分散剤) 酢 酸 0.2cc/リットル
【0034】本発明との比較のため,本実施例において
高収縮繊維として沸水収縮率9.5%,最大熱応力値0.4
g/dのものに変更した以外は,本実施例とまったく同
一の方法により比較用の無地染織物(比較例5)を得
た。また,本発明との比較のため,本実施例において高
収縮繊維として沸水収縮率24%,最大熱応力値0.1g
/dのものを使用する以外は,本実施例とまったく同一
の方法により比較用の無地染織物(比較例6)を得た。
さらに,本発明との比較のため,本実施例で用いた同一
のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸するに際し,
繊維断面が丸断面形状となる紡糸口金を用いて,実施例
1と同じ方法により30デニール/8フィラメントの中
空繊維を得た。この丸型中空繊維は,中空率25%,沸
水収縮率8.5%であった。次に,上述の丸型中空繊維と
本実施例で用いた高収縮繊維とを本実施例と同一の方法
で混繊し,60デニール/14フィラメントの混繊糸を
得た。この混繊糸を経糸,緯糸に用いて,経糸密度11
9本/吋,緯糸密度85本/吋の平織物を製織した後,
本実施例とまったく同一の方法により染色仕上げ加工を
行い,比較用の無地染織物(比較例7)を得た。本発明
および比較用の織物の性能を測定,評価し,その結果を
合わせて表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】表2より明らかなごとく,本発明の織物
は,比較用の織物に比べてふくらみ感が優れ,風合もド
ライ感,シャリ感を有した新規なものであり,しかも軽
量性についても良好であった。
【0037】実施例3 前記実施例1で得られた混繊糸条を使用し,福原精機株
式会社製の丸編機(LPJ−H型,33インチ,28ゲ
ージ)にてモックミラノリブ組織の編地を編成した。次
に,実施例1における染色加工においてリラックス,精
練時に用いたカセイソーダを除く他は,実施例1とまっ
たく同一の方法により本発明の無地染編地を得た。本発
明との比較のため,本実施例において用いた井型中空繊
維の沸水収縮率を14.0%に変更した以外は,本実施例
とまったく同一の方法により比較用の無地染編地(比較
例8)を得た。また,本発明との比較のため,本実施例
において用いた高収縮繊維の最大熱応力値を0.03g/
dに変更した以外は,本実施例とまったく同一の方法に
より比較用の無地染編地(比較例9)を得た。本発明お
よび比較用の編地の性能を測定,評価し,その結果を合
わせて表3に示した。
【0038】
【表3】
【0039】表3より明らかなごとく,本発明の編物
は,比較用の編物に比べてふくらみ感が優れ,風合もド
ライ感,シャリ感を有した新規な風合の編物であり,し
かも軽量性についても良好であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば,ふくらみ感,ドライ
感,シャリ感を有する独特の風合と軽量性の極めて良好
な布帛を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸水収縮率が10%以下で,中空率5〜
    30%,異形度1.5〜3.5の井型横断面形状の低収縮繊
    維と,沸水収縮率が16%以上で,最大熱応力値が0.2
    g/d以上の高収縮繊維とを混合してなる混合糸条を布
    帛の30%以上用いてなることを特徴とする軽量布帛。
JP8345253A 1996-12-25 1996-12-25 軽量布帛 Pending JPH10195731A (ja)

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JP8345253A JPH10195731A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 軽量布帛

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JP8345253A JPH10195731A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 軽量布帛

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ID=18375349

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2294897A1 (es) * 2005-10-14 2008-04-01 Jose Maria Maso Marcet Tira tejida.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2294897A1 (es) * 2005-10-14 2008-04-01 Jose Maria Maso Marcet Tira tejida.

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